JP2795692B2 - クリスマス・ツリー装飾用電動機回転子 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般的に直列接続式装飾電球のコードセッ
トに関し、特にクリスマス・ツリーの照明に適する上記
コードセットに関する。更に特定すれば、本発明は、１
以上の個々の電球が電球受容器にプラグされクリスマス
・ツリー装飾等を回転させるために用いられる小型電動
機に取替えられるコード組立体に関する。

〔従来の技術〕

多数の豆ソケットのそれぞれ豆電球を押込嵌合した装
飾用白熱豆電球のコードは従来から知られている。この
種の製品は、ソケットと電球を極く単純な形状で寸法や
経費は少なくて済んだ。この公知技術は電気的に直列に
接続される豆電球のコードセットを記述する特許で満た
されている。この点についてさらに説明する必要はな
い。

しかしながら、この公知の電球セットの欠点は取付け
るクリスマス・ツリーの装飾を回転する電球コードセッ
トと一体の装置を組込む機構がない点である。もちろん
装飾として作用することもある装飾的な電球はあるが、
これらの電球は回転する装飾ではない。このような目的
に使用できる電動機は市場に存在するが、寸法やエネル
ギーの消費が非常に大きく、実用的でない。さらに電球
コードセットと共に使用され内部の装飾を回転するある
種の装飾が現在市場に出回っている。しかし非常に高価
で、その装飾の市場性を限定的なものにしてしまう複雑
な電子機構を用いている。

〔発明が解決しようとする課題〕

そこで本発明の目的は、直列接続式白熱装飾電球のコ
ードセットで、そのコードセットの１以上の電球が取外
し可能で、電動機を１以上の電球ソケットに接続して、
さもなければ静止状態のクリスマス・ツリー用装飾に連
続的な回転あるいは運動を与えることのできるコードセ
ットを提供することである。

さらに本発明のもう１つの目的は、クリスマス・ツリ
ーの装飾品の回転効果およびアニメーションを達成する
特定の減速装置を設けた出力装置有する独特の電動機を
提供するにある。

〔実施例〕

その他の本発明の諸特徴は、添付図面に示す好適実施
例に従って、以下に詳述する。

直列に接続した白熱電球のコードセットを10で示す。
常態において、コードセット10は最終消費者に電力を供
給する通常の壁ソケットに挿込み可能な電源プラグ11を
含む。このプラグ11はコードセット10の導線12aにより
各種押込式電球13および本発明の回転電動機14に電力を
供給する。標準型の照明コードセットは、しばしば50個
の電球を含むが、第１図は無用な反復を避けるため破断
して小数の電球のみを略示してある。コードセット10の
完全な回路は導線12bを経て完結する。

第２図に移ると、コードセット10は更に明瞭に示され
ており、現在市場に出廻っている普通型の電球とソケッ
トを示してある。押込嵌合した電球13は、基部がソケッ
ト15の内部に係合可能にされた比較的平行な平坦側面を
有する典型形である。したがって回転式電動機の押込嵌
合式電動機プラグ16の基部の形状を通常の押込嵌合式電
球基部と同様にしてある。電動機用プラグ16から電動機
用コード17a,17bが延びておりプラグ16より電動機14に
電力を供給する。この電動機をクリスマス・ツリーその
他所望の物体よりの吊下げを容易にするため電動機には
吊り手18を設けて電動機を所望の物体に取付け可能にし
てある。

電動機14の目的は装飾品を回転させることであるか
ら、第２図に示すように、装飾品19を装飾品吊り手21に
取付け、この吊り手を電動機の取付けフック22に取外し
自在に固定する。

既に述べた通り、ここに示したクリスマス・ツリー用
電球の典型的なコードは、コード１本当り35あるいは50
個の電球があるのが普通である。電球はすべて120Vの交
流電源に直列に接続する。これらの電球の電圧は、35及
び50のセットの電球いついて差異があっても、この電球
を通る電流はなお0.120〜0.160アンペアの範囲にある。
図面に番号14で示す電動機を照明コードの電球の１つと
取替えると、電動機のコイルはおよそ電線を262回巻き
（32〜42アンペア巻き）であれば有効に作動し、したが
って適宜の抵抗を用いた適宜サイズの電線を用いれば、
電動機のインピーダンスは電球と同一となり、したがっ
てコードに対して互換性を有する。

もちろんここに設計したかかる電動機は一旦作動を開
始させるといずれかの方向に回転する。設計のタイプに
よりコードを通電させるとき電動機がいずれの方向に回
転するか前以って判らない。しかし電動機を使用する特
定の環境においては特別問題は生じない。例えば使用者
が電動機を１方向にのみ回転させたいときは、電動機に
わゆる反転禁止装置を組込んで通電するごとに所定方向
に電動機を回転させるのが簡単である。このような反転
禁止装置の実施例を第５図に示す。

回転制御の別の可能性は、いわゆる明滅電球を直列回
路に挿入すると、この電球が周知のごとく回路の通電を
切って回転を停止することがある。明滅電球の作用によ
り回路が再び通電すると、電動機は反対方向に回転す
る。これは極めて面白い効果があり、しばしば電動機が
停止し、休止し、そこで次に回転を始めると同一の方向
あるいは逆の方向に回転し、使用者を喜ばせる効果を作
ることができる。同様の効果を第４図に示す構造によっ
て達成することができる。

電動機の減速機構について言えば、本発明者は一連の
減速歯車機構を構想したが、それによると電動機のピニ
オンは８個の歯、中間歯車が60個の歯、この中間歯車に
取付けたピニオンの歯が８個、そして中間歯車のピニオ
ンによって駆動される出力歯車の歯が40個で、これによ
って12rpm（回毎秒）の出力軸を提供できる。かかる電
動機はコイルの20〜50アンペア巻きの範囲で回転しトル
クも良好である。もちろん電動機構を工夫して水平位置
に設けたり、あるいは逆さの作動とする場合に出力軸と
して機能するようにできる。

本発明の電動機14は誘導電動機で特殊な設計の永久磁
石の回転子を持つものでよい。電動機組立体14はハウジ
ング23、電動機カバー24、ギアカバー25を含む。

第３図は、電動機の分解斜視図であるが、電動機組立
体14内に多くの部品があって電動機カバー内に収納され
ている。出力固定子26は本実施例では８個の極歯26aを
有する。固定子26の内側に収容されたコイル27はおよそ
262回巻きの42番極性ワイヤからなり、このコイルはお
よそ18オームのDC抵抗を有する。この型式による電動機
は押込式豆電球とほぼ同一のインピーダンスを与えら
れ、したがって電動機に通常のクリスマス・ツリー照明
用コードの豆電球との互換性を与える。コイルには押込
式豆プラグ29を端子とする１対の導線28a,28bを接続す
る。この型のプラグは通常のクリスマス・ツリー照明用
コードの電球ソケットに押込可能である。承知の通り、
コイルは外側固定子の内部に裾付けられ、固定子はまた
電動機カバー24内に収納配置される。この中間組立体は
ねじ孔29に挿込むねじ（図示せず）によってハウジング
23に固定される。

電動機を完成しこれに回転能力を与えるためには、電
機子31をコイルの受孔32に配置する。特に第３図に図示
したごとく心棒は受孔32に収容できる近接端と、回転子
本体に嵌合すべき回転子シヤフト33となる遠隔端を有す
る。回転子シヤフト33と電機子遠隔端の間に段部34があ
って内側固定子36の受孔35を受ける。内側固定子36は次
に、電機子の段部34に受けしめて、この内側固定子36の
１対の磁極歯36aの間に突部37を挿入させて回転しない
ように固定される。内側固定子の磁極数は外側固定子の
磁極数と同一で、本件の場合それぞれ８個の内側極歯と
８個の外側磁極歯がある。

電動機出力軸に回転エネルギーを供給するため、回転
子39はその中心開口41が回転子シヤフト33に支持され、
これと共に回転する。その開口41は、回転子カップ体39
の上部に設ける回転子ピニオン42に設けられる。図示さ
れた通り、回転子カップ体39は小型で、好適には熱可塑
性材料製とし、回転子のカップ体はその内面は低密度亜
鉄酸バリウムのような電動回転子材料を支持する。常態
として、亜鉄酸バリウムはゴム系結合材に含浸され、次
に回転子カップ体の内周面に配置され、内外固定子間の
所望の相互作用を可能ならしめる。回転子材料43は特に
第６図及び第７図に示す通り、比較的軽量の回転子支持
カップ体に支持され、回転子の周縁が磁化され、その磁
化により交互にＮ極,S極を配置する16個のセグメントが
できる。図示のごとく、電動機は、通常同期電動機であ
り、極めて単純かつ堅固な構造をしており、大量生産に
適する。回転子の密度は広範な磁場にわたって低いので
回転子によって生ずるトルクに対する回転子の慣性モメ
ントの比率が低く、したがって電動機は迅速に同期して
作動する。第７図に見るごとく、回転子39は番号44で示
す16個の磁化セグメントを含む。各セグメントは、言う
までもなく交互に磁化されている。

電動機が完全に組立てられると、第３図に示すごと
く、回転子39は回転子シヤフト33に回転自在に支持さ
れ、回転子の下方に延びる側壁45は、作動位置におい
て、内側固定子36と外側固定子26の極歯の間に配置され
る。内側固定子と外側固定子の両方はそれぞれ８個の磁
極歯を有し、回転子の16個の磁化セグメント44と協働す
る。注意しておくことは、内側固定子が絶対に必要であ
るというわけではない点である。電動機は対になった固
定子磁極歯を用いて、固定子の磁極歯と回転子の間に相
互作用を与える漏れ磁束を用いる各回転子セグメントと
相互作用する。

電動機より出力を取出すためには、回転子ピニオン42
を中間歯車46およびピニオン47と係合させる。ピニオン
47の出力は出力歯車48と係合し、出力歯車は、また所望
の態様において回転フック22を動かす。組立が完成した
場合は、回転するフックの軸51はギア・カバー25の開口
52を貫通して突出し、所望のツリー用装飾を電動機に取
付ける手段となる。完成された電動機の組立体は１対の
締付ねじ53を含み、これがギア・カバー25、ハウジング
23を貫通し、電動機カバー24で終っていて作動部を最終
組立体の状態に維持する。

本発明に使用できる型式の電動機の作動は同期電動機
の技術においてよく知られている。内側外側固定子の組
合せで、回転子の16個の磁化セグメントを取巻く円形に
均等に整合された８対の磁極歯を提供する。電動機は、
通電が切られると、回転子がその各磁極対が回転子の交
互のセグメントと整合する状態で休止するようにする。
電動機を通電すると、コイル27を通る電流の作用で、固
定子の磁極対の各々は整合する回転子セグメントを介し
て磁束場を通過し、回転子は、回転子セグメントに対す
る磁束場の極性が反対であるためただちに同期速度で回
転するようになる。回転子は固定子磁極の極性が逆にな
るまで動かないことがあり、逆になると回転子は回転し
て同期速度まで加速される。

回転子はいずれかの方向で始動可能で、このため反転
機構のような装置を組込むことが望ましく、これにより
電動機の回転を所望方向にすることができる。電動機を
特定の一方向に作動させたいときは、反転機構により逆
の方向の回転を停止し、所望方向の回転を許容し、回転
子を停止させて所望方向に反転させる。第４図は反転機
構の１実施例を示し、出力歯車48は上面より突出する反
転タブ54を有する。タブ54はギア・カバー25の下面に設
けた下方に突出する反転突起55と協働する。第４図の実
施例においては、電動機が回転を始めると、回転は特定
の１方向になり、タブ54が突起55に当ると、電動機は自
動的に反転し、ほぼ360゜反対方向に回転するとタブ48
が突起55に再度突き当り、そこで又反転し、電動機が通
電している限りこの動作を続ける。

第５図においては、電動機の反転が禁止され、電動機
の所望方向への回転を保証する。この特定の実施例にお
いては、出力歯車48は中心軸51の周囲にラチェット56を
固定する。このラチェットはその周囲に突出する１連の
歯57を有し、これをシヤフト59に取付けた爪58と協働さ
せる。シヤフト59は中間歯車46より突出して爪58をその
作動位置に維持する働きをする。これは従来より知られ
ている。爪の対向する鉤61がラチェットの歯57を阻止す
るように働き、出力歯車が所望１方向とは逆の方向に回
転するのをさまたげる。

ここに図示するような永久磁石による誘導電動機は、
負荷をかける前にいずれかの方向に回動開始させなけれ
ばならない。始動は、この種の電動機の場合静止した負
荷が到達する前に減速歯車機構のバックラッシュによっ
て達成される。本件電動機のバックラッシュと協働する
第５図に示す反転禁止装置は、出力歯車の位置に置か
れ、始動回転あるいは反転回転の自由な運動を提供す
る。

本発明について以上においては直列接続の白熱電球の
豆ソケットに接続される装飾照明コードの実施例を示し
たが、その詳細についてこの実施例に限定する意思はな
く、本発明の基本的思想を逸脱することなく多くの改変
が可能なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る電動機を各種の電球と直列に接続
したところを示す直列接続式装飾用白熱電球のコードセ
ットの電気配線図様の略図である。 第２図は回転電動機を電球ソケットに嵌入される押込型
プラグによってコードに接続する電球コードを示し、更
に回転する吊り手の電動機出力から吊下がる代表的な装
飾品を示す斜視図、 第３図は減速出力装置を含む本発明の小型電動機の分解
斜視図、 第４図は本発明の電動機の減速出力装置の１実施例を示
す分解斜視図、 第５図は本発明の電動機の減速出力装置の第２実施例の
分解斜視図、 第６図は電動機回転子の拡大正面図で一部切欠してあ
る。 第７図は電動機回転子の中空内部を示す底面図である。 10……コードセット、11……電源プラグ、12a,12b……
導線、13……電球、14……電動機、15……ソケット、16
……プラグ、17a,17b……電動機用コード、18……吊り
手、19……装飾品、21……吊り手、22……フック。

Claims (11)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の電球ソケットを細長の可撓性導線に
   よって電源プラグに接続させ、上記電球ソケットを直列
   接続式のソケットのコードに連結し、所定数の白熱電球
   を上記電球ソケットのいくつかに取付ける直列接続式白
   熱電球の装飾用コードセットにして、 所定数の小型電動機を上記電球ソケットのいくつかに取
   付け、上記電動機はこれを各電球ソケットに相互連結す
   るプラグと、さらに電動機用吊り手装置と、動力出力装
   置と、この動力出力装置に係合する装飾品吊り手装置と
   を有する同期誘導電動機を含み、 上記電動機のプラグは上記電球ソケットのいずれかと係
   合して上記電動機を通電するように形成され、 上記電動機が通電コイルと、回転子と、固定子とを含
   み、上記動力出力装置が回転子に相互連結され、 上記電動機が上記白熱電球の１つと等しい所定インピー
   ダンスを有し、これと十分に交換可能にされており、上
   記装飾用コードセットが通電すると電動機が同時に通電
   され装飾品吊り手を回転せしめるようにしたことを特徴
   とする直列接続式白熱電球の装飾用コードセット。
2. 【請求項２】電動機固定子が多数の隔設した磁極を有す
   る少なくとも１個の固定子組立体を含むことを特徴とす
   る前記特許請求の範囲第１項記載の直列接続式白熱電球
   の装飾用コードセット。
3. 【請求項３】固定子がそれぞれ多数の隔設した磁極を有
   する２つの固定子組立体を含み、この２つの固定子組立
   体が所定のエア・ギャップを画するように相互に同心関
   係で組立てられることを特徴とする前記特許請求の範囲
   第２項に記載の直列接続式白熱電球の装飾用コードセッ
   ト。
4. 【請求項４】回転子が平坦な上面とそこから下方に延び
   る側壁によって内部空所を形成する回転子カップ体と、
   上記下方に延びる側壁の内部空所内に形成され交互の極
   性を有する多数の隔設したセグメントを設けた磁石媒体
   を含むことを特徴とする前記特許請求の範囲第２項記載
   の直列接続式白熱電球の装飾用コードセット。
5. 【請求項５】回転子カップ体の側壁が固定子と並置さ
   れ、この固定子と電動機のコイルによって生ずる磁束場
   と電気的に作用し合って回転子に回転運動を生ぜしめる
   ようにしたことを特徴とする前記特許請求の範囲第４項
   記載の直列接続式白熱電球の装飾用コードセット。
6. 【請求項６】電動機の固定子がそれぞれ多数の隔設した
   磁極を有する２つの固定子組立体を含み、この２つの固
   定子組立体が相互に同軸関係で組立てられ、その間にエ
   ア・ギャップを画するようにされ、回転子カップ体の側
   壁が上記２つの固定子組立体の間のエア・ギャップ内に
   配置されていることを特徴とする前記特許請求の範囲第
   ５項記載の直列接続式白熱電球の装飾用コードセット。
7. 【請求項７】動力出力装置が方向性制御機構を含み、装
   飾品吊り手が所望方向に回転するここを可能にすること
   を特徴とする前記特許請求の範囲第５項記載の直列接続
   式白熱電球の装飾用コードセット。
8. 【請求項８】上記方向性制御機構が動力出力装置と協働
   する反転装置を含み、装飾品吊り手の回転方向を所定間
   隔で反転することを特徴とする前記特許請求の範囲第７
   項記載の直列接続式白熱電球の装飾用コードセット。
9. 【請求項９】動力出力装置の一部に設けられこれと共に
   回転する機械的タブが、上記所定間隔で停止体に衝突
   し、これにより回転子の回転を停止し、回転子の回転を
   反転させることを特徴とする前記特許請求の範囲第８項
   記載の直列接続式白熱電球の装飾用コードセット。
10. 【請求項１０】方向性制御機構が装飾品吊り手の回転を
    １方向にだけ制限する装置を含む前記特許請求の範囲第
    ７項記載の直列接続式白熱電球の装飾用コードセット。
11. 【請求項１１】回転制限装置が動力出力装置と関連する
    爪とラチェットの機構を含み、選択的に装飾品吊り手の
    １方向回転を可能にすることを特徴とする前記特許請求
    の範囲第10項記載の直列接続式白熱電球の装飾用コード
    セット。