JP2783928B2 - 圧電型ガスセンサ及びその製造方法 - Google Patents

圧電型ガスセンサ及びその製造方法

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JP2783928B2 JP3343418A JP34341891A JP2783928B2 JP 2783928 B2 JP2783928 B2 JP 2783928B2 JP 3343418 A JP3343418 A JP 3343418A JP 34341891 A JP34341891 A JP 34341891A JP 2783928 B2 JP2783928 B2 JP 2783928B2
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賢一 柴田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電型ガスセンサとそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ガスセンサとしては金属酸化物焼
結体型半導体センサ、接触燃焼式ガスセンサなどが普及
している。
【0003】これらガスセンサの検出原理は、半導体セ
ンサにあっては半導体表面に吸着したガスによる電気抵
抗や仕事関数の変化を利用するものであり、接触燃焼式
ガスセンサにあってはガス検出機能を持つ物質の表面が
ガスの接触燃焼によって温度変化を起こし、その変化を
電気抵抗の変化として検出し利用するものである。
【0004】ところが、これら従来のガスセンサでは、
ガスの吸着現象や燃焼現象を利用するものであるため、
被検出ガス中の種々のガスと反応することとなり複数の
ガスを選択して検出することは困難である。
【0005】更には、これらガスセンサの動作温度とし
ては、一般に200〜500℃と高温であることを要す
るため素子自体の劣化が著しいという問題があった。
【0006】そこで、近年これらガスセンサの問題を解
決するガスセンサとして注目を集めているのが圧電型ガ
スセンサである。これは、圧電体基板上を伝搬する弾性
表面波がその圧電体基板表面に吸着したガスによって変
化する現象を利用するものである。
【0007】図7は、現在提案されている圧電型ガスセ
ンサの素子構造図(斜視図)である。図中の(1)はガス
センサの主要部を成す圧電体基板で、例えば長さ10m
m、幅2mm、厚さ0.1mmのLiNbO3から構成
されている。(2)はこの圧電体基板(1)の表面の一端に設
けられた弾性表面波(3)を励振する櫛型励振電極、(4)は
この櫛型励振電極(2)に対向して圧電体基板(1)の他端に
設けられた櫛型受信電極、この櫛型受信電極(4)は、櫛
型励振電極(2)から圧電体基板(1)の表面を伝搬して来た
弾性表面波(3)を受信して電気信号に変換する働きを行
う。
【0008】これら櫛型電極(2)(4)は、例えば対数50
対、電極間隔5μm、交差長1mm、電極厚み1000
Åのアルミニュウム蒸着膜にて形成される。(5)は、櫛
型励振電極(2)と櫛型受信電極(4)との間に配置され、圧
電体基板(1)の表面を被覆する被検出ガスをゲストとす
るホストを含むガス吸着材である。具体的な材料として
は、膜厚100nmのγ−シクロデキストリンの薄膜が
用いられる。(6)及び(7)は、各々の電極(2)(4)の入力端
子、出力端子である。
【0009】この圧電型ガスセンサの使用方法は、次の
如くである。まず、この圧電型ガスセンサを被検出用ガ
ス中に置くと、このゲストとなる被検出用ガスとホスト
となるガス吸着材(5)とが相互作用することにより、ガ
ス吸着材(5)の質量が増加する。
【0010】すると、この質量の変化と対応して弾性表
面波の伝搬特性に変化が生じ、その被検出ガスを選択的
に検出できることとなる。また、動作温度は通常室温で
行えることから素子の劣化が生じることがない。
【0011】斯る圧電型ガスセンサに関しては、例えば
特願平2−46237号に詳細に記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
圧電型ガスセンサは特定ガスの検出については可能であ
るものの、複数のガスを一つの圧電型ガスセンサによっ
て検出することはできない。
【0013】そのため、複数のガスを検出するには、そ
のガスの種類に応じたガスセンサを複数個用意する必要
がある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明ガスセンサの特徴
とするところは、弾性表面波を伝搬させる圧電体基板上
に、前記弾性表面波を励振する櫛型励振電極と、この櫛
型励振電極から圧電体基板の表面を伝搬して来る弾性表
面波を受信する櫛型受信電極とを設けると共に、これら
電極間の圧電体基板の表面にはガス吸着材が設けられ、
且つこのガス吸着材は弾性表面波の伝搬方向に略垂直で
且つ一定間隔となるような複数本の線状のパターンとか
ら成ることにあり、またこのガス吸着材を二種以上を使
用し、斯る場合にあってはこれらガス吸着材の夫々の一
定間隔を異ならしめたことにある。
【0015】さらに、本発明圧電型センサの製造方法の
特徴とするところは、圧電体基板上に添着されたガス吸
着材用出発材料の所望の位置に、エネルギービームを照
射することにより複数の線状のパターンとしてガス吸着
材を形成するとともに、このガス吸着材のガス吸着の感
度を前記エネルギービームの露光量に対応させて変化さ
せることにある。
【0016】
【作用】本発明圧電型センサでは、櫛型励振電極と櫛型
受信電極との間に設けられたガス吸着材を弾性表面波の
伝搬方向に略垂直で且つ一定間隔の線状のパターンとし
て複数本形成した構造を基本としている。
【0017】図1(a)は、この基本構造の原理を説明
するための素子構造図(斜視図)であり、同図(b)
は、線状のパターン部分の拡大断面図、同図(c)は伝
搬特性図である。尚、従来例(図7)と同一とする材料
又は部位については、同一の符号を付している。
【0018】本構造での弾性表面波の伝搬は、以下のよ
うに進行する。
【0019】まず、入力端子(6)にインパルス電圧が印
加されると、櫛型励振電極(2)は、圧電効果により隣合
う電極(2a)(2b)間で互いに逆位相の歪みが生じ、弾性表
面波(3)が励振される。そして、この弾性表面波(3)は基
板(1)の表面を伝搬した後、櫛型受信電極(4)に到達し、
櫛型受信電極(4)の隣り合う電極(4a)(4b)により電気エ
ネルギーに変換され、出力端子(7)から高周波出力とし
て取り出される。
【0020】斯る伝搬において、基板(1)の表面のうち
線状のパターンのガス吸着材(8)が被着形成されている
部分にあっては、弾性表面波(3)の伝搬速度に変化が生
じる。このような変化は、この線状のパターンの吸着材
(8)が多数本、一定の間隔(d)(図1(b))をもっ
て設けられていると、あたかも全体として一種の回折素
子として機能することになる。
【0021】特に、伝搬する弾性表面波(3)の波長
(λ)の半分の値(λ/2)と、線状のパターン(8)の
間隔(d)とが一致した場合、この吸着材(8)はその波長
(λ)の弾性表面波(3)にとって反射器の如く作用し、
結果として出力端子(7)から取り出される高周波出力の
強度は減少することとなる。
【0022】従って、同図(b)に示すように線状パタ
ーン(8)の間隔(d)を一定となるように配置した場
合、入力端子(6)から出力端子(7)への伝搬特性は、線状
パターンの間隔(d)が伝搬する弾性表面波の半分とな
る周波数f0で伝搬量の減少が生じることとなる。
【0023】図1(c)は、斯る現象を示す伝搬特性図
で、弾性表面波の伝搬量の周波数依存性を伝搬量を規格
化して示している。図中の(ア)は、周波数f0での伝
搬量の減少を示している。
【0024】次に、このガス吸着材(8)が感知し得る被
検出用ガスを、この圧電型ガスセンサに晒すと前述した
ようにガス吸着材(8)の質量が増加し、伝搬量の減少の
程度は更に増す(図1(c)中の(イ))。
【0025】又、その検出感度としては、線状のパター
ンの本数を多くすることはガス吸着材に吸着されるガス
量が増加することとなり感度の向上が成し得る。
【0026】したがって、使用するガス吸着材(8)とし
て異なる材料を複数使用することによって、複数の被検
出ガスを1つの圧電型ガスセンサによって別個に検出す
ることが可能となる。
【0027】また、複数の異なるガス吸着材(8)を使用
した場合、各ガス吸着材(8)の線状パターンの間隔をガ
ス吸着材の材料ごとに変化させる。このことは言い換え
れば、前述したように線状のパターンの本数を多くする
こととなることから、それらガス吸着材(8)ごとの感度
の調整が可能となる。
【0028】
【実施例】以下では、引き続き図1に従い本発明圧電型
ガスセンサについて、実施例に沿って説明する。
【0029】本例では、ガス吸着材(8)を、圧電体基板
(1)表面の櫛型励振電極(2)と櫛型受信電極(4)との間
に、多数本の線状のパターンとしている。この線状のパ
ターンとしては、弾性表面波(3)の伝搬方向に対して略
垂直となるように配置している。
【0030】これは、垂直とした場合が最も効果的な伝
搬特性の変化をもたらすからである。(9)は櫛型励振電
極(2)に隣接して設けられた吸音体、(10)は櫛型受信電
極(4)に隣接して設けられた吸音体である。これら吸音
体(9)(10)は不要な弾性表面波を吸収する作用をする。
【0031】図2は、本発明圧電型ガスセンサを用いた
ガス検出のための構造図で、本発明圧電型ガスセンサ(2
1)をガスセル(22)内に設置した場合を示している。斯る
場合にあっては、このガスセル(22)中に被検出ガス(23)
を導入し、ガスセンサに検出させる。
【0032】次に、本発明圧電型ガスセンサの第2実施
例でガス吸着材を2種類使用した場合の圧電型ガスセン
サについて説明する。図3は、本発明圧電型ガスセンサ
の圧電体基板の表面上に形成されたそのガス吸着材(8a)
(8b)の工程別部分拡大断面図((a)〜(c))であ
る。尚、本工程の説明に当っては、吸音体(9)(10)以外
はすでに形成されている状態から説明するため、ガス吸
着材(8a)(8b)の形成が行われる圧電体基板(1)の表面に
ついてのみ拡大して説明する。
【0033】まず同図(a)に示す第1工程では、ガス
吸着材用出発材料としてレジスト(R)(本実施例では
ポジ型レジスト)を圧電体基板(1)表面の全面に塗布す
る。
【0034】そして、同図(b)に示す第2工程では、
ガス吸着材(8a)(8b)をパタ−ン化するため、不要部分に
エネルギ−ビ−ムとして電子ビ−ムを照射し、これを現
像することによって線状パタ−ンのガス吸着材(8a)(8b)
を得る。この段階では、ガスに対する感度は同じであ
る。
【0035】次に、同図(c)に示す第3工程では、ガ
ス吸着材(8b)のみに更にそのエネルギービームを照射す
る。実施例ではガス吸着材(8b)には露光量としてさらに
約1μC/cm2加えた。
【0036】本工程により、ガス吸着材(8b)(8b)相互の
ガスに対する感度に差異を設けることができることとな
る。
【0037】具体的には、吸着材(8a)及び吸着材(8b)の
材料としては、4級アンモニウム塩を加えた、ポリメタ
クリル酸メチルを主成分とするもの(三洋電機製,SEBR
-115)を使用し、又夫々の線状のパターンの間隔として
は、吸着材(8a)が26.7μm、吸着材(8b)が20μm
となるように形成した。
【0038】従って、本圧電型ガスセンサにおいては、
少なくとも2種類の波長の弾性表面波に対して、反射器
として機能することとなる。
【0039】特に、本例では、吸着材(8a)と吸着材(8b)
のそれぞれの線状パターンの間隔が4対3の比となるよ
うに形成したことから、これらの最小公倍にあたる距離
で一周期を成す。斯る場合の伝搬特性が図4であり、横
軸を周波数とし縦軸を規格化された弾性表面波の伝搬量
としている。本例圧電型ガスセンサでは、検出ガス吸着
前においても図4の実線で示すが如く、少なくとも2箇
所で伝搬量の減少(ウ)(エ)が生じる。つまり、吸着
材(8a)による吸収によっては、周波数3f近傍に伝搬量
の減少(ウ)が、吸着材(8b)による吸収によっては、周
波数4f近傍に伝搬量の減少(エ)が生じる。
【0040】更に、本実施例によれば、これら2箇所
((ウ)(エ))の他に吸着材(8a)と吸着材(8b)との相
乗作用によって伝搬量の減少が生じる部分ができる。具
体的な部分としては、24f ,8f ,4.8f ,2.67f 等に相
当する部分の周波数で、これら周波数の部分で弱い乍ら
減少する。例えば、同図中の(キ)で示されるような特
性である。通常これら付随的に生ずる伝搬量の弱い減少
は、その量が僅かであり、又周波数も異なっているので
問題とならない。
【0041】このガスセンサをガス検出システム内に設
置し、例えばそのシステム内に吸着材(8a)に吸着され易
いガスを導入すると吸着材(8a)の方が吸着材(8b)のもの
より顕著に減少量が増加する(同図(オ))。これに対
して、吸着材(8b)に吸着されやすいガスを使用した場合
にあっては、吸着材(8b)のそれが大きくなる(同図
(カ))。
【0042】従って、この伝搬特性の変化量と被検出ガ
スの濃度との間には一定の相関関係が有することから、
その伝搬特性をモニターすることによって被検出ガスの
濃度を定量化することができる。
【0043】この様な伝搬特性の変化は、通常ネットワ
ークアナライザのような計測器で検出するが、本発明セ
ンサではより簡単な手段によっても知ることができる。
【0044】図5は、2種類の被検出ガスに対する検出
回路である。図中の(51)は、前記圧電型ガスセンサで、
(8)及び(9)はそのセンサ(51)の入力端子と出力端子であ
る。(52)(53)は、入力端子(8)に印加する互いに発振周
波数の異なるインパルス電圧の供給源、 供給源(52)の
発振周波数f1は、吸着材(8a)の吸着現象によって生じる
伝搬量が減少する周波数と一致させ、又供給源(53)の発
振周波数f2は、吸着材(8b)の吸着現象によって生じる周
波数と一致させている。
【0045】又、(54)と(55)は、夫々発振周波数f1とf2
を選択的に透過させる特性を備えたフィルタ、(56)と(5
7)は各フィルタ(54)(55)に直列に接続された高周波電圧
計である。
【0046】この検出回路によれば、例えば吸着材(8a)
にガスが吸着されると、前述したように周波数f1の伝搬
量が減少するが、この減少の程度は周波数f1のみを計測
する高周波電圧計(56)をモニターすることによって容易
に知ることができる。この事情については、吸着材(8b)
においても全く同様のことが言える。
【0047】本発明圧電型ガスセンサにあっては、ガス
吸着材としては、一般的な光レジストや電子線レジスト
を使用してもよく、更には特徴的なガス吸着特性を有す
る材料を混合することによって利用してもよい。この様
な材料としては、ポリビニリデンフルオライド、ポリビ
ニリデンクロライド、ポリスチレン、ポリアクリロニト
リル、ポリブタジエン、ポリビニルアルコール、ポリエ
チレングリコール等がある。
【0048】次に本発明圧電型ガスセンサの具体的な特
性について説明する。
【0049】特性の評価として使用したセンサの構造
は、端子部に関しては図1と同様で、吸着材については
図3で示した2種の吸着材である。吸着材(8a)及び吸着
材(8b)の寸法は、幅1.1μm,長さ1mm,その厚み
を2μmで、吸着材(8a)同士の間隔は26.7μm、同
様に吸着材(8b)のそれは、20μmと成るように形成し
てある。
【0050】従って、この両吸着材(8a)(8b)のパターン
間隔では、それぞれの間隔の整数倍であって一致した値
となる距離、具体的には吸着材(8a)の26.7μmの3
倍、そして吸着材(8b)の4倍である80μmでパターン
は繰り返すこととなる。
【0051】そして、80μmを1周期として50周期
分、即ち線状のパターンとして吸着材(8a)を150本、
吸着材(8b)を200本形成した。これは、吸着材(8)の
形成されている領域としては、圧電体基板(1)の表面に
おいて幅1mm、長さが4mm程度の面積となる。
【0052】この圧電型ガスセンサを図2に示したシス
テムに配置し、窒素ガスを被検出ガスとしてセル内に導
入した。この結果、伝搬特性において75MHz近傍と
100MHz近傍に伝搬量の減少が観測された。
【0053】次に、被検出ガスとして四塩化炭素蒸気を
導入すると、周波数75MHz近傍と、100MHz近
傍に伝搬量の減少が生じるとともに、その程度は窒素ガ
スの場合と比較して夫々10dB,12dB程度大きく
なった。
【0054】また、被検出ガスとしてエタノール蒸気を
セル内に導入すると、同様にそれぞれ4dB,9dB程
度の伝搬量の減少を示した。
【0055】又、本発明圧電型ガスセンサの製作におい
て、重要なパラメータとして線状パターンの間隔があ
る。図6は、この線状のパターンの間隔と、弾性表面波
が伝搬する際に伝搬量の減少が生ずる周波数との関係を
示す特性図である。
【0056】これによれば、間隔10μm以下では30
0MHz以上の極めて高い周波数において凹みが生じる
が、10μmを越えると急速に凹みが現れる周波数が低
くなり、間隔40μm付近では約50MHzとなる。
【0057】従って、この様な関係を考慮して線状のパ
ターンの間隔を設定し、又検出用のフィルタを選択すれ
ばよい。
【0058】尚、実施例では、ガス吸着材のパターニン
グにおいて、エネルギービームである電子ビームを2度
照射したが、本発明製造方法はこれに限られず例えば電
子ビームの照射強度をガス吸着材の種類に対応させて逐
一変化させてもよい。これによれば1度の照射によっ
て、複数のガス吸着材を形成することができる。
【0059】更に、実施例では、吸着材として2種類の
場合について説明したが、本発明は、これに限られず、
例えば3種類以上の吸着材を使用しても全く同様の効果
を呈する。
【0060】又、本発明圧電型センサの感度調整方法と
しては、線状のパターンの本数の調整のみならず、櫛型
励振電極と櫛型受信電極との間に配置された線状のパタ
ーンの総重量を同一ないしは、各々のガス吸着材の総重
量を、各ガス吸着材のガス吸着の程度に対応させて変化
させる方法がある。前者の方法にあっては、各々のガス
吸着材のガス吸着の程度がそのままガスセンサの感度に
対応し、又後者の方法にあっては、各々のガス吸着材に
よる感度を被検出ガスごとで均一なものとすることがで
きる。
【0061】
【発明の効果】本発明圧電型ガスセンサでは、櫛型励振
電極と櫛型受信電極との間に設けられた線状のパターン
のガス吸着材を弾性表面波の伝搬方向に略垂直となるよ
うに配置することによって、このガス吸着材のガス吸着
によってガス濃度等を検出できる。
【0062】これによれば、複数のガス吸着材を圧電体
基板表面に形成することによって、複数のガスを1つの
センサによって検出することが可能となる。
【0063】また、そのガス検出感度については、線状
のパターンの本数やそのパターン間隔を変化させること
によって容易に調整することができる。
【0064】以上から、1つのセンサでありながら個々
のガス検出についての感度を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明圧電型ガスセンサの素子構造図(斜視
図)等である。
【図2】前記圧電型ガスセンサを用いた検出システム図
である。
【図3】本発明圧電型ガスセンサの第2の実施例の部分
拡大断面図である。
【図4】前記圧電型ガスセンサの伝搬特性図である。
【図5】前記圧電型ガスセンサの使用した場合の信号検
出回路図である。
【図6】本発明圧電型ガスセンサで使用する線状のパタ
ーンの間隔と、弾性表面波の伝搬量の減少が生ずる周波
数の関係を示す特性図である。
【図7】従来の圧電型ガスセンサの素子構造断面図であ
る。
【符号の説明】
(1)…圧電体基板 (2)…櫛型励
振電極 (3)…弾性表面波 (4)…櫛型受
信電極 (8)…ガス吸着材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 祐次 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 坂田 雅一 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−259458(JP,A) 特開 平2−35352(JP,A) 特開 平3−248057(JP,A) 特開 平2−227661(JP,A) 特開 平4−307351(JP,A) 米国特許5012668(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 29/18 - 29/20 G01N 5/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性表面波を伝搬させる圧電体基板上
    に、前記弾性表面波を励振する櫛型励振電極と、該櫛型
    励振電極から前記圧電体基板の表面を伝搬して来る弾性
    表面波を受信する櫛型受信電極とを設けると共に、前記
    櫛型励振電極と前記櫛型受信電極との間に在る前記圧電
    体基板の表面にガス吸着材が設けられ、且つ該ガス吸着
    材は前記弾性表面波の伝搬方向に略垂直で且つ一定間隔
    となるような複数本の線状のパターンから成る圧電型ガ
    スセンサ。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に於て、前記ガス吸着材が
    二種以上からなることを特徴とする圧電型ガスセンサ。
  3. 【請求項3】 前記請求項2に於て、夫々のガス吸着材
    の前記一定間隔が互いに異なることを特徴とする圧電型
    ガスセンサ。
  4. 【請求項4】 圧電体基板上に添着されたガス吸着材用
    出発材料の所望の位置に、エネルギービームを照射する
    ことにより複数の線状のパターンとしてガス吸着材を形
    成するとともに、該ガス吸着材のガス吸着の感度を前記
    エネルギービームの露光量に対応させて変化させること
    を特徴とする圧電型ガスセンサの製造方法。
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