JP2799810B2 - レンズ製造装置およびレンズを作る方法 - Google Patents

レンズ製造装置およびレンズを作る方法

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JP2799810B2 JP5043176A JP4317693A JP2799810B2 JP 2799810 B2 JP2799810 B2 JP 2799810B2 JP 5043176 A JP5043176 A JP 5043176A JP 4317693 A JP4317693 A JP 4317693A JP 2799810 B2 JP2799810 B2 JP 2799810B2
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リプスコム エヌ.,ソーントン
オマール,エム.ブアザ
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般に、プラスチックレ
ンズ形成物質を用いてプラスチックレンズを作るための
方法及び装置に関し、その一局面では眼鏡などでの使用
のための矯正又は平面プラスチックレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】光学レンズは、熱硬化法によりジエチレ
ングリコ―ルビス(アリル)カーボネート(DEG‐B
AC)のポリマーから作られてきた。しかし、光学レン
ズを作るためDEG‐BACを重合するこれら方法は、
いくつかの不利な点および欠点を有する。最も重大な欠
点の一つは、この方法に従ってレンズを作るのに約12時
間かかり、従ってレンズ成形型は1日に最大2個のレン
ズを作りうるということである。
【0003】また、DEG‐BACと触媒の重合しうる
混合物が、冷凍下でさえゆっくり重合するように、熱硬
化プロセスは熱触媒を用いる。従って、重合性混合物は
極めて短いシェルフライフを有し、短時間内に使用され
ねばならず、さもなくば容器内で硬くなってしまう。
【0004】また、この方法で用いられる熱触媒は極め
て揮発性であり、作業現場に危険であり、取扱いに極度
の注意を要する。
【0005】キャビティに面するレンズ形成表面及び外
側の対向する表面を夫々有する一対の間隔を置かれた離
れた型の間で部分的に規定された型キャビティ中に、液
状モノマーと感光性開始剤を含むレンズ形成物質を入
れ、そして型の少くとも一つの外側表面に紫外光線を照
射してキャビティ内のレンズ形成物質に作用させてレン
ズを作ることによる、プラスチックレンズの形成が米国
特許第 4,166,088号明細書に開示されている。
【0006】外部加熱源による型キャビティ中のレンズ
形成物質の加熱が米国特許第 3,038,210号及び第 3,22
2,432号明細書に開示されている。
【0007】プラスチックを硬化させるための 320〜45
0nm の範囲の波長を持つ紫外光を発生する装置が米国特
許第 4,298,005号明細書に開示されている。
【0008】DEG‐BACのポリマーは、望ましい光
学的及び機械的特性を示す。これらの特性は、高い光透
過、高い透明性、及び高い屈折率、ならびに高い摩擦及
び衝撃抵抗性を包含する。過去においてこれら特性はD
EG‐BACを、高品質レンズ、顔面シールド、サング
ラス及び安全グラスの製造において最も用いられるモノ
マーの一つとなした。しかし、DEG‐BACの他の特
性、たとえばその重合の遅い速度は、これら物品の製造
において、これを望ましくないモノマーとなす。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の一面は、プラス
チックレンズ、たとえば眼鏡などで用いられる光学レン
ズを作る方法及び装置を提供することである。
【0010】本発明の別の一面は、プラスチックレンズ
の製造の間のその黄変を低減することである。
【0011】プラスチックレンズの黄変は、レンズ形成
物質を形成するのに用いられる成分に依存することが判
っている。
【0012】本発明の一実施態様に従い、レンズ形成物
質(組成物)は、ジエチレングリコール ビス(アリル
カーボネート)(DEG−BAC)、および照射硬化さ
れることができて、優れた光学的品質を有する硬く、丈
夫な、透明な、歪のないポリマー物質を作る一又は多官
能性アクリレートモノマーの一種以上を含有する。この
組成物は更に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェ
ニル−プロパン−1−オン及び1−ヒドロキシ−シクロ
ヘキシル フェニル ケトンより成る群から好ましくは
選択される適当な光開始剤を含有する。好ましくは、こ
の組成物の一又は多官能性アクリレートモノマーは、テ
トラヒドロフルフリル アクリレート(TFFA)、ト
リメチロール プロパン トリアクリレート(TMPT
A)及びテトラヒドロフルフリル メタクリレート(T
FFMA)から選択される。
【0013】本発明の別の目的は、2時間未満、好まし
くは1時間未満で作りうるプラスチックレンズを提供す
ることである。
【0014】本発明の別の目的は、ゆがみ、ヒビ、パタ
ーン、しま、キズ又は収差を有さないプラスチックレン
ズを提供することである。
【0015】また、本発明の別の目的は、硬く、強くか
つ耐久性があり、高温で極めて少しの撓みしか持たない
プラスチックレンズを提供することである。
【0016】また、本発明の別の目的は、成形装置から
容易に取出せるプラスチックレンズを提供することであ
る。
【0017】上記の及び他の目的を達成するために、本
発明の別の実施態様に従いレンズ形成物質は、後述する
式(I)で示される芳香族性を有するビス(アリルカー
ボネート)−官能性モノマー、及びアクリロイルオキシ
及びメタクリロイルオキシから選ばれた二つのエチレン
性不飽和基を含む少くとも一つの多エチレン官能性モノ
マーを含む。該レンズ形成物質は更に、適当な光開始剤
を含有し、また所望によりアクリロイルオキシ及びメタ
クリロイルオキシから選ばれた三つのエチレン性不飽和
基を持つ多エチレン官能性モノマー、スチレン、離型剤
及び染料の一以上を含有する。
【0018】本発明の別の実施態様に従い、レンズ形成
物質は、アクリロイルオキシ及びメタクリロイルオキシ
より選ばれた二つのエチレン性不飽和基を含む多エチレ
ン官能性モノマーの少くとも一種を含有する。該レンズ
形成物質は更に、適当な光開始剤を含有し、また所望に
よりアクリロイルオキシ及びメタクリロイルオキシから
選ばれた三つのエチレン性不飽和基を持つ多エチレン官
能性モノマー、スチレン、離型剤及び染料の一以上を含
有する。
【0019】本発明の更に別の実施態様に従い、レンズ
形成物質は、アクリロイルオキシ及びメタクリロイルオ
キシから選ばれた三つのエチレン性不飽和基を含む多エ
チレン官能性モノマーを含む。該レンズ形成物質は更
に、適当な光開始剤を含有し、また所望により、後述す
る式(I)で示される芳香族性を有するビス(アリルカ
ーボネート)−官能性モノマー、スチレン、離型剤及び
染料の一以上を含有する。
【0020】本発明のレンズ形成物質、方法及び装置の
上記の簡単な説明ならびに更なる目的、特徴及び利点
は、添付図面を参照して本発明に従う目下の好ましい、
しかし例示的な実施態様の下記の詳細な記載を見ること
により、より十分に理解されるであろう。
【0021】以下では本発明の種々の面を特に眼鏡で用
いるプラスチックレンズの製造に適合されるように例示
し、記述するが、他の用途のレンズ、たとえば安全眼
鏡、紫外線フィルター、ならびに機器観測、写真及び光
濾過のための高品質光学用途のレンズをも作りうること
が理解されねばならない。
【0022】従って本発明は、図に示される実施態様の
みに限定されない。なぜなら、図は本発明の広範囲の用
途の一つを例示するためのみに用いられているからであ
る。
【0023】図1において、本発明のプラスチックレン
ズは一般的に引用数字10により示されている。プラスチ
ックレンズ10は、図2及び図3において引用数字11によ
り一般に示されかつ下記で説明される本発明の装置によ
り形成されうる。本発明の紫外光硬化されたプラスチッ
クレンズ10は、たとえば米国特許第 3,038,210号及び第
3,222,432号明細書に記載される様式(引用することに
よりこれら開示を本明細書に詳しく取り込む)での熱硬
化法により形成されたレンズよりも実質的に短い時間で
形成できる。熱的に硬化されたプラスチックレンズを形
成するには約8〜14時間を要するが、本発明の組成、方
法及び装置11の一実施態様に従いプラスチックレンズは
2時間未満で形成できる。
【0024】図2及び図3に示すように、本発明の装置
11は、紫外光線の透過を許す任意の適当な材料から作ら
れた適当に形作られた一対の型部材12を含む。型部材12
は好ましくは、ガラスから作られる。各型部材12は、一
つの外側の外周表面13及び一対の対向する表面14及び15
を有し、表面14は正確に研摩されている。好ましい実施
態様において、表面15は、紫外光の実質的に均一な分布
を助けかつ紫外光の不連続な強度勾配の発生を妨げるた
めに、つや消しされる。好ましくは、型は望ましい紫外
光透過特性を有し、型表面は好ましくは表面ひっかきキ
ズ又は他の欠陥を有さない。
【0025】型部材12は、向きあう表面14の間で型キャ
ビティ16を規定すべく間隔を置いて離れた関係に保持さ
れるよう適合される。型部材12は、型部材12の外部から
キャビティ16をシールするT形の可撓性の環状ガスケッ
ト17によって、間隔を置かれて離れた関係に保持され
る。型部材12は、好ましくは適当なスプリング力たとえ
ば図に示される引張スプリング19により与えられるスプ
リング力によって互に保持される一対の環状把持部材18
によって、シーリングガスケット17と組立てられた関係
に保持される。
【0026】図3に示される本発明の実施態様のこの様
式において、得られる型キャビティ16が望む構造のレン
ズ10を形成するよう形取られるように、上方の型部材12
は凹内表面14を有し、一方、下方の型部材12は凸内表面
14を有する。即ち、望む表面14を持つ型部材12を選択す
ることにより、種々の特性たとえば焦点距離のレンズ10
を装置11により作ることができる。その技術は、当業者
に周知であり、従ってここで述べない。
【0027】一実施態様において、本発明の装置11は、
紫外線光を型部材12の外側表面15に向けるための装置20
を含む。紫外光線は型部材12を通過し、後述のように型
キャビティ16内に置かれたレンズ形成物質21に作用し
て、レンズ10を形成する。各装置20は、型部材12の外に
配置された紫外線発生装置22を含み、各装置22からの紫
外線の光線(図示せず)は、適当に形作られたフードタ
イプ反射板23により反射される。反射された紫外光線は
適当なフィルター24を通過して、型部材12の外表面15に
対して向かう。本発明の一実施態様において、各装置20
は、米国特許第 4,298,005号明細書(引用することによ
ってこれを詳細にここに組入れる)に開示された照射装
置と類似である。
【0028】本発明の一実施態様において、各光源又は
装置22は好ましくは、重金属添加物たとえば鉄を伴う高
圧水銀ランプを含む。このタイプのランプは、 320nm範
囲の著しい量のエネルギーを作る。同じ結果を達成する
ために、標準の水銀紫外線源を長期間用いることもでき
る。
【0029】各装置22のためのフィルター24は好ましく
は、約 300nmより下の波長を持つ紫外線を濾過除外し、
それによって型キャビティ16内での過度の熱蓄積を防ぐ
パイレックス(Pyrex)ガラス板を含む。型キャビティ16
内のレンズ形成物質21は、型構造に冷却空気を通すこと
によって、硬化サイクルの間、冷却される。
【0030】この実施態様に従い、紫外線発生装置20
は、約 300nm〜400 nmの範囲の紫外線でレンズ形成物質
21を照射することが好ましい。なぜなら、物質21を硬化
させる効果的な波長スペクトルは 300nm〜400nm の範囲
にあるからである。
【0031】各フィルター24を一つのフィルター部材と
して図示し記述したが、各フィルター24が複数のフィル
ター部材を含みうること、又は所望のように約 300nmよ
り下の波長の紫外線を濾過除去するのに有効な任意の他
の装置を含みうることが当業者には認識されるであろ
う。
【0032】またこの実施態様に従い、ガラス型部材12
は、約 300nmより下の波長の紫外線放射が通過するのを
許さないであろう材料から作られる。そのような材料の
一つは、ペンシルバニア州,デュリアのショットオプチ
カルグラス社(Schott Optical Glass Inc.)により製造
販売されているSchott CrownまたはS‐1ガラスであ
る。
【0033】本発明の好ましい実施態様に従い、型部材
12の外表面15は、つや消しされる。光線照射装置20と組
合せた型部材12の外表面15のつや消しは、型キャビティ
16全体において鋭い不連続性を有さない紫外線を提供
し、それによってレンズ10における光学的ゆがみの低減
をもたらす。また、物質21の中心に達する各装置20から
の放射の約50%の、物質21の水平方向及び垂直方向にお
ける紫外照射の鋭い勾配がないことが望ましい。十分な
放射が物質21の中心に達することを保証するために、光
線照射装置20と反対の型キャビティ側で1mW/cm2 の紫
外線を測定できなければならない。また、光開始剤以外
の、 300〜400nm の範囲の紫外線を吸収する、レンズ形
成物質21の何らかの成分は、レンズ形成物質21から除去
されなければならない。
【0034】一般に、熱の代りに光が重合反応の主な駆
動力であることの他は、光化学硬化系と熱硬化系とは類
似である。しかし、熱硬化と違って紫外線によるレンズ
の硬化は、良好なレンズを作るために克服すべき多くの
問題を与える。これら問題のうち最も面倒なものは、レ
ンズの黄変、レンズのヒビ、レンズにおけるパターンの
発生、及び型からのレンズの早すぎる型離れ(release
)を包含する。
【0035】出来上ったレンズの黄変は、モノマー組
成、紫外線の強さ、光開始剤の種類および光開始剤の濃
度に関係することが判っている。光開始剤の作用が最も
強いが、他の夫々も一役を演じる。
【0036】レンズ、特に中心が厚い正のレンズを注型
するとき、ヒビは極めて重大な問題である。光化学付加
重合反応を包含する付加重合反応は発熱的である。プロ
セスの間に大きな温度勾配が出来、生じた応力がレンズ
にヒビを入らせる傾向にある。正のレンズでは重合プロ
セスで発生した熱をレンズの表面に移行させ、ヒビを避
けるに十分な早さで消散させることがより困難であると
考えられる。
【0037】また、レンズ形成物質が、もろくなる傾向
のモノマーを含む場合、レンズはよりヒビ入りやすい。
何らの添加物又はコモノマーなしのDEG−BACは、
極めて硬いが幾分もろいポリマーを作り、これは極めて
ヒビ入りやすい。加えて、添加物なしのDEG−BAC
は、型に非常に強く粘着する傾向がある。レンズの一部
が型に強く粘着すると、ヒビがしばしば生じる。
【0038】重合反応があまりに早く進行する場合、ヒ
ビ入りをもたらす、系中の熱蓄積は避けられない。レン
ズ形成物質の中心と室温との間の温度差が大きくなる
と、ヒビ入りの可能性が大きくなる。重合プロセスの間
に、レンズにヒビを入れる傾向のあるいくつかの力、た
とえば収縮、粘着及び熱勾配が働く。レンズにヒビを入
れる傾向のある他の力は、照射が停止されてレンズが冷
却される時に(特にもし反応セルがあまりに早く放冷さ
れるなら)、生じる。
【0039】出来上ったレンズにおけるゆがみは極めて
やっかいである。もし入射する紫外線が鋭い不連続性を
持つなら、出来上ったレンズにおいて見うるゆがみパタ
ーンが現われうる。入射紫外線は出来るだけ均一にされ
たが、DEG−BACのみから許容しうる製品を作るこ
とは困難であると判った。ゆがみを低減するために、レ
ンズ形成物質に添加物を含めることが好ましいと決定さ
れた。
【0040】DEG−BACを添加物又はコモノマーと
混合することにより、そのヒビ入りの傾向が減少される
ことが判った。添加物又はコモノマーを伴うDEG−B
ACの原料組成を変えることにより、硬く丈夫な物質か
らゴム状物質までの種々の物質を作ることができた。D
EG−BACを含むレンズ形成物質の重合速度は、アク
リレート基を含む一以上の化合物、たとえばテトラエチ
レングリコール ジアクリレート(TTEGDA)、ト
リプロピレングリコール ジアクリレート(TRPGD
A)、トリメチロールプロパン トリアクリレート(T
MPTA)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート
(TFFMA)及びテトラヒドロフルフリルアクリレー
ト(TFFA)を入れることによって増大された。DE
G−BACを含むレンズ形成物質の重合速度を増す傾向
のある他の化合物もまた含まれることができることを当
業者は認識するであろう。
【0041】TTEGDAは、重合の総体的速度を増す
傾向があり、かつ出来上ったレンズの黄変の量を低減す
る傾向がある。TTEGDAはしかし、レンズのヒビ入
りを増す傾向もある。TRPGDAも重合速度を増す。
TMPTA及びTFFMAは、出来上ったレンズにおけ
るパターン及び干渉縞の発生を防ぐ傾向がある。TFF
Aは、出来上ったレンズにおけるヒビ入り及びパターン
の発生を低減する傾向がある。TFFAはまた、レンズ
が型に粘着する程度を減少させる傾向がある。好ましく
は、上述の望ましい効果を得るために、12〜25重量
%のTFFAがレンズ形成物質に含められる。好ましく
は、25重量%より多いTFFAは含められない。なぜ
なら、25%より多い割合は出来上りのレンズの硬度を
低下させる傾向があるからである。
【0042】欠陥又は収差のないレンズの製造に対する
妨害は、対流の筋又は光学的不均一性の生成である。こ
れら欠陥は一般に、パターン又は波状パターンと呼ばれ
る。
【0043】これら欠陥の生成は通常、レンズ形成物質
が液状からゲル状へ移行する間の重合反応の初期段階で
起る。ひとたびパターンが生じると、それを除去するこ
とは殆ど不可能である。ゲル化が起るときに、急速な温
度上昇がある。正のレンズでは、温度上昇は85℃に達
することができ、これはしばしばレンズ破壊をもたら
す。発熱重合段階が温度上昇を起し、これは次に重合速
度の増大を起し、これが更に温度上昇を起す。もし環境
との熱交換が十分でないなら、熱的に生じる筋及びまた
破壊さえの出現をもたらす暴走状況があるであろう。重
合速度はゲル化点で急速に増大するので、これが反応の
重要な段階(フェーズ)である。
【0044】本発明に従う最良品質のレンズは、あまり
早くなく、かつあまり遅くないスムーズな反応プロセス
から得られることが判った。熱が環境と交換されえない
程に早いプロセスによって熱が発生されてはならない。
あまりに多い入射光はあまりに早く反応を進めるので、
入射紫外線強度は調節されなければならない。また、ガ
スケットと型の間のシールは出来るだけ完全でなければ
ならない。
【0045】パターンのないレンズの製造をもたらす条
件は、 (1)ガスケットと型の間に良好なシールが達成さ
れる; (2)型表面に欠陥がない; (3)温度上昇の妥当な
速度を作る開始剤の適当な濃度を持つ処方が用いられ
る; (4)処方が均一である;及び (5)収縮が最小にされ
る時である。本発明のプロセスは、これら条件を最大に
する様式で行われる。
【0046】型からのレンズの早すぎる取出しは、不完
全に硬化されたレンズ及びレンズ欠陥の発生を結果する
であろう。早すぎる取出しに寄与する要因は、 (1)不十
分に組立てられた型; (2)サンプル端部の周りの空気泡
の存在; (3)サンプルの一部を光からさえぎること;
(4)ガスケットリップ又は型エッジにおける不完全さ;
(5)不適当な処方;及び(6) 大きい収縮である。本発明
のプロセスは、これら条件を最小にする様式で行われ
る。
【0047】ガスケットは、硬化プロセスの間に重要な
作用を持つことが見い出された。詳しくは、型がガスケ
ットによりあまりに堅く(too rigidly)保持されると、
早すぎる型離れが起りうる。レンズが収縮するときに型
がレンズに追従することを許すようにガスケットに十分
な可撓性がなければならない。これに関して米国特許第
3,038,210号及び第3,222,432 号明細書が参照され、こ
れらの開示は引用することにより詳しくここに組み入れ
られる。実際にレンズは、直径方向に並びに少し厚さに
おいて収縮することを許されなければならない。レンズ
とガスケットの間に粘着がある故に、ある場合にはレン
ズの破壊が起る。従って、硬化の間及び後にレンズとの
減少した粘着を持つガスケットの使用が望ましい。
【0048】レンズ形成キャビティに充填する好ましい
技術において、ガスケットは凹状型に置かれ、レンズ形
成物質が適所に注がれる。凸型が適所に動かされ、少量
のレンズ形成物質がエッジの周りから押出される。次に
この過剰分は、好ましくは真空により取除かれる。レン
ズ体の外側に逃かれて、ガスケットの上方内側と上型の
エッジの間に集まる少量の液体がまた、問題を与える。
硬化プロセスの間に、この液体は固体状態に変形し、ガ
スケット並びに型の性能に影響するであろう。すなわ
ち、上型の結合が非常に重要である。ガスケットの不良
は通常、固有のこぼれ要因の故に上方側部で起る。この
結合およびこぼれの問題を避けるために、型は好ましく
は、望ましい強さの圧力を用いて適所に締付けられ、そ
してレンズ形成物質が射出される。
【0049】上記問題にも拘らず、照射硬化されるレン
ズ成形系により提供される利点は欠点よりも明らかに大
きい。照射硬化される系の利点は、エネルギー要求、硬
化時間、及び慣用の熱系に通常伴う他の問題のかなりの
減少を含む。
【0050】本発明に従い、レンズ形成物質は任意の適
当な液状モノマー又はモノマー混合物及び任意の適当な
感光性開始剤を含むことができる。この実施態様におい
て、液状レンズ形成物質は好ましくは、品質管理のため
に濾過され、型部材12の一つからガスケット17を引張っ
て離しそしてキャビティ16内に液状レンズ形成物質21を
射出することによって型キャビティ16内に置かれる。キ
ャビティ16がそのような物質21を充填されると、ガスケ
ット17は型部材12とのシーリング関係に再び置かれる。
物質21は次に上述の様式で紫外線により、レンズ形成物
質21を硬化するのに必要な期間照射されることができ
る。型キャビティ16に入る紫外線は好ましくは、約 300
nm〜約 400nmの範囲の波長を持つ。型部材12の表面15は
好ましくはツヤ消しされる。反射板23と組合わされたツ
ヤ消し表面15は、そのような期間に紫外線が型キャビテ
ィ16内のレンズ形成物質21を通過するときに紫外線の不
連続な勾配の発生を除く。
【0051】レンズ形成物質21は好ましくは、前述のよ
うに二つの装置20を用いるのではなくて、一つの装置20
からの紫外光線を型部材12に向けることによって、上記
様式で硬化できる。
【0052】硬化されたレンズ10が型部材12を取りはず
すことにより型キャビティ16から取出されると、レンズ
10は慣用の方法たとえばその周端の研摩により更に加工
されうることが当業者には認識されるであろう。
【0053】前述のように、本発明の第一の実施態様の
一面は、硬化の間のレンズ形成物質21の黄変の防止であ
る。これを実現する一手段は、黄変の低減をもたらすレ
ンズ形成物質を提供することである。
【0054】低減された黄変をもたらすレンズ形成物質
の一成分は、光開始剤である。光開始剤は、主にフリー
ラジカル重合で用いられる取扱い困難な過酸化物のよう
な触媒に対応する光化学物質である。熱触媒は通常非常
に不安定であり、しばしば取扱いが危険である。一方、
本発明に従い用いられる紫外線光開始剤は取扱い容易で
あり、全く安全である。
【0055】一般に、本発明で用いられる光開始剤は、
300〜400 nmの範囲で紫外線吸収スペクトルを示すであ
ろう。しかし、この範囲での光開始剤の高い吸光係数
は、特に厚い正のレンズを注形するときに、望ましくな
い。下記は、本発明の範囲の代表的光開始剤化合物の例
である。
【0056】2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニ
ルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン、 2,2‐ジ‐sec ‐ブトキシアセトフ
ェノン、 2,2‐ジエトキシアセトフェノン、 2,2‐ジエ
トキシ‐2‐フェニル‐アセトフェノン、 2,2‐ジメト
キシ‐2‐フェニル‐アセトフェノン、ベンゾインメチ
ルエーテル、ベンゾイル イソブチルエーテル、ベンゾ
イル、ベンジル、ベンジル ジスルフィド、 2,4‐ジヒ
ドロキシベンゾフェノン、ベンジリデンアセトフェノ
ン、及びアセトフェノン。
【0057】加えて、重合は非常に均一に起きなければ
ならない。入射紫外線は、重合の均一性を最大にするた
めに、不連続勾配を持たないようにされねばならない。
もしレンズの一部が他部よりも早く重合すると、硬化さ
れたレンズに残る、見えるゆがみが生じうる。強く吸収
する光開始剤は、レンズ厚さの初めのミリメートルにお
いて入射光の多くを吸収して、その領域における急速な
重合を起す。残りの光は、この領域の下方ではるかに遅
い重合速度を与え、見えるゆがみを持つレンズをもたら
すであろう。理想的光開始剤は、高い活性を示し、しか
し有用な範囲でより低い減光係数を持つであろう。長い
波長における光開始剤の低い減光係数は、紫外照射光が
反応系中により深く侵入することを許す。紫外照射光の
このより深い侵入は、光開始剤ラジカルがサンプル全体
に亘って均一に生じることを可能にし、優れた全体的硬
化を与える。サンプルは、上方と下方の両方から照射さ
れることができるので、かなりの光がレンズの中心に達
する系が重要である。光開始剤の溶解性及びモノマー系
との相容性も重要な要件である。
【0058】追加の考慮は、出来上ったポリマーにおけ
る光開始剤断片の作用である。いくつかの光開始剤は、
出来上りのレンズに黄色を与える断片を発生する。その
ようなレンズは実際に極めて少しの可視光を吸収するだ
けだが、美観的に望ましくない。
【0059】一つの系において非常に有効な光開始剤が
他の系でははるかに低効果であるというように、光開始
剤はしばしば極めて特異的である。本発明の第一の実施
態様に従う系のための好ましい光開始剤は、2‐ヒドロ
キシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン及
び1‐ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトンで
ある。開始剤の種類及び濃度が、任意の特定の処方のた
めに極めて重要である。あまりに高い開始剤濃度は、レ
ンズのヒビ入り及び黄変をもたらす。あまりに低い開始
剤濃度は、不完全な重合及び軟い物質をもたらす。
【0060】特に、本発明の第一の実施態様に従い、液
状モノマーはジエチレングリコールビス(アリル)‐カ
ーボネートを含み、これと共に用いられる開始剤は、2
‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1
‐オンを含み、そのような開始剤は、レンズ形成物質の
約1〜3重量%である。組成物の残部は、モノマー単独
または好ましくは後述の添加剤とモノマーにより与えら
れる。上述の開始剤は、EMケミカルズ社からDarocur
1173(商標)として市販入手できる。
【0061】また本発明の第一の実施態様に従い、液状
モノマーはジエチレングリコールビス(アリル)‐カー
ボネートを含み、それと共に用いられる開始剤は1‐ヒ
ドロキシシクロヘキシル フェニル ケトンを含み、そ
のような開始剤は、レンズ形成物質の約2〜6重量%で
ある。組成物の残部は、モノマー単独または好ましくは
後述の添加剤とモノマーにより与えられる。上述の開始
剤は、チバ・ガイギー社からIrgacure 184(商標)とし
て市販入手できる。
【0062】本発明の第一の実施態様に従う系におい
て、上記二つの開始剤の夫々は、それが上記モノマーと
の組合せに多量に必要とされない故に、硬化操作の間の
レンズ形成物質の黄変を低減する。
【0063】たとえば、本発明の第一の実施態様に従
い、ジエチレングリコール ビス(アリル)‐カーボネ
ートが光開始剤Darocur 1173と共に用いられる場合、Da
rocur1173の好ましい量はレンズ形成物質の約 2.5重量
%である。ジエチレングリコール ビス(アリル)‐カ
ーボネートが光開始剤Irgacure 184と共に用いられる場
合、Irgacure 184の好ましい量はレンズ形成物質の約
3.3重量%である。
【0064】また本発明の第一の実施態様に従い、液状
モノマーと感光性開始剤の上記最後に述べた二つの組合
せの夫々は好ましくは、それから作られたプラスチック
レンズを改良するために一以上の添加物を含有する。
【0065】特に、そのような添加物の一つは、2‐エ
チル‐2‐(ヒドロキシメチル)‐1,3 ‐プロパンジオ
ール トリアクリレートであり、そのような添加物はレ
ンズ形成物質の約2〜4重量%であり、アルドリッヒ(A
ldrich)又はインテレッツ(Interez)から市販入手でき
る。この系において、この添加物は、プラスチックレン
ズにおける光学的ゆがみの量を低減する。
【0066】単独でまたは先に記載した添加剤と組合せ
て使用できるその他の添加剤は、1,6-ヘキサンジオール
ジアクリレート(HDDA) であり、そのような添加剤は、
レンズ形成物質の約2〜7重量%含有され、ローム テ
ク(Rohm Tech) より市販され、入手可能である。
【0067】他の添加剤、例えばTFFA(サートマー(Sar
tomer)社から入手可能)、TFFMA (サートマー社から入
手可能)およびTMPTA (アルドリッヒ(Aldrich) 社また
はインテレツ(Interez) 社から入手可能)を、上記した
ようにそれぞれ、レンズにおけるパターン(pattern) お
よび干渉縞(fringe)の発現を抑制するため、および金型
にレンズがはりつく程度を減少させるために、含有する
ことができる。
【0068】ここで、本発明の第1の実施態様を、以下
の実施例を参照して、より詳細に述べる。これらの実施
例は本発明の組成物および方法を単に説明したものであ
り、これに限定されることはない。
【0069】 ジエチレングリコールビス(アリル)カ
ーボネート(DEG−BAC)の重合における、種々の
市販に入手可能な開始剤化合物の光開始効率を、17m
W/cmの一定の光強度および3%(W/V)の開始
剤濃度で、調べた。重合速度は、1650cm−1のオ
レフィン性二重結合の伸縮振動の吸収帯を用いたIRス
ペクトルにより監視した。その結果、2−ヒドロキシ−
2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンおよび1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが、DEG
−BACの重合の開始剤として最も高い効率を有するこ
とがわかった。一方、ベンゾインおよびベンゾインエー
テルはずっと低い重合速度を与えるので、DEG−BA
Cの開始剤としては劣っている。装 置 350nm付近のUV領域のスペクトル出力を改善する
ために、少量のヨウ化鉄を含有するハノビア中圧水銀ラ
ンプ(Hanovia medium pressur
e mercury lamp)を、UV光源として使
用した。このランプは、長円形の反射鏡を備えた空冷さ
れたハウジング中に収容されていた。このランプは12
5、200および300ワット/インチ(25.4m
m)の3種の強度で一定の電力を供給するために、特別
の安定器(special stabilizer b
allast)を用いて操作された。パイレックスガラ
スの約6.35mm(1/4インチ)のフィルターを光
路に置いて、短波長のUV光を吸収した。全入射光強度
を、1cmの拡散センサー窓(diffuse−se
nsor window)を備えたデジタルラジオメー
ターにより測定した。このラジオメーターは、320〜
380nmのスペクトル範囲で、全範囲の読みが0〜2
00mW/mで操作した。
【0070】全てのIRスペクトル測定は、トリグリシン
サルフェート検出器を備えたニコレット 7199 フーリエ
変換スペクトロフォトメーター(Nicolet 7199 Fourier
Transform spectrophotometer)で行った。
【0071】開始剤/モノマー溶液のUVスペクトルを、
シマズ(Shimadzu) UV-160、マイクロコンピュータ制御
ダブルビームUV-Vis スペクトロメーターに記録した。方 法 モノマー中に開始剤を入れた3%溶液を、重量/体積を
基準として調製した。開始剤をモノマーに溶解した後、
この溶液を試験管に移し、窒素を15分間勢い良く流し
て、溶解していた酸素を一掃した。この溶液数滴を、0.
05mmのステンレス鋼スペーサーで隔てられた2枚の塩化
ナトリウムディスクにはさみ、次いで、取り外し可能な
セルマウント(cell mount)に固定した。セルを組み立て
た後、IRスペクトルをとった。次に、試料セルを所望の
時間照射し、除去し、そして直ぐにIRスペクトルで分析
した。この暴露‐IRスペクトルのサイクルを各試料につ
き7〜8回繰り返した。異なる開始剤での繰返し実験
を、以下の同様の手順で行った。IR吸収帯のピーク面積
を、DEXTER/2システムで動くSETUP コンピュータプログ
ラムを用いて計算した。結 果 図4は、2-ヒドロキシ-2- メチル-1- フェニルプロパン
-1- オン(イーエムケミカルズ(EM Chemicals)から、商
標Darocur 1173の下に市販され、入手可能)の存在下で
の、照射前および照射後のDEG-BAC のIR吸収スペクトル
を示す。興味ある点は、1650cm-1での吸収(バンドA)
の大きな減少であり、これは、DEG-BAC のアリル部位の
C=C伸縮振動による吸収である。図5に示されたよう
に、この吸収帯は、DEG-BAC の重合の程度の優れた指標
である。IR吸収スペクトルにおいて他の変化は生じてい
るが、1650cm-1での吸収帯は基本振動形式によるもので
あるので、これは不飽和含量の最も信頼性の高い基準で
ある。
【0072】DEG-BAC の残存不飽和パーセントは、以下
の等式を用いて計算した:
【0073】
【数1】 残存不飽和%=(At /Ao )・100 (1) ここで、Ao およびAt はそれぞれ、初期およびt秒間
の照射後の、バンドAの吸収ピーク面積(ベースライン
1659〜1641cm-1)である。
【0074】取り外し可能なセルを、固定したスペーサ
ーを用いて使用したが、重合反応が進行するにつれて密
度が増加するので、試料の見掛けの厚さが変化すること
が観察された。重合中にはっきりとした変化がなかった
1581cm-1での吸収帯(バンドB)を、内部標準として使
用した。正確な不飽和%を得るために、修正要素Bo
t を等式1に適用した。
【0075】
【数2】 残存不飽和%=(At /Bo )・100 /(Ao /Bt ) (2) ここで、Bo およびBt はそれぞれ、初期および重合中
の時間tでの、バンドBの吸収ピーク面積(ベースライ
ン 1592〜1572)である。代表的な試料のデータを以下
の表1に示す。
【0076】
【表1】 この手法または等式2の有効性のさらなるチェックとし
て、2つの別の分析方法、すなわち屈折率およびヨード
滴定を使用した。屈折率法は、スタークウェザーおよび
エイリッヒ(Starkweather and Eirich) により公開され
たInd.Eng.Chem.,47:2452(1955) のデータに基づき、こ
れから転化率因子が導き出される。ヨウ素値法は、ASTM
D1541-60 に記載された方法であった。結果を以下の表
2に示す。
【0077】
【表2】 等式2を用いたIR法と、これら2つの方法を比較する
と、妥当な一致が見られる。
【0078】逐次のUV照射後の重合の初期速度は、不飽
和%対時間曲線の初期部分のスロープから求めた。表3
に、室温で種々の開始剤を用いての、DEG-BAC の重合に
ついて得られた結果をまとめる。
【0079】
【表3】 すべての実行についての条件は、3%開始剤(W/V)およ
び320 〜380nm 領域における有効強度 17mW/cm2 であっ
た。その結果、2-ヒドロキシ-2- メチル-1- フェニルプ
ロパン-1- オン(イーエム ケミカルズ社から、商標Da
rocur 1173の下に市販され、入手可能)および1-ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ ガイギー(C
iba-Geigy)社から、商標Irgacure 184の下に市販され、
入手可能)が、試験した群の中で、DEG-BAC の重合に最
良の光開始剤であった。しかしながら、ビニル重合のた
めの開始剤として高い有効性を示すベンゾインエーテル
類は、DEG-BAC の光重合においてあまり有効でなかっ
た。
【0080】
【実施例2】本実施例の目的は、DEG-BAC を含有する組
成物および紫外線光開始による成形された眼鏡レンズを
製造する方法を開発することである。組成物 本照射系に関連して、DEG-BAC および光開始剤を単独で
用いて、許容できる製品を製造することは困難であるこ
とが見出された。他のモノマーの添加が、最終的に得ら
れるレンズにおける光学的および機械的特性の、最も望
ましい組合せを得るために重要であることが確認され
た。追加のモノマーは、単官能性および多官能性アクリ
レートまたはメタクリレートから選択された。
【0081】原料物質の最終組成物は、混和性で、透明
で、かつごみを含まなかった。さらに、光開始剤以外の
成分の紫外線透過は、所望の範囲で最大であった。
【0082】好ましい組成物を表4に示す。
【0083】
【表4】 反応セル 反応セルは、レンズを製造するために形作られた2つの
ガラス窓および可撓性のシリコーンまたはビニルガスケ
ットを包含する。ガラス金型はレンズ表面を再現する。
金型の内側の湾曲はガスケットの厚さと共に、レンズの
形状および倍率を制御した。良質のレンズを製造するた
めには、ガラス金型が表面にかき傷や他の傷を持たない
ことが重要であった。紫外線照射系 紫外線照射硬化に重要なスペクトル範囲は320 〜400nm
であり、この範囲で、最も有効な光開始剤が吸収し、ク
ラウングラスの金型が最大透過を許す。
【0084】入手可能な高い強度の光源のうち、鉄添加
水銀アークランプが、この好ましい範囲内で高い出力を
与え、かくしてこの系に使用された。320nmより短
い波長は、ランプから15.24〜20.32cm(6
〜8インチ)および反応セルから12.7〜17.78
cm(5〜7インチ)のところに置かれた、約6.35
mm(1/4インチ)のパイレックスガラスフィルター
によって遮られた。この短波長の遮断は、全く重要であ
ることが見出された。紫外線光源の全強度がガラス金型
に当たると、それは、ガラスによるよる短波長の強い吸
収により壊れる。この波長での少量の照射ですら、厳し
すぎて克服できない加熱問題を引き起こす。
【0085】 パイレックスガラスフィルターによって
与えられた別の利点には、ランプから普通生じる望まな
いIRの加熱問題を著しく減少させたことが含まれる。
フィルターおよび反応セルを通して空気を送風すること
によって、ランプの安定性を妨げることなく、熱を連続
して除去した。ランプから放射される紫外線は、反応セ
ルから7.62cm(3インチ)またはパイレックスガ
ラスフィルターから5.08〜10.16cm(2〜4
インチ)のところに、至近間隔で置かれたトレーシング
ペーパー2、3枚を通過した。トレーシングペーパー
は、加熱問題をさらに減少させると共に、光分布の均一
性を増加させた。
【0086】上記の条件下で、320 〜400nm の範囲での
光強度は、27 mW/cm2 (パイレックスガラスフィルター
およびトレーシングペーパーなしの場合)から減少し
て、約6〜10 mW/cm2 になり、同等の光強度においてす
ら、変更しない照射系に比べて優れた性能を有した。
【0087】あるいは、高圧水銀アークランプが、性能
に損失を与えずに螢光管で置き換えることができること
が確認された。シルバニア(Sylvania)社およびフィリッ
プス(Philips) 社の両社が、所望の範囲(320〜390nm)で
出力のほとんど全部を生成するところの許容できる螢光
管を製造している。これらのランプのバンク(bank)は、
少なくとも8 mW/cm2 を生ずることができ、この系にお
いて有効であった。これらの螢光管は、安価で、小型
で、かつはるかに低い電力を要するので、高圧水銀アー
クランプを越えた多くの利点を与える。
【0088】反応セルの両側に同時に紫外線光照射を行
うために、2個の照明源を使用した。照射における臨界
点は、重合速度が激しく増加し、反応するモノマー単位
の流動性が減少し、これが(特により厚い試料におい
て)温度の急速な上昇をもたらすとき、ゲル化点後短時
間に生ずることがわかった。この点において、温度差が
あまりにも大きくなると、試料のひび割れが生じた。こ
の臨界段階は、金型表面の温度を監視し、かつ金型表面
とその周囲の温度の差を20℃より小さく保つことにより
制御した。室温においてはこのことは、金型表面温度を
50℃(120 °F)より下に保持することを意味した。代
替法は、紫外線光照射の強度を減少させることである
が、これは照射時間がより長くなるという結果になっ
た。別の可能性としては、光開始剤の濃度を減少させる
ことがあり、これもまた照射時間を増加させ、他の問題
を引き起こした。
【0089】ランプから最も遠い領域が十分な照射を受
けることを確実にするために、反応セルは、入射光の少
なくとも20%がセルを通過するところに置いた。入射光
6 mW/cm2 の値を用いると、セルを通過するのが1.2mW/
cm2 であることが必要とされた。
【0090】一方の側でのなんらかのエネルギーの不足
が、他方の側でランプから補償されるように、2個のラ
ンプを使用して、レンズ形成物質中いたるところに十分
な照射エネルギーを供給した。1個のランプだけでは均
一な照射を得ることは大変困難であることがわかった。
【0091】モノマー混合物は、最も必要とされる特性
を改善するコモノマーを含有した。TMPTA は、レンズ本
体への、同等でない照射の影響を減少させる上で有用で
あった。TMPTA なしでは、目に見えるゆがみが生じた。
混合物に可撓性を加えてレンズのひび割れを防ぐため
に、TFFAを添加した。TFFAが12〜25重量%で有効であっ
た。25%より多いと可撓性が大きすぎ、12%より少ない
とひび割れを防げなかった。さらなる利点は、TFFAの添
加によりまた、金型離型が改善されたことであった。欠
点は、TFFAがレンズの黄色化をごく少し増加させたこと
であった。手順 レンズ製造の手順は以下のようであった: 1. 必要量の開始剤を、適当な撹拌を用いて、TFFAに溶
解した。 2. 必要量のDEG-BAC および他の成分を光開始剤‐TFFA
溶液に注入(適当に撹拌)して、溶解しない粒子のない
透明な流体を得た。ときには、混合物が良好な均一な状
態になることを確実にするために、室温より上約10℃ま
でに混合物を加熱することが役立った。 3. 十分なレンズ溶液を、セル容器に入れた。この容器
は、所望の可撓性のガスケットにより支持されたセル窓
の凹状部分からなっていた。他の窓を注意深く配置し
て、ガラス金型とガスケットの間に挿入したミクロスパ
チュラを用いて、空気が自由に逃げられるようにした。
セルが一旦満たされると、スパチュラを除去し、ガスケ
ットをシール条件に戻した。 4. 窓を検分し、こぼれたものがあれば真空により除去
した。 5. 反応セルを2つの照射源の間の位置に置き、両光源
を用いて反応を開始した。表面温度は、最初の5〜10分
間に50℃を超えないようにした。 6. 硬化工程を完了したとき(レンズの厚さ、レンズの
曲率、反応温度および照射のプログラムに依存し、20〜
60分)、反応セルを室温まで放冷した。 7. ガスケットを除去し、硬化したレンズとガラス窓と
の間に挿入したかみそりまたはナイフを用いて、穏やか
な機械的衝撃をもって、窓を注意深く除去した。
【0092】上記した本発明の第1の実施態様により、
DEG-BAC モノマー状物質は、紫外線光硬化されたプラス
チックレンズにおける使用が望ましくなくする特徴を有
することが見出された。詳しくは、DEG-BAC は重合する
のが大変遅く、よって、黄色化を増加させる開始剤が高
割合であることを必要とする。反応速度が遅いことおよ
びレンズの要求された厚さのために、DEG-BAC から、許
容できる紫外線光硬化プラスチックの正の矯正レンズを
製造することはまた困難である。
【0093】本発明の別の実施態様により、重合可能な
レンズ形成物質は、後述する芳香族を含有するビス(ア
リルカーボネート)官能性モノマーならびに、アクリロ
イルオキシおよびメタクリロイルオキシから選択された
2個のエチレン性不飽和基を含有する多エチレン性官能
性モノマーを少なくとも1個含む。好ましい実施態様に
おいては、レンズ形成物質は、アクリロイルオキシおよ
びメタクリロイルオキシから選択された3個のエチレン
性不飽和基を含有する多エチレン性官能性モノマーを1
個以上、スチレン、金型離型剤および染料を含むことが
できる。
【0094】本発明のさらなる実施態様により、レンズ
形成物質はアクリロイルオキシおよびメタクリロイルオ
キシから選択された2個のエチレン性不飽和基を含有す
る多エチレン性官能性モノマーを少なくとも1個含む。
レンズ形成物質はさらに、適した光開始剤を含みかつ追
加的に、アクリロイルオキシおよびメタクリロイルオキ
シから選択された3個のエチレン性不飽和基を含有する
多エチレン性官能性モノマーを1個以上、スチレン、金
型離型剤および染料を含む。
【0095】本発明のなおさらなる実施態様により、レ
ンズ形成物質は、アクリロイルオキシおよびメタクリロ
イルオキシから選択された3個のエチレン性不飽和基を
含有する多エチレン性官能性モノマーを含む。レンズ形
成物質はさらに、適した光開始剤を含みかつ追加的に、
後述する芳香族を含有するビス(アリルカーボネート)
官能性モノマーを1個以上、スチレン、金型離型剤およ
び染料を含む。
【0096】本発明を実施する上で使用できる、芳香族
を含有するビス(アリルカーボネート)官能性モノマー
は、ジヒドロキシ芳香族含有物質のビス(アリルカーボ
ネート)である。モノマーが誘導されるジヒドロキシ芳
香族含有物質は、1個以上のジヒドロキシ芳香族含有化
合物であることができる。好ましくは、ヒドロキシル基
は、ジヒドロキシ芳香族含有化合物の核の芳香族炭素原
子に直接結合する。モノマーはそれ自体公知であり、当
分野で公知の方法により製造できる。例えば、米国特許
第2,370,567 号明細書;米国特許第2,455,652 号明細
書;米国特許第2,455,653 号明細書;および米国特許第
2,587,437 号明細書を見よ。この開示は、引用すること
により本明細書に組込まれている。
【0097】芳香族を含有するビス(アリルカーボネー
ト)官能性モノマーは、次式(I)で表すことができ
る:
【0098】
【化1】 ここで、A1 はジヒドロキシ芳香族含有物質から誘導さ
れる2価基であり、R0 はそれぞれ独立して水素、ハロ
またはC1 〜C4 アルキル基である。アルキル基は通常
メチルまたはエチルである。R0 の例としては、水素、
クロロ、ブロモ、フルオロ、メチル、エチル、n-プロピ
ル、イソプロピルおよびn-ブチルが挙げられる。最も普
通にはR0 は、水素またはメチルであり;水素が好まし
い。特に有用性を持った2価基A1 のサブクラスは、次
式(II)で表される
【0099】
【化2】 ここで、R1 はそれぞれ独立して1〜約4個の炭素原子
を有するアルキル、フェニルまたはハロであり;各aの
平均値は独立して0〜4の範囲にあり;Qはそれぞれ独
立してオキシ、スルホニル、2〜約4個の炭素原子を有
するアルカンジイルまたは1〜約4個の炭素原子を有す
るアルキリデンであり;そしてnの平均値は0〜約3の
範囲である。好ましくはQはメチルエチリデン、すなわ
ちイソプロピリデンである。
【0100】好ましくはnの値は0であり、その場合A
1 は次式(III )で表される
【0101】
【化3】 ここで各R1 、各aおよびQは、式(II)について議論
したのと同様である。好ましくは2個の遊離の結合は共
に、オルトまたはパラ位である。パラ位が特に好まし
い。
【0102】A1 が誘導されるジヒドロキシ芳香族含有
化合物はまた、ポリオール官能性の鎖延長された化合物
でありうる。その様な化合物の例としては、アルキレン
オキシド延長されたビスフェノール類が挙げられる。典
型的には、使用されるアルキレンオキシドはエチレンオ
キシド、プロピレンオキシドまたはそれらの混合物であ
る。例示のために、パラ、パラ‐ビスフェノール類がエ
チレンオキシドで鎖延長されると、2価基A1 はしばし
ば次式(IV)で表されることができる
【0103】
【化4】 ここで各R1 、各aおよびQは、式(II)について議論
したのと同様であり、jおよびkの平均値は、それぞれ
独立して約1〜約4の範囲にある。
【0104】好ましい芳香族含有ビス(アリルカーボネ
ート)官能性モノマーは、次式(V)で表され、
【0105】
【化5】 そして、これはビスフェノールAビス(アリルカーボネ
ート)として普通に知られている。
【0106】2個または3個のエチレン性不飽和基を有
する多エチレン性官能性モノマーとして、広く種々の化
合物を使用できる。好ましい2個または3個のエチレン
性不飽和基を有する多エチレン性官能性化合物は通常、
脂肪族多価アルコール類のアクリル酸エステルおよびメ
タクリル酸エステル、例えばエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、テトラエチレングリコール、テト
ラメチレングリコール、グリシジル、ジエチレングリコ
ール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ペ
ンタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプ
ロパンおよびトリプロピレングリコールの、ジ‐および
トリアクリレートならびにジ‐およびトリメタクリレー
トとして記載することができる。特に適した、2個また
は3個のエチレン性不飽和基を有する多エチレン性官能
性モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアク
リレート(TMPTA) 、テトラエチレングリコールジアクリ
レート(TTEGDA)、トリプロピレングリコールジアクリレ
ート(TRPGDA)、ヘキサンジオールジメタクリレート(HDD
MA) およびヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)が挙
げられる。
【0107】レンズ形成物質の重合を開始するために、
広く種々の光開始剤化合物が使用できる。以下は、本発
明の範囲内にある光開始剤化合物を説明した例である:
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−
1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、2,2−ジ−セカンダリ−ブトキシアセトフェノ
ン、2,2−ジ−エトキシアセトフェノン、2,2−ジ
エトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジメ
トキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾインメチ
ルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイ
ン、ベンジル、ベンジルジサルファイド、2,4−ジヒ
ドロキシベンゾフェノン、ベンジリデンアセトフェノン
およびアセトフェノン。特に好ましい光開始剤化合物
は、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンであ
り、これはチバ ガイギー社からIrgacure 1
84として市販され、入手できる。
【0108】上記したように、次式(VI):
【0109】
【化6】 を有するスチレンは、重合可能な組成物中に追加的に存
在することができる。
【0110】重合可能な組成物中に追加的に存在するこ
とができる別の物質は、金型離型剤である。使用すると
きには、金型離型剤は、その後に製造されるレンズが壊
れたりひび割れたりすることなく、金型から容易に離型
することを確実にするのに十分な量で、組成物中に使用
される。金型離型剤は重合可能な組成物と相溶性でなけ
ればならず、後に製造されるレンズの物性に有害に影響
してはならない。さらに特には金型離型剤は、後に製造
されるレンズの最も特徴的な物性、例えば剛性、硬度、
光学的屈折率、可視光の透過性および光学的な透明性に
影響する着色していないことに悪影響してはならない。
したがって、金型離型剤は液体でなければならないかま
たは、もし固体であれば、重合可能な組成物に可溶性で
なければならない。
【0111】使用できる金型離型剤としては、アルキル
ホスフェートおよびステアレートが挙げられる。金型離
型剤として使用できるアルキルホスフェートのうちで
は、モノおよびジアルキルホスフェート(およびモノお
よびジアルキルホスフェートの混合物)であり、これら
はイーアイ デュポン デ ネマス&カンパニー(E.I.D
uPont de Nemours & Co.)から、商標ZELEC UNおよびZEL
EC NEのもとに市販され、入手可能である。これらのア
ルキルホスフェート類は、16〜18個の炭素原子を有する
直鎖アルキル基を有することが報告されている。
【0112】使用できる他の金型離型剤としては、ステ
アリン酸、ステアリン酸エステルおよびステアリン酸の
金属塩、例えば金属亜鉛、カルシウム、鉛、マグネシウ
ム、バリウム、カドミウム、アルミニウムおよびリチウ
ムのステアリン酸塩が挙げられる。注型(casting) の物
性に有害に影響しないとすれば、他の脂肪酸および脂肪
酸塩もまた使用できる。当分野で公知の他の金型離型
剤、例えばジオクチルフタレートが使用できる。
【0113】高い光透過性が必要でないときには、染料
および/または顔料は、存在できる追加的物質である。
【0114】上記した追加的な成分の列挙は、決して網
羅的ではない。これらおよび他の成分は、良好なポリマ
ーの処方の実施をひどく妨げないかぎり、通例の量で、
通例の目的で使用できる。
【0115】本発明の好ましい実施態様により、好まし
い、芳香族含有ビス(アリルカーボネート)官能性モノ
マーである、ビスフェノールAビス(アリルカーボネー
ト)は、より早く反応する、2個のアクリレートまたは
メタクリレート基を有する多エチレン性官能性モノマ
ー、例えばヘキサンジオールジメタクリレート(HDDM
A)、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、テトラエ
チレングリコールジアクリレート(TTEGDA)およびトリプ
ロピレングリコールジアクリレート(TRPGDA)を1つ以
上、および所望により3個のアクリレート基を有する多
エチレン性官能性モノマー、例えばトリメチロールプロ
パントリアクリレート(TMPTA) と混合される。本発明の
別の好ましい実施態様により、2個のアクリレートまた
はメタクリレート基を有する多エチレン性官能性モノマ
ー、例えばHDDMA 、TTEGDAおよびTRPGDAの1つ以上が、
3個のアクリレート基を有する多エチレン性官能性モノ
マー、例えばTMPTA と所望により混合される。本発明の
さらに好ましい実施態様により、3個のアクリレート基
を有する多エチレン性官能性モノマー、例えばTMPTA
は、2個のアクリレートまたはメタクリレート基を有す
る多エチレン性官能性モノマー、例えばHDDMA 、TTEGDA
およびTRPGDAの1つ以上と、所望により混合される。一
般に、アクリレート基を有する化合物は、アリル基を有
する化合物よりずっと速く重合する。この様に、重合可
能なレンズ組成物中に速く重合する多エチレン性官能性
モノマーを含有することによって、黄色化を減じる。な
ぜなら、重合工程を完了させるのに要する開始剤はより
少ないからである。
【0116】TTEGDAは、2個のアクリレート基間に非常
に長くかつ可撓性のバックボーンを有するので、組成物
が70重量%のオーダーでTTEGDAを高割合で含むと、非常
に可撓性になる傾向がある。好ましくは、より剛性を与
える他のモノマーを組成物に含有させ、TTEGDAの割合を
減じる。剛性は、好ましくは、TTEGDAより短くてより硬
いバックボーンを有するモノマー、例えばHDDMA または
TRPGDAを組み込むことにより与えられる。本発明のある
実施態様により、剛性は、3個のアクリレート基を有す
る多エチレン性官能性モノマー、例えばトリメチロール
プロパントリアクリレート(TMPTA) を組み込むことによ
り与えられ得る。
【0117】レンズにおけるひび割れの形成を減じるた
めに、重合速度を減じ、かつ硬化工程中のレンズ組成物
の最大温度を下げることは好ましい。一般に、硬化しつ
つあるレンズとその周囲の温度差が十分に大きいと、レ
ンズにひび割れを生じるであろう。
【0118】好ましくは、3つの要因:モノマー組成、
開始剤濃度および入射光強度を最適化することによっ
て、重合速度および最大温度が低下される。重合速度は
好ましくは、光開始剤の濃度を減じ、かつ入射光強度を
減じることにより、十分に低下される。TRPGDAがTTEGDA
より少し遅く反応するが、TTEGDAおよびTRPGDAは大変速
く反応するモノマーである。TTEGDAの割合を高めると、
反応が速くなり、レンズの収縮が高まり、加熱の影響が
大きくなり、そしてレンズがひび割れを受けやすくな
り、または金型から早すぎる型離れしやすくなる。より
遅く反応するモノマーは好ましくは、これらの大変反応
性のモノマーと混合されて、重合速度を制御下に導き、
熱生成速度を減じる。より遅く反応するモノマーと大変
反応性のモノマーとの間の均衡を達成させて、レンズの
ひび割れを避け、同時に十分に速い重合速度を与えて開
始剤濃度を最小化し、黄色化を減少させる。
【0119】プラスチックレンズを硬化させるのに使用
した慣用の高圧水銀アークランプは、製造したレンズの
質に有害な影響を与えることがわかった。煩しく、高価
で危険であることはさておき、これらの高強度ランプ
は、温度ならびに重合速度を急速に高めることに寄与し
た。本発明のこの実施態様により、反応工程中にいかな
る鋭い不連続性(discontinuity) もなしに光が大変均一
に分布するところの、300 〜400nm の波長を有する紫外
線光のおよそ5〜10 mW/cm2 を生じる電球で、慣用の高
圧水銀アークランプを置き換えることができる。その様
な電球はシルバニア社から、商標Sylvania Fluorescent
(F158T/2052)またはSylvania Fluorescent(F258T8/350B
L/18″)GTE の下に市販されていて入手可能である。上
記したように、300 〜400nm の波長を有する紫外線光
は、本発明の組成物の好ましい光開始剤がこの波長で最
も有効に吸収し、かつ本発明により使用した金型がこの
波長で最大透過を許すので、好ましい。
【0120】300nm より下の波長を有する全てのまたは
実質的に全ての入射光を吸収するために、光源および反
応セルの間にフィルターを置くのが好ましい。300nm よ
り下の波長を有する光は、重合を誘導しないが、モノマ
ーによって吸収され、そして大量の熱を生成する。ま
た、紫外線光源の全部の強度が金型に当たると、ガラス
による短波長照射の強い吸収のために金型を破壊し得
る。フィルターは好ましくは、その周囲との相当な温度
変化に耐え得る、かつ300nm より下の波長を全て吸収す
るガラスフィルターであり、例えば、ホウケイ酸塩フィ
ルターまたはパイレックス(Pyrex) 社、キマックス(Kim
ax) 社またはクラウングラス(Crown Glass)社により市
販され、入手可能なフィルターである。
【0121】本発明により、光源は実質的に均一な強度
を有する光を生成することが好ましい。また、レンズの
ひび割れの可能性を減ずるために入射光が鋭い不連続性
を有さないことが好ましい。さらに、硬化工程中にレン
ズ組成物を通って、垂直にまたは水平のいずれにも紫外
線照射の鋭い強度勾配がないのが好ましい。なぜなら、
レンズを通る鋭い強度勾配は得られたレンズに欠陥をも
たらすからである。均一な光を生成するために光のバン
ク(bank)として、幾つかの光源を配列するのが好まし
い。また、適当な光拡散器を光源と反応溶液の間に配列
して、光分布の均一性を最大にすることが好ましい。適
した光拡散器としては、すりガラス金型または1枚以上
のトレーシングペーパーが挙げられる。
【0122】レンズが割れる傾向を減ずるために、その
硬化中に、レンズ形成組成物の最大温度は50℃より低い
のが好ましい。温度を下げるための上記の手法に加え
て、光源と反応セルとの間に配されたフィルターならび
に反応セルから熱を奪うための冷却ファンを、加熱の影
響を減ずるために使用できる。最後に、厚い正のレンズ
を硬化するとき、加熱の影響を減ずるために、連続的な
照射よりむしろ間欠的な照射が有効である。
【0123】本発明の1つの実施態様により、液体レン
ズ形成組成物は、主な液体モノマーとして、DEG-BAC の
代わりに、ビスフェノールAビス(アリルカーボネー
ト)を含む。ビスフェノールAビス(アリルカーボネー
ト)モノマーは、DEG-BAC より高い屈折率を有し、これ
はより薄いレンズの製造を可能にし、このことは比較的
厚い正のまたは負のレンズにとって特に重要である。
【0124】主な成分としてビスフェノールAビス(ア
リルカーボネート)を含む、本発明における有用性を有
する市販の調製品は、ピーピージー(PPG) 社から、商標
HIRIIIの下に入手可能である。
【0125】市販に入手できる形態では、HIRI II は、
ビスフェノールAビス(アリルカーボネート)およそ91
%、DEG-BAC 7%および抗黄色化添加剤2%を含有す
る。抗黄色化添加剤は、光開始剤が吸収する領域の326n
m で強く吸収するUV阻止剤である。抗黄色化添加剤は好
ましくは、この物質が光化学重合反応において使用され
る前に、除去される。この成分は好ましくは、(塩基
性)アルミナのカラムをHIRIを通過させることによって
除去される。高粘度のゆえに、HIRI II 物質は、アルミ
ナカラムを通過させる前に、より粘性が低いTTEGDAと混
合するのが好ましい。
【0126】本発明のレンズ形成物質において使用する
ときには、ビスフェノールAビス(アリルカーボネー
ト)モノマーは、DEG−BACまたは抗黄色化添加剤
なしで得られるのが好ましい。この製品から作られたレ
ンズは時々、大変わずかな、ほとんど検知できない程度
の黄色化を与える。BASF ビアンドット コーポレ
ーション(BASF Wyandotte Cor
p.)からThermoplast Blue 684
として入手可能な、9,10−アントラセンジオン、1
−ヒドロキシ−4−[(4−メチルフェニル)アミノ]
からなる少量の青色染料は、黄色化を打ち消すために好
ましくレンズ形成物質に添加される。
【0127】好ましい実施態様により、本発明のレンズ
形成物質(組成物)は、(a)ビスフェノールAビス
(アリルカーボネート);(b)HDDMA、TTEG
DA、およびTRPGDAの少なくとも1つ;および
(c)光開始剤を含む。この実施態様により、組成物は
所望により、TMPTA、スチレン、金型離型剤および
染料の1つ以上を含むことができる。
【0128】別の好ましい実施態様により、本発明の組
成物は、(a) HDDMA 、TTEGDA、およびTRPGDAの少なくと
も1つ;および(b) 光開始剤を含む。この実施態様によ
り、組成物は所望により、TMPTA 、スチレン、金型離型
剤および染料の1つ以上を含むことができる。
【0129】なお別の好ましい実施態様により、本発明
の組成物は、(a) TMPTA ;および(b) 光開始剤を含む。
この実施態様により、組成物は所望により、ビスフェノ
ールAビス(アリルカーボネート)、HDDMA 、TTEGDA、
TRPGDA、スチレン、金型離型剤および染料の1つ以上を
含むことができる。
【0130】さらに好ましい実施態様により、本発明の
組成物は、(a) 70重量%までのビスフェノールAビス
(アリルカーボネート);(b) 100 重量%までのHDDMA
;(c)100 重量%までのTTEGDA;(d) 100 重量%までの
TRPGDA;(e) 100 重量%までのTMPTA ;(f) 20重量%ま
でのスチレン;(g) 約0.01〜約2.5 重量%の1-ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン;および(h) 有効量の
金型離型剤を含む。
【0131】より好ましい実施態様により、組成物は、
ビスフェノールAビス(アリルカーボネート)19.0重量
%、HDDMA 15.0重量%、TTEGDA 17.5 重量%、TRPGDA 3
1.0重量%、TMPTA 17.5重量%、1-ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン0.013重量%および有効量の金型
離型剤を含む。
【0132】好ましい実施態様により、本発明の組成物
は、(a) ビスフェノールAビス(アリルカーボネー
ト)、(b) HDDMA 、TTEGDAおよび TRPGDA の混合物;
(c) TMPTA;(d) スチレン;(e) 光開始剤;および(f)
金型離型剤を含む。
【0133】より好ましい実施態様により、組成物は、
ビスフェノールAビス(アリルカーボネート)約22〜29
重量%;HDDMA 約13〜26重量%、TTEGDA約12〜19重量%
およびTRPGDA約12〜19重量%;TMPTA 約15〜19重量%;
スチレン約2〜3重量%;光開始剤としての1-ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン約0.02〜0.04重量%;
および有効量の金型離型剤を含む。
【0134】最も好ましい実施態様により、この組成物
は、ビスフェノールAビス(アリルカーボネート)26重
量%、HDDMA 25重量%、TTEGDA 15 重量%、TRPGDA 16
重量%、TMPTA 16重量%、スチレン2重量%、1-ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン0.02重量%および有
効量の金型離型剤を含む。
【0135】先に議論したように、ビスフェノールAビ
ス(アリルカーボネート)は、DEG-BAC よりずっと高い
屈折率を有し、したがって、DEG-BAC レンズに比較する
と、より薄いレンズの製造を許す。しかしながら、30重
量%より多いビスフェノールAビス(アリルカーボネー
ト)が最も好ましい組成物に含まれると、種々のモノマ
ー間の相溶性または溶解性の問題を生じ、曇った、霧の
かかった、または乳白色のレンズをもたらす。
【0136】TTEGDAは、黄色化を減じ、非常に透明な製
品を生ずる早く重合するモノマーであるので、組成物に
好ましく含有されるジアクリレートモノマーである。し
かしながら、多すぎる、すなわち約18重量%より多いTT
EGDAが最も好ましい組成物に含まれると、得られたレン
ズはひび割れやすくなり、また、この物質は40℃より上
の温度で軟化するので可撓性が過ぎる。TTEGDAが全く除
かれると、得られたレンズは脆くなりがちである。
【0137】HDDMA は、2個のメタクリレート基間に非
常に硬いバックボーンを有するジメタクリレートモノマ
ーである。HDDMA は、より硬いポリマーを生じ、得られ
たレンズの硬度および強度を増加させるので、組成物に
好ましく含有される。この物質はまた、ビスフェノール
Aビス(アリルカーボネート)モノマーと非常に相溶性
である。HDDMA は、高温剛性、ポリマーの透明性および
重合の速度に寄与する。
【0138】TRPGDAは、得られたレンズに脆さを加える
ことなく良好な強度および硬度を与えるので、組成物に
好ましく含有されるジアクリレートモノマーである。こ
の物質はまた、TTEGDAより硬い。
【0139】TMPTA は、2官能性モノマーよりも、得ら
れたレンズにより多い架橋を与えるので、組成物に好ま
しく含有されるトリアクリレートモノマーである。TMPT
A はTTEGDAより短いバックボーンを有し、得られたレン
ズの高温剛性および硬度を増加させる。さらに、この物
質は得られたレンズにおけるパターンを阻止するのに寄
与する。TMPTA はまた、重合中の高収縮に寄与する。最
も好ましい組成物にこの物質を多く含み過ぎると、すな
わち20重量%を超えると、得られたレンズを非常に脆く
するので、落球試験(drop-balltest) において破壊され
る。
【0140】スチレンは、調整物質として働くので、組
成物に好ましく含有される高屈折率コモノマーである。
スチレンが本発明のいくつかの組成物に含まれないと、
曇ったレンズをもたらすところの非相溶性の問題が起こ
り得る。スチレンは、ビスフェノールAビス(アリルカ
ーボネート)が他のモノマーと重合するのを許す架橋剤
として働くと思われる。最も好ましい組成物にスチレン
を多く含み過ぎると、すなわち約3重量%より多いと、
得られたレンズに強度の不足をもたらす。なぜならスチ
レンは、1個のビニル基のモノマーであるからである。
【0141】本発明の組成物に好ましく使用されるモノ
マーのあるもの、例えばTTEGDA、TRPGDA、およびTMPTA
は、不純物を含み、市販の入手可能な形態のあるもので
は黄色を有している。これらのモノマーの黄色は好まし
くは、(塩基性)酸化アルミニウム粉末を含む(塩基
性)アルミナのカラムを通過させて除去される。アルミ
ナのカラムを通過後、モノマーはほとんど全く紫外線光
を吸収しない。また、アルミナのカラムを通過後、異な
る供給源から得られたモノマーの間の差異は実質的に除
去される。しかしながら、モノマーは、そこに含まれる
最少量の不純物を有するモノマーを与える供給源から得
られるのが好ましい。スチレンもまた、好ましくは、使
用前に(塩基性)アルミナのカラムを通過させる。組成
物は好ましくは、その重合に先だって濾過して、懸濁し
た粒子を除去する。
【0142】組成物に含まれる光開始剤は好ましくは、
1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンであり、こ
れはチバ‐ガイギー(Ciba-Geigy)社からIrgacure 184と
して入手可能である。開始剤濃度は、入射光強度および
モノマー組成に大きく依存する。過剰のIrgacure 184
は、レンズの黄色化の原因となり、反応が早く進み過ぎ
てひび割れたレンズをもたらすことになる。
【0143】金型離型剤は、得られたレンズが硬化後に
金型またはガスケットにくっつかないように、組成物に
好ましく含有される。金型離型剤の有効量は大変少しで
ある。大量の金型離型剤は、得られたレンズ上に存在す
る金型の上に沈殿物をもたらす。適した金型離型物質
は、ブチルステアレート、ZELEC UNまたはZELEC NEおよ
びジオクチルフタレートから選択されることができる。
組成物は好ましくは、ブチルステアレート50〜150ppm、
ZELEC UN またはZELEC NE0.5 〜1.5ppm、またはジオク
チルフタレート0.3 〜1.5ppmを含む。
【0144】列挙した金型離型剤の1つのみを使用し、
その組合せは使用しないのが好ましい。金型合せ面の表
面に噴霧するより、レンズ組成物中に金型離型剤を組み
込むのが好ましい。金型合せ面を金型離型剤、例えばブ
チルステアレートでコーティングすると、金型離型が有
効になされるが、一方また、レンズに顕微鏡的表面異常
を生じる。そのような表面異常は、得られたレンズの質
を損ない、そのような系から製造されたレンズは、均一
に色をつけられない。
【0145】上記したように、TTEGDAおよびTRPGDAは高
い反応性のモノマーであり、TTEGDAはTRPGDAより少し活
性が高い。TMPTA およびHDDMA のようなより遅く反応す
るモノマーは好ましくは、非常に反応性のモノマーと混
合されて、重合速度を制御下に導き、かつ熱発生速度を
減じる。黄色化の程度は好ましくは、反応速度を増加さ
せ、かつ開始剤濃度を減じるために、TTEGDAまたはTRPG
DAの割合を増加することにより減じられる。レンズの硬
度は、開始剤濃度、暴露時間および処方の間の均衡に依
存する。紫外線光硬化した本発明のレンズは、アセト
ン、メチルエチルケトンおよびアルコールに対する優れ
た耐有機溶媒性を示す。本発明により製造されたレンズ
は好ましくは、およそ15〜30分で硬化される。
【0146】反応セルもまた、本発明により開発され
た。反応セルは、傷のない正のまたは負のレンズを製造
するために、適した金型配置で使用することができる。
【0147】本発明の反応セルの第1の実施態様は、図
6に示す。図6に示されたように、通常100で示され
る反応セルは、向かい合ったガラス金型部分102およ
びガスケット装置104を含み、これらは一緒にレンズ
成形チャンバー106を形成する。本発明の重合可能な
レンズ形成物質はレンズ成形チャンバー106内に置か
れる。ガラス金型部分102、ガスケット装置104お
よびレンズ成形チャンバー106は、向かい合った照射
レンズ108の間に挟まれる。このやり方で、反応セル
100に入る入射光はまず、照射レンズ108の1つを
通過しなければならない。
【0148】図7は、本発明の反応セルの第2の実施態
様を説明しており、これは、その部品が同じ参照番号が
与えられている先の実施態様のある部品に一致する部品
を含む。図7に示されたように、反応セル100は向か
い合ったガラス金型部分102およびガスケット装置1
04を含み、これらは一緒にレンズ成形チャンバー10
6を形成する。本発明の重合可能なレンズ形成物質はレ
ンズ成形チャンバー106内に置かれる。ガラス金型部
分102、ガスケット装置104およびレンズ成形チャ
ンバー106は、向かい合った無倍率(power1e
ss)のガラス金型108の間に挟まれ、1組のガスケ
ット110によって熱的に絶縁される。無倍率のガラス
金型108およびガスケット110は一緒に、熱的に絶
縁された照射チャンバーを形成する。好ましくは、無倍
率のガラス金型108は、レンズ成形チャンバー106
より大きい直径を有しているので、入射光はチャンバー
106の全部の範囲に達することが許される。好ましく
はトレーシングペーパー(示されていない)を、無倍率
のガラス金型108とガラス金型部分102の間に挿入
する。代わりの好ましい実施態様においては、トレーシ
ングペーパーを無倍率のガラス金型108およびガラス
金型部分102の間に挿入する代わりに、無倍率のガラ
ス金型108を、すりガラス金型で置き換える。
【0149】反応セル組立て物100 は好ましくは、反応
セルおよびその周囲の熱交換を最小にするように構成さ
れる。周囲との熱交換は、ひび割れおよび他の問題を引
き起こすことがわかった。
【0150】1つの実施態様において、ガスケット104
はビニル物質で構成され、良好なリップ仕上げを有し、
45℃のT(max)付近の条件で十分に可撓性を維持する。好
ましい実施態様では、ガスケット104 はシリコーン物質
で構成される。別の好ましい実施態様では、ガスケット
104 は、エチレンおよびビニルアセテートのコポリマー
からなり、これは、イーアイ デュポン デ ネマス
アンド カンパニー(E.I. DuPont de Nemours & Co.)か
ら、商標ELVAX の下に市販され、入手可能である。好ま
しいELVAX 樹脂は、メルトインデックス17.3〜20.9 dg/
分およびビニルアセテート含量24.3〜25.7重量%を有す
るELVAX 350 、メルトインデックス22.0〜28.0 dg/分お
よびビニルアセテート含量27.2〜28.8重量%を有するEL
VAX 250、メルトインデックス38.0〜48.0 dg/分および
ビニルアセテート含量27.2〜28.8重量%を有するELVAX
240 およびメルトインデックス38.0〜48.0 dg/分および
ビニルアセテート含量32.0〜34.0重量%を有するELVAX
150 である。ガスケットは、通常の当業者により公知で
ある慣用の射出成形法により製造される。
【0151】金型がガスケットにより硬く保持されすぎ
ると、早すぎる型離れがしばしば生じる。レンズが収縮
するにつれて金型がレンズに従うのを許すようにするた
め、ガスケットにおいては十分に可撓性がなければなら
ない。不十分な封止、不適当なガスケット物質および/
または未硬化物質の少量の残留は、早すぎる型離れの失
敗に寄与することがわかった。
【0152】最良の結果を得るために、金型表面の両側
は傷がなく、できるだけ滑らかでなければならない。こ
れはまた、滑らかな端部仕上りを有していなければなら
ない。金型における傷は、得られたレンズにおいて同じ
傷をちょうど生成するよりさらに重要であることがわか
った。反応中に、遊離基が生成され、これらの遊離基
は、特に金型離型剤が使用されないと、表面条件に敏感
でありうる。表面の傷はひび割れや異常を生じ得る。傷
は、しばしば傷のところで始まると思われる付着や早す
ぎる型離れを、多かれ少なかれ引き起こし得る。
【0153】金型マーキング(marking) は、マークが金
型の外側の表面にあるときですら、マーキング下の差の
ある光強度条件(differential light intensity condit
ion)を引き起こす。レンズの十分に暴露された領域はよ
り硬くなり、このために、試料は歪みを有し得る。マー
クの下のレンズの部分は硬化の期間の最後でより弱い。
この影響が観察され、これは早すぎる離型またはひび割
れの誘導を引き起こし得る。
【0154】端部での金型の傷は、封止条件を妨げ、し
ばしば早すぎる離型を誘導する。
【0155】本発明を以下の実施例を参照にして、ここ
でさらに詳細に述べる。これらの実施例は本発明の組成
物および方法を単に説明するものであり、これに限定さ
れない。以下の実施例のそれぞれにおいて、モノマービ
スフェノールAビス(アリルカーボネート)はピーピー
ジー インダストリーズ インコーポレーテッド(PPGIn
dustories Inc.)から得られたものであり;テトラエチ
レングリコールジアクリレート(TTEGDA)モノマーはイン
テレツ社から得られ、1,6-ヘキサンジオールジメタクリ
レート(HDDMA)モノマーは、ローム テク社またはサー
トマー社より得られ、トリプロピレングリコールジアク
リレート(TRPGDA)およびトリメチロールプロパントリア
クリレート(TMPTA) モノマーは、インテレツ社またはサ
ートマー社から得られ、スチレンモノマーはフィシャー
(Fisher)社から得られ、そして1-ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン光開始剤はチバガイギー社から商標
Irgacure 184の下に得られた。
【0156】
【実施例3】本実施例の目的は、脆くなく、望ましい色
と透明性を有し、何らのパターン、欠陥又は収差を持た
ない、ビスフェノールA ビス(アリルカーボネート)
を含めた光学的レンズを作ることであった。
【0157】種々の代表的なサンプル処方の結果を下記
に示す。各試行において、下記の条件が守られた。 1. 総ての液状物質は、使用前にアルミナ粉末で処理さ
れた。 2. 光源として、cf 5.0〜6.6mW /cm2 の強度のUV光
を発生するシルバニア螢光(Sylvania Fluorescent)
(F158 T/2052)ランプを用いた。しかし型表面に達
するUV光は、 1.5mW/cm2 のオーダーであり、サンプ
ルは約20分間照射された。 3. 型は75mmの直径を有した。 4. ビスフェノールA ビス(アリルカーボネート)モ
ノマーはPPGインダストリーズ社から得られ、91重量
%のビスフェノールA ビス(アリルカーボネート)、
7重量%のDEG‐BAC及び2重量%の黄変防止添加
物を含む処方であった。UV吸収剤である黄変防止添加
物は、組成を処方する前に除去された。
【0158】処 方 1 22.12重量部のビスフェノールA ビス(アリルカーボ
ネート)、(1.69重量部のDEG‐BACと共に)、1
5.8重量部のTTEGDA、15.0重量部のTRPGD
A、19.6重量部のTMPTA、22.3重量部のHDDM
A、3.50重量部のスチレンから成るモノマー混合物;1
‐ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトンの0.05
重量部から成る感光剤;及びブチルステアレートの76pp
m から成る離型剤を含むプラスチックレンズ組成物を、
正の矯正レンズを生じるように構成された対向する 550
及び 775ガラス成形型の間にある反応室に置いた。型は
ビニルタイプ ガスケットにより 1.8mmの間隔に離され
た。照射槽は図6に示したようであった。照射レンズは
負の倍率レンズであった。
【0159】組成物は17分間照射され、円滑かつゆっく
りとした温度上昇速度を示した。
【0160】レンズは、色及び透明性の点で良好な外観
を示しかつ慣用のDEG‐BACレンズより良い撓み抵
抗性を持つ総体的に良好な製品であった。
【0161】処 方 2 23.70重量部のビスフェノールA ビス(アリルカーボ
ネート)、(1.81重量部のDEG‐BACと共に)、1
5.9重量部のTTEGDA、15.3重量部のTRPGD
A、16.2重量部のTMPTA、23.4重量部のHDDM
A、3.60重量部のスチレンから成るモノマー混合物;1
‐ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトンの 0.0
51重量部から成る感光剤;及びブチルステアレートの11
4ppmから成る離型剤を含むプラスチックレンズ組成物
を、正(2.7D)の矯正レンズを生じるように構成された
対向するガラス成形型の間にある反応室に置いた。ガラ
ス型はビニルタイプ ガスケットにより離された。反応
の前にガラス型はメチルエチルケトンで洗われ処理され
た。照射槽(セル)は図6に示したようであった。照射
レンズは負の倍率レンズであった。 組成物は18分間照
射され、速すぎずかつ遅すぎない円滑な反応を示した。
レンズはヒビが入っていず、型離れ(release)が早すぎ
なかった。レンズは、慣用のDEG‐BACレンズより
良い撓み抵抗性を持った。しかしレンズは、そのエッジ
近傍で脆く、これはレンズ成形装置により生じた入射光
の少しの妨害により起されると考えられる。
【0162】処 方 3 26.10重量部のビスフェノールA ビス(アリルカーボ
ネート)(2.00重量部のDEG‐BACと共に)、14.0
重量部のTTEGDA、16.8重量部のTRPGDA、1
4.3重量部のTMPTA、24.1重量部のHDDMA、2.6
0重量部のスチレンから成るモノマー混合物;1‐ヒド
ロキシシクロヘキシル フェニル ケトンの 0.048重量
部から成る感光剤を含むプラスチックレンズ組成物を、
負の矯正レンズを生じるように構成された対向する 660
及び 500ガラス成形型の間にある反応室に置いた。型は
ガスケットにより4.8mm の間隔に離された。照射槽は図
6に示したようであった。硬化プロセスの前に離型剤と
してのブチルステアレートを型にスプレーした。
【0163】組成物は20分間照射された。出来上ったレ
ンズは曇りを示さず、良好な硬さを示し、しかしそのエ
ッジで脆かった。型表面にスプレーしたブチルステアレ
ートは、出来上ったレンズにおいて表面異常をもたらし
た。
【0164】
【実施例4】この実施例の目的は、脆くなく、望ましい
色及び透明性を持ち、何らのパターン、欠陥又は収差を
有さない、ビスフェノールA ビス(アリルカーボネー
ト)を含めた光学レンズを作ることであった。
【0165】この実施例の各試行において、光源として
5.0〜6.6 mW/cm2 の強さの紫外線を発生するSylvania
螢光(F158 T/2052)ランプを用いた。
【0166】実施例4に従う処方の基本的成分は、TT
EGDA、TRPGDA、TMPTA、ビスフェノール
A ビス(アリルカーボネート)、スチレン及び1‐ヒ
ドロキシシクロヘキシル フェニル ケトンを含み、こ
れらは上記供給源より市販入手できる。
【0167】Zelec(商標)UNは、離型剤としてブチ
ルステアレートの代りにテストされた。
【0168】しばしばモノマーは、不純物を除去するた
めにアルミナ(塩基性)の床を通過された。このこと
は、モノマーTRPGDAについて特にそうである。
【0169】種々の代表的サンプル処方の結果を下記に
示す。
【0170】サンプル処方4は、図6に示す反応槽中で
照射された。 サンプル処方5〜7及び比較サンプル処
方8〜9の夫々は、図7に示す反応槽中で照射された。
【0171】図7に示すように、レンズ形成室106 は、
ガスケット110 により側方を熱的に絶縁される。この例
に従って、室106 は、次の寸法:92mm外径、85mm内径及
び75mmリップ径を持つ二つの大きなガスケット110 、及
び上方と下方を大きなガスケット110 にフィットする76
mm直径を持つ二つの無倍率(パワーレス)ガラス型108
によって熱的に絶縁された。三枚のトレーシングペーパ
ーを、無倍率ガラス型108 とレンズ形成室106 のガラス
型102 の間に挿入した。反応槽とその周囲との間の熱交
換は、この配置により大きく低減された。
【0172】ガラス型108 の代りに、つや消しガラスを
テストし、透明ガラス型108 プラストレーシングペーパ
ーと同様に機能した。いずれの場合も、高品質レンズを
作るために、良好なシーリングが極めて重要である。
【0173】ガスケット材質及びリップ仕上りもまた極
めて重要である。試行の多くは、多数回用いられてリッ
プの質が悪化してシーリングを困難にするビニルガスケ
ットを用いて行われた。
【0174】不完全なシーリングとガスケット材質、プ
ラス 未硬化物質の少量の残留が、早すぎる型離れに寄
与した。
【0175】レンズキャビティが完全にシールされなか
った時、少量の空気が漏入し、モノマー混合物の重合を
妨げ、これはガスケットリップに残る少しの未硬化残留
液体を結果した。処 方 4 24.13重量部のビスフェノールA ビス(アリルカーボ
ネート)(1.84重量部のDEG‐BACと共に)、16.0
5 重量部のTTEGDA、 15.64重量部のTRPGD
A、16.59 重量部のTMPTA、 23.87重量部のHDD
MA、1.48重量部のスチレンから成るモノマー混合物;
1‐ヒドロキシシクロヘキシル フェニルケトンの0.02
重量部から成る感光剤を含むプラスチックレンズ組成物
を、二焦点矯正レンズを生じるように構成された対向す
るガラス成形型の間にある反応室に置いた。ガラス型
は、エッジで2mm厚さ、中心で 7.7mm厚さのレンズを作
るようにシリコンガスケットにより離された。レンズ組
成物は合計36分間照射された。照射の20分後に、型離れ
が、該二焦点において起った。槽を通過した紫外線は1.
1mW/cm2 の強度を有した。これら条件下で、t(max)
は照射の16分後に48℃に達し、照射の20分後に47℃に落
ちた。照射後に、ガスケットリップの囲りに少しの残留
液体が見られた。作られたレンズは、優れた色を持ち、
パターンを持たず、良い硬さを持った。レンズのエッジ
は完全でなかったが、しかしレンズは総体的に許容でき
る製品であった。
【0176】処 方 5 24.15重量部のビスフェノールA ビス(アリルカーボ
ネート)(1.85重量部のDEG‐BACと共に)、16.0
重量部のTTEGDA、15.6重量部のTRPGDA、1
6.6重量部のTMPTA、23.9重量部のHDDMA、 1.
8重量部のスチレンから成るモノマー混合物;及び1‐
ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトンの0.02重
量部から成る感光剤を含むプラスチックレンズ組成物
を、正の3D矯正レンズを生じるように構成された対向
する 550及び 775ガラス成形型の間にある反応室に置い
た。ガラス型はビニルガスケットにより 1.8mmの間隔に
離された。レンズ組成物は40分間照射され、出来上った
レンズは、パターンを示さず、良好な硬さ及び良好な色
及び透明性を有した。
【0177】処 方 6 24.15重量部のビスフェノールA ビス(アリルカーボ
ネート)(1.85重量部のDEG‐BACと共に)、16.0
重量部のTTEGDA、15.6重量部のTRPGDA、1
6.6重量部のTMPTA、23.9重量部のHDDMA、 1.
8重量部のスチレンから成るモノマー混合物;及び1‐
ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトンの0.02重
量部から成る感光剤を含むプラスチックレンズ組成物
を、正の5D又は 6.5D矯正レンズを生じるように構成
された対向するガラス成形型の間にある反応室に置い
た。これら試行において、ガラス型はエチレンビニルア
セテートガスケットにより離された。レンズ組成物は46
分間照射され、出来上ったレンズは、パターンを示さ
ず、良好な硬さ及び良好な色と透明性を有した。
【0178】処 方 7 24.15重量部のビスフェノールA ビス(アリルカーボ
ネート)(1.85重量部のDEG‐BACと共に)、16.0
重量部のTTEGDA、15.6重量部のTRPGDA、1
6.6重量部のTMPTA、23.9重量部のHDDMA、 1.
8重量部のスチレンから成るモノマー混合物;及び1‐
ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトンの0.02重
量部から成る感光剤を含むプラスチックレンズ組成物
を、負の矯正レンズを生じるように構成された対向する
ガラス成形型の間にある反応室に置いた。型は−1レン
ズ又は−4レンズを生じるように構成された。レンズ組
成物は40分間照射された。−1レンズは成功的に完成さ
れたが、−4レンズは型離れが早すぎた。
【0179】比較処方 8 23.97重量部のビスフェノールA ビス(アリルカーボ
ネート)(1.83重量部のDEG‐BACと共に)、16.1
重量部のTTEGDA、15.5重量部のTRPGDA、1
6.3重量部のTMPTA、24.6重量部のHDDA、 1.6
重量部のスチレンから成るモノマー混合物;及び1‐ヒ
ドロキシシクロヘキシル フェニル ケトンの 0.034重
量部から成る感光剤を含むプラスチックレンズ組成物
を、正の矯正レンズを生じるように構成された対向する
550及び 775ガラス成形型の間にある反応室に置いた。
型は 1.8mmの間隔に離された。レンズは、中心領域の周
囲でヒビが入った。HDDMAの代りにHDDAの使用
が、この欠陥に責任があると考えられた。
【0180】比較処方 9 29.54重量部のビスフェノールA ビス(アリルカーボ
ネート)(2.26重量部のDEG‐BACと共に)、19.2
重量部のTTEGDA、24.3重量部のTRPGDA、2
2.7重量部のTMPTA、 1.9重量部のスチレンから成
るモノマー混合物;1‐ヒドロキシシクロヘキシル フ
ェニルケトンの0.0197重量部から成る感光剤;及びZel
ec UNの1.8ppmから成る離型剤を含むプラスチックレ
ンズ組成物を、正の1D,3D及び5D矯正レンズなら
びに負の1Dレンズを生じるように構成された対向する
ガラス成形型の間にある反応室に置いた。作られたレン
ズは中心で完全には硬化していず、高温で可撓性であっ
た。
【0181】
【実施例5】この実施例の目的は、脆くなく、望ましい
色及び透明性を持ち、何らのパターン、欠陥又は収差を
有さない、ビスフェノールA ビス(アリルカーボネー
ト)を含めた光学レンズを作ることであった。
【0182】この実施例の各試行において、ビスフェノ
ールA ビス(アリルカーボネート)を用いた。ビスフ
ェノールAビス(アリルカーボネート)から作られたレ
ンズにおける何らかの黄変問題は、9,10‐アントラセン
ジオン,1‐ヒドロキシ‐4‐〔(4‐メチルフェニ
ル)アミノ〕を含む青色染料(BASFビアンドット(W
yandotte)社からThermoplast Blue 684として入手でき
る)を含むスチレンの1滴のオーダーまたは約 0.2〜0.
4ppmの極少量を含めることにより抵抗させ克服できた。
【0183】この実施例の各試行において、光源として
5.0〜6.6 mW/cm2 の強さの紫外線を発生するSylvania
螢光(F158 T/2052)ランプを用いた。
【0184】処 方 10A 24.50重量部のビスフェノールA ビス(アリルカーボ
ネート)、16.2重量部のTTEGDA、16.7重量部のT
RPGDA、16.7重量部のTMPTA、22.7重量部のH
DDMA、 3.0重量部のスチレンから成るモノマー混合
物;1‐ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトン
の0.023 重量部から成る感光剤;及びZelec UNの0.
7ppmから成る離型剤を含むプラスチックレンズ組成物
を、負の矯正レンズを生じるように構成された対向する
660及び520 ガラス成形型の間にある反応室に置いた。
型はガスケットにより 4.8mmの間隔に離された。レンズ
組成物は約20分間照射された。
【0185】型に入った紫外線の強度は、上から 2.2mW
/cm2 、下から2.5mW /cm2 であった。
【0186】絶縁用の無倍率ガラス型の代りに、つや消
しガラスを用いた。
【0187】出来上ったレンズは、良好な色と透明性を
持ち、パターンを持たず、脆さのない良好な硬さを有し
た。
【0188】処 方 10B 24.50重量部のビスフェノールA ビス(アリルカーボ
ネート)、16.2重量部のTTEGDA、16.7重量部のT
RPGDA、16.7重量部のTMPTA、22.7重量部のH
DDMA、 3.0重量部のスチレンから成るモノマー混合
物;1‐ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトン
の0.023 重量部から成る感光剤;及びZelec UNの0.
7ppmから成る離型剤を含むプラスチックレンズ組成物
を、正の矯正レンズを生じるように構成された対向する
550及び775 ガラス成形型の間にある反応室に置いた。
型はガスケットにより 1.8mmの間隔に離された。レンズ
組成物は約20分間照射された。
【0189】型に入った紫外線の強度は、上から 2.2mW
/cm2 、下から2.5mW /cm2 であった。
【0190】つや消しガラスの代りに透明な照射レンズ
を用いた。トレーシングペーパーを、上で2枚、下で1
枚、ランプにかぶせて用いた。
【0191】出来上ったレンズは、処方10Aのレンズよ
りもより良い特性を有した。
【0192】処 方 11 25.60重量部のビスフェノールA ビス(アリルカーボ
ネート)、15.1重量部のTTEGDA、16.1重量部のT
RPGDA、16.5重量部のTMPTA、24.1重量部のH
DDMA、 2.5重量部のスチレンから成るモノマー混合
物;1‐ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトン
の0.0195重量部から成る感光剤;及びZelec UNの1.
0ppmから成る離型剤を含むプラスチックレンズ組成物
を、正の矯正レンズを生じるように構成された対向する
550及び775 ガラス成形型の間にある反応室に置いた。
型はガスケットにより 1.8mmの間隔に離された。反応槽
の両側において、無倍率ガラス型とレンズ形成型の間に
トレーシングペーパー2枚を挿入した。レンズ組成物は
約23分間照射された。
【0193】出来上ったレンズは、良好な特性を有し
た。
【0194】処 方 12 25.10重量部のビスフェノールA ビス(アリルカーボ
ネート)、15.5重量部のTTEGDA、16.3重量部のT
RPGDA、16.7重量部のTMPTA、23.6重量部のH
DDMA、 2.7重量部のスチレンから成るモノマー混合
物;1‐ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトン
の0.021 重量部から成る感光剤;及びZelec UNの0.
88ppm から成る離型剤及び9,10‐アントラセンジオン,
1‐ヒドロキシ‐4‐〔(4‐メチルフェニル)アミ
ノ〕を含む青色染料(BASFビアンドット(Wyandott
e)社からThermoplast Blue 684として入手できる)を
含むスチレンの1滴を含むプラスチックレンズ組成物
を、正の2D矯正レンズを生じるように構成された対向
する 550及び 775ガラス成形型の間にある反応室に置い
た。型はガスケットにより 1.8mmの間隔に離された。レ
ンズ組成物は約36分間照射された。
【0195】型に入った紫外線の強度は、上から 1.5mW
/cm2 、下から2.4mW /cm2 であった。
【0196】出来上ったレンズは、良好な色を示し、ゆ
がみがなく、慣用の熱硬化されたDEG‐BACレンズ
よりも硬かった。レンズは、沸騰水で10分間処理した後
に、安全落球テストに合格した。
【0197】処 方 13 25.82重量部のビスフェノールA ビス(アリルカーボ
ネート)、 15.06重量部のTTEGDA、 16.05重量部
のTRPGDA、 16.30重量部のTMPTA、24.00重
量部のHDDMA、2.76重量部のスチレンから成るモノ
マー混合物;1‐ヒドロキシシクロヘキシル フェニル
ケトンの 0.025重量部から成る感光剤;及びジオクチ
ルフタレート(アルドリッヒ(Aldrich)から入手でき
る)の0.3ppmから成る離型剤を含むプラスチックレンズ
組成物を、正の4D矯正レンズを生じるように構成され
た対向する 415及び 775ガラス成形型の間にある反応室
に置いた。型はガスケットにより 1.8mmの間隔に離され
た。レンズ組成物は約25分間照射された。
【0198】出来上ったレンズは、良好な特性を示し
た。
【0199】処 方 14 26.70重量部のビスフェノールA ビス(アリルカーボ
ネート)、15.5重量部のTTEGDA、16.0重量部のT
RPGDA、16.4重量部のTMPTA、22.4重量部のH
DDMA、 3.0重量部のスチレンから成るモノマー混合
物;1‐ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトン
の0.0204重量部から成る感光剤;及びZelec UNの2.
5ppmから成る離型剤を含むプラスチックレンズ組成物
を、正の矯正レンズを生じるように構成された対向する
550及び775 ガラス成形型の間にある反応室に置いた。
型はガスケットにより 1.8mmの間隔に離された。レンズ
組成物は約22分間照射された。
【0200】光源の表面での紫外線強度は 4.8mW/cm2
であった。型に入った紫外線の強度は、 3.6mW/cm2
あった。型を出た紫外線の強度は 1.5mW/cm2 であっ
た。
【0201】出来上ったレンズは、無視しうる強度のパ
ターンを示し、良好な色を有した。このレンズで生じた
パターンは、あまりに高いZelec UNの割合により起
きたと考えられた。比較処方 15 26.50重量部のビスフェノールA ビス(アリルカーボ
ネート)、16.2重量部のTTEGDA、16.8重量部のT
RPGDA、17.1重量部のTMPTA、23.3重量部のH
DDMA、1‐ヒドロキシシクロヘキシル フェニルケ
トンの0.0277重量部から成る感光剤から成るモノマー混
合物;及びZelec UNの1.3ppmから成る離型剤を含む
プラスチックレンズ組成物を、正の矯正レンズを生じる
ように構成された対向する 550及び 775ガラス成形型の
間にある反応室に置いた。ガラス型はガスケットにより
1.8mmの間隔に離された。レンズ組成物は約16分間照射
された。レンズは少し曇った外観を有し、少し黄色であ
った。
【0202】この試行は、いくつかの組成にとっては処
方中にスチレンが無いことは、曇った外観のレンズをも
たらすであろうことを示す。
【0203】黄色の外観は、硬化プロセスの間の急速な
温度上昇により起された。
【0204】以下は、本発明の範囲内の例示的なポリマ
ー状化合物の追加の実施例である。以下の実施例の夫々
において、ビスフェノールA ビス(アリルカーボネー
ト)は、ビスフェノールA ビス(アリルカーボネー
ト)モノマーのみを含む形でPPGインダストリーズ社
から受取られた。各アクリレートモノマーは別々に、2
cm直径カラム中のアルミナカラム(約60〜70gアルミナ
/500 gモノマー)を通して処理された。離型剤として
Zelec UNが、組成物全重量に対して1.0ppmの割合で
用いられた。総てのサンプルは、30分間の紫外線照射に
付された。作られるべきレンズサンプルは、約 2.2mmの
中央厚さと約 2.8mmのエッジ厚さを持つ約− 1/2 Dで
あった。3mmリップを持つシリコーンガスケットを総て
のテストに用いた。
【0205】下記の表5〜21において、下記の略記は次
の意味を持つ。
【0206】HIRIは、ビスフェノールA ビス(ア
リルカーボネート)モノマーを意味する。Irg. 184はIr
gacure 184を意味し、HDは硬度を意味し、FLは可撓
性を意味し、HZは曇りを意味し、Yは黄色さを意味
し、NOは見られなかったことを意味し、neg.は無視し
うることを意味し、Lは低い、Mは中程度、Hは高いこ
とを意味し、TPb はThermoplast Blue 684青色染料を
意味する。
【0207】下記の表5〜21においても、総てのモノマ
ー濃度は、重量%で表わされる。
【0208】
【表5】
【0209】
【表6】
【0210】
【表7】
【0211】
【表8】
【0212】
【表9】
【0213】
【表10】
【0214】
【表11】
【0215】
【表12】
【0216】
【表13】
【0217】
【表14】
【0218】
【表15】
【0219】
【表16】
【0220】
【表17】
【0221】
【表18】
【0222】
【表19】
【0223】
【表20】
【0224】
【表21】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチックレンズの見取図である。
【図2】図3に示される本発明の装置の一部の縮尺した
上面図であり、図2は図3の線2‐2上で実質的にとら
れている。
【図3】本発明に従うプラスチックレンズを作るための
装置を図式的に示す、図2の線3‐3でとられた拡大の
一部破断断面図である。
【図4】2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプ
ロパン‐1‐オンの存在下での照射の前及び後のDEG
‐BACの赤外吸収スペクトルである。
【図5】2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプ
ロパン‐1‐オンの存在下での照射の前、間及び後のD
EG‐BACの赤外吸収スペクトルの一部である。
【図6】本発明に従うプラスチックレンズを作るための
装置の一部破断断面図である。
【図7】本発明に従うプラスチックレンズを作るための
装置の一部破断断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:32 B29L 11:00 (56)参考文献 特開 昭63−207632(JP,A) 特開 昭58−82725(JP,A) 特表 平4−501130(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 39/00 - 39/44 B29D 11/00 C08F 220/28 C08F 2/04 G02B 1/04 G02C 7/02 B29K 105:32 B29L 11:00

Claims (42)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 注型面および非注型面を有する第1の型
    部材;注型面および非注型面を有する第2の型部材であ
    って、第2の型部材は、第1の型部材および第2の型部
    材の注型面が型キャビティを規定するように使用中に第
    1の型部材から隔てておかれる;および、使用中紫外線
    光を発生し第1および第2の型部材の少なくとも1つに
    対して照射するための光発生装置;を有し、使用中第1
    の型部材の非注型面を横切り、かつ使用中第2の型部材
    の非注型面を横切って空気を導くための空気分配器をさ
    らに含むレンズ形成装置であって、型キャビティ中で紫
    外線光にさらされることによって硬化されると実質的に
    透明な眼鏡レンズを形成するのに適したレンズ形成物質
    を硬化して1時間未満の時間で実質的に透明な眼鏡レン
    ズを形成するところの装置。
  2. 【請求項2】 空気分配器が、使用中環境温度より低い
    温度に空気を冷やすための空気冷却器を含む請求項1記
    載の装置。
  3. 【請求項3】 レンズ形成物質がアクリロイルオキシお
    よびメタクリロイルオキシから選ばれるエチレン性不飽
    和基を少なくとも2つ有する多エチレン官能性モノマー
    を少なくとも1つ含み、かつこのレンズ形成物質は紫外
    線光にさらすことにより硬化可能であって実質的に透明
    な眼鏡レンズを1時間未満の時間で形成する請求項1〜
    2のいずれか1項記載の装置。
  4. 【請求項4】 レンズ形成物質が、光開始剤および、ア
    クリロイルオキシおよびメタクリロイルオキシから選ば
    れるエチレン性不飽和基を少なくとも2つ有する多エチ
    レン官能性モノマーの少なくとも1つから本質的に成
    り、このレンズ形成物質は紫外線光にさらすことにより
    硬化可能であって実質的に透明な眼鏡レンズを1時間未
    満の時間で形成する請求項1〜2のいずれか1項記載の
    装置。
  5. 【請求項5】 レンズ形成物質の少なくとも25%が、
    アクリロイルオキシおよびメタクリロイルオキシから選
    ばれるエチレン性不飽和基を少なくとも2つ有する多エ
    チレン官能性モノマーであり、かつこのレンズ形成物質
    は紫外線光にさらすことにより硬化可能であって実質的
    に透明な眼鏡レンズを1時間未満の時間で形成する請求
    項1〜3のいずれか1項記載の装置。
  6. 【請求項6】 レンズ形成物質の少なくとも25%が、
    アクリロイルオキシおよびメタクリロイルオキシから選
    ばれるエチレン性不飽和基を少なくとも3つ有する多エ
    チレン官能性モノマーであり、かつこのレンズ形成物質
    は紫外線光にさらすことにより硬化可能であって実質的
    に透明な眼鏡レンズを1時間未満の時間で形成する請求
    項1〜3および5のいずれか1項記載の装置。
  7. 【請求項7】 レンズ形成物質が、光開始剤および、ア
    クリロイルオキシおよびメタクリロイルオキシから選ば
    れるエチレン性不飽和基を少なくとも3つ有する多エチ
    レン官能性モノマー少なくとも1つから本質的に成り、
    このレンズ形成物質は紫外線光にさらすことにより硬化
    可能であって実質的に透明な眼鏡レンズを1時間未満の
    時間で形成する請求項1〜2および4のいずれか1項記
    載の装置。
  8. 【請求項8】 レンズ形成物質が、アクリロイルオキシ
    およびメタクリロイルオキシから選ばれるエチレン性不
    飽和基を少なくとも3つ有する多エチレン官能性モノマ
    ーを少なくとも1つ含み、このレンズ形成物質は紫外線
    光にさらすことにより硬化可能であって実質的に透明な
    眼鏡レンズを1時間未満の時間で形成する請求項1〜
    3、5および6のいずれか1項記載の装置。
  9. 【請求項9】 レンズ形成物質が、次式(I): 【化7】 (ここで、Aはジヒドロキシ芳香族含有物質から誘導
    される2価基であり、Rはそれぞれ独立して水素、ハ
    ロまたはC〜Cアルキル基である)で示される芳香
    族性を有するビス(アリルカーボネート)官能性モノマ
    ーをさらに含む請求項1〜3、5、6および8のいずれ
    か1項記載の装置。
  10. 【請求項10】 レンズ形成物質がさらに、次式
    (I): 【化8】 (ここで、Aはジヒドロキシ芳香族含有物質から誘導
    される2価基であり、Rはそれぞれ独立して水素、ハ
    ロまたはC〜Cアルキル基である)で示される芳香
    族性を有するビス(アリルカーボネート)官能性モノマ
    ーから本質的に成る請求項1〜2、4および7のいずれ
    か1項記載の装置。
  11. 【請求項11】 眼鏡レンズが、ゆがみ、ヒビ、パター
    ンおよびしまを実質的に有していない請求項1〜10の
    いずれか1項記載の装置。
  12. 【請求項12】 眼鏡レンズが約1.5mmより厚い請
    求項1〜11のいずれか1項記載の装置。
  13. 【請求項13】 レンズ形成物質を約10ミリワット/
    cm未満の紫外線光にさらしてレンズを形成するのに
    適している請求項1〜12のいずれか1項記載の装置。
  14. 【請求項14】 レンズが無視できる曇りおよび無視で
    きる黄変しか有していない請求項1〜13のいずれか1
    項記載の装置。
  15. 【請求項15】 レンズ形成物質が、約50℃未満の温
    度で非注型面を有する第1の型部材および約50℃未満
    の温度で非注型面を有する第2の型部材によって一部分
    形成される型キャビティ中にある間、紫外線光にレンズ
    形成物質をさらすことによって実質的に透明な眼鏡レン
    ズを形成するのに適している請求項1〜14のいずれか
    1項記載の装置。
  16. 【請求項16】 第1および第2の型部材の間にガスケ
    ットをさらに含む請求項1〜15のいずれか1項記載の
    装置。
  17. 【請求項17】 レンズ形成物質を硬化させて、少なく
    とも+2ジオプターの収束力を有する実質的に透明な眼
    鏡レンズおよび−1ジオプター以上の発散力を有する実
    質的に透明な眼鏡レンズを形成するのに適している請求
    項1〜16のいずれか1項記載の装置。
  18. 【請求項18】 1.5mmより厚く、ゆがみ、ヒビ、
    パターンおよびしまを実質的に有していない、および無
    視できる曇りおよび無視できる黄変しか有していない実
    質的に透明な眼鏡レンズを、ガスケット、約50℃未満
    の温度で非注型面を有する第1の型部材および約50℃
    未満の温度で非注型面を有する第2の型部材によって形
    成される型キャビティ中にあるとき、10ミリワット/
    cm未満の紫外線光にレンズ形成物質をさらすことに
    より全部で30分未満で形成するのに適している請求項
    1〜17のいずれか1項記載の装置。
  19. 【請求項19】 30分間未満の時間で実質的に透明な
    眼鏡レンズを形成するのに適している請求項1〜18の
    いずれか1項記載の装置。
  20. 【請求項20】 10分間〜30分間未満の時間で実質
    的に透明な眼鏡レンズを形成するのに適している請求項
    1〜19のいずれか1項記載の装置。
  21. 【請求項21】 レンズ形成物質が硬化されると離型剤
    の存在なしに型部材から手で取り去ることができるよう
    に、レンズ形成物質を硬化するのに適している請求項1
    〜20のいずれか1項記載の装置。
  22. 【請求項22】 請求項1〜21のいずれか1項記載の
    装置を用いて製造した眼鏡レンズ。
  23. 【請求項23】 注型面および非注型面を有する第1の
    型部材ならびに注型面および非注型面を有する第2の型
    部材によって少なくとも一部分形成される型キャビティ
    にレンズ形成物質を置き; 1時間未満の時間紫外線光にレンズ形成物質をさらすこ
    とによってレンズ形成物質を硬化して実質的に透明な眼
    鏡レンズを形成する、 ことを含むプラスチック眼鏡レンズを作るための方法で
    あって、レンズ形成物質がアクリロイルオキシおよびメ
    タクリロイルオキシから選ばれるエチレン性不飽和基を
    少なくとも2つ有する多エチレン官能性モノマーを少な
    くとも1つおよび、次式(I): 【化9】 (ここで、Aはジヒドロキシ芳香族含有物質から誘導
    される2価基であり、Rはそれぞれ独立して水素、ハ
    ロまたはC〜Cアルキル基である)で示される芳香
    族性を有するビス(アリルカーボネート)官能性モノマ
    ーを含み、かつこのレンズ形成物質は紫外線光にさらす
    ことにより硬化可能であって実質的に透明な眼鏡レンズ
    を1時間未満の時間で形成する方法。
  24. 【請求項24】 注型面および非注型面を有する第1の
    型部材ならびに注型面および非注型面を有する第2の型
    部材によって少なくとも一部分形成される型キャビティ
    にレンズ形成物質を置き; 1時間未満の時間紫外線光にレンズ形成物質をさらすこ
    とによってレンズ形成物質を硬化して実質的に透明な眼
    鏡レンズを形成する、 ことを含むプラスチック眼鏡レンズを作るための方法で
    あって、レンズ形成物質が、光開始剤、アクリロイルオ
    キシおよびメタクリロイルオキシから選ばれるエチレン
    性不飽和基を少なくとも2つ有する多エチレン官能性モ
    ノマーの少なくとも1つおよび、次式(I): 【化10】 (ここで、Aはジヒドロキシ芳香族含有物質から誘導
    される2価基であり、Rはそれぞれ独立して水素、ハ
    ロまたはC〜Cアルキル基である)で示される芳香
    族性を有するビス(アリルカーボネート)官能性モノマ
    ーから本質的に成り、このレンズ形成物質は紫外線光に
    さらすことにより硬化可能であって実質的に透明な眼鏡
    レンズを1時間未満の時間で形成する方法。
  25. 【請求項25】 第1の型部材の非注型面を横切り、お
    よび第2の型部材の非注型面を横切って空気を導く段階
    をさらに含む請求項23または24記載の方法。
  26. 【請求項26】 型部材の非注型面を横切って空気を導
    く前に環境温度より下の温度に空気を冷却する段階をさ
    らに含む請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 レンズ形成物質の少なくとも25%
    が、アクリロイルオキシおよびメタクリロイルオキシか
    ら選ばれるエチレン性不飽和基を少なくとも2つ有する
    多エチレン官能性モノマーであり、かつこのレンズ形成
    物質は紫外線光にさらすことにより硬化可能であって実
    質的に透明な眼鏡レンズを1時間未満の時間で形成する
    請求項23および25〜26のいずれか1項記載の方
    法。
  28. 【請求項28】 レンズ形成物質の少なくとも25%
    が、アクリロイルオキシおよびメタクリロイルオキシか
    ら選ばれるエチレン性不飽和基を少なくとも3つ有する
    多エチレン官能性モノマーであり、かつこのレンズ形成
    物質は紫外線光にさらすことにより硬化可能であって実
    質的に透明な眼鏡レンズを1時間未満の時間で形成する
    請求項23および25〜27のいずれか1項記載の方
    法。
  29. 【請求項29】 レンズ形成物質が、光開始剤、アクリ
    ロイルオキシおよびメタクリロイルオキシから選ばれる
    エチレン性不飽和基を少なくとも3つ有する多エチレン
    官能性モノマーの少なくとも1つおよび、前記式(I)
    で示される芳香族性を有するビス(アリルカーボネー
    ト)官能性モノマーから本質的に成り、このレンズ形成
    物質は紫外線光にさらすことにより硬化可能であって実
    質的に透明な眼鏡レンズを1時間未満の時間で形成する
    請求項24〜26のいずれか1項記載の方法。
  30. 【請求項30】 レンズ形成物質が、アクリロイルオキ
    シおよびメタクリロイルオキシから選ばれるエチレン性
    不飽和基を少なくとも3つ有する多エチレン官能性モノ
    マーを少なくとも1つ含み、かつこのレンズ形成物質は
    紫外線光にさらすことにより硬化可能であって実質的に
    透明な眼鏡レンズを1時間未満の時間で形成する請求項
    23および25〜28のいずれか1項記載の方法。
  31. 【請求項31】 眼鏡レンズが、ゆがみ、ヒビ、パター
    ンおよびしまを実質的に有していない請求項23〜30
    のいずれか1項記載の方法。
  32. 【請求項32】 眼鏡レンズが約1.5mmより厚い請
    求項23〜31のいずれか1項記載の方法。
  33. 【請求項33】 レンズ形成物質を約10ミリワット/
    cm未満の紫外線光にさらしてレンズを形成する請求
    項23〜32のいずれか1項記載の方法。
  34. 【請求項34】 レンズが無視できる曇りおよび無視で
    きる黄変しか有していない請求項23〜33のいずれか
    1項記載の方法。
  35. 【請求項35】 レンズ形成物質が、約50℃未満の温
    度で非注型面を有する第1の型部材および約50℃未満
    の温度で非注型面を有する第2の型部材によって一部分
    形成される型キャビティ中にある間、紫外線光にレンズ
    形成物質をさらすことによってレンズを形成する請求項
    23〜34のいずれか1項記載の方法。
  36. 【請求項36】 型キャビティを形成するとき、第1お
    よび第2の型部材の間にガスケットを置く段階をさらに
    含む請求項23〜35のいずれか1項記載の方法。
  37. 【請求項37】 少なくとも+2ジオプターの収束力を
    有する実質的に透明な眼鏡レンズおよび−1ジオプター
    以上の発散力を有する実質的に透明な眼鏡レンズを形成
    するのに適している方法である請求項23〜36のいず
    れか1項記載の方法。
  38. 【請求項38】 1.5mmより厚く、ゆがみ、ヒビ、
    パターンおよびしまを実質的に有していない、および無
    視できる曇りおよび無視できる黄変しか有していない実
    質的に透明な眼鏡レンズを、ガスケット、約50℃未満
    の温度で非注型面を有する第1の型部材および約50℃
    未満の温度で非注型面を有する第2の型部材によって形
    成される型キャビティ中にあるとき、10ミリワット/
    cm未満の紫外線光にレンズ形成物質をさらすことに
    より全部で30分未満で形成するのに適している方法で
    ある請求項23〜37のいずれか1項記載の方法。
  39. 【請求項39】 30分間未満の時間でレンズが形成さ
    れる請求項23〜38のいずれか1項記載の方法。
  40. 【請求項40】 10分間〜30分間未満の時間でレン
    ズが形成される請求項23〜39のいずれか1項記載の
    方法。
  41. 【請求項41】 離型剤の存在なしに型部材からレンズ
    を手で取り去る段階をさらに含む請求項23〜40のい
    ずれか1項記載の方法。
  42. 【請求項42】 請求項23〜41のいずれか1項記載
    の方法を用いて製造した眼鏡レンズ。
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