JP2800918B2 - タイミングベルト緊張装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は、２軸心間に張設されるタイミングベルト緊
張装置に関し、例えばミシンのドライバー駆動装置と
か、コンピユーターのプリンター駆動装置等に利用され
る。 （従来の技術） 従来、この種のタイミングベルト緊張装置では、２軸
中心間に張設されたベルトのユルミを補正するため、一
般にその一方側（ユルミ側）にテンシヨンプーリーを当
接させ付勢してユルミ取りが行われた。 （発明が解決しようとする問題点） しかし、ベルト駆動プーリーの構成が一方向の回転の
みでなく、所望タイミングで反対回転を行い、或いは反
復往復回転をなす駆動方式の場合は、２軸間に張架した
タイミングベルトに生ずる張り側とユルミ側は、相対的
に逆方向、或いは反復移動することとなる。従つて、こ
の場合は一方向側のみにテンシヨンプーリーを設けたの
では、満足に用を達し得ない不都合が生ずる。 本発明では、この駆動プーリーの回転方向如何に関わ
らず、ベルトに所望のテンシヨンを付加し得るように計
つたものである。 〔発明の構成〕 （問題点を解決するための手段） 本発明においては、上記課題を解決するため、次のよ
うな手段を講じた。即ち、駆動軸側と従動軸側との間に
張架されたタイミングベルトの、張り側とユルミ側の双
方に、それぞれ一個のテンシヨンプーリーをベルト側に
対接させ、該ベルトを押圧付荷するようにした。 そして、このそれぞれのテンシヨンプーリーを、単一
の支持台に、そのプーリーの外周部が互いに向合う形態
で、回動自在に取付けた。尚、前記支持台は、前記駆動
軸と従動軸の両軸心を結ぶ線上に、その取付位置を移動
調整可能とした。 また、各テンシヨンプーリーが互いに向合う外周部の
間隔は、前記タイミングベルトの張り側とユルミ側とで
なす張架角度の最小部（駆動車と従動車のベルト係合部
に径の差がある場合）をも、挟着付荷できるだけの距離
とした。即ち、張設したタイミングベルトを、対向する
テンシヨンプーリー夫々の間隔を有する外周部で挟み、
その位置を移動調整できるようにした。 （作用） １個の支持台に、対向して配置されたそれぞれのテン
シヨンプーリーは、その外周縁で一方がタイミングベル
トの張り側に、他方がユルミ側（その逆も成立）に対接
し、付荷する。従つて、このプーリーの押着力により、
ベルトのユルミが補正される。そして、支持台を駆動軸
の軸心と従動軸の軸心を結ぶ直線に沿って移動すること
により、ユルミ補正の度合調整が加減される。 （実施例） 添付図面に基づき、本発明のミシンを応用した実施例
について説明する。 第１及び２図において、１は機枠で、２は上軸、３は
釜駆動ギヤーで前記上軸２にネジ４で固着されている。
５は下記するクランクギヤー（Ｕ）の取付板で、前記機
枠１の背面から突出するボス部1a,1b,1cにネジ６の夫々
で固定される。 ７はクランク板で、該クランク板７にはロツドピン８
が固着され、前記上軸２に直交して前記取付板５に固定
し突出するクランクギヤー（Ｕ）９に遊嵌される。而し
て前記クランク板７のボス部7aには、クランクギヤー軸
（Ｕ）10が一体的に嵌着され、該クランクギヤー（Ｕ）
10は前記釜駆動ギヤー３と噛合つている。 11はベツド部を示し、12は前記上方のクランクギヤー
軸（Ｕ）９の下方に位置する、上軸と直交したクランク
ギヤー軸（Ｌ）である。 このクランクギヤー軸（Ｌ）12上には、ロツドピン13
が固着された駆動クランク板14と、裏面に配置された固
定板15との間で、ネジ16により圧着固定されたクランク
ギヤー（Ｌ）（駆動車）17が遊着される。而して、前記
上下のロツドピン８と13との間では、クランクロツド18
で連結され、前記上方のクランクギヤー（Ｕ）10の回動
により、下方のクランクギヤー（Ｌ）（駆動車）17は往
復回動する。 また、ベツド11の左方には、前記クランクギヤー軸
（Ｌ）12と平行して、ドライバー軸19が固定される（第
３図）。第４図をみて分るように、ネジ20で固定された
このドライバー軸19上には、タイミングギヤー（従動
車）歯部21、送り歯に上下動を与える上下送りカム部2
2、周知の形状の中釜駆動部23を一体的に形成したドラ
イバー24が、回転可能に遊嵌されネジ25でそのスラスト
止めがなされている。 また、前記ドライバー軸19と、クランクギヤー軸
（Ｌ）12の双方軸間には、前記ドライバー24のタイミン
グギヤー（従動車）歯部21と、下部のクランクギヤー
（Ｌ）（駆動車）17とに噛合う釜駆動のタイミングベル
ト26が張設される。そして、このタイミングベルト26の
張り側及びユルミ側に、夫々１個の回転テンシヨンプー
リー27,27が当接するように、これを支承する支持台28
が、移動調整可能に、前記双方軸19及び12の軸中心を結
ぶ線上に、ネジ29でセツトされている。 従つて、前記テンシヨンプーリー27により、タイミン
グベルト26に張力が付加され、その張力は支持台28の位
置調整を行うことにより調整を可能とされている（第1,
3図）。 30は大釜の本体で、該大釜30は前記ドライバー軸19と
同心上に、中釜36の収納部を備え、その周辺に、ドライ
バー24の駆動伝達動力部を覆う形態をなす取付部31が形
成され、該取付部31が、ベツド11から突出するボス部32
にネジ33で固定されている（第3,4図）。 今、モーター34で駆動すると、ハズミ車35を介して上
軸２、上方のクランクギヤー（Ｕ）10が回転し、クラン
クロツド18を介して、下部のクランクギヤー（Ｌ）（駆
動車）17が往復回転する。そして釜駆動のタイミングベ
ルト26によつて、タイミングギヤー歯部（従動車）21を
通じ、ドライバー24に所定の往復回転が与えられる。そ
こで、大釜30に収納さた中釜36は、前記ドライバーの往
復回転により、追従回転運動を行う。 〔発明の効果〕 一般にこの種タイミングベルト装置では、騒音の発生
を低くおさえるために、その噛合歯形が比較的小さく設
計される。加えてベルトの材質は柔軟性を有するため、
回転中のベルトにジヤンピング（歯トビ）現象を生ずる
恐れがある。本発明装置では、ベクトをテンシヨンプー
リーで挟着することにより、ギヤーとベルトとの噛合い
角度を深くでき、前記ジヤンピング現象の発生を防止す
ることができ、確実な伝導が行える。 また、ベルトの両側に均等な張力を付加し得ると共
に、組付，調整が容易で、構成も簡単なため低コスト化
に貢献する。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明装置実施例の説明図（一部断面）、第２
及び３図は第１図のＡ−Ａ矢線示方向断面図及びＢ−Ｂ
矢線方向視図、第４図は第３図のＣ−Ｃ線断面拡大図で
ある。 １……機枠,2……上軸， ３……釜駆動ギヤー， 10,17……クランクギヤー， 18……クランクロツド， 21……タイミングギヤー歯部， 22……上下送りカム部， 23……中釜駆動部,24……ドライバー， 26……タイミングベルト， 27……テンシヨンプーリー， 28……支持台。

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．一方の軸からギャーを介して上下動するクランクロ
   ッド、該クランクロッドにより往復回転する他方に設け
   た前記一方の軸と直交する軸上の駆動車、大釜のドライ
   バー軸に連結された従動車および前記駆動車と前記従動
   車との間に張設された可とう性タイミングベルトを備え
   たミシンの駆動伝達装置において、前記タイミングベル
   トの張り側、ユルミ側に、それぞれ１個のテンションプ
   ーリーを回転自在に当接せしめ、これらプーリーを支承
   する支持する支持台を、前記当接を保持しながら、前記
   駆動車と前記従動車の軸心を結線に沿って移動調整可能
   となしたタイミングベルト緊張装置。