JP2792838B2 - ディジタル化音声周波数信号の再生方法 - Google Patents
ディジタル化音声周波数信号の再生方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、CDやDATな
どディジタル信号として記録された音声周波数信号(以
下、音楽やその他の音響的信号を含む)の再生方法にお
いて、従来の再生方法ではカットされていた標本化周波
数(SF)の1/2から標本化周波数(SF)までの成
分を、通常の再生信号と合わせて再生することにより、
周波数帯域を制限しない本来の音楽と同様の、より豊か
な・潤いのある音楽となるような聴覚的な効果を聴く人
に提供する方法に関するものである。
どディジタル信号として記録された音声周波数信号(以
下、音楽やその他の音響的信号を含む)の再生方法にお
いて、従来の再生方法ではカットされていた標本化周波
数(SF)の1/2から標本化周波数(SF)までの成
分を、通常の再生信号と合わせて再生することにより、
周波数帯域を制限しない本来の音楽と同様の、より豊か
な・潤いのある音楽となるような聴覚的な効果を聴く人
に提供する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】古くエヂソンが蝋管式の蓄音機を発明し
てから、音声、音楽などの音響信号を記録再生すること
が可能になった。記録の媒体は円盤のSPレコード、ド
ーナツ盤、LPレコードから、磁気テープと変遷を遂げ
たが、これらは波形信号をアナログの状態で記録再生す
る方式である。
てから、音声、音楽などの音響信号を記録再生すること
が可能になった。記録の媒体は円盤のSPレコード、ド
ーナツ盤、LPレコードから、磁気テープと変遷を遂げ
たが、これらは波形信号をアナログの状態で記録再生す
る方式である。
【0003】しかし、最近ではディジタル記録再生方式
のCDが普及し、実質的にLPレコードの生産は行われ
ないまでになった。ディジタル記録再生方式は、CDだ
けでなくMDやCD- ROM、DATなどで広く一般に
使われるようになった。
のCDが普及し、実質的にLPレコードの生産は行われ
ないまでになった。ディジタル記録再生方式は、CDだ
けでなくMDやCD- ROM、DATなどで広く一般に
使われるようになった。
【0004】また、衛星放送やその他の伝送方式でもデ
ィジタル信号による伝送が多くなりつつある。CDでの
再生音は通常のLPの再生音に比し、雑音が少なく、レ
コードプレーヤーの回転に起因するワウもない。比較的
に廉価なCDプレーヤーによっても、広い周波数特性と
クリヤーな音質が得られる。CDの取り扱いと音質の良
さがこの普及の一因とも言える。
ィジタル信号による伝送が多くなりつつある。CDでの
再生音は通常のLPの再生音に比し、雑音が少なく、レ
コードプレーヤーの回転に起因するワウもない。比較的
に廉価なCDプレーヤーによっても、広い周波数特性と
クリヤーな音質が得られる。CDの取り扱いと音質の良
さがこの普及の一因とも言える。
【0005】ところで、CDによる音楽については、L
Pとの比較で最近論争が起きている。それはCDによる
再生音はLPの再生音より、豊かさやうるおいに欠け、
音楽性において劣るのではないかと言うものである。C
Dでは、20kHzまでの周波数特性が保証され、16
ビットの量子化レベルにより90dB以上のダイナミッ
クレンジが再現されている。この20kHzという周波
数は、人間の可聴周波数の上限である。
Pとの比較で最近論争が起きている。それはCDによる
再生音はLPの再生音より、豊かさやうるおいに欠け、
音楽性において劣るのではないかと言うものである。C
Dでは、20kHzまでの周波数特性が保証され、16
ビットの量子化レベルにより90dB以上のダイナミッ
クレンジが再現されている。この20kHzという周波
数は、人間の可聴周波数の上限である。
【0006】一方、LPレコードの製作は歴史が長く、
広い周波数特性とSN比の確保には大きな努力が払われ
てきた。マスターテープの録音もアナログからディジタ
ル方式になったが、50kHz以上の周波数の信号が録
音され、注意深く作成されたLPレコードでは、100
kHz程度までの信号が記録されている。再生系でも、
高級なレコードプレーヤーとカートリッジによれば、録
音された信号をひずみなく取り出すことができるし、ス
ピーカーシステムの周波数特性もこれをカバーするもの
がある。
広い周波数特性とSN比の確保には大きな努力が払われ
てきた。マスターテープの録音もアナログからディジタ
ル方式になったが、50kHz以上の周波数の信号が録
音され、注意深く作成されたLPレコードでは、100
kHz程度までの信号が記録されている。再生系でも、
高級なレコードプレーヤーとカートリッジによれば、録
音された信号をひずみなく取り出すことができるし、ス
ピーカーシステムの周波数特性もこれをカバーするもの
がある。
【0007】一方、CDでは標本化周波数が44.1k
Hzであることから、標本化定理によりその半分の周波
数成分までしかひずみなく記録再生できない。A/D変
換に際しては、標本化による折り返しひずみが生じない
ように、あらかじめ20kHzに帯域制限してから、デ
ィジタル信号に変換している。D/A変換後は同じ目的
で、20kHzの低域フィルター(LPF)で高い周波
数成分をカットし、平滑してアナログ波形信号を得てい
る。ただ、人の可聴周波数の上限が20kHzであるこ
とを考慮すると、CDの周波数特性は十分な筈である。
Hzであることから、標本化定理によりその半分の周波
数成分までしかひずみなく記録再生できない。A/D変
換に際しては、標本化による折り返しひずみが生じない
ように、あらかじめ20kHzに帯域制限してから、デ
ィジタル信号に変換している。D/A変換後は同じ目的
で、20kHzの低域フィルター(LPF)で高い周波
数成分をカットし、平滑してアナログ波形信号を得てい
る。ただ、人の可聴周波数の上限が20kHzであるこ
とを考慮すると、CDの周波数特性は十分な筈である。
【0008】上記LPとCDの再生音の差については、
大橋明、仁科エミ、不破本義孝の論文「LPとCDの音
質の違いについて- 生理学的・感性学的検討,」電子情
報通信学会技術報告HC94-18 (1994年6月)などで報
告されている。この論文によると、広帯域のLPの音
も、22kHzに帯域制限すると、CDと同様の傾向で
聴取される。一方、LPに豊富に含まれる可聴周波数帯
域を越える高周波成分が、脳波のα波を増加させ、人間
の感性的・生理的反応を強くしていると結論づけてい
る。
大橋明、仁科エミ、不破本義孝の論文「LPとCDの音
質の違いについて- 生理学的・感性学的検討,」電子情
報通信学会技術報告HC94-18 (1994年6月)などで報
告されている。この論文によると、広帯域のLPの音
も、22kHzに帯域制限すると、CDと同様の傾向で
聴取される。一方、LPに豊富に含まれる可聴周波数帯
域を越える高周波成分が、脳波のα波を増加させ、人間
の感性的・生理的反応を強くしていると結論づけてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述の如く、CDによ
る再生音はLPの再生音より、豊かさや潤いに欠け、音
楽性において劣るのではないかと言われており、このL
PとCDの再生音の差については、LPに豊富に含まれ
る可聴周波数帯域を越える高周波成分が、人間の感性的
・生理的反応を促進し、音楽に豊かさや潤いを与えてい
ると言われている。
る再生音はLPの再生音より、豊かさや潤いに欠け、音
楽性において劣るのではないかと言われており、このL
PとCDの再生音の差については、LPに豊富に含まれ
る可聴周波数帯域を越える高周波成分が、人間の感性的
・生理的反応を促進し、音楽に豊かさや潤いを与えてい
ると言われている。
【0010】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、例えば、CDの20kHz以下
の再生信号とともに、この信号と関係の深い20kHz
以上の信号を同時に提示することにより、広帯域のLP
の再生音と同様の豊かな・潤いのある音として聴くこと
ができるディジタル音声周波数信号の再生方法を提供す
ることを目的としている。
ためになされたもので、例えば、CDの20kHz以下
の再生信号とともに、この信号と関係の深い20kHz
以上の信号を同時に提示することにより、広帯域のLP
の再生音と同様の豊かな・潤いのある音として聴くこと
ができるディジタル音声周波数信号の再生方法を提供す
ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係わるディジ
タル化音声周波数信号の再生方法は、CD、DATなど
の標本化してディジタル信号として記録された音声周波
数信号、あるいはディジタル化して伝送された音声周波
数信号の再生方法において、標本化された前記信号をD
/A変換した後に標本化周波数(SF)の1/2以下の
遮断周波数の低域濾波器(LPF)により平滑したアナ
ログ波形信号(A)と、標本化された前記信号を標本化
周波数(SF)の1/2から標本化周波数(SF)まで
の通過帯域をもつ帯域濾波器(BPF)を通じて得たア
ナログ波形信号(B)を合わせて再生することにより、
より豊かさや潤いのある音声周波数信号を再生するディ
ジタル化音声周波数信号の再生方法である。
タル化音声周波数信号の再生方法は、CD、DATなど
の標本化してディジタル信号として記録された音声周波
数信号、あるいはディジタル化して伝送された音声周波
数信号の再生方法において、標本化された前記信号をD
/A変換した後に標本化周波数(SF)の1/2以下の
遮断周波数の低域濾波器(LPF)により平滑したアナ
ログ波形信号(A)と、標本化された前記信号を標本化
周波数(SF)の1/2から標本化周波数(SF)まで
の通過帯域をもつ帯域濾波器(BPF)を通じて得たア
ナログ波形信号(B)を合わせて再生することにより、
より豊かさや潤いのある音声周波数信号を再生するディ
ジタル化音声周波数信号の再生方法である。
【0012】CD、DATなどの標本化してディジタル
信号として記録された音声周波数信号、あるいはディジ
タル化して伝送された音声周波数信号の再生方法は、通
常原音をディジタル化する場合、先ず、原音を遮断周波
数が標本化周波数の1/2以下の低域濾波器(LPF)
を通して後、標本化信号(SF)で標本化する。例え
ば、音楽CDの場合、標本化周波数は44.1kHzで
あって、上記LPFの遮断周波数は20kHzである。
信号として記録された音声周波数信号、あるいはディジ
タル化して伝送された音声周波数信号の再生方法は、通
常原音をディジタル化する場合、先ず、原音を遮断周波
数が標本化周波数の1/2以下の低域濾波器(LPF)
を通して後、標本化信号(SF)で標本化する。例え
ば、音楽CDの場合、標本化周波数は44.1kHzで
あって、上記LPFの遮断周波数は20kHzである。
【0013】従って、原音をA/D変換したディジタル
信号には、原音の20kHz以上の成分は含まれていな
い。しかし、上記A/D変換したディジタル信号には図
1(c)に示されるように、標本化の時に原音の0〜2
0kHzのスペクトラムを折り返したようなスペクトラ
ムが標本化周波数毎に無限に生じる。通常のCD再生は
上記標本化された信号をD/A変換後、遮断周波数が標
本化周波数の1/2以下の低域濾波器(LPF)により
に平滑したアナログ信号のみを再生音として用いてい
る。従って、最終的には信号は原音の0〜20kHzの
みを再生したものとなる。
信号には、原音の20kHz以上の成分は含まれていな
い。しかし、上記A/D変換したディジタル信号には図
1(c)に示されるように、標本化の時に原音の0〜2
0kHzのスペクトラムを折り返したようなスペクトラ
ムが標本化周波数毎に無限に生じる。通常のCD再生は
上記標本化された信号をD/A変換後、遮断周波数が標
本化周波数の1/2以下の低域濾波器(LPF)により
に平滑したアナログ信号のみを再生音として用いてい
る。従って、最終的には信号は原音の0〜20kHzの
みを再生したものとなる。
【0014】この発明はこの通常再生される0〜20k
Hzの信号に、新たに上記標本化の時生じる原音の0〜
20kHzのスペクトラムを折り返したようなスペクト
ラムの内、標本化周波数(SF)の1/2から標本化周
波数(SF)までの通過帯域に生じるスペクトラムをD
/A変換したものを付加して擬似的に原音スペクトラム
に近いものを出力したものである。
Hzの信号に、新たに上記標本化の時生じる原音の0〜
20kHzのスペクトラムを折り返したようなスペクト
ラムの内、標本化周波数(SF)の1/2から標本化周
波数(SF)までの通過帯域に生じるスペクトラムをD
/A変換したものを付加して擬似的に原音スペクトラム
に近いものを出力したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の原理と方法を図を用いて
説明する。図1,図2は、本発明のディジタル化音声周
波数信号の再生方法に関する処理過程の周波数スペクト
ルである。図3は本発明のディジタル化音声周波数信号
の再生方法の第1の実施例である。
説明する。図1,図2は、本発明のディジタル化音声周
波数信号の再生方法に関する処理過程の周波数スペクト
ルである。図3は本発明のディジタル化音声周波数信号
の再生方法の第1の実施例である。
【0016】図1(a)の1はオーケストラなどの音楽
の楽音の周波数スペクトルの概形を示す。可聴周波数帯
域である20Hzから20kHzを越えて、高い周波数
帯域まで信号が存在することが知られている。通常の音
声は60Hzから10kHz程度の周波数帯域を占める
が、ここでは、楽音、騒音、機械音などすべてを総称し
て音声周波数信号と呼ぶこととする。図1(b)の2は
上記1の音声周波数信号の周波数帯域を、最高周波数2
0kHzに低域フィルタ(LPF)で制限したときの周
波数スペクトルである。この最高周波数(20kHz)
は人間の可聴周波数の上限に対応する。したがって、C
Dや衛星放送など、音声周波数信号をディジタル化して
記録、あるいは伝送するシステムでは最高可聴周波数ま
でを再生できるように、周波数帯域をこのように制限し
ている。
の楽音の周波数スペクトルの概形を示す。可聴周波数帯
域である20Hzから20kHzを越えて、高い周波数
帯域まで信号が存在することが知られている。通常の音
声は60Hzから10kHz程度の周波数帯域を占める
が、ここでは、楽音、騒音、機械音などすべてを総称し
て音声周波数信号と呼ぶこととする。図1(b)の2は
上記1の音声周波数信号の周波数帯域を、最高周波数2
0kHzに低域フィルタ(LPF)で制限したときの周
波数スペクトルである。この最高周波数(20kHz)
は人間の可聴周波数の上限に対応する。したがって、C
Dや衛星放送など、音声周波数信号をディジタル化して
記録、あるいは伝送するシステムでは最高可聴周波数ま
でを再生できるように、周波数帯域をこのように制限し
ている。
【0017】図1(c)は上記2の周波数スペクトルを
持つ音声周波数信号を、標本化周波数SFで標本化した
ときのディジタル信号の周波数スペクトルである。ここ
では、標本化周波数はCDで使用される44.1kHz
として図示している。標本化された信号の周波数スペク
トルは、SF/2で対称に折り返し(同図3,4)、S
Fに関しても対称となって、SF間隔で理論上は無限大
までスペクトラムは存在する。
持つ音声周波数信号を、標本化周波数SFで標本化した
ときのディジタル信号の周波数スペクトルである。ここ
では、標本化周波数はCDで使用される44.1kHz
として図示している。標本化された信号の周波数スペク
トルは、SF/2で対称に折り返し(同図3,4)、S
Fに関しても対称となって、SF間隔で理論上は無限大
までスペクトラムは存在する。
【0018】標本化された信号は、図3に示すようにD
/A変換器でD/A変換するが、その出力のアナログ波
形信号の周波数スペクトルも図1(c)とほぼ同じにな
る。通常はこの信号に対して、SF/2の周波数以下の
信号を取り出せばよい。そのためには図1(d)の5の
ように、所要とする周波数帯域の振幅特性が平坦なLP
Fで、処理(平滑)する。処理後の周波数スペクトルは
図1(e)の6になるが、これはディジタル化する前の
音声周波数信号2と同じである。これを再生信号Aとす
る。ここまでの処理は、通常の標本化された信号をアナ
ログ波形信号に変換する手法と同じである。
/A変換器でD/A変換するが、その出力のアナログ波
形信号の周波数スペクトルも図1(c)とほぼ同じにな
る。通常はこの信号に対して、SF/2の周波数以下の
信号を取り出せばよい。そのためには図1(d)の5の
ように、所要とする周波数帯域の振幅特性が平坦なLP
Fで、処理(平滑)する。処理後の周波数スペクトルは
図1(e)の6になるが、これはディジタル化する前の
音声周波数信号2と同じである。これを再生信号Aとす
る。ここまでの処理は、通常の標本化された信号をアナ
ログ波形信号に変換する手法と同じである。
【0019】一方、標本化周波数(SF)とその半分の
SF/2の間の周波数帯域を通過帯域とする、帯域フィ
ルタ(BPF)を設け、その特性の例を図2(a)の
「BPF1」(同図の7)とする。前記図1(c)の信
号を該BPF1で処理したとき、その出力の周波数スペ
クトルは図2(b)の9になる。これは図1(b)の2
の音声周波数信号と対称的な周波数スペクトルを持つア
ナログ波形信号である。
SF/2の間の周波数帯域を通過帯域とする、帯域フィ
ルタ(BPF)を設け、その特性の例を図2(a)の
「BPF1」(同図の7)とする。前記図1(c)の信
号を該BPF1で処理したとき、その出力の周波数スペ
クトルは図2(b)の9になる。これは図1(b)の2
の音声周波数信号と対称的な周波数スペクトルを持つア
ナログ波形信号である。
【0020】この信号は上記2の音声周波数信号と完全
な相関があり、強度もスペクトルの広がりも上記2の音
声周波数信号に依存するものである。この信号が再生信
号Bである。再生信号Bを専用の増幅器、ツィーターを
使って再生し、前記再生信号Aと合わせると図2(d)
のような音響出力(音場)が得られる。
な相関があり、強度もスペクトルの広がりも上記2の音
声周波数信号に依存するものである。この信号が再生信
号Bである。再生信号Bを専用の増幅器、ツィーターを
使って再生し、前記再生信号Aと合わせると図2(d)
のような音響出力(音場)が得られる。
【0021】通常、ツィーターの20kHzを越える周
波数特性はそれほど良くないことと、このような周波数
領域は人間の可聴領域をはるかに越えているので、図2
(d)の音声周波数信号を再生系に入力してもよいが、
次のように原音のスペクトラムに近付けた方がより好ま
しい。
波数特性はそれほど良くないことと、このような周波数
領域は人間の可聴領域をはるかに越えているので、図2
(d)の音声周波数信号を再生系に入力してもよいが、
次のように原音のスペクトラムに近付けた方がより好ま
しい。
【0022】すなわち、上記図2(d)の音響出力(音
場)は前記1の周波数スペクトル(原音)と、高い周波
数帯でやや強度が異なる。通常、楽音、音声、自然音な
どは周波数fに反比例して減衰する、いわゆる(1/f)
特性を持つといわれるので、これらを考慮するとBPF
の特性は(1/f2 )特性か、高い周波数で減衰する特性
の方が望ましい。そのために用いられるBPFの例が図
2(a)の「BPF2」(同図の8)である。図1
(c)の信号をBPF2で処理したとき、再生信号Bの
周波数スペクトルは図2(c)の10のようになり、再
生信号Aと合わせた音響出力(音場)は図2(e)のよ
うになる。この周波数スペクトルは前記1の音声信号
(原音)の周波数スペクトルと近似している。周波数帯
域を制限し、ディジタル化した後の図1(e)の周波数
スペクトルの信号に比し、はるかに原音1に近く、音の
豊かさ、臨場感等もより周波数帯域の広い音声と同様に
聴くことができる。
場)は前記1の周波数スペクトル(原音)と、高い周波
数帯でやや強度が異なる。通常、楽音、音声、自然音な
どは周波数fに反比例して減衰する、いわゆる(1/f)
特性を持つといわれるので、これらを考慮するとBPF
の特性は(1/f2 )特性か、高い周波数で減衰する特性
の方が望ましい。そのために用いられるBPFの例が図
2(a)の「BPF2」(同図の8)である。図1
(c)の信号をBPF2で処理したとき、再生信号Bの
周波数スペクトルは図2(c)の10のようになり、再
生信号Aと合わせた音響出力(音場)は図2(e)のよ
うになる。この周波数スペクトルは前記1の音声信号
(原音)の周波数スペクトルと近似している。周波数帯
域を制限し、ディジタル化した後の図1(e)の周波数
スペクトルの信号に比し、はるかに原音1に近く、音の
豊かさ、臨場感等もより周波数帯域の広い音声と同様に
聴くことができる。
【0023】なお、単独に20kHz以上の信号を提示
しても、人間はこれを知覚することはできない。この聴
覚の性質と上記のような研究結果で明らかなように、C
Dの20kHz以下の再生信号とともに、この信号と関
係の深い20kHz以上の信号を同時に提示すると、広
帯域のLPの再生音と同様の豊かな音として聴くことが
できる。
しても、人間はこれを知覚することはできない。この聴
覚の性質と上記のような研究結果で明らかなように、C
Dの20kHz以下の再生信号とともに、この信号と関
係の深い20kHz以上の信号を同時に提示すると、広
帯域のLPの再生音と同様の豊かな音として聴くことが
できる。
【0024】また、ツィーターの特性は指向性もあり、
高い周波数では平坦ではない。そして、再生信号Bが可
聴周波数帯でないことから、厳密に原音と近い周波数特
性の再現は必ずしも必要ではない。したがって、BPF
の周波数範囲はSF/2からSFまでとしたが、上限の
周波数はSFより高い任意の周波数まででも差し支えな
い。また、この発明で再生された信号出力は厳密に言う
と、SF/2〜SFまでのBPFの周波数範囲におい
て、原音のスペクトラムとは必ずしも一致しないが、も
ともとこの周波数領域は人間の耳に聞こえない領域であ
り、音の豊かさや潤いは可聴領域と相関のある振幅変動
で十分生じるものと考えられるので、その効果に格別差
異がない。
高い周波数では平坦ではない。そして、再生信号Bが可
聴周波数帯でないことから、厳密に原音と近い周波数特
性の再現は必ずしも必要ではない。したがって、BPF
の周波数範囲はSF/2からSFまでとしたが、上限の
周波数はSFより高い任意の周波数まででも差し支えな
い。また、この発明で再生された信号出力は厳密に言う
と、SF/2〜SFまでのBPFの周波数範囲におい
て、原音のスペクトラムとは必ずしも一致しないが、も
ともとこの周波数領域は人間の耳に聞こえない領域であ
り、音の豊かさや潤いは可聴領域と相関のある振幅変動
で十分生じるものと考えられるので、その効果に格別差
異がない。
【0025】この発明の第2の実施例を図4に示すが、
この第2の実施例の方法でも再生信号A、再生信号Bを
得るまでは第1の実施例の方法と同じである。図3の構
成では、音響出力をAとBで別々としたが、ここでは再
生信号Aと再生信号Bを和回路14で加え合わせてから
増幅し、広帯域のスピーカーシステムで再生している。
この第2の実施例の方法でも再生信号A、再生信号Bを
得るまでは第1の実施例の方法と同じである。図3の構
成では、音響出力をAとBで別々としたが、ここでは再
生信号Aと再生信号Bを和回路14で加え合わせてから
増幅し、広帯域のスピーカーシステムで再生している。
【0026】この発明は最も多く使用される標本化周波
数が44.1kHzの場合を例にとって説明したが、2
0kHz以上の高い周波数領域を再生するためには、例
えば標本化周波数を100kHz程度に設定し、50k
Hzまでを通常の方式で再生することも可能である。し
かし、標本化周波数を変更することは新たなシステムを
構築することになるので、開発のためのエネルギーを必
要とし、コスト的に高くなってしまう。この発明は既に
確立されているディジタル再生技術を利用し、簡便に豊
かで潤いのある音楽を再生できるものである。
数が44.1kHzの場合を例にとって説明したが、2
0kHz以上の高い周波数領域を再生するためには、例
えば標本化周波数を100kHz程度に設定し、50k
Hzまでを通常の方式で再生することも可能である。し
かし、標本化周波数を変更することは新たなシステムを
構築することになるので、開発のためのエネルギーを必
要とし、コスト的に高くなってしまう。この発明は既に
確立されているディジタル再生技術を利用し、簡便に豊
かで潤いのある音楽を再生できるものである。
【0027】なお、本発明は、CDの再生を例にして説
明したが、CDと同様に標本化した音声周波数信号の再
生方式として共通である。SF/2が可聴周波数帯より
高い場合は、本発明の方式が適用可能である。MD、D
AT、衛星放送、また将来のディジタル放送などの再生
方式として幅広く応用することかできる。
明したが、CDと同様に標本化した音声周波数信号の再
生方式として共通である。SF/2が可聴周波数帯より
高い場合は、本発明の方式が適用可能である。MD、D
AT、衛星放送、また将来のディジタル放送などの再生
方式として幅広く応用することかできる。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば可聴
周波数帯に制限された標本化音声周波数信号が、可聴周
波数を越えるはるかに高い周波数成分を含む信号として
再生されるため、豊かで臨場感のある音声として聴くこ
とができる。
周波数帯に制限された標本化音声周波数信号が、可聴周
波数を越えるはるかに高い周波数成分を含む信号として
再生されるため、豊かで臨場感のある音声として聴くこ
とができる。
【0029】この発明は既に確立されているディジタル
再生技術を利用し、簡便に豊かで潤いのある音楽を再生
できるものである。
再生技術を利用し、簡便に豊かで潤いのある音楽を再生
できるものである。
【図1】本発明のディジタル化音声周波数信号の再生方
法に関する処理過程の周波数スペクトルを示す図であ
る。
法に関する処理過程の周波数スペクトルを示す図であ
る。
【図2】本発明のディジタル化音声周波数信号の再生方
法に関する処理過程の周波数スペクトルを示す図であ
る。
法に関する処理過程の周波数スペクトルを示す図であ
る。
【図3】本発明のディジタル音声周波数信号の再生方法
のブロック図である。
のブロック図である。
【図4】本発明のディジタル音声周波数信号の再生方法
のブロック図である。
のブロック図である。
1 音声周波数信号(原音)の周波数スペクト
ル 2 帯域制限された音声周波数信号の周波数ス
ペクトル 3,4 上記2を標本化したときの周波数スペクト
ル 5 低域フィルタの周波数特性 6 上記3,4の信号を上記5のLPFで処理
したときの周波数スペクトル 7,8 帯域フィルタの周波数特性 9 上記3,4の信号を上記7のBPF1で処
理したときの周波数スペクトル 10 3,4の信号を上記8のBPF2で処理し
たときの周波数スペクトル
ル 2 帯域制限された音声周波数信号の周波数ス
ペクトル 3,4 上記2を標本化したときの周波数スペクト
ル 5 低域フィルタの周波数特性 6 上記3,4の信号を上記5のLPFで処理
したときの周波数スペクトル 7,8 帯域フィルタの周波数特性 9 上記3,4の信号を上記7のBPF1で処
理したときの周波数スペクトル 10 3,4の信号を上記8のBPF2で処理し
たときの周波数スペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H03M 1/08 H03M 1/08 B H04R 3/04 H04R 3/04 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H03H 17/02 641 H03H 17/02 601 H03H 17/02 613 G11B 20/10 321 H03H 17/00 613 H03M 1/08 H04R 3/04
Claims (3)
- 【請求項1】 CD、DATなどの標本化してディジタ
ル信号として記録された音声周波数信号、あるいはディ
ジタル化して伝送された音声周波数信号の再生方法にお
いて、 標本化された前記信号をD/A変換した後に標本化周波
数(SF)の1/2以下の遮断周波数の低域濾波器(L
PF)により平滑したアナログ波形信号(A)と、 標本化された前記信号を標本化周波数(SF)の1/2
から標本化周波数(SF)までの通過帯域をもつ帯域濾
波器(BPF)を通じて得たアナログ波形信号(B)を
合わせて再生することにより、より豊かさや潤いのある
音声周波数信号を再生することを特徴とするディジタル
化音声周波数信号の再生方法。 - 【請求項2】 前記請求項1記載のディジタル化音声周
波数信号の再生方法において、 前記標本化周波数(SF)の1/2以下の遮断周波数の
低域濾波器(LPF)により平滑したアナログ波形信号
(A)を通常の音響再生装置により再生し、 前記標本化周波数(SF)の1/2から標本化周波数
(SF)までの通過帯域をもつ帯域濾波器(BPF)を
通じて得たアナログ波形信号(B)を専用のツィーター
により再生することを特徴とするディジタル化音声周波
数信号の再生方法。 - 【請求項3】 前記請求項1、または2記載のディジタ
ル化音声周波数信号の再生方法において、 前記標本化周波数(SF)の1/2から標本化周波数
(SF)までの通過帯域をもつ帯域濾波器(BPF)の
周波数特性を、該BPFの下限の周波数での出力レベル
を最大とし、上限の周波数に向かって出力レベルを周波
数の自乗に反比例して減衰させることによって、原音の
該周波数帯のスペクトラムに近似させたことを特徴とす
るディジタル化音声周波数信号の再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31309995A JP2792838B2 (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | ディジタル化音声周波数信号の再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31309995A JP2792838B2 (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | ディジタル化音声周波数信号の再生方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09153770A JPH09153770A (ja) | 1997-06-10 |
JP2792838B2 true JP2792838B2 (ja) | 1998-09-03 |
Family
ID=18037153
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31309995A Expired - Fee Related JP2792838B2 (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | ディジタル化音声周波数信号の再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2792838B2 (ja) |
-
1995
- 1995-11-30 JP JP31309995A patent/JP2792838B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09153770A (ja) | 1997-06-10 |
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