JP2803666B2 - 走査露光方法及び回路パターン製造方法 - Google Patents

走査露光方法及び回路パターン製造方法

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JP2803666B2
JP2803666B2 JP9217260A JP21726097A JP2803666B2 JP 2803666 B2 JP2803666 B2 JP 2803666B2 JP 9217260 A JP9217260 A JP 9217260A JP 21726097 A JP21726097 A JP 21726097A JP 2803666 B2 JP2803666 B2 JP 2803666B2
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子、液晶
表示素子等の製造過程中のリソグラフィー工程でマスク
のパターンを感光基板上に走査露光する方法と、その露
光方法によって感光基板上に回路パターンを形成する製
造方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のリソグラフィー工程で使
用されている投影露光装置には、大別して2つの方式が
あり、1つはマスク(レチクル)のパターン全体を内包
し得る露光フィールドを持った投影光学系を介してウェ
ハやプレート等の感光基板をステップアンドリピート方
式で露光する方法であり、もう1つはマスクと感光基板
とを投影光学系を挟んで対向させて円弧状スリット照明
光のマスク照明のもとで相対走査して露光するスキャン
方法である。
【0003】前者のステップアンドリピート露光方式を
採用したステッパーは、最近のリソグラフィー工程で主
流をなす装置であり、後者のスキャン露光方式を採用し
たアライナーにくらべて、解像力、重ね合せ精度、スル
ープット等がいずれも高くなってきており、今後もしば
らくはステッパーが主流であるものと考えられている。
【0004】ところで、最近スキャン露光方式において
も高解像力を達成する新たな方式が、SPIE Vol.1
088 Optical/Laser Microlithography II(198
9)の第424頁〜433頁においてステップアンドス
キャン方式として提案された。ステップアンドスキャン
方式とは、マスク(レチクル)を1次元に走査しつつ、
ウェハをそれと同期した速度で1次元に走査するスキャ
ン方式と、走査露光方向と直交する方向にウェハをステ
ップ移動させる方式とを混用したものである。
【0005】図9は、ステップ&スキャン方式の概念を
説明する図であるが、ここではウェハW上のX方向のシ
ョット領域(1チップ、又はマルチチップ)の並びを円
弧状スリット照明光RILで走査露光し、Y方向につい
てはウェハWをステッピングする。同図中、破線で示し
た矢印がステップ&スキャン(以下、S&Sとする)の
露光順路を表わし、ショット領域SA1、SA2、……S
A6の順にS&S露光を行ない、次にウェハWの中央に
Y方向に並んだショット領域SA7、SA8、……SA12
の順に同様のS&S露光を行なう。
【0006】上記文献に開示されたS&S方式のアライ
ナーでは、円弧状スリット照明光RILで照明されたレ
チクルパターンの像は、1/4倍の縮小投影光学系を介
してウェハW上に結像されるため、レチクルステージの
X方向の走査速度は、ウェハステージのX方向の走査速
度の4倍に精密に制御される。また、円弧状スリット照
明光RILを使うのは、投影光学系として屈折素子と反
射素子とを組み合せた縮小系を用い、光軸から一定距離
だけ離れた像高点の狭い範囲(輪帯状)で各種収差がほ
ぼ零になるという利点を得るためである。そのような反
射縮小投影系の一例は、例えばUSP.4,747,678
に開示されている。
【0007】このような円弧状スリット照明光を使うS
&S露光方式の他に、円形のイメージフィールドを有す
る通常の投影光学系(フル・フィールドタイプ)をS&
S露光方式に応用する試みが、例えば特開平2−229
423号公報で提案された。この公開公報には、レチク
ル(マスク)を照明する露光光の形状を投影レンズ系の
円形フィールドに内接する正六角形にし、その正六角形
の対向する2辺のエッジが走査露光方向と直交する方向
に伸びるようにすることで、スループットをより向上さ
せたS&S露光を実現することが開示されている。
【0008】すなわちこの公開公報においては、スキャ
ン露光方向のレチクル(マスク)照明領域を極力大きく
取ることによって、レチクルステージ、ウェハステージ
の走査速度を、円弧状スリット照明光を使ったS&S露
光方式にくらべて格段に高くできることが示されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記、特開平2−22
9423号公報に開示された従来技術によれば、走査露
光方向に関するマスク照明領域を極力広くしてあるた
め、スループット上では有利である。ところが、実際の
マスクステージ、ウェハステージの走査シーケンスを考
慮すると、上記公開公報に開示された装置においても、
図9のようなジクザクのS&S方式にせざるを得ない。
【0010】なぜなら、ウェハWの直径を150mm(6
インチ)として、1回の連続したX方向走査のみでウェ
ハ直径分の一列のショット領域の並びの露光を完了しよ
うとすると、1/5倍の投影レンズ系を使うことを前提
としたとき、レチクルの走査方向(X方向)の長さは7
50mm(30インチ)にも達してしまい、このようなレ
チクルの製造が極めて困難だからである。
【0011】仮りにそのようなレチクルが製造できたと
しても、そのレチクルをX方向に走査するレチクルステ
ージのストロークは750mm以上必要であることから、
装置が極めて大型化することは必須である。このため、
上記公開公報のような装置であっても、ジクザク走査を
せざるを得ない。従って、走査露光方向に隣接したショ
ット領域、例えば図9中のショット領域SA1とSA12
とでは、隣りのショット領域内にレチクルパターンが転
写されないようにレチクル上のパターン領域の周辺を遮
光体で広く覆っておく必要があった。
【0012】図10は六角形の照明領域HIL、投影レ
ンズ系の円形イメージフィールドIF、及びレチクルR
の走査露光時の配置を示し、図10(A)は六角形照明
領域HILがレチクルR上のスキャン開始位置に設定さ
れた状態を表し、この状態からレチクルRのみが同図中
の右方向に一次元移動する。そして1回のスキャン終了
時には図10(B)のようになる。
【0013】この図10中でCP1、CP2、……CP6
の夫々はレチクルR上にX方向に並べて形成されたチッ
プパターンであり、これら6つのチップパターンの並び
がX方向の1回のスキャンで露光されるべきショット領
域に対応している。尚、同図中、六角形照明領域HIL
の中心点はイメージフィールドIFの中心、すなわち投
影レンズ系の光軸AXとほぼ一致している。
【0014】この図10からも明らかなように、レチク
ルR上の走査開始部分や走査終了部分では、パターン領
域の外側に、少なくとも六角形照明領域HILの走査方
向(X方向)の幅寸法以上の遮光体を必要とする。同時
に、レチクルR自体も走査方向の寸法が大きくなるとと
もにレチクルステージのX方向の移動ストロークも、チ
ップパターンのCP1〜CP6全体のX方向の寸法と六角
形照明領域HILの走査方向の寸法との合計分だけ必要
となる等、装置化にあたっての問題点が考えられる。
【0015】また走査方向と直交したY方向に関する照
明領域の形状にも問題があり、図10のような六角形の
照明領域HILの場合、レチクルR上のチップパターン
のY方向(非走査方向)の寸法が一定であるにもかかわ
らず、照明領域HILのY方向の寸法はX方向の位置に
応じて山形状に変化している。このため図10のような
チップパターンの場合、六角形の照明領域HILのうち
でX方向に関する幅が一定となっているY方向の寸法Y
Dは、チップパターンのY方向のサイズよりも小さくな
り、レチクルR(ウェハW)の1回の走査のみで図10
のチップパターン群を露光しても、照明領域HILの山
形状の部分によって著しい露光量のむらが発生すること
になる。
【0016】そこで特開平2−229423号公報に
は、チップパターンのY方向の寸法がYD以上の場合、
2回以上の走査露光(一部オーバーラップ)によってレ
チクルRのチップパターン群をウェハ上に転写すること
が示されているが、これはスループット上で必ずしも有
利とは言えない。本発明は上述のような問題点に鑑み、
レチクル(マスク)上のパターン露光領域の周辺に格別
に広い遮光体を設けることなく、しかもレチクル(マス
ク)ステージの走査露光時の移動ストロークも最小限に
しつつ、スループットを高めたスキャン方式(又はS&
S方式)の露光方法と、その露光方法を利用した回路パ
ターンの製造方法とを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載さ
れた発明は、遮光帯(SBr,SBl等)で囲まれた回路
パターン領域(CP;CP1〜CP4)を有するマスク
(レチクルR)と、そのマスク(R)の回路パターン領
域が転写される感光基板(ウェハW)とを投影光学系
(PL)の物体面側と像面側に配置し、マスク(R)と
感光基板(W)とを投影光学系(PL)の投影視野(円
形イメージフィールドIF)に対して所定の速度比(例
えば投影倍率1/5の比)で1次元移動させることでマ
スク(R)の回路パターンを感光基板(W)上に走査露
光する方法に適用される。
【0018】そして本願発明では、露光に先立って、マ
スク(R)の1次元移動(例えばX方向への走査移動)
の加速に必要なプリスキャンの範囲を設定し、そのプリ
スキャンの完了後の定速走査期間におけるマスク(R)
の移動速度(Vrs)を設定する段階と、定速走査期間の
間は、投影光学系(PL)の投影視野(IF)内で1次
元移動の方向(X方向)と直交した非走査方向(Y方
向)に伸びる矩形スリット状の強度分布の照明光(照明
系内のレチクルブラインド機構20の開口APを通して
作られる)をマスク(R)に向けて照射するとともに、
プリスキャンから定速走査期間に入った時点では矩形ス
リット状の照明光の非走査方向(Y方向)に延びた一端
部(例えばエッジE1,E2)がマスク(R)上の遮光
帯(SBr又はSBl)と重なるように、マスク(R)の
移動と照明光の照射とを連動させる段階(シャッター6
による開閉動作、又はブラインド機構20の可動ブレー
ドBL1,BL2の移動)とを実施するようにした。
【0019】請求項2に記載の発明は、請求項1で規定
された矩形スリット状の照明光が、光源(例えば水銀ラ
ンプ2)からの照明光を遮蔽、開放するシャッター
(6)を介して作られることを限定したものであり、請
求項3に記載の発明は、請求項1で規定された矩形スリ
ット状の照明光が、マスク(R)と光学的にほぼ共役に
配置されるブラインド(レチクルブラインド機構20)
の矩形スリット開口(AP)を介して作られることを限
定したものである。
【0020】さらに請求項4に記載の発明は、請求項3
で規定されたブラインド(20)とマスク(R)との間
に、ブラインドの矩形スリット開口(AP)をマスク
(R)上に拡大投影する拡大光学系(レンズ系24、ミ
ラー26、メインコンデンサーレンズ28)を設けるこ
とを限定したものであり、請求項5に記載の発明は請求
項3で規定されたブラインド(20)が非走査方向
(Y)に延びた遮光エッジ(E1、E2)を有して1次
元移動方向(X方向)に移動可能に対向配置された2枚
の可動ブレード(BL1,BL2)を含み、その2枚の可
動ブレード(BL1,BL2)のいずれか一方を、マスク
(R)の移動と照明光の照射とを連動させる段階の際に
移動させることを限定したものである。
【0021】また本願の請求項6に記載された発明は、
遮光帯(SBr,SBl等)で囲まれた回路パターン領域
(CP;CP1〜CP4)を有するマスク(レチクル
R)とそのマスクの回路パターンが転写される感光基板
(ウェハW)とを投影光学系(PL)の物体面側と像面
側とに配置し、マスク(R)と感光基板(W)とを投影
光学系(PL)の投影視野(例えば円形イメージフィー
ルドIF)に対して所定の速度比(例えば投影倍率1/
5の比)で1次元移動させることによって、感光基板
(W)上にマスク(R)の回路パターンを走査露光方式
により形成する回路パターンの製造方法に適用される。
【0022】そして本願発明では、露光に先立って、マ
スク(R)の1次元移動(X方向への走査移動)の加速
に必要なプリスキャンの範囲を設定し、そのプリスキャ
ンの完了後の定速走査期間におけるマスク(R)の移動
速度(Vrs)を設定する段階と、定速走査期間の間は、
投影光学系(PL)の投影視野(IF)内で1次元移動
の方向(X方向)と直交した非走査方向(Y方向)に伸
びる矩形スリット状の強度分布の照明光(照明系内のレ
チクルブラインド機構20の開口APを通して作られ
る)をマスク(R)に向けて照射するとともに、プリス
キャンから定速走査期間に移行した時点では矩形スリッ
ト状の照明光の非走査方向(Y方向)に延びた一端部
(例えばエッジE1,E2)がマスク上の遮光帯(SB
r又はSBl)と重なるように、マスク(R)の移動と照
明光の照射とを連動させる段階(シャッター6による開
閉動作、又はブラインド機構20の可動ブレードBL
1,BL2の移動)とを実施するようにした。
【0023】請求項7に記載の発明は、請求項6で規定
された矩形スリット状の照明光が、光源(例えば水銀ラ
ンプ2)からの照明光を遮蔽、開放するシャッター
(6)を介して作られることを限定したものであり、請
求項8に記載の発明は、請求項6で規定された矩形スリ
ット状の照明光が、マスク(R)と光学的にほぼ共役に
配置されるブラインド(20)の矩形スリット開口(A
P)を介して作られることを限定したものである。
【0024】さらに請求項9に記載の発明は、請求項8
で規定されたブラインド(20)とマスク(R)との間
に、ブラインドの矩形スリット開口(AP)をマスク
(R)上に拡大投影する拡大光学系(レンズ系24、ミ
ラー26、メインコンデンサーレンズ28)を設けるこ
とを限定したものであり、請求項10に記載の発明は、
請求項8で規定されたブラインド(20)が、非走査方
向(Y方向)に延びた遮光エッジ(E1,E2)を有し
て1次元移動方向(X方向)に移動可能に対向配置され
た2枚の可動ブレード(BL1,BL2)を含み、その2
枚の可動ブレード(BL1,BL2)のいずれか一方を、
マスク(R)の移動と照明光の照射とを連動させる段階
の際に移動させることを限定したものである。
【0025】
【発明の実施の態様】従来の走査露光方式では、六角形
や円弧状等に制限された照明光をマスクに照射していた
が、本発明の好適な一実施例においては、走査方向の幅
がほぼ一定で、かつ投影光学系の投影視野の中心線に沿
って延びたスリット状(矩形状)に制限された照明光を
マスクに照射しつつ、マスク上の遮光帯で囲まれた回路
パターン領域内の走査露光を行うようにした。このため
マスクの移動と照明光の照射とを、マスク上の遮光帯に
合わせて連動させると、マスク上の走査開始部分(プリ
スキャンから定速走査期間に移行する部分)や走査終了
部分(定速走査期間から減速する部分)でマスクを大き
くオーバーランさせなくても、同等のS&S露光方式が
実現できる。
【0026】また本発明の好適な一実施例によって規定
された照明光の分布は矩形スリット状であるため、その
走査方向に関する幅を極めて容易に、かつ正確に変更可
能である。そのため走査露光の開始部分(プリスキャン
から定速走査期間に移行した部分)と終了部分(定速走
査期間の終了前)とで照明光の幅を連動可変させれば、
マスクステージのオーバーランを極めて小さくでき、マ
スクステージの移動ストロークも最小限にすることがで
きる。
【0027】さらにマスク上のパターン形成領域の周辺
に形成される遮光体の幅も従来のマスクと同程度に少な
くてよく、マスク製造時に遮光体(通常はクロム層)中
のピンホール欠陥を検査する手間が低減されるといった
利点もある。特に本発明の好適な一実施例では、投影光
学系の投影視野内の中心線に沿って延びた矩形状または
スリット状の領域を利用するようにしたので、チップパ
ターン領域の非走査方向に関するサイズは投影視野の直
径に近い値まで許容されることになり、オーバーラップ
露光することなく1回の走査で転写可能な露光フィール
ドのサイズも、従来の特開平2−224923号公報に
開示された方式と比べて大きくできる。
【0028】さらに投影視野内で細長い矩形状またはス
リット状の領域のみを使うため、投影光学系の結像性能
の1つである像歪み特性も、その矩形状またはスリット
状の領域のみを考慮すればよく、高解像力(高NA)、
大フィールドの投影光学系の製造が比較的容易になると
いった利点もある。そこで以上のような利点を有する本
発明の実施例による走査露光装置の構成を図面を参照し
て説明する。
【0029】図1は本発明の第1の実施例による投影露
光装置の構成を示し、本実施例では、両側テレセントリ
ックで1/5縮小の屈折素子のみ、あるいは屈折素子と
反射素子との組み合わせで構成された投影光学系(以
下、簡便のため単に投影レンズと呼ぶ)PLを使うもの
とする。水銀ランプ2からの露光用照明光は楕円鏡4で
第2焦点に集光される。この第2焦点には、モータ8に
よって照明光の遮断と透過とを切り替えるロータリーシ
ャッター6が配置される。シャッター6を通った照明光
束はミラー10で反射され、インプットレンズ12を介
してフライアイレンズ系14に入射する。フライアイレ
ンズ系14の射出側には、多数の2次光源像が形成さ
れ、各2次光源像からの照明光はビームスプリッタ16
を介してレンズ系(コンデンサーレンズ)18に入射す
る。
【0030】レンズ系18の後側焦点面には、レチクル
ブラインド機構20の可動ブレードBL1、BL2、BL
3、BL4が図2のように配置されている。4枚のブレー
ドBL1、BL2、BL3、BL4は夫々駆動系22によっ
て独立に移動される。本実施例では図2のように投影レ
ンズPLの光軸AXを通るY軸(直径)と平行に延びた
ブレードBL1、BL2のエッジによってX方向(走査露
光方向)の開口APの幅が決定され、ブレードBL3、
BL4のエッジによってY方向(ステッピング方向)の
開口APの長さが決定されるものとする。
【0031】また、4枚のブレードBL1〜BL4の各エ
ッジで規定された開口APの形状は、投影レンズPLの
円形イメージフィールドIF内で直径に沿って延びた矩
形状(又はスリット状)に定められる。さて、ブライン
ド機構20の位置で、照明光は均一な照度分布となり、
ブラインド機構20の開口APを通過した照明光は、レ
ンズ系24、ミラー26、及びメインコンデンサーレン
ズ28を介してレチクルRを照射する。このとき、ブラ
インド機構20の4枚のブレードBL1 〜BL4 規定さ
れた開口APの像がレチクルR下面のパターン面に結像
される。
【0032】尚、レンズ系24とコンデンサーレンズ2
8とによって任意の結像倍率を与えることができるが、
ここではブラインド機構20の開口APを約2倍に拡大
してレチクルRに投影しているものとする。従ってスキ
ャン露光時のレチクルRの走査速度VrsとレチクルR上
に投影されたブラインド機構20のブレードBL1、B
L2のエッジ像の移動速度とを一致させるためには、ブ
レードBL1、BL2のX方向の移動速度VblをVrs/2
に設定すればよい。
【0033】さて、開口APで規定された照明光を受け
たレチクルRは、コラム32上を少なくともX方向に等
速移動可能なレチクルステージ30に保持される。コラ
ム32は不図示ではあるが、投影レンズPLの鏡筒を固
定するコラムと一体になっている。レチクルステージ3
0は駆動系34によってX方向の一次元走査移動、ヨー
イング補正のための微少回転移動等を行なう。またレチ
クルステージ30の一端にはレーザ干渉計38からの測
長ビームを反射する移動鏡36が固定され、レチクルR
のX方向の位置とヨーイング量がレーザ干渉計38によ
ってリアルタイムに計測される。尚、レーザ干渉計38
用の固定鏡(基準鏡)40は投影レンズPLの鏡筒上端
部に固定されている。
【0034】投影レンズPLの物体面側に配置されたレ
チクルR上のパターンの像は投影レンズPLによって1
/5に縮小され、像面側に配置されたウェハW上に結像
される。ウェハWは微小回転可能なウェハホルダ44に
基準マーク板FMとともに保持される。ホルダ44は投
影レンズPLの光軸AX(Z)方向に微動可能なZステ
ージ46上に設けられる。そしてZステージ46はX、
Y方向に二次元移動するXYステージ48上に設けら
れ、このXYステージ48は駆動系54で駆動される。
またXYステージ48の座標位置とヨーイング量とはレ
ーザ干渉計50によって計測され、そのレーザ干渉計5
0のための固定鏡42は投影レンズPLの鏡筒下端部に
固定され、移動鏡52はZステージ46の一端部に固定
される。
【0035】本実施例では投影倍率を1/5としたの
で、スキャン露光時のXYステージ48のX方向の移動
速度Vwsは、レチクルステージ30の速度Vrsの1/5
である。さらに本実施例では、レチクルRと投影レンズ
PLとを介してウェハW上のアライメントマーク(又は
基準マークFM)を検出するTTR(スルーザレチク
ル)方式のアライメントシステム60と、レチクルRの
下方空間から投影レンズPLを介してウェハW上のアラ
イメントマーク(又は基準マークFM)を検出するTT
L(スルーザレンズ)方式のアライメントシステム62
とを設け、S&S露光の開始前、あるいはスキャン露光
中にレチクルRとウェハWとの相対的な位置合せを行な
うようにした。
【0036】また図1中に示した光電センサー64は、
基準マークFMを発光タイプにしたとき、その発光マー
クからの光を投影レンズPL、レチクルR、コンデンサ
ーレンズ28、レンズ系24、18、及びビームスプリ
ッタ16を介して受光するもので、XYステージ48の
座標系におけるレチクルRの位置を規定する場合や、各
アライメントシステム60、62の検出中心の位置を規
定する場合に使われる。
【0037】ところでブラインド機構20の矩形開口A
Pは、走査方向(X方向)と直交するY方向に関して極
力長くすることによって、X方向の走査回数、すなわち
ウェハWのY方向のステッピング回数を少なくすること
ができる。ただし、レチクルR上のチップパターンのサ
イズや形状、配列によっては、開口APのY方向の長さ
をブレードBL3、BL4の各エッジで変更した方がよい
こともある。例えばブレードBL3、BL4の対向するエ
ッジが、ウェハW上のショット領域を区画するストリー
トライン上に合致するように調整するとよい。このよう
にすれば、ショット領域のY方向のサイズ変化に容易に
対応できる。
【0038】また1つのショット領域のY方向の寸法が
開口APのY方向の最大寸法以上になる場合は、先の特
開平2−229423号公報にみられるように、ショッ
ト領域の内部でオーバーラップ露光を行なって、露光量
のシームレス化を行なう必要がある。この場合の方法に
ついては後で詳しく述べる。次に本実施例の装置の動作
を説明するが、そのシーケンスと制御は、主制御部10
0によって統括的に管理される。主制御部100の基本
的な動作は、レーザ干渉計38、50からの位置情報、
ヨーイング情報の入力、駆動系34、54内のタコジェ
ネレータ等からの速度情報の入力等に基づいて、スキャ
ン露光時にレチクルステージ30とXYステージ48と
を所定の速度比を保ちつつ、レチクルパターンとウェハ
パターンとの相対位置関係を所定のアライメント誤差内
に押えたまま相対移動させることにある。
【0039】そして本実施例の主制御部100は、その
動作に加えてブラインド機構20の走査方向のブレード
BL1、BL2のエッジ位置をレチクルステージ30の走
査と同期してX方向に移動させるように、駆動系22を
連動制御することを大きな特徴としている。尚、走査露
光時の照明光量を一定すると、開口APの走査方向の最
大開き幅が大きくなるにつれてレチクルステージ30、
XYステージ48の絶対速度は大きくしなければならな
い。原理的には、ウェハW上のレジストに同一露光量
(dose量)を与えるものとしたとき、開口APの幅を2
倍にすると、XYステージ48、レチクルステージ30
も2倍の速度にしなければならない。
【0040】図3は図1、図2に示した装置に装着可能
なレチクルRとブラインド機構20の開口APとの配置
関係を示し、ここではレチクルR上に4つのチップパタ
ーンCP1、CP2、CP3、CP4が走査方向に並んでい
るものとする。各チップパターンはストリートラインに
相当する遮光帯で区画され、4つのチップでパターンの
集合領域(ショット領域)の周辺はストリートラインよ
りも広い幅Dsbの遮光帯でかこまれている。
【0041】ここで、レチクルR上のショット領域の周
辺の左右の遮光帯をSBl、SBrとし、その外側には
レチクルアライメントマークRM1、RM2が形成されて
いるものとする。またブラインド機構20の開口AP
は、走査方向(X方向)と直交するY方向に平行に伸び
たブレードBL1のエッジE1とブレードBL2のエッジ
E2を有し、このエッジE1、E2の走査方向の幅をDap
とする。さらに開口APのY方向の長さは、レチクルR
上のショット領域のY方向の幅とほぼ一致し、周辺のX
方向に伸びた遮光帯の中心に開口APの長手方向を規定
するエッジが合致するようにブレードBL3、BL4が設
定される。
【0042】次に図4を参照して、本実施例のS&S露
光の様子を説明する。ここでは前提として、図3に示し
たレチクルRとウェハWとをアライメントシステム6
0、62、光電センサー64等を用いて相対位置合せし
たものとする。尚、図4は図3のレチクルRを横からみ
たもので、ここではブラインド機構20のブレードBL
1、BL2の動作をわかり易くするために、レチクルRの
直上にブレードBL1、BL2を図示した。
【0043】まず図4(A)に示すように、レチクルR
をX方向の走査開始点に設定する。同様に、ウェハW上
の対応する1つのショット領域をX方向の走査開始に設
定する。このとき、レチクルRを照明する開口APの像
は、理想的には幅Dapが零であることが望ましいが、ブ
レードBL1、BL2のエッジE1、E2の出来具合によっ
て完全に零にすることは難しい。
【0044】そこで本実施例では、開口APの像のレチ
クル上での幅DapがレチクルRの右側の遮光帯SBrの
幅Dsbよりも狭くなる程度に設定する。通常、遮光帯S
Brの幅Dsbは4〜6mm程度であり、開口APの像のレ
チクル上での幅Dapは1mm程にするとよい。そして、図
4(A)に示すように開口APのX方向の中心を、光軸
AXに対してΔXsだけ、レチクルRの走査進行方向と
逆方向(同図中の左側)にずらしておく。この距離ΔX
sは、このレチクルRに対する開口APの最大開き幅D
apの約半分に設定する。より詳しく述べると、開口AP
の長手方向の寸法はレチクルRのショット領域のY方向
の幅で自ずと決ってしまうため、開口APのX方向の幅
Dapの最大値DAmaxもイメージフィールドIFの直径
によって決ってくる。その最大値DAmaxは主制御部1
00によって予め計算される。さらに図4(A)の走査
開始点での開口APの幅(最小)をDAminとすると、
厳密には、DAmin+2・ΔXs=DAmaxの関係を満た
すように距離ΔXsが決められる。
【0045】次にレチクルステージ30とXYステージ
48とを投影倍率に比例した速度比で互いに逆方向に移
動させる。このとき図4(B)に示すように、ブライン
ド機構20のうち、レチクルRの進行方向のブレードB
L2のみをレチクルRの移動と同期して動し、ブレード
BL2のエッジE2の像が遮光帯SBr上にあるようにす
る。
【0046】そしてレチクルRの走査が進み、ブレード
BL2のエッジE2が図4(C)のように開口APの最大
開き幅を規定する位置に達したら、それ以後ブレードB
L2の移動を中止する。従ってブラインド機構20の駆
動系22内には各ブレードの移動量と移動速度とをモニ
ターするエンコーダ、タコジェネレータ等が設けられ、
これらからの位置情報と速度情報とは主制御部100に
送られ、レチクルステージ30の走査運動と同調させる
ために使われる。
【0047】こうしてレチクルRは、最大幅の開口AP
を通した照明光で照射されつつ、一定速度でX方向に送
られ、図4(D)の位置までくる。すなわち、レチクル
Rの進行方向と逆方向にあるブレードBL1のエッジE1
の像が、レチクルRのショット領域の左側の遮光帯SB
lにかかった時点から図4(E)に示すように、ブレー
ドBL1のエッジE1の像をレチクルRの移動速度と同期
させて同一方向に走らせる。
【0048】そして、左側の遮光帯SBlが右側のブレ
ードBL2のエッジ像によって遮へいされた時点(この
とき左側のブレードBL1も移動してきて、開口APの
幅Dapは最小値DAminになっている)で、レチクルス
テージ30とブレードBL1の移動を中止する。以上の
動作によってレチクルの1スキャンによる露光(1ショ
ット分の露光)終了し、シャッター6が閉じられる。た
だしその位置で開口APの幅Dapが遮光帯SBl(又は
SBr)の幅Dsbにくらべて十分に狭く、ウェハWへも
れる照明光を零にすることができるときは、シャッター
6を開いたままにしてもよい。
【0049】次にXYステージ48をY方向にショット
領域の一列分だけステッピングさせ、今までと逆方向に
XYステージ48とレチクルステージ30とを走査し
て、ウェハW上の異なるショット領域に同様のスキャン
露光を行なう。以上、本実施例によれば、レチクルステ
ージ30の走査方向のストロークを最小限にすることが
でき、また走査方向に関するショット領域の両側を規定
する遮光帯SBl、SBrの幅Dsbも少なくて済む等の
利点がある。
【0050】尚、レチクルステージ30が図4(A)の
状態から加速して等速走査になるまでは、ウェハW上で
走査方向に関する露光量むらが発生する。このため、走
査開始時に図4(A)の状態になるまでプリスキャン
(助走)範囲を定める必要もある。その場合、プリスキ
ャンの長さに応じて遮光帯SBr、SBlの幅Dsbを広
げることになる。このことは、1回のスキャン露光終了
時にレチクルステージ30(XYステージ48)の等速
運動を急激に停止させられないことに応じて、オーバー
スキャンを必要とする場合においても同様にあてはまる
ことである。
【0051】ただし、プリスキャン、オーバースキャン
を行なう場合でも、シャッター6を高速にし、開放応答
時間(シャッターの全閉状態から全開までに要する時
間)と閉成応答時間とが十分に短いときは、レチクルス
テージ30がプリスキャン(加速)を完了して本スキャ
ンに入った時点(図4(A)の位置)、又は本スキャン
からオーバーラン(減速)に移った時点で、シャッター
6を連動させて開閉すればよい。
【0052】例えばレチクルステージ30の本スキャン
時の等速走査速度をVrs(mm/sec)、遮光帯SBl、S
Brの幅をDsb(mm)、開口APのレチクルR上での最
小幅をDAmim(mm)とすると、Dsb>DAminの条件の
もとで、シャッター6の応答時間tsは、次の関係を満
たしていればよい。 (Dsb−DAmin)/Vrs>ts また本実施例の装置では、レチクルステージ30のヨー
イング量とXYステージ48のヨーイング量とがレーザ
干渉計38、50によって夫々独立に計測されているの
で、2つのヨーイング量の差を主制御部100で求め、
その差が零になるようにレチクルステージ30、又はウ
ェハホルダー44をスキャン露光中に微小回転させれば
よい。ただしその場合、微小回転の回転中心は常に開口
APの中心になるようにする必要があり、装置の構造を
考慮すると、レチクルステージ30のX方向のガイド部
分を光軸AXを中心として微小回転させる方式が容易に
実現できる。
【0053】図5は、図1、図2に示した装置に装着可
能なレチクルRのパターン配置例を示し、チップパター
ンCP1、CP2、CP3は、図3に示したレチクルRと
同様にスリット状開口APからの照明光を使ったステッ
プ・アンド・スキャン方式でウェハを露光するように使
われる。また同一のレチクルR上に形成された別のチッ
プパターンCP4、CP5は、ステップ・アンド・リピー
ト(S&R)方式でウェハを露光するように使われる。
【0054】このような使い分けは、ブラインド機構2
0のブレードBL1〜BL4による開口APの設定によっ
て容易に実現でき、例えばチップパターンCP4を露光
するときは、レチクルステージ30を移動させてチップ
パターンCP4のパターン中心が光軸AXと一致するよ
うに設定するとともに、開口APの形状をチップパター
ンCP4の外形に合わせるだけでよい。そしてXYステ
ージ48のみをステッピングモードで移動させればよ
い。以上のように図5に示したレチクルパターンにする
と、S&S露光とS&R露光とが同一装置によって選択
的に、しかもレチクル交換なしに実行できる。
【0055】図6は、露光すべきレチクル上のチップパ
ターンのスキャン方向と直交する方向(Y方向)のサイ
ズが、投影光学系のイメージフィールドIFに対して大
きくなる場合に対応したブラインド機構20のブレード
BL1〜BL4の形状の一例を示し、開口APの走査方向
(X方向)の幅を規定するエッジE1、E2は、先の図2
と同様に円形イメージフィールドIFの中心を通るY軸
と平行に伸びている。また開口APの長手方向を規定す
るエッジE3、E4は互いに平行ではあるがX軸に対して
傾いており、開口APは平行四辺形(矩形)になる。
【0056】この場合、4枚のブレードBL1〜BL4は
スキャン露光時のレチクル移動に連動してX、Y方向に
移動する。ただし、スキャン露光方向のブレードBL
1、BL2のエッジE1、E2の像のX方向の移動速度Vbx
は、レチクルの走査速度Vrsとほぼ同一であるが、ブレ
ードBL3、BL4を動かす必要のあるときは、そのエッ
ジE3、E4のY方向の移動速度Vbyは、エッジE3、E4
のX軸に対する傾き角をθeとすると、Vby=Vbx・ta
nθeの関係に同期させる必要がある。
【0057】図7は、図6に示した開口形状によるS&
S露光時の走査シーケンスを模式的に示したものであ
る。図7中、開口APはレチクルR上に投影したものと
して考え、その各エッジE1〜E4で表示した。また図
6、図7の第2実施例では、ウェハW上に投影すべきレ
チクルR上のチップパターン領域CPが開口APの長手
方向の寸法の約2倍の大きさをもつものとする。このた
め第2実施例ではレチクルステージ30も走査方向と直
交したY方向に精密にステッピングする構造にしてお
く。
【0058】まず、図6中のブレードBL1、BL2を調
整して、走査開始上では図7(A)のような状態に設定
する。すなわち、最も幅をせばめた状態の開口APがレ
チクルRの右側の遮光帯SBr上に位置するようにする
と共に、開口APの左側のエッジE1は、光軸AXから
最も離れた位置(開口APをX方向に最も広げたときの
エッジ位置)に設定する。
【0059】また図7中、走査方向(X方向)にベルト
状に伸びた領域Ad、Asは一回の走査露光では露光量
不足となる部分である。この領域Ad、Asは開口AP
の上下のエッジE3、E4がX軸に対して傾いていること
によって生じるものであり、各領域Ad、AsのY方向
の幅は、エッジE3、E4の傾き角θeとエッジE1とE2
の最大開口幅DAmaxとによって、DAmax・tanθeとし
て一義的に決まる。
【0060】この露光量ムラとなる領域Ad、Asのう
ち、パターン領域CP中に設定される領域Adに対して
は、開口APのエッジE3、E4による三角形部分をY方
向に関してオーバーラップさせて走査露光することで、
露光量の均一化を図るようにした。また、他方の領域A
sに関しては、ここを丁度レチクルR上の遮光帯に合せ
るようにした。
【0061】さて、図7(A)の状態からレチクルRと
エッジE2(ブレードBL2)を+X方向(同図中の右
側)にほぼ同じ速度で走らせる。やがて図7(B)に示
すように開口APのX方向の幅が最大となり、エッジE
2の移動も中止する。この図7(B)の状態では、開口
APの中心と光軸AXとがほぼ一致する。その後はレチ
クルRのみが+X方向に等速移動し、図7(C)のよう
に開口APの左側のエッジE1が左側の遮光帯SBlに
入った時点から、エッジE1(ブレードBL1)レチクル
Rとほぼ同じ速度で右側(+X方向)へ移動する。こう
して、チップパターン領域CPの下側の約半分が露光さ
れ、レチクルRと開口APとは図7(D)のような状態
で停止する。
【0062】次に、レチクルRを−Y方向に一定量だけ
精密にステッピングさせる。ウェハWは+Y方向に同様
にステッピングされる。すると図7(E)に示すような
状態になる。このときオーバーラップ領域Adがエッジ
E4で規定される三角形部分で重畳露光されるようにY
方向の相対位置関係が設定される。またこの際、開口A
PのY方向の長さを変える必要があるときは、エッジE
3(ブレードBL3)、又はエッジE4(ブレードBL4)
をY方向に移動調整する。
【0063】次に、レチクルRを−X方向に走査移動さ
せるとともに、エッジE1(ブレードBL1)を−X方向
に連動して移動させる。そして図7(F)のようにエッ
ジE1、E2による開口幅が最大となったら、エッジE1
の移動を中止し、レチクルRのみを−X方向に引き続き
等速移動させる。以上の動作によって、投影光学系のイ
メージフィールドのY方向の寸法以上の大きなチップパ
ターン領域CPをウェハW上に露光することができる。
しかもオーバーラップ領域Adを設定し、開口APの形
状によって露光量不足となる両端部分(三角部分)を2
回の走査露光によって重畳露光するので、領域Ad内の
露光量も均一化される。
【0064】図8はブラインド機構20の他のブレード
形状を示し、走査方向を規定するブレードBL1、BL2
のエッジE1、E2は互いに平行な直線であり、走査方向
と直交する方向のブレードBL3、BL4のエッジは光軸
AXを通るY軸に関して対称な三角形となっている。そ
してここではブレードBL3、BL4のエッジは互いにY
方向に近づけていくと、ほぼ完全に遮光できるような相
補形状になっている。従って開口APの形状は、所謂シ
ェブロン形にすることができる。このようなシェブロン
形の場合も、両端の三角形部分でオーバーラップ露光を
行なうと、同様に均一化が可能である。
【0065】以上、本発明の各実施例では投影露光装置
を前提としたが、マスクとウェハとを近接させて、照射
エネルギー(X線、等)に対してマスクとウェハを一体
に走査するプロキシミティーアライナーにおいても同様
の方式が採用できる。
【0066】
【発明の効果】以上の本発明によれば、走査露光方式に
おけるマスク(レチクル)の移動ストロークを小さくす
ることが可能になるとともに、マスク上の走査方向の照
明領域の寸法を、従来の六角形よりは小さいが従来の円
弧状よりは大きく取ることができるので、移動ストロー
クの減少と相まって処理スループットを高めることがで
きる。
【0067】また本発明によって規定された照明光の分
布は矩形スリット状であるため、その走査方向に関する
幅を極めて容易に、かつ正確に変更可能であるので、照
明光の幅を走査露光と連動して変化させれば、マスクス
テージのオーバーランを極めて小さくでき、マスクステ
ージの移動ストロークも最小限にすることができる。特
に本発明では、投影光学系の投影視野内の矩形状または
スリット状の領域を利用するようにしたので、チップパ
ターン領域の非走査方向に関するサイズは投影視野の直
径に近い値まで許容されることになり、オーバーラップ
露光することなく1回の走査で転写可能な露光フィール
ドのサイズも、従来の特開平2−224923号公報に
開示された方式と比べて大きくできる。
【0068】さらに投影視野内の細長い矩形状またはス
リット状の領域のみを使うため、投影光学系の結像性能
の1つである像歪み特性も、その矩形状またはスリット
状の領域のみを考慮すればよく、高解像力(高NA)、
大フィールドの投影光学系の製造が比較的容易になると
いった利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による投影露光装置の構成を示
す図。
【図2】ブラインド機構のブレード形状を示す平面図。
【図3】図1の装置に好適なレチクルのパターン配置を
示す平面図。
【図4】本発明の実施例における走査露光動作を説明す
る図。
【図5】図1の装置に装着可能なレチクルの他のパター
ン配置を示す平面図。
【図6】第2の実施例によるブラインド機構のブレード
形状を示す平面図。
【図7】第2の実施例によるステップ&スキャン露光の
シーケンスを説明する図。
【図8】他のブレード形状を示す平面図。
【図9】円弧状スリット照明光を使った従来のステップ
&スキャン露光方式の概念を説明する図。
【図10】(A) 正六角形照明光を使った従来のスキ
ャン露光方式を説明する図。 (B) 正六角形照明光を使った従来のスキャン露光方
式を説明する図。
【主要部分の符号の説明】
R レチクル PL 投影光学系 IF 円形イメージフィールド W ウェハ BL1 、BL2 、BL3 、BL4 ブレード AP 開口 20 ブラインド機構 30 レチクルステージ 48 XYステージ 100 主制御系。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮光帯で囲まれた回路パターン領域を
    有するマスクと該マスクの回路パターン領域が転写され
    る感光基板とを投影光学系の物体面側と像面側に配置
    し、前記マスクと感光基板とを前記投影光学系の投影視
    野に対して所定の速度比で1次元移動させることで前記
    マスクの回路パターンを前記感光基板上に走査露光する
    方法において、 露光に先立って、前記マスクの1次元移動の加速に必要
    なプリスキャンの範囲を設定し、該プリスキャンの完了
    後の定速走査期間における前記マスクの移動速度を設定
    する段階と;前記定速走査期間の間は、前記投影光学系
    の投影視野内で前記1次元移動の方向と直交した非走査
    方向に伸びる矩形スリット状の強度分布の照明光を前記
    マスクに向けて照射するとともに、前記プリスキャンか
    ら前記定速走査期間に入った時点では前記矩形スリット
    状の照明光の非走査方向に延びた一端部が前記マスク上
    の遮光帯と重なるように、前記マスクの移動と前記照明
    光の照射とを連動させる段階とを含むことを特徴とする
    走査露光方法。
  2. 【請求項2】 前記マスクに照射される前記矩形スリ
    ット状の照明光は、光源からの照明光を遮蔽、開放する
    シャッターを介して作られることを特徴とする請求項1
    に記載の走査露光方法。
  3. 【請求項3】 前記マスクに照射される前記矩形スリ
    ット状の照明光は、前記マスクと光学的にほぼ共役に配
    置されるブラインドの矩形スリット開口を介して作られ
    ることを特徴とする請求項1に記載の走査露光方法。
  4. 【請求項4】 前記ブラインドと前記マスクとの間
    に、前記ブラインドの矩形スリット開口を前記マスク上
    に拡大投影する拡大光学系を設けたことを特徴とする請
    求項3に記載の走査露光方法。
  5. 【請求項5】 前記ブラインドは、前記非走査方向に
    延びた遮光エッジを有するとともに、前記1次元移動方
    向に移動可能に対向配置された2枚の可動ブレードを含
    み、該2枚の可動ブレードのいずれか一方を、前記マス
    クの移動と前記照明光の照射とを連動させる段階の際に
    移動させることを特徴とする請求項3に記載の走査露光
    方法。
  6. 【請求項6】 遮光帯で囲まれた回路パターン領域を
    有するマスクと該マスクの回路パターンが転写される感
    光基板とを投影光学系の物体面側と像面側とに配置し、
    前記マスクと感光基板とを前記投影光学系の投影視野に
    対して所定の速度比で1次元移動させることによって、
    前記感光基板上に前記マスクの回路パターンを走査露光
    方式により形成する回路パターンの製造方法において、 露光に先立って、前記マスクの1次元移動の加速に必要
    なプリスキャンの範囲を設定し、該プリスキャンの完了
    後の定速走査期間における前記マスクの移動速度を設定
    する段階と;前記定速走査期間の間は、前記投影光学系
    の投影視野内で前記1次元移動の方向と直交した非走査
    方向に伸びる矩形スリット状の強度分布の照明光を前記
    マスクに向けて照射するとともに、前記プリスキャンか
    ら前記定速走査期間に移行した時点では前記矩形スリッ
    ト状の照明光の非走査方向に延びた一端部が前記マスク
    上の遮光帯と重なるように、前記マスクの移動と前記照
    明光の照射とを連動させる段階とを含むことを特徴とす
    る回路パターン製造方法。
  7. 【請求項7】 前記マスクに照射される前記矩形スリ
    ット状の照明光は、光源からの照明光を遮蔽、開放する
    シャッターを介して作られることを特徴とする請求項6
    に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記マスクに照射される前記矩形スリ
    ット状の照明光は、前記マスクと光学的にほぼ共役に配
    置されるブラインドの矩形スリット開口を介して作られ
    ることを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ブラインドと前記マスクとの間
    に、前記ブラインドの矩形スリット開口を前記マスク上
    に拡大投影する拡大光学系を設けたことを特徴とする請
    求項8に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記ブラインドは、前記非走査方向に
    延びた遮光エッジを有するとともに、前記1次元移動方
    向に移動可能に対向配置された2枚の可動ブレードを含
    み、該2枚の可動ブレードのいずれか一方を、前記マス
    クの移動と前記照明光の照射とを連動させる段階の際に
    移動させることを特徴とする請求項8に記載の製造方
    法。
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