JP2784082B2 - 塩素化反応方法および塩素化反応装置 - Google Patents

塩素化反応方法および塩素化反応装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、塩素ガスを導入して塩素化反応を行なう塩
素化反応方法および塩素化反応装置に関する。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 近年、数多くの医薬や農薬などの中間体の製造プロセ
スで塩素化反応が行なわれている。
塩素化反応の代表的な方法は、原料中に塩素ガスを吹
込み、混合する方法である。この方法において、触媒を
添加したり、高温高圧下で、または紫外線を照射しなが
ら行なう場合もある。このような塩素化反応において
は、通常、排ガスとして塩素ガスが生成すると共に、排
ガス中には、未反応の塩素ガスも含まれている。このよ
うな排ガスは、通常、アルカリ水溶液で処理して未反応
塩素分を次亜塩素酸アルカリ金属塩として排水処理プロ
セスへ送られる。しかしながら、次亜塩素酸アルカリ金
属塩は不安定な化合物であり、酸性雰囲気下では、再び
塩素ガスが生成して大気中に放出される。
未反応塩素ガスの発生を抑制するためには、塩素ガス
の供給速度を小さくすることにより滞留時間を長くし
て、塩素化反応を行なうことが考えられる。しかしなが
ら、塩素ガスの供給速度を小さくする場合には、塩素ガ
スの分圧が下がるため、反応速度が低下する。
そこで、各塩素化反応の特性に応じて、気泡塔や通気
撹拌槽のような型式を選択したり、数系列を直列に並べ
ることにより、塩素ガスの転化率を向上させている。こ
れらの方法は、塩素化反応が著しく速い場合、すなわ
ち、塩素ガスの分圧が低い場合でも反応が円滑に進行す
る場合には効果的であるが、反応速度が小さい場合に
は、前記と同様の問題が生じる。
このように、従来の塩素化反応においては、生成する
塩酸ガスおよび未反応の塩素ガスを系外に取出して処理
する必要があるので、プロセス上、種々の問題が生じる
だけでなく、塩素ガスを有効に利用できない。また、塩
素ガスの分圧を高めて、塩素化反応速度を大きくするの
が困難である。特に、原料を高度に塩素化する場合に
は、塩素化の進行に伴い塩素化反応速度が小さくなり、
反応に長時間を要する。
第2図は従来の塩素化反応装置の一例を示すプロセス
フローである。
この塩素化反応装置は、塩素ガスを供給する塩素ガス
供給ライン(1)と、この塩素ガス供給ライン(1)に
取付けられた流量または圧力センサ(2)と、塩素ガス
供給ライン(1)に取付けられた電磁弁(3)と、前記
センサ(2)の検出値により電磁弁(3)の開閉を調整
して、塩素ガス供給ライン(1)による塩素ガス供給量
を制御する流量制御部(4)とを有している。
該塩素ガス供給ライン(1)からの塩素ガスは、反応
槽(5)に導入され、塩素化反応に供される。この反応
槽(5)での塩素化反応に伴なって生成する塩素ガス、
および未反応の塩素ガスなどを含む排ガスは、排ガス供
給ライン(6)を通じて処理部(7)に供給される。
この処理部(7)の処理液で排ガスを処理することに
より、排ガス中の塩酸を選択的に吸収して除去する。こ
の例では、処理液として水が使用され、該水に吸収され
た塩酸ガスは、塩酸水として処理部(7)から回収され
る。なお、処理部(7)は、塩酸ガスの吸収に伴ない発
熱する場合があるので、塩酸ガスの吸収性を高めるため
には、慣用の冷却方法により、処理液を所定の温度に保
つのが好ましい。
そして、処理部(7)からの排ガス、すなわち、主に
未反応の塩素ガスを含む排ガスは、ガス循環ポンプ
(9)により、リサイクルライン(8)を通じて前記塩
素ガス供給ライン(1)へリサイクルされる。
なお、ガス循環ポンプ(9)は、排ガス供給ライン
(6)に設けてもよい。
このような装置を用いる塩素化反応は、クローズドシ
ステムであるため、排ガス中の塩酸分を処理部(7)で
除去し、未反応の塩素ガスを循環させ、反応槽(5)で
の塩素化反応に供することができる。従って、前記の方
法と同様に、(A)塩素ガスを反応系外に取出して処理
する必要がなく、環境上有利であるだけでなく、(B)
塩素を塩素化反応に有効に利用でき、塩素ガスの転化率
を高めることができる。特に(C)反応槽(5)での塩
素ガスの分圧を高め、反応速度を高めることができ、塩
素化反応を短時間内に完結できる。しかし、前記装置で
は、反応速度を向上させるには限界がある。
なお、塩素および塩酸は腐蝕性が高いので、前記第2
図に示すプロセスで使用されるガス循環ポンプ(9)と
して、小型で耐圧耐蝕性が高く高級材質製の特殊なガス
循環用ポンプを用いる必要がある。一方、このようなガ
ス循環ポンプを用いることなく、塩素化反応プロセスを
構築することは、工業的意義が大きい。
以下に、ガス循環ポンプを用いることなく、塩素ガス
を循環できる従来のプロセスについて説明する。
第4図は、従来の塩素化反応装置の例を示すプロセス
フローである。
この装置は、前記と同様に、センサ(2)、電磁弁
(3)および流量制御部(4)を備えた塩素ガス供給ラ
イン(21)と、該塩素ガス供給ライン(21)が接続され
た反応槽(22)とを有している。
そして、反応槽(22)からの排ガスは、排ガス供給ラ
イン(26)を通じて、エジェクター(23)に供給され
る。このエジェクター(23)は処理部(27)に取付けら
れている。また、処理部(27)とエジェクター(23)と
の間は、循環ポンプ(25)が設けられた循環ライン(2
4)で連通接続されている。
従って、循環ライン(24)を通じて処理部(27)から
供給される処理液をエジェクター(23)のノズルから噴
出させ、排ガス供給ライン(26)からの排ガスを吸引
し、増圧して処理部(27)へ供給できる。
処理部(27)で処理された排ガスは、リサイクルライ
ン(28)を通じて、塩素ガス供給ライン(21)にリサイ
クルされる。
このような装置では、反応槽(22)外部の処理部(2
7)にエジェクター(23)が設けられているので、前記
(A)(B)(C)の効果に加えて、次のような利点が
もたらされる。
(G)エジェクター(23)から処理液を噴出させるこ
とにより、排ガスと処理液との接触効率を高め、排ガス
中の塩酸を効率よく吸収除去できる。すなわち、エジェ
クター(23)を、塩酸の吸収用ユニットとして機能させ
ることができる。
(H)前記エジェクター(23)から処理液を噴出させ
ることにより、塩素ガスは、処理部(27)、反応槽(2
2)およびエジェクター(23)間を循環する。従って、
前記第2図に示す塩素ガス循環用のポンプ(9)に代え
て、エジェクター(23)により、塩素ガスを循環させる
ことができる。
しかし、これらの方法では、塩素化反応速度を大きく
改善し、反応時間を大幅に短縮することが困難である。
特に、高度の塩素化が要求される場合には、塩素化の進
行に伴い塩素化反応速度が低下するので、高い反応速度
で短時間内に塩素化反応することが困難となる。
従って、本発明の目的は、塩素ガスを系外へ取出すこ
となく、塩素ガスを塩素化反応に有効に利用できると共
に、反応速度を高めることができる塩素化反応方法およ
び塩素化反応装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、反応系への塩素ガスの供給量を
増大させ、反応時間をさらに短縮できる塩素化反応方法
および塩素化反応装置を提供することにある。
[発明の構成] 本発明者は、水などに対する吸収性が塩素ガスと塩酸
ガスとでは大きく異なることに着目し、鋭意検討を重ね
た結果、未反応の塩素ガスを含む排ガスを、塩酸分を吸
収除去する処理液で処理した後、反応槽へリサイクルす
るとともに、反応槽からの反応液と、塩素ガスおよび処
理部からの排ガスとを合流させて反応槽に噴出させるこ
とにより、塩素ガスを有効に利用できるだけでなく、塩
素ガスの分圧を高めることができることを見いだし、本
発明を完成した。
すなわち、本発明は、塩素ガスによる塩素化反応を反
応槽で行ない、反応槽からの排ガスを処理部で処理して
排ガス中の塩酸分を除去すると共に、処理後の排ガスを
前記反応槽へリサイクルする塩素化反応方法であって、
反応槽からの反応液と、供給された塩素ガスおよび処理
部からの排ガスとを合流させる循環ラインを形成し、合
流部で反応液を噴出させ、反応液の噴出流により塩素ガ
スおよび排ガスを吸引して、反応槽へ循環供給する塩素
化反応方法を提供する。
また、本発明は、塩素ガス供給ラインと、該塩素ガス
供給ラインから供給された塩素ガスにより塩素化反応を
行なう反応槽と、該反応槽に接続された排ガス供給ライ
ンと、排ガス供給ラインからの排ガスを処理して排ガス
中の塩酸分を除去する処理部と、該処理部からのガスを
前記塩素ガス供給ラインまたは反応槽へリサイクルする
リサイクルラインとを有する装置であって、塩素ガス供
給ラインと反応槽との間に、反応槽の反応液を循環させ
る循環ラインが接続されていると共に、塩素ガス供給ラ
インと循環ラインとの接続部に、反応槽からの反応液を
噴出させ、かつ塩素ガス供給ラインからの塩素ガスおよ
びリサイクルラインからの処理ガスを吸引して反応槽へ
供給する噴出部が設けられている塩素化反応装置を提供
する。
以下、必要に応じて添付図面を参照しながら本発明を
詳細に説明する。
本発明では、反応槽に塩素ガスを導入して塩素化反応
を行なう。反応槽では原料と塩素ガスとの反応により、
通常、ガス状の塩酸などが排ガスとして生成する。この
排ガス中には、通常、塩素及び塩酸、そして若干の有機
ガスが含まれている。
本発明では、このような排ガスを処理部で処理して排
ガス中の塩酸分を除去し、処理後の排ガスを前記反応槽
へリサイクルする。
上記処理部では、排ガス中の塩酸ガスを処理液により
選択的に吸収除去する。処理部の処理液は、塩酸ガスに
対する吸収率が大きく、しかも塩素に対して吸収率が小
さな液体である限り特に制限されないが、水又は塩酸水
であるのが好ましい。より詳細には、排ガスを、水また
は塩酸水で処理すると、塩酸が選択的に吸収され、塩素
はガスとして系外へ排出される。すなわち、水に対して
塩素ガスは可溶であるものの、酸性条件ではその溶解度
が著しく低下する。また、排ガスを水又は塩酸水で処理
すると、処理水は著しい酸性を呈する。従って、塩素ガ
スは、水又は塩酸水に吸収されずに系外に排出される。
なお、塩酸水の濃度は、反応槽から生成する塩酸の量に
応じて選択できるが、通常30%以下である。このような
特性を利用して、排ガス中の塩酸ガスを選択的に吸収除
去し、塩素ガスと、吸収除去後の排ガスとを反応槽へリ
サイクルすることにより、塩素ガスは本質的に系外へは
排出されない。
この循環プロセスを採用することにより、次のような
効果が得られる。
(A)系外へ塩素ガスが排出されないので、塩素ガスの
系外での処理が不要となると共に、環境汚染の虞がな
い。
(B)系外へ塩素ガスが排出されないので、塩素ガスの
転化率が向上する。
(C)反応槽への塩素ガスの供給量を増加させることが
きるので、排ガスのリサイクルに伴ない塩素ガスの分圧
が上昇すると共に、ガスホールドアップが大きくなり、
従来法に比べて、反応速度が増大し、これに伴ない反応
時間を大幅に短縮できる。
以下に、2,6−ジクロロピリジンを塩素化して、2,3,6
−トリクロロピリジン、さらに塩素化して2,3,5,6−テ
トラクロロピリジンを得る塩素化反応についてより具体
的に説明すると、次の通りである。
第1図は、上記塩素化反応における排ガス中の塩素ガ
ス濃度に対する反応速度の測定例を示すグラフである。
図中、Aは、2,6−ジクロロピリジンから2,3,6−トリク
ロロピリジンが生成する反応速度、Bは、2,3,6−トリ
クロロピリジンから2,3,5,6−テトラクロロピリジンが
生成する反応速度を示す。なお、通気撹拌槽で塩素化反
応を行なう場合、排ガスの組成は、槽内ホールドアップ
ガス組成に近い。
第1図において、通常の塩素化反応では、一般に80%
以上の塩素ガス反応率、換言すれば、気相中の塩素ガス
濃度20%以下で行なわれる。この従来の方法において、
2,6−ジクロロピリジンから2,3,6−トリクロロピリジン
が生成する反応速度は3.3モル%/hr程度であるため、第
1図より、2,3,6−トリクロロピリジンを生成させるに
は29時間以上の反応時間が必要である。また、2,3,6−
トリクロロピリジンから2,3,5,6−テトラクロロピリジ
ンが生成する反応速度が1.5モル%/hr程度であるため、
2,3,5,6−テトラクロロピリジンを生成させるには、67
時間以上の長い反応時間を要する。
一方、本発明の方法により、反応槽への供給塩素ガス
の50%を未反応塩素ガスとしてリサイクルする場合、す
なわち気相の塩素ガス濃度50%の条件でリサイクルさせ
ながら反応する場合には、第1図より明らかなように、
2,6−ジクロロピリジンから2,3,6−トリクロロピリジン
が生成する反応速度が7.0モル%/hr程度、2,3,6−トリ
クロロピリジンから2,3,5,6−テトラクロロピリジンが
生成する反応速度が3.2モル%/hr程度であるため、反応
時間は従来法の1/2以下となる。また、75%を未反応塩
素ガスとしてリサイクルする場合には、反応時間が1/3
以下となる。
上記より明らかなように、本発明においては、塩酸ガ
スを除去して、未反応の塩素ガスを反応槽へリサイクル
するため、処理部の吸収ユニットで塩酸ガスを吸収する
と共に、前記吸収ユニットで塩酸ガスを吸収除去した排
ガスをガス循環ユニットにより反応槽に循環させる。特
に、本発明の方法においては、反応槽からの反応液と、
供給された塩素ガスおよび処理部からの排ガスとを合流
させる循環ラインを形成し、合流部で反応液を噴出さ
せ、反応液の噴出流により塩素ガス及び排ガスを吸引し
て、反応槽へ循環供給する。なお、本発明において、処
理部からの処理液と、反応槽からの排ガスとを合流させ
る循環ラインを形成し、合流部で処理液を噴出させ、処
理液の噴出流により反応槽からの排ガスを吸引して、処
理部へ循環供給することも可能である。
本発明では、ガス循環ポンプを用いることなく、塩素
ガスを循環できるだけでなく、硬度に塩素化する場合で
あっても反応速度を大きく向上させ、反応時間を大幅に
短縮できる。以下に、本発明のプロセスについて説明す
る。
第3図は、本発明の塩素化反応装置を示すプロセスフ
ローである。なお、前記第2図と同一の要素には、同一
符号を付す。
この装置は、センサ(2)、電磁弁(3)および流量
制御部(4)を備えた塩素ガス供給ライン(11)を有し
ている。また、反応槽(12)には、前記塩素ガス供給ラ
イン(11)に連通接続されたエジェクター(13)が取付
けられている。噴出部としてのエジェクター(13)と反
応槽(12)との間は、反応液を循環させる循環ライン
(14)で連通接続され、この循環ライン(14)には、循
環ポンプ(15)が設けられている。
そして、反応槽(12)での塩素化反応反応に伴なって
生成する塩酸ガス及び未反応塩素ガスなどを含む排ガス
は、排ガス供給ライン(16)を通じて処理部(17)に供
給される。処理部(17)の処理液で排ガス中の塩酸分が
除去されたガスは、リサイクルライン(18)を通じて、
前記塩素ガス供給ライン(11)にリサイクルされる。な
お、リサイクルライン(18)は、エジェクター(13)と
の接続部よりも上流側の塩素ガス供給ライン(11)に接
続されている。
従って、塩素ガス供給ライン(11)と循環ライン(1
4)との接続部に設けられたエジェクター(13)によ
り、反応槽(12)からの反応液を噴出させ、かつ噴出流
により、塩素ガス供給ライン(11)からの塩素ガスおよ
びリサイクルライン(18)からの処理ガスを吸引し、増
圧して反応槽(12)へ供給できる。
このような装置による塩素化反応では、反応槽(12)
にエジェクター(13)が設けられているので、前記
(A)(B)(C)の効果に加えて、次のような利点を
もたらされる。
(D)エジェクター(13)のノズルから噴出する反応液
の噴出流により、気液接触面積が増大し、塩素ガス供給
ライン(11)からの塩素、およびリサイクルライン(1
8)からの未反応塩素を反応液に効率よく吸収できる。
また、エジェクター(13)による反応槽(12)への気液
噴出により、反応槽(12)内での物質移動が促進され
る。従って、塩素化反応速度を著しく高めることがで
き、反応時間をさらに短縮できる。
(E)液中へ塩素ガスを吹込む場合には、通常、液深及
び圧力損失分に応じて、塩素ガスを増圧して反応槽へリ
サイクルする必要があるが、前記エジェクター(13)に
より、塩素ガスを、反応槽(12)、処理部(17)および
エジェクター(13)間に循環させることができる。従っ
て、塩素ガスを特別な装置で増圧することなく、しか
も、前記第2図に示す塩素ガス循環用のポンプ(9)を
用いることなく、反応液の噴出流により塩素ガスを増圧
し、循環させることができる。
(F)エジェクター(13)によりガスを循環できるの
で、センサ(2)の検出値に基づいて、電磁弁(3)の
開閉度を流量制御部(4)で制御し、このプロセスで消
費された塩素を補給するだけで、循環ガス流量を調整で
きる。従って、複雑な制御系を用いることなく循環ガス
流量を容易に制御できる。
なお、エジェクターは、一般に、減圧、吸引用に用い
られている。しかしなから、本発明の装置において、噴
出部としてのエジェクター(13)は、常圧又は加圧状態
で供給される塩素ガスを増圧すると共に、さらに排ガス
の塩素ガスを増圧して反応槽(12)内に噴出させるため
に用いる点に特徴がある。
前記処理部(17)からのガスは、塩素ガス供給ライン
(11)へ供給することなく、反応槽(12)へ直接リサイ
クルしてもよい。
本発明のプロセスにおいて、排ガス中の塩酸ガスは、
処理液と共に系外に取出すことができる。処理液とし
て、水または塩酸水を使用する場合には、排ガス中の塩
酸ガスを適宜濃度の塩酸水溶液として系外へ取出すこと
ができる。なお、塩酸を含む処理液、好ましくは塩酸水
溶液は、他のプロセスの反応などに利用できる。
反応槽からの排ガス中に、常温で固体となる固形物が
含有されている場合には、特開平1−203024号公報に開
示されているように、本発明のプロセス内、例えば、排
ガス供給ラインなどの適宜箇所に、反応槽から排出され
た排ガスを水と接触させ、該水中に補足された固形物を
有機溶媒により抽出分離し、固形物を分離回収する回収
部を設けることも可能である。この回収部は、好ましく
は反応槽に近い排ガス供給ラインに設けられる。この方
法により、処理部への固形物の同伴を防止することがで
きる。
本発明の塩素化反応方法および塩素化反応装置は、液
相塩素化を中心とする種々の塩素化プロセスに適用で
き、塩素化反応に供する原料は特に制限されない。
[発明の効果] 本発明の塩素化反応方法および塩素化反応装置は、塩
素ガスを系外へ取出すことなく、塩素ガスを塩素化反応
に有効に利用できると共に、塩素ガスの転化率を向上で
き、気液接触面積の増大、塩素および未反応塩素の反応
液への吸収促進により、反応速度を高めることができ
る。特に、反応液を噴出させるので、反応系への塩素ガ
スの供給効率を増大させ、反応時間をさらに短縮でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、2,6−ジクロロピリジンから2,3,6−トリクロ
ロピリジンを生成させる塩素化反応A、2,3,6−トリク
ロロピリジンから2,3,5,6−テトラクロロピリジンを生
成させる塩素化反応Bにおける排ガス中の塩素ガス濃度
と反応速度との関係を示すグラフ、 第2図は従来の塩素化反応装置の一例を示すプロセスフ
ロー、 第3図は本発明の塩素化反応装置を示すプロセスフロ
ー、 第4図は従来の塩素化反応装置の他の例を示すプロセス
フローである。 (11)……塩素ガス供給ライン、 (12)……反応槽、 (16)……排ガス供給ライン、 (17)……処理部、 (18)……リサイクルライン、 (13)……エジェクター、 (14)……循環ライン、 (15)……循環ポンプ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩素ガスによる塩素化反応を反応槽で行な
    い、反応槽からの排ガスを処理部で処理して排ガス中の
    塩酸分を除去すると共に、処理後の排ガスを前記反応槽
    へリサイクルする塩素化反応方法であって、反応槽から
    の反応液と、供給された塩素ガスおよび処理部からの排
    ガスとを合流させる循環ラインを形成し、合流部で反応
    液を噴出させ、反応液の噴出流により塩素ガスおよび排
    ガスを吸引して、反応槽へ循環供給する塩素化反応方
    法。
  2. 【請求項2】塩素ガス供給ラインと、該塩素ガス供給ラ
    インから供給された塩素ガスにより塩素化反応を行なう
    反応槽と、該反応槽に接続された排ガス供給ラインと、
    排ガス供給ラインからの排ガスを処理して排ガス中の塩
    酸分を除去する処理部と、該処理部からのガスを前記塩
    素ガス供給ラインまたは反応槽へリサイクルするリサイ
    クルラインとを有する装置であって、塩素ガス供給ライ
    ンと反応槽との間に、反応槽の反応液を循環させる循環
    ラインが接続されていると共に、塩素ガス供給ラインと
    循環ラインとの接続部に、反応槽からの反応液を噴出さ
    せ、かつ塩素ガス供給ラインからの塩素ガスおよびリサ
    イクルラインからの処理ガスを吸引して反応槽へ供給す
    る噴出部が設けられている塩素化反応装置。
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