JP2794398B2 - 植物栽培システム - Google Patents

植物栽培システム

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JP2794398B2
JP2794398B2 JP7103176A JP10317695A JP2794398B2 JP 2794398 B2 JP2794398 B2 JP 2794398B2 JP 7103176 A JP7103176 A JP 7103176A JP 10317695 A JP10317695 A JP 10317695A JP 2794398 B2 JP2794398 B2 JP 2794398B2
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  • Fertilizing (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフ場、サッカー場
の芝生、農園、庭園等に植栽される花菜類に対し、成分
調整された液肥を供給するための植物栽培システムに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、被栽培植物に対して液肥を供給す
る装置としては、例えば特開昭62−143623号や
特公平5−29407号に記載される装置が提案されて
いる。これらの装置は、水に対し、各植物に適合する量
のカリウム、マグネシウム、カルシウム、硝酸、リン等
の養分を溶解させ、所定のPH値に設定して液肥を調合
するようにしている。こうして調合される液肥は、被栽
培植物が植栽される場所へ配管されるパイプに供給さ
れ、パイプに配設されるスプリンクラーで被栽培植物に
対して散水したり、あるいはパイプに配設されるドリッ
パーにより被栽培植物が植栽される土中に点滴するよう
にしていた。すなわち、こうした従来の装置は、液肥の
調合ステーションから被栽培植物の植栽場所までワンウ
ェイ方式で液肥を供給するものとされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかし上記従来の植
物栽培システムにあっては、スプリンクラーで液肥を散
水し、あるいはドリッパーで土中の植物根に向けて液肥
を浸透させることとしているため、液肥のほとんどは土
中に浸透してしまい、実際に植物に供給される液肥の量
は全供給量の数パーセント程度のものとされていた。こ
のため、粉末肥料等に比べて高価とされる液肥のほとん
どが無駄に地中に浸透し、供給ロスが極めて高いものに
なっていた。
【0004】加えて、必要以上の液肥が地中に浸透する
ことにより、地下水に液肥が混入する点も心配され、ひ
いては川や海の汚染、魚介類の養殖事業にも影響が及ぶ
ことを危惧されていた。
【0005】これに対し、最近普及している土を全く用
いることのない水耕栽培システムにあっては、上記ワン
ウェイ方式と異なり、液肥をポンプにより循環する方式
が採用されている。すなわち、この方式は成分調整され
た液肥を被栽培植物が植栽され、列状に接続されたプラ
ンターに対して順次供給し、こうして供給され、各プラ
ンターを通過された液肥は再びポンプの駆動によりプラ
ンターを循環するシステムとされている。こうした循環
方式による水耕栽培システムにあっては、循環路中に液
肥の貯溜部が配設され、該貯溜部には液肥のPH調整手
段並びに養分の調整手段が配設される。PH調整手段は
循環される液肥のPH値を計測し、該PH値が各被栽培
植物に見合った所定の値になるよう成分調整を行うよう
にしている。また養分の調整手段も、循環される液肥中
のカリウム、マグネシウム、カリウム等の成分濃度を分
析し、各養分の濃度が所定の設定値になるよう選択的に
養分の添加を行うこととしている。
【0006】出願人はこうした循環システムを、土壌に
植栽された植物にも応用すべく実験、研究を行っている
が、液肥の回収が思うようにいかず、また回収された液
肥に土壌中に発生したバクテリアや雑菌が混入してしま
い、これをそのまま循環させて被栽培植物に供給する
と、病原菌が発生した場合に全ての被栽培植物が病原菌
により冒されることが危惧され、水耕栽培以外にこうし
た循環システムを応用することは不可能とされていた。
【0007】本発明は上記従来の不具合に着目してなさ
れたものであり、土壌で栽培する植物栽培システムにあ
って土中に浸透する余分な液肥を円滑に回収し、安全か
つ効率的に植物栽培を行うことを目的とするものであ
る。
【0008】
【問題点を解決するための手段】上記目的を達成するた
めに、本発明は被栽培植物が土中に植栽される部分の地
上または地中領域に液肥供給用のパイプを配設し、該パ
イプに形成された供給孔より被栽培植物に向けて液肥を
散水し、あるいは土中の植物根に向けて液肥を浸透させ
る植物栽培システムにあって、被栽培植物が植栽される
部分の土中に埋設され、土中に浸透降下する余分な液肥
を回収する多孔パイプと、多孔パイプにより回収された
液肥を集めて次亜塩素を供給し、これに含まれるバクテ
リア、微生 物に対して滅菌処理を施こす滅菌処理手段
と、次亜塩素を供給された液肥に対して、チオ硫酸ソー
ダからなる中和剤を添加する手段または活性炭フィルタ
により次亜塩素を吸着する次亜塩素の除去手段と、回収
され、滅菌された液肥中に含まれる土、小石、異物を除
去するためのろ過手段と、ろ過された液肥に対し所定量
の水を加える加水手段と、水を加えられた液肥を貯溜す
る貯溜タンクと、貯溜タンク内に配設され、液肥のPH
値あるいは液肥中のカリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、硝酸の各養分濃度を計測するセンサー手段と、貯溜
タンクと加水手段の間に配設され、上記センサー手段の
計測値に基づき、加水手段から貯溜タンクに向けて供給
される液肥のPH調整を行うとともに、上記センサー手
段の各養分濃度の計測値が所望の設定値となるようカリ
ウム、マグネシウム、カルシウム、硝酸等の養分を選択
的に添加する調整手段と、貯溜タンクに貯溜され、PH
調整並びに養分調整の行われた液肥を再び液肥供給用の
パイプに向けて供給する供給手段と、を有することとし
たものである。
【0009】
【作用】本発明によれば、被栽培植物が植栽される部分
の土中に多孔パイプを埋設し、該パイプにより土中を浸
透降下する余分な液肥を回収することが可能となる。こ
うして回収された液肥に対しては滅菌処理手段により滅
菌処理が行われ、またろ過手段により土、小石、異物等
が除去されることとなる。また加水手段により水が加え
られ、貯溜タンクに貯溜されることとなる。
【0010】ここで貯溜タンクに貯溜される液肥は、セ
ンサー手段によりPH値あるいはカリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、硝酸などの養分の濃度が計測され、ま
たこれらの計測値に基づき、調整手段によりPH調整並
びに各養分の選択的添加が行われ、計測値が所望の設定
値になるように成分調整を行うこととしている。
【0011】こうしてPH調整並びに養分調整の行われ
た貯溜タンク内の液肥は、供給手段により、再び液肥供
給用のパイプに向けて供給され、パイプに形成された供
給孔より被栽培植物に向けて供給されることとなる。こ
のようにして構成される植物栽培システムによれば、露
地裁倍の野菜、ゴルフ場やサッカー場の芝生等、土壌中
に植栽された植物に供給される液肥を効率的に回収する
ことが可能となる。また土壌中に発生し、または含まれ
るバクテリア、雑菌などが混入された状態で回収された
液肥に対しては次亜塩素が供給されて完全に滅菌処理が
行われることとなり、さらにこうして滅菌された液肥は
次亜塩素が吸着あるいは中和されて除去されることとな
る。さらに滅菌された液肥は加水され、ろ過され、次い
でPH調整並びに養分調整を行った上で再び植物に供給
することが可能となる。したがって土中に浸透する余分
な液肥を円滑に回収し、安全かつ効率的に植物栽培を行
うことが可能となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1〜図4は本発明の一実施例に係る植物栽培シ
ステムに係る。図3および図4はサッカーグランドの一
部を示す断面図であり、こうしたグランドは地表面に被
栽培植物としての天然芝1が植栽される構造とされる。
天然芝1は地表面からおよそ100mm程度の層をなす
芝床2上に植栽され、芝床2は土壌改良材および調整砂
を混ぜて生成され、ある程度の通水性を備えるものとさ
れる。芝床2の下層には200mm程度の層厚からなる
砂層3が配設される。この砂層3は川砂および火山砂利
を混ぜて生成され、芝床2に比べてより高い通水性を備
えるものとされる。さらに砂層3の下層には100mm
以下の層厚からなるクラッシャーラン層4が、さらにク
ラッシャーラン層4の下層には小粒石層5が配設され
る。これらクラッシャーラン層4並びに小粒石層5は、
それぞれ極めて高い通水性を備えるものとされる。
【0013】砂層3の中間層位置には、液肥供給用のパ
イプ6が配管され、該パイプ6には所定の間隔で供給孔
7が配設される。供給孔7はパイプ6の上方側に穿設さ
れ、各供給孔7の周回におけるパイプまわりには案内環
8が配設される。パイプ6には実施例に係る植物栽培シ
ステムから供給される液肥が図3の矢印方向に供給さ
れ、該液肥は各供給孔7から吐出されることとなる。吐
出された液肥は案内環8にガイドされる状態で砂層3内
を図3の矢印方向に分岐されることとなる。こうして砂
層3に供給された液肥の一部は芝床2に浸透し、天然芝
1の根に供給されることとなる。
【0014】ここでパイプ6により供給される液肥は、
予めPH値を所定の値に設定される他、カリウム、マグ
ネシウム、カルシウム、硝酸等の各養分についても被栽
培植物としての天然芝1にあわせて所定の値に設定され
ている。供給孔7から吐出される液肥は、上記のように
芝床2に向けて浸透されて天然芝1に吸収されるもの
の、多くは砂層3からクラッシャーラン層4→小粒石層
5へと浸透降下することとなる。また、浸透降下する液
肥は図4に示すように砂層3の下に配設され、小粒石層
5の下方へと延設される不透水シート9をつたって同じ
く降下することとなる。ここで小粒石層5の全体は、図
4で明らかなように不透水シート9にてその全体を槽状
に被包される構造をなし、砂槽3→クラッシャーラン層
4と浸透降下する液肥は不透水シート9により小粒石層
5の部分に貯溜されることとなる。
【0015】小粒石層5の内部には多孔パイプ10が配
設され、該パイプ10は上半部に複数の小孔11が穿設
されてなる。多孔パイプ10は上方のクラッシャーラン
層4から浸透降下する液肥を直接小孔11の部分にて流
入することを可能とする他、不透水シート9により槽状
をなす小粒石槽5の部分に貯溜された液肥を該小孔11
の部分から流入することを可能とする。こうして多孔パ
イプ10にて回収された余分な液肥は、パイプ10内を
図3の矢印方向に給送されて図1のようにドレーンパイ
プ10Aへと送られ、ドレーン貯槽12に貯溜されるこ
ととなる。
【0016】一旦、ドレーン貯槽12に回収された液肥
中には、小石、木片、土等の異物が混ざっている他、土
中に発生し、あるいは存在するバクテリアや病源菌等も
含有されるもののとされる。このため、先ずドレーン貯
槽12に貯溜された液肥はろ過用ポンプ13により汲み
上げられ、第1圧送管路14によりろ過装置15へと圧
送される。
【0017】第1圧送管路14中には、滅菌液タンク1
8に連通される第1供給管16が接続される。滅菌液タ
ンク18には滅菌液としての次亜塩素液は貯溜され、こ
の次亜塩素液は第1供給ポンプ17の駆動により、第1
供給管16から第1圧送管路14に向けて供給され、第
1圧送管路14中の液肥に混入される。さらに第1圧送
管路14中には第1塩素電極19が配設され、該電極1
9は液肥に混入された次亜塩素液の活性化を促進し、イ
オン濃度の調整を行うこととしている。第1供給ポンプ
17並びに第1塩素電極19はそれぞれ滅菌コントロー
ラ20により駆動調整される。すなわち、滅菌コントロ
ーラ20はポンプ17の駆動を調整することで液肥に対
する次亜塩素液の混入量を調整し、さらに第1塩素電極
19の電圧調整により次亜塩素液が混入された液肥のイ
オン濃度を調整するようにしている。こうして、第1圧
送管路14中を圧送される液肥は次亜塩素液により滅菌
され、次いで2基のろ過装置15にそれぞれ分岐される
状態で送出されることとなる。ろ過装置15は内部にサ
ンドフィルターを備えて構成され、該サンドフィルター
により回収された液肥中に含まれる小石、土、木片等の
異物を除去するようにしている。こうして異物の除去さ
れた液肥はミキシングタンク21へと給送される。
【0018】各ろ過装置15の入口部にはバルブ22
が、またミキシングタンク21の出側には開閉バルブ2
3が配設される。バルブ22は常時は第1圧送管路14
から液肥をろ過装置15へ一方向に供給するモードに設
定され、また開閉バルブ23は開モードに設定されるよ
うにしている。しかし、ろ過装置15内のフィルターに
ある程度異物がたい積されると、フィルターを逆洗する
必要性が生じ、このような場合には開閉バルブ23を閉
モードとし、さらにバルブ22を逆流モードとして逆洗
作業が行われる。すなわち逆洗は、ミキシングタンク2
1内の液肥を逆流させて、異物を第1圧送管路14から
ドレーン貯槽12へと逆流させるものである。こうした
各バルブ22、23の切換操作はバルブコントローラ2
4により行われる。ろ過装置15によりろ過された液肥
は、ミキシングタンク21から第2圧送管路25を給送
され、処理水タンク26へと圧送される。
【0019】第2圧送管路25には、中和液タンク27
に連通される第2供給管28が接続される。中和液タン
ク26には中和液としてのチオ硫酸ソーダが貯溜され、
該液は第2供給ポンプ29の駆動により第2供給管28
から第2圧送管路25に向けて供給され、第2圧送管路
25中の液肥に混入される。すなわち、第2供給管路2
5において、ミキシングタンク21側から圧送される液
肥は滅菌液としての次亜塩素液が混入された状態とさ
れ、雑菌、バクテリア等は死滅した状態にあるものの、
このままでは強い酸性のため液肥として再利用すること
は困難となる。このため中和剤としてのチオ硫酸ソーダ
を液肥に混入し、液肥の中和を行うようにしている。第
2圧送管路25中には第2塩素電極30が配設され、該
電極は液肥に混入されたチオ硫酸ソーダの活性化を促進
し、イオン濃度の調整を行うこととしている。第2供給
ポンプ29並びに第2塩素電極30はそれぞれ中和コン
トローラ31により駆動調整される。すなわち、中和コ
ントローラ31はポンプ29の駆動を調整することで液
肥に対するチオ硫酸ソーダの混入量を調整し、さらに第
2塩素電極30の電圧調整によりチオ硫酸ソーダが混入
された液肥のイオン濃度を調整するようにしている。こ
うして第2圧送管路25中を圧送される液肥はチオ硫酸
ソーダにより中和され、流量計32を通過して処理水タ
ンク26へと給送されることとなる。
【0020】処理水タンク26に給送され、中和された
状態にある液肥は、図2に示すように第3圧送管路33
により調整用インジェクター34→貯溜タンク35へと
給送される。調整用インジェクター34と処理水タンク
26との間の第3圧送管路33には加水管路36が接続
され、該加水管路36からは水が供給される。水はコン
トローラバルブ37の開閉調整により、第3圧送管路3
3への流入量が制御され、該調整は加水コントローラ3
8の指令に基づき操作される。
【0021】貯溜タンク35の内部には、センサー手段
39が配設される。センサー手段39は第3圧送管路3
3にて給送され、タンク35に貯溜される液肥のPH値
あるいは各養分濃度を計測可能としている。すなわち、
センサー手段39は図2に示すようにPH値を感知する
PH感子(PH)、導電率を感知する導電率感子(E
C)、硝酸イオン濃度を計測する硝酸感子(No3)、
カリウムイオン濃度を計測するカリウム感子(K)、マ
グネシウムイオン濃度を計測する感子(Mg)、カルシ
ウムイオン濃度を計測する感子(CA)、酸素要求量を
計測する感子(DO)、液温を計測する感子(Tem)
のそれぞれを備えてなる。こうしてセンサー手段39
は、タンク35内の液肥のPH値、導電率、各養分濃
度、液温を計測し、これらの値はコンピュータ40に送
信される。
【0022】コンピュータ40は、送信されたセンサー
手段39の各計測値に基づき、調整用インジェクター3
4に対し第3圧送感路33に給送される液肥の養分濃度
調整並びにPH調整を行うよう指令する。すなわち、調
整用インジェクター34は、図2に示すようにN(チッ
素)、P(リン)、K(カリウム)、CA(カルシウ
ム)、Mg(マグネシウム)、PHHIGH(高PH溶
液)、PH LOW(低PH溶液)等を選択的に液肥に
添加することを可能としており、これらの高PH溶液、
低PH溶液その他各養分の添加量は前記センサー手段3
9の各感子の計測値に基づき増減される。こうしてコン
ピュータ40はセンサー手段39の計測値をフィードバ
ックして各PH剤並びに各養分の添加量を調整すること
とし、センサー手段39による各計測値が例えば下記設
定値の範囲になるよう調整用インジェクター34におけ
る各添加量が調整される。 最小 最大 1.PH値 5.5 6.5 2.MG 30 100 PPM 3.CA 100 180 PPM 4.K 200 480 PPM 5.NO3 100 400 PPM
【0023】ここで高PH溶液としてはKOHが挙げら
れる。また低PH溶液としてはH2SO4、H3PO4
が挙げられる。さらに調整用インジェクター34にはマ
イクロエレメント(Me)が備えられる。マイクロエレ
メントはいわゆる稀少金属養液に係り、Zn(亜鉛)、
B(ボロン)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)、Mo
(モリブデン)、Cu(銅)が所定量混じった状態にさ
れている。マイクロエレメントは液肥に対して同じくコ
ンピュータ40の指令に基づいて養液を添加することと
している。
【0024】さらにコンピュータ40は、滅菌コントロ
ーラ20、バルブコントローラ24、中和コントローラ
31、加水コントローラ38のそれぞれに対しても総合
的に操作上の指令を行うようにしている。例えばセンサ
ー手段39にて計測される導電率ECに基づき、滅菌コ
ントローラ20から指令される塩素電極19の電圧ある
いは中和コントローラ31から指令される塩素電極30
の電圧を調整することとし、貯溜タンク35へと給送さ
れる液肥のイオン濃度が下記設定値の範囲になるよう制
御することとしている。 最小 最大 EC(導電率) 1 3 MMOS
【0025】またコンピュータ40は流量計32の計測
値についても入力し、これらの値に基づき、各ポンプの
作動を制御することとしている。さらにセンサー手段3
9の液温の計測値(Tem)に基づき、不図示のヒータ
を作動することとし、こうした制御は予めコンピュータ
40に設定入力されたプログラムに基づいて実行され、
さらに実行状態はコンピュータ40に接続される表示装
置(CRT)によりモニタ可能とされる。
【0026】次に、上記実施例の作用を説明する。上記
実施例に係る植物栽培システムによれば、天然芝1が植
栽されたサッカーグランドにおいて、液肥供給用のパイ
プ6が配設される部分に対する下層の地中に多孔パイプ
10を配設することとしたため、上層部分から浸透降下
する余分な液肥を直接パイプ10に導入し、あるいは小
粒石層5の部分において不透水シータ9の部分に貯った
液肥をパイプ10に導入することが可能となる。こうし
て多孔パイプ10により回収された液肥に対しては滅菌
液としての次亜素液により滅菌処理が行われることな
る。さらに滅菌処理された液肥はろ過装置15に給送さ
れ、土、小石、などの異物が除去されることとなる。
【0027】さらにこうして処理された液肥に対して
は、チオ硫酸ソーダを添加することで中和し、さらに加
水管路36から供給される水により加水され、調整用イ
ンジェクター34→貯溜槽35へと給送されることとな
る。そして貯溜タンク35に貯溜される液肥はセンサー
手段39によりPH値あるいはカリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、硝酸等の養分の濃度が計測され、また
これらの計測値に基づき調整用インジェクター34によ
りPH値ならびに各養分の選択的添加が行われ、計測値
が所望の設定値になるように成分調整を行うこととして
いる。
【0028】こうしてPH調整並びに養分調整の行われ
た貯溜タンク35内の液肥は、再び液肥供給用のパイプ
6に向けて供給され、パイプ6に形成された供給孔7よ
り天然芝1に向けて供給されることとなる。このように
して構成される植物栽培システムによれば、土壌中に植
栽された植物に供給される液肥を効率的に回収すること
が可能となる。また土壌中に含まれるバクテリア、雑菌
等が混入された状態で回収された液肥に対して、滅菌処
理が行われることとなり、さらに回収された液肥は加水
され、ろ過され、次いでPH調整並びに養分調整を行っ
た上で再び植物に供給することが可能となる。したがっ
て土中に浸透する余分な液肥を円滑に回収し、安全かつ
効率的に植物栽培を行うことが可能となる。
【0029】また、上記実施例によれば、コンピュータ
40により各コントローラが予め設定入力されたプログ
ラムに基づき統合的に管理されることとなり、無人で肥
料供給、給水等の作業を行うことができる。したがっ
て、本システムをサッカー場の他、ゴルフ場、庭園等に
利用することとすれば、キーパーの作業の効率化、ひい
ては無人化を図ることが可能となり、また本システムを
農園等に利用することとすれば露地栽培においても大幅
な省略化を図ることができ、しかも病原菌による被害も
低減することができる。
【0030】図5は、本発明の他の実施例に係り、図1
の一部を変形させてなるものである。すなわち、この装
置は上記実施例の中和手段(中和液タンク、中和コント
ローラ、第2塩素電力等)に変えて、2基の活性炭フィ
ルタタンク41を第2圧送管路25に介装させて構成さ
れる。この活性炭フィルタタンク41は内部に活性炭を
収容して構成され、次亜塩素液が含有されたろ過装置1
5側より供給される液肥を透過するようにしている。こ
の際、活性炭には液肥中の次亜塩素成分を吸着され、こ
うして成分調整された液肥は処理水タンク26へと供給
される。この装置によれば、次亜塩素の供給された液肥
を中和手段を用いることなく植物に有害な次亜塩素を除
去することができる。その他の構成および作用は上記実
施例と同様につき説明を省略する。
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば土
中に浸透する余分な液肥を円滑に回収し、安全かつ効率
的に植物栽培を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る植物栽培システムにお
ける回収された液肥の処理プロセスを示す系統図であ
る。
【図2】処理された液肥のPH調整並びに養分調整プロ
セスを示す系統図である。
【図3】サッカー場における液肥の回収状態をに係り、
図4のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】本発明の他の実施例に係る液肥の処理プロセス
を示す系統図である。
【符号の説明】
1 天然芝 2 芝床 3 砂層 4 クラッシャーラン層 5 小粒石層 6 液肥供給用のパイプ 7 供給孔 8 案内環 9 不透水シート 10 多孔パイプ 10A ドレーンパイプ 11 小孔 12 ドレーン貯槽 13 ろ過用ポンプ 14 第1圧送管路 15 ろ過装置(ろ過手段) 16 第1供給管 17 第1供給ポンプ 18 滅菌液タンク 19 第1塩素電極 20 滅菌コントローラ 21 ミキシングタンク 22 バルブ 23 開閉バルブ 24 バルブコントローラ 25 第2圧送管路 26 処理水タンク 27 中和液タンク 28 第2供給管 29 第2供給ポンプ 30 第2塩素電極 31 中和コントローラ 32 流量計 33 第3圧送管路 34 調整用インジェクター(調整手段) 35 貯溜タンク 36 加水管路(加水手段) 37 コントロールバルブ 38 加水コントローラ 39 センサー手段 40 コンピュータ 41 活性炭フィルタタンク
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01G 7/00 602 A01G 7/00 602B 31/00 601 31/00 601A E03B 3/40 E03B 3/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被栽培植物が土中に植栽される部分の地
    上または地中領域に液肥供給用のパイプを配設し、該パ
    イプに形成された供給孔より被栽培植物に向けて液肥を
    散水し、あるいは土中の植物根に向けて液肥を浸透させ
    る植物栽培システムにあって、 被栽培植物が植栽される部分の土中に埋設され、土中に
    浸透降下する余分な液肥を回収する多孔パイプと、 多孔パイプにより回収された液肥を集めて次亜塩素を供
    給し、これに含まれるバクテリア、微生物に対して滅菌
    処理を施こす滅菌処理手段と、次亜塩素を供給された液肥に対して、チオ硫酸ソーダか
    らなる中和剤を添加する手段または活性炭フィルタによ
    り次亜塩素を吸着する次亜塩素の除去手段 と、 回収され、滅菌された液肥中に含まれる土、小石、異物
    を除去するためのろ過手段と、 ろ過された液肥に対し所定量の水を加える加水手段と、 水を加えられた液肥を貯溜する貯溜タンクと、 貯溜タンク内に配設され、液肥のPH値あるいは液肥中
    のカリウム、マグネシウム、カルシウム、硝酸の養分
    濃度を計測するセンサー手段と、 貯溜タンクと加水手段の間に配設され、上記センサー手
    段の計測値に基づき、加水手段から貯溜タンクに向けて
    供給される液肥のPH調整を行うとともに、上記センサ
    ー手段の各養分濃度の計測値が所望の設定値となるよう
    カリウム、マグネシウム、カルシウム、硝酸等の養分を
    選択的に添加する調整手段と、 貯溜タンクに貯溜され、PH調整並びに養分調整の行わ
    れた液肥を再び液肥供給用のパイプに向けて供給する供
    給手段と、 を有してなる植物栽培システム。
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