JP2674578C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、半導体素子や液晶表示素子等の製造過程中のリソグラフィー工程で
使用される投影露光装置とその露光方法に関し、特に投影光学系に対してマスク
と感光基板とが相対走査される走査露光装置とその露光方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、この種の投影露光装置には大別して2つの方式があり、1つはマスク(
レチクル)のパターン全体を内包し得る露光フィールドを持った投影光学系を介
してウェハやプレート等の感光基板をステップ・アンド・リピート方式で露光す
る方法であり、もう1つはマスクと感光基板とを投影光学系を挟んで対向させて
円弧状スリット照明光のマスク照明のもとで相対走査して露光するスキャン方法
である。 【0003】 前者のステップ・アンド・リピート露光方式を採用したステッパーは、最近の
リソグラフィー工程で主流をなす装置であり、後者のスキャン露光方式を採用し
たアライナーにくらべて、解像力、重ね合せ精度、スループット等がいずれも高
くなってきており、今後もしばらくはステッパーが主流であるものと考えられて
いる。 【0004】 ところで、最近スキャン露光方式においても高解像力を達成する新たな方式が
、SPIE Vol.1088 Optical/Laser Microlithography II(1989)の
第424頁〜433頁においてステップ・アンド・スキャン方式として提案され
た。ステップ・アンド・スキャン方式とは、マスク(レチクル)を一次元に走査
しつつ、ウェハをそれと同期した速度で一次元に走査するスキャン方式と、走査
露光方向と直交する方向にウェハをステップ移動させる方式とを混用したもので
ある。 【0005】 図9は、ステップ&スキャン方式の概念を説明する図であるが、ここではウェ
ハW上のX方向のショット領域(1チップ、又はマルチチップ)の並びを円弧状
スリット照明光RILで走査露光し、Y方向についてはウェハWをステッピング
する。同図中、破線で示した矢印がステップ&スキャン(以下、S&Sとする)
の露光順路を表わし、ショット領域SA1、SA2、……SA6の順にS&S露光
を行ない、次にウェハWの中央にY方向に並んだショット領域SA7、SA8、…
…SA12の順に同様のS&S露光を行なう。 【0006】 上記文献に開示されたS&S方式のアライナーでは、円弧状スリット照明光R
ILで照明されたレチクルパターンの像は、1/4倍の縮小投影光学系を介して
ウェハW上に結像されるため、レチクルステージのX方向の走査速度は、ウェハ
ステージのX方向の走査速度の4倍に精密に制御される。また、円弧状スリット
照明光RILを使うのは、投影光学系として屈折素子と反射素子とを組み合せた
縮小系を用い、光軸から一定距離だけ離れた像高点の狭い範囲(輪帯状)で各種
収差がほぼ零になるという利点を得るためである。そのような反射縮小投影系の
一例は、例えばUSP.4,747,678に開示されている。 【0007】 このような円弧状スリット照明光を使うS&S露光方式の他に、円形のイメー
ジフィールドを有する通常の投影光学系(フル・フィールドタイプ)をS&S露
光方式に応用する試みが、例えば特開平2−229423号公報で提案された。
この公開公報には、レチクル(マスク)を照明する露光光の形状を投影レンズ系
の円形フィールドに内接する正六角形にし、その正六角形の対向する2辺のエッ
ジが走査露光方向と直交する方向に伸びるようにすることで、スループットをよ
り向上させたS&S露光を実現することが開示されている。 【0008】 すなわちこの公開公報においては、スキャン露光方向のレチクル(マスク)照
明領域を極力大きく取ることによって、レチクルステージ、ウェハステージの走
査速度を、円弧状スリット照明光を使ったS&S露光方式にくらべて格段に高く できることが示されている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】 上記、特開平2−229423号公報に開示された従来技術によれば、走査露
光方向に関するマスク照明領域を極力広くしてあるため、スループット上では有
利である。ところが、実際のマスクステージ、ウェハステージの走査シーケンス
を考慮すると、上記公開公報に開示された装置においても、図9のようなジクザ
クのS&S方式にせざるを得ない。 【0010】 なぜなら、ウェハWの直径を150mm(6インチ)として、1回の連続したX
方向走査のみでウェハ直径分の一列のショット領域の並びの露光を完了しようと
すると、1/5倍の投影レンズ系を使うことを前提としたとき、レチクルの走査
方向(X方向)の長さは750mm(30インチ)にも達してしまい、このような
レチクルの製造が極めて困難だからである。 【0011】 仮りにそのようなレチクルが製造できたとしても、そのレチクルをX方向に走
査するレチクルステージのストロークは750mm以上必要であることから、装置
が極めて大型化することは必須である。このため、上記公開公報のような装置で
あっても、ジクザク走査をせざるを得ない。 従って、走査露光方向に隣接したショット領域、例えば図9中のショット領域
SA1とSA12とでは、隣りのショット領域内にレチクルパターンが転写されな
いようにレチクル上のパターン領域の周辺を遮光体で広く覆っておく必要があっ
た。 【0012】 図10は六角形の照明領域HIL、投影レンズ系の円形イメージフィールドI
F、及びレチクルRの走査露光時の配置を示し、図10(A)は六角形照明領域
HILがレチクルR上のスキャン開始位置に設定された状態を表し、この状態か
らレチクルRのみが同図中の右方向に一次元移動する。そして1回のスキャン終
了時には図10(B)のようになる。 【0013】 この図10中でCP1、CP2、……CP6の夫々はレチクルR上にX方向に並
べて形成されたチップパターンであり、これら6つのチップパターンの並びがX
方向の1回のスキャンで露光されるべきショット領域に対応している。尚、同図
中、六角形照明領域HILの中心点はイメージフィールドIFの中心、すなわち
投影レンズ系の光軸AXとほぼ一致している。 【0014】 この図10からも明らかなように、レチクルR上の走査開始部分や走査終了部
分では、パターン領域の外側に、少なくとも六角形照明領域HILの走査方向の
幅寸法以上の遮光体を必要とする。同時に、レチクルR自体も走査方向の寸法が
大きくなるとともにレチクルステージのX方向の移動ストロークも、チップパタ
ーンのCP1〜CP6全体のX方向の寸法と六角形照明領域HILの走査方向の寸
法との合計分だけ必要となる等、装置化にあたっての問題点が考えられる。 【0015】 さらに、レチクルステージの移動ストロークが十分に大きいことから、レチク
ル上のパターン領域周辺の遮光体の面積を大きくできたとしても、走査露光の開
始期間と終了期間とでは露光用の照明光が周辺の遮光体を広い面積に渡って照射
することになり、遮光体中のピンホール欠陥による迷光の発生確率や照射による
レチクルの温度変化が増大すると言った重大な問題点が生じる。 【0016】 本発明は上述のような問題点に鑑み、走査露光処理の際のレチクル(マスク)
に対する照明光の照射を時間的または面積的に最適化し、ピンホール欠陥による
迷光発生の確率の低減、照射によるマスクへの各種影響の低減を図った走査露光
装置、及びそのような装置を使った露光方法を提供することを目的とする。 さらに本発明は、マスク上のパターン露光領域の周辺に格別に広い遮光体を設
けることなく、しかもレチクル(マスク)ステージの走査露光時の移動ストロー
クも最小限にしつつ、スループットを高めたスキャン方式(又はS&S方式)の
走査露光装置を提供することを目的とする。 【0017】 【課題を達成する為の手段】 本願の第1、第2発明は、所定形状(矩形またはスリット状)に制限された照
明光で照射されるマスク(レチクルR)上の回路パターン(CPn)の一部の像
を感光基板(ウェハW)上に投影する投影光学系(PL)と、回路パターンの全
体を感光基板上に所定のシーケンスで走査露光するためにマスクと感光基板とを
投影光学系に対して相対移動させる移動手段(ステージ30,48)とを備えた
走査露光装置に適用される。 【0018】 そして本願の第1発明による装置では、露光用光源(ランプ2)からの光を入
射して2次光源像を作る2次光源生成手段(フライアイレンズ系14)と、その
2次光源像からの光を所定形状(矩形状またはスリット状)の照明光としてマス
ク(レチクルR)上に集光する集光光学系(レンズ系24,ミラー26,メイン
コンデンサーレンズ28)と、2次光源生成手段(14)と集光光学系(24,
26,28)との間に配置されて、走査露光のシーケンスに同期して照明光のマ
スク(R)上での照射面積を変化させる遮光手段(ブラインド機構20の可動ブ
レードBL1〜BL4)とを設けることを特徴している。 【0019】 さらに本願の第2発明による装置では、第1発明と同様の露光用光源(ランプ
2)と2次光源生成手段(フライアイレンズ系14)との他に、2次光源生成手
段(14)と光源(2)との間に配置されて光源からの光の遮断と開放を切り替
える第1の遮光手段(ロータリーシャッター6)と、2次光源像からの光を所定
形状(矩形状またはスリット状)の照明光としてマスク(R)上に集光する集光
光学系(レンズ系24,ミラー26,メインコンデンサーレンズ28)と、2次
光源生成手段(14)と集光光学系(24,26,28)との間に配置されてマ
スクに対する照明光の照射状態と非照射状態とを切り替える第2の遮光手段(ブ
ラインド機構20の可動ブレードBL1〜BL4)と、第1の遮光手段(6)と第
2の遮光手段(BL1〜BL4)のいずれ一方または双方を感光基板(W)に対す
る走査露光のシーケンスに応じて連携制御する手段(主制御部100)とを設け
ることを特徴している。 【0020】 また本願の第3発明は、所定形状(矩形状またはスリット状)に制限された照
明光で照射されるマスク(レチクルR)上の回路パターン(CPn)の一部の像
を投影光学系(PL)を介して感光基板(ウェハW)上の複数の被露光領域のう
ちの1つの領域に投影しつつ、マスクと感光基板とを投影光学系に対して相対的
に一次元移動させて回路パターンの全体を感光基板上の1つの被露光領域に走査
露光することを、複数の被露光領域の各々に対して繰り返す露光方法、いわゆる
ステップ・アンド・スキャン方法に適用される。 【0021】 そしてこの第3発明による方法では、感光基板(ウェハW)上の1つの被露光
領域に対する走査露光が完了して次の被露光領域に対する走査露光が開始される
までの間は、マスク(レチクルR)に達する照明光の形状(矩形状またはスリッ
ト状)を変化させずに照度を一様に変化させるための第1の照明制御手段(ロー
タリーシャッター6)を動作させて照明光の照度を零に保ち、感光基板(W)の
被露光領域に対する走査露光の期間中は、マスク(R)に達する照明光の照度の
一様性を変化させずに面積を変化させる第2の照明制御手段(ブラインド機構2
0)を動作させてマスクと感光基板との相対的な移動位置に応じて照明光の面積
を変更する段階を実行することを特徴している。 【0022】 このように構成された本願の各発明によれば、マスク上の回路パターン領域の
周辺に形成される遮光体の幅を小さくできるとともに、遮光体に対する照明光の
照射時間や照射量も従来の特開平2−229423号公報に開示された方式に比
べて格段に短くなり、照射による影響(マスクの温度変化等)も低減されること
になるから、特に光源として連続発光する水銀ランプ等を用いたときに有効であ
る。 【0023】 また、走査露光の際は本質的に第2の遮光手段(照明制御手段)のみでもマス
クに対する迷光防止が可能であるが、第1の遮光手段(照明制御手段)を併用す
ることでより確実な迷光防止ができるばかりでなく、2次光源生成手段等の光学 部品や第2の遮光手段(照明制御手段)自体を照明光の照射から保護することが
可能となる。 【0024】 【発明の実施の態様】 以下、本発明の各実施例を図面を参照して説明する。まず図1は本発明の第1
の実施例による投影露光装置の構成を示し、本実施例では両側テレセントリック
で1/5縮小の屈折素子のみ、あるいは屈折素子と反射素子との組み合わせで構
成された投影光学系(以下、簡便のため単に投影レンズと呼ぶ)PLを使うもの
とする。 【0025】 水銀ランプ2からの露光用照明光は楕円鏡4で第2焦点に集光される。この第
2焦点には、モータ8によって照明光の遮断と透過とを切り替えるロータリーシ
ャッター6が配置される。シャッター6を通った照明光束はミラー10で反射さ
れ、インプットレンズ12を介してフライアイレンズ系14に入射する。フライ
アイレンズ系14の射出側には、多数の2次光源像が形成され、各2次光源像か
らの照明光はビームスプリッタ16を介してレンズ系(コンデンサーレンズ)1
8に入射する。 【0026】 レンズ系18の後側焦点面には、レチクルブラインド機構20の可動ブレード
BL1、BL2、BL3、BL4が図2のように配置されている。4枚のブレードB
L1、BL2、BL3、BL4は夫々駆動系22によって独立に移動される。本実施
例ではブレードBL1、BL2のエッジによってX方向(走査露光方向)の開口A
Pの幅が決定され、ブレードBL3、BL4のエッジによってY方向(ステッピン
グ方向)の開口APの長さが決定されるものとする。また、4枚のブレードBL
1〜BL4の各エッジで規定された開口APの形状は、投影レンズPLの円形イメ
ージフィールドIF内に包含されるように定められる。 【0027】 さて、ブラインド機構20の位置で照明光は均一な照度分布となり、ブライン
ド機構20の開口APを通過した照明光は、レンズ系24、ミラー26、及びメ インコンデンサーレンズ28を介してレチクルRを照射する。このとき、ブライ
ンド機構20の4枚のブレードBL1〜BL4規定された開口APの像(矩形状ま
たはスリット状に規定された均一な照度分布の光)がレチクルR下面のパターン
面に結像される。 【0028】 尚、レンズ系24とコンデンサーレンズ28とによって任意の結像倍率を与え
ることができるが、ここではブラインド機構20の開口APを約2倍に拡大して
レチクルRに投影しているものとする。従ってスキャン露光時のレチクルRの走
査速度VrsとレチクルR上に投影されたブラインド機構20のブレードBL1、
BL2のエッジ像の移動速度とを一致させるためには、ブレードBL1、BL2の
X方向の移動速度VblをVrs/2に設定すればよい。 【0029】 さて、開口APで規定された照明光を受けたレチクルRは、コラム32上を少
なくともX方向に等速移動可能なレチクルステージ30に保持される。コラム3
2は不図示ではあるが、投影レンズPLの鏡筒を固定するコラムと一体になって
いる。レチクルステージ30は駆動系34によってX方向の一次元走査移動、ヨ
ーイング補正のための微少回転移動等を行なう。またレチクルステージ30の一
端にはレーザ干渉計38からの測長ビームを反射する移動鏡36が固定され、レ
チクルRのX方向の位置とヨーイング量がレーザ干渉計38によってリアルタイ
ムに計測される。尚、レーザ干渉計38用の固定鏡(基準鏡)40は投影レンズ
PLの鏡筒上端部に固定されている。 【0030】 レチクルR上の矩形領域内に形成された回路パターンの像は投影レンズPLに
よって1/5に縮小されてウェハW上に結像される。ウェハWは微小回転可能な
ウェハホルダ44に基準マーク板FMとともに保持される。ホルダ44は投影レ
ンズPLの光軸AX(Z)方向に微動可能なZステージ46上に設けられる。そ
してZステージ46はX、Y方向に二次元移動するXYステージ48上に設けら
れ、このXYステージ48は駆動系54で駆動される。 【0031】 またXYステージ48の座標位置とヨーイング量とはレーザ干渉計50によっ
て計測され、そのレーザ干渉計50のための固定鏡42は投影レンズPLの鏡筒
下端部に固定され、移動鏡52はZステージ46の一端部に固定される。本実施
例では投影倍率を1/5としたので、スキャン露光時のXYステージ48のX方
向の移動速度Vwsは、レチクルステージ30の速度Vrsの1/5である。 【0032】 さらに本実施例では、レチクルRと投影レンズPLとを介してウェハW上のア
ライメントマーク(又は基準マークFM)を検出するTTR(スルーザレチクル
)方式のアライメントシステム60と、レチクルRの下方空間から投影レンズP
Lを介してウェハW上のアライメントマーク(又は基準マークFM)を検出する
TTL(スルーザレンズ)方式のアライメントシステム62とを設け、S&S露
光の開始前、あるいはスキャン露光中にレチクルRとウェハWとの相対的な位置
合せを行なうようにした。 【0033】 また図1中に示した光電センサー64は、基準マークFMを発光タイプにした
とき、その発光マークからの光を投影レンズPL、レチクルR、コンデンサーレ
ンズ28、レンズ系24、18、及びビームスプリッタ16を介して受光するも
ので、XYステージ48の座標系におけるレチクルRの位置を規定する場合や、
各アライメントシステム60、62の検出中心の位置を規定する場合に使われる
。 【0034】 ところでブラインド機構20の開口APは、走査方向(X方向)と直交するY
方向に関して極力長い矩形状(又はスリット状)にすることによって、X方向の
走査回数、すなわちウェハWのY方向のステッピング回数を少なくすることがで
きる。ただし、レチクルR上のチップパターンのサイズや形状、配列によっては
、開口APのY方向の長さをブレードBL3、BL4の各エッジで変更した方がよ
いこともある。例えばブレードBL3、BL4の対向するエッジが、ウェハW上の
ショット領域を区画するストリートライン上に合致するように調整するとよい。
このようにすれば、ショット領域のY方向のサイズ変化に容易に対応できる。 【0035】 また1つのショット領域のY方向の寸法が開口APのY方向の最大寸法以上に
なる場合は、先の特開平2−229423号公報にみられるように、ショット領
域の内部でオーバーラップ露光を行なって、露光量のシームレス化を行なう必要
がある。この場合の方法については後で詳しく述べる。 次に本実施例の装置の動作を説明するが、そのシーケンスと制御は、主制御部
100によって統括的に管理される。主制御部100の基本的な動作は、レーザ
干渉計38、50からの位置情報、ヨーイング情報の入力、駆動系34、54内
のタコジェネレータ等からの速度情報の入力等に基づいて、スキャン露光時にレ
チクルステージ30とXYステージ48とを所定の速度比を保ちつつ、レチクル
パターンとウェハパターンとの相対位置関係を所定のアライメント誤差内に押え
たまま相対移動させることにある。 【0036】 そして本実施例の主制御部100は、その動作に加えてブラインド機構20の
走査方向のブレードBL1、BL2のエッジ位置をレチクルステージ30の走査と
同期してX方向に移動させるように、駆動系22を連動制御することを大きな特
徴としている。 尚、走査露光時の照明光量を一定すると、開口APの走査方向の最大開き幅が
大きくなるにつれてレチクルステージ30、XYステージ48の絶対速度は大き
くしなければならない。原理的には、ウェハW上のレジストに同一露光量(dose
量)を与えるものとしたとき、開口APの幅を2倍にすると、XYステージ48
、レチクルステージ30も2倍の速度にしなければならない。 【0037】 図3は図1、図2に示した装置に装着可能なレチクルRとブラインド機構20
の開口APとの配置関係を示し、ここではレチクルR上に4つのチップパターン
CP1、CP2、CP3、CP4が走査方向に並んでいるものとする。各チップパタ
ーンはストリートラインに相当する遮光帯で区画され、4つのチップでパターン
の集合領域(ショット領域)の周辺はストリートラインよりも広い幅Dsbの遮光
帯でかこまれている。ここで、レチクルR上のショット領域の周辺の左右 の遮光帯をSBl、SBrとし、その外側にはレチクルアライメントマークRM
1、RM2が形成されているものとする。 【0038】 またブラインド機構20の開口APは、走査方向(X方向)と直交するY方向
に平行に伸びたブレードBL1のエッジE1とブレードBL2のエッジE2を有し、
このエッジE1、E2の走査方向の幅をDapとする。さらに開口APのY方向の長
さは、レチクルR上のショット領域のY方向の幅とほぼ一致し、周辺のX方向に
伸びた遮光帯の中心に開口APの長手方向を規定するエッジが合致するようにブ
レードBL3、BL4が設定される。 【0039】 次に図4を参照して、本実施例のS&S露光の様子を説明する。ここでは前提
として、図3に示したレチクルRとウェハWとをアライメントシステム60、6
2、光電センサー64等を用いて相対位置合せしたものとする。尚、図4は図3
のレチクルRを横からみたもので、ここではブラインド機構20のブレードBL
1、BL2の動作をわかり易くするために、レチクルRの直上にブレードBL1、
BL2を図示した。 【0040】 まず図4(A)に示すように、レチクルRをX方向の走査開始点に設定する。
同様に、ウェハW上の対応する1つのショット領域をX方向の走査開始に設定す
る。このとき、レチクルRを照明する開口APの像は、理想的には幅Dapが零で
あることが望ましいが、ブレードBL1、BL2のエッジE1、E2の出来具合によ
って完全に零にすることは難しい。 【0041】 そこで本実施例では、開口APの像のレチクル上での幅DapがレチクルRの右
側の遮光帯SBrの幅Dsbよりも狭くなる程度に設定する。通常、遮光帯SBr
の幅Dsbは4〜6mm程度であり、開口APの像のレチクル上での幅Dapは1mm程
にするとよい。そして、図4(A)に示すように開口APのX方向の中心を、光
軸AXに対してΔXsだけ、レチクルRの走査進行方向と逆方向(同図中の左側
)にずらしておく。 【0042】 この距離ΔXsは、このレチクルRに対する開口APの最大開き幅Dapの約半
分に設定する。より詳しく述べると、開口APの長手方向の寸法はレチクルRの
ショット領域のY方向の幅で自ずと決ってしまうため、開口APのX方向の幅D
apの最大値DAmaxもイメージフィールドIFの直径によって決ってくる。その
最大値はDAmaxは主制御部100によって予め計算される。さらに図4(A)
の走査開始点での開口APの幅(最小)をDAminとすると、厳密には、DAmin
+2・ΔXs=DAmaxの関係を満たすように距離ΔXsが決められる。 【0043】 次にレチクルステージ30とXYステージ48とを投影倍率に比例した速度比
で互いに逆方向に移動させる。このとき図4(B)に示すように、ブラインド機
構20のうち、レチクルRの進行方向のブレードBL2のみをレチクルRの移動
と同期して動し、ブレードBL2のエッジE2の像が遮光帯SBr上にあるように
する。このときレチクルR上に照射される照明光の矩形状の面積はブレードBL
2の移動に応じて順次大きくなる。 【0044】 そしてレチクルRの走査が進み、ブレードBL2のエッジE2が図4(C)のよ
うに開口APの最大開き幅を規定する位置に達したら、それ以後ブレードBL2
の移動を中止する。従ってブラインド機構20の駆動系22内には各ブレードの
移動量と移動速度とをモニターするエンコーダ、タコジェネレータ等が設けられ
、これらからの位置情報と速度情報とは主制御部100に送られ、レチクルステ
ージ30の走査運動と同調させるために使われる。 【0045】 こうしてレチクルRは、最大幅の開口APを通した照明光で照射されつつ、一
定速度でX方向に送られ、図4(D)の位置までくる。すなわち、レチクルRの
進行方向と逆方向にあるブレードBL1のエッジE1の像が、レチクルRのショッ
ト領域の左側の遮光帯SBlにかかった時点から図4(E)に示すように、ブレ
ードBL1のエッジE1の像をレチクルRの移動速度と同期させて同一方 向に走らせる。このときレチクルRを照射する照明光の面積はブレードBL1の
移動に応じて順次減少する。 【0046】 そして、左側の遮光帯SBlが右側のブレードBL2のエッジ像によって遮へ
いされた時点(このとき左側のブレードBL1も移動してきて、開口APの幅Da
pは最小値DAminになっている)で、レチクルステージ30とブレードBL1の
移動を中止する。 以上の動作によってレチクルの1スキャンによる露光(1ショット分の露光)
終了し、シャッター6が閉じられる。ただしその位置で開口APの幅Dapが遮光
帯SBl(又はSBr)の幅Dsbにくらべて十分に狭く、ウェハWへもれる照明
光(迷光)を零にすることができるときは、シャッター6を開いたままにしても
よい。尚、シャッター6は水銀ランプ2とフライアイレンズ系14の間に配置さ
れているので、シャッター6の開閉によってレチクルR上に達し得る照明光の形
状(面積)は変化せずに光強度のみがほぼ一様に変化する。 【0047】 次にXYステージ48をY方向にショット領域の一列分だけステッピングさせ
、今までと逆方向にXYステージ48とレチクルステージ30とを走査して、ウ
ェハW上の異なるショット領域に同様のスキャン露光を行なう。 以上、本実施例によれば、レチクルステージ30の走査方向のストロークを最
小限にすることができ、また走査方向に関するショット領域の両側を規定する遮
光帯SBl、SBrの幅Dsbも少なくて済む等の利点がある。 【0048】 尚、レチクルステージ30が図4(A)の状態から加速して等速走査になるま
では、ウェハW上で走査方向に関する露光量むらが発生する。このため、走査開
始時に図4(A)の状態になるまでプリスキャン(助走)範囲を定める必要もあ
る。その場合、プリスキャンの長さに応じて遮光帯SBr、SBlの幅Dsbを広
げることになる。このことは、1回のスキャン露光終了時にレチクルステージ3
0(XYステージ48)の等速運動を急激に停止させられないことに応じて、オ
ーバースキャンを必要とする場合においても同様にあてはまることである。 【0049】 ただし、プリスキャン、オーバースキャンを行なう場合でも、シャッター6を
高速にし、開放応答時間(シャッターの全閉状態から全開までに要する時間)と
閉成応答時間とが十分に短いときは、レチクルステージ30がプリスキャン(加
速)を完了して本スキャンに入った時点(図4(A)の位置)、又は本スキャン
からオーバーラン(減速)に移った時点で、シャッター6を連動させて開閉すれ
ばよい。 【0050】 例えばレチクルステージ30の本スキャン時の等速走査速度をVrs(mm/sec)
、遮光帯SBl、SBrの幅をDsb(mm)、開口APのレチクルR上での最小幅
をDAmim(mm)とすると、Dsb>DAminの条件のもとで、シャッター6の応答時
間tsは、次の関係を満たしていればよい。 (Dsb−DAmin)/Vrs>ts また本実施例の装置では、レチクルステージ30のヨーイング量とXYステー
ジ48のヨーイング量とがレーザ干渉計38、50によって夫々独立に計測され
ているので、2つのヨーイング量の差を主制御部100で求め、その差が零にな
るようにレチクルステージ30、又はウェハホルダー44をスキャン露光中に微
小回転させればよい。ただしその場合、微小回転の回転中心は常に開口APの中
心になるようにする必要があり、装置の構造を考慮すると、レチクルステージ3
0のX方向のガイド部分を光軸AXを中心として微小回転させる方式が容易に実
現できる。 【0051】 図5は、図1、図2に示した装置に装着可能なレチクルRのパターン配置例を
示し、チップパターンCP1、CP2、CP3は、図3に示したレチクルRと同様
にスリット状開口APからの照明光を使ったステップ・アンド・スキャン方式で
ウェハを露光するように使われる。また同一のレチクルR上に形成された別のチ
ップパターンCP4、CP5は、ステップ・アンド・リピート(S&R)方式でウ
ェハを露光するように使われる。 【0052】 このような使い分けは、ブラインド機構20のブレードBL1〜BL4による開
口APの設定によって容易に実現でき、例えばチップパターンCP4を露光する
ときは、レチクルステージ30を移動させてチップパターンCP4のパターン中
心が光軸AXと一致するように設定するとともに、開口APの形状をチップパタ
ーンCP4の外形に合わせるだけでよい。そしてXYステージ48のみをステッ
ピングモードで移動させればよい。以上のように図5に示したレチクルパターン
にすると、S&S露光とS&R露光とが同一装置によって選択的に、しかもレチ
クル交換なしに実行できる。 【0053】 図6は、露光すべきレチクル上のチップパターンのスキャン方向と直交する方
向(Y方向)のサイズが、投影光学系のイメージフイールドIFに対して大きく
なる場合に対応したブラインド機構20のブレードBL1〜BL4の形状の一例を
示し、開口APの走査方向(X方向)の幅を規定するエッジE1、E2は、先の図
2と同様にY方向に平行に伸びている。 【0054】 そして、開口APの長手方向を規定するエッジE3、E4は互いに平行ではある
がX軸に対して傾いており、開口APは平行四辺形(矩形)になる。この場合、
4枚のブレードBL1〜BL4はスキャン露光時のレチクル移動に連動してX、Y
方向に移動する。ただし、スキャン露光方向のブレードBL1、BL2のエッジE
1、E2の像のX方向の移動速度Vbxは、レチクルの走査速度Vrsとほぼ同一であ
るが、ブレードBL3、BL4を動かす必要のあるときは、そのエッジE3、E4の
Y方向の移動速度Vbyは、エッジE3、E4のX軸に対する傾き角をθeとすると
、Vby=Vbx・ tanθeの関係に同期させる必要がある。 【0055】 図7は、図6に示した開口形状によるS&S露光時の走査シーケンスを模式的
に示したものである。図7中、開口APはレチクルR上に投影したものとして考
え、その各エッジE1〜E4で表示した。また図6、図7の第2実施例では、ウェ
ハW上に投影すべきレチクルR上のチップパターン領域CPが開口APの長 手方向の寸法の約2倍の大きさをもつものとする。このため第2実施例ではレチ
クルステージ30も走査方向と直交したY方向に精密にステッピングする構造に
しておく。 【0056】 まず、図6中のブレードBL1、BL2を調整して、走査開始上では図7(A)
のような状態に設定する。すなわち、最も幅をせばめた状態の開口APがレチク
ルRの右側の遮光帯SBr上に位置するようにすると共に、開口APの左側のエ
ッジE1は、光軸AXから最も離れた位置(開口APをX方向に最も広げたとき
のエッジ位置)に設定する。また図7中、走査方向(X方向)にベルト状に伸び
た領域Ad、Asは一回の走査露光では露光量不足となる部分である。 【0057】 この領域Ad、Asは開口APの上下のエッジE3、E4がX軸に対して傾いて
いることによって生じるものであり、各領域Ad、AsのY方向の幅は、エッジ
E3、E4の傾き角θeとエッジE1とE2の最大開口幅DAmaxとによって、DAm
ax ・ tanθeとして一義的に決まる。この露光量ムラとなる領域Ad、Asの
うち、パターン領域CP中に設定される領域Adに対しては、開口APのエッジ
E3、E4による三角形部分をY方向に関してオーバーラップさせて走査露光する
ことで、露光量の均一化を図るようにした。また、他方の領域Asに関しては、
ここを丁度レチクルR上の遮光帯に合せるようにした。 【0058】 さて、図7(A)の状態からレチクルRとエッジE2(ブレードBL2)を+X
方向(同図中の右側)にほぼ同じ速度で走らせる。やがて図7(B)に示すよう
に開口APのX方向の幅が最大となり、エッジE2の移動も中止する。この図7
(B)の状態では、開口APの中心と光軸AXとがほぼ一致する。 その後はレチクルRのみが+X方向に等速移動し、図7(C)のように開口A
Pの左側のエッジE1が左側の遮光帯SBlに入った時点から、エッジE1(ブレ
ードBL1)レチクルRとほぼ同じ速度で右側(+X方向)へ移動する。こうし
て、チップパターン領域CPの下側の約半分が露光され、レチクルRと開口AP
とは図7(D)のような状態で停止する。 【0059】 次に、レチクルRを−Y方向に一定量だけ精密にステッピングさせる。ウェハ
Wは+Y方向に同様にステッピングされる。すると図7(E)に示すような状態
になる。このときオーバーラップ領域AdがエッジE4で規定される三角形部分
で重畳露光されるようにY方向の相対位置関係が設定される。またこの際、開口
APのY方向の長さを変える必要があるときは、エッジE3(ブレードBL3)、
又はエッジE4(ブレードBL4)をY方向に移動調整する。 【0060】 次に、レチクルRを−X方向に走査移動させるとともに、エッジE1(ブレー
ドBL1)を−X方向に連動して移動させる。そして図7(F)のようにエッジ
E1、E2による開口幅が最大となったら、エッジE1の移動を中止し、レチクル
Rのみを−X方向に引き続き等速移動させる。 以上の動作によって、投影光学系のイメージフィールドのY方向の寸法以上の
大きなチップパターン領域CPをウェハW上に露光することができる。しかもオ
ーバーラップ領域Adを設定し、開口APの形状によって露光量不足となる両端
部分(三角部分)を2回の走査露光によって重畳露光するので、領域Ad内の露
光量も均一化される。 【0061】 図8はブラインド機構20の他のブレード形状を示し、走査方向を規定するブ
レードBL1、BL2のエッジE1、E2は互いに平行な直線であり、走査方向と直
交する方向のブレードBL3、BL4のエッジは光軸AXを通るY軸に関して対称
な三角形となっている。そしてここではブレードBL3、BL4のエッジは互いに
Y方向に近づけていくと、ほぼ完全に遮光できるような相補形状になっている。
従って開口APの形状は、所謂シェブロン形にすることができる。このようなシ
ェブロン形の場合も、両端の三角形部分でオーバーラップ露光を行なうと、同様
に均一化が可能である。 【0062】 以上、本発明の各実施例では投影露光装置を前提としたが、マスクとウェハと
を近接させて、照射エネルギー(X線、等)に対してマスクとウェハを一体に走 査するプロキシミティーアライナーにおいても同様の方式が採用できる。 また以上の各実施例では、従来の走査露光方式のように固定形状の開口(六角
形、円弧状等)を介して照明光をマスクに照射するのではなく、ブラインド機構
20の開口AP(可変視野絞り)の走査方向の幅をマスク走査、あるいは感光基
板走査と連動して変化させるようにしたため、マスク上の走査開始部分や走査終
了部分でマスクを大きくオーバーランさせなくても、開口APの幅を順次狭くし
ていくだけで、同等のS&S露光方式が実現できる。 【0063】 従って、マスクステージのオーバーランが不要、もしくは極めて小さくできる
ため、マスクステージの移動ストロークも最小限にすることができるとともに、
マスク上のパターン形成領域の周辺に形成される遮光体の幅も従来のマスクと同
程度に少なくてよく、マスク製造時に遮光体(通常はクロム層)中のピンホール
欠陥を検査する手間が低減されるといった利点がある。 【0064】 またブラインド機構20の開口APをマスク上のパターン形成領域に合わせる
ような形状に設定することで、従来と同等のステッパーとしても利用することが
でき、さらにブラインド機構20(可変視野絞り)の開口位置や幾何学的な形状
を、投影光学系のイメージフィールド内で一次元、二次元又は回転方向に変化さ
せるように構成することによって、様々なチップサイズのマスクパターンに瞬時
に対応することができる。 【0065】 【発明の効果】 以上の通り本発明によれば、走査露光のシーケンスに同期して照明光のマスク
上での照射面積を変化させるようにしたので、走査露光方式におけるマスク(レ
チクル)の移動ストロークを最小限にすることが可能になるとともに、マスク上
の遮光帯の寸法を小さくすることができる。同時に、マスク上の走査開始部分と
走査終了部分とで走査方向の照明領域を小さくし、それ以外の走査中間部分では
走査方向に関する照明領域を大きく取ることができるので、移動ストロークの減
少と相まって処理スループットを格段に高めることができる。 【0066】 また本発明によれば、光源と2次光源生成手段との間に配置した第1の遮光手
段(シャッター)と、2次光源生成手段と集光光学系との間に配置した第2の遮
光手段(可動ブレード)とのいずれか一方または双方を走査露光のシーケンスに
応じて連携制御するようにしたので、感光基板上の複数の被露光領域の各々を順
次走査露光する際のシーケンスに対応した最適な処理スループットを得ることが
できる。 【0067】 さらに、走査露光の際は本質的に第2の遮光手段(照明制御手段)のみでも迷
光防止が可能であるが、第1の遮光手段(照明制御手段)の併用でより確実な迷
光防止ができるばかりでなく、2次光源生成手段等の光学部品や第2の遮光手段
(照明制御手段)自体を照明光の照射から保護することも可能となる。
使用される投影露光装置とその露光方法に関し、特に投影光学系に対してマスク
と感光基板とが相対走査される走査露光装置とその露光方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、この種の投影露光装置には大別して2つの方式があり、1つはマスク(
レチクル)のパターン全体を内包し得る露光フィールドを持った投影光学系を介
してウェハやプレート等の感光基板をステップ・アンド・リピート方式で露光す
る方法であり、もう1つはマスクと感光基板とを投影光学系を挟んで対向させて
円弧状スリット照明光のマスク照明のもとで相対走査して露光するスキャン方法
である。 【0003】 前者のステップ・アンド・リピート露光方式を採用したステッパーは、最近の
リソグラフィー工程で主流をなす装置であり、後者のスキャン露光方式を採用し
たアライナーにくらべて、解像力、重ね合せ精度、スループット等がいずれも高
くなってきており、今後もしばらくはステッパーが主流であるものと考えられて
いる。 【0004】 ところで、最近スキャン露光方式においても高解像力を達成する新たな方式が
、SPIE Vol.1088 Optical/Laser Microlithography II(1989)の
第424頁〜433頁においてステップ・アンド・スキャン方式として提案され
た。ステップ・アンド・スキャン方式とは、マスク(レチクル)を一次元に走査
しつつ、ウェハをそれと同期した速度で一次元に走査するスキャン方式と、走査
露光方向と直交する方向にウェハをステップ移動させる方式とを混用したもので
ある。 【0005】 図9は、ステップ&スキャン方式の概念を説明する図であるが、ここではウェ
ハW上のX方向のショット領域(1チップ、又はマルチチップ)の並びを円弧状
スリット照明光RILで走査露光し、Y方向についてはウェハWをステッピング
する。同図中、破線で示した矢印がステップ&スキャン(以下、S&Sとする)
の露光順路を表わし、ショット領域SA1、SA2、……SA6の順にS&S露光
を行ない、次にウェハWの中央にY方向に並んだショット領域SA7、SA8、…
…SA12の順に同様のS&S露光を行なう。 【0006】 上記文献に開示されたS&S方式のアライナーでは、円弧状スリット照明光R
ILで照明されたレチクルパターンの像は、1/4倍の縮小投影光学系を介して
ウェハW上に結像されるため、レチクルステージのX方向の走査速度は、ウェハ
ステージのX方向の走査速度の4倍に精密に制御される。また、円弧状スリット
照明光RILを使うのは、投影光学系として屈折素子と反射素子とを組み合せた
縮小系を用い、光軸から一定距離だけ離れた像高点の狭い範囲(輪帯状)で各種
収差がほぼ零になるという利点を得るためである。そのような反射縮小投影系の
一例は、例えばUSP.4,747,678に開示されている。 【0007】 このような円弧状スリット照明光を使うS&S露光方式の他に、円形のイメー
ジフィールドを有する通常の投影光学系(フル・フィールドタイプ)をS&S露
光方式に応用する試みが、例えば特開平2−229423号公報で提案された。
この公開公報には、レチクル(マスク)を照明する露光光の形状を投影レンズ系
の円形フィールドに内接する正六角形にし、その正六角形の対向する2辺のエッ
ジが走査露光方向と直交する方向に伸びるようにすることで、スループットをよ
り向上させたS&S露光を実現することが開示されている。 【0008】 すなわちこの公開公報においては、スキャン露光方向のレチクル(マスク)照
明領域を極力大きく取ることによって、レチクルステージ、ウェハステージの走
査速度を、円弧状スリット照明光を使ったS&S露光方式にくらべて格段に高く できることが示されている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】 上記、特開平2−229423号公報に開示された従来技術によれば、走査露
光方向に関するマスク照明領域を極力広くしてあるため、スループット上では有
利である。ところが、実際のマスクステージ、ウェハステージの走査シーケンス
を考慮すると、上記公開公報に開示された装置においても、図9のようなジクザ
クのS&S方式にせざるを得ない。 【0010】 なぜなら、ウェハWの直径を150mm(6インチ)として、1回の連続したX
方向走査のみでウェハ直径分の一列のショット領域の並びの露光を完了しようと
すると、1/5倍の投影レンズ系を使うことを前提としたとき、レチクルの走査
方向(X方向)の長さは750mm(30インチ)にも達してしまい、このような
レチクルの製造が極めて困難だからである。 【0011】 仮りにそのようなレチクルが製造できたとしても、そのレチクルをX方向に走
査するレチクルステージのストロークは750mm以上必要であることから、装置
が極めて大型化することは必須である。このため、上記公開公報のような装置で
あっても、ジクザク走査をせざるを得ない。 従って、走査露光方向に隣接したショット領域、例えば図9中のショット領域
SA1とSA12とでは、隣りのショット領域内にレチクルパターンが転写されな
いようにレチクル上のパターン領域の周辺を遮光体で広く覆っておく必要があっ
た。 【0012】 図10は六角形の照明領域HIL、投影レンズ系の円形イメージフィールドI
F、及びレチクルRの走査露光時の配置を示し、図10(A)は六角形照明領域
HILがレチクルR上のスキャン開始位置に設定された状態を表し、この状態か
らレチクルRのみが同図中の右方向に一次元移動する。そして1回のスキャン終
了時には図10(B)のようになる。 【0013】 この図10中でCP1、CP2、……CP6の夫々はレチクルR上にX方向に並
べて形成されたチップパターンであり、これら6つのチップパターンの並びがX
方向の1回のスキャンで露光されるべきショット領域に対応している。尚、同図
中、六角形照明領域HILの中心点はイメージフィールドIFの中心、すなわち
投影レンズ系の光軸AXとほぼ一致している。 【0014】 この図10からも明らかなように、レチクルR上の走査開始部分や走査終了部
分では、パターン領域の外側に、少なくとも六角形照明領域HILの走査方向の
幅寸法以上の遮光体を必要とする。同時に、レチクルR自体も走査方向の寸法が
大きくなるとともにレチクルステージのX方向の移動ストロークも、チップパタ
ーンのCP1〜CP6全体のX方向の寸法と六角形照明領域HILの走査方向の寸
法との合計分だけ必要となる等、装置化にあたっての問題点が考えられる。 【0015】 さらに、レチクルステージの移動ストロークが十分に大きいことから、レチク
ル上のパターン領域周辺の遮光体の面積を大きくできたとしても、走査露光の開
始期間と終了期間とでは露光用の照明光が周辺の遮光体を広い面積に渡って照射
することになり、遮光体中のピンホール欠陥による迷光の発生確率や照射による
レチクルの温度変化が増大すると言った重大な問題点が生じる。 【0016】 本発明は上述のような問題点に鑑み、走査露光処理の際のレチクル(マスク)
に対する照明光の照射を時間的または面積的に最適化し、ピンホール欠陥による
迷光発生の確率の低減、照射によるマスクへの各種影響の低減を図った走査露光
装置、及びそのような装置を使った露光方法を提供することを目的とする。 さらに本発明は、マスク上のパターン露光領域の周辺に格別に広い遮光体を設
けることなく、しかもレチクル(マスク)ステージの走査露光時の移動ストロー
クも最小限にしつつ、スループットを高めたスキャン方式(又はS&S方式)の
走査露光装置を提供することを目的とする。 【0017】 【課題を達成する為の手段】 本願の第1、第2発明は、所定形状(矩形またはスリット状)に制限された照
明光で照射されるマスク(レチクルR)上の回路パターン(CPn)の一部の像
を感光基板(ウェハW)上に投影する投影光学系(PL)と、回路パターンの全
体を感光基板上に所定のシーケンスで走査露光するためにマスクと感光基板とを
投影光学系に対して相対移動させる移動手段(ステージ30,48)とを備えた
走査露光装置に適用される。 【0018】 そして本願の第1発明による装置では、露光用光源(ランプ2)からの光を入
射して2次光源像を作る2次光源生成手段(フライアイレンズ系14)と、その
2次光源像からの光を所定形状(矩形状またはスリット状)の照明光としてマス
ク(レチクルR)上に集光する集光光学系(レンズ系24,ミラー26,メイン
コンデンサーレンズ28)と、2次光源生成手段(14)と集光光学系(24,
26,28)との間に配置されて、走査露光のシーケンスに同期して照明光のマ
スク(R)上での照射面積を変化させる遮光手段(ブラインド機構20の可動ブ
レードBL1〜BL4)とを設けることを特徴している。 【0019】 さらに本願の第2発明による装置では、第1発明と同様の露光用光源(ランプ
2)と2次光源生成手段(フライアイレンズ系14)との他に、2次光源生成手
段(14)と光源(2)との間に配置されて光源からの光の遮断と開放を切り替
える第1の遮光手段(ロータリーシャッター6)と、2次光源像からの光を所定
形状(矩形状またはスリット状)の照明光としてマスク(R)上に集光する集光
光学系(レンズ系24,ミラー26,メインコンデンサーレンズ28)と、2次
光源生成手段(14)と集光光学系(24,26,28)との間に配置されてマ
スクに対する照明光の照射状態と非照射状態とを切り替える第2の遮光手段(ブ
ラインド機構20の可動ブレードBL1〜BL4)と、第1の遮光手段(6)と第
2の遮光手段(BL1〜BL4)のいずれ一方または双方を感光基板(W)に対す
る走査露光のシーケンスに応じて連携制御する手段(主制御部100)とを設け
ることを特徴している。 【0020】 また本願の第3発明は、所定形状(矩形状またはスリット状)に制限された照
明光で照射されるマスク(レチクルR)上の回路パターン(CPn)の一部の像
を投影光学系(PL)を介して感光基板(ウェハW)上の複数の被露光領域のう
ちの1つの領域に投影しつつ、マスクと感光基板とを投影光学系に対して相対的
に一次元移動させて回路パターンの全体を感光基板上の1つの被露光領域に走査
露光することを、複数の被露光領域の各々に対して繰り返す露光方法、いわゆる
ステップ・アンド・スキャン方法に適用される。 【0021】 そしてこの第3発明による方法では、感光基板(ウェハW)上の1つの被露光
領域に対する走査露光が完了して次の被露光領域に対する走査露光が開始される
までの間は、マスク(レチクルR)に達する照明光の形状(矩形状またはスリッ
ト状)を変化させずに照度を一様に変化させるための第1の照明制御手段(ロー
タリーシャッター6)を動作させて照明光の照度を零に保ち、感光基板(W)の
被露光領域に対する走査露光の期間中は、マスク(R)に達する照明光の照度の
一様性を変化させずに面積を変化させる第2の照明制御手段(ブラインド機構2
0)を動作させてマスクと感光基板との相対的な移動位置に応じて照明光の面積
を変更する段階を実行することを特徴している。 【0022】 このように構成された本願の各発明によれば、マスク上の回路パターン領域の
周辺に形成される遮光体の幅を小さくできるとともに、遮光体に対する照明光の
照射時間や照射量も従来の特開平2−229423号公報に開示された方式に比
べて格段に短くなり、照射による影響(マスクの温度変化等)も低減されること
になるから、特に光源として連続発光する水銀ランプ等を用いたときに有効であ
る。 【0023】 また、走査露光の際は本質的に第2の遮光手段(照明制御手段)のみでもマス
クに対する迷光防止が可能であるが、第1の遮光手段(照明制御手段)を併用す
ることでより確実な迷光防止ができるばかりでなく、2次光源生成手段等の光学 部品や第2の遮光手段(照明制御手段)自体を照明光の照射から保護することが
可能となる。 【0024】 【発明の実施の態様】 以下、本発明の各実施例を図面を参照して説明する。まず図1は本発明の第1
の実施例による投影露光装置の構成を示し、本実施例では両側テレセントリック
で1/5縮小の屈折素子のみ、あるいは屈折素子と反射素子との組み合わせで構
成された投影光学系(以下、簡便のため単に投影レンズと呼ぶ)PLを使うもの
とする。 【0025】 水銀ランプ2からの露光用照明光は楕円鏡4で第2焦点に集光される。この第
2焦点には、モータ8によって照明光の遮断と透過とを切り替えるロータリーシ
ャッター6が配置される。シャッター6を通った照明光束はミラー10で反射さ
れ、インプットレンズ12を介してフライアイレンズ系14に入射する。フライ
アイレンズ系14の射出側には、多数の2次光源像が形成され、各2次光源像か
らの照明光はビームスプリッタ16を介してレンズ系(コンデンサーレンズ)1
8に入射する。 【0026】 レンズ系18の後側焦点面には、レチクルブラインド機構20の可動ブレード
BL1、BL2、BL3、BL4が図2のように配置されている。4枚のブレードB
L1、BL2、BL3、BL4は夫々駆動系22によって独立に移動される。本実施
例ではブレードBL1、BL2のエッジによってX方向(走査露光方向)の開口A
Pの幅が決定され、ブレードBL3、BL4のエッジによってY方向(ステッピン
グ方向)の開口APの長さが決定されるものとする。また、4枚のブレードBL
1〜BL4の各エッジで規定された開口APの形状は、投影レンズPLの円形イメ
ージフィールドIF内に包含されるように定められる。 【0027】 さて、ブラインド機構20の位置で照明光は均一な照度分布となり、ブライン
ド機構20の開口APを通過した照明光は、レンズ系24、ミラー26、及びメ インコンデンサーレンズ28を介してレチクルRを照射する。このとき、ブライ
ンド機構20の4枚のブレードBL1〜BL4規定された開口APの像(矩形状ま
たはスリット状に規定された均一な照度分布の光)がレチクルR下面のパターン
面に結像される。 【0028】 尚、レンズ系24とコンデンサーレンズ28とによって任意の結像倍率を与え
ることができるが、ここではブラインド機構20の開口APを約2倍に拡大して
レチクルRに投影しているものとする。従ってスキャン露光時のレチクルRの走
査速度VrsとレチクルR上に投影されたブラインド機構20のブレードBL1、
BL2のエッジ像の移動速度とを一致させるためには、ブレードBL1、BL2の
X方向の移動速度VblをVrs/2に設定すればよい。 【0029】 さて、開口APで規定された照明光を受けたレチクルRは、コラム32上を少
なくともX方向に等速移動可能なレチクルステージ30に保持される。コラム3
2は不図示ではあるが、投影レンズPLの鏡筒を固定するコラムと一体になって
いる。レチクルステージ30は駆動系34によってX方向の一次元走査移動、ヨ
ーイング補正のための微少回転移動等を行なう。またレチクルステージ30の一
端にはレーザ干渉計38からの測長ビームを反射する移動鏡36が固定され、レ
チクルRのX方向の位置とヨーイング量がレーザ干渉計38によってリアルタイ
ムに計測される。尚、レーザ干渉計38用の固定鏡(基準鏡)40は投影レンズ
PLの鏡筒上端部に固定されている。 【0030】 レチクルR上の矩形領域内に形成された回路パターンの像は投影レンズPLに
よって1/5に縮小されてウェハW上に結像される。ウェハWは微小回転可能な
ウェハホルダ44に基準マーク板FMとともに保持される。ホルダ44は投影レ
ンズPLの光軸AX(Z)方向に微動可能なZステージ46上に設けられる。そ
してZステージ46はX、Y方向に二次元移動するXYステージ48上に設けら
れ、このXYステージ48は駆動系54で駆動される。 【0031】 またXYステージ48の座標位置とヨーイング量とはレーザ干渉計50によっ
て計測され、そのレーザ干渉計50のための固定鏡42は投影レンズPLの鏡筒
下端部に固定され、移動鏡52はZステージ46の一端部に固定される。本実施
例では投影倍率を1/5としたので、スキャン露光時のXYステージ48のX方
向の移動速度Vwsは、レチクルステージ30の速度Vrsの1/5である。 【0032】 さらに本実施例では、レチクルRと投影レンズPLとを介してウェハW上のア
ライメントマーク(又は基準マークFM)を検出するTTR(スルーザレチクル
)方式のアライメントシステム60と、レチクルRの下方空間から投影レンズP
Lを介してウェハW上のアライメントマーク(又は基準マークFM)を検出する
TTL(スルーザレンズ)方式のアライメントシステム62とを設け、S&S露
光の開始前、あるいはスキャン露光中にレチクルRとウェハWとの相対的な位置
合せを行なうようにした。 【0033】 また図1中に示した光電センサー64は、基準マークFMを発光タイプにした
とき、その発光マークからの光を投影レンズPL、レチクルR、コンデンサーレ
ンズ28、レンズ系24、18、及びビームスプリッタ16を介して受光するも
ので、XYステージ48の座標系におけるレチクルRの位置を規定する場合や、
各アライメントシステム60、62の検出中心の位置を規定する場合に使われる
。 【0034】 ところでブラインド機構20の開口APは、走査方向(X方向)と直交するY
方向に関して極力長い矩形状(又はスリット状)にすることによって、X方向の
走査回数、すなわちウェハWのY方向のステッピング回数を少なくすることがで
きる。ただし、レチクルR上のチップパターンのサイズや形状、配列によっては
、開口APのY方向の長さをブレードBL3、BL4の各エッジで変更した方がよ
いこともある。例えばブレードBL3、BL4の対向するエッジが、ウェハW上の
ショット領域を区画するストリートライン上に合致するように調整するとよい。
このようにすれば、ショット領域のY方向のサイズ変化に容易に対応できる。 【0035】 また1つのショット領域のY方向の寸法が開口APのY方向の最大寸法以上に
なる場合は、先の特開平2−229423号公報にみられるように、ショット領
域の内部でオーバーラップ露光を行なって、露光量のシームレス化を行なう必要
がある。この場合の方法については後で詳しく述べる。 次に本実施例の装置の動作を説明するが、そのシーケンスと制御は、主制御部
100によって統括的に管理される。主制御部100の基本的な動作は、レーザ
干渉計38、50からの位置情報、ヨーイング情報の入力、駆動系34、54内
のタコジェネレータ等からの速度情報の入力等に基づいて、スキャン露光時にレ
チクルステージ30とXYステージ48とを所定の速度比を保ちつつ、レチクル
パターンとウェハパターンとの相対位置関係を所定のアライメント誤差内に押え
たまま相対移動させることにある。 【0036】 そして本実施例の主制御部100は、その動作に加えてブラインド機構20の
走査方向のブレードBL1、BL2のエッジ位置をレチクルステージ30の走査と
同期してX方向に移動させるように、駆動系22を連動制御することを大きな特
徴としている。 尚、走査露光時の照明光量を一定すると、開口APの走査方向の最大開き幅が
大きくなるにつれてレチクルステージ30、XYステージ48の絶対速度は大き
くしなければならない。原理的には、ウェハW上のレジストに同一露光量(dose
量)を与えるものとしたとき、開口APの幅を2倍にすると、XYステージ48
、レチクルステージ30も2倍の速度にしなければならない。 【0037】 図3は図1、図2に示した装置に装着可能なレチクルRとブラインド機構20
の開口APとの配置関係を示し、ここではレチクルR上に4つのチップパターン
CP1、CP2、CP3、CP4が走査方向に並んでいるものとする。各チップパタ
ーンはストリートラインに相当する遮光帯で区画され、4つのチップでパターン
の集合領域(ショット領域)の周辺はストリートラインよりも広い幅Dsbの遮光
帯でかこまれている。ここで、レチクルR上のショット領域の周辺の左右 の遮光帯をSBl、SBrとし、その外側にはレチクルアライメントマークRM
1、RM2が形成されているものとする。 【0038】 またブラインド機構20の開口APは、走査方向(X方向)と直交するY方向
に平行に伸びたブレードBL1のエッジE1とブレードBL2のエッジE2を有し、
このエッジE1、E2の走査方向の幅をDapとする。さらに開口APのY方向の長
さは、レチクルR上のショット領域のY方向の幅とほぼ一致し、周辺のX方向に
伸びた遮光帯の中心に開口APの長手方向を規定するエッジが合致するようにブ
レードBL3、BL4が設定される。 【0039】 次に図4を参照して、本実施例のS&S露光の様子を説明する。ここでは前提
として、図3に示したレチクルRとウェハWとをアライメントシステム60、6
2、光電センサー64等を用いて相対位置合せしたものとする。尚、図4は図3
のレチクルRを横からみたもので、ここではブラインド機構20のブレードBL
1、BL2の動作をわかり易くするために、レチクルRの直上にブレードBL1、
BL2を図示した。 【0040】 まず図4(A)に示すように、レチクルRをX方向の走査開始点に設定する。
同様に、ウェハW上の対応する1つのショット領域をX方向の走査開始に設定す
る。このとき、レチクルRを照明する開口APの像は、理想的には幅Dapが零で
あることが望ましいが、ブレードBL1、BL2のエッジE1、E2の出来具合によ
って完全に零にすることは難しい。 【0041】 そこで本実施例では、開口APの像のレチクル上での幅DapがレチクルRの右
側の遮光帯SBrの幅Dsbよりも狭くなる程度に設定する。通常、遮光帯SBr
の幅Dsbは4〜6mm程度であり、開口APの像のレチクル上での幅Dapは1mm程
にするとよい。そして、図4(A)に示すように開口APのX方向の中心を、光
軸AXに対してΔXsだけ、レチクルRの走査進行方向と逆方向(同図中の左側
)にずらしておく。 【0042】 この距離ΔXsは、このレチクルRに対する開口APの最大開き幅Dapの約半
分に設定する。より詳しく述べると、開口APの長手方向の寸法はレチクルRの
ショット領域のY方向の幅で自ずと決ってしまうため、開口APのX方向の幅D
apの最大値DAmaxもイメージフィールドIFの直径によって決ってくる。その
最大値はDAmaxは主制御部100によって予め計算される。さらに図4(A)
の走査開始点での開口APの幅(最小)をDAminとすると、厳密には、DAmin
+2・ΔXs=DAmaxの関係を満たすように距離ΔXsが決められる。 【0043】 次にレチクルステージ30とXYステージ48とを投影倍率に比例した速度比
で互いに逆方向に移動させる。このとき図4(B)に示すように、ブラインド機
構20のうち、レチクルRの進行方向のブレードBL2のみをレチクルRの移動
と同期して動し、ブレードBL2のエッジE2の像が遮光帯SBr上にあるように
する。このときレチクルR上に照射される照明光の矩形状の面積はブレードBL
2の移動に応じて順次大きくなる。 【0044】 そしてレチクルRの走査が進み、ブレードBL2のエッジE2が図4(C)のよ
うに開口APの最大開き幅を規定する位置に達したら、それ以後ブレードBL2
の移動を中止する。従ってブラインド機構20の駆動系22内には各ブレードの
移動量と移動速度とをモニターするエンコーダ、タコジェネレータ等が設けられ
、これらからの位置情報と速度情報とは主制御部100に送られ、レチクルステ
ージ30の走査運動と同調させるために使われる。 【0045】 こうしてレチクルRは、最大幅の開口APを通した照明光で照射されつつ、一
定速度でX方向に送られ、図4(D)の位置までくる。すなわち、レチクルRの
進行方向と逆方向にあるブレードBL1のエッジE1の像が、レチクルRのショッ
ト領域の左側の遮光帯SBlにかかった時点から図4(E)に示すように、ブレ
ードBL1のエッジE1の像をレチクルRの移動速度と同期させて同一方 向に走らせる。このときレチクルRを照射する照明光の面積はブレードBL1の
移動に応じて順次減少する。 【0046】 そして、左側の遮光帯SBlが右側のブレードBL2のエッジ像によって遮へ
いされた時点(このとき左側のブレードBL1も移動してきて、開口APの幅Da
pは最小値DAminになっている)で、レチクルステージ30とブレードBL1の
移動を中止する。 以上の動作によってレチクルの1スキャンによる露光(1ショット分の露光)
終了し、シャッター6が閉じられる。ただしその位置で開口APの幅Dapが遮光
帯SBl(又はSBr)の幅Dsbにくらべて十分に狭く、ウェハWへもれる照明
光(迷光)を零にすることができるときは、シャッター6を開いたままにしても
よい。尚、シャッター6は水銀ランプ2とフライアイレンズ系14の間に配置さ
れているので、シャッター6の開閉によってレチクルR上に達し得る照明光の形
状(面積)は変化せずに光強度のみがほぼ一様に変化する。 【0047】 次にXYステージ48をY方向にショット領域の一列分だけステッピングさせ
、今までと逆方向にXYステージ48とレチクルステージ30とを走査して、ウ
ェハW上の異なるショット領域に同様のスキャン露光を行なう。 以上、本実施例によれば、レチクルステージ30の走査方向のストロークを最
小限にすることができ、また走査方向に関するショット領域の両側を規定する遮
光帯SBl、SBrの幅Dsbも少なくて済む等の利点がある。 【0048】 尚、レチクルステージ30が図4(A)の状態から加速して等速走査になるま
では、ウェハW上で走査方向に関する露光量むらが発生する。このため、走査開
始時に図4(A)の状態になるまでプリスキャン(助走)範囲を定める必要もあ
る。その場合、プリスキャンの長さに応じて遮光帯SBr、SBlの幅Dsbを広
げることになる。このことは、1回のスキャン露光終了時にレチクルステージ3
0(XYステージ48)の等速運動を急激に停止させられないことに応じて、オ
ーバースキャンを必要とする場合においても同様にあてはまることである。 【0049】 ただし、プリスキャン、オーバースキャンを行なう場合でも、シャッター6を
高速にし、開放応答時間(シャッターの全閉状態から全開までに要する時間)と
閉成応答時間とが十分に短いときは、レチクルステージ30がプリスキャン(加
速)を完了して本スキャンに入った時点(図4(A)の位置)、又は本スキャン
からオーバーラン(減速)に移った時点で、シャッター6を連動させて開閉すれ
ばよい。 【0050】 例えばレチクルステージ30の本スキャン時の等速走査速度をVrs(mm/sec)
、遮光帯SBl、SBrの幅をDsb(mm)、開口APのレチクルR上での最小幅
をDAmim(mm)とすると、Dsb>DAminの条件のもとで、シャッター6の応答時
間tsは、次の関係を満たしていればよい。 (Dsb−DAmin)/Vrs>ts また本実施例の装置では、レチクルステージ30のヨーイング量とXYステー
ジ48のヨーイング量とがレーザ干渉計38、50によって夫々独立に計測され
ているので、2つのヨーイング量の差を主制御部100で求め、その差が零にな
るようにレチクルステージ30、又はウェハホルダー44をスキャン露光中に微
小回転させればよい。ただしその場合、微小回転の回転中心は常に開口APの中
心になるようにする必要があり、装置の構造を考慮すると、レチクルステージ3
0のX方向のガイド部分を光軸AXを中心として微小回転させる方式が容易に実
現できる。 【0051】 図5は、図1、図2に示した装置に装着可能なレチクルRのパターン配置例を
示し、チップパターンCP1、CP2、CP3は、図3に示したレチクルRと同様
にスリット状開口APからの照明光を使ったステップ・アンド・スキャン方式で
ウェハを露光するように使われる。また同一のレチクルR上に形成された別のチ
ップパターンCP4、CP5は、ステップ・アンド・リピート(S&R)方式でウ
ェハを露光するように使われる。 【0052】 このような使い分けは、ブラインド機構20のブレードBL1〜BL4による開
口APの設定によって容易に実現でき、例えばチップパターンCP4を露光する
ときは、レチクルステージ30を移動させてチップパターンCP4のパターン中
心が光軸AXと一致するように設定するとともに、開口APの形状をチップパタ
ーンCP4の外形に合わせるだけでよい。そしてXYステージ48のみをステッ
ピングモードで移動させればよい。以上のように図5に示したレチクルパターン
にすると、S&S露光とS&R露光とが同一装置によって選択的に、しかもレチ
クル交換なしに実行できる。 【0053】 図6は、露光すべきレチクル上のチップパターンのスキャン方向と直交する方
向(Y方向)のサイズが、投影光学系のイメージフイールドIFに対して大きく
なる場合に対応したブラインド機構20のブレードBL1〜BL4の形状の一例を
示し、開口APの走査方向(X方向)の幅を規定するエッジE1、E2は、先の図
2と同様にY方向に平行に伸びている。 【0054】 そして、開口APの長手方向を規定するエッジE3、E4は互いに平行ではある
がX軸に対して傾いており、開口APは平行四辺形(矩形)になる。この場合、
4枚のブレードBL1〜BL4はスキャン露光時のレチクル移動に連動してX、Y
方向に移動する。ただし、スキャン露光方向のブレードBL1、BL2のエッジE
1、E2の像のX方向の移動速度Vbxは、レチクルの走査速度Vrsとほぼ同一であ
るが、ブレードBL3、BL4を動かす必要のあるときは、そのエッジE3、E4の
Y方向の移動速度Vbyは、エッジE3、E4のX軸に対する傾き角をθeとすると
、Vby=Vbx・ tanθeの関係に同期させる必要がある。 【0055】 図7は、図6に示した開口形状によるS&S露光時の走査シーケンスを模式的
に示したものである。図7中、開口APはレチクルR上に投影したものとして考
え、その各エッジE1〜E4で表示した。また図6、図7の第2実施例では、ウェ
ハW上に投影すべきレチクルR上のチップパターン領域CPが開口APの長 手方向の寸法の約2倍の大きさをもつものとする。このため第2実施例ではレチ
クルステージ30も走査方向と直交したY方向に精密にステッピングする構造に
しておく。 【0056】 まず、図6中のブレードBL1、BL2を調整して、走査開始上では図7(A)
のような状態に設定する。すなわち、最も幅をせばめた状態の開口APがレチク
ルRの右側の遮光帯SBr上に位置するようにすると共に、開口APの左側のエ
ッジE1は、光軸AXから最も離れた位置(開口APをX方向に最も広げたとき
のエッジ位置)に設定する。また図7中、走査方向(X方向)にベルト状に伸び
た領域Ad、Asは一回の走査露光では露光量不足となる部分である。 【0057】 この領域Ad、Asは開口APの上下のエッジE3、E4がX軸に対して傾いて
いることによって生じるものであり、各領域Ad、AsのY方向の幅は、エッジ
E3、E4の傾き角θeとエッジE1とE2の最大開口幅DAmaxとによって、DAm
ax ・ tanθeとして一義的に決まる。この露光量ムラとなる領域Ad、Asの
うち、パターン領域CP中に設定される領域Adに対しては、開口APのエッジ
E3、E4による三角形部分をY方向に関してオーバーラップさせて走査露光する
ことで、露光量の均一化を図るようにした。また、他方の領域Asに関しては、
ここを丁度レチクルR上の遮光帯に合せるようにした。 【0058】 さて、図7(A)の状態からレチクルRとエッジE2(ブレードBL2)を+X
方向(同図中の右側)にほぼ同じ速度で走らせる。やがて図7(B)に示すよう
に開口APのX方向の幅が最大となり、エッジE2の移動も中止する。この図7
(B)の状態では、開口APの中心と光軸AXとがほぼ一致する。 その後はレチクルRのみが+X方向に等速移動し、図7(C)のように開口A
Pの左側のエッジE1が左側の遮光帯SBlに入った時点から、エッジE1(ブレ
ードBL1)レチクルRとほぼ同じ速度で右側(+X方向)へ移動する。こうし
て、チップパターン領域CPの下側の約半分が露光され、レチクルRと開口AP
とは図7(D)のような状態で停止する。 【0059】 次に、レチクルRを−Y方向に一定量だけ精密にステッピングさせる。ウェハ
Wは+Y方向に同様にステッピングされる。すると図7(E)に示すような状態
になる。このときオーバーラップ領域AdがエッジE4で規定される三角形部分
で重畳露光されるようにY方向の相対位置関係が設定される。またこの際、開口
APのY方向の長さを変える必要があるときは、エッジE3(ブレードBL3)、
又はエッジE4(ブレードBL4)をY方向に移動調整する。 【0060】 次に、レチクルRを−X方向に走査移動させるとともに、エッジE1(ブレー
ドBL1)を−X方向に連動して移動させる。そして図7(F)のようにエッジ
E1、E2による開口幅が最大となったら、エッジE1の移動を中止し、レチクル
Rのみを−X方向に引き続き等速移動させる。 以上の動作によって、投影光学系のイメージフィールドのY方向の寸法以上の
大きなチップパターン領域CPをウェハW上に露光することができる。しかもオ
ーバーラップ領域Adを設定し、開口APの形状によって露光量不足となる両端
部分(三角部分)を2回の走査露光によって重畳露光するので、領域Ad内の露
光量も均一化される。 【0061】 図8はブラインド機構20の他のブレード形状を示し、走査方向を規定するブ
レードBL1、BL2のエッジE1、E2は互いに平行な直線であり、走査方向と直
交する方向のブレードBL3、BL4のエッジは光軸AXを通るY軸に関して対称
な三角形となっている。そしてここではブレードBL3、BL4のエッジは互いに
Y方向に近づけていくと、ほぼ完全に遮光できるような相補形状になっている。
従って開口APの形状は、所謂シェブロン形にすることができる。このようなシ
ェブロン形の場合も、両端の三角形部分でオーバーラップ露光を行なうと、同様
に均一化が可能である。 【0062】 以上、本発明の各実施例では投影露光装置を前提としたが、マスクとウェハと
を近接させて、照射エネルギー(X線、等)に対してマスクとウェハを一体に走 査するプロキシミティーアライナーにおいても同様の方式が採用できる。 また以上の各実施例では、従来の走査露光方式のように固定形状の開口(六角
形、円弧状等)を介して照明光をマスクに照射するのではなく、ブラインド機構
20の開口AP(可変視野絞り)の走査方向の幅をマスク走査、あるいは感光基
板走査と連動して変化させるようにしたため、マスク上の走査開始部分や走査終
了部分でマスクを大きくオーバーランさせなくても、開口APの幅を順次狭くし
ていくだけで、同等のS&S露光方式が実現できる。 【0063】 従って、マスクステージのオーバーランが不要、もしくは極めて小さくできる
ため、マスクステージの移動ストロークも最小限にすることができるとともに、
マスク上のパターン形成領域の周辺に形成される遮光体の幅も従来のマスクと同
程度に少なくてよく、マスク製造時に遮光体(通常はクロム層)中のピンホール
欠陥を検査する手間が低減されるといった利点がある。 【0064】 またブラインド機構20の開口APをマスク上のパターン形成領域に合わせる
ような形状に設定することで、従来と同等のステッパーとしても利用することが
でき、さらにブラインド機構20(可変視野絞り)の開口位置や幾何学的な形状
を、投影光学系のイメージフィールド内で一次元、二次元又は回転方向に変化さ
せるように構成することによって、様々なチップサイズのマスクパターンに瞬時
に対応することができる。 【0065】 【発明の効果】 以上の通り本発明によれば、走査露光のシーケンスに同期して照明光のマスク
上での照射面積を変化させるようにしたので、走査露光方式におけるマスク(レ
チクル)の移動ストロークを最小限にすることが可能になるとともに、マスク上
の遮光帯の寸法を小さくすることができる。同時に、マスク上の走査開始部分と
走査終了部分とで走査方向の照明領域を小さくし、それ以外の走査中間部分では
走査方向に関する照明領域を大きく取ることができるので、移動ストロークの減
少と相まって処理スループットを格段に高めることができる。 【0066】 また本発明によれば、光源と2次光源生成手段との間に配置した第1の遮光手
段(シャッター)と、2次光源生成手段と集光光学系との間に配置した第2の遮
光手段(可動ブレード)とのいずれか一方または双方を走査露光のシーケンスに
応じて連携制御するようにしたので、感光基板上の複数の被露光領域の各々を順
次走査露光する際のシーケンスに対応した最適な処理スループットを得ることが
できる。 【0067】 さらに、走査露光の際は本質的に第2の遮光手段(照明制御手段)のみでも迷
光防止が可能であるが、第1の遮光手段(照明制御手段)の併用でより確実な迷
光防止ができるばかりでなく、2次光源生成手段等の光学部品や第2の遮光手段
(照明制御手段)自体を照明光の照射から保護することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施例による投影露光装置の構成を示す図。
【図2】
ブラインド機構のブレード形状を示す平面図。
【図3】
図1の装置に好適なレチクルのパターン配置を示す平面図。
【図4】
本発明の実施例における走査露光動作を説明する図。
【図5】
図1の装置に装着可能なレチクルの他のパターン配置を示す平面図。
【図6】
第2の実施例によるブラインド機構のブレード形状を示す平面図。
【図7】
第2の実施例によるステップ&スキャン露光のシーケンスを説明する図。
【図8】
他のブレード形状を示す平面図。
【図9】
円弧状スリット照明光を使った従来のステップ&スキャン露光方式の概念を説
明する図。 【図10(A)、(B)】 正六角形照明光を使った従来のスキャン露光方式を説明する図。 【主要部分の符号の説明】 R レチクル PL 投影光学系 W ウェハ BL1、BL2、BL3、BL4 ブレード AP 開口 20 ブラインド機構 30 レチクルステージ 34 駆動系 48 XYステージ 54 駆動系 100 主制御部
明する図。 【図10(A)、(B)】 正六角形照明光を使った従来のスキャン露光方式を説明する図。 【主要部分の符号の説明】 R レチクル PL 投影光学系 W ウェハ BL1、BL2、BL3、BL4 ブレード AP 開口 20 ブラインド機構 30 レチクルステージ 34 駆動系 48 XYステージ 54 駆動系 100 主制御部
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 所定形状に制限された照明光で照射されるマスク上の回路パタ
ーンの一部の像を感光基板上に投影する投影光学系と、前記回路パターンの全体
を前記感光基板上に所定のシーケンスで走査露光するために前記マスクと感光基
板とを前記投影光学系に対して相対移動させる移動手段とを備えた走査露光装置
において、 均一な照度分布の照明光を生成するために露光用光源からの光を入射して2次
光源像を作る2次光源生成手段と;該2次光源像からの光を前記所定形状の照明
光として前記マスク上に集光する集光光学系と;前記2次光源生成手段と前記集
光光学系との間に配置されて前記走査露光のシーケンスに同期して前記照明光の
マスク上での照射面積を変化させる遮光手段とを設けたことを特徴とする走査露
光装置。 【請求項2】 前記遮光手段は、前記マスクとほぼ共役な位置に配置されて、
前記移動手段による前記マスクと感光基板の相対移動の方向に沿って可動に設け
られた可動ブレードを含むことを特徴とする請求項第1項に記載の装置。 【請求項3】 前記遮光手段は、前記集光光学系によって前記マスク上に結像
される可変矩形開口を備えた照明視野絞り機構を有し、前記集光光学系は前記照
明視野絞り機構の矩形開口の像を前記マスク上に拡大投影するような結像倍率を
備えたことを特徴とする請求項第1項に記載の装置。 【請求項4】 前記可変矩形開口は前記マスクと感光基板の相対移動の方向と
直交して直線的に延びたスリット状に設定され、前記照明視野絞り機構は該スリ
ット状の可変矩形開口の幅を前記走査露光のシーケンスに同期して連続的に変化
させる可動遮光板を含むことを特徴とする請求項第3項に記載の装置。 【請求項5】所定形状に制限された照明光で照射されるマスク上の回路パター
ンの一部の像を感光基板上に投影する投影光学系と、前記回路パターンの全体を
前記感光基板上の複数の被露光領域の各々に所定のシーケンスで走査露光するた
めに前記マスクと感光基板とを前記投影光学系に対して相対移動させる移動手 段とを備えた走査露光装置において、 露光用光源からの光を入射して2次光源像を作る2次光源生成手段と;該2次
光源生成手段と前記光源との間に配置されて前記光源からの光の遮断と開放を切
り替える第1の遮光手段と;前記2次光源像からの光を前記所定形状の照明光と
して前記マスク上に集光する集光光学系と;前記2次光源生成手段と前記集光光
学系との間に配置されて前記マスクに対する照明光の照射状態と非照射状態とを
切り替える第2の遮光手段と;前記第1の遮光手段と前記第2の遮光手段のいず
れ一方または双方を前記感光基板に対する走査露光のシーケンスに応じて連携制
御する手段とを設けたことを特徴とする走査露光装置。 【請求項6】 所定形状に制限された照明光で照射されるマスク上の回路パタ
ーンの一部の像を投影光学系を介して感光基板上の複数の被露光領域のうちの1
つの領域に投影しつつ、前記マスクと感光基板とを前記投影光学系に対して相対
的に一次元移動させて前記回路パターンの全体を前記感光基板上の1つの被露光
領域に走査露光することを、前記複数の被露光領域の各々に対して繰り返す露光
方法において、 前記1つの被露光領域に対する走査露光が完了して次の被露光領域に対する走
査露光が開始されるまでの間は、前記マスクに達する照明光の形状を変化させず
に照度を一様に変化させる第1の照明制御手段を動作させて前記照明光の照度を
零に保ち、前記被露光領域に対する走査露光の期間中は、前記マスクに達する照
明光の照度の一様性を変化させずに面積を変化させる第2の照明制御手段を動作
させて前記マスクと感光基板との相対的な移動位置に応じて前記照明光の面積を
変更することを特徴とする露光方法。 【請求項7】 前記マスク上に照射される照明光の強度分布を、前記マスクと
感光基板との相対的な一次元移動の方向と直交した非走査方向に直線的に延びた
長方形状またはスリット状に制限したことを特徴とする請求項第6項に記載の方
法。 【請求項8】 前記第2の照明制御手段は、前記マスクに達する照明光の長方
形状またはスリット状の強度分布の前記一次元移動方向に関する幅を、前記マス
ク上の回路パターンの前記一次元移動方向の寸法よりも小さい一定値からほぼ 零までの間で連続可変させることを特徴とする請求項第7項に記載の方法。
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