JP2793980B2 - スノーボード用ブーツ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スノーボード用ブ
ーツに関する。さらに詳しくは、足を締める締部材の締
力を有効にするためのスノーボード用ブーツに関する。

【０００２】

【従来の技術】最近のスポーツであるスノーボードはス
キーの変形であるが、短い単一のボードに両足を乗せる
スノーボードはスキーよりも強い脚力を要求される。ス
ノーボードブーツとスノーボードとの間の一体性は、ス
キーブーツとスキーとの間の一体性よりもより一層の体
力が要求される。更に、スノーボードと足との間の一体
性は、スキーブーツと足との間の一体性よりもより一層
の体力が要求される。

【０００３】ブーツと足との固定方法として、ブーツ本
体の最外部（外皮部分）を構成する皮を紐、バックル、
ベルクロ・ファスナ（登録商標）等で締め付けて足をブ
ーツに保持する方法が知られている。このような従来の
固定方法は、足とブーツ本体の最外部との間に厚いスポ
ンジ様の保温材が介在されているので、この保温材が固
定されず自由に変形するために、足をブーツ本体に強固
に保持しにくかった。

【０００４】仮に強力に締め付けても足の血行障害を起
こすこともある。これを防止しなければならないので、
従来の構造であるバックル等で足を余り強力に締めつけ
ることができなかった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような技
術的背景に基づいてなされたものであり、下記目的を達
成する。

【０００６】本発明の目的は、足とスノーボード用ブー
ツとの間の締付力を有効に作用させることができるスノ
ーボード用ブーツを提供することにある。

【０００７】本発明の他の目的は、ブーツ本体の内側の
締付手段で足を締め付けることにより締付力を有効に作
用させることができるスノーボード用ブーツを提供する
ことにある。

【０００８】本発明の更に他の目的は、保温材の内側の
締付手段で足を締め付けることにより締付力を有効に作
用させることができるスノーボード用ブーツを提供する
ことにある。

【０００９】本発明の更に他の目的は、ブーツ本体とは
独立に足を締め付けることにより締付力を有効に作用さ
せることができるスノーボード用ブーツを提供すること
にある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するために、次のような手段を採る。

【００１１】本発明１のスノーボード用ブーツは、スノ
ーボードブーツ本体である外側構成体の内側で、かつ足
の両側に靴底部から足の甲部に及ぶ第１足支持体が設け
られ、前記第１足支持体は一端が前記靴底部に固定され
て、かつ他端が前記甲部に向かう櫛歯状の複数の部分を
備えていて、前記他端から締紐により引締自在である。

【００１２】本発明２のスノーボード用ブーツは、前記
本発明１のスノーボード用ブーツであり、前記第１足支
持体は、前記櫛歯状の部分は互いに平行に配置されてお
り、しかも踵側で足の左右両側で連結されている後方部
（１１ｃ）を備えている。

【００１３】本発明３のスノーボード用ブーツは、前記
本発明１又は２のスノーボード用ブーツであり、前記外
側構成体と前記第１足支持体との間に保温材が介設され
ている。

【００１４】本発明４のスノーボード用ブーツは、前記
本発明１又は２のスノーボード用ブーツであり、前記外
側構成体が前記第１足支持体と独立して別々に引締自在
である。

【００１５】本発明５のスノーボード用ブーツは、前記
本発明１、２、３、４から選択されるスノーボード用ブ
ーツであり、脚部を締紐により引締自在にする第２足支
持体が設けられている。

【００１６】本発明６のスノーボード用ブーツは、前記
本発明５のスノーボード用ブーツであり、前記第２足支
持体は脚部の後方部から前方部に向かう櫛歯状の部分を
備えている。

【００１７】

【００１８】前記第１足支持体は、伸びにくいが曲がり
やすい材料で形成されている。前記第１足支持体の左右
の両側上方部には、通し穴である鳩目が設けられ、この
鳩目に締め紐などの締め部材を通し、締め紐で両側上方
部間を引き締める。この締め紐は、ブーツの外側構成体
の甲部の鳩目にも通すことができる。

【００１９】前記第１足支持体は硬質の樹脂で形成され
伸びが弾性変形、塑性変形が自在でしなやかな材質の樹
脂、ラスティングされた布等で形成されている。第１足
支持体の表裏面側には、ライナーが添着される。前記第
１足支持体のほかに脚部にも前記第１足支持体と同様な
構成の脚部の第２足支持体を本体内に装着することがで
きる。

【００２０】本発明のスノーボード用ブーツの前記第
１、第２足支持体はしなやかな材質で形成されている。
前記第１、第２足支持体は、ブーツの本体である外側構
成体とは独立に足を支持し独立に紐などで締め付けられ
靴底に固定されているので、運動中、足がしっかりスノ
ーボードに固定される。靴の中の保温体を介さずに靴底
に対して足が締め付けられるので、保温体が靴に対する
締め付け・固定性を阻害しない。

【００２１】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図１は、本発明の実施の形
態１を示す正面図である。スノーボードブーツ本体１
は、概略として靴底部２と、指先部３と、踵部４と、円
筒状の脚部５と、脚部５から指先部３に及ぶ甲部６とか
ら構成されている。甲部６には、甲部６を補強し締め付
けるための鞍型状皮製（人工又は天然）の甲部補強部材
７が縫製、接着等の手段で取り付けられている。靴底部
２には、靴底部２の曲面に添う中底８が設けられてい
る。中底８はプラスチックス、金属板等の材料で作られ
ており、足の安定を考慮すると比較的硬い材料が望まし
い。

【００２２】スノーボードブーツ本体である外側構成体
１内に足支持体１１が装着されている。足支持体１１
は、比較的硬質の樹脂で形成され伸びないが曲がりやす
い材料、即ちしなやかな材質の樹脂で形成されている。
足支持体１１は、図１でスノーボードブーツ本体１に重
ねて、かつ展開された状態で示している。足支持体１１
に関しては、図１は展開図である。

【００２３】足支持体１１は、概ね下方部１１ａと上方
部１１ｂと後方部１１ｃの３部から構成されている。上
方部１１ｂは複数箇所で下方部１１ａから靴底部２に対
して斜め前方上方に延び半島状、言い換えると櫛歯状に
形成されている。複数の半島の先端部には、それぞれに
第１紐通し穴１２が開けられている。第１紐通し穴１２
は、鳩目で形成している。

【００２４】足支持体１１は、左右両側に設けられてい
る。左右両側の足支持体１１は、紐状の連結体である後
方部１１ｃにより後方側、すなわち踵側で連結されてい
る。ただし、左右両側の足支持体１１は、必ずしも後方
側で連結しなくてもよい。足支持体１１は、指先部３、
踵部４、甲部６の内側面の曲面に添うようにスノーボー
ドブーツ本体１に装着されている。

【００２５】下方部１１ａには、靴底部２に対して斜め
前方上方に複数の切り目（スリット）１４が切られてい
る。足支持体１１の下方部１１ａのかかり縁（ラスティ
ングマージン）１５は、折り返されて中底８に強固に一
体化される。このような一体化は、縫製、縫込み、接
着、挟込みなどの公知手段により行われる。

【００２６】上方部１１ｂは、靴底部２から斜め前方上
方に向きながらスノーボードブーツ本体１の内部に装着
される。下方部１１ａは、湾曲しながら中底８に接続す
る。後方部１１ｃは、踵部４の内面の曲面に添着される
ようにスノーボードブーツ本体１に装着される。

【００２７】脚部５の内側にも足支持体１１と同様な形
態の脚支持体２１が装着される。脚支持体２１は、脚部
の後方部で折り返す後方部２１ａと後方部２１ａの両側
から前方部に延びる前方部２１ｂとから構成されてい
る。前方部２１ｂは複数箇所で後方部２１ａから前方に
延び櫛歯状、言い換えると半島状に形成されている。複
数の半島の先端部には、それぞれに第２紐通し穴２２が
開けられている。第２紐通し穴２２は、鳩目で形成され
ている。

【００２８】図２は、図１のＩＩ−ＩＩ線における断面
図である。甲部６には、第２紐通し穴２５が第２鳩目２
６により開けられている。足支持体１１の両側面に添着
するようにライナー２７が設けられている。ライナー２
７は、内側ライナー（ＥＶＡエチレン酢酸ビニル共重合
体樹脂）２７ａと外側ライナー２７ｂ（２７ａと同一材
料、ＥＶＡエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂）とから構
成されている。外側ライナー２７ｂは、甲部６と足支持
体１１との間にある。内側ライナー２７ａは、足支持体
１１の内側にある。足支持体１１と内側ライナー２７ａ
との間にスポンジ状の保温材（発泡ポリウレタン）２８
が介設されている。

【００２９】次に、発明の実施の形態１の作用を説明す
る。上方部１１ｂの複数の第１紐通し穴１２に通す締紐
（図示せず）をスノーボードブーツ本体１の甲部６の第
２鳩目２５にも通すことができる。このように通した締
紐の両端部を引くことにより、足支持体１１の両側の上
方部１１ｂの上方部間が引き締められる。この引き締め
力を受ける上方部１１ｂは、保温材２８を介さずに足を
引き締める。

【００３０】足に直接的に作用するこの引締力は足に有
効に作用する。靴底部２に固定されている足支持体１１
により引き締められる足は、靴底の強い中底８に対して
安定的に保持される。外側の甲部６及び甲部補強部材７
も従来通り締紐により引き締められる。このような引締
めにより、後方部１１ｃも踵を安定的に保持する。第１
紐通し穴１２に通す締紐と第２鳩目２５に通す締紐は、
別々のものとして用いることができる。この場合両方の
紐は張力関係も独立する。１本の紐を両用しても本体と
足支持体１１の引締めは、独立している。

【００３１】［他の発明の実施の形態］前記実施の形態
の足支持体１１は、ブーツ本体である外側構成体１の内
側で、しかも保温材２８の内側の足に近い位置に配置さ
れたものであった。しかしながら、足を締め付ける効果
は若干低下するが前記説明から理解されるように外側構
成体１の外側に配置しても良い。

【００３２】また、前記足支持体１１は、プラスチック
スで作られたものであったが合成繊維で作られた帯状の
紐、人工皮革等の足の形状に沿って変形するようにしな
やかだが伸びない特性の材料であれば良い。また、前記
発明の形態では、第１，２紐通し穴１２，２２は鳩目で
あったが、金属製の円形のリングを板状の金具等に引っ
掛けてこの板金具を鳩目状に止めるような公知の構造で
も良い。

【００３３】

【発明の効果】本発明のスノーボード用ブーツ靴は、足
がスノーボードにしっかりと固定されるので上達が速
い、操作が容易である、軽量である等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明のスノーボード用ブーツの実施
例１を示す正面図である。

【図２】図２は、図１の一部の断面図である。

【符号の説明】 １…外側構成体 ２…靴底部 ６…甲部 １１…足支持体 １１ｂ…上方部

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】スノーボードブーツ本体である外側構成体
   の内側で、かつ足の両側に靴底部から足の甲部に及ぶ第
   １足支持体が設けられ、 前記第１足支持体は一端が前記靴底部に固定されて、か
   つ他端が前記甲部に向かう櫛歯状の複数の部分を備えて
   いて、前記他端から締紐により引締自在であるスノーボ
   ード用ブーツ。
2. 【請求項２】請求項１に記載のスノーボード用ブーツに
   おいて、 前記第１足支持体は、前記櫛歯状の部分は互いに平行に
   配置されており、しかも踵側で足の左右両側で連結され
   ている後方部（１１ｃ）を 備えていることを特徴とする
   スノーボード用ブーツ。
3. 【請求項３】請求項１又は２に記載のスノーボード用ブ
   ーツにおいて、 前記外側構成体と前記第１足支持体との間に保温材が介
   設されていることを特徴とするスノーボード用ブーツ。
4. 【請求項４】請求項１又は２に記載のスノーボード用ブ
   ーツにおいて、 前記外側構成体が前記第１足支持体と独立して別々に引
   締自在であることを特徴とするスノーボード用ブーツ。
5. 【請求項５】請求項１、２、３、４から選択される１項
   に記載のスノーボード用ブーツにおいて、 脚部を締紐により引締自在にする第２足支持体が設けら
   れていることを特徴とするスノーボード用ブーツ。
6. 【請求項６】請求項５に記載のスノーボード用ブーツに
   おいて、 前記第２足支持体は脚部の後方部から前方部に向かう櫛
   歯状の部分を備えていることを特徴とするスノーボード
   用ブーツ。