JP2802536B2 - 配電系統の負荷融通決定方法および装置 - Google Patents

配電系統の負荷融通決定方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、配電系統応における負荷融通形態の決定方
法及びその方法を用いてなる負荷融通決定装置に関す
る。
〔従来の技術〕
一般に、例えば、配電系統の一部に事故が発生したり
すると、その事故点よりも負荷側の健全な配電区間に、
他の配電系統から負荷電力を融通するようにしている。
このような配電系統の負荷融通は事故時だけでなく、作
業停電時や、平常時の運用等においても行われる。
このような負荷融通を行うにあたって、どの配電系統
から、どのような経路で、どの配電区間に負荷電力を融
通するか、その負荷融通形態を決定することが必要であ
る。
従来の負荷融通形態の決定方式は、特開昭63−310333
号公報に提案されているような、ヒューリスティクスを
用いた逐次解法が知られている。ここで、ヒューリステ
ィスクとは制約と評価基準(優先度付き)に応じて定め
たルールである。同公報によれば、第3図に示すような
複数の負荷融通対象の配電区間又は配電区間群(以下、
ノードという)#1〜#9に対し、隣接の他の配電系統
(以下、フィーダという)F1〜F3から負荷融通を行うに
あたり、まず各フィーダF1〜F3の余剰電力量(以下、予
備量という)の範囲内で、各ノードに直接又は他のノー
ドを中継して負荷を融通できる経路を探す。このとき、
融通経路の中継ノードと着目ノードの負荷量を距離にみ
たて、各フィーダF1〜F3ごとに、その総和が最も小さい
最短負荷経路(以下、SLP;Shortest Load Path)の有無
を判定しつつ、各着目ノードについて融通可能なフィー
ダの候補の中から最も妥当とみなされる融通経路を、ヒ
ューリスティックに決めていくようにする。その際、ヒ
ューリスティクスを予めランク付けしておき、解の候補
(ノードと融通元のフィーダの候補の組合せ)とのマッ
チングにより、評価基準を満たすうえで決め手となり得
ると思われるランクの高いルールが適用可能な候補を逐
次決定していくようにしている。
すなわち、上記公報では、組合せ最適化問題に属する
負荷融通決定法において、実用的な制約条件の扱い方や
ヒューリスティスクを提示することにより、ヒューリス
ティック解法適用のための具体的枠組を与えている。そ
して、その方法によれば、比較的大規模な対象でも、実
用上ある程度妥当な解を指定の時間内に求めることがで
きる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記ヒューリスティック解法は、逐次
処理の各処理ステップにおいて状況判断を適切に行うこ
とができ、その状況に適したヒューリスティクスを常に
正しく選択できるとは限らないことから、求められた負
荷融通形態が適切なものでない場合が起りうる。
また、従来、上述したようなヒューリスティクスの適
用の誤りをバックアップするために、ヒューリスティッ
クに求めた融通元フィーダとは別のフィーダを各ノード
に割付けたケースについても試行可能にしているが、現
実には極く少数のケースしかチェックできないので、十
分なものとは言えない。
また、上記従来の技術のような各ノードごとに順次処
理する逐次処理によると、その都度類似の処理を繰り返
すことになり、処理効率が悪い。しかも、逐次処理によ
れば、各処理ステップにおいて最もランクの高い(例え
ば停電回避の決め手になるなど)ヒューリスティクスが
適用可能な部分を選び、そこしか処理しない。したがっ
て、処理対象とならなかった他のノードがどのように評
価されたのかがわからず、また全体と関連で適切か否か
も把握できない。なお。処理対象にならなかった他のノ
ードについても、いずは処理の対象にはなるが、逐次処
理が進むにつれて逐次局面が変化するので、それらにつ
いても全体としてみた場合、必ずしも最適な負荷融通形
態が決定されたか否かの問題が残る。
上述したように、従来の技術によれば、処理時間の制
限から、負荷融通形態に関して全体的な評価の状況を正
しく把握しないまま、場合によってはヒューリスティク
スの適用優先順位のランク付けや、状況の定量的判定基
準などを大胆に割切る形で逐次処理を行っていることか
ら、解の質や処理性の点で適切でないという問題があ
る。
本発明の目的は、負荷融通形態の決定処理の効率を高
めて処理時間を短くするとともに、得られる負荷融通形
態の質を向上することができる配電系統の負荷融通決定
方法およびその装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記目的を達成するため、 負荷融通対象の配電系統に他の配電系統から負荷電力
をどの経路で融通するかを決定する配線系統の負荷融通
決定方法において、 負荷融通対象の配電系統を開閉器で囲まれた複数の配
電区間又は配電区間群(以下、ノードという)に区分
し、該区分されたノードに開閉器を介して接続された他
の配電系統(以下、フィーダという)を抽出する段階
と、 各ノードについて前記フィーダから直接又は他のノー
ド(以下、中継ノードという)を介して電力の融通を受
ける供給経路を求める段階と、 これにより得られた供給経路のうち各ノードからみて
フィーダに至るまでの中継ノードと着目ノードの総負荷
量が最小の経路をそれぞれのフィーダについて最短負荷
経路として設定する段階と、 着目ノードの前記最短負荷経路の隣接ノードを他の隣
接ノードに代えた供給経路がある場合はそのうちの最短
負荷経路を次最短負荷経路として設定する段階と、 前記各フィーダについて前記最短負荷経路が設定され
ている全ノードの総負荷量と当該フィーダの予備量の比
で表した供給密集度を求める段階と、 各着目ノードについて前記最短負荷経路にかかるフィ
ーダの予備量に対する該予備量から中継ノードの総負荷
量を引いた値を比で表わした供給距離を求める段階と、 前記供給密集度と前記供給距離に基づいて各フィーダ
から各ノードに電力を融通する供給妥当性について評価
する評価ポイントを設定する段階と、 各ノードについて前記評価ポイントの最も高いフィー
ダを供給フィーダの候補として決定する段階と、 を含んでなることを基本的な特徴とする。
〔作用〕
このように構成されることから、本発明によれば、次
の作用により上記目的が達成される。
すなわち、負荷融通対象の各ノードについて、それぞ
れのフィーダごとに最短負荷経路(SLP)と次最短負荷
経路(次SLP)を求め、SLPが存在するノードとフィーダ
の組み合わせについて、フィーダの供給密集度とノード
にかかる供給距離を基準として評価ポイントを求め、こ
の評価ポイントの最も高いフィーダを供給フィーダとし
て決定するようにしていることから、全体を把握しなが
ら総合的な一括処理を行うことができる。その結果、得
られる負荷融通形態の質が向上すると共に、やり直し処
理や繰り返し処理が低減されるから、処理効率が向上し
て処理時間が短縮されることになる。
また、評価ポイントを系統条件などの各種の評価項目
に応じて重み付けを行うことができ、これによれば得ら
れる負荷融通形態の解の質が、一層合理的でかつ適切な
ものとなる。
また、上記構成に加えて、前記求められた供給フィー
ダの候補に従って各ノードへの電力融通の供給経路を求
める段階と、 該求められた供給経路について、少なくともその経路
が途中で断たれているノードの存在および又は供給フィ
ーダの総負荷量が当該フィーダの予備量以上になってい
るフィーダの存在の有無を判断する段階と、 該判断の結果、少なくとも経路が断たれているノード
については供給フィーダを未決定とし、また総負荷量が
予備量以上のフィーダについては、その供給対象のノー
ドのうち供給末端でかつ代替供給フィーダが存在するノ
ードについては供給フィーダ未決定とする段階と、 該供給フィーダ未決定とされたノードについて再度前
記最短負荷経路と次最短負荷経路を求めるとともに、前
記評価ポイントを設定する段階と、 該再度設定された評価ポイントに基づいて最も評価ポ
イントの高いフィーダを供給フィーダとして設定する段
階と、 を付加することが望ましい。これによれば、停電回避な
どの点から一層適切な付加融通形態を決定することがで
きることになる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
第1図に本発明の一実施例の配電系統の負荷融通決定
方法をフローチャートにして示す。なお、このフローチ
ャートに沿ってプログラムすることにより、周知のコン
ピュータを用いて負荷融通決定装置を構成できる。
第1図に示すように、処理段階は処理ブロック101〜
処理ブロック108の8段階を含んでなる。処理ブロック1
01では、複数の配電系統の全体構成に係る系統構成情報
と、その中の負荷融通対象となる配電系統の負荷量と、
その負荷融通対象の配電系統に隣接する配電系統の予備
量等の必要な情報を入力し、これらの情報に基づいて、
負荷融通決定に係るネットワークを抽出する。このネッ
トワーク抽出手順は、まず負荷融通対象の配電系統を遮
断器、区分開閉器、連系開閉器などの開閉器で囲まれた
複数の配電区間又は配電区間群(以下、ノードという)
に区分することを含む。ここで、区分される配電区間と
は、開閉器で区分される最小単位の配電区間を意味する
ものとするが、連系開閉器の位置等の系統構成を考慮し
て、複数の配電区間群を1つのノードとして取扱うこと
も可能である。次に、区分されたノードのうち、他の配
電系統の充電部分に開閉器を介して接続されたノードを
識別するとともに、その配電系統を融通元配電系統(以
下、フィーダという)として特定する。つまり、ここで
言うネットワーク抽出は、事故や作業区間を経由して電
力が供給されていた負荷側の配電区間(又は区間群)
を、ノードとして抽出し、これら抽出されたノードにつ
いて隣接する融通元のフィーダを抽出し、次の処理ブロ
ック102以降で、どのノードにどのフィーダを割付けて
負荷を融通させればよいかを決定する。なお、同時に、
各フィーダの予備量や各ノードの負荷量、各ノード相互
間の連系可能性などをデータとして保持しておく。
処理ブロック102では、上記で抽出されたネットワー
クに基づき、各ノードについて負荷融通可能な各フィー
ダごとに最短負荷経路(SLP)を求めるとともに、着目
しているノードのSLPにおける中継ノードのうち、電力
融通を直接中継する隣のノード(以下、親ノードとい
う)を迂回して融通を受ける負荷経路があれば、その負
荷経路のうち合計負荷量が最小のものを次最短負荷経路
(次SLP)として求める。例えば、第2図に示すよう
に、着目ノード#N1について、フィーダFのSLPがノー
ド#N4と#N2を中継する経路であったとすると、#N2が
親ノードであるから、これを迂回するノード#N4と#N3
を中継する経路が次SLPとなる。因に、第2図においてS
LPの値は経路のノード#N2,#N4の負荷量L2,L4と自己の
ノード#N1の負荷量L1を加算した値(L1+L2+L4)にな
り、次SLPの値は同様に(L1+L3+L4)となる。このよ
うにして、処理ブロック102では、各ノードについて、
各フィーダごとのSLPと次SLPを求め、各ノードに対して
電力を融通するフィーダの候補を絞り込むとともに、こ
れらの情報を以降の処理に用いるべく保持しておく。
処理ブロック103では、負荷融通対象の全ノードの総
負荷量、全フィーダの総予備量、各ノードについてのSL
Pが存在するフィーダの数、各フィーダについてSLPが存
在する全ノードの総負荷量などの補助情報を求めて保持
しておく。
処理ブロック104では、上記処理ブロックで求めた情
報に基づいて、各ノードに対してどのフィーダから電力
を融通するのが妥当であるかの判断を行なうため、各ノ
ードに対する供給フィーダの候補に評価ポイントを設定
する。すなわち、この評価ポイントは各フィーダが負荷
融通元として選定されるべき妥当性、言い換えればフィ
ーダの供給妥当性の程度を表わすもので、各フィーダご
とに選定される。この評価ポイントの設定規準について
は、後で詳しく説明するが、各フィーダについて、SLP
が存在する全ノードに電力を融通したと仮定した場合
に、そのフィーダの予備量に対してそのフィーダにSLP
が存在する全ノードの総負荷量がどの程度に当るかを表
わす次式(1)の「供給密集度」を規準の1つとする。
そして、供給密集度が大きければ評価ポイントを高く
し、小さければ低く設定する。
また、各ノードからみて、どのフィーダから融通を受
けると、中継ノードの総負荷量がそのフィーダの予備量
に対して小さいかを表わす、次式(2)の「供給距離」
が近いか遠いかを他の1つの規準とする、この距離は前
述のSLPと同様に負荷量を含めた概念であり、近ければ
評価ポイントを高く、遠ければ低く設定する。
評価ポイントは上記の「供給密集度」と「供給距離」
を基本的な要素とし、それらの設定にあたっては状況判
断の曖昧さを加味したアナログ的なものとする。また、
評価項目ごとに重み付けをする。例えば、負荷融通の問
題では一般に停電回避や連系開閉器の操作性(遠隔操作
可能か否か)等を評価の対象として考慮するが、融通元
のフィーダの予備量が総負荷量に対して十分に大きけれ
ば、停電回避についても重みを下げ、逆に操作性の高い
開閉器を使用することの重みを高くする。また、あるノ
ードに負荷融通可能なフィーダが1つしか存在しない場
合は、その唯一のフィーダについての評価ポイントを、
そのフィーダについての他のノードとの評価ポイントよ
りも高くする。また、ある着目ノードへの負荷融通上迂
回することができない中継ノードが存在する場合は、そ
の中継ノードに対する供給フィーダ候補についての評価
ポイントを高くする。ここで、中継ノードについて迂回
することができるか否かの判断は、従来の逐次処理で大
きなネックになっている問題であるが、本実施例では前
述したように、SLPを求める過程で得られる次SLPすなわ
ち迂回路を副次的に求めているので、効率良く判断でき
る。
その他の規準要素としては、他のノードを介さずに直
接フィーダに接続されるノード(以下、元ノードとい
う)について、そのフィーダの予備量が融通対象全体の
総負荷量を上回るうえで不可欠であって、かつその元ノ
ードが唯一の連系点である場合に、その元ノードに対す
るそのフィーダの評価ポイントを高くすること等が考え
られる。
処理ブロック105では、上記のように設定された評価
ポイントを比較し、各ノードについて評価ポイントが最
大のフィーダを供給フィーダとして仮に決定する。ここ
で、あるノードについて供給フィーダが全く無ければ、
そのノードは停電区間となる。また、その場合は上記評
価ポイントが全て“0"になっていることになる。
処理ブロック106と107では、上述のように仮決定され
た各ノードについての供給フィーダについて不都合がな
いか検証をする。まず、ブロック106で、各ノードにつ
いて親ノードから中継ノードを順次辿ることにより割付
けられた供給フィーダに到達するか否かをチェックす
る。その結果、中継ノードの1つに他のフィーダから融
通を受けるものが存在し、供給経路が妨げられていた
り、又はそのフィーダから融通すると総負荷量が予備量
を越えているものが存在すると、処理ブロック108に進
んで、次に説明するように融通対象のネットワークを修
正して、上述のブロック102〜107の処理を再度行なう。
上記のような不都合がなけれな上記の供給フィーダと供
給経路を負荷融通形態として決定する。
再処理の対象とするネットワークは、供給経路が妨げ
られているノードについては供給フィーダ未決定とし、
また予備量を越えたフィーダのノードのうち、末端でか
つ他の代替供給フィーダが存在するノードについては供
給フィーダ未決定とし、他のノードについては上記仮決
定の供給フィーダに組み込んだ形態のネットワークに修
正したものとする。また、この修正にあたり、供給不可
能なノードだけを未決定としただけでは、再処理しても
問題が解消されない可能性がある。そこで、上記処理ブ
ロック105における供給フィーダの決定に際し、例えば
評価ポイントが各フィーダについて全体的に低かった
り、他のフィーダと比較して評価ポイントの差が小さか
ったノード等についても未決定として再処理の対象に含
めるのが望ましい。
そして、修正されたネットワークについて処理ブロッ
ク102〜105を再度実行し、さらに必要に応じて処理ブロ
ック106と107のチェックを行なって、負荷融通形態を決
定する。なお一般には、負荷融通形態の決定において、
融通に係る開閉器の具体的な操作手順を求めることもあ
るが、この手順は公知の方法で決定できるので説明を省
略する。
ここで、第3図に示したネットワーク例に基づいて具
体的な実施例を説明する。第3図のネットワークは負荷
融通の決定の対象として、前記処理ブロック101の処理
結果を示しており、負荷融通対象の配電系統はナード#
1〜#9に区分されている。これに対し、融通元の他の
配電系統としてフィーダF1〜F3が抽出され、フィーダF1
はノード#3と#9に、フィーダF2はノード#8に、フ
ィーダF3はノード#2に、それぞれ図示していない開閉
器を介して直接電力を供給できるようになっている。し
たがって、ノード#2,#3,#8,#9はそれぞれ元ノード
であり、他のノードは図示点線のように開閉器等によっ
て接続可能になっている。各ノードの負荷量は「○」印
の中に示され、各フィーダの予備量は「( )」の中に
示された数値のとおりである。なお、実際の系統では開
閉器として異なる複数の型式のものが用いられるので、
負荷融通決定に当ってはそれらの操作特性等を考慮すべ
きであるが、ここでは説明を簡単にするため、い全て遠
隔制御可能な開閉器が用いられているとして説明する。
このようなネットワークに対し、第1図の処理ブロッ
ク102にてSLPと次SLPを求める。この求められた結果
は、第1表に示すように、各ノードに対しかつ各フィー
ダについて得られる。第1表において、各着目ノードの
SLP又は次SLPの欄に記載されたノードは、直接接続され
る隣接の中継ノードすなわち親ノードであり、
「( )」に示された数値は着目ノードからフィーダま
での供給経路の全ノードの総負荷量である。また、同欄
中の「×」印は供給経路がないことを表わし、「−」印
は着目ノードが元ノードなので、迂回の可否チェック不
要とすることを示すものである。
第1表から、第3図のネットワーク例では、フィーダ
F1又はF2から任意のノードに電力を供給できる可能性が
あることがわかる。また、ノード#1〜#9の総負荷量
は“42"であり、フィーダF1〜F3の総予備量は“49"であ
るから、うまく配分すれば全ノードに電力を供給可能と
なり、停電を完全に回避できる期待がもてる。ところ
で、フィーダF1,F2は共に予備量の点から一部のノード
にしか電力を供給できないことは明らかである。一方、
フィーダF3についてはノード#2のSLPになっているだ
けであるから十分供給できる。
したがって、各ノード#1〜#9をどのフィーダF1〜
F3に配分するかが問題となり、第1図処理ブロック104
で説明したように、「供給密集度」と「供給距離」等を
考慮した評価ポイントを設定し、それに応じて供給フィ
ーダを決める。一般に、電圧降下や線路容量の制約か
ら、各ノードへの供給経路は短い方が望ましい。すなわ
ち、中継ノードの総負荷量は小さい方が望ましい。これ
は第1表のSLPのうち「( )」内の数値の小さい方の
フィーダを用いればよいことになる。しかし、フィーダ
の予備量が大きいときは、少しぐらい供給経路が長くて
も相対的に供給経路が短いと評価すべき場合がある。そ
こで、前記式(1)と(2)にて示した「供給密集度」
と「供給距離」という概念を導入し、これらに基づく評
価ポイントを付けて供給フィーダの妥当な割付けを行な
う。なお、評価ポイントを付けるにあたって、状況把握
の曖昧性に対応させるため、第4図に例示するように、
ファジー推論を適用するのが有効である。同図はノード
#1にフィーダF1から電力を融通するとした場合の妥当
性評価ポイントの設定手順を示したもので、同図(a)
はフィーダF1の供給密集度を横軸に、その確信度を縦軸
にとり、供給密集度が「大」である確信度の関係を示し
ている。同図(b)はノード#1にフィーダF1から供給
する場合の供給距離を横軸に、その確信度を縦軸にと
り、供給距離が「近い」と判断される確信度の関係を示
している。同図(d),(e)はそれぞれ同図(a),
(b)の逆の関係、すなわち供給密集度「小」、供給距
離「遠い」と判断される確信度を示している。図示のフ
ィーダF1についてみれば、SLPから全ノード#1〜#9
の総負荷量“42"が供給対象となるのに対し、予備量は
高々“24"にすぎない。したがって、供給密集度は“24/
42"となり、供給密集度は比較的中立の確信度になる。
なお、確信度関数の左端と右端をフラットにしているの
は、候補のノードを容量的にカバーできるのが極くわず
かならば供給密集度は「小」であると断言でき、逆に完
全にはカバーできなくても「大」であると断言できるか
らである。これは、同図(b),(d),(e)につい
ても同様である。一方、ノード#1がフィーダF1に近い
か否かについてみれば、中継ノード#2と#3の総負荷
量が“11"であることから、供給距離は“(24−11)/2
4"となり、比較的中位の確信度で「近い」と判断でき
る。ここで、着目ノードの#1を除いて供給距離を求め
ているのは、ノード#1の負荷量に対し、フィーダF1の
残りの予備量がどの程度大きいかを積極的に評価したい
ためである。つまり、負荷量の大きなノードに融通する
ことは、その分だけ停電回避の効果が大きいことになる
からである。したがって、「近い」ところから供給する
ということが望ましく、フィーダと直接隣り合っている
ノードは最も「近い」ということになる。また、比をと
っているのは経路の遠近とフィーダの予備量を相対的に
評価するためである。
これらの結果から、評価ポイントは第4図(c),
(f),(g)により求める。それらの図は横軸に評価
ポイント“0〜10"を、縦軸に確信度をとり、同図
(a),(b)と同様の関数が設定されている。そし
て、これに供給密集度と供給距離のいずれか小さい方の
確信度を乗じた関数(図示斜線部)を求め、次に同図
(g)に示すように、同図(c)と(f)のANDをと
り、それらが重なった部分の重心に対応するポイントを
供給妥当性の評価ポイントとして設定する。ノード#1
についてみれば、フィーダF1から供給する評価ポイント
は5.5となる。なお、本実施例では、評価ポイントを
“0〜10"にしたが、この数値の範囲については任意に
設定できることは言うまでもない。
このようにして、各ノードについて評価ポイントを求
めると、第2表の結果が得られる。
第2表から判るように、フィーダF3から#2以外のノ
ードへは供給不可能であるから、評価ポイントは“0"と
なっている。なお、ある程度過負荷を認める場合には、
少量のポイントを付加するようにしてもよい。また、ノ
ード#2については、対象とするネットワークに対する
フィーダF3の唯一の連系箇所であり、しかもノードの総
負荷量をカバーするのにフィーダF3の予備量から融通す
ることが不可欠であることから、ノード#2に対するフ
ィーダF3についての評価ポイントを、前述の供給距離等
で定まる値以上に付加ポインタを付けて、高く設定して
いる。ただ、付加ポイントはフィーダF3が負荷融通にど
れだけ寄与しているかを考慮する必要がある。例えば、
フィーダF3を使用しない場合、総予備量の不足分は“1"
であり、フィーダF3を使用した場合でも余裕分は“7"で
あるから、総負荷量“42"からみれば、十分な余裕とは
言えない。よって、ノード#2についてフィーダF3を供
給フィーダとすることの妥当性又は有効性は、割引いて
評価しなければならない。
一方、ノード#2にフィーダF1から供給することにつ
いての評価においても、ノード#2はノード#1の親ノ
ードであり、ノード#1にはノード#4(第1表の次SL
P参照)の迂回路があるが、その次SLPの値が大きいの
で、ノード#2を中継してフィーダF1からノード#1に
供給することの評価ポイントに、迂回不可能に準じた付
加ポイントを付する。なお、第2表において、各ノード
の評価ポイント欄上部に示した「(:)」内の数値は、
左がSLP、右が次SLPの総負荷量である。また、「×」印
は該当するものがなく、「−」印は次SLPによる迂回可
否の判定が不必要なことを示す。
上述した評価の項目以外に、他の評価項目として、停
電回避や開閉器の操作性等の優先度を考慮することもで
きる。例えば、着目ノードのSLP又は次SLPに係る開閉器
が操作性のよいものであれば、適当なポイント(例えば
距離をも考慮したポイント)を前述した評価ポイントに
付加する。また、停電を回避すべき重要なノードについ
ては、評価ポイントを高く設定することにより、後に説
明する供給フィーダ決定に際し、優先的に供給フィーダ
の割付けが行なわれるから、その分だけ停電回避の可能
性が高められる。以上説明した第4図の関数形や評価の
規準項目、評価ポイントの値又はそれらの相対関係は、
シミュレーションや実使用の経験を活かしてより適切な
値に調整することが望ましい。
第2表に示すように、各ノードについて設定された各
フィーダ候補の評価ポイントに基づいて、第1図の処理
ブロック105で説明したように、最も評価ポイントが高
いフィーダをそのノードの供給フィーダとし、第5図に
示すように負荷融通形態を仮に決定する。そして、第1
図の処理ブロック106で説明したように、各ノードへの
供給経路を決定する。この経路は着目のフィーダからそ
のフィーダを候補とするノードの順次辿る形で行なう。
その結果、ノード#1は候補の供給フィーダがF1である
にもかかわらず、親ノードに当るノード#2と#4が、
いずれも他のフィーダを供給フィーダとしていることか
ら、供給経路が断たれていることが判る。また、フィー
ダF2は予備量“17"に対し、総負荷量が“18"となってい
るから、容量不足である。したがって、第1図の処理ブ
ロック107の判定で不都合有りとされる。そして、第1
図処理ブロック108に進み、上記仮決定された供給フィ
ーダの候補を修正する。このとき、修正の対象となるノ
ードは、直接問題となったノード#1だけでなく、第2
表の中で評価ポイントの低いノード#4や、最高と次点
の評価ポイントの差が小さいノード#2,#6,#9を対象
にすることにより、再割付け処理を容易にする。ここ
で、再処理対象のノードとしてF2による仮割付けされて
いた#4が含まれていて、その負荷量がF2の容量不足分
と同等以上であることを確認しておく。このようにして
設定した再処理対象のネットワークを第6図に示す。そ
して、第1図処理ブロック102に戻り、未決定ノードに
ついてSLPと次SLPを求める。その求めた結果を第3表に
示す。なお、既に供給フィーダが決定したノードについ
ては、そのフィーダに繰り込み、フィーダの予備量をそ
の分だけ少なくして処理する。
次に、第3表で求めたSLP、次SLP、各ノードの負荷量
およびフィーダの予備量に基づいて、第1図処理ブロッ
ク104の処理により、各ノードとフィーダの組合せにつ
いて、評価ポイントを第4表に示すように設定する。第
4表において、フィーダF1を供給フィーダとするノード
の評価 ポイントが、第2法に比べて高くなっているのは、既に
フィーダF2による供給が決定したノードの負荷量分“1
7"だけ、フィーダF1の総負荷量が減少したことによるこ
と、およびノード#2以外のノードはフィーダF1でしか
供給できないためである。これに対し、フィーダF3につ
いてのノード#2のポイントが下がっているのは、当初
フィーダF3を唯一の供給経路として評価したことをリセ
ットしたためであり、唯一の供給経路としての加算を抑
えたことによる。もっとも、フィーダF1はノード#2を
介してノード#1の唯一の供給経路となっていることか
ら、これを考慮してF1の#1に対する評価ポイントを加
算したので、F3の#2に対する評価ポイントが下がらな
くても、ノード#2はフィーダF1に割付けられることに
なる。
このようにして、第4表の評価ポイントに基づき、第
7図に示すように再処理対象の各ノードの供給フィーダ
を仮決定する。しかし、フィーダF1についての総負荷量
が予備量を越えるので、評価ポイントの小さいノード#
4が除かれ、最終的に第8図の負荷融通形態が決定され
る。なお、ノード#4は停電区間となる。
上述したように、本実施例によれば、負荷融通対象の
各ノードについて、それぞれのフィーダごとにSLPと次S
LPを求め、SLPが存在するノードとフィーダの組合せに
ついて、フィーダの供給密集度とノードに係る供給距離
を基準として評価ポイントを求め、この評価ポイントの
最も高いフィーダを供給フィーダとして決定するように
していることから、従来のような逐次処理とは異なり、
全体を把握しながら総合的な一括処理を行なっているの
で、解の質が向上するとともに、やり直し処理や繰返し
処理が低減され、処理効率が向上するので処理時間を短
縮できる。
また、評価ポイントを系統条件など各種の評価項目等
に応じて重み付けを行なうことができ、これにより、得
られる負荷融通形態の解の質を、一層合理的でかつ適切
なものとすることができる。
また、供給フィーダの割付け結果について、途中の供
給経路が断たれているノードが存在したり、フィーダの
予備量を越えているときには、該当ノード又は次SLPが
存在する末端のノードを含む一定範囲のノードについ
て、再度処理をやり直しするようにしていることから、
一層適切な(停電回避等)融通形態を決定することがで
きる。
これに対し、従来の逐次処理法を用いると、第9図に
示すような解になりやすい。第8図と比較して明らかな
ように、ノード#4に代えてノード#1が停電となり、
停電量が大きくなるという問題がある。その理由は、従
来法によればSLPを基準に逐次処理するため、フィーダF
3の唯一の連系点であるノード#2について、フィーダF
3を割付け確定してしまうことに起因する。つまり、逐
次処理では上記実施例のような総合的な判断を行なわ
ず、各段階ごとに処理断面で割切った判断を行なわなけ
ればならないため、失う情報が多く、また解を修正する
にも、どこに狙いをつければよいかの指針もないので、
適切で合理的な負荷融通形態を決定できないのである。
なお、上記実施例では、第2表の評価ポイントに基づ
いてフィーダを仮決定したものについて説明した。勿
論、その方法で問題なく供給フィーダを割付けることが
できるケースが多いが、これに代えて割付けに際し確信
の持ちにくいところについて一旦留保しておき、別の確
信の持てるノードから求めていく方法も適用できる。例
えば、確信の持てるノードと持てないノードの区別は、
評価ポイント自体の高低に関しては全ポイントの平均値
を基準とし、また同一ノードについての各フィーダ間の
評価ポイントの差に関しては、全ノードの差の平均値を
基準として利用する。あるいは、予め適当な値を決めて
おいて、平均値で補正するようにしてもよい。
第10図に、確認の持てないノードを留保する場合の実
施例のフローチャートを示す。第1図実施例と異なるの
は処理ブロック105に代えて処理ブロック905とし、ここ
で確信のもてないノードについての供給フィーダの決定
を留保するようにしている。これにより、最初から第6
図の仮決定がなされ、その後は前記実施例と同様に処理
され、同一の結果が得られる。
本発明の更に別の適用例を第11図の例で説明する。本
例では融通対象のノードが6ヶあり、ノード#1〜#3
と#4〜#6は各々元々別の配電系統に属しているもの
とする。負荷融通の問題で対象規模が大きくなる場合、
単に個々のノード数が増すのではなく、上位の配電線や
変電所のバンクという具合に上位の階層を巻込む形にな
る。これは、例えば、1配電線当りのノード数は高々10
〜20位と決っているためである。したがって、第11図の
例では、まず、第12図のようにG1とG2各々の配電線のグ
ループ単位で融通計算を行い、その結果に基づき個々の
ノードの融通計算を行うのが、配電線やノードの数の増
加に対応するには処理性の点から有効である。
そこで、まずG1,G2をF1,F2でどう分担するかを決めな
ければならない。分担する場合、1グループを全て同一
のフィーダで負担する場合と個々のフィーダでは部分的
にしか負担しない場合とがある。グループ単位の処理を
導入する場合、まずどこか1つのフィーダで供給すべき
グループを決定する。
F1の予備量は“15"なので、G1とG2個々には全て融通
可能である。また、元々同一の配電線のノードは、その
形態をくずさない形で極力少数のフィーダで融通するの
が望ましい。したがって、F1でG1とG2のどちらを全て融
通すべきかが問題になる。
ここで、グループ単位の供給可否をチェックするに
は、個々のノードによる接続情報が失われていることも
あり、厳密な数値にこだわらず、マクロな目安のつけら
れる情報を用いるのが実用的である。そのため、SLPを
簡略化した「擬似SLP」を定義する。擬似SLPでは着目の
グループだけの供給を主眼とし、経路の途中のグループ
への供給は副次的なものとして扱う。すなわち、まず、
フィーダ毎に着目のグループにどの程度(全てまたは一
部)供給できるかをチェックし、着目グループのノード
全てに供給可能な場合については更にその経由する途中
のグループ内のノードへの供給はどうかをチェックす
る。これらの結果の表示法についてはSLPのようにアナ
ログ的な数値を用いることもできるが、第13図のよう
に、着目のグループを完全に供給できれば○、一部しか
できなければ△、そして途中のグループにも完全に供給
可能な場合は◎などということでもよい。◎印はグルー
プに直付のフィーダがあるものである。ただし、計算機
のアルゴリズムとしては、例えば、○=10、△=5、×
(全く供給不可)=0としておく必要がある。
擬似SLPでもSLPと同様経由するグループ数(または、
その負荷量)の少ない経路や次SLPのように着目グルー
プの1つ手前のグループを迂回する経路を定義すること
ができる。
フィーダF1でG1全てに供給したとすると、負荷量“1
2"のG2にはF1の予備量は“5"で、F2の“9"と合せて総予
備量“14"で供給することになる。一方、G2だとF1の予
備量は“3"でF2の“9"と合せ総予備量“12"と少ない
が、その分残った負荷もG1の“10"が対象なので小さく
なる。総予備量と総負荷量との差は当然どちらも“2"で
等しい。しかし、個々のノードには同一のフィーダで供
給できないとそのフィーダは実質無効となる。F1でまず
G1を全て供給すると、F1のノード当りの予備量5/12,F2
は9/12、一方G2を全て供給するとF1は3/10,F2は9/10と
なり、わずかではあるが前者の方がF1の活かせる可能性
が大きく有利であるとみなせる。なお、F2については当
然後者の方が予備量が大きくなるが、図4のような方法
で総合的にポイント付けして評価すると前者の方が有利
といえる。また、両者に差はあってもどちらもポイント
が低ければ1フィーダで供給すること自体見合せるのが
無難である。
要するに、マクロな状況判断しかできない状況では、
本発明のようなアナログ的な評価が極めて有効になる。
マクロな決定が適切でないと判定される場合、例えば、
上記F1による割付けを結果的に誤ってG1とG2逆にして停
電が不可避となった場合、その根拠となる評価ポイント
の低いノードに対し修正は容易である。
なお、第11図程度の規模の問題では、グループ化しな
くて直接ノード単位で処理する方が、むしろ効率的であ
る。その際、同一配電線のグループのノードが同じフィ
ーダで融通されるようにSLPや容量から判断し、同一フ
ィーダで1つのグループを全て融通できれば、そのフィ
ーダによるポイントを大きくする、という具合にポイン
ト付けすることもできる。
本発明は、事故や作業停電時の負荷側健全区間の融通
に対してのみでなく、平常時の運用や計画等広範な用途
に対しても有効である。例えば、運用の信頼度向上方策
として、想定事故に対する融通上の弱点となる部分を評
価ポイントの低いところとして把握する。そうした弱い
部分に対しては予め系統を切替えておくのがよいが、目
標のポイントを設定することにより実現できる。また連
系開閉器を増設するなどの対策も長期的には考えられ
る。また、停電不可避な場合は他の対策等があって、さ
し当り支障の少ない部分の基準ポイントを低くして、停
電時の全体的支障を少くするよう調整する。なお、この
ポイントで調整する手法は線路損失の低減や、最適運用
にも適用できる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば次に示す効果が
ある。
すなわち、負荷融通対象の各ノードについて、それぞ
れのフィーダごとに最短負荷経路(SLP)と次最短負荷
経路(次SLP)を求め、SLPが存在するノードとフィーダ
の組み合わせについて、フィーダの供給密集度とノード
にかかる供給距離を基準として評価ポイントを求め、こ
の評価ポイントの最も高いフィーダを供給フィーダとし
て決定するようにしていることから、全体を把握しなが
ら総合的な一括処理を行うことができる。その結果、得
られる負荷融通形態の質が向上すると共に、やり直し処
理や繰り返し処理が低減されるから、処理効率が向上し
て処理時間が短縮される。例えば、100ノードを対象と
する場合、従来は逐次的に1ノードづつ処理していたこ
とから、類似の処理を100回繰り返す必要が有ったが、
本発明によれば1回当たりの処理時間は多少増すとして
も、1/10以下の短時間で処理できる。また、負荷融通形
態の決定に係る評価の根拠を明確に表すことができるの
で、種々の用途に役立てることができる。
また、評価ポイントを系統条件などの各種の評価項目
に応じて重み付けを行うことができ、これによれば得ら
れる負荷融通形態の解の質が、一層合理的でかつ適切な
ものとなる。
また、上記構成に加えて、供給フィーダの候補につい
て、途中の経路が断たれているノードが存在したり、フ
ィーダの予備量を越えているときは、そのノード又は次
SLPが存在する末端のノードを含む一定範囲のノードに
ついて、再度負荷融通の処理を行うようにしているもの
によれは、停電回避などの点から一層適切な負荷融通形
態を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の処理手順を示すフローチャ
ート、第2図はSLPおよび次SLPの算出概念を説明する
図、第3図は負荷融通対象の配電系統の一例を示す模式
図、第4図は評価ポイントの算出法を説明する図、第5
図〜第8図は第3図例に係る負荷融通形態の途中経過と
最終的な決定例を示す図、第9図は従来例により得られ
る負荷融通形態の一例図、第10図は本発明の他の実施例
の処理手順を示すフローチャート、第11図は本発明の更
に他の実施例を説明するための配電系統の一例を示す模
式図、第12図と第13図はそれぞれ第11図例を説明するた
めの図である。 F1〜F3……フィーダ、#1〜#9……ノード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 隆三 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 井上 汎 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 川上 潤三 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−9532(JP,A) 特開 昭62−254621(JP,A) 特開 昭63−206119(JP,A) 特開 平1−234021(JP,A) 特開 平3−52521(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02J 3/00 - 5/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】負荷融通対象の配電系統に他の配電系統か
    ら負荷電力をどの経路で融通するかを決定する配線系統
    の負荷融通決定方法において、 負荷融通対象の配電系統を開閉器で囲まれた複数の配電
    区間又は配電区間群(以下、ノードという)に区分し、
    該区分されたノードに開閉器を介して接続された他の配
    電系統(以下、フィーダという)を抽出する段階と、 各ノードについて前記フィーダから直接又は他のノード
    (以下、中継ノードという)を介して電力の融通を受け
    る供給経路を求める段階と、 該求められた供給経路のうち各ノードからみてフィーダ
    に至るまでの中継ノードと着目ノードの総負荷量が最小
    の経路をそれぞれのフィーダについて最短負荷経路とし
    て設定する段階と、 着目ノードの前記最短負荷経路の隣接ノードを他の隣接
    ノードに代えた供給経路がある場合はそのうちの最短負
    荷経路を次最短負荷経路として設定する段階と、 前記各フィーダについて前記最短負荷経路が設定されて
    いる全ノードの総負荷量と当該フィーダの予備量の比で
    表した供給密集度を求める段階と、 各着目ノードについて前記最短負荷経路にかかるフィー
    ダの予備量に対する該予備量から中継ノードの総負荷量
    を引いた値を比で表わした供給距離を求める段階と、 前記供給密集度と前記供給距離に基づいて各フィーダか
    ら各ノードに電力を融通する供給妥当性について評価す
    る評価ポイントを設定する段階と、 各ノードについて前記評価ポイントの最も高いフィーダ
    を供給フィーダの候補として決定する段階と、 を含んでなる配電系統の負荷融通決定方法。
  2. 【請求項2】前記求められた供給フィーダの候補に従っ
    て各ノードへの電力融通の供給経路を求める段階と、 該求められた供給経路について、少なくともその経路が
    途中で断たれているノードの存在又は供給フィーダの総
    負荷量が当該フィーダの予備量以上になっているフィー
    ダの存在の有無を判断する段階と、 該判断の結果、少なくとも経路が断たれているノードに
    ついては供給フィーダ未決定とし、また総負荷量が予備
    量以上のフィーダについては、その供給対象のノードの
    うち供給末端でかつ代替供給フィーダが存在するノード
    については供給フィーダ未決定とする段階と、 該供給フィーダ未決定とされたノードについて再度前記
    最短負荷経路と次最短負荷経路を求めるとともに、前記
    評価ポイントを設定する段階と、 該再度設定された評価ポイントに基づいて最も評価ポイ
    ントの高いフィーダを供給フィーダとして設定する段階
    と、 を含んでなる請求項1記載の配電系統の負荷融通決定方
    法。
  3. 【請求項3】前記評価ポイントが最も高いフィーダを供
    給フィーダとして決定するに当たり、その評価ポイント
    が著しく小さい場合とその差が小さい場合の少なくとも
    一つに該当するときは、供給フィーダ未決定とすること
    を特徴とする請求項2記載の配電系統の負荷融通決定方
    法。
  4. 【請求項4】前記評価ポイントの設定において、停電回
    避、負荷融通に係る開閉器の操作性、ノードの重要度の
    少なくとも一つを考慮して重み付けを行うことを特徴と
    する請求項1,2,3いずれかに記載の配電系統の負荷融通
    決定方法。
  5. 【請求項5】負荷融通対象の配電系統に他の配電系統か
    ら負荷電力をどの経路で融通するかを決定する配電系統
    の負荷融通決定装置において、 負荷融通対象の配電系統を開閉器で囲まれた複数の配電
    区間又は配電区間群(以下、ノードという)に区分し、
    該区分されたノードに開閉器を介して接続された他の配
    電系統(以下、フィーダという)を抽出して負荷融通対
    象のネットワークを抽出する手段と、 各ノードについて前記フィーダから直接又は他のノード
    (以下、中継ノードという)を介して電力の融通を受け
    る供給経路を求める手段と、 該求められた供給経路のうち各ノードからみてフィーダ
    に至るまでの中継ノードと着目ノードの総負荷量が最小
    の経路をそれぞれのフィーダについて最短負荷経路とし
    て設定する手段と、 着目ノードの最短負荷経路の隣接ノードを他の隣接ノー
    ドに代えた供給経路がある場合はそのうちの最短負荷経
    路を次最短負荷経路として設定する手段と、 前記各フィーダについて前記最短負荷経路が設定されて
    いる全ノードの総負荷量と当該フィーダの予備量の比で
    表わした供給密集度を求める手段と、 各着目ノードについて前記最短負荷経路にかかるフィー
    ダの予備量に対する該予備量から中継ノードの総負荷量
    を引いた値を比で表わした供給距離を求める手段と、 前記供給密集度と前記供給距離に基づいて各フィーダか
    ら各ノードに電力を融通する供給妥当性について評価す
    る評価ポイントを設定する手段と、 各ノードについて前記評価ポイントの最も高いフィーダ
    を供給フィーダの候補として決定する手段と、 を含んでなる配電系統の負荷融通決定装置。
  6. 【請求項6】前記求められた供給フィーダの候補に従っ
    て、各ノードへの電力融通の供給経路を求める手段と、 該求められた供給経路について、少なくともその経路が
    途中で断たれているノードの存在又は供給フィーダの総
    負荷量が当該フィーダの予備量以上になっているフィー
    ダの存在の有無を判断する手段と、 該判断の結果、少なくとも経路が断たれているノードに
    ついては供給フィーダ未決定とし、また総負荷量が予備
    量以上のフィーダについては、その供給対象のノードの
    うち供給末端でかつ代替供給フィーダが存在するノード
    については供給フィーダ未決定とする手段と、 該供給フィーダ未決定とされたノードについて再度前記
    最短負荷経路と次最短負荷経路を求めるとともに、前記
    評価ポイントを設定する手段と、 該再度設定された評価ポイントに基づいて最も評価ポイ
    ントの高いフィーダを供給フィーダとして設定する手段
    と、 を含んでなる請求項5記載の配電系統の負荷融通決定装
    置。
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