JP2803329B2 - ドプラ断層超音波診断装置 - Google Patents

ドプラ断層超音波診断装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、超音波診断装置に関し、特に、断層信号処
理系及びドプラ信号処理系を有し、生体内の断層像及び
血流情報を画面表示するようにしたドプラ断層超音波診
断装置に関する。
〔従来の技術〕
医用分野で用いられる超音波診断装置では、たとえば
心臓部の断層データをリアルタイムでCRTに表示した
り、またパルスドプラ法等により特定部位の血流速度を
測定し、この分布をCRTに表示することが一般に行われ
ている。さらに、断層データをCRTに表示するととも
に、特定部位の血流速度を断層データが表示されたCRT
に並べて表示するようにしたものもある。
また最近、血流速度を2次元的に把握するために、2
次元血流断層方式(血流カラー表示モード)が採用され
ている。これは、断層情報に血流情報を合成し、血流情
報を2次元でしかもリアルタイムに表現するものであ
る。すなわち、断層情報及び血流情報がそれぞれディジ
タル化されて合成され、R,G,Bのテレビジョン信号に変
換されて、通常の断層像に血流像が嵌め込まれてカラー
表示される。
このような血流カラー表示モードでは、モニタのたと
えば右肩部分に、たとえば流速方向に赤,青で色分け
し、流速に応じた輝度を変化させたカラーバーが表示さ
れる。超音波診断時に、検査者がモニタ上に表示された
画像のある特定部位の血流速度をチェックする際には、
検査者は、この特定部位の色とカラーバーとを比較し、
特定部位の色と一致するカラーバーの色から特定部位の
流速を目視で測定している。
ところが、血流速度が刻々と変化するため、その部位
の血流の色も刻々と変化する。このため、変化する色と
カラーバーとを目視で比較して血流速度を求める前記従
来の超音波診断装置では、実際の流速の変化を把握する
のは容易ではない。
本発明の目的は、特定部位の血流速度の変化を容易に
把握できるドプラ断層超音波診断装置を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係るドプラ断層超音波診断装置は、断層信号
処理系及びドプラ信号処理系を有し、生体内の断層像及
び血流情報を画面表示するものであり、指定手段と、記
憶手段と、表示手段とを備えている。
前記指定手段は、画面表示された断層像上において血
流速度をチェックする位置を指定するためのものであ
る。前記記憶手段は、ドプラ信号処理系で得られた血流
平均流速データのうちの、前記指定手段により指定され
た位置における血流平均流速を記憶するものである。ま
た、前記指定手段は、指定手段による指定が行われた際
に、血流速度をカラー表示するカラーバーに対応させ
て、前記記憶手段に記憶された平均流速を示すマークを
カラーバーに隣接して表示するものである。
〔作用〕
本発明に係るドプラ断層超音波診断装置では、生体内
から得られた超音波反射信号に基づいて、生体内の断層
像データ及び血流平均流速等の血流情報を演算し、これ
らの情報がCRT等に表示される。
このとき、画面表示された画像上において血流速度を
チェックする位置を指定すると、この指定された位置に
おける血流の平均流速値がラッチ等の記憶手段に記憶さ
れる。そして、この指定された位置の平均流速は、ドッ
ト等のマークとして、血流速度をカラー表示するカラー
バーに対応させて、その横に表示される。
これにより、検査者は、マークの移動とカラーバーと
を比較することにより、指定位置における血流速度の変
化を容易に把握できる。
〔実施例〕
第1図は本発明の一実施例によるドプラ断層超音波診
断装置を示している。
第1図において、プローブ1は、生体内に超音波ビー
ムを発射するとともに、生体内で反射した反射エコーを
受信するためのものであり、複数の微小振動子から構成
されている。プローブ1には、送受信回路(T/R回路)
2が接続されている。T/R回路2は、超音波ビームを送
信するための高周波パルス発振器,反射エコーを受信処
理する受信機,電子走査を行うための遅延回路及び遅延
量選択回路等により構成されている。T/R回路2の出力
には、増幅回路(AMP)3が接続されている。AMP3は、
受信された反射エコー信号を増幅するための回路であ
る。
AMP3の出力には、ドプラ検出回路4が接続されてい
る。ドプラ検出回路4は、ドプラ偏位周波数をもとに生
体の血流データを得るための回路であり、直交検波機能
及びフィルター機能等を有している。ドプラ検出回路4
の出力には、平均流速演算回路5が接続されている。平
均流速演算回路5は、ドプラ検出回路4で得られた血流
データをA/D変換して種々の演算を行い、血流の平均流
速を求める回路である。平均流速演算回路5の出力は、
血流速の二次元表示のために表示メモリ13へ接続される
とともに、ラッチ回路6に接続されている。ラッチ回路
6は、平均流速演算回路5で演算された血流の平均流速
データのうちの、所定のデータをラッチするための回路
である。
一方、装置本体には、トラックボール7が接続されて
いる。トラックボール7は、診断時に画面表示された画
像上の特定部位を指定するためのものである。トラック
ボール7には、アドレス発生回路8が接続されている。
アドレス発生回路8の出力はコンパレータ9に入力され
ている。また、コンパレータ9には、ビーム走査回路10
及びサンプリング回路11が接続されている。コンパレー
タ9は、アドレス発生回路8で発生したトラックボール
7の指定に相当するビーム番号及びサンプリング点と、
ビーム走査回路10及びサンプリング回路11からのビーム
走査番号及びサンプリング深さによるアドレスとが一致
したときに信号fを出力するように構成されている。ま
た、信号fは、ラッチ回路6に入力されるようになって
いる。ラッチ回路6の出力には、書き込みアドレス決定
回路12が接続されている。書き込みアドレス決定回路12
は、流速値に対応する表示メモリ13のアドレスを決定す
るものであり、その出力には、表示メモリ13が接続され
ており、そのアドレスにマーク信号が書き込まれ表示さ
れる。
また、前記AMP3の出力は、断層データ処理系25にも接
続されている。この断層データ処理系25は、反射信号に
対して検波等を行い、断層データを得るためのものであ
る。そして、この断層データ処理系25の出力は、表示メ
モリ13に接続されている。
前記書き込みアドレス決定回路12及び断層データ処理
系25の出力が入力される表示メモリ13には、モニタとし
てのCRT14が接続されている。なお、T/R回路2,ドプラ検
出回路4,平均流速演算回路5,コンパレータ9,断層データ
処理系25及び表示メモリ13は、制御回路15によって制御
されるようになっている。
次に、動作について説明する。
超音波診断の際には、まず、T/R回路2によりプロー
ブ1を駆動し、生体内に超音波ビームを発射する。生体
内で反射した反射エコー信号はプローブ1で受信され、
T/R回路2及びAMP3で所定の波形整形処理及び増幅処理
を受ける。AMP3の出力は、ドプラ検出回路4及び断層デ
ータ処理系25に入力される。
ドプラ検出回路4では、所定の検波処理及びフィルタ
ー処理が施される。ドプラ検出回路4の出力は、平均流
速演算回路5に入力される。平均流速演算回路5では、
ドプラ検出回路4で得られた血流データをもとに血流の
平均流速を演算する。平均流速演算回路5の出力は、表
示メモリ13に入力される。
一方、プローブ1で受信された反射エコー信号は、断
層データ処理系25により波形整形等の所定の処理を受
け、表示メモリ13に入力される。そして、表示メモリ13
に読み込まれた各データはCRT14に表示可能な信号に変
換され、CRT上には、第2図に示すような画像が表示さ
れる。
第2図において、CRT14の概ね中央部には、断層像20
が表されている。また、CRT14の右肩には、カラーバー2
1が表示されている。カラーバー21は、血流速度に応じ
て段階的に色分けして表示した帯状の表示部である。カ
ラーバー21は、上半分が赤及び下半分が青で、その境界
GからAに近づく程、また境界GからBに近づく程、輝
度が段階的に変化している。
一方、検査者がCRT14上においてある特定部位Cの血
流速度をチェックしようとする際には、トラックボール
7を操作して、カーソルをCRT14上のC点に移動させ
る。すると、トラックボール7に接続されたアドレス発
生回路8により、C点に対応するアドレスが発生され、
このアドレスデータはコンパレータ9に入力される。ま
た、ビーム走査回路10及びサンプリング回路11からは、
現在処理しているデータが何番目の超音波ビームであっ
て、深さ方向の何点目であるかというデータがコンパレ
ータ9に入力される。コンパレータ9は、アドレス発生
回路8からのアドレスとビーム走査回路10及びサンプリ
ング回路11からのアドレスとが一致したときに検出信号
fを出力する。この検出信号fは、ラッチ回路6に入力
される。
ラッチ回路6では、コンパレータ9からの検出信号f
が入力されると、このタイミングでの平均流速演算回路
5の出力データをラッチする。これにより、ラッチ回路
6には、C点での平均流速がラッチされたことになる。
ラッチ回路6の出力は、表示メモリ13の所定のアドレス
(カラーバー21の横に相当)に格納される。この表示メ
モリ13上のアドレスは、書き込みアドレス決定回路12に
よって決定される。
このようにして、CT14上において、第2図に示すよう
に、カラーバー21の左横に、カラーバー21に対応してC
点の平均流速を示すマークFが表示される。たとえばフ
レームレートが30フレーム/secの場合には、33msに1回
ずつマークFが表示され、血流速に対応してカラーバー
21に沿って上下方向に移動する。これにより、特定部位
C点における平均流速の変化を容易に把握でき、特に最
大、最小流速を容易に推測することができる。
なお、マークFは複数個表示するようにしてもよく、
マーク形状は、ドット状,三角形等であってもよい。ま
た、最大,最小の点をCRT14上に残すようにしてもよ
い。さらに、CRT14上の位置の指定は、トラックボール
7の他にジョイスティックなど種々の装置を用いること
が考えられる。
〔発明の効果〕
本発明に係るドプラ断層超音波診断装置では、画面上
で指定した位置の血流の平均流速が、カラーバーの横に
このカラーバーと対応させて表示されるので、血流の平
均流速の変化を容易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例によるドプラ断層超音波診断
装置の概略ブロック構成図、第2図はCRTの表示状態を
示す図である。 5……平均流速演算回路、6……ラッチ回路、7……ト
ラックボール、14……CRT、21……カラーバー、25……
断層データ処理系、F……ドット。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】断層信号処理系及びドプラ信号処理系を有
    し、生体内の断層像及び血流情報を画面表示するように
    したドプラ断層超音波診断装置において、 画面表示された断層像上において血流速度をチェックす
    る位置を指定するための指定手段と、 前記ドプラ信号処理系で得られた血流平均流速データの
    うちの、前記指定手段により指定された位置における血
    流平均流速を記憶する記憶手段と、 前記指定手段による指定が行われた際に、血流速度をカ
    ラー表示するカラーバーに対応させて、前記記憶手段に
    記憶された平均流速を示すマークを前記カラーバーに隣
    接して表示する表示手段と、を備えたドプラ断層超音波
    診断装置。
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