JP2788979B2 - 新規抗体及びその用途 - Google Patents

新規抗体及びその用途

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JP2788979B2
JP2788979B2 JP7242425A JP24242595A JP2788979B2 JP 2788979 B2 JP2788979 B2 JP 2788979B2 JP 7242425 A JP7242425 A JP 7242425A JP 24242595 A JP24242595 A JP 24242595A JP 2788979 B2 JP2788979 B2 JP 2788979B2
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チャン,ツェ・ウェン
サン,ビル・ナイ・チャウ
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  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、枯草熱等のアレルギー
疾患の治療に有用な新規な抗体及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】非本態性喘息、枯草熱、特定の食品また
は薬品に対するアレルギー反応などの即時型過敏症は、
主に免疫クロブリンE(IgE)が媒介している。Ig
E媒介アレルギー反応では、アレルゲンがマスト細胞及
び好塩基性白血球(好塩基球)の表面上のIgEと結合
する。この結合により、IgE分子の、従ってIgEの
定常領域(FcεR)に対する潜在的受容体の架橋が発
生し、そのためヒスタミン、アナフィラキシー症の遅反
応性物質及びセロトニン等の薬物メディエータの放出が
引き起こされる。これらのマスト細胞及び好塩基球産出
物の放出により、アレルギーの様々な病理的症状が発生
する。
【0003】IgE媒体過敏反応症にかかっている患者
は、症状の軽減のために抗ヒスタミン剤で治療すること
が多い。また、枯草熱の季節には、長引くアレルギー反
応を防止または軽減するために減感作療法が用いられ
る。これらの療法では、少量のアレルギー源を定期的に
注射することによって、十分には理解されていないがI
gE媒体反応を幾分軽減する特定の免疫反応を引き起こ
す。減感作療法は特定の患者には効果的であるが、それ
以外の患者にはあまり効果がない。
【0004】IgEがマスト細胞及び好塩基球と結合す
ることを阻止することによってIgE媒体アレルギーを
治療できると言われている。例えば、IgEの定常領域
(Fcε)の様々な領域を代表する合成ペプチドが、マ
スト細胞及び好塩基球上の受容体とIgEが結合するの
を阻害する競合阻害物として開発されている。例えばス
タンワース(Stanworth )D.R.のMolec.Immun.2
1:1183〜1190(1984)、スタンワース
D.R.及びバート(Burt)D.S.のMolec. Immun.
23:1231〜1235(1986)、バートD.
S.他のMolec. Immun. 24:379〜389(198
7)、ハーン(Hahn)の米国特許第4,683,292
号、及びハンバーガーの米国特許第4,171,299
号及び第4,161,522号を参照されたい。しか
し、恐らくはIgE全体に較べてこれらのペプチドはF
cεRに対する親和性が極めて低いために、そのような
ペプチドはアレルギーの治療にあまり効果的ではなかっ
た。
【0005】近年、IgE上の様々な抗原及び機能的抗
原決定基の地図を作成するために単一クローン性抗体法
が用いられている。バニヤシュ(Baniyash)及びアッシ
ャー(Eur. J. Immunol.14:799〜807(198
4))は、IgEに対して作られた幾つかのラット単一
クローン性抗体の中の3つがマウスIgEのラット好塩
基性細胞との結合を阻害したと報告している。抗体はI
gEと結合した好塩基球からのセロトニンの放出も誘発
するので、抗体は恐らく好塩基球上のIgEに対する受
容体と結合する位置ではないがその付近である定常領域
上の部位に結合したのである。さらに最近では、同研究
者達は、IgEの好塩基性細胞との結合を阻害するが好
塩基球表面上のIgEを認識しない単一クローン性抗体
を開発した。バニヤシュ他のMolec. Immunol. 25:7
05(1988)。シラガニアン及びその仲間は、ヒト
IgEに対して作られた約10のマウス単一クローン性
抗体の中の2〜3が好塩基球上のIgEと結合できない
ことを報告している(Fed.Proc.40:965(198
1)、Fed. Proc.46:1346(1987)を参照さ
れたい)。彼らはまた、これらの単一クローン性抗体の
一部がヒトIgEの好塩基球との結合を阻害できると書
いている。これらの研究は、IgE上の様々な抗原決定
基または機能的に関連したペプチドセグメントを明確に
するために単一クローン性抗体を使用することを提唱し
ている。
【0006】最近では、ホィッタカー(Whitaker)が、
IgEイソタイプに特異な免疫毒素及びそれをアレルギ
ーの治療に利用することについて述べている。米国特許
第4,714,759号を参照されたい。免疫毒素は、
毒素と結合した抗IgE抗体を有している。この治療で
意図されている薬理的機構は、IgEイソタイプに特異
な免疫毒素がIgE産出細胞を殺すことである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、枯草
熱等のアレルギー疾患の治療に有用な新規な抗体を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、IgE分子上
の独特な抗原決定基と、これらの決定基の発見に基づい
たIgE媒体アレルギーの治療の試薬及び方法とに関し
ている。これらの抗原決定基はIgE産出性Bリンパ球
(B細胞)上に存在するが、好塩基球及びマスト細胞上
には存在しない。
【0009】IgEはIgE産出性B細胞だけによって
産出されるが、それはこれらの細胞上に存在するだけで
なく、マスト細胞及び好塩基球上にも存在する。IgE
は好塩基球及びマスト細胞の表面上のFcεRに対する
親和性が非常に高く(結合定数Kaは109 〜1010
ットルモル-1)、解離速度は非常に遅い(「オン」期間
の半減期は約20時間である)。このため、IgEは実
質的に好塩基球及びマスト細胞の表面抗原である。
【0010】本発明のIgE上の抗原決定基はIgE産
出性B細胞上に存在するが、好塩基球またはマスト細胞
上には存在せず、このため、この抗原決定基はIgE産
出性B細胞の独特な表面マーカーである。この抗原決定
基はige.bl.(blはBリンパ球を表す)と呼ば
れる。B細胞上のIgEは、膜脂質二重層に渡るように
して膜に固定された膜結合型であり、好塩基球及びマス
ト細胞上のIgEは、FcεR分子に結合することによ
って細胞表面上に固定された分泌型である。これらの2
種類のIgEの全体構造は幾分異なっており、膜結合型
はエキストラセグメントを備えている。細胞表面との結
合の全体的特徴も、B細胞上のIgEと好塩基球上のI
gEとでは異なっている。あるクラスのige.bl.
抗原決定基は、IgE分子の定常領域内のFcεRの結
合部位またはその付近に位置している。これらの抗原決
定基はFcεRとの結合によって目立たなくなる。別の
クラスのige.bl.抗原決定基は、免疫グロブリン
εH鎖の膜結合領域の細胞外セグメントの部分を包囲す
る抗原決定基である。一般的に、様々な膜結合免疫グロ
ブリンのこれらのセグメントはmb/ecと呼ばれる。
IgEのmb/ecセグメントはεmb/ecセグメン
トと呼ばれる。本発明は、εmb/ecセグメントの配
列決定に関するものである。
【0011】ige.bl.抗原決定基の識別により、
ige.bl.抗原決定基と特異的に結合する試薬に基
づいたIgE媒介アレルギーの様々な形式の治療及び診
断を行うことができる。これらには非本態性気管支喘
息、アレルギー性鼻炎、枯草熱等のアレルギー性疾患並
びに植物及び薬品アレルギーが含まれる。ige.b
l.抗原決定基と特異的に結合する好適な試薬は単一ク
ローン性抗体及びそれのフラグメントである。しかし、
本発明の治療方法では、特異的に結合する試薬は、ig
e.bl.抗原決定基と特異的に結合する(従って好塩
基球とは結合しないでIgE産出性B細胞と結合する)
ものであればどの分子でもよい。これらの試薬には、抗
ige.bl.抗体の抗原結合領域(可変または超可変
領域)と同一またはそれに類似した合成ペプチドが含ま
れる。以下の説明は主に抗ige.bl.抗体に焦点を
合わせているが、概念及び方法はここに記載する独特な
抗原決定基に特異なその他の分子にも同様に適用可能で
ある。
【0012】ige.bl.抗原決定基に特異な単一ク
ローン性抗体を用いてIgE産出性細胞を選択的に破壊
することができる。ige.bl.抗原決定基はIgE
産出性B細胞上に存在するがマスト細胞または好塩基球
上に存在しないので、ige.bl.抗原決定基に特異
な単一クローン性抗体はB細胞と結合するが、マスト細
胞または好塩基球とは結合しない。この結合の差異によ
り、IgE産出性B細胞を狙って選択的に排除すること
ができる。遊離型または毒素結合型のいずれかの抗体を
用いて、B細胞を狙って選択的に排除することができ
る。単一クローン性抗体は、IgEに結合するFcεR
の結合部位またはその付近のige.bl.抗原決定基
に特異であるので、さらなる治療効果を持つことができ
る。抗体はIgEと結合して免疫の複合体を形成するの
で、網内皮系による免疫系からのIgEの排除が容易に
なる。
【0013】本発明はさらに、ige.bl.抗原決定
基と反応する抗体のパロトープ(parotope)特異的、抗
イデオタイプ性抗体、及び抗原決定基(例えばFcεR
結合部位)をモデルとして形成されたペプチドに関し及
び、IgE媒介アレルギー疾患の治療にこれらの抗イデ
オタイプ性抗体を使用すること及びこれらのペプチドを
使用することにも関している。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】1.免疫グロブリンEの独特な抗原決定基 本発明は、IgEに特有に存在する抗原決定基(ig
e.bl.)の発見に基づくものである。これらの抗原
決定基はIgE産出性Bリンパ球上に存在するが、マス
ト細胞及び好塩基球上には存在しない。あるクラスのi
ge.bl.抗原決定基はFcεRの結合部位またはそ
の付近に位置している。これらの抗原決定基がIgE産
出性B細胞上のみに存在することによって、IgEが好
塩基球及びマスト細胞上のFcεRと結合した時にはこ
の抗原決定基は目立たなくなる。ige.bl.抗原決
定基は恐らく幾つかの抗原的に異なった部位からなり、
その各々は、ヒトIgE産出性B細胞と反応するが好塩
基球とは反応しない単一クローン性抗体、例えばE8−
5−3, E11−4−70, E101−1及びE10−
12−55(以下を参照されたい)との反応性によって
区分けすることができる。
【0016】別のクラスのige.bl.抗原決定基は
εmb/ec抗原決定基である。これらの抗原決定基
は、免疫グロブリンの膜結合型上に存在するが、分泌型
には存在しない。B細胞は表面上に、免疫学的誘発時に
抗原の受容体として機能するIgEなどの抗体分子を出
している。膜結合免疫グロブリンは、B細胞表面上に固
着できるようにするエキストラペプチド断片を備えてい
る点で、同じ細胞で合成される分泌性溶解免疫グロブリ
ンとは異なっている。アミノ酸配列が決定されている個
別種のB細胞上の10の膜結合免疫グロブリンはすべ
て、免疫グロブリンを膜に固着させるエキストライソタ
イプ特異領域を備えている。これらのペプチド領域は4
1〜72個のアミノ酸を並べた長さであり、細胞膜に対
する位置で3つのセグメントに分割することができる。
25個の疎水性かつ非極性アミノ酸残基からなる中間セ
グメントは膜の脂質二重層内にあり、3〜28個のアミ
ノ酸残基からなるC末端疎水性セグメントは細胞内にあ
り、13〜27個のアミノ酸残基を含有しているN末端
側のセグメントは酸性及び親水性が高く、細胞膜の外側
表面上にある。マウス及びラットIgEの膜結合領域の
この部分には19個のアミノ酸残基があり、その中の1
0個はGluまたはAsp残基である。細胞外セグメン
トの長さ及び親水性及び高い極性は、このセグメントが
抗体に露出して接触しやすいことを示している。
【0017】IgEは体内の3種類の細胞、すなわちI
gE産出性B細胞、好塩基球及びマスト細胞の表面上に
だけ存在するので、これらのige.bl.抗原決定基
はige.bl.産出性B細胞の実質的に独特な細胞表
面マーカーである。これらの新しいマーカーにより、I
gE媒体アレルギー疾病の幾つかの形式の単一クローン
性抗体による療法が可能となる。
【0018】2.IgE産出性B細胞と結合するが好塩
基球とは結合しない単一クローン性抗体 ige.bl.抗原決定基に特異な単一クローン性抗体
は、IgE産出性B細胞の表面上のIgEと結合する
が、好塩基球とは結合しない。IgE産出性細胞タイプ
のこの結合の差異が、抗体に対する治療及び診断に利用
する根拠である。
【0019】抗体が好塩基球と結合してヒスタミンの放
出を誘発しないことが極めて重要である。マスト細胞及
び好塩基球からのアレルギーの薬物メディエータの放出
を引き起こす最も強力な試薬の1つは抗IgE抗体であ
る。従来の抗IgE抗体はマスト細胞及び好塩基球の表
面上のIgEと結合してアレルギーの薬物メディエータ
の放出を引き起こす。本発明の抗体はこれらの細胞上の
IgEと結合しないが、それは同族抗原決定基がマスク
されているためにこれらの細胞からのヒスタミンの放出
を誘発しないからである。
【0020】3.IgE産出性細胞の選択的排除による
IgE媒介アレルギーの治療 A.IgE産出性細胞に特異的な抗体 ねずみ、ヒトまたはマウス/人キメラ抗体等のIgE産
出性B細胞に特異な抗体はIgE媒介アレルギーの治療
に幾つかの方法で用いることができる。このため、抗体
はIgE産出性B細胞を選択的に排除するために使用す
ることができる。抗体は、免疫機能を媒介する作働試薬
として、あるいは以下に記載するように作働物質を運ぶ
ための毒素または細胞毒剤のキャリヤ試薬として使用す
ることができる。
【0021】標的細胞上の表面抗原に特異な抗体が媒介
できる様々な免疫機能の中に、抗体及び補体媒介細胞分
解と、抗体依存細胞毒性(ADCC)とがある。抗体は
免疫調節機能も媒介する。あるIgGサブクラスの抗
体、例えばマウスIgG2a及びヒトIgG1及びIg
G3は、ある定常領域受容体産出性食細胞リンパ球によ
って実施されるADCCを媒介することができる。例え
ば、ヒトT細胞表面抗原に特異なマウスIgG2a単一
クローン性抗体であるOKT3(治療薬として市販する
ことを米国食品医薬品局によって認可された最初の単一
クローン性抗体)を患者に使用すると、血液中のT細胞
が急激に消失して(腎臓移植に対する)免疫抑制状態が
誘導される。ラッセルP.S.他のAnnu. Rev. Med. 3
5:63−79(1984);ノーマンD.J.他の
「移植プロセス」(Transpl. Proc.)17:39−41
(1985)。OKT3を一患者に5mg/日の割合で
投与することにより、循環中のT細胞を完全になくすこ
とができる。本発明の抗体、特にマウスガンマ2a抗体
またはヒトガンマ−1またはガンマ−3鎖を産出するキ
メラ抗体を使用すれば、ADCC機構によってIgE産
出性B細胞をなくすことができる。抗体は、IgE媒介
アレルギー疾患の患者にIgE産出性細胞をほとんど排
除し、従ってIgEをほとんどなくすことができるだけ
の量を遊離抗体として投与する。例えば、一患者の投与
量を1〜50mgにすることができる。この処置は1回
または数回の注射で行うことができる。B細胞を排除す
るために必要な抗体の存在期間及び抗体の量は、IgE
の好塩基球及びマスト細胞との結合を継続的に阻止する
ために必要なもの以下である。
【0022】上記治療目的には、ヒト抗体が最適であ
る。しかし、ヒト抗体は大量に産出することが難しい。
その代わりとして、キメラ性すなわち「近ヒト」抗体が
好適である。キメラ抗体は、動物(例えばマウス)抗体
から誘導された可変または抗原結合(超可変または相補
性決定)領域と、ヒト抗体から誘導された残りの領域と
を有している。キメラ性(例えばネズミ/ヒト)抗体を
産出する方法を以下に説明する。キメラ性抗体は大量に
産出することができ、非ヒト抗体よりも人間での免疫性
が少ない。従って、これらは、特に長期に渡って繰り返
し投与する必要がある時、動物抗体よりも生体内投与に
適している。キメラ性抗体の抗体フラグメントも使用す
ることができる。
【0023】本発明の抗体を用いた免疫療法は、従来の
減感作免疫療法と組み合わせて用いることができる。例
えば、アレルギー原の減感作を抗ige.bl.抗体ま
たは免疫毒素の投与と組み合わせて実施することにより
(次項Bを参照)、IgE産出性細胞をほとんどなくす
ことができる。減感作の1つの大きな効果は、IgGが
アレルギー原/免疫原に対して誘発されることである。
IgE産出性B細胞がほとんどなくなった時、IgG反
応の誘発が最も効果的である。抗体と減感作療法の組合
せは魅力的な療法形式である。IgE産出性B細胞は抗
ige.bl.抗体によって一時的に(2〜3週間また
は2〜3カ月)消失するが、最終的には再び発生する。
減感作療法はもっと長く持続する効果を持っている。 B.ige.bl.特異抗体とADCC促進因子とを組
み合わせた免疫療法
【0024】多くの因子、例えばGM−CSF(顆粒球
単核球−群体刺激因子)またはM−CSF(単核球−群
体刺激因子)が、ADCCを媒介するものを含めて白血
球の増殖を誘発することが知られている。試験管内実験
では、GM−CSF及びM−CSFが、腫瘍細胞上に現
れた表面抗原に特異な単一クローン性抗体によって媒介
された腫瘍細胞に対するADCC活性を増加させるとわ
かっている。アレルギー治療におけるige.bl.特
異単一クローン性抗体の治療効果は、ADCC活性を高
める因子の使用を組み合わせることによって増強できる
と考えられる。
【0025】C.IgE産出性細胞に特異な免疫毒素 ige.bl.抗原決定基は、IgE産出性B細胞を攻
撃する免疫毒素にとって非常に特異的な標的となる。抗
原決定基に特異な免疫毒素はIgE産出性B細胞と結合
するが、マスト細胞または好塩基球とは結合しない。こ
のようにして、IgE産出性B細胞をIgE媒介アレル
ギーの患者内で選択的に減少させるか、なくすことがで
きる。IgE産出性細胞の減少により、循環中のIgE
値が減少する結果、マスト細胞及び好塩基球と結合する
ことができるIgEの量が減少する。免疫毒素は、マス
ト細胞または好塩基球を殺してこれらの細胞からの薬物
メディエータの放出を引き起こすことはない。IgE産
出性リンパ球と選択的に結合する免疫毒素は、ige.
bl.抗原決定基に特異な結合剤と複合化した細胞溶解
または細胞素剤からなる。好適な特異的な結合剤は、抗
ige.bl.抗体またはそのフラグメント(例えばF
(ab)’2、Fab、Fv、またはそれらの類似体ま
たは誘導体)である。細胞溶解剤は、リシン、シュード
モナス菌毒素、ジフテリア毒素、アメリカヤマゴボウ抗
ウイルスペプチド、トリコセシーン(trichothecene
)、放射性核種、及び膜分解酵素を含む入手可能な物
質のいずれかから選択できる。抗体と細胞毒素とは、化
学的または遺伝工学的技法によって複合させることがで
きる。
【0026】免疫毒素は、患者内のIgE産出性リンパ
球を減少させるかなくすことができる量をIgE媒介ア
レルギーの患者に投与することにより、IgE媒介アレ
ルギーの症状を防止するか軽減することができる。免疫
毒素は単独で使用したり、あるいは遊離抗IgE抗体と
組み合わせて使用することもできる。
【0027】4.好塩基球及びマスト細胞上のIgEと
結合しない単一クローン性抗体によるIgEの除去 ある実施例では、本発明の単一クローン性抗IgE抗体
が可溶性IgEのFcεR結合部位またはその付近に位
置しているige.bl.抗原決定基と結合する。それ
により、抗体がマスト細胞及び好塩基球に対するIgE
上の結合部位を塞ぎ、これも治療効果の一部を担う。こ
の効果的と思われるさらなる治療機構を達成するため、
FcεRがIgEと結合する親和力よりも大きい親和力
で抗体が抗原決定基と特異的に結合しなければならな
い。このように特異性と親和性とを組み合わせることに
より、薬学的実現可能濃度でIgEがFcεRと結合す
ることを効果的に阻止できる。また、IgE及び単一ク
ローン性抗体の免疫複合体は、網内皮系の細胞によって
急速に除去される。単一クローン性抗体を静脈注射する
と、恐らくは循環中のほとんどのIgE分子が免疫複合
体を形成して、急速に除去される。これらの機構によ
り、治療単一クローン性抗体が十分なレベルで存在して
いる限り、被治療患者の体内の遊離IgEの値が減少す
る。これらの様々な機構は、治療抗体の短期的効果に役
立つはずである。しかし、長期的な治療効果はこれらの
機構以外で達成されるのであろう。3日間の血清半減期
でIgEが始動して急速に再生するので、ige.b
l.抗体に基づいた治療はIgE産出性B細胞をなくす
か減少させることが最も効果的であろう。親和性は親和
または結合定数でKaで表すことができる。マスト細胞
及び好塩基球のFcεRの予想Kaは1×109 〜1×
1010リットル/モルである。クルジッキ(Kulczycki
)A.の「アレルギーにおける新しい流れII」(リン
グJ.及びバーグG.編)pp.25〜32、ニューヨ
ーク、スプリング−バーラグ、(1986)。このよう
に、単一クローン性抗IgE抗体は、それのIgEに対
する親和定数がおよそ1×109 リットル/モルかそれ
以上である場合、FcεRと効果的に競合する。一般的
に、単一クローン性抗体のKaは1×109 リットル/
モル以下である。その結果、抗体が上記抗原決定基に対
して適当な特異性を備え、上記機構によってIgE産出
性B細胞をなくすことができるとしても、薬学的実現可
能濃度でIgEに対してFcεRと効果的に競合できる
値のKaでなければ、このさらなる治療効果を持つこと
ができない。
【0028】好適な実施例では、本発明の単一クローン
性抗IgE抗体のIgEに対するKaは、IgEに対す
るFcεRの親和性に匹敵するか、それ以上である。体
内のマスト細胞及び好塩基球はIgEと結合し、ほとん
どではFcεRの大部分がIgEで飽和されている。I
gE分子の「オン」(受容体占有)期間の半減期は約2
0時間で非常に長い。クルジッキA.のJ. Exp. Med.
140:1976(1974)。IgE分子がマスト細
胞または好塩基球から解離すると、患者に投与された親
和性が高い抗ige.bl.抗体がそれらとしっかり結
合して、それらがFcεRと再結合することを阻止す
る。IgE分子は「オン」期間が長く、好塩基球及びマ
スト細胞からゆっくり解離するから、治療効果が得られ
るのは、好塩基球及びマスト細胞上のIgEの大部分が
FcεRから解離して抗IgE抗体と複合化されて除去
される処置後2〜3日してからである(またはそれ以上
に長くかかる)。これが達成されれば、好塩基球及びマ
スト細胞上のFcεR分子と結合したIgE分子の密度
は大幅に減少し、その結果、アレルゲンはヒスタミンを
誘発できるだけの数のFcεRの架橋ができない。
【0029】5.IgE産出性細胞と特異的に結合する
抗体の診断的使用 ige.bl.抗原決定基に対する抗体を使用して、混
合白血球集団内のIgE産出性リンパ球を識別して数え
ることができる。このためには、抗体は細胞表面抗原を
決定するための標準アッセイフォーマツトで使用でき
る。一般的に、テストしようとする白血球のサンプルに
抗体を、その抗体がサンプル中のIgE産出性細胞と結
合できる状態で接触させる。次に、抗体の結合について
細胞を調べる。これは従来の細胞着色方法で実施でき
る。例えば、蛍光色を付けた第2抗体を用いて、抗Ig
E抗体の結合を検出する。
【0030】6.抗イデオタイプ性抗体及びIgEに対
する活性免疫化 以上に記載したige.bl.特異性単一クローン性抗
体を用いて、IgE媒介アレルギーを治療する別の方法
を提供するパロトープ特異性抗イデオタイプ性抗体を産
生することができる。ige.bl.特異性抗体のパロ
トープに対する抗体は、抗IgE抗体が特異的である抗
原決定基と構造的に類似している、すなわちそれらはi
ge.bl.抗原決定基と類似している。これらの抗イ
デオタイプ性抗体を用いて、ige.bl.に対して能
動的に免疫を生じて、ige.bl.抗原決定基に対す
る抗体の内因性形成を誘発する。この誘発された抗体が
ige.bl.特異性抗体の様々な治療効果を媒介する
のである。
【0031】IgEは「自己分子(self-molecule )」
であるから、それは一般的に免疫を生じない。しかし、
本発明のパロトープ特異性抗体を用いれば、IgEに対
する活性免疫化が可能になる。パロトープ特異性抗体
は、抗原決定基に対する免疫反応を人間に引き出すこと
ができる抗原、すなわちige.bl.抗原決定基と構
造的に類似している。
【0032】パロトープ特異性抗イデオタイプ性抗体
は、ige.bl.抗体の形成を誘発できる免疫学的量
がIgE媒介アレルギーの患者に投与される。好ましく
は抗イデオタイプ性抗体をキメラ性抗体として投与す
る。それらは抗体フラグメント(性質はやはりキメラ性
でもよい)または類似体にしてもよい。
【0033】7.マスト細胞及び好塩基球のFcεRの
ブロックするペプチド 本発明はさらに、可溶性IgE上のige.bl.抗原
決定基をモデルとしたペプチドを提供している。ペプチ
ドは、可溶性IgEのige.bl.抗原決定基のアミ
ノ酸配列と同一または同等のアミノ酸配列を有してい
る。例えば、ペプチドは、抗体E8−5−3、E11−
4−70、E101−1及びE10−12−55または
以下に記載するその他の抗ige.bl.抗体によって
定義された抗原決定基に相当する配列にすることができ
る。FcεRの結合部位に対応するペプチドを用いて、
IgEのマスト細胞及び好塩基球との結合を阻止するこ
とができる。
【0034】8.εmb/ecペプチド類似体及びεm
b/ec抗原決定基に対する活性免疫化 ヒトεmb/ecペプチドは恐らく人間には免疫を生じ
ないが、同じ配列のペプチドおよびアミノ酸置換体は免
疫を生じて、本物のεmb/ec抗原決定基と交差反応
する抗体を産生することができる。これらのεmb/e
cペプチド類似体をIgE媒介アレルギーの患者に投与
することができる。この活性免疫化によって産生された
抗体は、本説明に記載の抗体としての機能を果たすこと
ができる。
【0035】9.B細胞膜結合免疫グロブリンのペプチ
ド片の固着 B細胞はその表面に抗体分子を出しており、これらが免
疫的誘発時に抗原の受容体として機能する。膜結合免疫
グロブリンは、細胞表面上に免疫グロブリン分子を固着
させるエキストラペプチド片を備えている点で、同じ細
胞で合成される分泌性免疫グロブリンと異なっている。
【0036】幾つかの種類の10の膜結合免疫グロブリ
ンのアミノ酸配列データが確認されている。イシダN.
他のEMBO J. 1:1117(1982)、スティーン
(Steen )N.L.他のJ. Mol. Biol. 177:19〜
32(1984)、ロガーズ(Rogers)J.他のセル2
6:19〜27(1981)、ヤマワキ−カタオカY.
他のProc. Natl. Acad. Sci. MSA、79:2008〜2
012(1982)、カマロミイ(Kamaromy)M.他の
Nuc. Acids Res. 、11:6775〜6785(198
3)、ロガーズJ.他のセル20:303〜312(1
980)、バーンスタイン(Bernstein )K.E.のJ.
Immunol. 132:490〜495(1980)、チェ
ン(Cheng )H.他のNature296:410〜415
(1982)を参照されたい。これらの配列は細胞膜結
合ペプチド片のある共通の特徴を表している。第1表に
示すように、ペプチド固着片は、細胞膜に対するそれら
の位置に基づいて識別できる3つのセグメントを備えて
いる。これらのペプチド片は短く、41〜72のアミノ
酸残基を並べた長さであり、「膜結合ドメイン」と呼ば
れることも多いが、ペプチド全体が膜脂質二重層内にあ
るわけではない。事実、ペプチドの中央部分に位置して
いる25のアミノ酸残基、疎水性が高い残基及びトレオ
ニン及びセリン残基だけが脂質二重層内にある。3〜2
8のアミノ酸残基からなるC末端親水性セグメントは膜
の細胞質側にある。免疫グロブリンH鎖の第3または第
4定常領域(CH3 またはCH4 )に接続しているN末
端側のセグメントは親水性が非常に高く、細胞膜の外表
面上にある。
【0037】
【表1】
【0038】免疫グロブリンの膜結合片の細胞外セグメ
ント(mb/ecセグメント)の最短長さは13のアミ
ノ酸残基(マウス及びラットμ鎖)の長さである。第2
表を参照されたい。すべての免疫グロブリンのmb/e
cセグメントは、ほとんどすべて酸性残基である帯電ア
ミノ酸残基を高い割合で含んでいる。帯電アミノ酸残基
及び極性親水性残基の割合から、アミノ酸組成物の中の
mb/ecセグメントの比率が非常に高いことがわかる
(第3表)。これらのパラメータは、すべてのmb/e
cセグメントが露出して抗体と接触できる長さであるこ
とを示している。免疫グロブリンH鎖の進化の研究か
ら、ε及びγ鎖がその他の鎖よりも互いに関連性が強い
(新しい共通の祖先を持っている)ことがわかっている
(リン(Lin )L.C.及びピュートナム(Putnam)F.W.,
Proc. Natl. Acad Sci. USA, 1981)。また、マウス、
ラット、及びヒトなどの様々なほ乳類が進化する前にH
鎖は進化していた。このため、確認されている10の様
々なmb/ecセグメントの中で、配列がまだ報告され
ていないヒトε.mb/ecと最も関連性があるものは
ネズミまたはラットε.mb/ecと最も関連性がある
ものはネズミまたはラットε.mb/ecであろう。次
に最も関連性が強いものはγ鎖である。ネズミまたはラ
ットεmb/ecには19のアミノ酸残基が含まれ、そ
の中に8のGlu及び2のAspが含まれている。これ
らのデータからも、ヒトεmb/ecが露出して抗体と
接触可能であることがわかる。
【0039】
【表2】 第2表 膜結合免疫グロブリンに特有のペプチドセグメントの外側部分 (mb/ecセグメント)のアミノ酸配列 mb/ecセグメント 26 21 16 11 6 1 マウスIgE ELDI. QDLCI. EEVEG. EELEE ラットIgE ELDI. QDLCT. EEVEG. EELEE マウスIgG1 GLQ. LDETC. AEAQD. GELDG マウスIgG2a GLD. LDDVC. AEAQD. GELDG マウスIgG2b GLD. LDDIC. AEAKD. GELDG マウスIgG3 ELE. LNGTC. AEAQD. GELDG マウスIgM EGE. VNAEE. EGFEN ラビットIgM EGE. VNAEE. EGFEN ヒトIgD YL. AMTPL. IPQSK. DENSD. DYTTF. DDVGS マウスIgD I. VNTIQ. HSCIM. DEQSD. SYMDL. EEENG
【0040】
【表3】 第3表 膜結合免疫グロブリンに特有のペプチドセグメントの 外側部分(mb/ecセグメント)の帯電アミノ酸残基 及び極性親水性アミノ酸残基の組成 ──────────────────────────────────── 合計 酸性 塩基 極性 合計親水性 親水性残基 残基 残基 残基 残基 の割合 ──────────────────────────────────── #アミノ酸残基 % マウスIgE 19 10 0 2 12 63 ラットIgE 19 10 0 2 12 63 マウスIgG1 18 6 0 4 10 56 マウスIgG2a 18 7 0 2 9 50 マウスIgG2b 18 7 1 1 9 50 マウスIgG3 18 6 0 4 10 56 マウスIgM 13 6 0 2 8 61 ラビットIgM 13 6 0 1 7 54 ヒトIgD 27 6 1 8 15 56 マウスIgD 26 7 0.5 9 16.5 63 ──────────────────────────────────── 酸性残基: E(Glu), D(Asp) 塩基性残基: K(Lys), R(Arg), H(His); His は部分的に帯電している。 極性残基: S(Ser), T(Thr), C(Cys), Q(Gln), N(Asn)
【0041】10.ヒトIgEのmb/ecセグメント
(ε.mb/ecセグメント)のアミノ酸配列の決定 ヒトε.mb/ecセグメントに対応したDNA配列の
決定には多くの十分に確立された方法を用いることがで
きる。1つの方法(第1図)では、始めに、表面上にI
gEが出ているヒト骨髄腫細胞系のmRNAの準備をす
る。これにはSK007細胞を使用できる。mRNAを
準備すれば、λファージまたはプラズミドを含むクロー
ンベクターを用いてcDNAライブラリーを形成するこ
とができる。cDNAライブラリーを形成する好適な方
法として、インビトロゲン(Invitrogen)(米国カリフ
ォルニア州、サンディエゴ)が開発、市販しているcD
NAライブラリー構造システムキット−ライブラリアン
(Librarian )Iを用いる。段階的な詳細指示マニュア
ルが、細胞からのRNA 分離、逆転写、第2ストランド合
成、リンカーライゲーション、cDNAのアガロースゲ
ルサイジング、cDNAを精製するための電気溶離、ベ
クターライゲーション、及び大腸菌の転換に対して準備
されている。このライブラリーに使用されるベクターは
pCDM8である。
【0042】ε. mb/ecセグメントを含んでいるク
ローンを求めてcDNAライブラリーをスクリーニング
する際に、幾つかのプローブを使用することができる。
第2図に示すように、ライブラリーはεmRNA(非膜
結合セグメント)の長さのほとんどの部分をカバーする
1.1kb長さのU266 cDNAであるDNAプロ
ーブでスクリーニングすることができる。分泌型及び膜
結合型の両方を含む陽性のクローンは、さらなるプロー
ブを用いて区別することができる。プローブbは、膜結
合型のヒトε鎖においてCH4ドメインの端部が切り取
られているという非常に有望な性質を利用して開発され
たものである。CH4 ドメインおよび膜結合ドメインの
遺伝子セグメントが移動した時に切形が発生する。C末
端の喪失は、CH4 ドメインを含む、免疫グロブリンの
ε及びμの膜結合型で発生する。ヒトε. CH4 ドメイ
ンのヌクレオチド配列について発行されている情報か
ら、最も可能性のあるスプライシング供給部位は、終止
コドンTGAのイントラコドン(intracodon)GT,7
1bp 5’である。イントラコドンではなく、スプラ
イシング供給部位である可能性が低い別のGTの方が末
端に近い(終止コドンまで24bp 5’)。
【0043】プローブbに対する特異的位置が第2及び
第3図に示されている。プローブはε鎖遺伝子の分泌型
と反応するが、ε鎖遺伝子の膜結合型とは反応しない。
【0044】プローブcの構造は、以上のような配列の
すべての免疫グロブリン遺伝子において膜結合ドメイン
の膜内セグメント(mb/tmセグメント)が非常にう
まく保存されているという発見に基づいている。このm
b/tmセグメント内にペプチドセグメント及びそれに
対応してコードしているDNAがあり、これはすべての
免疫グロブリンにおいてほぼ同一である。第4表に示す
ように、8組のコンセンサスDNA配列をプローブcと
して使用できる。第2図はプローブの位置を示してい
る。
【0045】
【表4】 第4表 膜結合免疫グロブリンのペプチドセグメントの膜内部分 (mb/tmセグメント)における保存領域 1 2 3 4 5 マウスIgE Leu.Phe.Leu.Leu.Ser. ラットIgE CTG.TTC.CTG.CTC.AG. マウスIgG1 CTG.TTC.CRG.CTC.AG. マウスIgG2a CTC.TTC.CTG.CTC.AG. マウスIgG2b CTC.TTC.CTG.CTC.AG. マウスIgG3 CTC.TTC.CTG.CTC.AG. マウスIgM CTC.TTC.CTC.CTG.AG. ラビットIgM CTG.TTC.CTG.CTG.AG. ヒトIgD * CTC.TTC.ATC.CTC.AC. マウスIgD * CTC.TTC.CTG.CTC.AC. C G C コンセンサス配列 CT .TTC.CT .CT .AG (ブローブc) G C G *ヒト及びマウスIgD’は第5アミノ酸残基に Thr(ACXO)を有している。ヒ トIgDはさらに第3アミノ酸残基に Ile(ATC )を有している。これらはコン センサス配列によってカバーされない変異体である。
【0046】最も可能性のあるスプライシング供給部位
GTよりも上流側のセグメントを表すプローブdは36
bpからなる(第2及び第3図)。このプローブは分泌
型及び膜結合型の両方のε鎖遺伝子と結合しなければな
らない。
【0047】第5表は、4つのプローブでの分泌型また
は膜結合型のε遺伝子を含むクローンの反応性のパター
ンをまとめたものである。
【0048】 第5表 プローブa,b,c及びdでのε遺伝子含有cDNAクローンの反応 性 ε分泌型 ε膜結合型 プローブa + + プローブb + − プローブc − + プローブd + +
【0049】膜結合ε鎖含有クローンに必要なライブラ
リーサイズは、mRNAがどの程度に多いかによって決
まる。分泌型IgEが0.1%のSK007ポリA+R
NAを含有しているとすると、陽性のクローンを99%
の確率で分離できるようにするためには、ライブラリー
サイズは約5,000の独立組換えクローンでなければ
ならない。IgE産出性ラットイムノサイトーマ(immu
nocytoma)IR2及びIR162細胞では、ε鎖の膜結
合型に対するmRNAが分泌型の場合の2%以上である
ことがわかった。ε鎖の膜結合型/分泌型のこの割合が
ヒトIgE産出性SK007細胞についても同じである
とすると、膜結合型ε鎖を分離するために必要なcDN
Aライブラリーサイズは約250,000である。好適
な方法では、それより多い1,000,000のクロー
ンがスクリーニングされる。
【0050】cDNAライブラリーを形成して細胞mR
NA種を表すクローンのスクリーニングを行う従来の方
法の変更例として、mRNAを増幅してそれらの対応の
DNAを高い割合で産出するものがある。これによって
得られたDNAをゲル電気泳動によって精製してから、
配列分析を行う。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅
と呼ばれるこの方法は、2〜3年前に確立されたもので
あり、試薬及び装置を含む完全なシステムが市販されて
いる。1つの好適なシステムがパーキン・エルマー・シ
ータス(Perkin Elmer Cetus)(Norwalk, CT )から提
供されている。試薬キットはジーンアンプ(GeneAmp )
DNA増幅試薬キットであり、装置はDNAサーマルサ
イクラーである。
【0051】この方法に使用される特殊な試薬の一部
は、cDNAライブラリーのクローニングに使用されて
いるものと同じである。ε鎖の膜結合セグメントの配列
はいずれも確認されていないので、この方法ではε鎖の
分泌型及び膜結合型の両方を増幅する。2つのプライマ
ー、すなわちオリゴdT(25−30−マーズ(mer
s))と第2及び第3図のプローブdに対応するオリゴ
マーとが用いられている。プローブdは最も可能性があ
るスプライシング供給部位に5’で位置決めされ、従っ
てεmRNA及びDNAの分泌型及び膜結合型の両方を
準備する。十分な増幅後、2つの集団のDNAフラグメ
ントをゲル電気泳動によって分析する。ε鎖の分泌型は
プローブbに対するそれの反応性で区別できる。次に、
精製されたDNAに対してDNA配列決定を行う。
【0052】PCR増幅は、ポリA+RNAプールには
うまく表されないmRNAに対するcDNAクローニン
グよりも効果的な方法に思われる。U266ε鎖cDN
Aを用いて、鋳型DNAとオリゴプライマーとの間に幾
つかの予備アニーリング状態を作り出すことができる。
【0053】膜結合セグメントをコードする遺伝子を含
むDNAのクローンを得る別の方法として、ヒトゲノム
DNAライブラリーのスクリーニングがある。ヒトゲノ
ムDNAライブラリーは容易に入手可能である。好まし
い供給源は、ストラトジェン(Stratogene)(米国カリ
フォルニア州、ラ・ジョラ)によって提供されたヒトの
肺繊維芽細胞W138細胞を用いて形成されたライブラ
リーである。遺伝子はλベクター内にあり、挿入された
DNAの平均サイズは15Kbpである。クローンの識
別は、U266 cDNAクローンDNAとのハイブリ
ダイゼーションによって可能となる。膜結合領域に対応
した遺伝子セグメントの位置は、膜内セグメントの相同
マウス遺伝子から作製されたプローブを用いて決定でき
る(第2図のプローブc及び第4表)。次に、膜結合セ
グメントの配列が決定される。
【0054】10A.ヒトε鎖のペプチドを固着させる
膜をコードしているDNAのヌクレオチド配列 ヒト膜結合ε鎖のペプチドを固着させる膜に対してコー
ドしているセグメントを包含するゲノムDNAのヌクレ
オチド配列が確認されており、それを膜のペプチド固着
部分の推定アミノ酸配列と共に以下に示す。エクソンの
指定は、ドナー及びアクセプターを接合するためのヌク
レオチドを識別し、またマウス膜結合ε鎖及び他のクラ
スの免疫グロブリンの公表の相同配列と比較することに
よって行われた。
【0055】 ......CGCTGCCACTGTGGAGCCGGGAGGGCCTGACTGGCCAG スプライスアクセプタ GTCCCCCAGAG. CTG. GAC. GTG. TGC. GTG. GAG. GAG. GCC. GAG. Glu. Leu. Asp. Val. Cys. Val. Glu. Glu. Ala. Glu. GGC. GAG. GCG. CCG. TGG. ACG. TGG. ACC. GGC. CTC. TGC. ATC. Gly. Glu. Ala. Pro. Trp. Thr. Trp. Thr. Gly. Leu. Cys. Ile. 膜エクソンI TTC. GCC. GCA. CTC. TTC. CTG. CTC. AGC. GTG. AGC. TAC. AGC. Phe. Ala. Ala. Leu. Phe. Leu. Leu. Ser. Val. Ser. Tyr. Ser. スプライスドナー GCC. GCC. CTC. ACG. CTC. CTC. ATG. GTGGGCACCCACCTCCAGG Ala. Ala. Leu. Thr. Leu. Leu. Met. GGCCCAGCCAGGGCAGGGGGTTGGGCAGAGCAGCAGAGCCCCTGACC イントロン スプライスアクセプタ CACGCCCTCCCCTCAGGTG. CAG. CGG. TTC. CTC. TCA. GCC. ACG. Val. Gln. Arg. Phe. Leu. Ser. Ala. Thr. CGG. CAG. GGG. AGG. CCC. CAG. ACC. TCC. CTC. GAC. TAC. ACC. Arg. Gln. Gly. Arg. Pro. Gln. Thr. Ser. Leu. Asp. Tyr. Thr. 膜エクソンII AAC. GTC. CTC. CAG. CCC. CAC. GCC. TAG. GCCGCGGGCACTCAC Asn. Val. Leu. Gln. Pro. His. Ala.終わり GCTCCACCAGGCCCAGCTACCC.....
【0056】ヒトε. mb/ecペプチドは膜エクソン
Iによってコードされた最初の14のアミノ酸として識
別される。これは、膜内領域である一続きの約25の疎
水性アミノ酸よりも上位である。ε. mb/ecの2つ
の予想構造を以下に示す。 ヒトε. mb/ecペプチドの予想構造 構造 I SH ..... Glu.Leu.Asp.Val.Cys.Val.Glu.Glu.Ala.Glu.Gly.Glu.Ala.Pro..... 構造 II ..... Glu.Leu.Asp.Val.Cys.Val.Glu.Glu.Ala.Glu.Gly.Glu.Ala.Pro..... S S ..... Glu.Leu.Asp.Val.Cys.Val.Glu.Glu.Ala.Glu.Gly.Glu.Ala.Pro.....
【0057】以下にさらに詳細に説明するように、ε.
mb/ecペプチドを用いて、膜結合免疫グロブリンE
と特異的に反応する抗体を産生することができる。この
ために、ペプチドを標準的タンパク質合成法で化学的に
合成する。ペプチドを合成する好適な方法は、エフモッ
ク(Fmoc)化学を応用したRaMPシステム(デュポ
ン、ウイルミントン、DE)である。あるいは、タンパ
ク質は、ペプチドをコードしているオリゴジオキシヌク
レオチドを用いて生合成することもできる。ヌクレオチ
ド配列は、上記膜エクソンIの5’部分として与えられ
ている。
【0058】免疫原として、タンパク質を上記の一価ま
たは二価の構造体のいずれかで使用できる。ヒトε. m
b/ecセグメント及び連結した4つのアミノ酸をCH
4 ドメインに有しているペプチドも使用することができ
る。また、免疫学的にほぼ等価である変性ペプチドを使
用することもできる。例えば、上記のペプチドアミノ酸
配列は、ペプチドの免疫学的性質を本質的に減じないア
ミノ酸の1つまたは複数を欠失、挿入または代用するこ
とによって変更することができる。上記のアミノ酸配列
または等価配列がポリマーの繰り返し単位である場合、
ペプチドをポリマーとして使用することもできる。
【0059】11.本発明の単一クローン性抗体の産出 単一クローン性抗IgE及び抗イデオイプ抗体は連続的
な(不死化した)安定した抗体産出性株化細胞によって
産出される。好適な抗体産出性株化細胞はハイブリドー
マ株化細胞及び骨髄腫株化細胞である。しかし、原則的
には、抗体のL鎖及びH鎖の抗体可変領域をコードして
いるように機能的に組換えされた遺伝子を含んでそれら
を表現できるものであればどの様な細胞でもよい。好ま
しくは、株化細胞は鎖を組み合わせて機能的抗体または
抗体フラグメントにできるものとする。このため、本来
的に免疫グロブリンを産出するリンパ様細胞が最もよく
用いられる。前述したものに加えて、適当なリンパ様細
胞としてウィルスまたは腫瘍遺伝子的に転換されたリン
パ様細胞などがある。
【0060】本発明のige.bl.特異性抗体を産出
するハイブリドーマ細胞は、ケーラー(Kohler)及びミ
ルスタイン(Milstein)のNature256:498(19
75)の標準的体細胞ハイブリダイゼーション技術、ま
たは別の融合剤を用いた同様な方法によって形成するこ
とができる。簡単に説明すると、この方法は次の通りで
ある。ige.bl.抗原決定基の潜在的成分として識
別されているヒトIgEまたはヒトIgEのペプチドセ
グメント(分泌型または膜結合型)で動物を免疫化する
ことによって単一クローン性抗IgE抗体を産出する。
ペプチドは、合成されてからキーホールリンペット(Ke
yhole Limpet)へモシアニンなどのキャリヤタンパク質
と結合されて、免疫原として使用される。次に、リンパ
様細胞(例えば脾臓リンパ球)を免疫動物から得て、不
死化細胞(例えば骨髄腫または異形骨髄腫)と融合する
ことにより、ハイブリッド細胞を作り出す。ハイブリッ
ド細胞のスクリーニングによって、所望の抗IgE抗体
を産出するものを識別する。
【0061】ヒト抗体を分泌するヒトハイブリドーマ
は、ケーラー及びミルスタインの技法によって作り出す
ことができる。ヒト抗体は人の治療に特に好ましいが、
一般的に長期に渡ってヒト単一クローン性抗体を産出で
きる安定したヒト−ヒトハイブリドーマの産生は難し
い。げっ歯類、特にマウスでのハイブリドーマの産生は
十分に確立された方法である。安定したネズミハイブリ
ドーマは所定の特徴の抗原の無限的供給源となる。しか
し、ネズミ抗体は、免疫原性が非常に強く、それ自身が
受容体に不都合なアレルギー反応を誘発するので、人の
治療に使用できる範囲が限られている。本発明の好適な
実施例では、抗IgE及び抗イデオイプ抗体がげっ歯類
で作られて、以下に詳細に説明する確立された技法によ
ってキメラ性げっ歯類/ヒト抗体に変換される。前述し
たように、これらの「近ヒト」キメラ性抗体は、特に繰
り返し投与が必要な場合、生体投与に好適である。可溶
性IgE上のige.bl.抗原決定基に特異な抗体の
産出のため、免疫化のためのヒトIgEをヒト血清から
精製する。あるいは、ヒトIgEはIgE産出性株化細
胞(例えば株化細胞U266, ATCC No.CRL
8033)を培養することによって作り出すこともでき
る。ヒトIgEは親和性クロマトグラフィーによって精
製できる。ヒトIgEに特異なマウス単一クローン性抗
体を適当なマトリックス(臭化シアン−活性化セファロ
ーズ(Sepharose )4Bなど)と結合させることによっ
て、IgE特異性免疫吸着剤にすることができる。準備
したIgEを、IgEを選択的に吸着する免疫吸着剤と
接触させる。その後、吸着されたIgEは免疫吸着剤か
らほぼ純粋な状態で溶離することができる。
【0062】好適な実施例では、IgE特異性抗体を産
出するリンパ球を高い頻度で作り出すため、動物を活性
免疫プロトコルで免疫化する。免疫化した動物から脾臓
細胞を取り出して、不死化した細胞、好ましくは免疫グ
ロブリンを分泌する能力を失った骨髄腫細胞と融合させ
る。この方法において、多くの適当な骨髄腫株化細胞が
知られている。例えばネズミ骨髄腫NS−1がある。脾
臓細胞と融合パートナーとの融合は、確立された方法に
よってポリエチレングリコールの存在下で行われる。電
気融合の技法も使用できる。これによって得られたハイ
ブリッド細胞はクローン的に培養されてから、抗IgE
抗体の産出性についてスクリーニングが行われる。
【0063】IgE産出性B細胞上に存在するが好塩基
球上は存在しない抗原決定基に特異であって、FcεR
がIgEと結合しないようにできるだけのIgEに対す
る親和力を有している抗体を産出するハイブリドーマは
以下のようにして選択できる。ハイブリドーマは、最初
にヒトIgEと反応する抗体の産出性についてのスクリ
ーニングが行われる。これは、固相に吸着された精製ヒ
トIgEを用いた酵素免疫分析法(ELISA)によっ
て実施できる。
【0064】一般的に親和性が高い抗体を得る1つの方
法は次の通りである。ELISAのための固相をごく僅
かなヒトIgEで被覆する。例えば、固相として標準的
なマイクロウェルプレートを使用した場合、ウェル毎に
0.1 μl/mlのIgE溶液を約50μl使用する。ア
ッセイ時において酵素活性(光学密度レベル)が比較的
高いハイブリッドを選択する。培養物の上澄みには量の
多い抗体か親和力が比較的高い抗体のいずれか、または
その両方が含まれている。
【0065】次に、好塩基球−結合IgEと反応しない
抗体の分泌についてハイブリドーマのスクリーニングを
実施する。好適な方法は、好塩基球によるヒスタミンの
放出を誘発する能力がないことについて抗体をスクリー
ニングすることである。そのようなヒスタミン放出アッ
セイに対する好塩基球の供給源は、好塩基球がヒスタミ
ン放出の誘発に対して非常に敏感であることが知られて
いるドナーから取った白血球である。恐らくは感度が低
い別の方法として、免疫蛍光着色法がある。好塩基性白
血球は血液から分離できる。分離されたばかりの好塩基
球は表面にIgEを有している。好塩基球−結合IgE
と結合しない単一クローン性抗体は、好塩基球FcεR
が占めている部位またはその付近にある(従って単一ク
ローン性抗体が接触できない)抗原決定基に特異であ
る。
【0066】パロトープ特異性抗イデオタイプ抗体を産
出するハイブリドーマは、動物を抗IgE抗体で免疫化
し、免疫化抗IgE抗体のパロトープと結合する抗体の
スクリーニングを行うことによって形成できる。免疫化
により、イデオタイプを含む抗IgE抗体上のアレルギ
ー決定基に対する抗体が産出される。抗イデオタイプ抗
体はまず、抗IgE抗体と結合するが他のマウス抗体と
は結合しないことによってスクリーニングが行われる。
パロトープ特異性であるものについては、免疫化に使用
された抗IgE単一クローン性抗体に対するヒトIgE
の結合力と競合する抗体の能力に基づいてスクリーニン
グが行われる。F(ab’)2,Fab及びFvなどの
抗体フラグメントは酵素消化の標準的方法によって形成
できる。また、Fab及びFv類似体を表す合成ペプチ
ドは遺伝子工学技術によって形成できる。例えば、ベタ
ーM.他の(1988)Science 24:1041;ハス
トンJ.S.他の(1988)Proc. Natl. Acad. Sci.
USA85:5879〜5883を参照されたい。
【0067】キメラ性抗IgE抗体は、個々のキメラ性
H及びL免疫グロブリン鎖からなる。キメラ性H鎖は、
げっ歯類(一般的にネズミ)のH鎖の可変領域または超
可変領域と、ヒトH鎖の不変領域とを有している連続ポ
リペプチドである。キメラ性L鎖は、げっ歯類のL鎖の
可変領域または超可変領域と、ヒトL鎖の不変領域とを
有している連続ポリペプチドである。キメラ性抗体は一
価、二価または多価でもよい。一価の抗体は、キメラ性
L鎖と(ジスルフィド架橋によって)結合したキメラ性
H鎖からなる二量体(HL)である。二価の免疫グロブ
リンは、2つの結合した二量体からなる四量体(H2L
2)である。多価の抗体は、例えば凝集したH鎖不変領
域(例えばμ形の不変領域)を用いることによって形成
される。
【0068】キメラ性抗体の可変領域は本発明の抗Ig
E抗体から引き出される。H鎖定領域は5つのイソタイ
プ、すなわちアルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、
またはミュウの何れかから選択できる。様々なサブクラ
ス(例えばIgEサブクラス)のH鎖を用いることがで
きる。各クラス及びサブクラスのH鎖はそれぞれの作動
物質機能を備えており、従って所望のH鎖不変領域を選
択することによって、所望の作動物質機能を備えたキメ
ラ性抗体を形成することができる。L鎖定領域はカッパ
またはラムダ鎖にすることができる。
【0069】一般的に、キメラ性抗体は、キメラ性抗体
のL及びH鎖成分の各々をコードしているDNA構造を
作成することによって製造される。この構造は、ネズミ
可変領域の少なくとも機能部分(例えば接合セグメント
で機能的に組換えられた可変領域)をコードしている第
1DNAセグメントと、これに連結してヒト不変領域の
少なくとも一部分をコードしている第2DNAセグメン
トとを有する融合遺伝子を有している。各融合遺伝子は
表現ベクターに組み込むか、それに挿入する。次に、遺
伝子生成物を表現できる受容細胞を遺伝子に感染させ
る。感染した受容細胞を培養して、表現された抗体を回
収する。げっ歯類L及びH鎖の可変領域をコードしてい
る遺伝子は、抗IgE抗体を産出するハイブリドーマ細
胞から得られる。例えば、ネズミ抗IgE抗体を産出す
るネズミハイブリドーマ株化細胞は可変領域遺伝子の供
給源となる。
【0070】不変領域遺伝子は、標準的クローニング技
法によってヒト抗体産出性細胞から得られる。あるい
は、2クラスのL鎖及び5クラスのH鎖を表す遺伝子が
クローン化されたのであるから、ヒト起源の不変領域は
これらのクローンから容易に入手できる。
【0071】好ましくは、L及びHキメラ性鎖をコード
している融合遺伝子は、受容細胞を同時感染させるため
に使用される表現ベクターに組み込む。遺伝子構造に適
したベクターには、pBR322、pEMBL及びpU
C型のプラズミドが含まれる。各ベクターには2つの選
択可能な遺伝子、すなわちバクテリア系で選択するもの
と、真核細胞系で選択されるものとを含み、各ベクター
は別々の一対の遺伝子を有している。これらのベクター
により、バクテリア系で融合遺伝子の産出及び増幅がで
き、その後に真核細胞の同時感染及び同時感染した細胞
の選択が行われる。バクテリア系として選択できる遺伝
子の例は、アンピシリン(ampicillin)耐性を与える遺
伝子及びクロラムフェニコール耐性と結合する遺伝子で
ある。真核細胞として選択できる遺伝子にはgpt及び
neoなどがある。
【0072】好適な受容株化細胞は骨髄腫細胞である。
骨髄腫細胞は、感染した抗体遺伝子によってコードされ
た免疫グロブリンの合成、組合せ及び分泌を行うことが
できる。さらに、それらには免疫グロブリンのグリコシ
レーション(glycosylation)を行う機構がある。特に
好適な受容細胞は、Ig非産出性骨髄腫細胞SP2/0
である。シュルマン(Shulman )他のNature276:2
69(1978)を参照されたい。この細胞は、感染し
た免疫グロブリン遺伝子でコードされた免疫グロブリン
だけを産出する。骨髄腫細胞は、培養で、または分泌さ
れた免疫グロブリンを腹水から得ることができるマウス
の腹膜内で成長させることができる。Bリンパ球などの
その他のリンパ様細胞やハイブリドーマ細胞も、適当な
受容細胞として機能する。
【0073】リンパ様細胞は幾つかの方法で免疫グロブ
リンをコードしている遺伝子を含有するベクターに感染
させることができる。これらには、エレクトロポレーシ
ョン(electroporation )、原形質融合、及びリン酸カ
ルシウム沈降法が含まれる。このようにして得られた感
染細胞は、キメラ性抗体を産出する連続した安定株化細
胞となる。
【0074】キメラ性抗体は、様々な連続還流装置、中
空繊維装置、静止維持培養装置などの大型組織培養装置
でも大量に産出できる。
【0075】近ヒト抗体または抗体フラグメントも、適
当な抗IgE特異性を与えることができるように超可変
(相補性決定)領域をコードしているヒト抗体の遺伝子
配列を操作することによって製造できる。例えば、ロバ
ートS.他のNature328:731〜733(198
7);ベターM.他の(1988)Science 240:1
041を参照されたい。
【0076】12.抗体をmb/ecセグメントに発展 ε. mb/ecペプチドを動物の免疫化に用いて、多ク
ローン性及び単一クローン性抗体を作成することができ
る。それらはまた、特異な単一クローン性抗体のスクリ
ーニングまたは特異な多クローン性抗体の特徴付けに利
用される。それらは、単一クローン性及び多クローン性
抗体の精製にも用いられる。
【0077】ε. mb/ecペプチドに特異な単一クロ
ーン性抗体を作成する工程において、ε. mb/ecペ
プチドを免疫化及び抗体識別の両方に使用する必要はな
い。例えば、骨髄腫細胞と融合する免疫脾臓細胞を作成
するためにマウスを免疫化する際、免疫原は、IgE産
出性骨髄腫細胞例えばSK007細胞の細胞膜から分離
された膜結合型IgEでよい。免疫原はIgE産出性骨
髄腫細胞でもよい。
【0078】免疫原に合成ε. mb/ecペプチドを使
用するためには、ペプチドをタンパク質キャリヤと共役
させればさらに効果的である。好適なタンパク質キャリ
ヤはキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)であ
る。ペプチドセグメントにLys残基がない場合、ある
いはLys残基がセグメントの中央部にある場合、C末
端にLys残基を付け加えることが望ましい。N末端は
すでにα−アミノグループがあるので、修飾された合成
ペプチドは結合用に2つのアミノグループを持つことに
なる。
【0079】ペプチドの多数の分子をキャリヤタンパク
質の個々の分子に結合させることができる。KLHの場
合、ペプチド/KLHに対する好適な分子比は10であ
る。結合方法は十分に確立されている。グルタルアルデ
ヒド、ビス(bis )(スルフォスクシンイミジル)スベ
リン酸、またはジスルフォスクシイミジル酒石酸(ロッ
クフォードILのピアス・ケミカル社のカタログ#21
579、20591)などの架橋剤が使用されている。
好適な架橋剤は後者である。
【0080】KLH複合体などの免疫原を使用してウサ
ギ、ヤギ、ラットまたはマウスを免疫化することによっ
て、ε. mb/ecペプチドに特異な多クローン性抗体
を作成することができる。免疫マウス及びラットの脾臓
またはリンパ節から取り出したリンパ球も、ε. mb/
ecペプチドに特異な単一クローン性抗体を分泌するハ
イブリドーマの作成に利用できる。単一クローン性抗体
の作成に好適なプロトコルは、マウスの免疫脾臓細胞を
非分泌型マウス骨髄腫細胞、例えばNS−1またはSP
2/0細胞とポリエチレングリコールを用いて融合する
ものである。マウスの最適な免疫化には、ペプチド−K
LH複合体50μgを完全フロイントアジュバンドに入
れ、各マウスに皮下注射して開始する。2週間後及び4
週間後に、同量の抗原を不完全フロイントアジュバント
に入れて皮下注射する。約6週間後に、4回目の抗原注
射を腹膜内に生理食塩水を用いて行なう。最後の注射か
ら4日後にマウスを殺し、脾臓を取り出して、骨髄腫細
胞と融合させる単細胞懸濁液を作成する。IgE産出性
ヒト骨髄腫細胞、例えばSK007細胞の細胞膜から分
離した精製天然ヒト膜結合型IgE(付属膜固着ドメイ
ンを備えている)で免疫化する場合にも同様なプロトコ
ルを使用できる。ヒトIgE産出性細胞を免疫原として
使用した場合、1×107 の細胞を2週間間隔で腹腔内
注射した。
【0081】クローニング及びハイブリドーマ培養に関
するポリエチレングリコールを用いた融合方法及びその
他の様々な方法は、第11項に説明されている。
【0082】単一クローン性抗体に対するハイブリドー
マのスクリーニングまたはε.mb/ecペプチドと反
応する多クローン性抗体の識別は、固相抗原として合成
ε.mb/ecペプチドを使用して酵素連結型免疫溶媒
アッセイ(ELlSA)で実施できる。別の固相抗原と
して、免疫原に使用したものとは異なるウシ血清アルブ
ミンなどの異なったキャリヤタンパク質とε.mb/e
cペプチドとの複合体がある。以上のようにして得られ
たモノクローナル抗体の性質を下記第6表に示す。な
お、第6表に示された可溶性lgE並びに各種細胞との
反応性は、後述の実施例において詳述する方法により調
べた。第6表に示される性質を有するモノクローナル抗
体は、より詳細には、次のようにして得られた。すなわ
ち、ヒトlgEの膜結合領域ペプチド(Glu Leu
Asp ValCys Val Glu Glu A
la Glu GlyGlu Ala Pro)(ε.
mb/ecペプチド)のC末端にLysを付加したペプ
チドを化学合成した。このペプチドをキーホールリンペ
ットヘモシアニン(KLH、シグマ社製)又はオバルブ
ミン(シグマ社製)に結合した。この結合は、1mg/
mlのペプチドと1mg/mlのKLH又はオバルブミ
ンとを、0.04%グルタルアルデヒド(シグマ社製)
の存在下、リン酸緩衝液(PBS)、pH7.4中で4
℃で16時間反応させ、PBSに対して透析することに
より、ペプチドとKLH又はオバルブミンとを架橋する
ことにより行った。この条件で、90%を超えるペプチ
ドが架橋された。
【0083】上記のようにして作製したε.mb/ec
−KLH複合体100μgをフロインドのアジュバント
と共に4回皮下又は腹腔内投与し、次いでマイトマイシ
ンC(シグマ社製)処理(20mg/mlで20時間)
SE44マウスミエローマ細胞(細胞表面上にヒトlg
Eを表す)と共に2回腹腔内投与した。ポリエチレング
リコール(フィッシャー社製Carbowax)を用い
て脾細胞をSp2/0細胞と融合した。増殖するハイブ
リドーマの上清とε.mb/ec−オバルブミンとの反
応性をELlSAにより調べた。陽性のウェルについ
て、細胞表面上のlgEとの結合能力を間接免疫蛍光フ
ローサイトメトリー分析により調べた。これらの分析に
おいて陽性の抗体を分泌していたハイブリドーマを限界
希釈法によりサブクローニングした。培養上清中の抗体
をプロテインA(レプリゲン社製)親和性クロマトグラ
フィーにより精製した。
【0084】得られた抗体について、下記実施例に詳述
する方法により、可溶性IgE及び第6表に示す細胞と
の反応性を調べた結果、第6表に示す結果が得られた。
【0085】 第6表 ε. mb/ecペプチドに特異な抗体の、別のIgE含有標的との 反応性 反応性 アッセイ 合成ε. mb/ecペプチド + ELISA 可溶性IgE − ELISA 好塩基球及びマスト細胞 − 免疫蛍光着色 ヒスタミン放出 SK007骨髄腫細胞 + 免疫蛍光着色 IgE産出性B細胞 + 免疫蛍光着色
【0086】13.動物モデルでの実験 物質及び方法を動物モデルシステムで実験する。最も関
連性のあるシステムの中の2つは次のものである。
【0087】A.喘息/アカゲザルモデル 本発明によるヒトε. mb/ecペプチドに特異な単一
クローン性抗体及びそれらの関連物質は、様々なIgE
媒介アレルギーの患者の治療に使用するものである(後
述の第6項を参照されたい)。これらのアレルギーの
中、非本態性喘息は重症のアレルギーである。喘息を研
究するための実験用モデルシステムがアカゲザルについ
て確立されている。
【0088】線虫類、回虫病(Ascaris summ)に感染さ
せたアカゲザルの一部は、回虫病の抽出液に対して敏感
になる。これらの敏感なサルに回虫病抗原を含んだスプ
レーをかけると、それらは喘息に似た呼吸障害を引き起
こす。パターソンR.,J.Clini. Invest.57:58
6〜593(1976)。
【0089】本発明の様々な物質を喘息/アカゲザルモ
デルシステムで実験できる。回虫病に敏感なサルに対し
て実験的治療すなわち制御治療を施して、以下の項目の
決定を行うための測定をする。 (a)回虫病刺激に対する喘息症状が軽減するか。 (b)循環中のIgEが減少するか。 (c)循環内のIgE産出性B細胞が減少するか。 (d)好塩基球上のIgE密度が減少するか。
【0090】B.マウスモデルシステム マウスが本来的にアレルギー症状を引き起こすことは知
られていない。しかし、IgE産出性B細胞及びIgE
の減少に関する目的治療の薬学的機構の説明には、マウ
スは優れたモデルになる。
【0091】マウスのε. mb/ecセグメントはすで
に配列がわかっている。イシダN.他のEMBO J. 1:1
117〜1123(1982)。19のアミノ酸残基ペ
プチドは Glu-Leu-Asp-Leu-Gln-Asp-Leu-Cys-Ile-Glu-Glu-Val-Gl
u-Gly-Glu-Glu-Leu-Glu-Glu である。
【0092】ペプチドは、C末端に余分にLeu−Ly
s残基を有するものを含めて、幾つかの形態に合成され
る。
【0093】ペプチド及びそのKLH複合体を、ウサギ
及びヤギを免疫化するための抗原として使用する。抗血
清を集める。抗原特異性抗体を、ペプチドと(追加のL
eu−Lysと)、またはウシ血清アルブミンに連結し
たペプチドと複合化したセファローズ4Bのカラムを用
いて精製する。正常なマウスに精製抗体またはそれらの
関連物質を静脈注射または腹膜内注射して、以下の項目
について調べる。 (a)循環中の総IgEが減少するか。 (b)IgE産出性B細胞の数が減少するか。 (c)好塩基球上のIgEの密度が減少するか。 (d)ε. mb/ecペプチドに特異なIgM及びIg
Gが異なった効果を引き起こすか。この項目は、IgE
−産出性B細胞の減少時の抗体依存性細胞毒性(ADC
C)の効果を示すためのものである。IgMではなくI
gGがADCCを媒介することがわかっている。 本発明を以下の実験によってさらに説明する。
【0094】実験I:ハイブリドーマ及び単一クローン
性抗体の調製 a)ヒトIgEの調製 ヒトIgEは市販の供給源から入手して、融合及びハイ
ブリッドのスクリーニングのための免疫脾臓細胞を得ら
れるようにマウスを免疫化するために精製した。IgE
は、様々な単一クローン性抗IgE抗体に特性を与える
ためにも利用される。2種類のヒトIgEを使用した。
一方はヒト血清から精製された多クローン性IgEであ
って、これはベントレックス(Ventrex )(米国メーン
州、ポートランド)から入手した。このヒトIgEは、
ヒトIgEに特異なウサギIgGとを結合したセファロ
ーズ4Bのカラムを用いて親和性クロマトグラフィーに
よって血清から精製した。混在しているヒトアルブミン
及びトランスフェリン(transferrin )をアルブミン及
びトランスフェリンに特異な抗体と結合した親和性カラ
ムによって除去した。単一クローン性ヒトIgEも、I
gE産出性U266細胞系の培養物の上澄みから産出さ
れた。IgEは、ヒトIgEに特異な単一クローン性抗
体と結合したセファローズ4Bカラム上で親和性により
精製した。この単一クローン性抗体IgGは、タンパク
質A結合カラムによって特異性ハイブリドーマを産出す
るマウスの腹水から精製された。
【0095】多クローン性及び単一クローン性ヒトIg
Eを、還元状態及び非還元状態下でSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動によって分析した。いずれの場合
も、はっきりしたIgE分子(非還元状態下)とH及び
L鎖(還元状態下)とが観察され、他の混在タンパク質
は小集団が僅かに存在するだけであった。U266株化
細胞は血清外の規定媒介物内で成長したのであるから、
単一クローン性ヒトIgE内に混在しているタンパク質
の識別については幾つかの手がかりがある。
【0096】b)免疫化の手順 1.手順 最初の段階で生後6〜8週間の雄のBalb/cマウス
を用いて、骨髄腫細胞と融合させてハイブリッドを形成
するための免疫脾臓細胞を形成できるように免疫化し
た。ベントレックスによって供給された血清から精製さ
れた多クローン性ヒトIgEを免疫原として使用した。
これの原理は、U266株化細胞によって産出された単
一クローン性IgEは一定の未知の異形を産出するであ
ろうということに基づいている。また、U266 Ig
Eのイデオタイプに対抗する単一クローン性抗体の発生
を我々は望んでおらず、単一クローン性抗体に対抗する
抗イデオタイプ反応を誘発する可能性の方がはるかに高
いであろう。U266産出IgEで免疫化したマウスで
3つの融合実験をした後、我々は多クローン性ヒト血清
産出IgEで免疫化したマウスとの融合に切り換えた。
【0097】免疫化するため、各マウスにヒトIgEを
毎回50μg注射した。1度目の免疫化は完全なフロイ
ントアジュバンド中で行った。マウスのリンパ節が集ま
っている部位、例えば肢と胴の交差部分の下側に皮下注
射した。1カ月後及び2カ月後にマウスの同じ部位にI
gE50μgを皮下に追加免疫注射した。追加免疫注射
液は、1度目の注射とほぼ同様にして調製されたが、補
助免疫注射液の場合には不完全フロイントアジュバンド
中で乳化が行われた。
【0098】少なくともさらに1カ月後、各マウスにP
BS内で50μgのIgEで最後の(4度目の)皮下注
射で免疫を更新した。各マウスは、各肢と胴との交差部
に皮下または腹膜内に注射した。最後の注射から3日後
にマウスを殺して脾臓を取り出した。次に、その脾臓細
胞を以下の手順で骨髄腫細胞と融合した。
【0099】c)融合 脾臓細胞と骨髄腫細胞とを5:1の割合で含有する懸濁
液を調製した。選択した骨髄腫細胞はNS−1であっ
た。NS−1細胞は、約17時間毎に増倍するように調
節した。それらは対数期の時に融合に使用した。NS−
1細胞は、ウシの胎児の血清(FCS)5%、ペニシリ
ン100ユニット/ml及びストレプトマイシン100
μg/mlを含有しているデルベッコ(Dulbecco)のMo
dified Eagle's培地(DMEM)10ml中に6×10
4 細胞/mlの濃度で細菌プレート(100mm)内で
継代培養した。培地は3日毎に換えた。あるいは、細胞
を同じ培地10ml中で1.5×105 細胞/mlで継
代培養し、培地を2日毎に換えた。
【0100】脾臓細胞は、脾臓を細菌プレート(100
mm)に載せて、脾臓の両端部にカルシウム、マグネシ
ウムを含まないPBS(CMF−PBS)20mlを注
入することによって脾臓細胞を単離させて準備した。次
に、脾臓細胞を50mlの遠心分離管へ移した。脾臓細
胞を200gで5分間遠心分離してから、0.83%N
4 Cl(0.155M)5ml中で室温で10分間懸
濁することにより、赤血球を溶解した。CMF−PBS
5mlを管に加えて、溶解を中止させた。次に、細胞
をCMF−PBS 10ml内で小粒状にして再び懸濁
させた。細胞懸濁液40μlをZap-oglobinTM 3滴と共
に生理食塩水10mlに添加することにより、リンパ球
の濃度を測定した。リンパ球の数をヘマシトメータ(he
macytometer )で数えて、細胞濃度を決定した。NS−
1細胞を細菌プレート(100mm)から50mlの遠
心分離管へ移した。細胞濃度を測定した。次に、NS−
1細胞をCMF−PBS 10ml内で懸濁して、50
mlの遠心管内の脾臓細胞と1:5の割合で混合した。
一般的に、1つの免疫脾臓から2〜5×108 の細胞が
得られ、各融合実験に2つの脾臓を用いる。細胞を回転
させ、CMF−PBS 10mlで一度洗浄した。上澄
みをガラスパスツールピペットでできる限り多く吸引し
た。管を軽く叩いて、細胞小粒を分離した。細胞を準備
する前に、融合混合物を次のようにして調製した。ポリ
エチレングリコール1450(コダック)5gをCMF
−PBS 5ml及びDMSO 0.5mlと混合し
た。この混合物を56℃まで加熱し、最終pHが7.0
になるまで滴定してから、0.22μmの孔のフィルタ
ーで濾過することによって殺菌した。そのうち1.0m
lを低温管(Cryotube)に加えて、これらを−70℃で
保存した。使用する融合混合物の調製のため、低温管内
の分注物の1つを37℃に加熱して溶かした。別に、D
MEM(血清無し)1.0mlを入れた管を37℃に加
熱した。ポリエチレングリコール融合混合物の分注物
1.0mlを細胞懸濁液に添加して、その懸濁液を十分
に混合した。ポリエチレングリコール融合混合物を添加
してから45秒後、余熱したDMEM(血清無し)2.
0mlを混ぜながら滴下した。それから、余熱したDM
EM(血清無し)の残りの8mlを添加した。細胞を室
温で10分間保持した。FBS 2.0mlを懸濁液に
添加して、その懸濁液を十分に混ぜた。FBSとCMF
−PBSとを組み合わせることにより、細胞が試験管壁
に付着しないようにすることができる。次に、懸濁液を
400gで4分間遠心分離した。細胞は、回転させた
後、FBS 5%、ペニシリン100ユニット/ml、
ストレプトマイシン100μg/ml及びヒポキサンチ
ン、アミノプテリン及びチミジン(HAT)を補充した
変性媒体約120ml内で懸濁した。細胞懸濁液の濃度
は、懸濁液200マイクロリットル当りの脾臓細胞が
3.3×105 になるように調節した。次に、懸濁液の
うち200マイクロリッターを96ウェルマイクロタイ
タープレートの各ウェルに分配した。各融合に対してそ
のようなプレートを20〜30枚用意した後、プレート
を定温器に移して、5%のCO2 内で37℃に保持し
た。細胞をプレートで7日間成長させてから、増殖培地
を取り出し、新しい培地を加えた。それから4日後、酵
素免疫分析(ELISA)をウェル内の抗体に対して実
施して、ヒトIgEと結合しているものを測定した。
【0101】2.結果 上記の免疫プロトコルを用いたマウスでの4つの融合実
験を実施した。これらの融合のため、融合細胞の96ウ
ェルからなるプレートをそれぞれ7、15、36および
15用意した。ウェルの98%以上で細胞が成長し、1
つのウェルでは平均して3〜5のクローンのハイブリッ
ドがあった。このため、4つの融合で約7,000のウ
ェルを作り、およそ21,000〜35,000クロー
ンを得た。
【0102】d)ELISAの手順 1.手順 融合ウェルから得られた非常に大量のハイブリッドの中
心的なスクリーニングの手順は、固相抗原としてヒトI
gEを用いたELISAであった。ヒト血清(ベントレ
ックス)から精製した多クローン性IgEを抗原として
使用した。我々のスクリーニング手順の中の1つの重要
で決定的な方法は、各融合実験から得られた1,000
〜4,000のウェルから全体的に親和性が高い抗体を
スクリーニングすることであった。これには、各ウェル
をごく少量のヒトIgEで、すなわち0.1μg/ml
のIgE 50μlで被覆した。すべてのIgEが固相
と結合したとすると、各ウェル内は僅かに5ngとな
る。このように少量であるから、混在しているタンパク
質に特異なハイブリッドをスクリーニングする可能性も
非常に小さくなる。別の非常に重要な方法は、外径の数
値が大きいウェルだけを選択して、さらなる特徴付け及
びクローニングを行うものであった。手順として、0.
1μg/mlのヒトIgE 50μlを96ウェルのイ
ミュンロン(Immunlon)Iプレートのウェルに添加し
た。プレートに蓋をして、18時間4℃で温置して、タ
ンパク質をプレートに結合させた。次に、プレートの液
体内容物を取り除き、0.1M NH4 Cl 200μ
lを各ウェルに添加して、プレートの残留結合部位を飽
和させた。NH4 Cl溶液を室温で30分間ウェル内に
保持した。次に、NH4 Cl溶液を取り除いてから、ウ
ェルをPBS及び0.05%のツイーン(Tween )20
で3度洗浄した。後述の抗体懸濁液を添加するまで、P
BS/0.05%ツイーン20溶液の一部をウェルに保
持した。96ウェルプレートの各ウェルから得た細胞融
合物上澄み50μlをイミュロンIプレートの各ウェル
に添加して、1時間温置した。温置後、そのプレートを
PBS/0.05%ツイーン20で3度洗浄して、未結
合抗体を取り除いた。96ウェルプレートの各ウェルか
ら得た細胞融合物上澄み50μlをイミュロンIプレー
トの各ウェルに添加して、1時間温置した。温置後、そ
のプレートをPBS/0.05%ツイーン20で3度洗
浄して、未結合抗体を取り除いた。細胞融合物上澄みに
は、96ウェルプレート内の様々なハイブリドーマによ
って産出された抗体が含まれているであろう。ヒトIg
Eに特異な抗体はそれと結合するであろう。次に、固相
と結合した抗体の量を、基質として3,3’、5,5’
−テトラメチルベンジジンを用いたワサビダイコンのペ
ルオキシダーゼ(peroxidase)結合ヤギ抗マウスIgG
を用いたルーチン手順によって測定した。
【0103】2.結果 スクリーニングを行った全部で約7,000のウェルの
中、約4,000のウェル(約60%)がELISAで
プラスであった。これらのプラスのウェルのほとんど
は、ヒトIgEに対する単一クローン性抗体を産出する
ハイブリッドを含んでいるのであろう。ELISAでプ
ラスのこれらの約4,000のウェルの中、外径の数値
が最も大きい53のウェルを選択して、クローニング及
びさらなる特徴付けを行った。これらの53の単一クロ
ーン性抗体を、様々な希釈度のヒト血清で被覆したプレ
ートのウェルを用いてELISAで検査した。これらは
すべてELISAでマイナスであり、それらがヒトアル
ブミン、IgE、IgM、トランスフェリンまたは、マ
ウスに対する免疫原として、また一次スクリーニングの
ELISAでの抗原として使用したIgE調製物に混在
しているその他の主要な血清タンパクと反応しないこと
を暗示している。
【0104】d)単細胞のクローニング ELISAで外径の数値が最も大きい53のウェルの各
々から得た細胞懸濁液を24ウェルのプレートのウェル
内に広げて、1ml当りの細胞が30、50及び100
になるように細胞懸濁液を希釈した。細胞懸濁液(平均
してそれぞれ3、5及び10の細胞を含んでいる)0.
1mlを96ウェルプレートのウェルに入れた。これら
のウェルはヒストンで被覆しておいた。細胞が成長して
コロニーになった後、細胞を顕微鏡で調べた。各コロニ
ーの細胞は動き回らず、コロニーを形成した。ELIS
Aで最も強い反応を示す単細胞クローンを選択して、広
げて培養した。
【0105】e)単一クローン性抗体の産出及び精製 所望の単一クローン性抗体を多量に産出するため、以下
の手順を実施した。24ウェルプレートのウェル内で成
長した、ELISAで大きい外径数値を示したクローン
の一部をさらに100mm組織培養プレート内で広げ
た。所定の単細胞クローンの増殖培養物を清潔に取り扱
われたマウスの腹腔に、1匹当り5百万細胞の割合で別
々に注射した。7日後、各マウスの腹水を集めて冷凍し
た。腹水内の単一クローン性抗体を以下のようにして精
製した。冷凍腹水を溶かして、ナイロン布で濾過して粘
性物を取り除いた。十分なフェニールメチルスルフォニ
ルフルオライドを腹水に添加して、最終濃度を0.1m
Mにした。1.2Mアセテートバッファ(pH4.0)
0.05mlを腹水1ml毎に添加した。アセテートバ
ッファの最終濃度は60mMであった。pHは4.5に
調節した。処理した腹水1ml当りにカプリル酸(M
W:144.21、密度:0.91g/ml)25μl
を激しく撹拌しながら滴下した。懸濁液を室温に保ち、
さらに30分間撹拌し続けた。次に、懸濁液を15,0
00gで10分間遠心分離して沈殿物を取り除いた。I
gEを含む上澄みにその上澄みの体積の1/10の量の
1Mヘペスバッファ(pH8.0)を添加して、上澄み
を中和した。次に、IgEを50%の(NH42 SO4
で沈澱させた。次に、沈殿物をヘペスバッファに溶解
した。この溶液を一夜中ヘペスバッファで透析すること
により、(NH42 SO4 をIgEから取り除いた。
ヘペスバッファは透析中に2度交換した。透析後、ヘペ
スバッファは精製溶解IgEを含有している。この精製
IgEをある特徴付けアッセイに使用した。一部の単一
クローン性抗体は複式カラムクロマトグラフィ法によっ
て腹水または培養液から精製した。まず、NaClを
0.01Mから0.15Mまで段階的に増加させながら
0.05Mトリス(Tris)pH8.0を用いて、抗体を
DE−52陰イオン交換樹脂(英国メードストンのホワ
ットマン(Whatman ))上でクロマトグラフィ分離し
た。抗体含有フラクションは酵素免疫アッセイで識別
し、アミコン濾過(米国マサチューセッツ州、ダンバー
ズのアミコン、YM10膜)で濃縮し、さらに0.01
から0.3Mまでのリン酸バッファ(pH7.4)の段
階グラジエントを利用してヒドロキシルアパタイトカラ
ム(米国カリフォルニア州リッチモンドのリオラド(Ri
oRad);バイオゲル(HT)で精製した。純度は等電集
束(isoelectric focusing)(13)及びファーマシア
PHAST装置(米国ニュージャージー州ピスカットウ
ェイのファーマシア)を用いたSDS−PAGEで評価
し、濃度はOD280nm(1.5=1mg/ml)で
測定した。
【0106】実験II:本発明の単一クローン性抗体の
特徴付け a)免疫蛍光アッセイ及びラジオバインディングアッセ
イを用いた好塩基球との結合 IgE反応型単一クローン性抗体が末消血液から分離さ
れた好塩基球と結合するかどうかを調べる研究が行われ
た。この二次スクリーニングから、治療価値のある抗体
を選択した。それらの抗体は、好塩基球及びマスト細胞
と結合して、薬学的メディエータを放出するものでなけ
ればならない。好塩基球は白血球中に非常に低い割合
(0.5〜2%)を占めるだけであるから、まず免疫蛍
光着色アッセイを使用することを選択した。濃縮好塩基
球でも、免疫蛍光着色またはビオチン−アビジン酵素免
疫着色法を用いた単細胞レベルでの細胞の検査は、細胞
集団全体を検査するラジオバインディングまたはELI
SAよりも正確な測定を行うことができるであろうと考
えた。
【0107】1.好塩基球の分離 好塩基球はP.ラウプラサッド(Raghuprasad )のJ. I
mmunol、129:2128〜2133(1982)に記
載されている手順によってパーコル(Percoll)上で密
度遠心分離を利用して正常で健康な固体の末梢血液から
高濃度に濃縮した。簡単に説明すると、90%パーコル
溶液90mlに10×ハンクス(Hanks)均衡塩水8.
96ml、1NHCl 0.45ml及び10×ヘペス
バッファ(pH7.6)1mlを混合してパーコル保存
溶液を調製した。パーコルの必要密度は次式(8)を用
いて準備した:パーコル密度(g/ml)=(パーコル
保存溶液の%×0.001186)+1.0041 但し、0.001186は定数、1.0041は生理媒
体の密度である。パーコルの密度は温度変化するため、
実験日の前日に調製して一夜室温に保持した。正常なド
ナーから新しく得られたヘパリン処理済みの血液を培養
基RPM1−1640で1:1に希釈してから、フィコ
ル/ハイパークカシオン(Ficoll/Hypaque cusion )上
で遠心分離した(密度=1.070g/ml)。接合部
の単核細胞は別の用途のために取り除き、赤血球小粒の
上部の上の白みがかった層を回収した。これらの顆粒細
胞を洗浄して培養基内で再び懸濁してから、注意深く層
状にした1.072及び1.078g/mlの2つのパ
ーコルグラジエントで15分間遠心分離した。パーコル
層の接合部及び培養基/パーコル上層の接合部の下側に
集まった細胞を採集した。これらの細胞は、個々のドナ
ーに応じて2〜10%の好塩基球を含んでいた。 2.アッセイの手順 5×106 細胞/mlの濃度の濃縮好塩基球懸濁液50
μlを特定の抗体を入れた各1.5mlマイクロフュー
ジ管に加えた。次に、ヒトIgEを抗原としたELIS
Aで外径数値が最も大きかったハイブリドーマクローン
から取った上澄み50μlを各管に添加した。一部のク
ローンでアッセイを繰り返し実施した。精製された抗体
が得られたら、20、5及び1μg/mlを使用した。
腹水が得られたら、1:50の希釈度で使用した。細胞
及び抗体を入れた管を次に室温で30分間インキュベー
ションした。インキュベーション後、管を回転させて、
上澄みを取り出し、ウシの胎児の血清2%とアジ化ナト
リウム0.1%を含有するRPMI1640の混合液で
細胞を2度洗浄した。次に、管を軽く叩いて細胞小粒を
分離させた。フルオレシンイソチオシアネート(FIT
C)と結合したヤギ抗マウスIgGの標識を付けた抗体
10μlを各試験管に1:200の希釈度で添加した。
この標識抗体は、好塩基球上のIgEに付着していた単
一クローン性抗体と結合し、これらの単一クローン性抗
体を識別する手段となる。管を再び室温で30分間定温
保持した。管を遠心分離して、細胞を上記媒体で洗浄し
た。次に、細胞をPBS 50μl内で再び懸濁して、
個別のスライドに載せ、カバーグラスを被せた。細胞を
蛍光顕微鏡で観察した。抗体で細胞に着色した時、各視
野内の細胞の一部が明るく着色されていることを観察で
きた。確実に着色された細胞の割合は実験によって異な
り、約2〜10%である。
【0108】3.ラジオバインディングアッセイ これに使用される段階の多くは、免疫蛍光着色法のもの
に類似している。濃縮した好塩基球を含む白血球フラク
ションを、非特異性結合を阻止する阻止剤として機能す
る正常なヤギ血清1%の存在下でマウス単一クローン性
抗体及び 125Iヤギ抗マウスIgG約10,000cp
mと共に温置した。30分後、温置混合物を円錐型プラ
スチック遠心分離管内のウシ血清(100%)の上に載
せた。細胞を小粒状に遠心分離した後、上層と血清を取
り除いた。管を逆さにして残留液を排水した。次に、細
胞小粒を含んでいる円錐の先端部を鋭利な剃刀の刃で切
り取った。次に、これらの先端部を管に入れて、シンチ
レーションカウンターで 125Iを数えた。負の制御単一
クローン性抗体とヒトIgE特異性単一クローン性抗体
との間で結合 125Iの量を比較することによって、結合
の正負を決定した。
【0109】4.結果 最初は、免疫蛍光アッセイを用いて幾つかの実験を行っ
た。もっと最近では、ビオチン標識第2抗体(ヤギ抗マ
ウスIgG)及びペロキシダーゼー結合アビジンを用い
た同様な手順による試験が繰り返された。2つのアッセ
イから得られた結果から、バックグラウンド着色が抗体
毎に異なることがわかった。その結果から、これらのア
ッセイの感度がヒスタミン放出アッセイ(次項)ほどに
よくないこともわかった。これらのアッセイで感度が比
較的低くなる主な理由は、選択された2〜3のドナーか
らの白血球内の好塩基球の割合がすべて非常に低いこと
であった。これらの免疫結合実験では、好塩基球の割合
が非常に高い個体が好適である。好塩基球の割合が高い
白血球で始めれば、これらの実験に適した好塩基球濃縮
フラクションを作成することができる。
【0110】b)白血球からのヒスタミン放出の誘発 ヒトIgEに特異な単一クローン性抗体が好塩基球上に
結合したIgEと結合すると、IgEが架橋して、下に
あるFcεRが凝集してヒスタミン及びその他の薬学的
メディエータの放出を引き起こす。様々なヒトIgE特
異性単一クローン性抗体を、洗浄したヒト末梢血液の白
血球からのヒスタミン放出を誘発する能力について調べ
た。
【0111】1.手順 使用した方法は、シラガニアン及びフックによって詳細
に説明されている方法と同じであった。イン・ビトロ・
アッセイで、誘発要因の温置時に培地内へ放出された白
血球集団内のヒスタミン総量の割合を計量した。培地内
のヒスタミンすなわち細胞溶解因子の測定は、n−ブタ
ノールでヒスタミンを抽出してそれを高pHにてカップ
リング化合物であるo−フタルアルデヒドと反応させる
ことにより、蛍光物を生成し、それをフルオロメータで
測定する自動機器で実施した。ヒスタミン放出誘発実験
を実施して、被験抗体及び標準抗体と共にインキュベー
ションした後、白血球から培地を集めて、ヒスタミン総
量を測定するための細胞溶解因子を調製した。洗浄した
白血球からのヒスタミン放出の試験手順を簡単に説明す
ると、シラガニアンR.P.及びフックW.A.の「臨
床化学のマニュアル」ローズN.R.及びフリードマン
H.編、第2版pp208〜321(米国ワシントン
D.C.のアメリカン・ソサイエティ・オブ・マイクロ
バイオロジー)に記載されている手順を実質的に採用し
た。血液は正常な提供者から静脈注射器で引き出した。
50mlの円錐管内で、それぞれ10mlの血液を0.
1M EDTA 1ml及びデキストランデキストロー
ス溶液2.5mlと混合した。(ここに述べる溶液及び
試薬はすべて上記シラガニアンに詳細に記載されてい
る。)赤血球層と血しょう層との間にはっきりした接合
部ができるまで、混合物を室温で60〜90分間保持し
た。血しょう−赤血球−血小板層を取り除いてから、4
℃で8分間1,100rpmで回転させた。血小板を含
んでいる上澄みを取り除いて、低温PIPES A−E
DTAの溶液2〜3mlを加えて、細胞を再び懸濁し
た。さらに、低温PIPES A−EDATA 40m
lを加えて、細胞を回転させた。上澄みを取り除いてか
ら、細胞を20mlのPIPES A内で再び懸濁し
た。次に、細胞を4×106 /mlの細胞密度でPIP
ES ACM内で再び回転させて懸濁した。洗浄白血球
0.3mlを入れた管及びハイブリドーマの培地0.3
mlを入れた管を37℃に6分間加熱した。これらの管
を混合して、10分毎に撹拌しながら37℃でインキュ
ベーションした。60分経過した時点で、細胞を回転さ
せて、上澄みを保存した。ヒスタミン含有総量に対し
て、洗浄白血球0.3mlを6%過塩素酸と混合した。
【0112】2.結果 我々が入手できる血液ドナー間でヒスタミン放出性に信
頼性が無いことを認めたので、日常的にヒスタミン放出
アッセイを実施している外部研究所にヒスタミンアッセ
イを委託した。ジョーンズ・ホプキンズ大学の臨床化学
科のDr.ドナルド・マッグラシャン(MacGlashan)研
究所が、我々のヒトIgE−特異性単一クローン性抗体
のほとんどについて好塩基球からのヒスタミン放出を誘
発できる能力を確認した。ヒスタミン放出を誘発しなか
った単一クローン性抗体に関する重要な結果について、
国立健康協会のDr.ルーベン・シラガニアン研究所で
確認した。これらの両研究所は、多数の血液ドナーのス
クリーニングによって高ヒスタミン放出体の安定集団を
作成した。Dr.マッグラシャンによって実施された高
放出体を少なくとも4つ含む7つのドナーからの白血球
を用いた広範な研究の結果を第I表にまとめた。抗体
は、腹水または精製抗体(1〜5mg/ml)から10
0倍、10,000倍または1,000,000倍に希
釈した。ヒスタミン放出データは、1つの代表的「超放
出体」からのものである。その結果から、41の単一ク
ローン性抗体の中、12がヒスタミン放出を誘発しない
ことがわかった。
【0113】 第I表(その1) IgE産出性細胞との反応性、及びヒトIgEに特異なマウス単一クローン性 抗体の好塩基球によるヒスタミン放出を誘発する能力 ──────────────────────────────────── 単一クローン性抗体 SK007細胞 ヒスタミン放出 との結合 抗体希釈 フローサイトメトリー 1/102 1/104 1/10 6 (総放出に対する%) グループ1 E101-1(γ1a, κ) + 0 0 0 E8-5-3(γ1b, κ) + 0 0 0 E10-21-15 (γ1,κ) + 0 0 0 E10-8-120 (γ1,κ) + 0 0 0 E10-12-55 (γ1a, κ) + 0 0 0 E11-4-70(γ1b) + 0 0 0 グループ2 E10-55-31 (γ1,κ) − 0 0 0 E8-13-1 (γ1,κ) − 0 0 0 E8-32-9 (γ1,κ) − 0 0 0 E357-4(γ1,κ) − 0 0 0 E8-37-4 (γ1,κ) − 0 0 0 E8-1-17 (γ1,κ) − 0 0 0
【0114】 第I表(その2) ──────────────────────────────────── 単一クローン性抗体 SK007細胞 ヒスタミン放出 との結合 抗体希釈 フローサイトメトリー 1/102 1/104 1/10 6 (総放出に対する%) グループ3 E69-2 (γ1,κ) + 44 13 0 E10-100-9 (γ1a, κ) + 68 45 0 E10-41-16 (γ1a) + 95 91 91 E10-95-3 (γ1b, κ) + 65 68 3 E10-68-10 (γ1,κ) + 56 42 2 E10-10-3(γ1,κ) + 85 78 2 E10-5-83(γ1,κ) + 82 80 6 E10-24-28 (γ1b, κ) + 79 89 5 E10-27-5(γ1b, κ) + 68 90 9 E10-22-84 (γ2,κ) + 77 84 15 E10-74-28 (γ1,κ) + 60 65 3 E10-1-88(γ1,κ) + 72 55 2 E10-3-14-25 (γ1,κ) + 68 58 3 E10-7-19(γ1,κ) + 38 26 6 E10-18-3(γ1,κ) + 33 26 0 E10-40-62 (γ1b, κ) + 37 24 9 E10-19-12 (γ1,κ) + 28 37 36
【0115】c)単一クローン性抗体のIgE産出性骨
髄腫細胞との結合 (免疫グロブリン分泌型プラズマ細胞から得た腫瘍細胞
である)一部の骨髄腫細胞は、その表面上に表出してい
る免疫グロブリンが他のB細胞の表面上のものに較べて
低レベルであることが知られている。IgE分子は2つ
の異なった機構で好塩基球(またはマスト細胞)及びB
細胞と結合する。IgEは、好塩基球及びマスト細胞上
のFcεR分子とIgEの定常領域断片上の特定の部位
との相互作用によって好塩基球及びマスト細胞と結合す
る。IgEはB細胞またはプラズマ細胞によって合成さ
れてから細胞表面へ運ばれ、エキストラ不変H鎖セグメ
ントによって表面上に保持される。この固着セグメント
は膜結合型免疫グロブリンだけに発見され、分泌型の免
疫グロブリンには見つからない。好塩基球上のIgEと
B細胞上のIgEとでは単一クローン性抗体との結合に
差異があることが、アレルギーの治療に抗体を用いる基
本的根拠である。IgE産出性B細胞及びプラズマ細胞
は単核白血球フラクション内で非常に少なく、また膜結
合型IgE分子の全体的輪郭及び構造特徴がプラズマ細
胞、B細胞またはIgE分泌型骨髄腫細胞間で最もよく
似ているので、単一クローン性抗体のIgE骨髄種SK
007(アメリカンタイプカルチャーコレクションか
ら)細胞との結合について研究することにした。単一ク
ローン性抗体と正常なIgE産出性B細胞及びプラズマ
細胞との相互作用についても調べた。
【0116】1.手順 表面結合型ヒトIgEラムダ、IgMラムダ及びIgG
1カッパをそれぞれ表出しているヒトSKO−007、
CCL−156及びCCL−159細胞を、5%のウシ
の胎児の血清、GIBCOから得たグルタミン2mM及
び1%の抗生物質−抗菌溶液を補充したRPMI培地1
640内に維持した。健康なドナーから静脈注射で得た
末梢血液の単核細胞をフィコルーパーク(米国ニュージ
ャージー州、ピスカッタウェイのファーマシア)密度勾
配遠心分離によって調製した。細胞表面との単一クロー
ン性抗体の結合は2種類のアッセイ、すなわち抗体を生
きた細胞に結合させてから間接的蛍光フローサイトメト
リー分析を行うアッセイと、細胞をマイクロタイタープ
レートに付着させた状態での酵素連結抗体アッセイとを
用いて評価した。抗体と生きた細胞との結合は、300
xgで5分間遠心分離して細胞を小粒状にし、細胞から
維持培地をPBS−BSAで洗浄し、細胞をPBS−B
内で20×106 で再び懸濁して実施された。細胞懸濁
液50μlをPBS−B内で定濃度の2倍(1〜10μ
g/ml)の抗体50μlと混合して、氷の上に保持し
た。30分間インキュベーションした後、氷で冷却した
PBS−B 2mlを各管に加えて、5℃で5分間30
0xgで遠心分離をして細胞を集めた。上澄みを静かに
移動して、細胞小粒を渦流で再び懸濁させ、細胞をさら
なるPBS−B 2mlで一度洗浄した。遠心分離で細
胞を集めてから、PBS−B内で1:20に希釈した親
和性による精製ヤギF(ab’)2抗−マウスIgG
(H+L)(ベーリンガー・マンハイム(Boehringer M
annheim )、ロット52934、コード60529)2
0μlを各管に加えた。これらの管を氷上に20分間イ
ンキュベーションした後、上記のようにPBS−Bで洗
浄した。最後に、細胞小粒を、PBSに入れた1%パラ
ホルムアルデヒド(米国ペンシルバニア州、ウォリント
ンのポリサイエンス社)0.5ml内で再び懸濁した。
シトロジー・テクノロジー社(米国テキサス州、ヒュー
ストン)の488nm、0.6Wで進む5Wアルゴンレ
ーザを備えたEPICSプロファイル(米国フロリダ
州、ハイアリーアのコールター)を用いて細胞を分析し
た。蛍光強さは、前方光散乱と垂直方向光散乱とを組合
せたものでゲート制御した後に組み込み式対数増幅器で
集めて、これによって生存細胞を判別した。ケネット
R.H.の「単一クローン性抗体」(ニューヨークのプ
リナムプレス発行(1980)、編集ケネットR.H.
他)p.376に記載されている方法に従ってグルタル
アルデヒド固定細胞にMAbsを結合させることによっ
て細胞結合型酵素−連結抗体アッセイを実施した。ポリ
L−リシン(100μl/ウェル、PBS内に10μg
/ml)を平底のマイクロタイタープレート(米国カリ
フォルニア州、オックスナードのベクトン・ディッキン
ソン・ラブウェアのファルコン#3072)に加えた。
この溶液を30分後に22℃でウェルから取り除き、カ
ルシウム及びマグネシウム遊離ダルベッコ(Dulbecco)
変性PBS(GIBCO)内に2.5×106 細胞/m
lで存在する細胞50μlを各ウェルに加えた。5分間
300xgで遠心分離して細胞をウェルの底部に沈降さ
せてから、氷温のPBS内に0.25%に希釈したグル
タルアルデヒド50μlを加えることによって細胞を2
2℃で10分間固定した。PBS(200μl/ウェ
ル)内での0.1Mグリシン−0.1%BSA、続いて
ブロット(1g/lのチメロサールを加えたPBS内で
の5%脱脂粉乳(米国カリフォルニア州、ロサンゼルス
のカーネーション)の連続インキュベーションによっ
て、非特異的結合部位をブロックした。プレートを緩や
かに揺らしながらブロッキング溶液を取り除いた。細胞
をブロット内の50μl/ウェルの制御または試験単一
クローン性抗体に1時間37℃で接触させた。プレート
を揺らし、トランスター96ピペット装置(米国マサチ
ューセッツ州、ケンブリッジのコスター)を用いて20
0μl/ウェルのPBSで6度洗浄して未結合抗体を取
り除いた。続いて、細胞を0.5μg/mlのビオチン
標識親和性精製ヤギ抗マウスIgG(米国メリーランド
州、ゲイテルスバーグのKPL)と共にブロット内で3
7℃で1時間インキュベーションした。すべてのウェル
を上記のようにして洗浄してから、ワサビダイコンペロ
キシダーゼーストレプトアビジンを0.5μg/mlの
割合でブロットに37℃で1時間加えた。上記のように
して洗浄して未結合複合体を取り除き、TMB基体10
0μlを加えた。プレートを暗所に22℃で30分間保
持してから、50μl/ウェルの4NH2 SO4 を加え
て反応を中止させた。バイオテックマイクロタイタープ
レートリーダを用いて450nmの光学密度を測定し
た。
【0117】2.結果 フローサイトメトリー分析で試験した41の単一クロー
ン性抗体の中の35がSK007細胞を着色することが
わかった。好塩基球からのヒスタミン放出を誘発する2
9の単一クローン性抗体はすべて着色した。ヒスタミン
放出を誘発しなかった12の単一クローン性抗体の中の
6がSK007細胞を着色し、6は着色しなかった(第
I表)。酵素免疫着色の結果は、フローサイトメトリー
アッセイの結果と同じであった。このため、分析を行っ
た単一クローン性抗体群の中の6が、好塩基球と結合し
てヒスタミン放出を引き起こすことがなく、またIgE
産出性B細胞と結合する基準に適合する。前述したよう
に、シラガニアン及びそのグループは、IgEが好塩基
球と結合することを阻止するヒトIgEに対する2つの
マウス単一クローン性抗体(E14C5IB1及びE1
1AC3IIC)を開発した(Fed. Proc.46:134
6;1987)。我々はシラガニアン博士からこれらの
2つの抗体を入手して、それらがSK007細胞と結合
し、好塩基球からのヒスタミン放出を誘発しないことを
確認した。
【0118】d)ヒトIgEとの結合親和力の決定 1.原理及び手順 イムノアッセイの感度が、測定する物質に対する抗体の
親和力によって決まることはよく知られている。2つの
単一クローン性抗体(固相吸着剤としての抗体とトレー
サとしての抗体)を用いた固相サンドウィッチイムノア
ッセイの場合、2つの単一クローン性抗体の抗原に対す
る両方の親和力が重要である。各抗体アッセイを実施す
る際の抗体の親和力の影響及び抗体の親和力を計算する
際のイムノアッセイの使用が系統的に研究されている。
ニムノ他のJ. Immunol. Met.72:117〜187(1
984)及びミューラーのJ. Immunol. Met.34:34
5〜352(1980)。抗原に対する単一クローン性
抗体の親和力を決定するため、イムノアッセイの固相、
例えば96ウェルのELISAプレートのマイクロタイ
ターウェルに抗原を塗布する。固相上の同じ抗原に対す
る基準単一クローン性抗体の親和力に対比したある単一
クローン性抗体の親和力は、2つの単一クローン性抗体
をイムノアッセイで比較して決定できる。基準単一クロ
ーン性抗体の親和力すなわち会合定数は一定の別の方法
又は同一の方法で決定しておく。親和力を測定しようと
する単一クローン性抗体の外径の数値を基準単一クロー
ン性抗体の数値と比較することによって、その単一クロ
ーン性抗体の親和力が基準単一クローン性抗体よりも大
きいか小さいかがわかる。基準単一クローン性抗体を入
手できない場合、別の抗原に特異な基準単一クローン性
抗体に対して分析を行う。同じ分子量の抗原を固相に塗
布し、その他のアッセイ状態及びパラメータをすべて同
じにすることにより、2つの単一クローン性抗体の相対
親和力を外径の数値から決定することができる。SK0
07細胞と結合し、好塩基球からのヒスタミン放出を誘
発しない幾つかのヒトIgE−特異性単一クローン性抗
体の親和力を決定する際に、ヒトIgEに対する様々な
単一クローン性抗体の結合力を、親和力が1×1011
ットル/モルであることが確認されているヒトβ−HC
Gに対する単一クローン性抗体の結合力と比較した。我
々のアッセイでは、0.1μg/mlのβ−HCGまた
はヒトIgE 50μlをELISAプレートのウェル
に塗布してから、抗HCG単一クローン性抗体及び固相
上の各抗原に対する様々な単一クローン性抗体を滴定し
た。この手順は、実験IのELISAの手順で説明した
ものと実質的に同じであった。ワサビダイコンペロキシ
ダーゼー結合ヤギ抗マウスIgG及び酵素基質を用い
て、滴定曲線を決定した。単一クローン性抗体の親和力
125I標識ヒトIgEによっても決定できる。抗体の
溶液と既知の濃度の 125IIgEの溶液とを混合して、
均衡状態になるまで十分な時間(24時間)結合させ
る。次に、ヤギ抗マウスIgGと結合化した過剰セファ
ローズ4Bを用いた親和性吸着によって免疫複合物を迅
速に取り除く。遊離 125IIgEを迅速に洗い流す。遊
125IIgEと結合 125IIgEとの比率から単一ク
ローン性抗体の会合定数Kaを計算する。この方法は、
親和力が高い抗体に特に適している。
【0119】2.結果 好塩基球からのヒスタミン放出を誘発せず、SK007
細胞と結合する6つの単一クローン性抗体は、会合定数
がKaが3×108 〜5×109 リットル/モルである
ことが確認された。 均等物 日常的実験以外にも上記の本発明の特定の実施例の様々
な均等物を使用できることは当業者には明かであろう。
そのような均等物は本発明の範囲に入る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトIgEのmb/ecセグメント(ε. m
b/ec)を決定する方法を説明する図である。
【図2】 cDNAライブラリからε. mb/ecを含
有しているクローンを選別するために使用されるDNA
プローブを示す図である。
【図3】 ヒトE鎖のCH4ドメインのC末端と、プロ
ーブb及びdの位置を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/577 G01N 33/577 B // C12N 15/02 C12P 21/08 C12P 21/08 C12N 15/00 C (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 サン,ビル・ナイ・チャウ アメリカ合衆国 77005 テキサス,ヒ ューストン,ノッチンガム・ブールバー ド 3103 (72)発明者 サン,セシリー・ルー・ユン アメリカ合衆国 77005 テキサス,ヒ ューストン,ノッチンガム・ブールバー ド 3103

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 B細胞の膜に結合したlgEに特異的に
    結合するが、可溶性lgEには結合しない抗体又はその
    抗原結合性断片。
  2. 【請求項2】 lgE鎖の膜結合領域の細胞外部分に特
    異的に結合する抗体又はその抗原結合性断片。
  3. 【請求項3】 前記lgEはヒトlgEである請求項
    又は記載の抗体又はその抗原結合性断片。
  4. 【請求項4】 前記抗体はモノクローナル抗体である請
    求項1ないし3記載の抗体又はその抗原結合性断片。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の抗体又はその抗原結合性断片と、細胞溶解性又は細胞
    障害性物質が結合して成る免疫毒素。
  6. 【請求項6】 前記細胞溶解性又は細胞障害性物質は、
    リシン、プソイドモナス毒素、ジフテリア毒素、アメリ
    カヤマゴボウの抗ウイルス性ペプチド、トリコセシン、
    放射性核種又は膜溶解性酵素である請求項5記載の免疫
    毒素。
  7. 【請求項7】 白血球試料と、請求項1ないしのいず
    れか1項記載の抗体又はその抗原結合性断片とを接触さ
    せ、該抗体又はその抗原結合性断片したlgE担持細胞
    を検出することから成る、lgE担持細胞の検出方法。
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