JP2804567B2 - スプリングクラッチアセンブリ並びにその製造方法 - Google Patents

スプリングクラッチアセンブリ並びにその製造方法

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JP2804567B2 JP1330966A JP33096689A JP2804567B2 JP 2804567 B2 JP2804567 B2 JP 2804567B2 JP 1330966 A JP1330966 A JP 1330966A JP 33096689 A JP33096689 A JP 33096689A JP 2804567 B2 JP2804567 B2 JP 2804567B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D41/00Freewheels or freewheel clutches
    • F16D41/20Freewheels or freewheel clutches with expandable or contractable clamping ring or band
    • F16D41/206Freewheels or freewheel clutches with expandable or contractable clamping ring or band having axially adjacent coils, e.g. helical wrap-springs

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、駆動部から被駆動部にトルクを伝達する摩
擦要素として動作するコイル状の螺旋型バンドからなる
コイルスプリングを用いたオーバランニングスプリング
クラッチアセンブリに関する。
[従来の技術] トルクを駆動部から被駆動部に伝達するために用いら
れる様々なスプリングクラッチアセンブリが公知である
が、キッシュ(Kish)に付与された米国特許第4,570,31
8号には、このようなスプリングクラッチアセンブリが
開示されている。スプリングクラッチアセンブリは、出
力軸が入力軸よりも高速回転となるようなオーバランニ
ング状態で運転されるトルク伝達装置に適している。こ
のような状態では、逆に駆動部によって被駆動部の回転
が妨げられるので、これを防ぐためにクラッチがフリー
となることが要求される。オーバランニングクラッチア
センブリには、一般に二つのクラッチメンバ、即ち入力
クラッチメンバ及び出力クラッチメンバが備えられてお
り、両クラッチメンバを連結するために、駆動トルクの
下で半径方向に膨張するコイルスプリングを利用してい
る。各クラッチメンバは、コイルスプリングを内臓する
ための中ぐり部を有しており、出力クラッチメンバ内に
コイルスプリングの半分が、入力クラッチメンバ内に残
りコイルスプリングの半分が各々配設されている。通
常、コイルスプリングは、入力クラッチメンバに付設さ
れたアーバの外周を覆うように圧入により入力クラッチ
メンバの駆動端に固定されている。このアーバは、コイ
ルスプリングの中空軸部を貫通し両クラッチメンバと同
心形成されており、コイルスプリングの支持及び中心軸
整合のためのセンタリング手段としての役割を果たして
いる。
非回転状態又は非駆動状態の下では、このコイルスプ
リングの両端を除き、スプリング外周面と各クラッチメ
ンバの中ぐり両間に僅かな環状の空間が画成されてお
り、この空間を介してコイルスプリングの両端を形成す
る各ティーザコイル部が中ぐり面と当接している。両端
のティーザコイルは、スプリングを動作するために各ク
ラッチメンバの中ぐり面と当接しており、入力クラッチ
メンバがコイルスプリングの巻き方向と逆方向に回転し
始めるとき、出力クラッチメンバの内周面に対するティ
ーザコイルのドラッギングにより、コイルスプリングは
巻き戻される。この巻き戻しにより、半径方向外方へ膨
張し、コイルスプリングの外周面が中ぐり面の全長に亘
って両クラッチメンバの中ぐり内周面と駆動適に接触す
る。このようにして、トルクが駆動軸から被駆動軸へと
伝達される。
オーバランニング状態においては、被駆動部が駆動部
よりも高速回転され、スプリングの巻き方向へとティー
ザコイルがスプリングを再び巻き上げ駆動され、この結
果、被駆動部が駆動部からフリーとなる。このようなオ
ーバランニング状態は、例えばヘリコプタのエンジン停
止後、ロータの慣性がメインロータの回転を維持する場
合等に生ずる。
[発明が解決しようとする課題] スプリングクラッチアセンブリは様々な用途に使用さ
れているが、ヘリコプタのガスタービンエンジンとロー
タ間のトルク伝達に用いるにあたっては様々な問題があ
った。一般には4,000〜8,000rpmで用いられるスプリン
グクラッチアセンブリの使用スピード範囲を、ガスター
ビンエンジンとの互換性を満たすために、約30,000rpm
まで上げて高速回転で使用する試みがなされた。しかし
ながら、スプリングクラッチアセンブリの高速回転での
使用に際しては、スプリングの破損或はスプリングクラ
ッチアセンブリの損傷を招くような過度の振動がコイル
スプリング部に生じた。この振動は、入力クラッチメン
バと出力クラッチメンバとのつり合いの欠如から部分的
に生じた。一般に、両クラッチメンバは、内側/外側関
係で配設されており、出力クラッチメンバの内側に入力
クラッチメンバを配設して、一連のスプリング組付部を
提供している。両クラッチメンバは、スプリングクラッ
チアセンブリとして組み付けが完了する前に、静つり合
わせ及び動つり合わせがなされるが、完全なつり合わせ
は難しく、各メンバは僅かに不つり合いを残している。
一度、スプリングクラッチアセンブリとして組付が完了
すると、コイルスプリングを介して結合された両クラッ
チメンバには、動つり合わせがなされる。しかしなが
ら、コイルスプリングと被駆動部との締結動作及び解除
動作によって、再び両クラッチメンバ間に不つり合いが
発生し、この不つり合いに起因して、次第に不つり合い
の度合いが増し、やがては許容限度を越えた不つり合い
を生じて過度の振動を生ずる可能性がある。仮に、コイ
ルスプリングの膨張状態で不つり合いが発生するなら
ば、両クラッチメンバの間隙を横切るコイルスプリング
が部分的にこの間隙内に食い込み、コイルスプリングの
不整列を招き、コイルスプリングの破壊を来す大きな応
力を生ずる可能性がある。
高速回転でスプリングクラッチメンバを使用する場合
の最も重要な問題は、入力クラッチメンバが剛体モード
で振動するときに起こる。スプリングクラッチアセンブ
リの構成要素が曲がることなく、支持体の回りをスプリ
ング/質量系として剛体として振動するので剛体モード
と称するが、仮に、最大たわみ点をベアリングに置いた
としても、構成要素のみをつり合わせるだけでは、剛体
モードを加味して安定したクラッチ伝達動作を提供する
には不十分である。通常、剛体モードは、構成部品を完
全につり合わせ且つ通常のオイル潤滑されたベアリング
固有の減衰特性に依存して、クラッチ動作中、防止する
ことが可能である。しかしながら、スプリングクラッチ
アセンブリの最大たわみは、ベアリング位置で起こら
ず、高速回転での設定重力限度を越えることなく防止す
ることができないことが解っている。高速で潤滑を行っ
ても剛体モードが生じたときは十分な減衰は難しい。
そこで、スプリングクラッチアセンブリのたわみを減
少するために、剛性を増すことが考えられるが、このた
めに、支持ベアリング間距離を増加してもよい。しかし
ながら、取り付けスペースは制限されており、あまり大
きなベアリング間距離に設定するとクラッチアセンブリ
が大きくなり、所定場所へ収容するのが困難となる。ま
た、重量の見地からも望ましくない。
スプリングクラッチアセンブリの別の問題点は、適切
なコイルスプリングの位置決めを達成することである。
一般に、コイルスプリングは、正確な測定によりアーバ
上に配設され、アーバと一緒にピンを用いて入力クラッ
チメンバに挿入され、付設されている。仮にコイルスプ
リングがアーバ上の不適切な位置に配設されるならば、
コイルスプリングが入力クラッチメンバに過度に締結さ
れ、所望しない予荷重を誘起してしまう。この結果、予
荷重により、クラッチ動作中、コイルスプリングの両端
のティーザコイルを破壊してしまうであろう。また、ア
ーバ上の軸方向のコイルスプリング変位を考慮して設定
された軸方向の所定の間隙が所定値に満たないときは、
コイルスプリングの膨張中、コイルスプリングと出力ク
ラッチメンバとの過度の締結を生じてしまい、これによ
り不適当なクラッチ動作を生じてしまう。
更に、コイルスプリングの問題は、中央コイル及び両
端に配設された各ティーザコイル間の各遷移領域で生ず
る応力集中に起因してスプリング破壊を生ずることであ
る。一般に、各ティーザコイルと中央コイルとの外径差
により、遷移領域で両クラッチメンバの駆動面によって
十分に保持されない一個以上のコイル部がスプリング膨
張時、過度の応力を受けてコイル破壊を生ずる可能性が
ある。
通常、上記したコイルスプリングは、機械加工中、近
接区間軸方向切削加工にて形成された両クラッチメンバ
間の間隙を横切る中央クロスオーバコイルを有してい
る。この中央クロスオーバコイルは、両クラッチメンバ
にクロスオーバコイルの各々半分を提供するように配設
されている。しかしながら、一般的な製造方法を用いて
軸方向切削を行なった場合、通常、切削形成された後の
コイルスプリングの一側には小さな穴が残ってしまう。
このため、高速回転されるとき、遠心力の影響で、この
クロスオーバコイルの切削加工により取り除かれた質量
部分により、即ち小さな穴により、動不つり合いを生じ
て振動を発生してまい、この結果、クラッチアセンブリ
に損傷を来す。
トルクが軸方向カットを有していないコイルスプリン
グに加えられた場合、コイルスプリングは、両クラッチ
メンバの間隙に対して押圧され両クラッチメンバの駆動
面による保持が得られない。この後、コイルスプリング
を巻き戻そうとすると、スプリングの入出力端が相互に
半径方向に変位してしまい、スプリングを起き上がらせ
てしまう。このようなコイルスプリングの半径方向のた
わみを最小限にとどめなければ、高速回転域で増幅され
る遠心力による動不つり合いを低減することができな
い。
上記の問題に鑑みて、本発明の目的は、コイルスプリ
ングの取付を容易にしたオーバーランニングクラッチを
提供することにある。
本発明の他の目的は、両クラッチメンバの僅かな残余
不つり合いやクロスオーバコイルカットにより誘起され
る不つり合いに影響されにくいスプリングクラッチアセ
ンブリ及びそのコイルスプリングを提供することにあ
る。
本発明の他の目的は、30,000rpmの高速回転で使用す
ることができるスプリングクラッチアセンブリを提供す
ることにある。
本発明の他の目的は、コイルスプリングを形成する両
端ティーザコイルと中央コイルとの遷移領域における応
力集中を除去したスプリングクラッチアセンブリのコイ
ルスプリングを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の第1の構成によると、ハウジングと、 ハウジング内に回転可能に配設した入力クラッチメン
バと、 平行マウント型にするため入力クラッチメンバと同軸
配列し且つ入力クラッチメンバに対し狭い間隙だけ離間
してハウジング内に回転可能に配設した出力クラッチメ
ンバと、 入力端及び出力端を備えると共に両クラッチメンバ内に
介挿され、且つ入力クラッチメンバに固定されたアーバ
と、 ハウジング内に延ばされたアーバ出力端を回転可能に
支持し、且つハウジング内に配設されたアーバベアリン
グ手段と、 アーバの外周を覆うように配設され、且つその略半分
が入力クラッチメンバの中ぐり部に配設されると共に、
残り半分が出力クラッチメンバの中ぐり部に配設されて
いて、両クラッチメンバ間のトルク伝達のために両クラ
ッチメンバと接触係合するように膨張可能であるコイル
スプリングとから構成されたスプリングクラッチアセン
ブリを提供するものである。
また、本発明によるスプリングクラッチアッセンブリ
は、入力クラッチメンバを回転可能に支持するためにハ
ウジング内に配設した入力側ベアリング手段と、振動の
剛体モードがスプリングクラッチアセンブリの所望する
動作範囲内にて生ずるのを防止するのに十分な大きさの
入力側ベアリング手段のバネ定義に調整するために、入
力側ベアリング手段と協働して動作する減衰手段を有し
ていても良い。
さらに、減衰手段を10,000 lbs/in(1787kg/cm)以下
の入力側ベアリング手段のバネ定数を提供するために、
フィルム状ダンパから形成されていても良い。また、入
力クラッチメンバの円錐形中空部と係合させるため、ア
ーバが円錐形の入力端部を有していても良い。
また、アーバの外周を覆うように配設されたコイルス
プリングを位置決めするために、アーバにストッパ手段
を配設することもできる。
本発明の第2の構成によると、ハウジングと、 軸方向に延びる中ぐり部及び該中ぐり部に画成された
入力側駆動面を有するハウジング内に配設された入力ク
ラッチメンバと、 ハウジング内にて入力クラッチメンバを回転可能に支
持するための入力側ベアリング手段と、 入力クラッチメンバと同軸に配列されると共に入力ク
ラッチメンバとは別に狭い間隙だけ離間して回転可能に
ハウジング内に配設され、且つ入力クラッチメンバ内の
中ぐり部と対向する軸方向に延びる中ぐり部を有し、さ
らに出力駆動面を有する出力クラッチメンバと、 この出力クラッチメンバをハウジング内に回転可能に
支持するための出力側ベアリング手段と、 入力クラッチメンバの中ぐり部から出力クラッチメン
バの中ぐり部を通して配設されると共に、出力クラッチ
メンバからハウジング内へと延び、ベアリングアセンブ
リにより支持性が向上され、入力クラッチメンバ内の中
ぐり部に画成された円錐形中空部と緊密に係合する円錐
面を有し、且つ入力クラッチメンバと一体となって回転
可能なアーバと、 出力クラッチメンバからハウジング内に延びたアーバ
部分を回転可能に支持するためにハウジング内に配設さ
れたアーバベアリング手段と、 アーバの外周を覆うように配設されると共にその略半
分が入力クラッチメンバの中ぐり部に配設され、且つ残
り半分が出力クラッチメンバの中ぐり部に配設されたコ
イルスプリングを有し、コイルスプリングが入力クラッ
チメンバから出力クラッチメンバへのトルクを伝達させ
るため、両駆動面と接触係合するように膨張可能であ
り、さらにアーバがスプリングクラッチアセンブリ内に
コイルスプリングを正確に位置決めさせるためのストッ
パ手段とを備えたスプリングクラッチアセンブリが提供
される。
さらに、上記スプリングクラッチアッセンブリは、振
動の剛体モードがスプリングクラッチアセンブリの動作
範囲内に生ずるのを防止するのに十分な大きさに入力側
ベアリング手段のバネ定数を調整するべく、入力側ベア
リング手段と協働して動作する減衰手段を有していても
良い。
また、上記スプリングクラッチアッセンブリは、セト
ッパ手段がアーバと一体成形されたショルダー部を有し
ていても良い。
さらに、コイルスプリングの軸方向の動きを規制する
ために、出力クラッチメンバ内に配設されたスペーサを
有することもできる。
また、コイルスプリングとスペーサ間の軸方向の間隙
を0.03〜0.06インチ(0.762〜1.524mm)とすることが好
ましい。
さらには、両クラッチメンバ間の軸方向の狭い間隙が
0.03(0.762mm)インチとすることが好ましい。
さらに本発明の第3の構成によれば、ハウジングを準
備する工程と、入力クラッチメンバと出力クラッチメン
バをある狭い間隙だけ離間し両クラッチメンバが平行マ
ウント型配列となるように同軸配列して各クラッチメン
バをハウジング内に回転可能に配設する工程と、アーバ
を両クラッチメンバ内に介挿し且つ入力クラッチメンバ
に緊密に固定する工程と、アーバを回転可能に支持する
ためにハウジング内にアーバベアリング手段を配設する
工程と、両クラッチメンバ間のトルク伝達のために両ク
ラッチメンバと接触係合するために膨張可能なコイルス
プリングをアーバの外周を覆うように配設し且つその略
半分を入力クラッチメンバの中ぐり部に配設し残り半分
を出力クラッチメンバの中ぐり部に配設する工程とから
構成されたスプリングクラッチアセンブリの製造方法を
提供することができる。
[作用] 上記のように構成されたスプリングクラッチアセンブ
リによると、入力クラッチメンバ内の円錐形中空部にア
ーバの円錐形突出部が緊密に固定され且つ軸芯を容易に
正確に合わせられると共に、この入力クラッチメンバ/
アーバからなるサブアセンブリの剛性を高めることがで
きる。また、アーバを入力クラッチメンバから出力クラ
ッチメンバの中ぐり部を介して軸方向に延長形成したア
ーバシャフトの末端部をアーバベアリング手段により支
持するようにして、スプリングクラッチアセンブリのベ
アリング間距離を増加してベアリングを配設することが
でき、アセンブリ全体の剛性を高めることができる。ま
た、両クラッチメンバの配列を一連の内側/外側型から
平行スプリングマウント型に変更しており、入力クラッ
チメンバ及び出力クラッチメンバの残余不つり合いが重
畳されない配列を実現している。更に、アーバと一体成
形されたショルダー部により、両クラッチメンバの内周
に画成された各駆動面に対するコイルスプリングの正確
な軸方向の位置決めを容易にすることができる。
コイルスプリングを形成するにあたって、放電加工
(EDM)等により、スプリングの軸方向に極めて微細な
約0.020インチ(0.508mm)幅の切削加工を施して中央ク
ロスオーバコイルを形成してあるので、切削加工によ
り、取り除かれる質量部分を減少して、不つり合いを低
減している。また、コイルスプリングの膨張時、即ちク
ラッチメンバの駆動面とコイルスプリングの外周当接面
とが締結するとき、コイルスプリングを形成する中央コ
イルと両端の各ティーザコイルとの間の各遷移コイルを
2〜6巻のコイルから形成し、これらのコイルを中央コ
イルからティーザコイルにかけて次第に緩やなランプ形
成とすることにより、中央コイルとティーザコイルとの
遷移領域においても駆動面の非接触を避けることがで
き、クラッチ締結中における単巻の遷移コイルに対する
応力集中を避け、複数巻の遷移コイルに応力を分散する
ことができる。
[実施例] 第1図に示す本発明のスプリングクラッチアセンブリ
1は、入力クラッチメンバ3及び出力クラッチメンバ4
を収容するハウジング2を有し、このハウジング2は、
分解を容易にするためにボルト結合によって合体された
様々なセクションから構成される。入力クラッチメンバ
3及び出力クラッチメンバ4は、一般に円筒形状であ
り、その対向する端面が間隙5だけ空けて同軸配列され
ている。入力クラッチメンバ3の駆動端10は、ハウジン
グ内に配設されたベアリング6により支持されている。
入力クラッチメンバ3は、軸方向に延びる中ぐり部7を
有しており、この中ぐり部7を介してコイルスプリング
8をその中に収容するように、対向する入力クラッチメ
ンバ3の端部に向かって開口している。中ぐり部7に
は、コイルスプリングと締結するための入力駆動面9が
画成されている。入力クラッチメンバ3の駆動端10は、
例えばガスタービンエンジンのような駆動装置(図示せ
ず)と連結される。入力クラッチメンバ3の内周部に
は、更にアーバ12と当接する円錐内周面11を形成するも
のとする。
他方、出力クラッチメンバ4も入力クラッチメンバと
対向する端部に軸方向に延びる中ぐり部13を有してお
り、この中ぐり部を介してスプリング8を収容してい
る。中ぐり部13には、スプリング8と締結するための出
力駆動面14が画成されている。出力クラッチメンバ4は
ハウジング2内に配設されたベアリング15により回転可
能に支持されている。出力クラッチメンバ4は、ギア16
を介して被駆動部であるヘリコプタのロータを回転する
ために、ロータのギアボックス(図示せず)と噛合して
いる。
アーバ12は、入力クラッチメンバ3の内周に画成され
た円錐内周面11と当接する円錐外周面を有した円錐端18
を備えたアーバシャフト17を有する。アーバシャフト17
には、軸方向に延びる中空部が画成されており、オイル
潤滑のための滑油路19としての役割を果たしている。円
錐内周面11と円錐端18は、アーバ12の半径方向の支持を
保証するために、コレット式嵌合により結合してあり、
円周内周面と円周外周面とは、コレット式嵌合に適した
寸法に仕上げられている。このコレット式嵌合により、
アーバシャフト17は、入力クラッチメンバ3と緊密に一
体化され、入力クラッチメンバ/アーバシャフトからな
るサブアセンブリとしての剛性を効果的に増している。
この剛性のアップは、遠心力的不つり合い、即ち動不つ
り合いを低減し振動を抑制するのに効果的である。
アーバシャフト17は、入力クラッチメンバ3の中ぐり
部7から出力クラッチメンバ4の中ぐり部13を介して軸
方向に延びており、アーバシャフト17の円筒形外周面上
にスプリング8を支持している。アーバ12は、更に円錐
端18の最後部に形成されたショルダー部20を有する。シ
ョルダー部20は、クラッチアセンブリ1の内部に配設す
るスプリング8を確実に位置決めするためのストッパと
しての役割を果たす。コイルスプリングストッパは、ク
ラッチアセンブリ1の組付方法に依存してその取り付け
位置を適宜変更してもよく、アーバ12の円錐端18以外の
場所に設けてもよい。
本発明によるクラッチアセンブリ1のアーバシャフト
17は、スプリング8を支持しながら軸方向に延び、出力
クラッチメンバ4の中ぐり部13を貫通してハウジング2
内に配設されたアーバベアリング21によりその一端が支
持されている。このように、アーバ12の支持のためにベ
アリングを用いて、入力クラッチメンバ/アーバからな
るサブアセンブリの支持ベアリング間距離を効果的に増
加することにより、アセンブリ全体の剛性を高めること
ができ、これにより振動を低減することができる。この
ように、アーバ12の延長部により、クラッチアセンブリ
1の全体寸法をアーバシャフトと略同様にして、ベアリ
ング間距離を増加することができるので、本発明のクラ
ッチアセンブリ1はスペース制限や重量制限のある場所
での使用に適する。アーバ延長部は、入力クラッチメン
バ3からアーバ/スプリングサブアセンブリをつかみ出
す手段により、容易に取り出すことができる。
通常、スプリング8は、アーバと一体となって回転す
るために、アーバ12のショルダー部20に当接するまで押
し込まれ、アーバ入力端に確実に固定される。第2図に
示すように、シリンダを切削加工によりコイル状のクラ
ッチスプリングとして仕上げたコイルスプリング8は、
入力ティーザコイル22、出力ティーザコイル23、中央コ
イル24、及びクロスオーバコイル25から形成される。ク
ロスオーバコイル25は、両クラッチメンバ3及び4の間
隙5を横切って配設されている。両ティーザコイル22及
び23は、中央コイル24よりも大径であり。両ティーザコ
イルの外周面にて入力駆動面9及び出力駆動面14と各々
連続的に接触している。ティーザコイルと中央コイルの
外径差は実際には比較的小さく、0.020インチ(0.508m
m)程度である。ユーザコイル22及び23は、オイル溝26
を有しており、コイル及び各駆動面の適度な潤滑を促し
ている。
動作中、ガスタービンエンジンの出力軸により、入力
クラッチメンバ3、アーバ12、及びスプリング8は一体
となって回転される。スプリング8は、アーバ12に固定
されているので、回転により出力ティーザコイル23が出
力駆動面14と摩擦し、スプリング8が巻き戻され、中央
コイル24が両駆動面9及び14と各々係合するように、半
径方向外方へと膨張する。この結果、中央コイル24と各
駆動面との間で十分な摩擦結合が生じ、トルクが入力ク
ラッチメンバから出力クラッチメンバへと伝達される。
仮にフリー回転が要求されるとき、例えばエンジンの駆
動軸回転数がヘリコプタのロータの入力軸回転数より下
回るとき、出力クラッチメンバ4は、回転中のスプリン
グ8よりも速く回転しており、このため、逆に出力ティ
ーザコイル23が出力クラッチメンバ4により駆動され
て、スプリング8は再び巻き上げられる。この結果、ス
プリング8は再び半径方向内方へと圧縮され、両クラッ
チメンバ3及び4間の係合が解かれる。このようにして
駆動軸に対する被駆動軸のオーバーランニングに起因す
るエンジンの損傷を防止している。
上記した構成に従う本発明のクラッチアセンブリ1
は、剛体モード振動の問題を解消している。コイルスプ
リング支持装置のモードの形と固有振動数から危険速度
を分析することは、マイクルスタットの繰り返し技術を
応用し実行可能である。マイクルスタット法(Myklesta
d's Method)は、通常、航空機の構成材料の強度設計の
ために用いられており、梁の危険速度とたわみモードの
形の分析に応用される。マイクルスタット法での梁は、
剛性を有する自重のない梁区間より結合された一括され
た梁で表される。この解析方法には、所定の振動数にて
振動を保持したときの梁の端部での残留モーメント又は
たわみを計算する工程が含まれている。繰り返し工程を
用いることにより、端部のモーメントが零に保持される
周波数、即ち危険速度又は共振速度が決定される。
第3A図〜第3D図、及び第4A図〜第4D図には、危険速度
分析結果が示されており、マイクルスタット法に用いる
梁を図の最上部に示し、エンジン駆動シャフト部及び入
力クラッチメンバ/アーバサブアセンブリ部と仮定して
ある。また、入力側ベアリングをスプリングKとして示
してある。振動モードの形及び周波数は、第一振動モー
ド(剛体モード)を示す第3A図〜第3D図と、第二振動モ
ード(一時曲げモード)を示す第4A図〜第4D図を伴っ
て、様々な入力側ベアリングのバネ定数に関して示され
ている。様々なバネ定数に対するモードの形と振動数と
の関係を次表に示す。
上表から明らかなように、第一振動モード、即ち剛体
モードは、バネ定数に依存して5,500〜25,200rpmの範囲
内に生じ、他方第二振動モード、即ち一次曲げモード
は、バネ定数に関係なく、約30,000rpmを越えた所で生
じている。このように、剛体モードの振動数はバネ定数
にかなり影響されるが、他方一次曲げモードの振動数は
バネ定数に関係なく略一定であることがわかる。
第5図は、上表における入力クラッチメンバの支持ベ
アリングのバネ定数と各振動モードの生ずる固有振動数
との関係をプロットしたグラフであり、横軸には1,000
〜1000,000lbs/in(178.7kg/cm〜178740kg/cm)のバネ
定数を取り、縦軸には0〜40,000rpmの固有振動数を取
って示している。剛体モードを曲線Aにより示し、一次
曲げモードを曲線Bにより示すものとする。第5図に
て、ヘリコプタの一般的動作範囲を括弧Cで示してある
が、通常10,000rpmのアイドル回転数から30,000rpmの最
大回転数の範囲内にある。第5図の曲線Aから明らかな
ように、剛体モードがバネ定数を約10,000lbs/in(178
7.4kg/cm)以下に、好ましくは約5,000lbs/in(893.7kg
/cm)に設定することにより、緩和できることが伺え
る。これにより、エンジンの始動時や停止時においての
み剛体モード振動を防止できる。即ち、10,000lbs/in
(1787.4kg/cm)以下のバネ定数の設定により、効果的
に動作範囲内で生ずるであろう剛体モードを除去するこ
とができる。逆に、バネ定数を高め調整して、動作範囲
を越えるように剛体モードを移動することも考えられ
る。例えば、約500,000lbs/in(89370kg/cm)のバネ定
数で剛体モードは25,000rpmの周波数で生じているが、3
0,000rpm以上で剛体モードが生ずるように剛体モードを
移動することも確定されよう。しかしながら、実際には
バネ定数を高めに設定せず、低めに設定するものとす
る。
本発明に従うと、入力クラッチメンバ3の支持ベアリ
ング6のバネ定数の調整は、バネ定数をより低めに設定
するために、ベアリングの外側レースとハウジングとの
間にオイル薄膜を用いることにより達成できる。このオ
イル薄膜は、振動数及び振幅の両方を減衰低減し、約1
0,000lbs/in(1787.4kg/cm)以下の値にバネ定数を低め
に設定する効果がある。従って、低めに設定されたバネ
定数により、設計動作範囲以下の低い回転数で剛体モー
ドが生ずるように制御できることができ、このオイル薄
膜層の固有減衰特性により、遭遇する振動の振幅を減少
し、クラッチアセンブリの保守寿命を高めることができ
る。
再び第1図に戻って、フィルムダンパ27が入力クラッ
チメンバ側のベアリング6の外側レース28を覆うように
備えられており、レースとハウジング間に、例えば約0.
001〜0.005インチ(0.0254〜0.127mm)の小さな間隙29
を画成している。また、フィルムダンパ27の内周には、
間隙29中のオイル層を保持するための油溝30が形成され
ている。油の粘性又は間隙29の寸法を変更することによ
り、ベアリング6のバネ定数及び減衰特性を最適に調整
できる。更に流体のキャビテーションを避けるため、オ
イルを加圧して使用するのが望ましい。上記した以外の
ベアリングのバネ定数を低減する手段を本発明のクラッ
チアセンブリに使用してもよい。例えば、レースとハウ
ジング間に合成ゴムのような弾性特性を有する高分子物
質のエラストマー層を設けるか、或はレースをフレキシ
ブルにした不連続接触レースを用いてもよい。
高速回転用として使用されるクラッチアセンブリは、
コイルスプリングの軸方向の配列に関して敏感である。
そこで、再び第1図に示されるように、比較的軟らかい
材料からなるスペーサ31を出力クラッチメンバ4に隣接
するアーバ外周に備え、コイルスプリングの端部と出力
クラッチメンバ4との間の緩衝材として使用するものと
する。前述のように、軸方向のコイルスプリング位置
は、組付工程において、アーバショルダー部20にコイル
スプリング8を当接することにより決定されるので、ス
ペーサ31はショルダー部20と連関して、スプリングの軸
方向の動きを規制する役割を果たす。即ち、スプリング
8が巻き上げられ、半径方向内方へ圧縮された、スプリ
ング圧縮状態においては、スプリングはアーバ12の外周
面に沿って出力クラッチメンバ側へと移動し、逆にスプ
リング8が巻き戻され、半径方向外方へ膨張された、ス
プリング膨張状態においては、両駆動面9及び14に沿っ
て出力クラッチメンバ側へと移動するが、スプリング8
のこれら軸方向の動きを規制するために、スペーサ31は
役立っている。仮にスプリング8の出力クラッチメンバ
側の端部とスペーサ31との間の軸方向の間隙が所定値よ
りも小さいならば、スプリングの膨張中、出力ティーザ
コイル23が必要以上に出力クラッチメンバの駆動面に強
く押し付けられ、スプリング8の一端をクラッチメンバ
の出力端に食い込ませる可能性がある。逆に、軸方向の
間隙が所定値よりも過度に大きい場合には、スプリング
8がゆっくりと軸方向に移動することができ、中央のク
ロスオーバコイル25が両クラッチメンバ3及び4の間隙
5の位置から外れてしまい、この結果スプリング8が膨
張しクラッチ締結動作を実行するやいなや、コイルスプ
リングの不整合を来してしまう。一般に、これらの問題
を防せぐのに十分な軸方向の所定間隙は、0.030〜0.060
インチ(0.762〜1.524mm)である。
以下、スプリングクラッチアセンブリ1のコイルスプ
リング8に就いて詳述する。
本発明に従う改善されたスプリング8は、本発明のク
ラッチアセンブリに適用される外に、その他、従来技術
のスプリングクラッチアセンブリに用いることもでき
る。第6A図及び第6B図には、従来技術のクロスオーバコ
イル32が示されているが、このコイルは軸方向にクロス
オーバカット33を有する。このような従来のコイルスプ
リングは、一般的な機械加工により中央により中央クロ
スオーバコイルを形成している。第6A図に示すようなカ
ッター34を用いて、特定ピッチでシリンダ35を切削加工
してクロスオーバコイルを形成している。切削過程でク
ロスオーバコイル部に到達すると、カッター34は所定区
間軸方向に方向付けられた後、所定ピッチで切削加工す
るために、再び元の方向に戻される。軸方向のクロスオ
ーバカット33は、コイルが捩れることなく、両クラッチ
メンバ3及び4の間隙5をまたぐように切削形成され
る。しかしながら、スプリング圧縮状態で第6B図に示し
た機械加工を終えたコイルスプリングの一側面には小さ
な孔36が残される。この孔36によりコイルスプリングの
静的及び動的不つり合いを来す。
従来のコイルスプリングの他のクロスオーバコイル部
を示す第6C図〜第6D図においては、孔36を最小化するた
めに、S字状に緩やかにクロスオーバカットを施した例
を示す。このコイルスプリングは、切欠部38を有するク
ロスオーバコイル37からなる。第6C図に示すように、カ
ッター39により、特定ピッチでシリンダ40を切削加工し
コイルスプリングを形成している。切削工程中、クロス
オーバコイルに到達すると、カッター39は、両クラッチ
メンバとアーバとの間隙中にコイルスプリングを支持す
るとき、孔又は切欠が最小となるように選択された特定
のピッチで方向付けられる。しかしながら、このような
切削方法により切欠部を最小化しても、特に高速回転に
おけるスプリングの膨張中、形成された切欠面の傾斜角
度に沿って、スプリングをそそり立たせて各コイルの配
列を乱し不整合を生じてしまう。
上記の問題を解決するために、本発明のコイルスプリ
ングは、非常に微細な近接区間軸方向切削加工を施した
クロスオーバコイルを用いるものとする。この近接区間
軸方向切削加工のためには、電気火花により金属試料か
ら電導性物質を除去する放電加工(EDM)を用いて仕上
げるのが好ましい。第7A図及び第7B図に示すように、ク
ロスオーバコイル41を所定ピッチにてシリンダを切削す
るカッター42を用いて部分的に切削加工し、クロスオー
バ点Aに到達するやいなや、カッター42を取り除き、ク
ロスオーバ点Bからシリンダの端部へと再び残りのコイ
ルを切削形成するために、再度位置設定される。放電加
工等により、極めて薄い軸方向の切欠が点A及び点B間
を貫通するように穴明け形成される。放電加工のワイヤ
の径は、約0.020インチ(0.508mm)幅の切欠加工を実現
するように選ぶものとする。三箇所の別々の切削加工を
組み合わせて点A及びB間をスムーズな切欠面で結ぶこ
とができる。第一の切削は約90゜の円弧を形成するため
の切り込みカット43であり、第二の切削は軸方向に沿っ
たカット44であり、第三の切削は再び約90゜の円弧を形
成するための切り出しカット45である。第7B図に示すよ
うに、コイルスプリングが圧縮される場合、中央クロス
オーバコイル41は、スプリングの静的及び動的不つり合
いを減少するために、比較的小さな切欠46を有すると共
に、両クラッチメンバの間隙を横切るクロスオーバコイ
ルを十分に保持している。スプリングクラッチアセンブ
リに加えられるトルクにより生ずるねじり動作の下で
も、両クラッチメンバの回転軸の整合を保つことができ
る。
更に、コイルスプリングの半径方向外方への膨張中、
コイル状スプリングが巻き戻され両クラッチメンバの間
隙内に巻き込まれる可能性がある。そこで、巻き込み防
止のために、両クラッチメンバの間隙を潤滑オイルの供
給を満たす範囲内において最小限に設定すべきであり、
一般に間隙を0.030インチ(0.762mm)とするのが好まし
い。
コイルスプリングの他の問題は、両ティーザコイルと
中央コイルとの交差部又は遷移部で生ずる。即ち、ティ
ーザコイルと中央コイルとの間の鋭角的な遷移コイル区
間には、高い応力を来す原因となるナイフエッジ部が残
されており、コイルスプリングのねじれがティーザコイ
ルと中央コイルとの遷移領域で生ずる。第8図に示す従
来のコイルスプリング47は、巻き数4のティーザコイル
48と複数巻の中央コイル49とから形成されているが、コ
イル48と49との間には、半径Rの鋭角な遷移コイル50が
存在している。スプリング47が膨張されるとき、第8図
の一番右端のティーザコイル48と近接する遷移コイル50
のみが部分的に不支持状態となって残される。この結
果、この遷移コイル50にスプリング破壊を来すであろう
応力が集中する。例えば、90゜の円弧にのみ沿った駆動
面と接触せず、十分に保持されない遷移コイル領域に
は、付加的に曲げ応力50,000psi(3520kg/cm2)が発生
することが推測される。
この問題を除去するために、本発明に従うコイルスプ
リングにおいては、ティーザコイルから中央コイルにか
けて次第に緩やかなランプを形成するものとする。ティ
ーザコイルと中央コイルを滑らかに結合するために、ラ
ンプを2〜6巻のコイル幅で形成し、特に4巻のコイル
から形成するのが好ましく、直径を次第に増加した複数
巻のコイルを用いるか、或は滑らかなランプを形成する
ために、テーパ状の外表面の複数巻のコイルを用いて形
成してもよい。このような緩やかなランプにより、応力
を複数巻のコイルに分散し、コイルスプリングの破損の
可能性を低減できる。
第9図に示す本発明に従うコイルスプリング51は、3
巻のティーザコイル52、中央コイル53、及び4巻の遷移
コイル54とから形成されており、ティーザコイルと中央
コイルとを結ぶ緩やかなランプを形成している。応力を
最小限にするために、このランプにより緩やかなS字面
が画成されており、S字面は、隣接する2巻の遷移コイ
ルに亘って画成される半径R1の第一の凸面と、別の隣接
する2巻の遷移コイルに亘って画成される半径R2の第二
の凸面とから形成されており、1巻のコイルに応力が集
中することはなく、4巻のコイルに夫々分散される。
第10図に示すコイルスプリング55は、3巻のティーザ
コイル56及び6巻の遷移コイル57を有する。この遷移コ
イル57は、ティーザコイルと中央コイルとの間に緩やか
なランプを提供するために、テーパ外表面58を有する。
第8図〜第10図を見て気付くように、これらの図は発明
の理解のために誇張して示されているが、実際にはティ
ーザコイルと中央コイルとの外径差は0.020インチ(0.5
08mm)程度である。
[発明の効果] 上述した本発明のスプリングクラッチアセンブリによ
ると、入力クラッチメンバにアーバを固定し、入力クラ
ッチメンバ/アーバのサブアセンブリとして剛性を高
め、また、入力クラッチメンバから出力クラッチメンバ
の中ぐり部を介して軸方向に延びるアーバシャフトの末
端部をアーバベアリングにより支持するようにして、ス
プリングクラッチメンバのベアリング間距離を増加する
ことにより、アセンブリ全体の寸法を所定範囲内に押さ
えながら、アセンブリ全体の剛性を高め、アセンブリの
振動を減少することができる。また、入力及び出力クラ
ッチメンバの配列を一連の内側/外側型から平行スプリ
ングマウント型に変更しており、アセンブリの残余不つ
り合いが重畳されない。更に、アーバに一体形成された
ショルダー部のようなスプリングストッパ手段により、
各クラッチメンバ内周に画成された各駆動面に対するコ
イルスプリングの軸方向の位置を正確且つ容易に決める
ことができる。
また、スプリングクラッチアセンブリのコイルスプリ
ングのクロスオーバコイルを切削形成するにあたって、
クロスオーバカットを軸方向に放電加工等を用いて微細
な0.020インチ(0.508mm)幅で仕上げているので不つり
合いの原因となる切削により取り除かれた質量要素を最
小限にすることができる。また、各ティーザコイルと中
央コイルとの遷移コイル部を複数巻のコイルから形成
し、次第に緩やかなランプ形成したので、クラッチ締結
時に遷移コイルに対する応力集中を避け、複数の遷移コ
イルに応力を分散することができる。更に、上述した減
衰手段を設けて入力側ベアリングのバネ定数を低めに調
整できるので、アセンブリの剛体モード振動を避けるこ
とができ、アセンブリの高速使用を達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のスプリングクラッチアセンブリの断面
図であり、第2図は第1図のクラッチアセンブリに用い
るコイルスプリングの拡大図であり、第3A図〜3D図は入
力クラッチメンバを支持する入力側ベアリングの様々な
バネ定数でのクラッチアセンブリの第一振動モード(剛
体モード)の形と振動系の固有振動数との関係を表すグ
ラフであり、第4A図〜第4D図は入力側ベアリングの様々
なバネ定数でのクラッチアセンブリの第二振動モード
(一次曲げモード)の形と固有振動数との関係を表すグ
ラフであり、第5図は入力側ベアリングのバネ定数とク
ラッチアセンブリの固有振動数の関係を示すグラフであ
り、第6A図〜第6D図は従来のクロスオーバスプリングコ
イルの部分拡大図であり、第7A図及び第7B図は本発明の
クロスオーバスプリングコイルの部分拡大図であり、第
8図は従来のスプリングコイルのティーザコイルから中
央コイルまでの遷移領域を示す拡大部分図であり、第9
図は中央コイル及びティーザコイル間の緩やかに形成さ
れたランプの実施例を示す部分拡大図であり、第10図は
中央コイル及びティーザコイル間の緩やかに形成された
ランプの他の実施例を示す部分拡大図である。 1……スプリングクラッチアセンブリ、3……入力クラ
ッチメンバ、4……出力クラッチメンバ、5……間隙、
8……コイルスプリング、9……入力駆動面、12……ア
ーバ、14……出力駆動面、20……ショルダー部、31……
スペーサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16D 13/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジングと、 ハウジング内に回転可能に配設した入力クラッチメンバ
    と、 平行マウント型にするため入力クラッチメンバと同軸配
    列し且つ入力クラッチメンバに対し狭い間隙だけ離間し
    てハウジング内に回転可能に配設した出力クラッチメン
    バと、 入力端及び出力端を備えると共に両クラッチメンバ内に
    介挿され、且つ入力クラッチメンバに固定されたアーバ
    と、 ハウジング内にまで延ばされたアーバ出力端を回転可能
    に支持し、且つハウジング内に配設されたアーバベアリ
    ング手段と、 アーバの外周を覆うように配設され、且つその略半分が
    入力クラッチメンバの中ぐり部に配設されると共に、残
    り半分が出力クラッチメンバの中ぐり部に配設されてい
    て、両クラッチメンバ間のトルク伝達のために両クラッ
    チメンバと接触係合するように膨張可能であるコイルス
    プリングとから構成されたスプリングクラッチアセンブ
    リ。
  2. 【請求項2】入力クラッチメンバを回転可能に支持する
    ためにハウジング内に配設した入力側ベアリング手段
    と、振動の剛体モードがスプリングクラッチアセンブリ
    の所望する動作範囲内にて生ずるのを防止するのに十分
    な大きさの入力側ベアリング手段のバネ定数に調整する
    ために、入力側ベアリング手段と協働して動作する減衰
    手段を有した請求項1記載のスプリングクラッチアセン
    ブリ。
  3. 【請求項3】減衰手段を10,000lbs/in(1787kg/cm)以
    下の入力側ベアリング手段のバネ定数を提供するため
    に、フィルム状ダンパから形成した請求項2記載のスプ
    リングクラッチアセンブリ。
  4. 【請求項4】入力クラッチメンバの円錐形中空部と係合
    させるため、アーバが円錐形の入力端部を有した請求項
    1記載のスプリングクラッチアセンブリ。
  5. 【請求項5】アーバの外周を覆うように配設されたコイ
    ルスプリングを位置決めするために、アーバにストッパ
    手段を配設した請求項1記載のスプリングクラッチアセ
    ンブリ。
  6. 【請求項6】ハウジングと、 軸方向に延びる中ぐり部及び該中ぐり部に画成された入
    力側駆動面を有するハウジング内に配設された入力クラ
    ッチメンバと、 ハウジング内にて入力クラッチメンバを回転可能に支持
    するための入力側ベアリング手段と、 入力クラッチメンバと同軸に配列されると共に入力クラ
    ッチメンバと別に狭い間隙だけ離間して回転可能にハウ
    ジング内に配設され、且つ入力クラッチメンバ内の中ぐ
    り部と対向する軸方向に延びる中ぐり部を有し、さらに
    出力駆動面を有する出力クラッチメンバと、 この出力クラッチメンバをハウジング内に回転可能に支
    持するための出力側ベアリング手段と、 入力クラッチメンバの中ぐり部から出力クラッチメンバ
    の中ぐり部を通して配設されると共に、出力クラッチメ
    ンバからハウジング内へと延び、ベアリングアセンブリ
    により支持性が向上され、入力クラッチメンバ内の中ぐ
    り部に画成された円錐形中空部と緊密に係合する円錐面
    を有し、且つ入力クラッチメンバと一体となって回転可
    能なアーバと、 出力クラッチメンバからハウジング内に延びたアーバ部
    分を回転可能に支持するためにハウジング内に配設され
    たアーバベアリング手段と、 アーバ外周を覆うように配設されると共にその略半分が
    入力クラッチメンバの中ぐり部に配設され、且つ残り半
    分が出力クラッチメンバの中ぐり部に配設されたコイル
    スプリングを有し、コイルスプリングが入力クラッチメ
    ンバから出力クラッチメンバへのトルクを伝達させるた
    め、両駆動面と接触係合するように膨張可能であり、さ
    らにアーバがスプリングクラッチアセンブリ内にコイル
    スプリングを正確に位置決めさせるためのストッパ手段
    とを備えたスプリングクラッチアセンブリ。
  7. 【請求項7】振動の剛体モードがスプリングクラッチア
    センブリの動作範囲内にて生ずるのを防止するのに十分
    な大きさに入力側ベアリング手段のバネ定数を調整する
    べく、入力側ベアリング手段と協働して動作する減衰手
    段を有した請求項6記載のスプリングクラッチアセンブ
    リ。
  8. 【請求項8】ストッパ手段がアーバと一体成形されたシ
    ョルダー部からなる請求項5又は6記載のスプリングク
    ラッチアセンブリ。
  9. 【請求項9】コイルスプリングの軸方向の動きを規制す
    るために、出力クラッチメンバ内に配設されたスペーサ
    を有した請求項1又は6記載のスプリングクラッチアセ
    ンブリ。
  10. 【請求項10】コイルスプリングとスペーサ間の軸方向
    の間隙が0.03〜0.06インチ(0.762〜1.524mm)である請
    求項10記載のスプリングクラッチアセンブリ。
  11. 【請求項11】両クラッチメンバ間の軸方向の狭い間隙
    が0.03(0.762mm)インチである請求項1又は6記載の
    スプリングクラッチアセンブリ。
  12. 【請求項12】ハウジングを準備する工程と、入力クラ
    ッチメンバと出力クラッチメンバをある狭い間隙だけ離
    間し両クラッチメンバが平行マウント型配列となるよう
    に同軸配列して各クラッチメンバをハウジング内に回転
    可能に配設する工程と、アーバを両クラッチメンバ内に
    介挿し且つ入力クラッチメンバに緊密に固定する工程
    と、アーバを回転可能に支持するためにハウジング内に
    アーバベアリング手段を配設する工程と、両クラッチメ
    ンバ間のトルク伝達のために両クラッチメンバと接触係
    合するために膨張可能なコイルスプリングをアーバの外
    周を覆うように配設し且つその略半分を入力クラッチメ
    ンバの中ぐり部に配設し残り半分を出力クラッチメンバ
    の中ぐり部に配設する工程とから構成されたスプリング
    クラッチアセンブリの製造方法。
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