JP2801018B2 - イエルシニア・エンテロコリチカの検出 - Google Patents

イエルシニア・エンテロコリチカの検出

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はイエルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia
enterocolitica)属に属する細菌の検出に関し、特に
核酸プローブおよびその組成物をイエルシニア・エンテ
ロコリチカの特異的検出のためのそれらの使用法と共に
提供する。
[従来の技術] 本明細書中に使用する“イエルシニア・エンテロコリ
チカ(Yersinia enterocolitica)”という言葉はバー
ジーズ・マニュアル・オブ・システィマティック・バク
テリオロジー(Bergey's Manual of Systematic Bacter
iology)〔クリーグ(N.R.Krieg)編,1984,498−506,ウ
イリアムス・アンド・ウイルキンス(Williams & Wilk
ins)〕によってそれなりに分類された細菌を指す。イ
エルシニア・エンテロコリチカ(Y.enterocolitica)の
検出はいろいろな医療組織および公衆衛生組織にとって
重要である。イエルシニア・エンテロコリチカ感染症は
風邪のような症状から胃腸結腸炎に及ぶさまざまな症状
の原因となる。調理中あるいは未調理の肉は、たびた
び、これら生物体からのヒト・食物−伝播性感染症の原
因となるが、ルーチンスクリーニング(routine screen
ing)は時間の浪費であり且つ困難である。
それ故、本発明の目的は、イエルシニア・エンテロコ
リチカを迅速に検出できる新規のアッセイシステムを提
供することにあり、かつこのアッセイシステムは環境、
食物および医療試料に通常利用できる。
実験室用の標準方法およびF.D.A.〔FDA/BANバクテリ
オロジカル・アナリティカル・マニュアル(Bacteriolo
gical Analytical Manual),第11章,第6版,1984年,1
987年9月増補,アソシエイション・オブ・オフィシャ
ル・アナリティカル・ケミスト(Association of Offic
ial Analatical Chemist)〕推薦の方法に基づいて、外
界あるいは日常的な検体(例えばミルク)中のイエルシ
ニア・エンテロコリチカの存在は、これら生物体の増殖
に好適な条件下、適切に調製した試料を微生物用培地で
培養することにより検出するのが常であっつた。そうし
た後、得られたコロニーの形態学的および生化学的特徴
をその代表として調べるが、その操作は通常、試料取得
後48時間で始められ、不都合が生じた場合には完了する
までに12〜17日間かかる。
さらに、本発明の他の目的は、慣用的培養技術に関連
した不都合を避けること、およびイエルシニア・エンテ
ロコリチカを検出するために核酸プローブを使用するこ
とにある。
さらに、本発明の他の目的は、正常なアッセイ条件下
でプローブに近づきやすくした標的領域とハイブリッド
形成することができるプローブを提供することにある。
コーネ(Kohne)らは、1968,バイオフィジカル・ジャ
ーナル(Biophysical Journal),8:1104−1118の中で、
rRNA配列に対するプローブを調製するための1つの方法
について議論しているが、それらはイエルシニア・エン
テロコリチカに特異的なプローブを作成するために必要
な教えを提供してはいない。
パセ(Pace)およびカムプベル(Campbell),1971,ジ
ャーナル・オブ・バクテリオロジー(Journal of Bacte
riology)は、異なった細菌種から得たボソームリボ核
酸の相同性およびその相同性のレベルを定量するための
ハイブリッド形成法について議論している。同様にソギ
ン(Sogin)およびウオエセ(Woese),1972,ジャーナル
・オブ・モレキュラー・エボリューション(Journal of
Molecular Evolution),1:173−184は、系統間の関連
性を評価するためにいろいろなリボソームRNA分子の一
次構造上の特徴を利用する理論的および実用的態様につ
いて議論している。
フォックス(Fox),ペクマン(Pechman)およびウオ
エセ(Woese),1977,インターナショナル・ジャーナル
・オブ・システマティック・バクテリオロジー(Intern
ational Journal of Systematic Bacteriology)は、原
核生物の系統に関する研究方法としての16SリボソームR
NAの比較目録について議論している。しかしながら、こ
れらの参考文献もイエルシニア・エンテロコリチカに関
してはコーネ(Kohne)の教えの欠陥を救援することは
できない。
リボソームは遺伝情報を細胞内蛋白質、即ち生命を構
成・触媒する主要成分に翻訳する唯一の既知手段として
働くため、リボソームはすべての生物体にとって非常に
重要なものである。この重要性はすべての細胞がリボソ
ームをもつという結果に明確に現われている。
リボソームは3種類の別個のRNA分子からなり、これ
らは少なくとも大腸菌では5S,16S,および23S rRNAと呼
ばれている。これらの名称は歴史的で沈降速度から決定
したRNA分子の大きさと関連している。しかしながら、
実際上、それらは生物体間で大きさが変化する。それに
もかゝわらず、5S,16Sおよび23S rRNAは任意の細菌内
の相同RNA分子の総称名として一般的に使われており、
この慣習をこの明細書中でも続行させる。
ハイブリッド形成とは、先決の反応条件下で、部分的
あるいは完全に相補的な2つの一本鎖核酸が互いにアン
チパラレル(antiparallel)型になり特異的かつ安定な
水素結合で二本鎖核酸を形成することを許す作用として
伝統的に理解されている。個々のハイブリッド形成条件
の厳重さは、プローブ/標的二重らせんの塩基組成によ
って規定されるのと同様に、2つの核酸間の誤対合の程
度とその配列によっても規定される。また、この厳重さ
は、ハイブリッド形成用溶液中に存在するイオン種の濃
度およびそのタイプ、使用した変性剤のタイプおよびそ
の濃度、ならびに/またはハイブリッド形成時の温度に
よっても支配される。一般的に、ハイブリッド形成条件
がより厳重になる場合は安定なハイブリッドを形成しよ
うとするならば、より長いプローブが好適である。当然
の結果として、ハイブリッド形成を起こす条件(例え
ば、実行するアッセイのタイプに基づく)の厳重さは、
使用する好適なプローブに大きく左右されるであろう。
そのような関連性は当業者によく理解されており、当業
者によって簡単に処理されうるであろう。プローブの長
さに依存する一般的事柄として、当業者はこゝでいう厳
重な条件とは約0.9Mの塩溶液中約35〜65℃を意味してい
ることを理解している。
ここで使用するプローブとは、ヌクレオチド配列を設
計したりあるいは生物より選択したりすることによっ
て、先決の限定厳重条件下で標的核酸配列と特異的(即
ち、優先的)にハイブリッド形成できる特異的なヌクレ
オチド配列を含有する、合成あるいは生物によって作製
した核酸(DNAあるいはRNA)を指す。
標的核酸配列とは、個々のプローブが優先的にハイブ
リッド形成できる核酸配列である。
それらを最初に使用する場合に必要なさらなる他の有
効な規定を以下の本文中に示す。ここに列挙した参考文
献は参照として完全に合体させる。
[発明の概要] 本発明のさまざまな原理および態様に従って、本発明
は特定のハイブリッド形成条件下で、イエルシニア・エ
ンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)のリボソ
ームRNA(rRNA)分子を検出できるが、同条件下で試験
試料中に存在するであろう別の関連細菌のrRNAを検出で
きない核酸プローブあるいはプローブのセットを提供す
る。
また、本発明はこれらプローブを利用するためのアッ
セイシステム、即ち前述したプローブの望ましい行動を
強化しうるアッセイシステムの全体構成の特徴を示して
いる。本発明のアッセイシステムはイエルシニア・エン
テロコリチカを検出するために最近開発された本発明以
外の有用な手段と比べて、次のような高い実行能力を示
す点で有利である: a)感度の増大;即ち、最近開発された有用な方法より
高頻度で与えられた試料中のイエルシニア・エンテロコ
リチカを検出する能力; b)高価でない試薬の使用によるアッセイ費用の価値あ
る削減の可能性および仕事量の削減 c)生化学上密接に関連した種、イエルシニア・インテ
ルメジア(Yersinia intermedia)が共在する場合でさ
えイエルシニア・エンテロコリチカを同定する正確さ; d)試験をそれ以上増殖させる必要のない培養細胞で行
なうことからくる結果の早さ。従って、本発明の好適な
試験は、結果が得られるまでに2〜4日かかるだけであ
るという点で有利である。
rRNAに対する本発明のプローブから直接得られた他の
利益として、検出したrRNAが細胞集団の重要成分を構成
するという事実が明らかになった。細胞内のリボソーム
含有量は変化するが活発に増殖中のイエルニシア細胞で
は、細胞あたり5.0×10E+4以上のリボソーム、故に
(リボソーム中に1:1:1の定比で存在する)rRNAをそれ
ぞれ5.0×10E+4コピー含む。これに対して遺伝子ある
いはそれより得たRNA転写物のようなrRNA以外の細胞内
標的分子としての可能性を秘めた他の分子はrRNAよりも
ずっと低量しか存在しないためあまり理想的ではない。
この他の予期しなかった長所は、rRNA(およびそれを
コードしている遺伝子)が同時代の生物体間で側方転位
を受けにくいということが明らかになったことである。
このようにrRNAの一次構造は、よくありそうなことだ
が、例えば同時代の生物体間で側方転位を受けやすいプ
ラスミド運搬遺伝子あるいはその生成物のような遺伝子
に特異的な標的というよりむしろその生物体に特異的な
分子標的を提供する。
さらに、本発明はイエルシニア・エンテロコリチカの
二つの異なるクラスを識別できるイエルシニア・エンテ
ロコリチカrRNA標的配列に対するプローブを提供する。
2種類のプローブの好適な混合物は、そのようなイエル
シニア・エンテロコリチカのすべてに存在する標的領域
とハイブリッド形成できる。好都合なことに、このよう
な同一のrRNA標的配列は、本発明に好適なアッセイ条件
下では本発明のプローブはイエルシニア・エンテロコリ
チカのrRNAとハイブリッド形成しかつイエルシニア・エ
ンテロコリチカ以外のrRNAとはハイブリッド形成しない
という点で、ほとんどのイエルシニア・エンテロコリチ
カ以外のrRNAとは十分に異なっている。これらのプロー
ブはそのそれぞれが包括的でありかつ排他的であるとい
う特徴を明白に示している。このプローブがイエルシニ
ア・エンテロコリチカに関する本発明の並みはずれた包
括的・排他的特徴を生み出すということは、予測外の意
外な発見であった。
本発明の特に好適な実施態様は、試験しようとする試
料内に存在する細菌が、試料中の任意のイエルシニア・
エンテロコリチカの迅速かつ豊富な増殖を促進しかつ多
数の密接に関連するイエルシニア・エンテロコリチカ以
外の細菌の増殖をおさえるような条件下で、限定時間内
に好適に増殖できることを含む、イエルシニア・エンテ
ロコリチカを検出するためのアッセイ法を提供する。本
発明の好適なプローブを使用するハイブリッド形成分析
は、このような増殖期間を置いた後の試料を用いて行な
うと好都合である。
他の好適な実施態様は、イエルシニア・エンテロコリ
チカと密接に関連した種であるイエルシニア・インテル
メジアを、厄介でかつ時間のかゝる従来の生化学試験慣
用法によらず識別することのできるプローブよりなる。
[表の簡単な説明] 本発明の原理および態様は以下に示す表を参照するこ
とによって、よりよく理解されるであろう。
第1表 本発明の好適なヌクレオチド配列とイエルシニ
ア・エンテロコリチカ16S rRNAの455〜477(この位置
番号は大腸菌のものを用いた)の“コア”領域(“cor
e"region)のヌクレオチド標的配列を、大腸菌(Eschcr
ichia coli)(E.coli)、プロテウス・ブルガリス(Pr
oteus vulgaris)(Pr.vulga.)、イエルシニア・エン
テロコリチカATCC9610株(Y.ent9610)およびイエルシ
ニア・エンテロコリチカRF954(Y.ent954)の標的配列
に関連する部分の16S rRNAの配列と共に示す。RNA配列
は5′側から3′方向へ書き、プローブ配列はDNAで
3′側から5′方向に書いた。プローブ中の小文字のc
は修飾されうるシトシン残基を示し、修飾基(レポータ
ーグループ)は使用するアッセイの種類によって結合す
る場合もあるし結合しない場合もある。880系統のプロ
ーブ(880,1062)をその基礎となる“コア”領域と共
に、それらの“親”配列、Y.ent9610の下に示す。926系
統のプローブ(926,1111,1112,1113,1063)および926の
“コア”配列(“core"sequence)を、“親”配列(“p
arent"sequence)、Y.ent954の下に示す。プローブ927
およびその基礎となる“コア”領域をその“親配列"Y.i
nte814の下に示す。プローブ1071は880,926,927のいず
れかと一緒に使用するために設計された検出用プローブ
である。
第2表 イエルシニア株の代表的な試料に対する好適プ
ローブの包括的行動を例示する。
第3表 イエルシニア株以外の代表的な試料に対する好
適プローブの排他的行動を例示する。
第4表 実施例1の好適な液体ハイブリッド形成試験の
全体構成と関連した包括的データを提供する。
第5表 実施例1の好適な液体ハイブリッド形成試験の
全体構成と関連した排他的データを提供する。
第6表 本発明の好適な全体構成の中で、好適プローブ
を使用することによって食品試料中に含まれるイエルシ
ニア・エンテロコリチカを検出したデータを提供する。
[発明の詳細な説明およびその最良の態様] 本発明のプローブを開発するにあたっての第一段階
は、イエルシニア・エンテロコリチカに特異的な核酸プ
ローブに対する標的部位として役立つ可能性のある16S
および/または23S rRNAの領域を同定することからな
る。実際問題として、イエルシニア・エンテロコリチカ
以外のどの微生物が任意の試料中に存在する可能性があ
るかを演繹的に予測することはむずかしい。そのような
イエルシニア・エンテロコリチカ以外の潜在細菌は数が
多いので、与えられた任意のプローブ配列が排他的であ
ることの証明は予測できないばかりでなく非常に困難か
つ面倒である。研究および開発の第一段階において、最
終的にプローブを用いて選択することからなる試験試料
のすべての中にどの程度のイエルシニア・エンテロコリ
チカ以外の細菌が存在するのかを知らなければならない
というその必要生を未然に除去するために、より厳密な
規準を採用した。このためには、イエルシニア種間の、
およびイエルシニアの他の細胞群との間の系統発生論的
関係に関する知識が当然必要とされる。特に、代表的で
はあるがイエルシニア・エンテロコリチカとは進化上近
い親戚関係にある細菌のrRNA(のイエルシニア・エンテ
ロコリチカのrRNA)内の相同領域とは十分に異なるイエ
ルシニア・エンテロコリチカrRNA内の特定標的領域を同
定することができるならば、それに次いでそれらの配列
に対応するプローブを用いてハイブリッド形成アッセイ
を行なうことによってイエルシニア・エンテロコリチカ
とその関連細菌との間の違いを識別することができると
判断することによって排他性の規準が満たされるという
機能上積極的役割をはたしているがいまだ立証されてい
ない仮定を採用した。次いで、系統発生論的観点から、
より遠い関係にある生物体のrRNA配列は、その生物体の
正確な種属を知る必要はないが、前述のイエルシニア・
エンテロコリチカと進化上近い関係にある生物体のrRNA
配列よりも特定領域の配列が異なるはずであると推論し
た。しかしながら、そのような領域が存在するのか否
か、もし存在したとしてもrRNA内にそのような領域が位
置しているかどうかを予測することはできない。
核酸ハイブリッド形成用プローブの有効標的部位とし
て働きうるイエルシニア・エンテロコリチカのrRNA領域
を同定するための第一段階として、イエルシニア・エン
テロコリチカ、イエルシニア・インテルメジア、イエル
シニア・クリステンセニイ(Yersinia kristenseni
i)、イエルシニア・プセウド−ツベルクロシス(Yersi
nia pseudo−tuberculosis)等の16Sおよび23S rRNAの
ほぼ全部のヌクレオチド配列を決定した。これらはイエ
ルシニア属を進化上幅広く代表するものとして独断的に
選択した。rRNAのさまざまな部分のヌクレオチド配列
は、rRNAを特定する遺伝子のクローニング〔マニアチス
(Maniatis)ら,1982,モレキュラー・クローニング(Mo
lecular Cloning):ア・ラボラトリー・マニュアル(A
Laboratory Manual),コールド・スプリング・ハーバ
ー・ラボラトリー(Cold Spring Harbar Laborator
y),ニューヨーク,545頁〕およびシークエンシング
〔マキサム(Maxam)およびギルバート(Gilbert),197
7,プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミ
ィー・オブ・サイエンス(Proceeding of the National
Academy of Scince),米国,74:560−564;サンガー(S
anger)ら,1977,プロシーディング・オブ・ザ・ナショ
ナル・アカデミィー・オブ・サイエンス,米国,74:5463
−5467〕、および/または、逆転写酵素を使ったrRNA自
身の直接シークエンシング〔レーン(Lane)ら,1985,プ
ロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミィー
・オブ・サイエンス,米国,82:6955−6959〕のいずれか
の実験室用標準法で決定した。
同定したヌクレオチド配列を互いに比較し、さらにこ
れら以外のデータとして入手できるrRNAのヌクレオチド
配列、特にこれらと密接な関係にあるモルガネラ(Morg
anella)、プロテウス(Proteus)、サルモネラ(Salmo
nella)、エシェリキア(Escherichia)、およびパスツ
レラ(Pasturella)といった細菌のrRNAヌクレオチド配
列、と比較した。これらの細菌種に対して有効で排他的
な特徴を示す可能性を秘めた領域として、第1表に示す
ような好適な配列の領域を同定した。
それぞれの核酸プローブに対するさらなる実験的試験
が、上述の望ましい特徴が本当に得られているかどうか
を厳密に証明するために行なわれた:上述の望ましい特
徴とは、即ち、1)エルシニア・エンテロコリチカ以外
の非常に近い関係にある生物体のすべてに対する十分な
排他性、2)エルシニア・エンテロコリチカ株に対する
有用な包括性パターン、3)実際に使用するさまざまな
アッセイ条件下での標的領域の近づきやすさ、である。
テストプローブの排他的および包括的特徴を明らかにす
るために適切と思われる生物体の数は非常に多い〔排他
的特徴に対してはおよそ22種類の腸管に存在する細菌の
属、69種類の種および29種類の明記されていない“バイ
オグループ(bio−group)”からなる、ファーマー(Fa
rmer)ら,1985;包括的特徴に対してはイエルシニアの8
種類の種およびバイオグループ〕ために、反復戦略を採
用して可能性のあるプローブを試験し改良を加えた。プ
ローブは標準的なホスホアミダイト法〔カルテルス(Ca
ruthers,M.H.)ら,1983,ジーン・アプリケーション・ア
ンド・アナリシス(Gene Application and Analysi
s)、パパス(Papas,T.S.)、ローゼンベルグ(Rosenbe
rg,M.)、カリクジアン(Charikjian,J.G.)編.,エルセ
ビエル(Elsevier)出版社,ニューヨーク,第3巻,1−
26頁〕でアプライド・バイオシステム(Applied Biosys
tem)装置を用いて慣用的に合成した。
熟知された方法に従って、“ドットブロット(Dot bl
ot)”分析法をこれら第一世代プローブの包括的および
排他的性質の予備試験のために用いた。よく知られてい
るように、一般的にドットブロット分析は核酸あるいは
核酸集団をニトロセルロース、ナイロン、あるいは商品
として得やすくこの目的に対して特異的な他の誘導化膜
のようなフィルター上に固定する操作を含む。DNAある
いはRNAのどちらでもそのようなフィルター上に簡単に
固定化でき、さらに任意のいろいろな核酸ハイブリッド
形成条件(即ち、厳重条件(Stringent conditions))
下で、重要なヌクレオチド配列あるいはプローブとのハ
イブリッド形成を実際に調べたり、試験したりできる。
厳重条件下で、標的のヌクレオチド配列とより高い相補
的を有するヌクレオチド配列をもつプローブは、低い相
補性しかもたないプローブよりもより高いレベルでハイ
ブリッドを形成するであろう。ここで用いるオリゴヌク
レオチドプローブ(即ち、長さおよび平均塩基組成が30
〜36のヌクレオチド)の場合には、rRNA標的とのハイブ
リッド形成を60℃で14〜16時間(0.9M NaCl,0.12Mトリ
ス(Tris)−塩酸pH7.8,6mM EDTA,0.1M KPO4,0.1%SD
S,0.1%ピロリン酸,0.002%フィコール,0.02%BSA,およ
び0.002%ポリビニルピロリジンを含むハイブリッド形
成溶液中で)行ない、次いでハイブリッド形成終了後非
結合のプローブを除去するための洗滌を60℃で15分間
(0.03M NaCl,0.004Mトリス−塩酸pH7.8,0.2mM EDTA
および0.1%SDSを含む溶液で)3回くり返して行なうこ
とが、表中や実施例中に例示したレベルの特異性および
感受性を確保するための十分な厳重条件であろう。ま
た、このような技術は、(未精製の)粗細胞溶解液中に
存在するDNAあるいはRNAを、核酸の精製なしに固定化で
きるという点で有効である〔これをサイトドット(cyto
dots)と呼ぶ、例えばマニアチス(Maniatis,T.)、フ
リッシュ(Fritsch,E.F.)、およびサムブローク(Samb
rook,J.),1982,モレキュラー・クローニング(Molecul
ar Cloning),ア・ラボラトリー・マニュアル(a Labo
ratory Manual)〕。この後者の研究方法は、任意の個
々の生物体の核酸内に存在するであろう個々のヌクレオ
チド配列を選択するため必要な仕事量を大きく減少さ
せ、さらに多数の生物体の大量スクリーニングを可能に
するという点で好都合である。それ故、この方法は多数
の生物体に対して核酸ハイブリッド形成用プローブとし
ての可能性を秘めたプローブを排他的かつ包括的にスク
リーニングするのに適した方法である。
イエルシニア以外の細菌で、潜在的にイエルシニア・
エンテロコリチカを含む試料内に存在する可能性のある
細菌の型を例示するリストを第3表に示す。また、これ
らはイエルシニアと非常に近い関係にある多くの属を表
わしていることを注目されたい。上述のように、そのよ
うな幅広い細菌の表現形に対して良好な排他的特徴を示
すプローブは、それより遠い関係にある腸内の微生物の
より幅広いリストに対しても同様にふるまうと予測する
ことは道理にかなっている。
また、これ以外のいつかの考慮すべき事柄が最適なプ
ローブ配列のデザインの特徴に影響を及ぼす。第一の考
慮すべき事柄はプローブ自身に対するプローブの結合構
造(即ち、分子内相互作用)である。16Sおよび23S rR
NA内の有効な標的領域として可能性のある領域は、実際
上自己相補性の可能性を示す領域によく位置しているこ
とが発見された。その結果、このような領域に対するプ
ローブもまた自己相補性を示す。プローブと標的配列と
の間の相互作用の可能性は標的あるいはプローブのそれ
自身との分子内アニーリングを支配するパラメーターと
同じ型のパラメーターによって支配されているため、特
に溶液条件下でのハイブリッド形成では、プローブの自
己相補性はハイブリッド形成のためにプローブ自身がそ
の標的配列に近づくことを難かしくする可能性がある。
このように、プローブの設計上の重要な態様の1つはそ
のような自己相補性を最少にすることである。このこと
は、イエルシニア・エンテロコリチカに特異的な配列を
最大限利用することとプローブとして満足できる配列と
の間の妥協を余儀なくしている。
プローブ設計上の第二の考慮すべき事柄は包括性の基
準に関することである。好適なプローブとは、適切な排
他的行動をとるが、要求されるすべてのイエルシニア・
エンテロコリチカのrRNAとハイブリッド形成できるプロ
ーブである。イエルシニア・エンテロコリチカ種はそれ
自身重要な表現型の多様性および遺伝子型(以下に示す
よにrRNAを含む)の多様性を示す細菌からなるので、そ
のような“理想的”プローブの設計は非常に複雑なもの
となる。実際問題として、単一の「万能」なイエルシニ
ア・エンテロコリチカのプローブを捜すよりも、それぞ
れが有用レベルの包括性と共に適切な排他性を示すよう
なイエルシニア・エンテロコリチカに特異的なプローブ
をセットで見つける方がより好適である。好適なプロー
ブのセットが、全体として、大多数あるいはすべてのイ
エルシニア・エンテロコリチカを検出し、イエルシニア
・エンテロコリチカ以外の細菌を検出しないのが理想的
である。そのようなセットでは、例えば、一方のプロー
ブが1つあるいは少数の重要なイエルシニア・エンテロ
コリチカ株を除くすべての株を検出し、もう一方のプロ
ーブが第一プローブによって見落された少数のイエルシ
ニア・エンテロコリチカ株のみとハイブリッド形成する
であろう。このように、次に示すプローブが包括的特性
に対する独自の基準をその特徴としているのに対して、
上述の特異的プローブ“セット”(“set")の概念はプ
ローブ個々の重要性の決定およびアッセイキット(assa
y kit)の構築にあると考えると好都合であることを認
識すべきである。
プローブの設計および分析の最終段階は、理想的に
は、実在する(例えば、食物/医療/環境)試料を試験
すること、およびそれに次いで最終的なプローブセット
としての好適なプローブを選択することからなり、そう
することによって望ましい特性が現実の分析条件下で最
大限に発揮される。
〔プローブ〕
前述のプローブ選択のための戦略は試料中に存在する
イエルシニア・エンテロコリチカ細菌を同定するために
有効なプローブを数多くもたらした。表の簡単な説明の
中で概説したように、第1表はプローブの配列を代表的
なイエルシニア・エンテロコリチカ株のrRNAのその標的
部位と共に示した。また、プローブの望ましい識別行動
の基礎となるイエルシニア・エンテロコリチカrRNAの標
的部位とイエルシニア・エンテロコリチカ以外の代表的
細菌のrRNAとの「コア(core)」領域のヌクレオチド配
列の相違点も示した。
3つのシリーズのプローブが開発された。3つのプロ
ーブとは、それぞれのシリーズのために開発され、後に
第一プローブと名付けられ、かつイエルシニア・エンテ
ロコリチカに特異的な“880"シリーズおよび“926"シリ
ーズ、ならびにイエルシニア・インテルメジアに特異的
な“927"シリーズである。それぞれのシリーズの構成物
は、長さ、塩基配列、および16S rRNA標的配列内のイ
エルシニア・エンテロコリチカに特異的なヌクレオチド
の位置“配列”(“geometry")の幾分かが異なってい
る。与えられた規定ハイブリッド形成条件下で、それぞ
れのシリーズ(880および926)からの1つのプローブは
最適な包括的および排他的行動をとるであろう。両方の
シリーズからのプローブはまれなる排他性と共に、適切
に選択したハイブリッド形成条件下でイエルシニア・エ
ンテロコリチカとハイブリッド形成する能力をもつ。本
発明の880あるいは926シリーズのどちらかのプローブは
イエルシニア・エンテロコリチカの特定サブセットに対
して十分な包括性を示すが、理想的プローブ組成物と
は、いままでにイエルシニア・エンテロコリチカとして
知られている株のすべての検出するためにそれぞれのプ
ローブから1つずつ計2個のプローブからなる混合物を
指す。プローブは選択した個々のアッセイの全体構成お
よびそれに関連した厳重性の特性に従って選択するのが
理想的である。
第2表に代表的なイエルシニア株からのrRNA標的に対
するプローブのハイブリッド形成行動を示す。プローブ
880シリーズはイエルシニア・エンテロコリチカATCC961
0株の16S rRNA配列に基づいているが、第2表からわか
るようにATCC9610株に加えて他の多数のイエルシニア・
エンテロコリチカ株とも強固なハイブリッドを形成す
る。926シリーズのプローブはイエルシニア・エンテロ
コリチカRF954株(家の中より同定されたが、ヒトから
同定されたE641と同一である、〔シーマン(Schiemann,
D.A.)、モンタナ州立大学,ボーズマン(Bozemann),
モンタナ59717)〕の16S rRNA配列を基本とした。第2
表に示すように、926プローブは880プローブがハイブリ
ッド形成する株とは全く別個のイエルシニア・エンテロ
コリチカのサブセットと強固なハイブリッドを形成す
る。926プローブより検出されたイエルシニア・クリス
テンセニイ(Yersinia kristensenii)の2株を除い
て、プローブのどちらかによって検出されたイエルシニ
ア種は他にはなかった。これらの少数の逸脱は医療的見
地からは重要ではない。また両プローブがイエルシニア
・エンテロコリチカと生化学的には識別するのが難かし
いイエルシニア・インテルメジアとの間を識別すること
に注目されたい。
イエルシニア・インテルメジアは第1表に示す927プ
ローブによってイエルシニア・エンテロコリチカとは明
確に識別できる。
第3表にイエルシニア以外の細菌の“サイトブロッ
ト”(“cyto blots")に対するプローブのハイブリッ
ド形成行動を示す。この実験では、プローブを検出ある
いは定量するために32Pで放射能標識した。それぞれの
プローブシリーズのより短いプローブ型との交差ハイブ
リッド形成はこの実験に用いたハイブリッド形成条件下
ではほとんどあるいは全く認められなかった。このよう
な条件とは60℃で14〜16時間前述のハイブリッド形成用
溶液中でハイブリッド形成することを指す。926プロー
ブシリーズの中で最も長くあまり好適でないプローブ型
のみがここに示したイエルシニア以外の細菌との限界反
応を示し始めたので、この長さをこのような厳重なハイ
ブリッド形成条件下で使用するための任意のプローブの
長さの上限に規定した。より好適な中間の長さのプロー
ブ型は与えられたハイブリッド形成条件下で望ましい反
応パターンを示した。しかしながら、より厳重なアッセ
イ系を用いる場合には、それらの交差反応のレベルが下
がるのに対してその感受性(ハイブリッド形成能)は高
いままであるので、より長いプローブ型の使用がより望
ましくなることはたやすく理解されるであろう。
実施例1−一般例: ホモポリマーによる捕獲、二重プローブ、液体ハイブリ
ッド形成系 イエルシニアおよび/またはイエルシニア以外の細菌
の培養を適切な培地で行ない、次いで核酸を多数の適切
な溶解剤のうちの任意のもの(例えば、NaOH、グアニジ
ン塩、洗剤、酵素処理、あるいはこれらのうちのある組
合わせ)によって遊離させる。ハイブリッド形成は2つ
の異なるプローブあるいはプローブのセットを用いて行
なわれ、両方がそうである必要性はないがこれらのうち
の少なくとも1つは検出しようとする生物体に特異的で
なければならない。本発明の実施例では、イエルシニア
・エンテロコリチカに特異的な“捕獲”プローブ、880
あるいは926は酵素的にその3′末端に20〜200のデオキ
シアデノシン(dA)残基の尾を付けられており、その報
告プローブ1071は、捕獲した標的分子の検出用として使
用される放射性リン(P−32)あるいは他の小さなリガ
ンド(例えばフルオレセインあるいはビオチン)で化学
的あるいは酵素的のどちらかで標識されている。
一般的には培養/増殖に次いで、試験試料中に存在す
る細菌を小数の試験管に移す。細菌を溶解し、捕獲用プ
ローブおよび検出用プローブを加え、すでに述べたよう
な適切な溶液中、適切な温度でハイブリッド形成を進行
させる。次いで標的−プローブ複合体を含む溶液を長さ
15〜3000のデオキシチミジンホモポリマーのヌクレオチ
ドを結合した表面に、dAおよびdT間にハイブリッド形成
が起こるような条件下で接触させる。本発明の実施例で
は、dTは標的/プローブ溶液内に沈んだプラスチックの
“計深棒(dipstick)”に結合している。もしイエルシ
ニア・エンテロコリチカのリボソームRNAが試験試料中
に存在するならば、dA尾のついたイエルシニア・エンテ
ロコリチカ−特異的捕獲用プローブは存在する標的のrR
NA配列とハイブリッド形成し、さらには計深棒をも捕え
るであろう。ハイブリッド形成しなかった核酸および細
胞砕片を洗い流し、dA−dT二重らせんで表面にくっつい
た捕獲されたDNA−RNA複合物を遊離させた。正しい標的
核酸が存在する場合のみ、報告用プローブもまた、相互
作用の鎖=捕獲用表面−dT:dA−捕獲用プローブ:標
的:報告用プローブで計深棒に結合する。次いで、リガ
ンドで誘導化(例えばフルオレセイン化)した報告用プ
ローブ結合物を、リガンド結合剤−酵素複合体(例え
ば、抗フルオレセイン(anti−fluroscein):アルカリ
ホスファターゼ、ストレプトアビジン(streptavidi
n):西洋わさびのペルオキシダーゼ等)の添加によっ
て検出する。次いで、検出用複合体が特異的に結合でき
る条件下でインキュベーション(incubation)し、非結
合酵素を洗って除去し、色原体基質(chromogenic subs
trate)を加えて次いで発色させ(代表的には20〜30分
間)、さらに任意の発色終了溶液を加えて、発色を比色
定量で測定する。この測定値の読み(代表的には0.2〜
2.0のO.D.単位の範囲)を陰性の対照標準のレベルと比
べ、閾値あるいはカットオフ値を設定して、実験レベル
で“意味のある”定量を行なった。第4表および第5表
に、いろいろなイエルシニア(第4表)およびイエルシ
ニア以外(第5表)の細菌の純水培養物を用いた。その
ような実験の1つの結果を示した。
実施例1−具体例 毎日のあるいは肉製品の試料に対して、試料中のイエ
ルシニア・エンテロコリチカを最初に増殖させるため
に、25gの食物試料を225mlのイエルシニア増殖用培地
〔PSBB,ペプトン−ソルビトール−胆汁−培地:蒸留水
1中リン酸ナトリウム(二塩基)8.23g、リン酸ナト
リウム(一塩基)1.2g、胆汁塩#3を1.5g、ソルビトー
ル5g、ペプトン10g〕に加えた。混合物を個々の試料の
種類にふさわしい方法として混合機あるいはstomacher
を用いて均一化し、次いで容器中で20〜28時間、最も好
適には24時間、20〜35℃の間で、最も好適には35℃でイ
ンキュベーションした。
環境試験では、綿棒あるいはこれ以外の環境試料を25
ml(あるいは必要があればより大容量)のPSBBを含有す
るフラスコあるいは容器内に入れ、20〜28時間、最も好
適には24時間、20〜35℃の間で、最も好適には35℃でイ
ンキュベーションした。
次いですべての種類の試料に対する二度目の増殖を行
なった。最初の増殖培養液をインキュベーターから取り
出し、より混合した。最初の増殖培養液から1ml(ある
いは10ml)を10ml(あるいは100ml)のPSBBを入れた試
験管あるいは容器に移し、24±4時間、20〜35℃、最も
好適には35℃でインキュベーションした。
0.45mlの培養細胞を0.05mlの溶解用溶液(1.25N−NaO
H)に加え、室温(15〜30℃)で5分間インキュベーシ
ョンすることによって処理した。細胞溶解液に0.1mlの
中和用緩衝液(KPO4:NaPO4=1:1,4M)を加えて中和し
た。それぞれの試料から遊離した核酸に0.05mlの特異的
捕獲用および検出用プローブのセット(1.4〜2.8mg/ml
の好適な捕獲用プローブのセット880/926,880/926シリ
ーズのプローブとは異なる組合せでも使用できる;およ
び2〜4mg/mlの検出用プローブ1071)を加えて、遊離し
た核酸を検出した。捕獲用計深棒のセットを細菌溶解液
および特異的なプローブのセットを入れた試験管内に入
れた。中身を65℃水浴中で60分間インキュベーション
し、特異的な捕獲用および報告用プローブと標的核酸と
のハイブリッド形成、ならびにこれらの特異的DNA/rRNA
ハイブリッドの計深棒への捕獲を可能にした。
ハイブリッド形成後、計深棒はその活性部分をおおう
ために十分量の洗滌溶液〔50mMトリスpH7.5,150mM NaC
l,2mM EDTA,および0.1%ツイーン(Tween)20〕を入れ
た洗滌用容器の中に計深棒を浸すことによって洗滌し
た。さらにこの操作を新しい洗滌溶液中でくり返した。
洗滌した計深棒を洗滌用容器から取り出し、吸い取り
紙で吸い取って(blot)乾燥させ、0.75mlの抗体−酵素
接合体(洗滌溶液で希釈した抗フルオレセイン(anti−
fluorescein)−西洋わさびペルオキシダーゼ)を入れ
た試験管のセットの中に入れ、室温で20分間インキュベ
ーションした。
抗原−抗体反応を起こさせた後、計深棒を試験管から
取り出し、上述の2つのパラグラフに述べたのと同じ方
法で洗滌し、吸い取り紙で吸い取って乾燥させた。計深
棒を基質−色原体混合物を入れた標識用試験管のセット
の中に入れ、さらに室温で20〜30分間インキュベーショ
ンした。次いで計深棒を取り出し、発色段階を0.25mlの
4N塩酸を加えることによって終了させた。試料の光学濃
度を比色定量した。
通常、(イエルシニア・エンテロコリチカ以外の細菌
より選択した細菌から調製した)3種類の陰性対照標準
の平均値を得、3種類の陰性対照標準の平均O.D.×2.5
に等しい値をカットオフ値として選んだ。高いO.D.値の
試料チューブをイエルシニア・エンテロコリチカ陽性と
考え、低いO.D.値のそれにはイエルシニア・エンテロコ
リチカが存在しないと考えた。結果を第6表に示す。
本発明の説明はrRNAの検出に関して触れたものだが、
ここに記載したプローブおよびここに記載したそれらに
対するプローブの相補性はまたrRNAをコードした遺伝子
(DNA)を検出するためにも有効であり、従ってそのよ
うなプローブはここに記載したプローブと等価であると
考えられ、本発明の精神および範囲ならびに特許請求の
範囲内に含まれることは容易に理解されるであろう。
フロントページの続き (72)発明者 セオドアー・ビー・ピットマン アメリカ合衆国マサチューセッツ州 01940,リンフィールド,ヴォークス・ テラス 15 (72)発明者 デービッド・ジェイ・レーン アメリカ合衆国マサチューセッツ州 01757,ミルフォード,オリオール・ド ライブ 9 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 1/68 C12N 1/04 C12N 15/31 WPI(DIALOG) BIOSYS(DIALOG) Genbank/EMBL/ODBJ(G enetyx)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イエルシニア・エンテロコリチカ(Yersin
    ia enterocolitica)標的核酸セグメント5′−GGAAGG
    CCAAUAACUUAAUACGUUGUUGGAUUGACG−3′または当該標的
    核酸セグメントの相補体に、あらかじめ定められた条件
    下でハイブリダイズし、そして、非イエルシニア・エン
    テロコリチカのrRNAまたはDNAには前記あらかじめ定め
    られた条件下でハイブリダイズしない核酸プローブであ
    って、以下のプローブ5′−CAATCCAACAACGTATTAAGTTAT
    TGGCCT−3′およびプローブ5′−CGTCAATCCAACAACGTA
    TTAAGTTATTGGCCTTCC−3′からなるグループから選択さ
    れる、前記核酸プローブ。
  2. 【請求項2】イエルシニア・エンテロコリチカ(Yersin
    ia enterocolitica)標的核酸セグメント5′−GGAAGG
    CAUAAAGGUUAAUAACCUUUGUGAUUGACG−3′または当該標的
    核酸セグメントの相補体に、あらかじめ定められた条件
    下でハイブリダイズし、そして、非イエルシニア・エン
    テロコリチカのrRNAまたはDNAには前記あらかじめ定め
    られた条件下でハイブリダイズしない核酸プローブであ
    って、以下のプローブa)−e)からなるグループから
    選択される、前記核酸プローブ。
  3. 【請求項3】イエルシニア・エンテロコリチカ(Yersin
    ia enterocolitica)標的核酸セグメント5′−GGAAGG
    CCAAUAACUUAAUACGUUGUUGGAUUGACG−3′または当該標的
    核酸セグメントの相補体にハイブリダイズする第1核酸
    プローブであって、以下のプローブa)−b)からなる
    グループから選択される、前記第1核酸プローブ イエルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enteroco
    litica)標的核酸セグメント5′−GGAAGGCAUAAAGGUUAA
    UAACCUUUGUGAUUGACG−3′または当該標的核酸セグメン
    トの相補体にハイブリダイズする第2核酸プローブであ
    って、以下のプローブa)−e)からなるグループから
    選択される、前記第2核酸プローブ を含む、核酸プローブのセット。
  4. 【請求項4】試料中のイエルシニア・エンテロコリチカ
    (Yersinia enterocolitica)の存在を検出する方法で
    あって、 a)試料中の核酸がハイブリダイゼーションに適するよ
    うに試料を処理し; b)工程a)のように処理された試料を、検出可能な核
    酸プローブと接触させ、ここにおいて前記プローブは、
    60℃において、14−16時間、0.9M NaCl、0.12M Tris
    −HCl、pH7.8、6mM EDTA、0.1M KPO4、0.1%SDS、0.1
    %ピロリン酸、0.002%フィコール、0.02%BSAおよび0.
    002%ポリビニルピロリジンを含むハイブリダイゼーシ
    ョン溶液中で処理し、次いで、0.03M NaCl、0.004M T
    ris−HCl、pH7.8、0.02mM EDTAおよび0.1%SDSを含む
    溶液中60℃で、15分のハイブリダイゼーション後洗浄を
    3回行うと、イエルシニア・エンテロコリチカ標的核酸
    セグメントにハイブリダイズでき、そして、以下のi)
    −vii)からなるグループから選択されるものである c)非特異的に結合した検出可能な核酸プローブを除去
    するために洗浄し; d)試料中のイエルシニア・エンテロコリチカの存在の
    指標として、特異的に結合した検出可能な核酸プローブ
    の存在を検出する 工程を含む、前記方法。
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