JP2784353B2 - ドアのハンドルの取付け方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建物のドアに設けられ
るハンドルの取付け方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ドア本体の両側にハンドルを取付
ける場合、一方の面（玄関ドアの場合は室外側）に設け
るハンドルの台座に雌雄いずれかのねじを固設し、該ね
じをドア本体に設けた穴に貫挿させておき、前記ねじに
螺合する雌雄いずれかのねじを、他方の面に設けるハン
ドルの台座に挿着して前記ねじと螺合させることによ
り、両側のハンドルの台座でドア本体を挟むようにし
て、ドア本体にハンドルの台座を固定している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この取付け作
業は、作業者がドア本体の両側に配置した２個のハンド
ルを一方の手でドア本体と共に把持し、他方の手でねじ
をハンドルの台座に挿着して螺合し、締めつけて行わな
ければならない。ところが両側のハンドルの台座を片手
で把持した状態で、他方のハンドル台座にねじを挿着し
てねじどうしを合わせることが困難であって、作業性が
非常に悪く、かつ、作業中にハンドルを落下させて破損
させることがあるという問題点があった。また、ドア本
体が厚い場合には、片手で両側のハンドル台座を把持す
ることが困難となり、一方の面のハンドルを支えるため
にもう一人の作業者が必要になるという問題点があっ
た。このような問題は、前記とは逆にハンドルをドアか
ら外す場合にも生じる。また、これらの問題は、ドア並
びにハンドルの高級化に伴い、サイズの大型化、重量の
アップ、高価格化が進む中でさらに顕著になってきてい
る。

【０００４】本発明は、上記の問題点に鑑み、ドアにハ
ンドルを脱着する際の作業性の向上および省力化が達成
でき、また、作業中にハンドルを落下させる事故の発生
を防止することのできるドアのハンドルの取付け方法を
提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、ドア本体の一方の面のハンドルに設けた取
付けロッドを、ドア本体に設けた穴に貫挿して他方の面
から突出させた後、該取付けロッドを前記他方の面で仮
止めし、しかる後に、ドア本体の他方の面から装着して
前記取付けロッドのねじ部に螺合するねじにより、該他
方の面のハンドルと同時に前記一方の面のハンドルもド
ア本体に取付けることを特徴とする。

【０００６】

【作用】本発明は、ドア本体の両側に取付けるハンドル
の内、一方の面のハンドルをドア本体に仮止めした状態
で他方の面のハンドルの取付け作業を行うので、作業者
は作業中に前記一方の面のハンドルを支える必要がな
い。

【０００７】

【実施例】図１は本発明によるドアのハンドルの取付け
方法を実施するハンドルセットをドア本体と共に示す分
解斜視図、図２は該実施例のハンドルセットをドアに取
付けた状態で示す側面図、図３（Ａ）は該実施例のハン
ドルセットに使用される仮止めピースの一例を示す断面
図、同（Ｂ）は該実施例において、一方のハンドルをド
ア本体に仮止めピースで仮止めした状態を示す一部断面
側面図、同（Ｃ）は該実施例において、ドア本体に両側
のハンドルを取付けた状態を示す一部断面側面図であ
る。

【０００８】図１、図２において、１はドア本体であ
り、本例のドア本体１は、アルミニウム製または樹脂製
の押出形材でなる４辺の桟をねじにより相互に固定して
方形に組み合わせ、室内側の面材２および室外側の面材
３を取付け、鍵が設けられる側の縦桟１ａにエッジ材１
ｂを取付けた構造を有する。なお、面材２、３間に発泡
材を充填または収容する場合もあり、また面材２、３の
ない框ドアでも本発明の構造は適用される。

【０００９】４はデッドボルト４ａおよびラッチ４ｂを
突没自在に備えたメインケース、５はデッドボルト５ａ
を突没自在に備えたサブケースであり、該メインケース
４およびサブケース５は、室内側ハンドル１１および室
外側ハンドル１６をドア本体１に取付ける前に、ドア本
体１の縦桟１ａおよびエッジ材１ｂに形成した穴からド
ア面材２、３間に挿入し、それぞれねじ６、６によりド
ア本体１に固設する。

【００１０】７は上下一対のシリンダユニットであり、
該シリンダユニット７、７は前記室外側の面材３に設け
た穴（図示せず）から挿入し、前記メインケース４およ
びサブケース５の室外側の側面にそれぞれ取付ける。該
シリンダユニット７、７の取付けは、円錐形のサムター
ンガイド８、８を前記室内側の面材２に設けた穴２ａか
ら挿入してメインケース４およびサブケース５の室内側
の面に当接させた状態で、室内側からねじ９、９をサム
ターンガイド８、８の穴８ａ、８ａおよびメインケース
４の穴４ｃ、４ｃ（またはサブケース５の穴５ｃ、５
ｃ）に挿通してシリンダユニット７のめねじ７ａ、７ａ
に螺合させることにより行う。また、該シリンダユニッ
ト７の取付けを確実に行うために、振れ止め金具１０
を、そのめねじ部１０ａをシリンダユニット７の外周の
ねじ部７ｂに螺合させて締めこみ、フランジ部１０ｂを
室外側の面材３に圧接する。

【００１１】このように、メインケース４およびサブケ
ース５が取付けられているドア本体１に、室内側ハンド
ル１１および室外側ハンドル１６を取付ける。室内側ハ
ンドルハンドル１１は、棒状の把手部材１１ａの側面の
上下にアーム１１ｂ、１１ｃを固設し、該アーム１１ｂ
の先端にはラッチ４ｂとの係合片１１ｄを形成してい
る。１２はハンドル１１をドア本体１に取付けるための
上部台座であり、該台座１２に設けた穴１２ａには前記
アーム１１ｂを図１の矢印Ｒに示すように揺動自在に組
付け、かつ抜け止めし、把持部材１１ａを把持して揺動
させると、係合片１１ｄによりラッチ４ｂが没入する構
成となっている。また、１３は台座１２と同様にアーム
１１ｃに取付けられた下部台座である。これらの台座１
２、１３にはそれぞれサムターンつまみ１４、１５が回
動自在に取付けられている。

【００１２】一方、室外側ハンドル１６は、棒状の把手
部材１６ａの側面の上下にアーム１６ｂ、１６ｃを固設
し、該アーム１６ｂの先端には前記室内側アーム１１ｂ
と同様にラッチ４ｂを没入させる係合片１６ｄを設けて
いる。これらのアーム１６ｂ、１６ｃはハンドル１１と
同様に台座１７、１８に揺動自在に結合され、該台座１
７、１８にはそれぞれ一対の取付けロッド１９、２０お
よび取付けロッド２１、２２が固設されている。これら
の取付けロッド１９〜２２は、図３（Ｂ）に示すよう
に、内部にねじ溝を設けたねじ筒からなる。図２にいお
いて、２７は前記シリンダユニット７に差し込む鍵孔を
設けた金具である。

【００１３】これらのハンドル１１、１６をドア本体１
に取付ける場合、まず、室外側のハンドル１６の上部台
座１７の取付けロッド１９、２０および下部台座１８の
取付けロッド２１、２２を、それぞれ室外側の面材３の
穴３ｂ（図３（Ｂ）参照）および室内側の面材２の穴２
ｂに貫挿して室内側の面材２から突出させ、かつ予めね
じ９によりメインケース４、サブケース５に固定されて
いる前記シリンダユニット７、７の端部７ｃ、７ｃをそ
れぞれ台座１７、１８の穴１７ａ、１８ａに嵌め、同時
に台座１７、１８を面材３に当接させる。

【００１４】この状態において、作業者は一方の手でハ
ンドル１６を支えながら他方の手で面材２から突出させ
た上部台座１７の下側の取付けロッド２０の先端部に仮
止めピース２３を嵌合させる。

【００１５】該仮止めピース２３は、図３（Ａ）に示す
ように、一端にフランジ２３ａを形成した筒状をなし、
取付けロッド２０の入口にテーパ部２３ｂを有してお
り、図３（Ｂ）に示すように、該テーパ部２３ｂから取
付けロッド２０の先端部に押し嵌めると共に、フランジ
２３ａが面材２に当接する位置まで面材２の穴２ｂに嵌
入させる。これにより、ハンドル１６はドア本体１へ仮
止めされる。

【００１６】なお、本例においては、４本の取付けロッ
ド１９〜２２のうち、１本の取付けロッド２０のみに仮
止めピース２３を嵌めることとしているが２本以上の取
付けロッド１９〜２２に仮止めピース２３を嵌めてもよ
い。

【００１７】つぎに、室内側ハンドル１１のアーム１１
ｂの突起部１１ｄを面材２の穴２ｃを介して前記メイン
ケース４の穴４ｘに嵌め込み、前記サムターンつまみ１
４の先端部１４ａ、およびサムターンつまみ１５の先端
部１５ａをそれぞれ面材２の穴２ａを介して前記サムタ
ーンガイド８をガイドにメインケース４の回転筒４ｙ、
およびサブケース５の回転筒５ｙにそれぞれ嵌め込むと
共に、台座１２、１３を面材２に当接させる。

【００１８】そして、作業者は室内側ハンドル１１のみ
を支えながら、雄ねじ２４を台座１２の穴１２ｂ、１２
ｂおよび台座１３の穴１３ｂ、１３ｂに挿着し、前記室
外側台座１７の取付けロッド１９、２０および台座１８
の取付けロッド２１、２２とそれぞれ螺合させて締めつ
け、ドア本体１の両側に室内側ハンドル１１および室外
側ハンドル１６を取付ける。

【００１９】なお、この状態において、サムターンつま
み１４を回すか、またはメインケース４のシリンダユニ
ット７に鍵を挿入して回すことにより前記デッドボルト
４ａが突没してドアの旋錠、開錠を行うことができるよ
うにメインケース４の内部が構成されており、また、サ
ブケース５の内部においても同様にサムターンつまみ１
５を回すことによりデッドボルト５ａが突没してドアの
旋錠、開錠を上下台座部分で二重に行うことができるよ
うに構成されている。また、室内側ハンドル１１あるい
は室外側ハンドル１６を引くことにより、アーム１１ｂ
の係合片１１ｄあるいはアーム１６ｂの係合片１６ｄが
作動し、メインケース４のラッチ４ｂをエッジ材１ｂの
表面から引っ込めて仮じまり状態を解除することができ
るように構成されている。

【００２０】このように、室外側ハンドル１６を仮止め
ピース２３によりドア本体１に仮止めした状態でハンド
ル１１、１６の取付け作業を行うので、作業者は仮止め
された室外側ハンドル１６を支える必要がなく、室内側
ハンドル１１のみを支えながら雄ねじ２４の締めつけ作
業を行うことができる。従って、ハンドル１１、１６の
取付けが容易となり、作業性を格段に向上させることが
でき、また、作業中に誤ってハンドルを落下させること
がなくなる。また、ドア本体１が厚い場合においても１
人でハンドルを取付けることができるので、省力化を達
成することができる。また、逆にハンドルをドア本体１
から外す場合にも同様の効果を得ることができる。

【００２１】なお、前記仮止めピース２３をリング状に
形成し、その端面を面材２に当接させて仮止めする構造
をとることもできるが、上記実施例のようにフランジ部
２３ａを形成した筒状の仮止めピース２３の構造とすれ
ば、台座１２側への仮止めピース２３の突出量を少なく
し、かつ、取付けロッド２０との嵌合部を長くとれ、台
座の厚さが薄い場合にも取付けロッド２０との嵌合を強
固にできるという利点がある。また、仮止めピースは、
取付けロッド２０に圧入嵌合させる代わりに螺合させる
構造とすることも可能であり、この場合、仮止めピース
と取付けロッド２０との結合をより強固にでき、室外側
ハンドル１６のドア本体１への仮止めをより確実に行う
ことができる。

【００２２】また、前記室内側ハンドル１１をドア本体
１に取付ける際に、サムターンつまみ１４の先端部１４
ａ、およびサムターンつまみ１５の先端部１５ａは、サ
ムターンガイド８の開口部からドア本体１内部のメイン
ケース４およびサブケース５の回転筒４ｙ、５ｙへ導か
れるので、該先端部１４ａ、１５ａと回転筒４ｙ、５ｙ
との嵌合を容易に行うことができる。また、これによ
り、台座１２の位置決めが容易に行え、その結果、雄ね
じ２４の取付けロッド１９〜２２に対する位置合わせも
容易となる。

【００２３】図４は本発明の方法に用いるハンドルセッ
トの他の実施例を示す図３（Ｃ）相当図である。本例
は、前記実施例に対して、取付けロッド１９〜２２の代
わりに、室外側ハンドル１６の上部台座１７に雄ねじか
らなる取付けロッド２６を固設し、室内側台座１２に雌
ねじ３０を挿着して、該雌ねじ３０を前記取付けロッド
２６に螺合したものである。図４に示すように、ハンド
ル１１、１６は、ハンドル１６の台座１７の下側の取付
けロッド２６に仮止めピース２９を嵌合し、該仮止めピ
ース２９を室内側面材２の穴２ｂに嵌合して前記同様に
室外側ハンドル１６をドア本体１に仮止めした後、室内
側台座１２の穴１２ｂに挿着する雌ねじ３０を取付けロ
ッド２６に螺合して締めつけることにより、ドア本体１
に取付けられる。本例においても室外側ハンドル１６を
仮止めピース２９によりドア本体１に仮止めした状態で
作業できるので、前記実施例と同様の効果を得ることが
できる。

【００２４】以上本発明を実施例により説明したが、上
記実施例以外に、レバー型、にぎり玉型、つまみ型等の
各種ハンドルに適用でき、また、二重に施錠、開錠する
ために上下に台座を設けたハンドルに限らず、施錠、開
錠を１個のデッドボルトのみで行うものや、１個の台座
を用いるハンドルにも適用できる。また、前記実施例の
ように室内外を仕切るドアのみならず、室内に設置され
るドアにも適用できる。さらに、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲において、ドア本体、ハンドル、仮止めピース
の構造や組み合わせについて種々の変更、付加が可能で
ある。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、ドアの両側に取付ける
ハンドルの内、一方の面のハンドルをドアに仮止めした
状態で、仮止めされたハンドルは支えることなく、他方
の面のハンドルのみを支えながらねじの締めつけによる
ハンドル取付け作業を行うことができる。従って、ハン
ドルを取付ける際の作業性を格段に向上させることがで
き、かつ作業中に誤ってハンドルを落下させるおそれが
なくなる。また、ドアが厚い場合でも、１人でハンドル
の取付け作業を行うことができるので、省力化が達成で
きる。また、逆にハンドルをドアから外す場合にも同様
に、作業性の向上、落下防止、省力化の効果をあげるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるドアのハンドルの取付け方法を実
施するハンドルセットをドア本体と共に示す分解斜視図
である。

【図２】図１の実施例のハンドルセットをドアに取付け
た状態で示す側面図である。

【図３】（Ａ）は本発明のハンドルセットに使用される
仮止めピースの一例を示す断面図、（Ｂ）は該実施例に
おいて、一方のハンドルをドア本体に仮止めピースで仮
止めした状態を示す一部断面側面図、（Ｃ）は該実施例
において、ドア本体に両側のハンドルを取付けた状態を
示す一部断面側面図である。

【図４】本発明を実施するハンドルセットの他の例を示
す図３（Ｃ）相当図である。

【符号の説明】

１：ドア本体、 ２、３：面材 １１：室内側ハンドル １１ａ、１６ａ：把手部材 １１ｂ、１１ｃ、１６ｂ、１６ｃ：アーム １２、１３、１７、１８：台座 １６：室外側ハンドル １９〜２２、２６：取付けロッド ２３、２９：仮止めピース ２４：雄ねじ ３０：雌ねじ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ドア本体の一方の面に設けるハンドルに設
   けた取付けロッドを、ドア本体に設けた穴に貫挿して他
   方の面から突出させた後、 該取付けロッドを前記他方の面で仮止めし、 しかる後に、ドア本体の他方の面から装着して前記取付
   けロッドのねじ部に螺合するねじにより、該他方の面の
   ハンドルと同時に前記一方の面のハンドルもドア本体に
   取付けることを特徴とするドアのハンドルの取付け方
   法。