JP2790750B2 - レンダリング装置 - Google Patents

レンダリング装置

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JP2790750B2
JP2790750B2 JP12396192A JP12396192A JP2790750B2 JP 2790750 B2 JP2790750 B2 JP 2790750B2 JP 12396192 A JP12396192 A JP 12396192A JP 12396192 A JP12396192 A JP 12396192A JP 2790750 B2 JP2790750 B2 JP 2790750B2
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和彦 鈴木
桂子 渡部
淳 高木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レンダリング装置にか
かり、特に、物体を、コンピュータグラフィックス等の
画像処理によって3次元的にリアルな再現表示を可能に
するレンダリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
表面の光学的性状が均質な物体について、物体表面の2
次元分光立体角反射率を用いて、光線追跡法に基づく着
色計算を行うことにより、3次元的かつリアルに物体を
再現表示する方法がある(A.Takagi et al,Computer Gr
aphics,Vol 24,No.4,1990 )。
【0003】この方法は、以下の式(1)に示したよう
に、物体表面の分光立体角反射率等に基づいてCIE
(国際照明委員会)標準のXYZ表色系表色値(三刺激
値)を求め、それを以下の式(2)に示した線型一次結
合変換によって表色系固有の表色値へ変換し、γ補正を
行ってRGB階調度に変換することによって、物体の再
現画像表示を行っている。
【0004】
【数1】
【0005】
【数2】
【0006】但し、YR 、YG 、YB :RGB表色系の
輝度値 A :aij(i,j=1,2,3)から構成される
等色変換行列 aij :表示装置の固有値(表示画面の輝度計測によ
り定まる)。
【0007】この方法によれば、物体表面の微小領域へ
角度θをなして入射する輝度L(λ,Θ)の光束が分光
立体角反射率R(λ,Φ)で反射されて画像表示位置
(すなわち視点)へ向かう微小立体角当たりの光束を、
得ることができる。これを立体角について積分すること
により、全立体角から入射する全光束が画像を形成する
画面の1画素を通過するときの輝度が得られる。これに
基づき、XYZ表色系の三刺激値に変換する。
【0008】しかしながら、上記方法は、表面の分光反
射率が均質な物体には適用できるが、分光立体角反射率
は物体の広範囲の計測値であるため、表面の分光反射率
が非均質な物体、例えば、微細な色柄模様を有する物体
への適用は不可能であった。また、織物等、複雑な反射
特性を有する物体は、それを見る方向によって分光反射
率が異なるため、この物体に対しても適用不可能であっ
た。
【0009】また、上記方法を表面の分光反射率の非均
質な物体へ適用するためには、物体の微小領域の分光立
体角反射率が全面に渡って必要となるが、このように全
面に渡る分光立体角反射率を計測する装置が現存しない
ため所望の量の計測値を入手することができない。ま
た、入手可能であっても、3次元的な角度条件の組合せ
に対し、波長に対応しかつ物体表面の全面に渡って計測
値を保持しなければならないため、データ保持量が膨大
となり、実際的なシステム構成は困難である。
【0010】ところで、物体に微細な色柄模様を表示さ
せる方法として、テクスチャ・マッピング法(J.F.Blin
n et al,Communication of the ACM,Vol.19,No.10,197
6)がある。この方法を用いれば、平面模様を物体表面
へ写像することにより、微細な模様を表示可能である。
【0011】しかしながら、この方法は、一般にカラー
スキャナ等による3色分解法に基づいて計測されるRG
B表色系表色値を模様データとしてマッピングするもの
であり、物体表面に模様を表示させることには有効であ
るが、物体表面の正確な等色再現表示を行うことができ
ない。すなわち、マッピングするための表色値は、ある
光源下において計測された値であり一義的に定まるもの
であるため、入射光の分光エネルギー変化、例えば光源
の変更等に応じて表色値を変更することができない。ま
た、RGB表色系は計測系に固有の表色系であるため、
他の表色系への変換が複雑でかつ、変換時の精度が低く
なる。更に、表色値を計測するための角度条件はカラー
スキャナ等の計測装置の計測系に依存することにより一
義的に定まるため、任意の角度条件での表色値を得るこ
とができない。
【0012】本発明は、上記事実を考慮して、物体の形
状及び表面の状態に拘わらず、物体の表面色を目視感に
合致した色として再現することができるレンダリング装
置を得ることが目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、物体に照射される光源の分光エネルギー、
前記物体の微小領域における分光反射率、及び前記物体
の広範囲における分光立体角反射率、を用いて前記微小
領域毎に分光放射エネルギーを求める放射エネルギー演
算手段と、前記求めた分光放射エネルギーに基づいて表
色系の表色値を演算する表色値演算手段と、前記表色値
を画像表示するための画像データに変換する変換手段
と、前記画像データに基づいて前記物体の画像を表示す
る表示手段と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
【作用】物体を目視したとき、物体表面から視点位置へ
到達する光は、物体を照射している光源の分光エネルギ
ー及び物体表面の表面反射率に関係する。すなわち、光
源から照射された光は、物体表面へ至りこの物体表面で
拡散または透過することによる影響を受けた色の光とし
て、視点位置へと到達する。従って、目視状態と一致す
るように物体を画像表示するためには、物体を照射して
いる光源の分光エネルギー及び物体表面の表面反射率を
考えて、画像データを形成すればよい。
【0015】そこで、本発明のレンダリング装置は、放
射エネルギー演算手段を備え、この放射エネルギー演算
手段は、物体に照射される光源の分光エネルギー、物体
の微小領域における分光反射率、及び物体の広範囲にお
ける分光立体角反射率、を用いて微小領域毎に分光放射
エネルギーを求めている。この分光立体角反射率は、物
体の広範囲における値を用いればよく、大量の値を用い
ることはない。表色値演算手段は、この求めた分光放射
エネルギーに基づいて表色系の表色値を演算し、求めた
表色値は変換手段によって画像表示するための画像デー
タに変換される。表示手段は、この画像データに基づい
て物体の画像を表示する。
【0016】このように、物体の微小領域の波長依存と
広範囲の角度依存との関係を合成することによって、微
小領域について、角度に依存する明暗と微小領域の波長
に依存する色とを再現するための分光放射エネルギーを
求めることができ、物体面の全ての微小領域について求
めた分光放射エネルギーの基づいて画像表示することに
よって、大量のデータを用いることなく実際の物体表面
に忠実な色及び模様で物体の画像を表示させることがで
きる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。図1には、本発明のレンダリング装置が
適用可能な構成を示した。本実施例は、CAD等のサー
フェイスモデルによる画像に実物体の色を着色して画面
表示させることによってリアルに物体を表示するコンピ
ュータグラフィックに本発明を適用したものである。
【0018】図1に示すように、本実施例のレンダリン
グ装置10は、着色演算部26を有している。この着色
演算部26には、微小領域の分光反射率を記憶するデー
タ記憶部12、及び広範囲の3次元分光立体角反射率を
記憶するデータ記憶部14が接続されている。詳細は後
述するが、データ記憶部14に記憶されたデータは、デ
ータ記憶部22に記憶された基準角度条件の分光立体角
反射率により基準化されて着色演算部26において用い
られる。また、着色演算部26は、配光演算部24に接
続されている。
【0019】配光演算部24は、微小領域へ入射する環
境光の分光放射輝度を演算するものであり、光源となる
光の分光エネルギー等を記憶する環境光データ記憶部1
6、物体表面を記述するCAD等の線画データを記憶す
る形状データ記憶部18、視点及び視線に対応する画面
上の画素及び方向を指定するための複数のパラメータを
記憶するパラメータ記憶部20が接続されている。
【0020】従って、着色演算部26は、入力される微
小領域の分光反射率、広範囲の3次元分光立体角反射
率、及び環境光の分光放射輝度に基づいて、物体表面の
微小領域から、画面を構成する画素へ向かう分光放射輝
度を求めてXYZ表色系表色値、すなわち三刺激値を出
力する。
【0021】また、着色演算部26は、等色変換部28
に接続されており、等色変換部28は、入力されたXY
Z表色系表色値、すなわち三刺激値を、変換行列記憶部
30に記憶された等色変換のための係数データに応じて
RGB表色系表色値に変換したデータを表示部32へ出
力する。表示部32では、入力されたRGB表色値に応
じてカラー画像を表示する。
【0022】次に、上記着色演算部26における、XY
Z表色系の三刺激値の出力原理(着色モデル)について
説明する。
【0023】物体表面の色柄を画像として再現表示、す
なわち、目視したときの物体表面の色柄と物体を画像表
示したときの物体の色柄とを一致させるためには、物体
表面における光学的性質の忠実な把握が必要である。す
なわち、物体を目視するときの光は、物体に照射された
光が、物体表面で拡散または透過することによる影響を
受けた明るさと色による光となる。従って、物体表面か
ら目視したときの視点位置へ到達する光は、物体を照射
している光源の分光エネルギー及び物体表面の表面反射
率に関係することになる。
【0024】そこで、この物体を画像表示するにあた
り、物体に照射される光源の分光エネルギーによって反
射される光を、物体が有する色柄について物体の微小領
域における分光反射率、及び物体の角度条件による明る
さ変化について広範囲の分光立体角反射率により重み付
けして特定することによって画面画素に対応する視点位
置に向かう分光放射エネルギーを求め、このエネルギー
の三刺激値を求める。これを式で示すと、以下の式
(3)で表すことができる。
【0025】
【数3】
【0026】但し、 RS (λ,Φo):角度条件Φoにおける微小領域の分
光反射率 Φo :入射角、反射角、方位角が所定値の
角度条件 例えば、スキャナ計測では、光源と物体及び受光部のな
す角度(入射角45°、反射角0°、方位角0°等) また、Y3D * は、以下の式(4)に示した波長λにおけ
る角度依存の基準化された反射割合を表す。
【0027】
【数4】
【0028】但し、 R3D(λ,Φ) :広範囲の3次元分光立体角反射率 Φ* :基準角度条件 例えば、角度条件Φを変えたときのR3D(λ,Φ)の値
の中程度の反射率を示す角度条件。
【0029】このように、物体の微小領域に入射した光
は、この微小領域の分光反射率Rs(λ,Φo)で反射
され、それが広範囲の3次元分光立体角反射率により基
準化された反射割合Y3D * (λ,Φ)により角度条件に
よる重みが付され、明るさが調整されることになる。こ
れにより、微小領域の波長依存と広範囲の角度依存関係
が合成され、角度に依存する明暗と微小領域の波長に依
存する色が再現できる。従って、微小領域の再現された
色を物体面の全てについて表示することによって、実際
の物体表面に忠実な色及び模様による物体表示画面を形
成できる。
【0030】以下、本実施例の作用をレンダリングの手
順と共に説明する。図4に示したように、先ず、ステッ
プ102において配光演算を行う。この配光演算は、配
光演算部24において、パラメータ記憶部20で指定さ
れる視点位置(画面上の画素)、及び視点から物体へ向
かう視点方向に従って、物体表面の微小領域へ入射され
る環境光の分光放射輝度を求めるものである。
【0031】本実施例では、この配光演算に3次元的な
光線追跡法を利用している。この光線追跡法は、光源か
ら物体の微小領域へ到達する光線を、視点から光源に向
かって光の向きとは逆に追跡することにより求める。こ
の光線追跡時の光路に、対象とする物体の他に、1また
は複数の他の物体が存在するときは、他の物体の光学的
性質に応じて反射または透過処理を行う。
【0032】この光線追跡は、追跡時の光線と物体の交
差の有無を判定することによって行う。本実施例では、
この判定のために、形状データ記憶部18に記憶された
形状データを用いている。なお、形状データは、多角形
または自由曲面によるサーフェイスモデルで記述されて
いればよく、交差の有無判定の処理は代数多項式の数値
演算によって求める交点の有無により判定することがで
きる。また、この光線追跡の処理に際しては、追跡時の
光線が光源と交差するか否かの判定も行う。
【0033】従って、光線追跡による交差を求める交差
処理により、環境光データ記憶部16に記憶された物体
を照射する光源の分光エネルギー等に基づいて、物体表
面の微小領域へ入射する微小立体角当たりの分光放射輝
度Lを得ることができる。また、光線追跡は、物体と他
の物体または光源との間だけでなく、視点と物体との間
でも行う。これにより、物体表面の法線に対する入射角
を求めることができる。
【0034】次のステップ104では、詳細は後述する
が、物体表面の微小領域から、画面を構成する画素に対
応する位置(視点)へ向かう分光放射輝度を求める。す
なわち、着色演算部26において、上記式(3)に示し
た着色モデルに基づく物体表面の微小領域から画面の1
画素へ向かう分光放射輝度I(λ,Φ)を求める。この
とき、物体表面の微小領域での反射演算のため、データ
記憶部12に記憶された微小領域の分光反射率が、微小
領域の模様となる模様面の位置と関係付けられる。ま
た、入射光線と画素の角度条件に応じてデータ記憶部1
4に記憶された広範囲3次元分光立体角反射率を用い
る。次に、求められた分光放射輝度I(λ,Φ)は、C
IE標準の等色関数を用いて、XYZ表色系表色値に変
換される。
【0035】次のステップ106では、得られたXYZ
表色値(三刺激値)をRGB表色系の表色値に変換す
る。すなわち、着色演算部26で得られたXYZ表色値
は、RGB等色変換部28において、変換行列記憶部3
0に記憶された変換行列を用いてRGB表色系へ変換さ
れる。この変換された表色値は、更にRGB各々のγ補
正曲線を用いてRGB階調度へ補正変換される。このR
GB階調度に変換された1画素が表示部32、つまり画
面に、表示される(ステップ108)。
【0036】上記手順を表示部32の画面における全て
の画素について繰り返し行うことによって、1画面の画
像データを形成する。従って、この1画面の画像データ
に基づく画像が表示された表示部32には、写実的な3
次元画像が形成される。
【0037】次に、図2、図3及び図5を参照して、上
記ステップ104の着色演算処理を詳細に説明する。
【0038】先ず、微小領域にへ入射される分光分布4
0を有した光は、この微小領域の反射率分布42に応じ
て近似的な分光分布46の分光放射輝度L’を放射する
光となる。従って、配光演算部24で求めた微小立体角
Δωから物体表面の微小領域へ入射される分光放射輝度
L(λ,Θ)、及びデータ記憶部12に記憶されている
微小領域における分光反射率R(λ,Φ)を、合成演算
処理48によって合成(例えば乗算)することにより、
微小領域における分光放射輝度L’(λ,Θ)を求める
(ステップ110)。
【0039】次に、データ記憶部14に記憶されている
物体における広範囲の3次元分光立体角反射率R
3D(λ,Φ)を、データ記憶部22に記憶されている基
準角度条件Φ* の3次元分光立体角反射率R3D(λ,Φ
* )である係数ρで基準化された、波長λの角度依存の
分光反射割合Y3D * (λ,Φ)を求める(ステップ11
2)。この分光反射割合Y3D * は、分光特性44が係数
ρで合成演算処理52によって合成された分光特性54
を有することになる。この反射割合Y3D * により物体に
おける明暗を調整することができる。
【0040】これらの微小領域における分光放射輝度
L’及び分光反射割合Y3D * を用いて視点に向かう分光
放射輝度L''(λ,Θ)を求める(ステップ114)。
この場合、分光放射輝度L''は分光分布46の分光放射
輝度L’と分光特性54の反射割合Y3D * とを、合成演
算処理50によって合成(例えば乗算)された分光特性
56を有することになる。
【0041】従って、微小立体角Δωから物体表面の微
小領域へ入射される光は、波長依存の反射率で反射さ
れ、更に視点に向かう角度条件を満足するように角度依
存の反射割合で条件付けられ、視点に向かう分光放射輝
度L''を有する。
【0042】次に、微小領域が望む全立体角Ωは、微小
立体角Δωi(i=1,2,・・n)の総和(Ω=Σω
i)で形成されるため、上記処理を微小立体角Δωi毎
に行い、各微小立体角Δωi毎の分光放射輝度L''iを
求め、各々の分光放射輝度L''iを総和演算処理62に
よって総和を求めることにより、全立体角Ωから入射さ
れた光が微小領域で反射されて視点へ向かう分光放射輝
度I(λ,Φ)を求める(ステップ116、118)。
【0043】求めた分光放射輝度Iについて、分光特性
66、68、70を有する3つの等色関数を合成して積
分演算処理72により積分することにより、XYZ表色
系の三刺激値XYZを求め(ステップ120)、着色演
算処理を終了する。
【0044】なお、上記分光放射輝度Iは、上記光線追
跡法のように光路を逆にたどりながら、反射透過処理を
行い、最終的に画素単位で集計することによって得るこ
ともできる。
【0045】以上説明したように、本実施例では、光源
の特性及び物体表面の分光反射率を用いて物体面から放
射される光を求めることによって微小領域の色や模様を
変化させることができ、かつ、物体の3次元分光立体角
反射率を用いることによって3次元的な角度条件に応じ
て明暗が変化する画像を画面上に形成することができ
る。従って、物体を目視するための角度すなわち視点位
置や物体を照射する光源の種類を自由に変化させても、
それに応じた物体に忠実な画像を画面上に形成すること
ができる。
【0046】上記実施例では、表面に微細な色柄模様を
有する物体をレンダリングする場合について説明した
が、他の実施例として、無地の物体をレンダリングする
場合について説明する。
【0047】他の実施例は、無地の物体については角度
条件による明暗変化が大きいため、重視されることにな
るが、色柄の変化は微小であるため、分光反射率の平均
化をはかっても表示部に形成される画像に対して大きな
影響はないということに基づくものである。
【0048】すなわち、上記の式(3)の着色モデルに
おいての基準角度条件Φoにおける微小領域の分光反射
率RS (λ,Φo)と、波長λ及び角度条件Φにおける
3次元分光立体角反射率R3D(λ,Φ)と、の役割を交
換する。更に、反射割合を、模様データの基本面上であ
る所定の面積における反射率データの平均値をとり、そ
の値で反射率を基準化する。これを式で示すと、以下の
式(5)で表すことができる。
【0049】
【数5】
【0050】但し、YS * は、以下の式(5)に示した
ように所定の面積の平均反射率で基準化された反射割合
を表す。
【0051】
【数6】
【0052】この場合、物体の微小領域に入射した光
は、この微小領域の平均反射率で基準化され、かつ広範
囲の3次元分光立体角反射率についての角度条件に基づ
く、明るさが反映されることになり、角度に依存する明
暗が再現できる。従って、微妙な明暗変化を有した物体
の画像を表示することができる。
【0053】なお、上記実施例の式(4)において説明
した、角度依存の基準化された反射割合で与えることに
対し、角度依存の基準化された輝度割合に変えて与える
こともできる。すなわち、この場合、上記の式(4)に
示される角度依存の基準化された反射割合Y3D * (λ,
Φ)を、以下の式(7)に示す角度依存の基準化された
輝度割合に変えて与える。従って、この式(7)は、上
記式(4)が明暗の変化を基準化された反射割合で与え
るのに対し、視感度を取り入れた輝度割合で与えること
ができ、目で見た明暗に近づけた値を求めることができ
る。但し、輝度を求めるのに標準となる光源の分光分布
を用いるため、計算時の入射光分布を直接反映するもの
ではない。
【0054】
【数7】
【0055】但し、 C(λ):標準となる光源の分光
分布 k’ :基準化係数。
【0056】また、上記実施例の式(6)に示される平
均反射率で基準化された反射割合Ys * (λ,Φo )を
以下の式(9)に示す基準化された輝度割合に変えて与
えることもできる。
【0057】
【数8】
【0058】なお、上記式(7)あるいは式(9)は、
標準となる光源の分光分布C(λ)が既知であるので、
予め計算しておくことができる。
【0059】以上説明したように、本実施例のレンダリ
ング装置用いれば、少量のデータで3次元的に写実的な
物体画像を表示することができるため、工業デザインに
おける意匠設計、素材の色や質感評価、及び室内照明設
計等に好適でかつ、容易に適用することができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、物
体表面に照射される光の特性及び物体表面の反射率に基
づいて微小領域の色や模様を変化させることができ、か
つ、物体の3次元分光立体角反射率に基づいて3次元的
な角度条件に応じた明暗が変化する画像を画面上に形成
することができるため、目視状態に合った物体の画像を
再現表示することができる、という効果がある。
【0061】また、用いる反射率のデータ量は、少量で
済むため、大量のデータ保存または長い時間で読み出す
ことの必要性はなく、物体の画像を再現表示するための
装置構成を容易に構築することができる、という効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のレンダリング装置の概略構
成を示すブロック図である。
【図2】視点に向かう光の分光放射輝度を求める過程を
示したイメージ図である。
【図3】全立体角の視点に向かう光の分光放射輝度から
XYZ表色系表色値を求める過程を示したイメージ図で
ある。
【図4】本実施例における、着色演算処理を含むレンダ
リングの手順を示すフローチャートである。
【図5】本実施例の着色演算処理を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
10 レンダリング装置 26 着色演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡部 桂子 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 高木 淳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−88584(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06T 15/50 特許ファイル(PATOLIS) JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体に照射される光源の分光エネルギ
    ー、前記物体の微小領域における分光反射率、及び前記
    物体の広範囲における分光立体角反射率、を用いて前記
    微小領域毎に分光放射エネルギーを求める放射エネルギ
    ー演算手段と、 前記求めた分光放射エネルギーに基づいて表色系の表色
    値を演算する表色値演算手段と、 前記表色値を画像表示するための画像データに変換する
    変換手段と、 前記画像データに基づいて前記物体の画像を表示する表
    示手段と、 を備えたことを特徴とするレンダリング装置。
JP12396192A 1992-05-15 1992-05-15 レンダリング装置 Expired - Fee Related JP2790750B2 (ja)

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