JP2787967B2 - 遠心流動粉砕装置 - Google Patents

遠心流動粉砕装置

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JP2787967B2 JP19446392A JP19446392A JP2787967B2 JP 2787967 B2 JP2787967 B2 JP 2787967B2 JP 19446392 A JP19446392 A JP 19446392A JP 19446392 A JP19446392 A JP 19446392A JP 2787967 B2 JP2787967 B2 JP 2787967B2
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敏夫 若林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,セラミックスや無機ま
たは有機化合物を微粉砕する粉砕装置に係り,さらに詳
しくは,回転皿および外周環を備えており,装置内部に
収納した鋼球またはセラミックスボール等の粉砕媒体を
遠心流動させることにより原料の粉砕を行なうようにし
た遠心流動粉砕装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粉砕装置は,チューブミル,竪形ミルな
ど各種の形式のものがあるが,回転皿を上向きに設置
し,この回転皿を回転させることにより,内部に収納し
た鋼球またはセラミックスボール等の粉砕媒体(以下,
ボールという。)を循環運動させて原料の粉砕ならびに
摩砕を行なうようにした竪型ボールミルと通称されるも
のが知られている。
【0003】古くから用いられているこの種の竪型ボー
ルミルにおいては,粉砕ならびに摩砕作用が弱い,ある
いは装置に投入されたエネルギが粉砕ならびに摩砕作用
以外に消費され易く,エネルギ効率が低いなどの問題が
あった。そこで,本出願人は,次のごとき回転皿および
固定環(外周環)を有する遠心流動粉砕装置を特許出願
した。(特願昭60−265379号,同60−266
867〜266872号,同61−99745号,同6
1−207603号等)。
【0004】図5はこれら遠心流動粉砕装置の一例を示
しており、この回転皿6は回転軸芯が縦方向に向いてい
て、下方に向かって拡径する円錐形状の皿面6aを有し
ており、かつ、該皿面6aの縦断面が中央部から外周部
にかけて凹状に湾曲している形状の回転自在な皿状のも
のである。外周環7は、少なくとも上部が上方に向かっ
て縮径する内壁面を有し、該内壁面の縦断面が凹状に湾
曲している形状であり、前記回転皿6と同軸的に周設さ
れて静止している。そして、遠心流動粉砕装置1は、前
記回転皿6の皿面6aと外周環7の内壁面とが、回転皿
6と外周環7との間の微小隙間19を除いて、連続的な
円滑面に形成されている。
【0005】符号8は粉砕装置の本体部分を覆うケーシ
ングであって,外周環7は連結部材9を介してケーシン
グ8の内面に取付けられている。符号10は柱脚であっ
て,ベアリング11を介して回転皿6を枢支している。
回転軸2は,減速機構等を介して電動機等の原動装置に
連結されている。ケーシング8の天井中央部分には原料
の投入管12が設置されており,かつこの投入管12を
取巻くようにダクト13が設けられ,このダクト13に
回転筒14が接続されている。
【0006】外周環7は,本実施例ではライナが内張り
されるとともに,その壁面を貫通するように多数のスリ
ットまたは小孔15が穿設されている。外周環7外面の
底部とケーシング8内面との間には側部カバー16が周
設されており,この側部カバー16とケーシング8およ
び外周環7外面との間に空気導入室17が区画形成さ
れ,空気導入管18から空気が導入可能とされている。
なお,側部カバー16の上端は外周環7の側部外面に封
着されている。
【0007】一方,回転皿6の外周縁と外周環7の底部
内周縁との間には,最小ボール径の10〜30%のクリ
アランス19があいており,底部カバー20がこのクリ
アランス19の下側を覆うように周設されている。な
お,本実施例では,側部カバー16に透孔を開設する
か,あるいは空気導入管を接続するなどして,この底部
カバー20内へも空気が導入可能とされている。底部カ
バー20および前記空気導入室17には,粉粒体の抜出
および搬送用の管路21が接続され,この管路21は投
入管12へ粉粒体を返送可能に配設されている。また,
回転皿6の外周縁下側には,スクレーパ22が固設さ
れ,底部カバー20内に落下した粉粒体を抜出用の管路
21の接続部へ向けて寄せ集めるよう構成されている。
【0008】ケーシング8の上面部を被うように蓋体2
8が設けられている。この蓋体28の頂部中央には前記
回転筒14が挿入されており,ベアリング29によって
これを枢支している。この回転筒14は,例えばプーリ
29aおよびベルト29b等の適宜の動力伝達手段によ
って駆動装置(図示せず)に接続されている。なお,こ
の回転筒14の上端とダクト13の下端とは回転自在に
連結機構にて連結されている。
【0009】而して,この回転筒14の下端に分級機3
0が連設されている。本実施例において,分級機30は
上下1対の回転円板31,32,該円板31,32の縁
部に挟設された第1の羽根33,円板31の縁部に立設
された第2の羽根34,円板32の縁部に垂設された第
3の羽根35を備えている。また,分級機30を取囲む
ように撹拌ブレード36が設けられている。このブレー
ド36は図示しないステーを介して円板31,32に連
結され,分級機30とともに回転するようになってい
る。
【0010】この分級機30においては,粉砕物を含む
空気は,第3の羽根35および撹拌ブレード36によっ
て粒子が分散された後,第1の羽根33で分級され,微
粉分は円板31,32間の中央に流入し,回転筒14へ
抜き出される。一方,第1の羽根33で分級された粗粉
は第2の羽根34の循環ファン効果により蓋体28の内
面に沿うように流れて粉砕室27へ戻される。
【0011】このように構成された粉砕装置において,
原料は投入管12から粉砕室27内に投入される。一
方,回転皿6の回転に伴って粉砕媒体(スチールボール
またはセラミックボール)は粉砕室27内において,外
周環7と皿面6aとを循環する円運動と,回転皿6の軸
心回りの公転運動との合成による縄を綯うような「螺旋
運動」を行ない,その間で原料の粉砕を行なう。また,
空気導入管18から空気導入室17および底部カバー2
0内に導入された空気は,クリアランス19,スリット
または小孔15を通って粉砕室27内に流入し,粉砕に
よって生じた粉末を伴って分級機30に到達し,分級作
用を受け,粗粉分は再度粉砕室27に戻され,細粒分は
回転筒14およびダクト13を経て捕集手段へ送られ,
捕集機において捕集される。
【0012】また,スリットまたは小孔15あるいはク
リアランス19を通って粉砕室27から抜け出た粒子
は,管路21および投入管12により,粉砕室27内に
戻される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したような図
5に示す従来の遠心流動粉砕装置においては,粉砕室2
7で粉砕された粉砕産物のうち微粉はクリアランス19
より導入される気体に随伴して分級機30まで搬送さ
れ,分級作用を受けて分級点以下の微粉のみ機外へ排出
され,捕集機によって回収され製品となる。このよう
に,従来の遠心流動粉砕装置では回転皿の中心軸をはじ
めとして,装置の中心軸は鉛直であり,回転皿の高速回
転によって装置内のボールは強い遠心力を受けて外周環
に強く押圧されながら外周環壁面を転動または滑動する
とともに,接触し合う各々のボール同志にもその速度差
に起因する摩擦力が働く。その結果,ボールとともに投
入された原料の微粉砕が効率良く実施され,粉末度の小
さい超微粉砕品を能率良く生産できる反面,ボールや外
周環ならびに回転皿の内張りライナの摩耗が大きく,コ
ンタミネーション(製品への摩耗部材の混入)が増加
し,純度の高い高品位の製品を得るための障害となって
いた。また,強い遠心力による遠心流動粉砕では生成し
た微粉同志が凝集し,見掛けの精粉平均粒子径が大きく
なるという欠点があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】上に述べた課題を解決す
るために、本発明の遠心流動粉砕装置においては、下方
に向かって拡径する円錐形状を有する皿面を有し、か
つ、該皿面の縦断面が中央部から外周部にかけて凹状に
湾曲している形状の回転自在な皿状の回転皿と、少なく
とも上部が上方に向かって縮径する内壁面を有し、該内
壁面の縦断面が凹状に湾曲している形状であり、前記回
転皿と同軸的に周設されて静止した外周環とを具備し、
前記回転皿の皿面と該外周環の内壁面とが、回転皿と外
周環との間の微小隙間を除いて、連続的な円滑面に形成
されている遠心流動粉砕装置であって、該遠心流動粉砕
装置を載貨する共通台盤を竪軸回りに回転自在に可動台
盤上に軸承するとともに該共通台盤の回転駆動手段を備
え、前記可動台盤の1端をピン接合し他端を上下動させ
る該可動台盤の傾動手段を備えた構成とした。
【0015】
【作用】本発明の遠心流動粉砕装置は,回転軸芯が鉛直
方向より傾いているので,回転皿の皿面および外周環内
壁面の回りで形成された粉砕室内を上下に循環流動し,
かつ,粉砕室を平面的に周回するボールおよび原料の粉
粒体は,回転軸芯が鉛直の従来の遠心流動粉砕装置のよ
うに,円周のどの断面においても均一な遠心流動状態を
保持するということはなく,傾斜した上昇側の粉砕室に
比べて下降側の粉砕室では原料が多いため,遠心力によ
る強制運動が弱められ遠心流動粉砕作用が抑制される。
その結果,ボールおよび原料粉を壁面に水平に強く押圧
しながら壁面に沿って移動させる遠心作用が従来のもの
に比べて低下し壁面の剥離作用が減少する。したがっ
て,コンタミネーションによる原料粉への摩耗粉の混入
が減少する。また,凝集した微粉原料が多くの原料の密
集している下降側の粉砕室へ移動したときには,従来装
置に見られる規則正しい強制流動が乱され,これらの多
くの原料へ衝突して凝集状態が破壊されるという解粉効
果が得られるので凝集が少なくなり,精粉の粉末度が下
がって高品質の製品が得られる。
【0016】本発明の遠心流動粉砕装置は,上に述べた
ように,装置が傾斜しており粉砕室の上昇側は下降側に
比べて遠心流動粉砕作用が活発であり,その分回転皿や
外周環の内張りライナの摩耗が早い。これらの偏摩耗を
防ぐため,必要な周期で共通台盤を回転する。
【0017】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例について
詳細について説明する。図1〜図4は本発明の実施例に
係り,図1は遠心流動粉砕装置の全体縦断面図,図2は
遠心流動粉砕装置の要部縦断面図,図3は運転時間と製
品中に混入するコンタミ量との相関曲線図,図4は製品
の平均粒径と運転時間との相関曲線図である。
【0018】図1において,回転皿6は回転皿6の中心
下方に垂設される回転軸2およびカップリング2aを介
して減速機25の出力軸と連結され,可変速電動機26
によって回転駆動される。一方,微小のクリアランス1
9を隔て回転皿6の周囲には柱脚24,架台23を介し
て外周環7が配設され,回転皿6と外周環7とで形成さ
れる空間である粉砕室27では,従来技術で述べたよう
に構成され原料は粉砕媒体による遠心流動粉砕作用を受
け,微粉砕または超微粉砕される。外周環7の上部には
天板40aを有する帽子状の円筒管40が載置され外周
環7に連結される。円筒管40の中間には複数個の透孔
44を有する水平円板からなる仕切板42が固設され,
透孔44にはバッグフィルタエレメント50が仕切板4
2の下方に形成される分級室47に突出垂下されるよう
に配設される。また,透孔44の上方にはベンチュリ管
46が設けられ,ベンチュリ管46の上にはバッグフィ
ルタエレメント50の内面へ圧縮エアを吹付けるための
圧縮エア供給管60が機外から導かれ,吹出しノズル6
0aがベンチュリ管46に対向配置される。円筒管40
の天板40a中央には含塵ガスの排出管48が設けられ
る。以上のように構成された可変速電動機26,減速機
25および柱脚24は共通台盤70の上面に固設され
る。共通台盤70の下面には円柱状の突起72が設けら
れ,その下端に取付けられたスラスト軸受80を介し
て,可動台盤100上を回転自在に回転できるようにな
っており,可動台盤100に固設された電動機90の出
力軸に取付けた歯車90aと突起72の周囲に取付けた
歯車72aの噛合により回転駆動される。歯車の代りに
チエンホイル伝動としてもよい。可動台盤100の1端
側にはピンジョイント110で固定台盤120とピン接
合されるとともに,可動台盤100の他端側は固定台盤
120に固設された油圧シリンダ130のピストンロッ
ド130aの先端に設けたピンジョイント140で接合
され,油圧シリンダ130のピストンロッド130aの
進退動により可動台盤100は任意の傾斜角θを取れる
よう構成されている。本発明の遠心流動粉砕装置1は間
欠運転(バッチ操作)と連続運転がともに可能で汎用性
が広い。
【0019】以上のように構成された本発明の作動につ
いて説明する。あらかじめ,粉砕室27内には,たとえ
ば,球状のボールからなる粉砕媒体が多数装入されてい
る。まず,粉砕原料を図示しない投入管から装置内に投
入する。回転皿6の回転に伴って粉砕原料および粉砕媒
体は外周環7の内壁面7aと皿面6aとを循環する円運
動(矢印S)と,回転皿6の軸心回りの公転運動との合
成による縄を綯うような螺旋運動(遠心流動)を行な
い,その間で粉砕原料の摩砕または剥ぎ取りを行なう。
すなわち,回転皿6を回転させると,粉砕媒体は遠心力
により外周方向に移動され,この速度エネルギによって
外周環7の内壁面7aを這い上がり,その這い上がる力
が重力より小さくなった時点で該内壁面7aから離れて
回転皿6の皿面6a上に落下する。皿面6a上に移動し
た粉砕媒体はこの皿面6aに沿って再び外周環7へ向け
て移動される。
【0020】また,回転皿6を回転させると,粉砕媒体
は回転皿6の回転速度よりも遅い速度で円周方向に公転
する。したがって,粉砕媒体は,前述のように皿面6a
と内壁面7aを循環する上下方向の円運動Sの他に,回
転皿6の軸心回りを回転する公転運動をも行ない,これ
らの二つの運動を合成した縄を綯うような螺旋進行運動
(遠心流動)を行なう。
【0021】このように,粉砕媒体は回転皿6の円周方
向への運動を維持しつつ内壁面7aを這い上がる運動を
行なうのであるが,この内壁面7aが固定されていると
き,粉砕媒体の円周方向速度(公転速度)および粉砕媒
体の這い上がり速度との合成速度がそのまま内壁面7a
と粉砕媒体の速度差になる。したがって,粉砕媒体と内
壁面7aとの速度差は極めて大きなものとなり,内壁面
7a上を移動する際の粉砕媒体の作用による摩砕作用は
著しく強いものとなる。
【0022】さらに,内壁面7aから離脱して皿面6a
上に着床した粉砕媒体は,この皿面6aに沿って滑らか
に転がり落ちるので,皿面6aを転動降下する際の運動
により,内壁面7aを駆け上がる際に得た位置エネルギ
を半径方向への運動エネルギに変換することができるか
ら,粉砕媒体に一旦付与されたエネルギをいたずらに消
費することなく,剥離作用に有効に利用することができ
る。さらに,皿面6aに沿って降下する際は,粉砕媒体
はこの皿面6aと摺動するから,この降下運動中におい
ても摩砕または剥離が行なわれる。
【0023】以上述べた粉砕室27内におけるボールお
よび原料の挙動は,回転軸芯が鉛直の従来型の遠心流動
粉砕装置においては,粉砕室27の円周のどの個所にお
いてもほぼ均一に行なわれるが,回転軸芯が鉛直でない
傾斜型の本発明の装置においては,円周各断面の挙動は
均一でない。すなわち,図2に示すように,装置が傾斜
角θだけ鉛直より傾いているため,粉砕室27内の原料
は円周均等に配分されておらず,ボールおよび原料を液
体と見做したときの仮想表面Xで示されるように,上昇
側(図2の左側)にくらべて下降側(図2の右側)の粉
砕室27に多くボールおよび原料が偏在している。した
がって,この材料の偏りにより,前記した遠心流動(螺
旋進行運動)している上昇側のボールおよび原料が下降
側に到達した際,下降側に偏在した多くの材料へ衝突
し,今までの規則的な遠心流動運動が一部破壊され,今
までの遠心流動型の強制運動をする材料のほかに衝突後
自由運動をする材料とに分かれることになる。その後,
下降側の材料のうち上昇側へ向かった材料は回転皿回転
によって付与された遠心力によって再び遠心流動型の強
制運動を行なう。このように,本発明の装置では,従来
装置の如くすべて全周均等な強制運動でなく,強制運動
に自由運動を付加した運動となる。この自由運動の材料
は規則正しい強制運動(遠心流動運動)を乱し,強制運
動を減速させる。
【0024】一方,前記したように,回転皿6の皿面6
aや外周環7の内壁面7aをボールや原料が流動する際
に,皿面6aや内壁面7aを摺動し剥離が起こる。それ
と同時にボール自体も表面が剥離される。これら剥離さ
れた微細な粒子が製品中へ混入し不純物として製品の品
質を劣化させる。これらの現象をコンタミネーションと
呼んでいる。
【0025】ところが,本発明の装置では装置が傾斜
し,粉砕室の下降側で自由運動を付与し,その分強制運
動が減殺され,したがって全体として材料(ボールおよ
び原料)に働く遠心力が弱められる結果,表面剥離が僅
かでありコンタミネーションが減少する。図3はバッチ
操作(回分操作)におけるコンタミ量Mの試験結果を示
し,傾斜角θ=15°のテスト機で行なった結果,従来
型A,傾斜型Bとも時間の経過とともに線型変化する
か,傾斜型においてはコンタミ量Mがほぼ半減してい
る。特に,セラミック製(たとえばジルコニア)のボー
ルや内張りライナを使用する装置においては,セラミッ
クス製の薄膜の表面層は内部に比べて硬く耐摩耗性が強
いので,剥離がこの表面層だけに留まる操業運転を行な
えば,一層コンタミネーション現象の低減を図ることが
できる。
【0026】また,微粉砕された微粉は約5μm以下に
なると凝集を起こし易く,平均粒子径を増大させるとい
うマイナス面を粉砕に与えるが,本発明のように傾斜し
ている場合には,下降側へ突入した材料は偏在する多く
の材料へ衝突して解砕され,凝集状態を破壊する作用が
期待できる。これについても,バッチテストの結果,図
4に示すように,傾斜型では凝集の程度が低下し,平均
粒径の低減が見られた。
【0027】傾斜型装置における強制運動と自由運動の
比率のコントロールは傾斜角θの変更によって行ない,
5°〜30°の範囲で傾斜角θを設定する。数値限定に
おける下限値5°は,これ以下では傾斜効果がほとんど
ないことからであり,逆に最大値30°を越えると強制
運動(遠心流動運動)そのものが阻害され,本来意図し
た粉砕が行なえなくなることが種々のテスト結果より判
明した。傾斜角θの望ましい範囲は10゜から20°の
範囲である。
【0028】本発明の装置は,強制運動がいくぶん抑制
されるので粉砕にとってはマイナスとなるが,特にコン
タミネーションを嫌う高純度の製品を要求される場合に
最適であり,凝集も少ないから,高純度で,かつ,超微
粉の製品を少量のみ得たいときには,バッチ運転では長
時問の運転で得られ,連続運転の場合には投入量(処理
量kg/h)を少なくすることによって高純度,高品位
(超微粉品)の製品を得ることができる。
【0029】また,本発明の実施例では,装置上部の分
級室に所望の製品粒度に合致する篩目を持つバッグフィ
ルタエレメントを装着し,含塵ガスはバッグフィルタを
通過しないと機外へ排出できないようになっているか
ら,製品中へ篩目以上の粗粉が混入することがない。し
たがって,製品への粗粉の混入を防止できる。また,逆
洗用の圧縮エア供給管を配設したので,運転中目詰まり
したバッグフィルタの篩目を清掃してバッグフィルタ外
表面に付着した粗粉を落下させ再粉砕させることができ
るので連続運転に支障がない。
【0030】上記のように本発明の装置は構成され,装
置は傾斜角θだけ傾いており,粉砕室の上昇側と下降側
では遠心流動粉砕作用の程度が異なり,回転皿6の皿面
6aや外周環7の内壁面7aに偏摩耗を来たす。このた
め,共通台盤70を適当な周期,たとえば2時間に1回
程度1/8〜1/4回転して内張りライナ(皿面6aお
よび内壁面7a)の摩耗を均等化させる。このようにし
て長期間の運転で粉砕室の内張りライナの摩耗状態を平
準化することにより内張りライナの長寿命化を図ること
ができる。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように,本発明の遠心流動粉
砕装置は,コンタミネーションの少ない高純度の製品が
得られるほか,粉砕精粉の凝集の少ない微粉が得られ
る。したがって,特に製品粒度が小さく,かつ,高品質
の微粉砕品を提供することができる。また,粉砕室の内
張りライナの摩耗が平準化され長寿命化を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す遠心流動粉砕装置の全体
縦断面図である。
【図2】本発明の実施例を示す遠心流動粉砕装置の要部
縦断面図である。
【図3】遠心流動粉砕装置における運転時間と製品中に
混入するコンタミ量との相関曲線図である。
【図4】遠心流動粉砕装置による製品の平均粒径と運転
時間との相関曲線図である。
【図5】従来の遠心流動粉砕装置の要部縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 遠心流動粉砕装置 2 回転軸 6 回転皿 6a 皿面 7 外周環 7a 内壁面 18 空気導入管 19 クリアランス 27 粉砕室 40 円筒管 40a 天板 40b 円筒管 40c 蓋 40d 丁番 42 仕切板 44 透孔 46 ベンチュリ管 47 分級室 48 排出管 50 バッグフィルタエレメント 60 圧縮エア供給管 60a 吹出しノズル 70 共通台盤 72 突起 72a 歯車 90 電動機 90a 歯車 100 可動台盤 110 ピンジョイント 120 固定台盤 130 油圧シリンダ 130a ピストンロッド 140 ピンジョイント A 従来型 B 傾斜型 M コンタミ量 Dp 平均粒径 X 仮想表面 θ 傾斜角

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下方へ向かって拡径する円錐形状を有す
    皿面を有し、かつ、該皿面の縦断面が中央部から外周
    部にかけて凹状に湾曲している形状の回転自在な皿状の
    回転皿と、 少なくとも上部が上方に向かって縮径する内壁面を有
    し、該内壁面の縦断面が凹状に湾曲している形状であ
    り、前記回転皿と同軸的に周設されて静止した外周環と
    を具備し、 前記回転皿の皿面と該外周環の内壁面とが、回転皿と外
    周環との間の微小隙間を除いて、連続的な円滑面に形成
    されている遠心流動粉砕装置であって、 該遠心流動粉砕装置を載貨する共通台盤を竪軸回りに回
    転自在に可動台盤上に軸承するとともに該共通台盤の回
    転駆動手段を備え、 前記可動台盤の1端をピン接合し他端を上下動させる該
    可動台盤の傾動手段を備えた遠心流動粉砕装置。
JP19446392A 1992-06-12 1992-06-12 遠心流動粉砕装置 Expired - Fee Related JP2787967B2 (ja)

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