JP2802567B2 - 南洋材の防腐、漂白方法 - Google Patents

南洋材の防腐、漂白方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、南洋材の処理方法に関
し、特に南洋材の防腐、及び漂白方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、建築用資材として南洋材が使
用されており、近年においては、環境保護問題の高まり
から、南洋材の供給量がひっ迫してきている。ところ
で、デンプン質の多い南洋材はオオウズラタケ、カワラ
タケなどの腐朽菌、及びカビ類に犯されやすく、また、
同一材種であっても産地によって材色が異なるため、防
腐処理、及び漂白処理を必要とし、これまで、種々の対
策が検討されている。例えば、防腐処理に関しては、ク
レオソ−ト油、ホウ砂、ホウ酸などの防腐剤を南洋材に
加圧、拡散注入する、また、漂白処理に関しては、過酸
化水素水、次亜塩素酸ソ−ダ、亜塩素酸ソ−ダなどの酸
化漂白剤を南洋材に塗布、浸漬注入するなどの手段が広
く知られている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、かか
る従来の防腐、漂白処理方法においては、南洋材の防腐
を行った後、漂白処理するため、工数を要する上、浸漬
注入では南洋材の組織内部まで処理が行き届かないた
め、南洋材を部材として切断して用いる際には、漂白処
理されていない部分が現われ、商品価値が失われる場合
があった。
【0004】また、漂白処理が不充分であると、南洋材
の濃色部分と淡色部分との色調の差が大きく違和感を生
じる場合があった。
【0005】さらに、塩素系の漂白剤を避け、過酸化水
素水を漂白剤として用いる場合は、市販品が酸性である
ため、水酸化ナトリウム等を用いてアルカリ調整する必
要があり、作業性が煩わしいものとなっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の従来技
術に鑑み、検討されたもので、本発明の目的とするとこ
ろは、南洋材の組織中に含まれるタンニン、リグニンな
どの着色物質の発色基を酸化分解させて、南洋材の濃色
部分を材本来の色調を失わない程度に淡色化して、南洋
材の材色の安定化を図るとともに、オオウズラタケ、カ
ワラタケなどの木材腐朽菌、及びカビ類の繁殖を抑制
し、しかも、これを一工程で処理しようとするもので、
具体的には、過酸化水素水溶液と、ホウ酸ナトリウム、
フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、酸性フッ化カリウ
ムの内1種以上を水に溶解した水溶性防腐剤とからなる
処理剤を南洋材に減圧加圧注入することによって、前記
の課題を解決することができる。
【0007】本発明に用いる漂白剤としては、従来より
用いられている過酸化水素水、次亜塩素酸ソ−ダ、亜塩
素酸ソ−ダなどの酸化漂白剤が例示されるが、とりわ
け、分解後、酸素と水になる過酸化水素水溶液が安全
性、公害上の面から好ましい。濃度は3〜10%の範囲
が望ましく、下限に満たないと、タンニン、リグニンな
どの着色物質の発色基を酸化分解させることができず、
製品となった際の色調のバラツキが大きく、上限を超え
ると、過酸化水素水による漂白が激しく、南洋材本来の
材色が失われやすくなる。
【0008】防腐剤としては、一般に、油状の防腐剤、
油溶性の防腐剤、水溶性の防腐剤などが知られている
が、前記の過酸化水素水と相溶性のある水溶性の防腐剤
が望ましい。とりわけ、防腐効果に優れるホウ酸ナトリ
ウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、酸性フッ化
カリウムなどを水に溶解した水溶性防腐剤が好ましい。
これらの化合物は、木材腐朽菌やカビ類の繁殖抑制効果
を有する上、水溶液がアルカリ性を示し、過酸化水素水
の漂白効果を向上させ、南洋材の着色物質を酸化する。
従って、南洋材の濃色部分が淡色化され、色調が安定す
る。
【0009】さらに、前記の水溶性防腐剤は、水溶液が
アルカリ性を示すため、アルカリ調整する必要がなく、
過酸化水素水と水溶性防腐剤を適当な配合で混合すると
いった手段により防腐、漂白処理を容易に、効率よく一
工程で実施できる。水溶性防腐剤の濃度は2〜4%が望
ましく、下限に満たないと、防腐、漂白効果が少なく、
上限を超えると、過酸化水素水が過剰に解離し、南洋材
本来の材色が失われやすくなり、商品価値が損なわれ
る。
【0010】過酸化水素水の漂白効果については、pH
に大きく左右されることが知られているが、本発明にお
いては、南洋材が防腐効果を有し、南洋材本来の材色が
失なわれない程度に過酸化水素水を用いて漂白するとい
う理由から、酸性域にある市販の過酸化水素水溶液と、
前記の化合物を水溶液中に溶解した水溶性防腐剤とを用
い、弱酸性〜弱アルカリ性となるように配合するのが望
ましく、配合比は、3〜10%過酸化水素水100重量
部に対して、2〜4%水溶性防腐剤2.5〜100重量
部とするのが望ましい。
【0011】弱酸性〜弱アルカリ性については、特にp
H値を6.0〜8.0とするのが好ましい。pHが下限
に満たないと、過酸化水素水が分解しにくく、従って、
漂白効果が十分に得られない。また、上限を超えると、
過酸化水素水の分解速度が大きくなりすぎ、材色が失わ
れやすくなり白色化を招く。また、過酸化水素水の分解
速度が大きい場合には、その漂白効果が経時的に劣るた
め、処理剤としての保存性も悪くなる。
【0012】処理剤を南洋材に注入する手段としては、
拡散法、塗布法、浸漬法、減圧法、加圧法、減圧加圧法
などが挙げられるが、南洋材を切断し、部材として使用
することを考慮すれば、南洋材の組織内部まで浸透させ
る手段、特に、減圧法、加圧法、減圧加圧法などが望ま
しい。処理条件としては、減圧法による場合、100〜
750mmHg、加圧法による場合、1〜10kg/c
2の圧力が好ましく、時間は5分〜720分が適す
る。圧力、時間とも下限に満たないと、処理剤の浸透不
足を生じ、上限を超えると、ほぼ平衡に達する。
【0013】本発明に適用しうる南洋材としては、比較
的耐朽性が低いとされる、例えば、レッドラワン、アピ
トン、アガチス、ナト−、ゴムノキ、ラミン等が挙げら
れるが、特に限定するものではない。
【0014】以下、実施例に基づいて説明する。
【実施例】
実施例1 3%過酸化水素水溶液100重量部に対して、2%ホウ
酸ナトリウム水溶液94重量部を混合したpHが8.0
の処理剤(A)を得た。しかる後、ヒ−ビア材に処理剤
(A)を減圧条件700mmHgで10分、加圧条件5
kg/cm2で30分で減圧加圧注入し、20℃で乾燥さ
せ、実施例1の防腐漂白処理南洋材を得た。
【0015】実施例2 3%過酸化水素水溶液100重量部に対して、3%フッ
化ナトリウム水溶液100重量部を混合したpHが7.
0の処理剤(B)を得た。しかる後、ヒ−ビア材に処理
剤(B)を実施例1と同様の条件で減圧加圧注入し、2
0℃で乾燥させ、実施例2の防腐漂白処理南洋材を得
た。
【0016】実施例3 9%過酸化水素水溶液100重量部に対して、4%ホウ
酸ナトリウム水溶液50重量部を混合したpHが6.9
の処理剤(C)を得た。しかる後、ヒ−ビア材に処理剤
(C)を実施例1と同様の条件で減圧加圧注入し、20
℃で乾燥させ、実施例3の防腐漂白処理南洋材を得た。
【0017】比較例1 12%過酸化水素水溶液100重量部に対して、5%メ
タケイ酸ナトリウム水溶液0.5重量部を混合したpH
が8.0の処理剤(a)を得た。しかる後、ヒ−ビア材
に処理剤(a)を実施例1と同様の条件で減圧加圧注入
し、20℃で乾燥させ、比較例1の処理木材を得た。
【0018】比較例2 3%過酸化水素水溶液100重量部に対して、2%ホウ
酸ナトリウム水溶液94重量部と、1N酢酸14重量部
を混合したpHが5.0の処理剤(b)を得た。しかる
後、ヒ−ビア材に処理剤(b)を実施例1と同様の条件
で減圧加圧注入し、20℃で乾燥させ、比較例2の処理
木材を得た。
【0019】比較例3 3%過酸化水素水溶液100重量部に対して、3%フッ
化ナトリウム100重量部と、1N水酸化ナトリウム
0.7重量部を混合したpHが9.0の処理剤(c)を
得た。しかる後、ヒ−ビア材に処理剤(c)を実施例1
と同様の条件で減圧加圧注入し、20℃で乾燥させ、比
較例3の処理木材を得た。
【0020】評価方法については、以下の通りとした。
防腐効果については、供試菌として、オオウズラタケ、
カワラタケを用い、JISZ2119:木材の耐朽性試
験方法に基づき、重量減少率を算出した。重量減少率
は、式1に示されるが如く、木材の腐朽の程度を表す尺
度となるもので、数値が低い程、防腐効果があることを
示すものである。
【0021】
【式1】
【0022】漂白効果については、処理を施していない
材と、処理後の材の材色を目視にて比較し、南洋材本来
の材色が失われない淡色化を〇、白色化を××、漂白効
果のないものを×とした。
【0023】保存性については、過マンガン酸カリウム
による滴定法を用い、24時間後の濃度減少率(%)を
式4により算出した。
【0024】過マンガン酸カリウムによる滴定法は、過
酸化水素を過マンガン酸カリウムで酸化することを原理
とするものであり、式2で示される。
【0025】
【式2】
【0026】定量の方法 各処理剤1mlを採取し、水10ml中に希釈し、4N
硫酸15mlを添加した後、0.1N過マンガン酸カリ
ウムを用いて、薄桃色に呈するまで滴定した。この場
合、H22の濃度(%)は式3で示される。
【0027】
【式3】
【0028】濃度減少率の算出方法は式4を用いた。
【式4】
【0029】評価結果を表1に示す。
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明、すなわち、過酸化水素水溶液と
アルカリ性を示す水溶性防腐剤とからなる処理剤を用い
ることにより、南洋材の木材腐朽菌やカビ類による変色
を防ぐことができ、しかも、防腐、漂白処理が一工程で
容易に実施できる。
【0031】さらに、同一材種であっても産地により材
色が異なる場合、あるいは同一材の中でも材色のムラが
ある場合等、上述の処理方法によって南洋材の濃色部分
が淡色化されることにより色調のバラツキを少なくする
ことができ、違和感のない仕上がり外観となる。また、
切断して部材として用いた場合においても商品価値が失
われることがなく、貴重な南洋材を有効に利用できる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過酸化水素水溶液と、ホウ酸ナトリウ
    ム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、酸性フッ化カ
    リウムの内1種以上を水に溶解した水溶性防腐剤とから
    なる処理剤を南洋材に減圧加圧注入することを特徴とす
    る南洋材の防腐、漂白方法。
  2. 【請求項2】 処理剤のpHが6.0〜8.0であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の南洋材の防腐、漂白方
    法。
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