JP2786287B2 - 流動相で炭化水素を蒸気クラッキングする方法および装置 - Google Patents

流動相で炭化水素を蒸気クラッキングする方法および装置

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JP2786287B2 JP1504880A JP50488089A JP2786287B2 JP 2786287 B2 JP2786287 B2 JP 2786287B2 JP 1504880 A JP1504880 A JP 1504880A JP 50488089 A JP50488089 A JP 50488089A JP 2786287 B2 JP2786287 B2 JP 2786287B2
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はオレフィン、特に2乃至4炭素原子のオレフ
ィン、ブタジエン、およびベンゼンなどのモノ芳香族化
合物、またはトルエン、キシレンなどの枝分かれ芳香族
化合物の生成のため、石油炭化水素留分を熱量保持粒子
の流動相で高温で転化する蒸気クラッキング法およびこ
の方法を実施する装置に関するものである。
石油工業または疑似石油工業においては一般に炭化水
素クラッキング方法が使用される。これらの方法は、温
度上昇によって、炭化水素分子をこれより小さい分子に
分割するにある。2つのクラッキング法があり、これは
温度の影響のみを使用する熱クラッキングまたは触媒の
活性部位を使用する触媒クラッキング法である。
従来の熱クラッキングプラントにおいては、炭化水素
装入物が管状反応炉の中で徐々に加熱される。熱クラッ
キング反応は主として、最大熱流束を受ける管部分の中
で生じ、この部分の温度は下記のようにクラッキング炭
化水素の性質によって決定される。
−もっとも重い分子のみが軽い分子に分割されるいわゆ
るビスブレーキング法の場合、クラッキング温度は場合
よって450°乃至600℃の範囲内にある。
−熱クラッキングされる分子がガソリンまたは液化石油
ガス(LPG)などの軽い分子であり、また軽質オレフィ
ンおよびモノ芳香族化合物を生成しようとする場合、必
要温度はクラッキングされる装入物の型に応じてはるか
に高く、一般に780乃至850℃の範囲内であるが、方法の
実施条件および付属加熱エネルギー発生炉の機能の複雑
さによって制限される。
所要の温度レベルを達成してこれを保持する事は、反
応管の壁面上に望ましくないコークスが徐々に堆積しま
た熱流束が制限されているほど困難になる。さらに、反
応温度より高い隔壁温度は、コークスの形成、およびゴ
ム型およびアセチレン化合物型の劣化生成物の形成の原
因となる。コークスは熱交換性を低下させる。コークス
は反応管内部の装入物の損失を増大し、また管壁の温度
を増大させ、これが過度の機械的応力を生じ、従って熱
クラッキングプラントの中に入る炭化水素装入物の転化
率を低下させ、定期的なコークス除去作業のためのプラ
ント停止を必要とする。またその結果、一方では運転中
にコークス除去作業を実施できるようにこの工程がモジ
ュラー型でなければならず、他方において処理される装
入物はコークス除去作業のサイクルがあまりに短くなら
ない程度に「清潔」でなければならない。実際上、これ
らの装入物はLPG、ガソリン、および適当なまたは水添
処理された一部のガス油に限定される。
さらに、反応管中の伝熱作用は瞬間的でなく、熱クラ
ッキング反応はきわめて吸熱反応である。従って、温度
の調整および保持の問題、また選択性の問題が解決困難
である。
このような問題点を解決し、炭化水素の熱クラッキン
グを実施するため、以前から流動床技術を使用する事が
提案されている。例えば、 −米国特許第3,074,878号(エッソ)および欧州特願
第26,674号(ストーン)は、熱量保持粒子上に堆積した
コークスの燃焼によって供給される熱量によって短時間
接触により石油装入物の熱クラッキングを実施するた
め、熱量保持粒子下降流型流動床式管状反応器を使用す
る。
−米国特許第4,427,538号(エンゲルハード)は、不
活性熱量保持粒子の上昇流動相反応によって、低厳格度
のクラッキングと、装入物の中に含有された最重質炭化
水素の除去とを実施するために管状反応器を使用する。
しかしこれらの方法のいずれも、LPG、ガソリン、ま
してや非常に汚染した残留装入物などの種々の炭化水素
留分の軽質オレフィンとモノ芳香族化合物との同時的転
化を満足な工業的条件で実施する事ができない。
実際に、ブタン、プロパン、特にエタンなどの軽質パ
ラフィン系炭化水素およびガソリン、ナフサおよびガス
油などの石油留分を熱クラッキングするためには、反応
温度を750〜850℃のオーダの非常に高いレベルに、非常
に短いが厳格に制限された時間、保持する必要がある。
この温度範囲における滞留時間の非常に正確な制御がな
ければ、転化工程中に形成されたオレフィン分子が重合
して反応の全体的選択性を阻害する。ところで、現在ま
で熱量保持粒子から反応流出液を分離するために使用さ
れていた分離システムは一般に流出液の十分急速な分離
と急冷を実施する事ができないので、形成された分子の
一部が反応して重合し続ける可能性がある。
その結果、分離ストリッピング区域の中と、この区域
と分留区域との間の炭化水素流出液の導管の中で、閉塞
およびクリンカ形成の恐れが常に存在する。
さらに、蒸気クラッキングによる熱転化の高度の吸熱
性の故に、また炭化水素の分圧を低下させコークス生成
を最小限になすために相当多量の水蒸気が反応区域の中
に噴射される事の故に、熱クラッキングに望ましい温度
にガス相を保持するには、非常に多量の熱量を瞬間的に
加える必要がある。軽質炭化水素留分のオレフィンおよ
びモノ芳香族化合物への蒸気クラッキングに際しては、
熱量保持粒子上に堆積したコークス量はシステムの熱平
衡を保証するためにはまったく不十分であり、外部エネ
ルギーの組織的添加を必要とするであろう。
最後に、このような達成すべき熱平衡と温度レベルは
熱量保持粒子に対して非常に高い温度を加える。ところ
で、このプラントの冶金学に部分的に関連する技術的困
難性の故に、最も新しい技術のみが十分高温の所要量の
熱量保持粒子を生じる事ができる。
本発明は、石油炭化水素留分を厳格に特定された流動
化条件、温度条件および時間条件のもとに高温の熱量保
持粒子と水蒸気の希釈流動相の中に導入して、前記留分
をエチレン、プロピレンおよびブテンなどのオレフィ
ン、ブタジエンおよびモノ芳香族化合物に高温蒸気クラ
ッキング転化する方法を提供する事によって、前記の問
題点を解決するにある。
また本発明は、反応器の中に導入された留分のクラッ
キングにより、軽質オレフィン、ブタジエンおよびモノ
芳香族化合物の高い選択性をもって満足な転化を生じる
にある。
また本発明は反応生成物の重合反応の効率的制御を可
能とするものである。
最後に本発明は、コークスを少量だけ、しかしプラン
トの熱収支を満足するに十分な量を製造する事を目指
す。
そのため、本発明の目的は、一方では、金属によって
汚染されず約400℃以下の沸点を有する少なくとも1種
の軽質炭化水素留分と、他方において、本質的に約400
℃以上の沸点の化合物から成る前記より重質の炭化水素
装入物との、本質的に熱量保持性粒子の希釈流動相の存
在における高温蒸気クラッキングによる転化方法であっ
て、前記方法は、上昇流または下降流式管状連続反応器
の中において、徐々に穏和な段階的条件で、前記留分と
つぎに前記装入物とを触媒性または非触媒性粒子と接触
させる段階と、前記粒子の少なくとも90%と前記炭化水
素流出液とを分離する分離−ストリッピング段階とを含
み、前記の分離された粒子をつぎに好ましくはこれらの
粒子上に堆積したコークスの反応によって再生した後
に、より高温で前記連続反応器に循環させ、また前記分
離された炭化水素流出液を分留段階において蒸留によっ
て回収するようにした蒸気クラッキング法において、前
記方法は、前記粒子−炭化水素流出液分離段階と前記蒸
留段階との間に前記重質炭化水素装入物の少なくとも一
部が噴射される段階と、前記蒸留による分留段階の残留
物の少なくとも一部を前記反応器の下流部分の中に循環
させる段階とを含む蒸気クラッキングによる炭化水素転
化法を目的とする。
前記の400℃以下で蒸留される汚染されていない軽質
炭化水素留分は望ましくはエタン、プロパンおよびブタ
ンなどの軽質パラフィン系炭化水素、およびガソリン、
ナフサおよびガス油などの重質炭化水素、さらにはパラ
フィンまたはスラック・ワックスまたは炭化水素循環物
など、より高い沸点を有するが強度にパラフィン系また
はナフテン系の二、三の留分から成るグループから選定
される。これらの炭化水素留分は、常圧蒸留プラント、
ビスブレーキングプラント、ハイドロクラッキングプラ
ント、油製造プラントまたはオレフィンオリゴマー化プ
ラントなどの種々の精製プラントから得られ、あるいは
この転化プラントそのものの流出液から得られる。これ
らの各種の留分は、単独で、または水蒸気、場合によっ
ては水素および軽質ガスなどのその他の流動化ガスと共
に噴射する事ができる。
好ましくは、特に望ましい実施態様によれば、蒸気ク
ラッキングは徐々に穏和な複数区域から成る連続反応器
の中に、水蒸気および/またはガス流体の存在において
多数の別個の留分を噴射し、先行留分は必ず後続留分よ
り低い沸点を有するようにして実施される。このような
温度分布は実際上、反応の選択性を最適化するために特
に有効である。例えば順次に、主としてエタンを含有す
る第1留分、つぎに場合によってはプロパン、およびブ
タン、つぎに液相で軽質ガソリンを含む留分、つぎに場
合によってはナフサまたはガス油、最後に約400℃以上
の沸点を有する重質炭化水素装入物を噴射する事ができ
る。最後の重質炭化水素は、常圧蒸留または真空蒸留の
残留物、脱アスファルトピッチ、触媒スラリ、または合
成炭化水素から成るグループから選定される。従ってこ
れらの装入物は、750℃またはこれ以上の沸点を有し、
また0〜25°APIの範囲内の密度を有する炭化水素を含
有する非常に重質の装入物とする事ができる。これらの
重質炭化水素装入物の噴射量は、所望の温度プロフィル
と熱収支の必要に従って、上流で噴射される軽質留分の
量の0.25〜4倍とする事が望ましい。
段々に重質の留分を順次に噴射し、例えばエタンまた
はLPG(液化石油ガス)、つぎにガソリンまたはガス
油、最後に連続反応器の下流に蒸留残留物型の重質装入
物を噴射する噴射器を有する本発明の連続反応器の洗練
された構造においては、連続反応器が複数の別個の反応
区域を有し、これらの反応区域は順次に緩和な条件(温
度、熱量保持粒子との接触時間、またこの熱量保持粒子
の触媒活性およびこの熱量保持粒子の流量と炭化水素の
流量との比率などの低減条件)で反応し、また処理され
る装入物と所望の生成物の性質に適合される。このよう
にして、例えば温度が最も高い(850乃至950℃のオー
ダ)熱量保持粒子噴射区域、すなわち連続反応器の最も
上流区域の中において水蒸気の存在においてエタンを蒸
気クラッキングによって転化し、つぎに吸熱反応による
温度低下を利用してつぎの区域の中に800乃至900℃のオ
ーダの温度でプロパンまたはブタン留分を噴射し、次に
ガス油型の留分または軽質ガソリン留分などの中間炭化
水素留分を噴射する。最後に、このような吸熱反応の結
果として得られる最低温度区域において、最重質装入物
をクラッキングし、また蒸気クラッキング反応の最重質
残留物を反応器の下流部の中でその性質に最も適合した
条件でその全部または一部をクラッキングする事ができ
る。
出願人はこの分野に関する多くの研究の際に、後続噴
射区域を先行区域に対して急冷(「quench」)区域とし
て使用する事により反応器中の反応時間と反応温度条件
を比較的容易に制御できるが、熱量保持粒子の分離−ス
トリッピング区域の直前の反応区域部分においてはこれ
と異なる事を観察した。実際に、蒸気クラッキングにつ
いて常に必要とされる非常に高い温度レベルにおいて
は、重合反応によるコークスまたは重質生成物の形成を
最小限にしながら所望のオレフィンの収率を保持するた
めには、炭化水素ガスと固体物との分離は殆ど瞬間的で
なればならない。
従って、流動床式蒸気クラッキングは現在まで下記の
ジレンマによって制限されていた。
−多くの場合サイクロンから成るバリスティック式分離
システムが効率的である場合。この場合、分離時間は、
収率を最適化しまたコークス生成とアセチレン型汚染物
の形成を防止するには長すぎる。
−分離システムが瞬間的であるがその効率の低い場合。
この場合、炭化水素を再生区域の中に同伴する事により
過度の損失を伴い、あるいはガス流出液と共に固体粒
子、特に微粒子を過度に同伴し、これを蒸留物から分留
するのに非常にコストがかかり、これらの蒸留物の有効
利用が困難となり、また固体粒子がある程度の触媒活性
を有する時には望ましくない二次反応を生じるおそれが
ある。
本発明は、蒸気クラッキングププラントの反応流出液
をその分留区域におくる導管中のコークスと劣化生成物
の形成に関連する問題を解決しようとするものである。
実際に、従来型の蒸気クラッキングプラントの炭化水素
流出液を蒸留によって分留する事ができるためには、こ
れらの流出液温度を非常に強くまた急速に低下させて、
これら流出液の「露点」(すなわち最重質留分の凝縮す
る温度)以下の温度を分留塔の入り口において得なけれ
ばならない。ところでこのような温度の急激低下中に、
公知のように、蒸気クラッキング反応によって生成され
た最重質化合物がこれらの導管の壁面上に堆積する傾向
があり、この故にこの導管のコークス除去のために蒸気
クラッキングプラントを定期的に停止させるコストを伴
う。
また本発明は、粒子の少なくとも90%と炭化水素との
分離段階後に、蒸留による分留段階前に、蒸気クラッキ
ング反応の熱平衡に必要な最重質装入物の大部分を噴射
する事によって前記の問題点を解決する事ができる。
この特殊の装入物噴射モードは、下記の理由から蒸気
クラッキング反応の温度条件と時間条件を完全に制御す
る事を可能にする。
−熱反応の瞬間的停止に必要な急冷効果が、熱反応その
ものによって予熱されている装入物の噴射によって保証
される。これは、凝縮された液状流出液の希釈効果と協
働して、流出液中に存在するコークスのすべての前駆体
を、まだ液状の石油装入物の中に溶解する事によって効
率的に不活性化する事ができる(このような急冷効果は
場合によっては炭化水素を熱交換器の中に通過させる事
により、あるいは水、水蒸気またはその他の炭化水素留
分を新たに噴射する事により、分留段階以前に完了させ
る事ができる)。
−反応器の流出液の中に同伴される0.01〜10%、好まし
くは0.05〜5%の熱量保持粒子が、壁面を常に清掃して
クリンカ形成を防止すると共に、導管中に形成されてい
るゴムを吸収する事ができる。
−反応器下流部分の中に蒸留残留物を循環させる事は、
プラントの熱平衡と、従来蒸気クラッキング法において
使用されていなかった重質装入物のオレフィンおよびモ
ノ芳香族への転化を保証するのみならず、完全に活用す
る事の困難な最重質生成物を消費する事が可能となる。
この場合、蒸発は殆ど瞬間的で均一であり、循環物は
その沸点近くの温度まで予熱され、従って非常に選択的
なクラッキングを行うための優れた条件の中におかれ
る。
さらに、同伴された熱量保持粒子が全部循環されるの
で、この場合、循環粒子の過度の損失を伴わず、この熱
量保持粒子とガス流出物との分離効率を落としても分離
速度を増進する事が可能である。
本発明の特に望ましい実施態様によれば、それ自体公
知のように(欧州特許第312,428号参照)前記装入物を
液状で噴射する事により、最重質炭化水素装入物と蒸気
クラッキング反応流出物との間の殆ど瞬間的な熱交換を
保証する事ができる。この熱交換の品質は液体とガスと
の熱交換面に関連するので、噴射装置は200ミクロン以
下、好ましくは100ミクロン以下の直径の滴状装入物を
噴霧するように構成される。前記の噴射装置は望ましく
は、装入物と共に一定量の水または水蒸気またはその他
の石油留分を導入する混合チャンバを備える事が望まし
い。さらに、装入物と共に相当量の分留残留物を導入す
る事ができる。
さらに、分留区域の中に入る炭化水素温度は、蒸気ク
ラッキングされる最重質装入物の中に蒸気クラッキング
流出液が溶解する結果、この炭化水素の「露点」以下と
なるので、この急冷効果は最適となる。
このようにして生じる熱交換により、炭化水素温度は
0.3秒以下、好ましくは0.1秒以下で300〜450℃の範囲内
温度まで冷却される。
さらに詳しくは、分留区域の中に入る炭化水素装入物
は、その「泡立ち点」(すなわち液状にあって最初のガ
ス泡の形成される温度)よりも100℃以下、好ましくは5
0℃以下の低い温度を有する。
また本発明の好ましい実施態様によれば、反応中に生
成した飽和炭化水素を合理的に再利用する事により、オ
レフィンおよびモノ芳香族化合物の収率が増大される。
そのためには、C2,C3,C4留分およびその他の生成物から
これらのオレフィン飽和炭化水素を分離し、前記の反応
器の上流部分の対応の噴射区域の中に循環させればよ
い。
変形として、例えば分留区域から出るエタンとエチレ
ンとの混合物を利用し、この混合物を先行技術において
公知の型のエチレン三量体化反応器またはオリゴマー化
反応器の中に送り(欧州特許第12,685号、第24,971号、
第215,609号または米国特許第4,605,807号参照)、流出
液の分留後に下記を回収する事ができる。
−一方において、未反応エタン、これは本発明によれ
ば、反応区域の上流部分の入口に循環される、 −他方において、前記オリゴマー化処理から生じる軽
質ガソリン、このガソリンは場合によっては他のガソリ
ンと共に、より緩和に作動する蒸気クラッキング区域の
中に循環され、例えばプロピレンおよびブテンを生成す
る事ができる。
本発明のさらに他の利点は、反応器の上流区域におい
て蒸気クラッキングによって当然発生する水素が反応器
の下流部分の反応条件において反応し、この転化プラン
トの流出液の利用価値ある安定な生成物への選択性を改
良する事ができる。
前述のように、熱クラッキングまたは触媒クラッキン
グから生じるコークス堆積物は経済的理由から最小限に
成されなければならないが、管状反応器の上流部分およ
び下流部分において熱収支を保証するに十分でなければ
ならない(さもなければ、再生器の中に添加燃料を導入
する事によって熱収支を保証する事ができる)。また好
ましくは重質装入物の少なくとも50重量%、好ましくは
80重量%が約400℃以上の沸騰温度を有しなければなら
ない。この約400℃の値は本質的に蒸留残留物の分留点
に関連するものであるが、この値はもちろん本発明の主
旨の範囲内において300〜550℃の間に変動する事ができ
る。
これらの装入物として、真空処理されたガス油、トッ
ピングされまたはトッピングされていない原油、および
常圧蒸留残留物または真空蒸留残留物、ピッチ、ビチュ
ーメン乳濁液、芳香族抽出物、触媒スラリまたは合成油
あるいは使用ずみ油をあげる事ができる。これらの装入
物は必要な場合、例えば水添処理などの予備処理を受け
る事ができる。これらの装入物は、特に750℃またはこ
れ以上の沸点を有する留分を含有し、またコンラドソン
炭素の高含有量(10%またはこれ以上)を示す場合があ
る。これらの装入物は、より軽質の留分によって希釈し
または希釈されず、また一般に160〜220℃(分留初期)
と320〜380℃(分留末期)の範囲内の沸騰間隔を有する
LCO(「ライトサイクルオイル」)、循環重質油すなわ
ち300〜380℃(分留初期)、特に460〜500℃(分留末
期)の範囲内の沸騰間隔を有するHCO(「ヘビーサイク
ルオイル」)、または大部分の留分が500℃以下で蒸留
される触媒残留物(スラリ)などのすでにクラッキング
処理を受けて循環された炭化水素留分を含有する事がで
きる。本発明の好ましい実施態様によれば、装入物は熱
い固体粒子と接触した際に瞬間的に均一に蒸発できるよ
うに、一般に100℃〜400℃の温度範囲、好ましくは泡立
ち点近くの温度まで予熱される。
本発明の方法を実施するため、カオリンまたはシリケ
ートのマイクロ球などのそれ自体公知の不活性熱量保持
粒子を使用する事ができる。また触媒クラッキング能力
を有するあらゆる種類の触媒を使用する事もできる。特
に望ましい触媒は多孔構造の触媒から成り、炭化水素分
子がこれらの細孔の活性部位と接触させられる。この種
類においては、特にシリケートまたはアルミノシリケー
トがある。種々の金属酸化物とその組合わせ、特にシリ
カ、アルミナ、マグネシア、およびこれらの物質の組合
わせ、および前記酸化物と粘土との混合物を含有する担
体上に安定ゼオライトを含む触媒が市販されている。も
ちろん、触媒組成物は処理工程のいずれかの段階を促進
する単数または複数の反応物を含有する事ができる。従
って触媒は再生に際してコークスの燃焼を促進する反応
物を含有する事ができ、あるいは芳香族生成物が第1目
的である場合にはオレフィンの芳香族環化反応またはそ
の逆反応を促進する反応物を含有する。
操作温度と操作圧が高く(一般に0.3乃至5kg/cm2)、
反応区域中の炭化水素滞留時間が短く(1秒の数1/100
乃至数1/10のオーダ)、また蒸気クラッキングされる装
入物の急冷条件と循環条件の故に、本発明の方法の実施
には二、三の特殊手段を必要とし、これが本発明の一部
を成す。
従ってまた本発明は、一方では、金属によって汚染さ
れず約400℃以下の沸点を有する少なくとも1種の軽質
炭化水素留分と、他方において、本質的に約400℃以上
の沸点の化合物から成る前記より重質の炭化水素装入物
との、本質的に熱量保持性粒子の流動床の存在における
高温蒸気クラッキングによる転化プラントであって、前
記プラントは、前記留分と前記装入物とを触媒性または
非触媒性粒子と接触させる上昇流または下降流式管状連
続反応器と、前記粒子の少なくとも90%と前記炭化水素
流出液とを分離する特にバリスティック手段と、前記の
分離された粒子のストリッピング手段と、つぎにこれら
の粒子上に堆積したコークスの空気または水蒸気による
燃焼条件における再生手段と、再生された粒子を前記連
続反応器に供給する手段と、また炭化水素流出液を蒸留
により分留する手段とを含む蒸気クラッキングプラント
において、前記プラントは、 一方において、前記分離手段と前記分留手段との間に
おいて流出液の中に前記重質炭化水素装入物の一部を噴
射する手段と、 他方において液状のしかしその沸点温度に近い温度の
蒸留残留物の少なくとも一部を反応器の下流部分の中に
循環する手段および噴射する手段とを含む炭化水素蒸気
クラッキングプラントに関するものである。
前記プラントは、反応器にその上流から下流に向かっ
て順次に、エタン、つぎに場合によってはプロパンおよ
びブタンを含む軽質ガスと熱量保持粒子との混合物の温
度が800℃以上、好ましくは825℃以上となるような前記
軽質ガス量を噴射し、つぎに噴射点のすぐ下流の混合物
温度が750℃以上、好ましくは800℃以上となる量の軽質
ガソリンおよび/またはナフサあるいはガス油などの炭
化水素留分を噴射し、最後に反応器の下流部分において
さらに重質炭化水素装入物を好ましくは100ミクロン以
下の平均直径の微細液滴の形で噴射する手段を含む事が
できる。
装入物の流出液中への噴射装置と同様に、連続反応器
の下流部分の中に循環される分留残留物の噴射装置は、
装入物を200ミクロン以下、好ましくは100ミクロン以下
の直径の滴状で噴霧するように構成される。この装置は
循環される熱量保持粒子による摩耗の問題をできるだけ
制限するため、好ましくは大径ネック型ベンチュリ管
(欧州特許第312、428号参照)とする。
また本発明によれば、流出液の分留区域への転送時間
を制限するため、ある種の型の蒸気クラッキング流出液
分離装置を利用する事ができる。特に、反応器が上昇モ
ードで作動する場合(「ライザー」)、炭化水素ガスの
大量発生の故に、熱量保持粒子は高速(20〜200m/s、好
ましくは40〜100m/s)で反応区域に到達するので、場合
によっては簡単な遠心分離装置を使用する事ができるで
あろう。このようにして一般に高価なサイクロン装置の
使用が避けられる。
同様に、反応器が下降モードで作動する場合(「ドロ
ッパー」)、熱量保持粒子はドロッパー底部のケーシン
グの中に捕集され、そこで簡単なバリスティック作用で
蒸気クラッキング流出液から熱量保持粒子を分離した後
にストリッピングされる。
以下、本発明を図面に示す実施例について説明するが
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
第1図は上昇塔または「ライザー」と、特に接触再生
用の単一の熱量保持粒子高温再生チャンバとを含む流動
床式蒸気クラッキング組立体に本発明を適用した実施例
を示すダイヤグラムであって、この実施例においてはバ
リスティック分離装置は簡単なバリスティック遠心分離
装置を備え、また 第2図と第3図は本質的に下降式反応区域(「ドロッ
パー」)を備えた蒸気クラッキング組立体に対する本発
明の実施例を示す。
第1図に図示の上昇流動相式蒸気クラッキング装置
は、装入物エレベータまたは「ライザー」と呼ばれる反
応塔1を含む。このライザーは、例えば弁3の開閉によ
って決定される量の再生された熱量保持粒子をライン2
によって基部に供給される。再生粒子は、ライン4から
来る蒸気またはその他の適当なガス流をディフューザ5
によってライザーの基部に噴射する事によって流動化さ
れる。
この場合、第1ライン6は噴射ディフューザ7によっ
てエタンなどの飽和軽質ガスを反応器の上流部分の中に
供給する。つぎにプロパン留分またはブタン留分あるい
はこれらの留分の混合物が同様にライン8からディフュ
ーザ9によって噴射される。同様にガソリンまたはガス
油留分がライン10によって供給されてディフューザ11に
よって蒸発される。分留区域12からライン14を通って来
る蒸留残留物から成る装入物が、場合によってはライン
40から来る新鮮な供給装入物と混合されて、噴射装置13
によって反応器の下流部分の中に、残留物の瞬間的な均
一蒸発を容易にするため残留物の泡立ち点に近い温度条
件で導入される。
反応塔1はその頂点においてケーシング15の中に開
き、このケーシング15は反応塔に対して同心でありまた
このケーシング15の中で、一方ではバリスティックセパ
レータ16によって反応流出液と熱量保持粒子との分離が
実施され、他方において、コークス化された粒子のスト
リッピングが実施される。炭化水素流出液は遠心システ
ム16から排出ライン17によって排出され、この排出ライ
ン17の中にライン18から来る冷装入物が噴射器19によっ
て噴射され、また他方、熱量保持粒子の少なくとも90%
がケーシング15の下部に向かって降下し、この下部にお
いて、ライン20がストリッピングガス、一般に水蒸気
を、ケーシング15の下部に規則的に配置されたディフュ
ーザ21に供給する。
蒸気クラッキング反応の流出液の急冷効果が排出ライ
ン17における新鮮な装入物の滴と前記流出液との直接接
触によって生じ、この急冷効果は、分留区域12中で実施
された蒸留作用の残留物をライン50によって循環させて
噴射する事により強化される。蒸留残留物は熱交換器51
の中を通過させる事によって冷却され、このようにして
回収された熱量がプラント全体のための水蒸気の形成に
使用され、先行技術の方法のように追加的急冷を実施す
る必要はない。さらに、反応器の流出液の中に少量の固
体熱量保持粒子が存在するので側壁の効率的清掃を実施
できるのみならず、ゴムプレカーサおよびコークス堆積
物の吸着手段を成す。またそのため、ライン53から粒子
を噴射する事によってライン17の中の粒子含有量を変更
する事ができる。
ケーシング15の基部でストリッピングされた熱量保持
粒子は導管23を通して再生器22に排出され、この導管23
上に制御弁24が配置されている。この図1に図示の再生
器22は、熱量保持粒子上に堆積したコークスを酸素また
は水蒸気の存在において燃焼させる単一区域のみを有す
る。この再生工程は、コークスの燃焼によって発生され
た熱の大部分が熱量保持粒子に伝達され、反応区域1に
おける反応に必要な高温に達するように実施される。こ
のようにして、ディフューザ26に達するライン25によっ
て再生器の底部に噴射される空気によって、熱量保持粒
子上に堆積したコークスが除去される。場合によって
は、温度を所望レベルに調整するため、追加燃料を噴射
する事ができる。サイクロン27の中に同伴された熱量保
持粒子から再生ガスが分離され、再生ガスはライン28か
ら除去されるが、再生された熱い熱量保持粒子は再生器
から抽出されて導管2を通してエレベータまたはライザ
ー1に供給される。
また19における装入物の噴射による急冷後に、反応流
出液と19から導入された装入物がライン17によって分留
装置12の中に導入される。この分留装置は、 −ライン29によって軽質ガスを分離し、このガスは他の
分留装置の中で処理され、公知のように特にエタンをラ
イン30から、またプロパンをライン31から分離する。
−ライン36を通してガソリン留分を分離し、このガソリ
ン留分の沸点は一般に留分C5から200〜220℃の範囲内に
ある。
−ライン37から、ガス油型留分を分離し、その沸点範囲
は一般に160〜220℃(分留初期)から320〜400℃(分離
末期)の範囲内にある。
−最後に、ライン14から、蒸留残留物留分の一部が分離
され、この留分は装入物および反応流出液から生じた最
重質生成物と、比較的多量の熱量保持粒子とを含有する
(この残留物は300〜550℃範囲内、一般に400℃のオー
ダの沸点を有する)。
従って本発明によれば、この残留物の一部が蒸気クラ
ッキング反応器の中に噴射される。場合によっては、熱
交換器51を通過して熱を回収した後に、ライン50を通し
て蒸気クラッキング装入物と混合されて急冷のために循
環され、あるいはドレンライン52を通して装置から抽出
される。
またこの分留装置から出たエタン、プロパン、ガソリ
ン留分はそれぞれライン30、31、36、つぎにライン6、
8および10を通して反応箇所に送られ、蒸気クラッキン
グによって発生したC2,C3オレフィンがそれぞれライン3
3、34によって分離される。
この流動相蒸気クラッキング装置の本質的利点は、反
応区域1の中の温度プロフィルのすぐれた利用により多
数の石油留分を選択的にクラッキングできる事にある。
さらに詳しくは、 −熱量保持粒子の導入区域においては、800℃またはこ
れ以上のオーダの最高温度が存在し、ライン4によって
蒸気が導入され、またライン31を通して分留装置12から
きたエタンあるいはその他の精製ユニットからきたエタ
ンがライン6によって導入され、 −またこの反応のエネルギー必要量が大きいので(触媒
クラッキング反応の3〜6倍)、反応区域の中の温度が
顕著に低下するので、この場合、下流において、プロパ
ン(8)、またはブタン(11)、または軽質ガソリン
(11)あるいはナフサなどの重質飽和炭化水素を、場合
によってはライン38、39および40から水蒸気を添加して
噴射する。
また制御システム41〜44がそれ自体公知のように反応
区域の中に噴射される量を変動させ、これらの区域に配
置された温度ゾンデによって所望の温度プロフィルを保
持する事ができる。
通常型の蒸気クラッキングと比較して、反応に必要な
全エネルギーが一回だけ、熱量保持粒子によって、装入
物との混合の時点で、すなわち反応初期に加えられる。
従って温度はこの時点で最高に達し、次に反応の吸熱反
応によって低下し、通常の方法と相違して、自然な徐冷
効果、すなわち反応の激しさの低下を生じる。
この装置における極度に短い反応時間による温度プロ
フィルは、通常の方法におけるよりもはるかに高い反応
選択性と、温度の高い壁体内側面に形成されるコークス
またはタールの除去をもたらす。
図2と図3に図示の流動相蒸気クラッキング装置は図
1の装置の変形であって、これらの場合、反応区域は下
降モードで作動する。従ってこの反応器は英語で「ドロ
ッパー」と呼ばれる。図1の部材と類似のこれらの図の
部材は、図2においては「′」を付け、図3においては
「″」を付けた同一数字で示す。
図2においては、蒸気クラッキングの必要とする高温
に対する抵抗力の強い他の型の再生器を使用する。この
再生器の排出物は再生器22′の外部のサイクロン27′を
通過した後に28′から出る。ドロッパーの上方に再生さ
れた熱量保持粒子の抽出ウエル54′を配置するため、再
生チャンバ22′は装置の上部に配置され、再生される粒
子はストリッピング区域からライン23′を通って出て上
昇塔55′を通って搬送されなければならない。この搬送
は、ライン25′によって26′において拡散されるガスに
よる流動作用で実施される。この搬送中に触媒粒子上に
堆積されたコークスの一次燃焼が空気または酸素を含有
する流動化ガスによって実施される。つぎに触媒粒子と
流動化ガスはバリスティック装置56′によって分離さ
れ、触媒粒子は公知のようにしてチャンバ22′の中で再
生され、このチャンバの中で粒子はライン45′によって
ディフューザ46′に供給される酸素の向流によって燃焼
される。
再生された触媒粒子は、ディフューザ57′の流量によ
って決定される量をもって、熱損なしで反応器1′の上
流の中に導入される。粒子分布の均一性はここに図示さ
れないそれ自体公知の型の装置によって保証される。ド
ロッパー1′の出口において、粒子は直接に密なストリ
ッピング流動床15′の中に進入し、これに対して炭化水
素蒸気およびライン20′によって供給されるディフュー
ザ21′から出るストリッピング蒸気と、ストリッピング
された炭化水素とが実際上瞬間的にライン17′によって
排出され、これらの成分はライン18′から入る重質装入
物の中に溶解する事によって瞬間的に急冷される。
図3に図示の変形においては、再生区域22″を持ち上
げるコストの必要なしでドロッパーモードの機能を可能
とするため、ライン2″から来る再生された熱い粒子
は、まずライン4″から来る水蒸気などの流体の噴射作
用で上昇塔58″の内部を搬送される。粒子は2つの直角
エルボ59″、60″を通過した後に、均一にドロッパー
1″の中に落下し、このドロッパーの中で7″と8″に
おいて順次にエタンとガソリンが噴射される。つぎに流
出液の急冷が19″から来る重質装入物によって実施さ
れ、また蒸留区域12″の蒸留残留物が13″からその泡立
ち点に近い温度で噴射される。
ドロッパーから出た粒子はストリッピング区域15″の
中でストリッピングされ、ライン23″から出る。このス
トリッピング区域の下方において水蒸気または空気など
の流体噴射によって粒子はライン55″に沿って再生チャ
ンバ22″に向かって搬送される。この再生チャンバ22″
の中でバリスティック分離装置56″が粒子を流動床燃焼
区域の中に放出する。
実施例 この実施例は図3に図示の型の本発明による装置の利
点を示す。これらのテストはエタン、ガソリン留分(ス
トレイト−ラン留分)および2装入物A,Bを使用して実
施された。これらの装入物は、それぞれSHENGLI型原油
の常圧蒸留残留物および真空蒸留残留物である。
これらの装入物は下記特性を示す。
熱量保持粒子として、主としてカオリンのマイクロ球
から成り、比表面積約10m2/g、平均直径約70ミクロンを
有する接触粒子を使用する。急冷区域および反応器中へ
のインゼクタは欧州特願第312,428号に記載の型であ
る。
装入物Aと装入物Bについて順次に実施された2テス
トの条件は下記である(全装入物100t/hに対する外
挿): 蒸気クラッキング反応流出液の回収後に、これらの流
出液の特性を分析する。下記に集められた分析結果(重
量%)は、それ自体が通常型の方法に対する本発明の方
法の利点を示す。
従って、このテスト例に見られるように、本発明は先
行技術の蒸気クラッキング方法と比較して多数の利点を
示す。実際上、本発明の方法は、先行技術のもっとも効
率的な装置と少なくとも同等のオレフィン収率をもっ
て、 −従来蒸気クラッキングから除外されていた蒸留残留物
を装入物の中に使用し、 −従来蒸気クラッキングプラントと比較できない操作柔
軟性(流量、装入物の性質など)を有し、また −連続的機能で(脱コークス化のための停止期間なし)
またエネルギー添加なしで(コークスの生産が装置の熱
収支を満足するが故に)作動する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−98285(JP,A) 特開 昭60−137990(JP,A) 特開 昭60−137991(JP,A) 特開 昭60−137992(JP,A) 特開 昭60−137993(JP,A) 特開 昭63−304091(JP,A) 特開 平1−294794(JP,A) 米国特許2901418(US,A) 欧州公開323297(EP,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10G 9/36,11/20

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方では、金属によって汚染されず約400
    ℃以下の沸点を有する少なくとも1種の軽質炭化水素留
    分と、他方において、本質的に約400℃以上の沸点の化
    合物から成る前記より重質の炭化水素装入物との、本質
    的に熱量保持性粒子の希釈流動相の存在における高温蒸
    気クラッキングによる転化方法であって、前記方法は、
    上昇流または下降流式管状連続反応器の中において、徐
    々に穏和な段階的条件で、前記留分とつぎに前記装入物
    とを触媒性または非触媒性粒子と接触させる段階と、前
    記粒子の少なくとも90%と前記炭化水素流出液とを分離
    する分離−ストリッピング段階とを含み、前記の分離さ
    れた粒子をつぎに好ましくはこれらの粒子上に堆積した
    コークスの反応によって再生した後に、より高温で前記
    連続反応器に循環させ、また前記分離された炭化水素流
    出液を分留段階において蒸留によって回収するようにし
    た蒸気クラッキング法において、前記方法は、 前記粒子−炭化水素流出液分離段階と前記蒸留段階との
    間に前記重質炭化水素装入物の少なくとも一部が噴射さ
    れる段階と、 前記蒸留による分留段階の残留物の少なくとも一部を前
    記反応器の下流部分の中に循環させる段階とを含む事を
    特徴とする蒸気クラッキングによる炭化水素転化法。
  2. 【請求項2】前記重質炭化水素装入物は、直径200ミク
    ロン以下、好ましくは100ミクロン以下の滴の噴霧によ
    り液状噴射される事を特徴とする請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】前記蒸気クラッキング反応流出液は重質装
    入物の噴射により露点以下の温度に成される事を特徴と
    する請求項1または2のいずれかに記載の方法。
  4. 【請求項4】蒸留区域の中に入る炭化水素は0.01乃至 10重量%、好ましくは0.05乃至5重量%の熱量保持粒子
    を含有する事を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
    記載の方法。
  5. 【請求項5】蒸気クラッキング反応の流出液の蒸留段階
    に先だって、これらの流出液が好ましくは300乃至450℃
    の範囲内の温度に冷却される事を特徴とする請求項1乃
    至4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】蒸気クラッキング区域の流出液は液状で、 300乃至450℃の範囲内の温度に、0.3秒以下、好ましく
    は0.1秒以下で冷却される事を特徴とする請求項1乃至
    5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】重質炭化水素装入物は、常圧蒸留または真
    空蒸留の残留物、触媒スラリ、脱瀝ピッチ、または合成
    油あるいは使用ずみ油から成るグループから選定される
    事を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の方
    法。
  8. 【請求項8】反応器の中に循環される蒸留残留物留分
    は、この留分の泡立ち点より、100℃以下、好ましくは5
    0℃以下、高い温度にある事を特徴とする請求項1乃至
    7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】前記液状重質装入物は、少なくとも部分的
    に、前記蒸留段階の蒸留残留物の少なくとも一部によっ
    て構成される事を特徴とする請求項1乃至8のいずれか
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記蒸留段階の蒸留残留物は前記蒸留塔
    の出口において熱交換によって冷却される事を特徴とす
    る請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記軽質炭化水素留分はエタン、プロパ
    ン、ブタンなどの軽質パラフィン系炭化水素、ガソリ
    ン、ナフサおよびガス油を含むグループから選定される
    事を特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の方
    法。
  12. 【請求項12】反応器の上流部の中に複数の軽質炭化水
    素留分を噴射する段階を含み、この噴射はこれら留分の
    噴射条件の厳格さの逓減順序によって段階的に実施され
    る事を特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】反応器にその上流から下流に向かって順
    次に、エタン、つぎに場合によってはプロパンおよびブ
    タンを含む軽質ガスを熱量保持粒子との混合物温度が80
    0℃以上、好ましくは825℃以上となるような量を噴射
    し、つぎに軽質ガソリンおよび/またはナフサあるいは
    ガス油を、すぐ下流の混合物温度が750℃以上、好まし
    くは800℃以上となる量を噴射し、最後に反応温度を650
    乃至750℃の範囲内の温度に下降させるために蒸留残留
    物の一部を噴射する段階を含む事を特徴とする請求項12
    に記載の方法。
  14. 【請求項14】蒸気クラッキングによって発生したエタ
    ンおよび/またはプロパンおよび/またはブタン生成物
    の少なくとも一部を反応器に循環させる事を特徴とする
    請求項1乃至13のいずれかに記載の方法。
  15. 【請求項15】反応区域の操作圧は0.3乃至5kg/cm2の範
    囲内にある請求項1乃至13のいずれかに記載の方法。
  16. 【請求項16】一方では、金属によって汚染されず約40
    0℃以下の沸点を有する少なくとも1種の軽質炭化水素
    留分と、他方において、本質的に約400℃以上の沸点の
    化合物から成る前記より重質の炭化水素装入物との、熱
    量保持性粒子の流動相の存在における高温直接接触転化
    による蒸気クラッキングプラントであって、前記プラン
    トは、前記留分と前記装入物とを触媒性または非触媒性
    粒子と接触させる上昇流または下降流式管状連続反応器
    (1)と、前記粒子の少なくとも90%と前記炭化水素流
    出液とを分離するための特にバリスティック手段(16)
    と、前記の分離された粒子のストリッピング手段(20、
    21)と、つぎにこれらの粒子上に堆積したコークスの空
    気または水蒸気による燃焼条件における再生手段(22)
    と、再生された粒子を前記連続反応器に供給する手段
    (2)と、また炭化水素流出液を蒸留により分留する手
    段(12)とを含む蒸気クラッキングプラントにおいて、
    前記プラントは、 一方において、前記分離手段(16)と前記分留手段(1
    2)との間において流出液の中に前記重質炭化水素装入
    物の一部を噴射する手段(18、19)と、 他方において液状のしかしその泡立ち点に近い温度の蒸
    留残留物の少なくとも一部を反応器(1)の下流部分の
    中に循環する手段(14)および噴射する手段(13)とを
    含む事を特徴とする炭化水素蒸気クラッキングプラン
    ト。
  17. 【請求項17】前記バリスティック手段(16)と分留手
    段(12)との間にまた反応器(1)の下流部分の中に前
    記重質炭化水素装入物を噴射する手段(18、19;14、1
    3)は、前記反応区域流出液の蒸留分留手段(12)から
    出る残留物を供給される事を特徴とする請求項16に記載
    のプラント。
  18. 【請求項18】反応器にその上流から下流に向かって順
    次に、エタン、つぎに場合によってはプロパンおよびブ
    タンを含む軽質ガスと熱量保持粒子との混合物の温度が
    800℃以上、好ましくは825℃以上となるような前記軽質
    ガス量を噴射し、つぎに噴射点のすぐ下流の混合物温度
    が750℃以上、好ましくは800℃以上となる量の軽質ガソ
    リンおよび/またはナフサあるいはガス油などの炭化水
    素留分を噴射し、最後に反応器の下流部分においてさら
    に重質炭化水素装入物を好ましくは100ミクロン以下の
    平均直径の微細液滴の形で噴射する手段(7、9、11、
    13)を含む事を特徴とする請求項16または17のいずれか
    に記載のプラント。
  19. 【請求項19】蒸気クラッキング流出液の中に新鮮な熱
    量保持粒子を噴射する手段(53)を含む事を特徴とする
    請求項16乃至18のいずれかに記載のプラント。
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JP2018048326A (ja) * 2012-02-14 2018-03-29 リライアンス インダストリーズ リミテッドReliance Industries Ltd. 低価炭化水素ストリームの軽質オレフィンへの接触転化プロセス

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