JP2804777B2 - コンクリート材及びその保護膜形成方法 - Google Patents
コンクリート材及びその保護膜形成方法Info
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Description
ート材の表面に塗工することによってコンクリート材の
保護を行うようにしたコンクリート材の保護膜形成方法
に関する。
を保護するため、コンクリート材の表面に樹脂を塗工す
ることが知られている。このコンクリート材の保護用の
樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が一般的
に用いられていた。
れ、耐水性、耐薬品性にも優れており、塗料、接着材、
ライニング材等の広い分野で使用されてきた。しかし、
剛性が高いという利点は、その反面、弾性がないという
欠点ともなり、また低温時(0℃以下)では硬化しない
という性質を有していた。
優れている上に弾性を有するが、耐湿性、耐水性がわる
く、かつ湿潤状態への接着性がよくないという欠点を有
していた。
イニング材として用いると、コンクリート下地の亀裂
(クラック)に対して追従することができず、コンクリ
ート内部への水、塩素イオン等が浸入してコンクリート
材の寿命を縮めてしまうという問題があった。また、気
温が0℃以下となる冬季にはエポキシ樹脂塗膜が硬化せ
ず、塗工作業自体が行えないものであった。一方、ウレ
タン樹脂を用いると、コンクリート材の表面が雨等で濡
れているときには、コンクリート材表面に塗工した塗膜
の接着が良好でなく、雨天時又は海岸や河岸などでのコ
ンクリート構造物には使用できないという問題が存在し
ていた。
グ材が亀裂(クラック)に対して追従できる程度の弾性
を有することによって水、塩素イオン等がコンクリート
内部に浸入することを防止でき、かつ0℃以下でも硬化
する低温硬化性を有し、さらに接着性に優れることは勿
論湿潤面接着性をも有し、コンクリート材の寿命を延ば
すことができるようにしたコンクリート材の保護膜形成
方法を提供することを目的とする。
の保護膜形成方法においては、変成シリコーン樹脂を含
有する二液型エポキシ樹脂組成物をコンクリート材の表
面に塗工するものである。
組成物は、エポキシ樹脂とシラノール縮合触媒を必須成
分とするA剤と、変成シリコーン樹脂とエポキシ樹脂硬
化剤を必須成分とするB剤とから構成されている。
ェノールA型、ビスフェノールF型、さらにウレタン変
性エポキシ樹脂、NBR変性エポキシ樹脂等を挙げること
ができるが、その他公知のエポキシ樹脂をいずれも使用
することができる。
ン樹脂の硬化触媒である。例えば、代表的にはスズ化合
物を挙げることができ、具体的にはジブチルチンジラウ
レートを挙げることができるが、硬化触媒としての作用
を行う限りその他のスズ化合物を用いることができるこ
とはいうまでもない。このシラノール縮合触媒の添加量
は、通常0.5〜2重量部程度(変成シリコーン樹脂100重
量部に対して)であり、添加量が少ないと硬化速度が遅
くて物性が悪く、多いと硬化速度が速すぎるものであ
る。
シウム、酸化チタン、カーボン、紫外線吸収剤、可塑
剤、よう変剤、溶剤を含有させることができる。
脱水するため、エポキシシラン、アルコキシシラン等の
シラン類、または合成ゼオライト等の脱水剤の配合も可
能である。脱水剤の添加量は、充填剤の水分量によって
異なるが、通常2〜5重量部(A剤含有樹脂100重量部
に対して)であれば充分である。この微量水分の除去は
これら配合物によらずに製造工程上の加熱減圧によって
も可能である。
で示される加水分解性ケイ素官能基を末端に有すること
を特徴とするポリエーテルオリゴマーである。
炭素数1〜6の1価の炭化水素基、nは0〜2の整数で
ある。) 具体的には、ポリ(メチルジメトキシシリルエチルエ
ーテル)等が挙げられ、市販のサイリル5B25,5B30,MSP2
0A,MSP300(いずれも鐘淵化学(株)製)が使用でき
る。これらのポリエーテルオリゴマーは1種類のみを使
用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよ
い。この変成シリコーン樹脂の使用により、弾性が付与
されるものであり、これが本発明の要点である。
量より多い方がライニング材又は保護膜の弾性が増大
し、コンクリート材のひびわれに追従可能となるから好
ましい。しかし、所望により、エポキシ樹脂の等量より
少ない配合量でも使用可能である。変成シリコーン樹脂
の使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、50〜300
重量部、好ましくは100〜200重量部である。300重量部
を越えると接着性が弱くなり、50重量部未満では硬化し
た保護膜の弾性が低くなり好ましくない。
キシ樹脂の硬化剤として作用するもので、アミン化合
物、例えばポリアミド、ポリアミン或いはポリアミドア
ミンがあり、通常エポキシ樹脂の硬化触媒といわれる三
級アミンが含まれる。その他、酸及び酸無水物系硬化
剤、イミダゾール類、ポリメルカプタン系硬化剤等、通
常のエポキシ樹脂硬化剤が使用できる。エポキシ樹脂硬
化剤は、使用される系によって配合量は変動する。
エポキシ樹脂硬化剤の他に、A剤の場合と同様に、充填
剤として炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボン、紫外
線吸収剤、可塑剤、よう変剤、溶剤を含有させることが
できる。
を維持するために脱水剤の配合が必要で、エポキシシラ
ン、アルコキシシラン等のシラン類、または合成ゼオラ
イト等が配合される。脱水剤の添加量は、充填剤の水分
量によって異なるが、通常2〜5重量部(B剤含有樹脂
100重量部に対して)であれば充分である。勿論、水分
の除去はこれら配合物によらずに製造工程上の加熱減圧
によっても可能である。
コンクリート材への保護膜の接着性がさらに高められ
る。アミノシランの使用量は、通常0.5〜2.0重量部程度
(B剤含有樹脂100重量部に対して)で充分であるが、
使用量が少なすぎると効果が減少するし、多くしても効
果に変わりないがコストの面で不利である。
部とエポキシ樹脂の一部を高速撹拌機(ダルトン)で硬
練りし、フィーラーの分散が完全になったとき、残りの
エポキシ樹脂を配合しペーストを作った。次いで、スズ
化合物を入れて充分撹拌減圧して均一なペーストを製造
した。
と変成シリコーン樹脂の一部を高速撹拌機(ダルトン)
で硬練りし、フィーラーの分散が完全になったとき残り
の変成シリコーン樹脂全部を配合しペーストを作った。
次いで、100〜110℃で3分加熱減圧(20mm以下)下で撹
拌した。アミノシラン、アミン化合物を入れて充分撹拌
減圧して均一なペーストを製造した。
ストを製造した。
ラー全部と変成シリコーン樹脂の一部を高速撹拌機(ダ
ルトン)で硬練りし、フィーラーの分散が完全になった
とき残りの変成シリコーン樹脂全部を配合しペーストを
作った。次いで、アミノシラン、アミン化合物、脱水剤
を入れて充分撹拌減圧して均一なペーストを製造した。
て構成されるライニング材の性能を第2表に示した。比
較のために、2種の市販品のエポキシ樹脂ライニング材
の性能を合わせて示した。
用いて測定した。引張剪断接着強さはJISK6850に準拠
し、剥離接着強さはJISK6854に準拠して測定した。接着
強さの測定にはトリクレン洗浄した軟鋼板を用いた。そ
の厚さは、引張剪断接着強さ1.6mm、剥離接着強さが0.5
mmのものを用いた。引張速度は、引張剪断接着強さが50
mm/min、剥離接着強さが200mm/minのスピードで行っ
た。
ポキシ樹脂ライニング材としての伸びは、充分である
が、本発明で用いるライニング材のそれに比較すればか
なり小さいことがわかった。このことは、両者の剥離接
着強さにおける大きな差になって表れているものであ
る。
ート柱の底面に製造例1,2及び市販品1,2のライニング材
を0.5mmの厚さに塗布し、コンクリートの曲げ試験を行
い、コンクリートのひびわれ状態とライニング材の追従
性の試験を行った。その結果を第2表に示した。
時の目開き量(実施例1,2)が従来のエポキシ樹脂ライ
ニング材(比較例1,2)に比較して3倍〜4倍あり、破
断荷重も1.5倍〜2倍と大きいことがわかった。
ング材を0.5mmの厚さに塗布し、5時間、8Kgf/cm2(実
施例3)と15Kfg/cm2(実施例4)の水圧をかけて、各
ライニング材の耐高水圧透水性の試験を行い、それぞれ
ライニング材を塗布しない場合(比較例3,4)と比較し
た。その結果を第3表に示した。
ものは水の浸透が全く生じないことがわかった。
のを再びつなぎ合わせ、製造例1のライニング材の厚さ
を変えて塗布、養生後、常態(20℃)、低温(−20℃)
及び耐候性試験(700Hrのサンシャインウェザオメータ
ー)状態におけるライニング材のひびわれ追従性を測定
した。引張速度5mm/minであった。その結果を第4表に
示した。
においてやや伸びの低下があるが、従来のエポキシ樹脂
ライニング材に比べて各実施例とも充分に伸びがあり、
低温時においても充分なる伸び及び強度を維持してい
た。従って、コンクリートのライニング材として従来の
エポキシ樹脂ライニング材の欠点であるひびわれ追従
性、特に低温時の問題が解消されることがわかった。
に浮いた水を軽く拭き取り、「JISA6909の5.8付着強
さ」の項に準拠して、製造例1のライニング材を用いて
試験治具を作成した。その試験治具を二週間養生後、接
着力を測定した。モルタル試片は約20kg/cm2で材料破壊
した。
後、さらに水中で二週間劣化後の接着力を測定した。モ
ルタル試片は約20kg/cm2で材料破壊した。
後、さらに80℃で二週間劣化後の接着力を測定した。モ
ルタル試片は約20kg/cm2で材料破壊した。
シ樹脂ライニング材を用いた以外は実施例9と同様に試
験を行ったところ、エポキシ樹脂ライニング材はモルタ
ル試片の湿潤面に接着しなかった。
グ材を0.5mmの厚さに塗布し、0〜5℃の環境下で15時
間放置したところ、完全ではないにしてもフィルム形成
をなした。これはエポキシ樹脂の部分は未硬化であるが
変成シリコーン樹脂の連続相がかなりのところまで硬化
していることを示している。
脂ライニング材を用いた以外は、実施例10と同様の実験
を行ったところ、このライニング材は全く硬化しておら
ず、指で触れると糸を曵く程であった。
このライニング材を用いて、軟鋼板同士の接着力(20
℃、1ケ月養生)でその接着性を試験した。その結果を
第5表に示した。
このライニング材を用いて、軟鋼板同士の接着力でその
接着性を試験した。その結果を第5表に示した。
トキシシラン(KBM503:信越化学工業(株)製)を用い
た以外は実施例14と同様の組成のライニング材を用い
て、同様に接着力の試験を行い、その結果を第5表に示
した。
ピルメチルジメトキシシラン(KBM602:信越化学工業
(株)製)を用いた以外は実施例14と同様の組成のライ
ニング材を用いて同様に接着力の試験を行い、その結果
を第5表に示した。
ピルメチルジメトキシシラン(KBM603:信越化学工業
(株)製)を用いた以外は実施例14と同様の組成のライ
ニング材を用いて同様に接着力の試験を行い、その結果
を第5表に示した。
(KBE903:信越化学工業(株)製)を用いた以外は実施
例14と同様の組成のライニング材を用いて、同様に接着
力の試験を行い、その結果を第5表に示した。
ライニング材(実施例16〜18)が、他のシランを添加し
た本発明のライニング材(実施例14〜15)及びシランを
添加しない本発明のライニング材(実施例13)よりも極
めて優れた接着性を示すことがわかった。
材に塗布しておけば、コンクリート材のひびわれが防
止できる、コンクリート材にひびわれが発生しても、
保護膜がひびわれ(目開き)追従性があり(0.4mm以上
でも追従できる)、かつ保護膜は高透水圧(80Kgf/c
m2、15Kgf/cm2)、5時間で全く水の浸透がないから、
水、塩素イオン等の内部への浸入を防ぐことができる、
雨降りの際とか海岸、河岸等のコンクリート材の表面
が湿潤状態となる場合でも接着性が良好で、すぐに施工
ができる、常温では勿論、低温下での伸び、強度がす
ぐれているから、車両等に起因する振動、衝撃に対して
強靭性を有する、特に冬場においては、0℃以下にお
いては従来のエポキシ樹脂ライニング材を硬化しないた
め使用できなかったが、本発明の保護膜は0℃以下でも
硬化するため、冬場でも好適に使用される、ノンプラ
イマーで使用できるから使い勝手がよい、保護膜のコ
ンクリート材への接着性も良好である、という多くの効
果が達成されるものである。
Claims (5)
- 【請求項1】変成シリコーン樹脂を含有する二液型エポ
キシ樹脂組成物をコンクリート材の表面に塗工すること
を特徴とするコンクリート材の保護膜形成方法。 - 【請求項2】該変成シリコーン樹脂を含有する二液型エ
ポキシ樹脂組成物が、エポキシ樹脂とシラノール縮合触
媒を必須成分とするA剤と、変成シリコーン樹脂とエポ
キシ樹脂硬化剤を必須成分とするB剤とからなることを
特徴とする請求項(1)記載のコンクリート材の保護膜
形成方法。 - 【請求項3】B剤にさらにアミノシランを配合したこと
を特徴とする請求項(2)記載のコンクリート材の保護
膜形成方法。 - 【請求項4】該変成シリコーン樹脂が下記一般式で示さ
れる加水分解性ケイ素官能基を末端に有することを特徴
とするポリエーテルオリゴマーである請求項(1)又は
(2)又は(3)に記載のコンクリート材の保護膜形成
方法。 式、 (式中、Rは炭素数1〜12の1価の炭化水素基、R′は
炭素数1〜6の1価の炭化水素基、nは0〜2の整数で
ある。 - 【請求項5】請求項(1)〜(4)のいずれか1項に記
載の方法によって形成された保護膜によってその表面が
被覆されていることを特徴とするコンクリート材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4756789A JP2804777B2 (ja) | 1989-02-28 | 1989-02-28 | コンクリート材及びその保護膜形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4756789A JP2804777B2 (ja) | 1989-02-28 | 1989-02-28 | コンクリート材及びその保護膜形成方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH02225385A JPH02225385A (ja) | 1990-09-07 |
JP2804777B2 true JP2804777B2 (ja) | 1998-09-30 |
Family
ID=12778803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4756789A Expired - Lifetime JP2804777B2 (ja) | 1989-02-28 | 1989-02-28 | コンクリート材及びその保護膜形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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CN109400207A (zh) * | 2017-08-18 | 2019-03-01 | 福建好优新材料有限公司 | 一种石材深度渗透防护剂及其制备方法 |
JP7412705B2 (ja) * | 2020-02-20 | 2024-01-15 | 国立大学法人東海国立大学機構 | 構造物用表面保護シート及び表面保護シート付き構造物 |
-
1989
- 1989-02-28 JP JP4756789A patent/JP2804777B2/ja not_active Expired - Lifetime
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