JP2794289B2 - 成形用金型とその製造方法 - Google Patents

成形用金型とその製造方法

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JP2794289B2 JP63060285A JP6028588A JP2794289B2 JP 2794289 B2 JP2794289 B2 JP 2794289B2 JP 63060285 A JP63060285 A JP 63060285A JP 6028588 A JP6028588 A JP 6028588A JP 2794289 B2 JP2794289 B2 JP 2794289B2
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    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は成形金型、特に、レコード、コンパクト、デ
イスク、光磁気デイスク、光デイスク、レーザデイスク
等を成形するための成形金型に関する。本発明は特に、
寿命の長い成形金型を提供し得る。
(従来技術) レコード、デイスク等のレコーデッド記録媒体の製造
には、プラスチックを、スタンパー(母型)を支持した
金型キャビテイー内に装入し、加圧することにより、成
形と同時にスタンパーの表面形状を成形品に転写するこ
とが行なわれている。このような成形金型の一例を第1
図に示す。同図はレーザデイスク等の成形を行なうため
の射出成形金型で、可動側金型2と固定側金型5とより
成り、可動側金型が閉鎖されたときに成形キャビテイ7
を形成する。可動側金型2のキャビテイ7の側の鏡面研
磨した表面8にはシート状金属スタンパー1を支持さ
せ、更にその周部を外周リング部材4により押える。外
周リング部材4はキャビテイーの周壁をも構成する。第
1図は金型が閉じた状態を示し、キャビテイー7が形成
されている。この状態で、樹脂は供給口3よりゲート部
材12のゲート6を経て所定の成形圧力でキャビテイー7
に導入されて成形が行なわれる。
可動側金型2は鋼から製作して焼き入れし、その表面
8には硬質めっきを施し、高精度に研磨したものなどが
使用されている。可動側金型をこのように研磨する理由
は、スタンパーが熱による伸縮により可動側金型の表面
8を滑動するためである。例えば溶融樹脂の温度が360
℃、可動側金型の表面8の温度100℃、樹脂圧力400kg/c
m2とすると、スタンパー1の表面は360℃、裏面は100℃
となり、しかも上記圧力で押圧されている。そうすると
スタンパーは熱と圧力で表面8に沿って移動することに
なる。そのために上記のような金型を用いて繰り返して
成形を行なうと、スタンパー1は摩擦によりショット毎
に損傷を受け、亀裂を生じ、成形品の表面に亀裂の痕を
生じることになる。この問題はキャビテイ側の表面8を
TiN等の耐摩耗性膜により被覆することによりある程度
解決することができるが、充分な耐摩耗性と低摩擦性は
得られない。
(発明の目的) 本発明は耐摩耗性の寿命の長い、、スタンパーを使用
する成形用金型を提供することを目的とする。本発明の
他の目的は摩擦抵抗の少ない、スタンパーを使用した成
形用金型を提供することである。
(発明の概要) 本発明は、可動側金型または固定側金型のキャビテイ
を構成する表面の、スタンパーを支持する部分に、ダイ
ヤモンド状薄膜を被覆したことを特徴とする成形用金型
を提供する。
本発明はまた、前記の成形用金型のキャビテイを構成
する表面のスタンパーを支持する部分に被覆するダイヤ
モンド状薄膜が、成形用金型を真空成膜室に位置付け、
炭化水素ガスを導入し、これをイオン化させ、前記成形
金型に負のバイアス電圧を印加しながら、前記スタンパ
ーを支持する部分に蒸着折出させることによって形成さ
れることを特徴とする成形用金型の製造方法を提供す
る。
本発明のダイヤモンド状薄膜はこの方法により形成さ
れた薄膜の構造と同一または実質的に同一の構造を有す
る薄膜に限定され、他の構造のものは含まないが、その
製造方法としては上記の方法以外の方法も可能である。
(発明の効果) 本発明によると、成形用金型の摩擦、摩耗、及び/腐
蝕を受けやすいスタンパー支持表面が強化されるため
に、耐摩耗性、耐食性、及び/又は低摩擦性が大幅に向
上し、このためこの成形用金型のキャビテイの表面に支
持されたスタンパーの耐用寿命が大幅に向上する。
本発明の金型は、成形用金型のキャビテイのスタンパ
ー支持表面にダイヤモンド状薄膜を均一に形成したもの
であればどんな方法で成膜されたものでも良い。しかし
現在のところ実用的な成膜速度で、充分に広い面積の、
しかも充分に表面平滑度の高いダイヤモンド状薄膜を成
膜し得る方法はほとんど提供されていないので、本発明
による方法を用いることが推奨される。
(発明の具体的な説明) 以下に本発明を詳しく説明する。本発明の基本技術で
あるイオン化蒸着法は、特開昭59-174507号公報、特開
昭59-174508号等に記載されており、本発明の実施例で
はこれらの公報に記載された装置を基本とした方法及び
装置を用いる。しかし、炭化水素原料のイオン化とその
加速ができるなら他の方式のイオン化蒸着技術を用いて
もよい。例えば、グロー放電、マイクロ波、熱分解、衝
撃波等の手段により炭化水素のイオン化を行なうなどの
方法が可能である。
本発明の実施に当たっては、上記公報に記載された方
法及び装置をそのまま利用しても良く、あるいは成膜場
所を変えるためにイオン偏向を行なうように変更した装
置等を使用しても良い。同公報の装置を用いる場合に
は、熱フィラメントによる熱電子放出によって炭化水素
ガスが分解されて出来るガスには多くのイオン種、分解
されないで残る中性分子や原子、ラジカル等が含まれて
いる。例えば、通常用いられる原料であるメタンガスの
場合には熱フィラメントによる熱電子放出により形成さ
れるイオンは主としてCH4 +、CH3 +であり、ほかに少量
の、CH2 +、CH+、C+、H2 +とイオン化されない種々の形態
の反応種すなわちラジカル、アニオン、炭化物、或は未
反応物等が含まれている。
これらの粒子が一緒に基板に衝突するとイオンは分解
されて炭素のみが残り所定のダイヤモンド状構造を発達
させる。イオン化蒸着法を使用すると、表示平滑度の高
いダイヤモンド状薄膜が得られる。
成膜装置 第2図に成形用金型のキャビテイの内面、スタンパー
支持表面8、ゲートカット部10の表面、固定金型5の対
応した部分の表面、及び/又は固定金型5のエアーベン
ト部の表面、外周リング部材4のエアーベント部の表面
等にダイヤモンド状薄膜を形成するための成膜装置の好
ましい実施例を示す。この装置は、実開昭59-174507号
に記載されたイオン直進型(第2図)又はイオン偏向型
(第3図)のもの、その他任意の装置を用いることがで
きる。従ってここに記載しない成膜条件等については同
公報を参照されたい。
第2図を参照するに、図中11は真空容器であり、排気
系18に接続されて10-6Torr程度までの高真空に引かれ
る。12は基板S(金型)を支持するための基板ホルダー
であり、この場合電圧Vaのグリッド13がイオンの流れを
基板Sへ向けて加速する。14はフィラメントであり、交
流電源によって加熱されて熱電子を発生し、また負電位
に支持されている。15は原料である炭化水素ガスの供給
口である。入口17とプラズマ励起室16'を有する。ま
た、フィラメント14を取囲んで対陰極16が配置され、フ
ィラメントとの間に電圧Vdを与える。フィラメント14、
対陰極16を取囲んでイオン化ガスの閉じ込め用の磁界を
発生する電磁コイル19が配置されている。従ってVd、Va
及びコイルの電流を調整することにより膜質を変えるこ
とができる。
成膜方法 上記第2図の装置によって成膜方法を詳しく説明す
る。先ず、チャンバー11内を10-6Torrまで高真空とし、
バルブ22を操作して所定流量のメタンガスを導入しなが
ら排気系18を調整して所定のガス圧例えば10-1Torrとす
る。一方、フィラメント14には交流電流Ifを流して加熱
し、フィラメント14と対陰極との間には電位差Vdを印加
して熱フィラメントによる熱電子放出を形成する。供給
口15から真空容器30に供給されたされたメタンガス等の
炭化水素ガスはフィラメントからの熱電子と衝突してプ
ラスの熱分解イオンと電子を生じる。この電子は別の熱
分解イオンと衝突する。このような現象を繰り返すこと
によりメタンガスは熱分解物質のプラスイオンと成る。
プラスイオンはグリッド13に印加された負電位Vaによ
り加速され基板Sに向けて加速される。なお、各部の電
位、電流、温度等の条件については先に引用した特許公
報のほか公知の資料を参照されたい。
なお、プラズマガスとしてはメタンガスのほか低分子
量の炭化水素、或はこれらの一種と酸素、窒素、アルゴ
ン、ネオン、ヘリウムなどを用いることができる。
以下に本発明の実施例を説明する。
実施例1 表面にニッケルめっきを施し高度に研磨した可動金型
を真空容器30の所定位置に配置し、第1図のキャビテイ
側のスタンパー支持表面8を基板Sとし、第2図の真空
容器30内にアルゴンガスを導入し、10-2Torrとしてアー
ク放電を行なわせ基板の表面をボンバードした。次い
で、容器内のアルゴンガスを排気してからメタンガスを
導入しガス圧を10-1とした。電磁コイル19の磁束密度は
400ガウス、基板電圧−400V、基板温度200℃とした。ま
たフィラメント14には電流25Aを流した。膜厚が3μm
の膜を生成させた。この膜はダイヤモンド状薄膜であ
る。
得られた金型を第1図に示したレーザデイスク用の射
出成形装置に組み込んで、圧力340kg/cm2で繰り返して
射出成形を行なった。
比較のため、ダイヤモンド状薄膜を被覆しない金型を
用いて同様に射出成形を行なった。従来法によりTiNを
被覆したものについても同様に射出成形を行なった。
表1の結果を得た。
表から分かるように、本発明の成形用金型は、ダイヤ
モンド状薄膜をスタンパーの支持面としたから、スタン
パーの寿命を大幅に伸ばすことができた。
以上のように本発明によれば、耐摩耗性、耐食性、及
び/又は摩擦抵抗の低い成形金型が提供され、金型の長
寿命化が達成し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明が適用される成形金型の一例を示す断
面図、及び第2図は本発明の方法を実施する装置を示す
断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 33/00 - 33/76 B29C 45/00 - 45/84 B29L 17:00 C23C 33/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可動側金型または固定側金型のキャビテイ
    を構成する表面の、スタンパーを支持する部分に、ダイ
    ヤモンド状薄膜を被覆したことを特徴とする成形用金
    型。
  2. 【請求項2】前記特許請求の範囲第1項に記載の成形用
    金型のキャビテイを構成する表面のスタンパーを支持す
    る部分に被覆するダイヤモンド状薄膜が、成形用金型を
    真空成膜室に位置付け、炭化水素ガスを導入し、これを
    イオン化させ、前記成形金型に負のバイアス電圧を印加
    しながら、前記スタンパーを支持する部分に蒸着析出さ
    せることによって形成されることを特徴とする成形用金
    型の製造方法。
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