JP2798741B2 - 脈波検出プローブの取付装置 - Google Patents

脈波検出プローブの取付装置

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、生体の血管から発生する脈波を検出するた
めの脈波検出プローブを常に最適な締付け力で生体に取
り付けることできる取付装置に関するものである。
従来の技術 心臓の拍動に伴って発生させられ、血管内を伝播する
圧力波或いは血管壁の振動を一般に脈波というが、この
脈波からは、例えば心臓の運動状態などの種々の医学的
情報を得られることが知られている。そして、かかる脈
波を検出するために、感圧ダイオードや歪ゲージ等が備
えた脈波検出プローブを生体の体表面上に取り付け、血
管から発生する脈波の圧力振動を検出するようにしたも
のがある。上記脈波検出プローブは、一般に、一端部に
おいてその脈波検出プローブに取り付けられた布等の可
撓性を有する締付けバンドが、生体の一部に巻き付けら
れて脈波検出プローブに設けられた係止部に係止される
ことにより、生体に取り付けられるようになっている。
発明が解決しようとする課題 ところで、上記脈波検出プローブは、脈波測定の際に
位置ずれが生じることなく且つ被検者に与える負担も少
ない最適な締付け力で取り付けられることが望ましい
が、前記締付けバンドは手作業で生体の一部に巻き付け
られて係止部に係止されるようになっているため、必ず
しも常に最適な締付け力で取り付けることはできなかっ
た。このため、脈波検出プローブの位置がずれて脈波の
検出精度が損なわれたり、長時間の脈波測定の際に被検
者に必要以上の苦痛を与えたりする問題があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、そ
の目的とするところは、脈波検出プローブを常に最適な
締め付け力で取り付けることができるようにすることに
ある。
課題を解決するための手段 かかる目的を達成するために、本発明は、生体の血管
から発生する脈波を検出する脈波検出プローブに一端部
が取り付けられた可撓性を有する締付けバンドを備え、
その締付けバンドが前記生体に巻き付けられ且つ一定の
張力を有する状態でその脈波検出プローブに設けられた
係止部に係止されることにより、その脈波検出プローブ
をその生体に取り付ける装置であって、(a)前記締付
けバンドの他端部に固定される本体部材と、(b)前記
締付けバンドの長手方向の相対移動可能に前記本体部材
に取り付けられるとともに、その締付けバンドを前記生
体に巻き付ける際に把持されて引っ張られる把持部材
と、(c)その把持部材を前記本体部材に対して前記引
張り方向と逆方向へ付勢するとともに、その付勢力に抗
してその把持部材がその本体部材に対して相対移動させ
られることにより、その相対移動量に対応した張力を前
記締付けバンドに発生させる付勢手段とを有することを
特徴とする。
作 用 このような脈波検出プローブの取付装置においては、
脈波検出プローブの生体の予め定められた位置、具体的
には橈骨動脈等の脈波を検出すべき血管の直上部に配置
した状態において把持部材が引っ張られ、その把持部材
が付勢手段の付勢力に抗して本体部材に対して相対移動
させられることにより、その本体部材が取り付けられた
締付けバンドにはその相対移動量に対応した大きさの張
力が発生させられる。したがって、その相対移動量に基
づいて締付けバンドに発生した張力が認識され、その相
対移動量が予め定められた一定量となる状態で締付けバ
ンドを脈波検出プローブの係止部に係止することによ
り、その締付けバンドには一定の張力が発生させられる
とともに、脈波検出プローブが一定の締付け力で生体に
取り付けられる。
なお、上記把持部材と本体部材との相対移動量、すな
わち締付けバンドに発生させられる張力の大きさは、被
検者の個体差や脈波測定の継続時間等を考慮して、脈波
検出プローブが位置ずれすることなく且つ被検者に与え
る負担ができるだけ少なくて済むように定められる。
発明の効果 このように、本発明の脈波検出プローブの取付装置に
よれば、把持部材と本体部材との相対移動量に基づいて
予め定められた一定の締付け力で脈波検出プローブを取
り付けることができるため、脈波検出プローブの位置ず
れによって脈波の検出精度が損なわれたり、長時間の脈
波測定の際に被検者に必要以上の苦痛を与えたりするこ
とが良好に防止される。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第1図において、10は締付けバンド12によって人体の
手首14に取り付けられた脈波検出プローブである。この
脈波検出プローブ10は、第2図の縦断面図から明らから
ように、底面が開口した容器形状のハウジング16と、そ
のハウジング16内に収容された脈波センサ18と、ハウジ
ング16の内壁と脈波センサ18との間に設けられてハウジ
ング16内を気密にするとともに脈波センサ18の検出面が
手首14の体表面に密着させられるようにその脈波センサ
18を支持する環状ゴム製のダイヤフラム20とから構成さ
れている。
ハウジング16は、上記脈波センサ18が橈骨動脈22の真
上に位置するように配置されるとともに、そのハウジン
グ16内には可撓性のエアホース24を介して圧力エアが供
給されるようになっており、その圧力エアの圧力に従っ
て脈波センサ18は橈骨動脈22の真上に押圧される。そし
て、このように脈波センサ18が橈骨動脈22の真上に押圧
されることにより、心拍に同期してその橈骨動脈22から
発生する脈波の圧力振動が検出され、その圧力振動に対
応する脈波信号SMが図示しない制御装置等に出力されて
脈波の波形や血圧値などが表示される。上記脈波センサ
18は、例えば感圧ダイオードや歪ゲージ等を含んで構成
される。
前記締付けバンド12は布等の可撓性を有する材料にて
構成され、その一端部において上記ハウジング16に回動
可能に設けられた取付金具26に取り付けられている。ま
た、ハウジング16の取付金具26と反対側の部分には、手
首14の体表面に密着させられるとともに上面が体表面に
向って傾斜させられた係止部28が一体に設けられてお
り、その係止部28の上面には係止具30が固着されている
一方、締付けバンド12には、それが手首14に巻き付けら
れて上記係止部28の上面に略対向させられる部分に、上
記係止具30に着脱可能に係止される係止具32が設けられ
ている。上記係止部30および32は、たとえば多数の細か
な樹脂フックが一面に設けられたシートおよびその樹脂
フックと係合可能な多数の細かなフープが一面に設けら
れたシートなどにより構成される。したがって、脈波検
出プローブ10が手首14の所定の位置に配置された状態に
おいて、締付けバンド12が手首14に巻き付けられるとと
もに、その締付けバンド12の係止具32が係止部28の係止
具30に係止されることにより、脈波検出プローブ10は手
首14に位置固定に取り付けられる。
また、上記締付けバンド12の他端部には、張力調整装
置34が取り付けられている。この張力調整装置34は、第
3図〜第6図に示されているように、ロック部材36によ
って締付けバンド12の他端部に着脱可能に取り付けられ
る保持部材38と、その保持部材38の長手方向に形成され
た摺動溝40内に摺動可能に配設された把持部材42と、保
持部材38の上面に固設されることにより把持部材42の脱
落を防止している蓋部材44とを備えて構成されている。
上記第3図は張力調整装置34の正面図であり、第4図は
平面図であり、第5図は平面断面図で第6図におけるV
−V断面に相当する図であり、第6図は第4図における
VI−VI断面図である。
上記保持部材38の一端部、すなわち第3図における左
端部の下部には、前記締付けバンド12の横断面形状と略
同じ形状のガイド穴46を有するガイド48が一体に設けら
れ、締付けバンド12の他端部はそのガイド穴46内に挿入
されるようになっている。また、前記ロック部材36は、
第6図から明らかなように締付けバンド12の他端部を保
持部材38の下面との間に挟んだ状態で、その両端部にお
いて保持部材38の面側部に形成された一対の切欠50に係
合させられ、保持部材38の長手方向の移動可能に配設さ
れている。保持部材38および締付けバンド12の互いに対
向する部分には、第7図から明らかなように係止具52,5
4が設けられ、互いに着脱可能に係止されるようになっ
ている。
そして、上記ロック部材36が第7図に示されているよ
うに左方向の開放位置に保持された状態において、上記
保持部材38にガイド穴46内に締付けバンド12の他端部を
挿入し、その状態でロック部材36を右方向へ第3図に示
されているロック位置まで移動させることにより、締付
けバンド12が保持部材38の下面に押圧されて前記係止具
52,54が互いに係止されるとともに、締付けバンド12の
他端部が保持部材38から離間することが阻止される。こ
れにより、保持部材38、更には張力調整装置34が締付け
バンド12の他端部に離脱不能に取り付けられる。また、
その状態においてロック部材36を上記解放位置まで移動
させ、係止具52,54の係止力に抗して締付けバンド12を
保持部材38の下面から引き離すことにより、張力調整装
置34を締付けバンド12から取り外すことができる。な
お、上記ロック部材36が係合させられている前記切欠50
は、第3図における右方向へ向かう程僅かに上方へ傾斜
させられており、ロック部材36が前記ロック位置に保持
された状態においては比較的大きさ摺動抵抗がそのロッ
ク部材36に与えられ、勝手に解放位置へ移動しないよう
になっている。
また、上記保持部材38の長手方向、換言すれば締付け
バンド12の長手方向の相対移動可能にその保持部材38に
配設された前記把持部材42は、その一端部に設けられた
把持部56が保持部材38の他端、すなわち締付けバンド12
が取り付けられた側と反対側から外部に突き出し、締付
けバンド12を手首14に巻き付ける際に引っ張られるよう
になっている。この把持部材42と保持部材38との間に引
張りコイルスプリング58が張設されており、把持部材42
は常には保持部材38内に引き込まれる方向へ付勢され
て、第7図に示されているようにフランジ60が保持部材
38に当接させられる引込み位置に保持される一方、把持
部56が把持されて引っ張られることにより、引張りコイ
ルスプリング58の付勢力に抗して保持部材38に対して相
対移動させられる。この時、その保持部材38が取り付け
られた上記締付けバンド12には、把持部材42の相対移動
量に応じた張力が引張りコイルスプリング58の弾性力に
従って発生させられる。この引張りコイルスプリング58
は付勢手段に相当する。
上記把持部材42の両側部には、保持部材38に形成され
た一対の切欠62内に突き出す一対の突起64が設けられ、
その突起64が切欠62の端部に係合させられることによっ
て保持部材38からの抜出しが防止されている。また、こ
の把持部材42の上面にはマーク66が設けられているとと
もに、前記蓋部材44には、そのマーク66を把持部材42の
全移動ストロークに亘って視認できる開口68が形成され
ている。開口68の近傍には、把持部材42が保持部材38に
対して予め定められた一定ストロークだけ引っ張り出さ
れた時に上記マーク66と一致する位置にマーク70が設け
られており、マーク66がマーク70と一致するまで把持部
材42が引っ張られることにより、締付けバンド12には予
め定められた一定の張力が発生させられる。上記蓋部材
44は保持部材38と共に本体部材を構成している。
そして、かかる張力調整装置34においては、脈波検出
プローブ10が手首14の橈骨動脈22上に配置された状態に
おいて、その脈波検出プローブ10を移動不能に保持しつ
つ把持部材42の把持部56を把持してマーク66がマーク70
と一致するまで把持部材42を引き出すことにより、締付
けバンド12には予め定められた一定の張力が発生させら
れる。そして、その状態を維持しつつ、把持部材42の把
持部56を把持したまま締付けバンド12を手首14に巻き付
けるとともに、その締付けバンド12に設けられた前記係
止具32を脈波検出プローブ10の係止部28に係止すること
により、その脈波検出プローブ10は予め定められた一定
の締付け力で手首14に取り付けられる。なお、締付けバ
ンド12を手首12に巻き付けた状態で把持部56を把持して
把持部材42を引っ張り出し、マーク66がマーク70と一致
する状態で締付けバンド12を係止部28に係止するように
しても差支えない。
ここで、かかる張力調整装置34は、弾性力が異なる引
張りコイルスプリング58を用いたり、マーク60や70の付
着位置を変更したりすることにより、マーク66がマーク
70と一致するまで把持部材42が引っ張られた際に締付け
バンド12に発生する張力がそれぞれ異なる複数種類のも
のが用意されており、被検者の個体差や脈波測定の継続
時間等を考慮して、脈波検出プローブ10が位置ずれする
ことなく且つ被検者に与える負担ができるだけ少なくて
済むものが選択され、締付けバンド12に取り付けられて
使用される。本実施例では、この張力調整装置34および
締付けバンド12を含んで脈波検出プローブ10の取付装置
が構成されている。
このように、本実施例の取付装置によれば、マーク66
がマーク70と一致する位置まで把持部材42が引っ張り出
されることにより、常に一定に締付け力で脈波検出プロ
ーブ10を手首14に取り付けることができるため、脈波測
定中に脈波検出プローブ10の位置ずれが生じて脈波の検
出精度が損なわれたり、長時間の脈波測定の際に被検者
に必要以上の苦痛を与えたりすることが良好に防止され
るのである。
また、前記張力調整装置34は、ロック部材36および係
止具52,54により締付けバンド12に対して容易に着脱で
きるため、例えば締付けバンド12を使い捨てる場合等に
おいても、その締付けバンド12から張力調整装置34を簡
単に取り外すことができる利点がある。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
したが、本発明は他の態様で実施することもできる。
例えば、前記実施例では張力調整装置34がロック部材
36等によって締付けバンド12に簡単に着脱できるように
なっているが、ねじ等の他の固定手段を採用することも
可能である。
また、前記実施例では脈波検出プローブ10のハウジン
グ16に一体に係止部28が設けられ、締付けバンド12が係
止されるようになっているが、締付けバンド12と同様な
バンドを係止部としてその締付けバンド12と反対側に取
り付け、そのバンドに係止するようにしても差支えな
い。
また、前記実施例の張力調整装置34には、その把持部
材42および蓋部材44に1個ずつのマーク66,70が設けら
れ、それ等が互いに一致させられるまで把持部材42が引
き出されることによって締付けバンド12に一定の張力が
発生させられるようになっているが、把持部材42或いは
蓋部材44に複数のマークを設けるとともに、被検者の個
体差や脈波検出時間等に応じて1つのマークを選択する
ことにより、そのマークに応じた大きさの張力を締付け
バンド12に発生させることも可能である。その場合に
は、複数種類の張力調整装置34を用意する必要がない。
また、前記実施例では橈骨動脈22から発生する脈波を
検出する場合について説明したが、他の動脈波或いはDC
成分のみから成る静脈波を検出する脈波検出装置にも本
発明は同様に適用され得る。
また、前記実施例の脈波検出プローブ10は、脈波セン
サ18が手首14の体表面に直接押圧されて脈波を検出する
ようになっているが、体表面の圧力振動波を伝達する流
体或いは弾性体を介して検出するものなど、他の種々の
脈波検出プローブの取付装置にも本発明は適用され得
る。
その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に
基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である取付装置によって脈波
検出プローブが手首に取り付けられた状態を示す断面図
である。第2図は第1図の脈波検出プローブの断面図で
ある。第3図は第1図の取付装置の要部を示す正面図で
ある。第4図は第3図の平面図である。第5図は第4図
の断面図で、第6図におけるV−V断面に相当する図で
ある。第6図は第4図におけるVI−VI断面を示す図であ
る。第7図は第3図の取付装置を締付けバンドに脱着す
る際の作動を説明する図である。 10:脈波検出プローブ 12:締付けバンド(取付装置) 34:張力調整装置(取付装置) 22:橈骨動脈(血管)、28:係止部 38:保持部材(本体部材) 44:蓋部材(本体部材) 42:把持部材 58:引張りコイルスプリング(付勢手段)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体の血管から発生する脈波を検出する脈
    波検出プローブに一端部が取り付けられた可撓性を有す
    る締付けバンドを備え、該締付けバンドが前記生体に巻
    き付けられ且つ一定の張力を有する状態で該脈波検出プ
    ローブに設けられた係止部に係止されることにより、該
    脈波検出プローブを該生体に取り付ける装置であって、 前記締付けバンドの他端部に固定される本体部材と、 前記締付けバンドの長手方向の相対移動可能に前記本体
    部材に取り付けられるとともに、該締付けバンドを前記
    生体に巻き付ける際に把持されて引っ張られる把持部材
    と、 該把持部材を前記本体部材に対して前記引張り方向と逆
    方向へ付勢するとともに、その付勢力に抗して該把持部
    材が該本体部材に対して相対移動させられることによ
    り、その相対移動量に対応した張力を前記締付けバンド
    に発生させる付勢手段と を有することを特徴とする脈波検出プローブの取付装
    置。
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