JP2781573B2 - 軸受装置の製法 - Google Patents

軸受装置の製法

Info

Publication number
JP2781573B2
JP2781573B2 JP63309988A JP30998888A JP2781573B2 JP 2781573 B2 JP2781573 B2 JP 2781573B2 JP 63309988 A JP63309988 A JP 63309988A JP 30998888 A JP30998888 A JP 30998888A JP 2781573 B2 JP2781573 B2 JP 2781573B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
bearing
dynamic pressure
shaft
thrust bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63309988A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02159412A (ja
Inventor
雄二 ▲吉▼富
俊宏 山田
孝男 寺山
和夫 酒井
寿一 森川
国明 平山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP63309988A priority Critical patent/JP2781573B2/ja
Publication of JPH02159412A publication Critical patent/JPH02159412A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2781573B2 publication Critical patent/JP2781573B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、動圧型流体軸受装置に係り、特に磁気記録
再生装置(以下VTRと記す)のシリンダ軸受に好適な動
圧発生溝付きの軸受装置とその製法に関する。
〔従来の技術〕
従来の動圧スラスト軸受は、日本機械学会誌第89巻,
第812号(昭61年)第58頁から第63頁に記載のように、
すべり面にスパイラル状の動圧発生溝を設けていた。該
動圧発生溝は、断面が矩形状であり、すべり面全域にお
いて溝深さが均一になつていた。
この他軸受面に工夫を凝らした例としては特開昭52-1
33451号公報,特開昭61-165018号公報に夫々記載の技術
がある。
一方、前記動圧発生溝は、特公昭62-49352号公報に記
載のようにフオトエツチング法によつて成形していた。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術では、スラスト軸受のすべり面に設けた
スパイラル状の動圧発生溝の深さがすべり面全域におい
て均一になつているので、軸の回転にともなう溝のポン
プ作用が十分に得られなかつた。したがつて、前記軸受
部で発生する動圧が小さく、大きな支持荷重容量が得ら
れない問題があつた。また、軸受部で支持する部材の軸
方向浮上量も小さいので、損失トルクが大きくなり、軸
受すべり面の摩耗量が大きくなる問題があつた。
近年特にVTR等においては製品の小型化が強く望まれ
ていることからその中心部品となる磁気ヘツド搭載シリ
ンダをいかに小型にするかが要望されている。本発明者
はこの為には例えばスラスト軸受やシヤフトの厚さを薄
く(高さを低く)することが解決手段として有力と判断
したが、小さな軸受で大きな支持能力(充分な耐高荷
重)を期待するには溝形状とその製法の根本から見直す
必要があることに気付いた。この課題を解決する有力な
手段は本発明以前には見当たらなかつた。
一方、前記スラスト軸受の動圧発生溝は、従来フオト
エツチング法で成形しており、量産が困難で加工時間が
長いことなどの理由から、製造コストが高価になる問題
があつた。
本発明の目的は、軸受部において大きな動圧を発生さ
せる溝をすべり面に設け、かつ該動圧発生溝を量産が容
易で、加工時間が短い方法で加工することにより、上記
した従来技術の問題点を解決した軸受装置を提供するこ
とにある。
また本発明の目的は、軸受支持荷重が大きく、安定し
た支持を実現することのできる動圧型流体軸受装置を提
供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、すべり面にスパイラル状の溝を設けた回
転部材が流体膜を介して前記回転部材のすべり面に対向
するように配置された静止部材により浮動支持された軸
受装置であって、前記スパイラル状の溝は前記回転部材
の外周部で閉鎖されており、前記スパイラル状の溝の深
さが前記回転部材の回転方向に沿って深くなるように形
成された軸受装置の製法において、スパイラル状の溝
を、スパイラル状の溝を転写したパターンであってその
高さが均一である凸部を有する金型を前記回転部材に押
圧することによって達成される。
なお、本発明いおいて「溝の深さが前記回転部材の回
転方向に沿って」の意味は後述の実施例記述のように夫
々一本の溝について観察した際の溝の線に沿つた長さ方
向のことである。従つて各溝の断面を切つた際の溝底面
が傾斜しているだけで長さ方向に変化のないものは本発
明の対象外となる。
本発明の上記溝はすべり面(対向面)の実質全面に均
等に形成することが好ましいが、このような溝形状のも
のを深さに変化のない溝と組み合わせてもよく、また溝
の深さは連続的変化に限らず段階的でも差し支えない。
〔作用〕 スラスト軸受やラジアル軸受も溝が動圧に影響せしめ
る原理は同様であるため、説明理解の便宜上先ずスラス
ト軸受を例にとつて説明する。尚、回転か静止(固定)
かは相対位置の関係であるからこの関係は逆転させても
差し支えない。
スラスト軸受のすべり面に設けたスパイラル状の動圧
発生溝の深さを、軸の回転方向並びに中心方向に対して
連続的に浅くすると、前記溝の断面積は前記方向に対し
て減少する。従つて、軸と前記スラスト軸受の間に配設
した油等の潤滑剤は、軸の回転に伴うポンプ作用が助長
させ、大きな圧力が発生して流体膜を形成し、大きな支
持荷重容量が得られる。また、同様にして軸受部におけ
る支持部材の軸方向浮上量は大きくなるので、損失トル
クが小さくなり、軸受すべり面の摩耗量も小さくなる。
一方、動圧発生溝を、スラスト軸受のすべり面に上記
形状の金型を押し付けて成形すれば、前記金型は弾性変
形により断面が凹形になる。これによつて、前記溝の深
さが軸の回転方向並びに中心方向に対して連続的に浅く
なるスラスト軸受を容易に加工できる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳しく説明す
る。
第1図は本発明の実施例に係るスラスト軸受の断面図
であり、第2図はその正面図である。該図のように、ス
ラスト軸受1のすべり面1aには、スパイラル状の動圧発
生溝2を設けている。動圧発生溝2は、同一形状の多数
の溝を規則正しく配置し、各溝の幅bは軸の回転方向A
に対して連続的に小さくなつている。また、第1図に示
したように溝の断面は矩形状であり、溝深さhは軸の回
転方向Aに対して連続的に浅くなつている。したがつ
て、スラスト軸受の断面では、第1図に示したように外
周部の溝深さより、内周部の方が浅くなる。
本例におけるスラスト軸受1の基体(円板)の厚さは
1.8mm、直径は15mmであり、本発明はこのように極薄の
スラスト軸受への適用において特に効を奏する。本例の
溝2の深さhは最大箇所で5μm、最小箇所で2μmで
あり、最小部位は中央のくぼみ部2aに開口する。くぼみ
部2aの直径は0.5mmである。このくぼみ部2aに開口する
溝2の部分の巾dは0.2〜0.3mmであり、一方、各溝2の
最大巾cは1.8mmである。
次に本実施例の作用について説明する。
第3図に示すようにスパイラル状の動圧発生溝2を形
成したスラスト軸受1のすべり面1aに、軸3の端面3aが
対向するように両者を油等の流体膜4を介して配置す
る。本例では粘性40ストークス前後の油を用いる。この
ような状態で軸3をA方向に回転させると、動圧発生溝
2に満たされている流体は、前記溝がスパイラル状で、
かつ幅が回転方向に対して小さくなつているので、溝の
ポンプ作用で圧力を発生する。この時、動圧発生溝2の
深さも軸の回転方向に対して浅くしているので、前記ポ
ンプ作用は助長され、第3図に併記したように軸の中央
部近傍で大きな流体圧が発生する。これにより、スラス
ト軸受1は大きな支持荷重容量が得られるとともに、軸
3等の軸方向浮上量も大きくなる。
また、前記したような溝深さが軸の回転方向に対して
連続的に浅くなる動圧発生溝は、第4図に示すようにテ
ーパ状及び第5図に示すようなパターンでも前記スパイ
ラル用の動圧発生溝と同じ作用をする。また、第6図の
ような溝形状にしても効果的である。第6図のスラスト
軸受のすべり面1aに形成された各溝2は、増圧用の2つ
の部分2A,2Bと回転方向に直交する蓄圧用の溝部2cとで
構成されている。このようなスラスト軸受においても、
許容軸受支持荷重は増大し、安定した支持を実現でき
る。
上記したような動圧発生溝は、第7図に示すような方
法で容易に形成することができる。該図において、金型
5は、スラスト軸受に形成する動圧発生溝を転写したパ
ターンの凸部5aを有している。したがつて、該金型5の
凸部5aを前記スラスト軸受1のすべり面1aに押圧して、
該すべり面に動圧発生溝2を成形する。なお、前記金型
の凸部は全域において均一な高さに加工している。
上記のような状態でスラスト軸受の動圧発生溝を圧印
加工した場合、金型の面圧分布は第8図に示すように内
周部が外周部より高くなる。これにともなつて、金型の
弾性変形は、第9図に示すように内周部が外周部より大
きくなる。そのため、第1図に示したように軸の回転方
向に対して溝深さが連続的に浅くなる動圧発生溝をスラ
スト軸受に成形できる。
上記のように凸部が全域において均一な高さの金型を
用いても、該金型の弾性変形により溝深さが連続的に変
化する動圧発生溝を容易に成形することができる。
また、金型の材料として縦弾性係数の異なる種種の材
質を選定することにより、前記金型の弾性変形量が異な
り、外周部と内周部の溝深さの割合が異なる動圧発生溝
を形成することができる。
本実施例では、金型の凸部を全域において均一な高さ
にしているが、前記凸部の高を部分的に変えることによ
り、任意の溝深さの動圧発生溝を成形することができ
る。
本実施例によれば、動圧発生溝の深さを軸の回転方向
に対して浅くなるようにしているので、前記溝のポンプ
作用が助長され、大きな支持荷重容量及び軸方向浮上量
を得ることができる。また、前記したような動圧発生溝
は、該溝形状を転写した凸部を有する金型をスラスト軸
受のすべり面に押圧することにより容易に成形できるの
で、フオトエツチングに比べて加工時間を大幅に短縮で
きる。さらに本発明のスラスト軸受をVTRのシリンダ部
に用いると、大きな支持荷重容量及び軸方向浮上量を得
ることができるので、回転負荷トルクを小さくすること
ができる。
以上の実施例では溝を形成したスラスト軸受を静止部
材としたが対応部材とは相対的な関係で同作用を奏する
から固定部材に適用しても差し支えない。
第10図は本発明の適用例となる磁気記録再生装置の斜
視図であり、7はその全体を示し、図では部分的に外箱
を透明にしてシリンダ8が見えるようにしてある。この
シリンダ8を例示したものが第11図である。
第11図の例では溝加工を施こしたスラスト軸受を回転
部材に適用している。この図において9はモータであ
り、10は上シリンダ、11は下シリンダを示す。すべり面
に動圧発生溝を形成したスラスト軸受は、前記すべり面
が軸3に対向するように上シリンダに結合されている。
このような状態でモータ9の駆動力で上シリンダ10を回
転させると、スラスト軸受1も回転するから、これに伴
つて溝面も回転し、前記動圧発生溝のポンプ作用により
流体圧を発生し、上シリンダを軸方向に浮上支持する。
上記のように本発明を適用したスラスト軸受は、大き
な浮上量を得ることができるので、回転負荷トルクの小
さいVTRシリンダユニツトを実現できる。
第12図及び第13図に静止部材と回転部材との関係にお
いて本発明における溝の形成をどのようにするかを模式
的に示す。第12図はスラスト軸受の場合の、第13図はラ
ジアル軸受の場合の、夫々回転方向による溝深さの関係
を示したものである。尚、ラジアル軸受は軸部材を溝加
工する代わりに対抗部材たる外筒内面に溝加工を施こし
ても良い。両図が示すように回転と静止とは相対的な関
係である。また本発明において回転方向に向けて浅い
(深い)という関係は第12図及び第13図によつて定義さ
れる。
第14図は、本発明の他の実施例を示すものであり、本
発明はVTRの回転記録機構部としてラジアル軸受に応用
した場合の一実施例である。
第14図における回転記録機構は、回転シリンダ13と、
この回転シリンダ13の外周端に設置された信号の書込み
あるいは図示しないテープに記録された信号の読出しに
用いられるヘツド14(このヘツド14は、通常2以上設け
られる。)と、固定シリンダ15と、固定シリンダ15から
立設され回転シリンダ13と嵌合する軸16と、回転駆動力
を発生するモータ(ステータ17とロータ18)と、ヘツド
14と図示しない信号処理部との間での信号の送受信を行
うための非接触式の信号伝達部(固定子19と回転子20が
相当する。)とを含む。軸16の一端は、固定シリンダ15
の中央部に設けた穴に圧入,焼ばめ等により固定されて
いる。軸16の他端は、回転シリンダ13の中央部に設けら
れた軸受部である軸受ハウジング21の穴に微小な隙間を
有して挿入されている。この結果、回転シリンダ13は、
軸16の周りを回転可能となり、軸16との間でラジアル軸
受12が形成される。軸受ハウジング21の一端(図におい
ては、上端)には、軸16の端面22との間でスラスト軸受
装置を形成するためのスラスト軸受板23がねじにより取
付けられている。これにより、回転シリンダの上下方向
の位置が規制される。回転シリンダ13には、ヘツドベー
ス24を介してヘツド14が取付けられており、このヘツド
14は回転シリンダ13の外周面25よりわずかに突出する様
に配置される。また、回転シリンダ13には、ヘツド14に
よつて読取られた信号を静止部材側に伝送するため、あ
るいは静止部材側から送られてきた信号をヘツド14に伝
送するための回転側送受信コイル20が設けられる。固定
シリンダ15には、このコイル20と対向して静止側送受信
コイル19が設けられている。更に、回転シリンダ13と固
定シリンダ15には、モータの回転子18と固定子17とが夫
々対向して設置されている。
第14図の装置は、モータ(18,17)により回転シリン
ダ13を回転させ、回転シリンダ13の外周面25および固定
シリンダ15の外周面26にヘリカルに巻付けられている磁
気テープ(図示せず)にヘツド14によつて信号を書込ん
だり、磁気テープに記録されている信号を読出す機能を
有する。ヘツド14による記録に際して、磁気テープのト
ラツク幅は、高密度の記録を実現するため、非常に狭く
(通常数10μm程度)なつている。このため、回転シリ
ンダ13は、極力小さな振れ回りにすることが要求され
る。一般には、10μm以下の振れ回り量に制御しない
と、良好な記録,再生が得られないことが、実験等で明
らかにされている。
回転部の振れ回りを小さく押えるには、回転部の重量
及び不釣合重量に対して、十分大きな軸受支持力を有す
ることが有効である。そこで、第13図の装置では、軸受
ハウジング21の穴部の内周面に動圧発生用の溝群27,2
7′を設けている。この軸受ハウジング21の部分を詳細
に示すのが第14図である。溝群27(あるいは27′)を形
成する夫々の溝形状は、軸受ハウジング21の運動方向
(図中矢印Xの方向)に対して、運動方向側(進行側)
が上下に開き、後方に行くに従い徐々に狭くなつている
2つの溝部27A,27Bと、この2つの溝部27A,27Bの最も狭
くなつた部分間を連続させる軸16方向と平行な溝部27C
とで構成されている。27A,27Bおよび27Cで構成される溝
は、運動方向Xに、いいかえればハウジング21の内周面
の周方向に複数個並設されて、溝群27(あるいは27′)
を形成している。第14図に示す如き動圧発生用の溝を用
いた場合、回転シリンダ13の回転にともない軸受ハウジ
ング21の回転運動により、軸16とハウジング21の内周面
との間に介在する流体(この例の場合、空気であるが、
他の気体あるいは、潤滑油等の液体でも良い。)を溝部
27A,27Bに沿つて流入させ動圧力を発生させ、しかもこ
の流入した流体を溝部27Cにより保持させることができ
る。すなわち、溝群27は、傾斜溝部である27Aおよび27B
によつて軸受支持荷重を増大させる増圧機能と、増圧さ
れた支持荷重を溝部27Cによつて保持する蓄圧的機能と
を備えており、支持荷重の増大を実現している。この の溝は、従来のV溝に比し、高い許容軸受支持荷重を実
現している。この結果、回転シリンダ13の振れ回りは非
常に小さくなり、良好な記録,再生を達成する上で大き
な役割を果たしている。以上は溝の巾方向について説明
したが、この実施例も当然第12図に述べた通り外側程深
く内側程浅い溝深さを有していることは言うまでもな
い。また、第15図に示す溝を用いた場合、軸と軸受ハウ
ジング内周面との接触面積小さく、かつ流体の保持性能
は極めて高く、回転運動が低下した場合の軸と軸受ハウ
ジング内周面との接触による不具合はなくなる。
上述した第14図および第15図に示した実施例では、軸
受ハウジング21の内周面に動圧発生用の溝群27,27′を
形成した場合を示したが、本発明はこれに限定して考え
るべきでない。すなわち、軸に動圧発生用の溝群を形成
した場合でも良いのは当然である。また、上述した実施
例では、軸を静止部材として軸受部を回転部材とした
が、本発明はこれに限定すべきでなく、軸が回転部材と
なり軸受部が静止部材となつても良いのは当然である。
また、軸が回転部材となつた場合において、動圧発生用
の溝は、軸表面あるいは軸受面のいずれかに形成されて
も良く、それらは本発明の思想の範疇にあると考えるべ
きである。
次に、本発明の更に他の実施例である第16図および第
17図において説明する。第16図は実施例装置の全体構成
を示し、第17図は第16図における軸16の部分拡大図を示
す。第16図において、回転シリンダ13は、その中央部に
軸16を有している。したがつて、軸16は、回転シリンダ
13と共に回転運動をする。固定シリンダ15は、その中央
部に軸受ハウジング28を有しており、軸受ハウジング28
の穴には軸16が回転可能な若干の隙間を有して挿入され
ている。ヘツド14がヘツドベース24を介して回転シリン
ダに設置される点、回転子18と固定子17とでモータが構
成される点、図示しない磁気テープが外周面25および26
にヘリカルに巻付けられ、ヘツド14により信号の記録。
再生が行なわれる点、溝の深さの変化の点については、
第14図の実施例の場合と同様である。なお、第16図にお
いては、非接触式の信号伝達部は図面の記載から省略し
た。
第16図における軸16には、上下に動圧発生用の溝群2
9,29′が形成されている。すなわち、第17図に示すよう
に溝は、2つの傾斜溝部29Aと29B(29A′と29B′)とで
構成される増圧用の溝部と、それらの最狭部を連絡する
蓄圧用の溝部29C(29C′)とで構成され、この溝を回転
運動方向Xに複数個ほぼ等ピツチで並設して溝群が形成
されている。回転シリンダ13の回転による軸16の回転に
より、軸16と軸受ハウジング28の内周面との間に外部か
ら供給されあるいは存在している流体の動圧発生用の溝
の昇圧用溝部29A,29Bに沿つて流入昇圧させ、この昇圧
された流体を蓄圧用の溝部29Cによつて保持する。これ
によつて、回転シリンダ13の振れ回りを非常に小さく押
えることができる。なお、本実施例で用いている流体
は、空気であるが、他の気体、あるいは潤滑油等の液体
であつても良い。ただし、潤滑油等の液体を用いる場
合、液体のリーク防止のための配慮並びに外部から軸受
部への液体の補充のための通路の形成等の配慮をすべき
である。したがつて、例えば潤滑油を使用すると、若干
構造が複雑となる。本発明の上記実施例に示した溝形状
を有する軸受は従来の軸受よりも常にその支持荷重の値
が大となる。これは、上述したように回転部の振れまわ
りを小さくする上で極めて有用である。
なお、本発明における動圧発生用の溝形状は、上述し
たものに限られず、例えば、第18図や第19図に示すよう
に、2つの傾斜溝部27A,27Bと、中央部の連絡溝部27Cと
の接合点においていくぶん丸みをもたせても良く、また
27A,27B,27Cのいずれかがいくぶん曲線であつても良
い。このような丸みを設けると、機械加工により溝を形
成する場合に加工性が向上し、また加工精度も向上す
る。溝全体を半円状,楕円状、その他の曲線状として
も、溝の傾斜角を中央に行くに従い大きくなるようにす
れば、V溝の場合よりも高い許容軸受支持荷重が得られ
る。
なお、ラジアル軸受の動圧発生用の溝に関し、傾斜溝
27A,27B,の溝幅と蓄圧用の溝部27Cの溝幅は、同じとし
ても良いし、異ならせても良い。27Aあるいは27Bの溝幅
と27Cの溝幅に差をもたせて、性能をコントロールし、
これによつて適用する装置に最適なものとすることがで
きる。また、溝の形成は、エツチング切削等のような方
法でも良い。例えば、溝に相当する部分以外の部分を溶
着,蒸着等により肉盛りし、結果的に溝を形成するもの
でも良い。尚、溝形のスラスト軸受の場合は押圧成形に
よる方法が最も簡便であり望ましいことは前述の通りで
ある。
上述した説明では、動圧を発生するための手段として
溝の場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。
溝のかわりに上述した各実施例と同様の形状を有する突
起部を設けても良い。この場合、突起部の形成は、どの
ような加工方法によつても良い。突起部は、やはり傾斜
部を必須とし、それらを連絡する連絡突起部を併用して
も良い。この場合は、回転部材の回転により流体は、傾
斜部に沿つて増圧し、連絡突起部にて蓄圧保持される。
従つて、突起部の場合も、溝の場合と同様の作用とな
り、同様の効果を達成できる。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、本発明によれば、軸受支
持荷重が大きく、安定した支持をすることのできる軸受
装置を実現できる。
更に本発明によれば、動圧発生溝のポンプ作用が助長
され、大きな支持荷重容量及び軸方向浮上量が得られる
スラスト軸受を提供できる。このため、前記軸受のすべ
り面での損失トルクが少なく、摩耗量も大幅に減少する
効果がある。
また、前記動圧発生溝は、塑性加工法で容量に成形で
きるので、従来のフオトエツチング法に比べて加工時間
が短縮され、製造コストも安価になり、生産性が著しく
向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係るスラスト軸受の断面
図、第2図は第1図のスラスト軸受の正面図、第3図は
第1図のスラスト軸受面の圧力分布を示す模式図、第4
図,第5図,第6図は夫々本発明の他の実施例に係るス
ラスト軸受の正面図,第7図は第1図のスラスト軸受の
成形法を示す金型込みの断面図、第8図は軸受成形時の
金型面圧を示す模式断面図、第9図は同じく弾性変形を
示す模式断面図、第10図は本発明のスラスト軸受を用い
たVTRの斜視図、第11図は第10図のVTRに組み込むVTRシ
リンダユニツトの断面図、第12図は本発明をスラスト軸
受に適用した場合の溝の深さ方向を定義する為の軸受平
面図、第13図は同じくラジアル軸受に適用した場合の溝
の深さ方向を定義する為の軸受斜視図、第14図,第16図
は夫々第10図のVTRに組み込むVTRシリンダユニツトの他
の実施例断面図、第15図は第14図の装置に適用するラジ
アル軸受部近傍の部分断面図、第17図は第16図の装置に
適用するラジアル軸受の斜視図、第18図,第19図は夫々
本発明の他の実施例に係るラジアル軸受側面の模式図で
ある。 1……スラスト軸受、2……動圧発生溝、3……軸、4
……流体膜、5……金型、7……磁気記録再生装置、8
……シリンダ、9……モータ、10……上シリンダ、11…
…下シリンダ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 和夫 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (72)発明者 森川 寿一 茨城県勝田市大字稲田1410番地 株式会 社日立製作所東海工場内 (72)発明者 平山 国明 茨城県勝田市大字稲田1410番地 株式会 社日立製作所東海工場内 (56)参考文献 特開 昭63−266209(JP,A) 特開 昭63−238941(JP,A) 特開 昭52−123451(JP,A) 実開 平2−16819(JP,U) 実開 昭63−198822(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16C 17/04 F16C 33/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】すべり面にスパイラル状の溝を設けた回転
    部材が流体膜を介して前記回転部材のすべり面に対向す
    るように配置された静止部材により浮動支持された軸受
    装置であって、前記スパイラル状の溝は前記回転部材の
    外周部で閉鎖されており、前記スパイラル状の溝の深さ
    が前記回転部材の回転方向に沿って深くなるように形成
    された軸受装置の製法において、前記スパイラル状の溝
    を、前記スパイラル状の溝を転写したパターンであって
    その高さが均一である凸部を有する金型を前記回転部材
    に押圧することによって形成することを特徴とする軸受
    装置の製法。
JP63309988A 1988-12-09 1988-12-09 軸受装置の製法 Expired - Lifetime JP2781573B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63309988A JP2781573B2 (ja) 1988-12-09 1988-12-09 軸受装置の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63309988A JP2781573B2 (ja) 1988-12-09 1988-12-09 軸受装置の製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02159412A JPH02159412A (ja) 1990-06-19
JP2781573B2 true JP2781573B2 (ja) 1998-07-30

Family

ID=17999786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63309988A Expired - Lifetime JP2781573B2 (ja) 1988-12-09 1988-12-09 軸受装置の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2781573B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5328272A (en) * 1991-12-23 1994-07-12 International Business Machines Spindle system for a disk drive
JP2000320545A (ja) 1999-05-07 2000-11-24 Sumitomo Electric Ind Ltd 動圧気体軸受

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63238941A (ja) * 1987-03-27 1988-10-05 Mitsubishi Electric Corp 流体軸受製造方法
JPS63266209A (ja) * 1987-04-20 1988-11-02 Hitachi Ltd 動圧型流体軸受装置
JPS63198822U (ja) * 1987-06-11 1988-12-21
JPH0216819U (ja) * 1988-07-21 1990-02-02

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02159412A (ja) 1990-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4961122A (en) Hydrodynamic grooved bearing device
US5504637A (en) Disk rotating device having dynamic-pressure fluid bearings
US5283491A (en) Air-bearing motor assembly for magnetic recording systems
US20030174917A1 (en) Dynamic pressure fluid bearing device
US6552456B2 (en) Hydraulic dynamic pressure bearing motor
JP4602497B2 (ja) 軸受装置及びこれを適用したスピンドルモータ組立体
JP3514958B2 (ja) 流体ベアリング装置
JP2781573B2 (ja) 軸受装置の製法
WO2005046029A1 (en) Motor
JPH10141362A (ja) 均一動圧分布を持つ動圧形流体ベアリング装置
JPH0432468B2 (ja)
US6805489B2 (en) Dynamic pressure bearing device
JPS63266209A (ja) 動圧型流体軸受装置
US6838795B2 (en) Low velocity, high pressure thrust pump
JP2997499B2 (ja) 軸受装置とその製法
US20030117906A1 (en) Apparatus and method for optimizing hydrodynamic groove shape
CN1188863A (zh) 防止半球变形的半球支承装置
JPS5850320A (ja) 軸受装置
JP2800278B2 (ja) 動圧軸受装置
JPS6338852B2 (ja)
JP2506931B2 (ja) 流体軸受装置
JPH0337413A (ja) 軸受装置とその製法
JP3537006B2 (ja) スピンドルモータ
KR100196936B1 (ko) 유체 베어링 장치
JPS59198849A (ja) 動圧溝付モ−タユニツト