JP2779706B2 - プリントコイル形トランス - Google Patents
プリントコイル形トランスInfo
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- JP2779706B2 JP2779706B2 JP8502998A JP50299895A JP2779706B2 JP 2779706 B2 JP2779706 B2 JP 2779706B2 JP 8502998 A JP8502998 A JP 8502998A JP 50299895 A JP50299895 A JP 50299895A JP 2779706 B2 JP2779706 B2 JP 2779706B2
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- Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
Description
チョークコイルに用いて好適なコイル構造体に係り、特
にトランスとして用いる場合の磁気結合が良好で、低損
失且つ高周波特性の良好な装置に関する。
品で、一次側と二次側との間を絶縁すると共に、二次側
の電圧が一次側の電圧と巻線比に応じて定まる性質を有
する。そして、スイッチング電源用のトランスには、導
線をボビンに巻いて構成する線巻トランスが普及してお
り、特に磁芯たるコアの寸法はJISやIEC等の規格によっ
て標準化されている。
特開昭63−173308号公報に開示された、単一の多層プリ
ント回路基板に巻線を配設したプリントコイル形トラン
スが知られている。このような構成によれば、巻線が極
めて近接して配置されているので、漏れインダクタンス
を介しての損失が低減する。しかし、本発明者がさらに
詳細な検討を加えたところ、漏れインダクタンス以外の
損失の寄与も大きいため、さらなる低損失化が必要にな
ってきた。
ル形トランスにはスイッチング電流に起因する一次回路
−二次回路の寄生電流を最小化して低損失かすることが
知られている。しかし、本発明者がさらに詳細な検討を
加えたところ、多層プリント回路基板の積層順序を考慮
しただけでは、低損失化が不充分であることが判明し
た。
損失が最小化されるコア形状を有する小型のプリントコ
イル形トランスを提供することを目的とする。
のコイルを絶縁性樹脂を用いて厚み方向に積層したコイ
ル積層体40の当該渦巻きの中心にEE形コア若しくはEI形
コアの中足コア33を配置して、当該複数コイル間の磁気
的結合を得る平面形トランスであって、前記コアの断面
積を脚部コア34と連結部コア35で大略一致させ、前記中
足コアの断面積Aeを当該脚部コアの断面積の大略2倍に
し、且つコア体積Veとの関係で次式を充足すると共に、 1.4≦Ve1/3/Ae1/2≦1.7 前記コアの中足コアと脚部コアとの間隔wと、前記中
足コアの高さhとの間には次式を充足すること、 0.5≦h/w≦2 を特徴としている。
均一にした磁束密度をほぼ一定に保持しているので、損
失が局所的に増大することがない。また、コアの中足コ
アと脚部コアにより形成される窓部でコイル断面を囲っ
ているが、コア形状を最適化することでコイル抵抗を最
小化することができ、トランスの小型化に寄与する。
図で、一部を破断してある。
を説明する概念図である。
る。
なるもので、コア窓の寸法比(h/w)が1の場合の構成
図である。
る。
る。
る。
る。
の一実施例を示す組立状態の構成斜視図で、コイル積層
体の一部を破断してある。図において、コイル積層体40
は、従来のボビンと導線を一体化したもので、具体的な
詳細構造は例えば本出願人の提案にかかる特開平6−31
0345号公報に開示してある。コイル積層体40の中央には
コア穴41が形成されており、上部コア31と下部コア32の
中足コアが挿入される。端子42はコイル積層体40の上部
コア31と下部コア32の脚部コア34が装着される辺と直交
する他の二辺に埋め込んである。
断面を示している。ここでは二次側コイル45が中程に二
層あり、その上下各1層を一次側コイル44で挟んでい
る。コア穴41に近い位置に、上下各1層の一次側コイル
44を連絡する内部連絡端子43aと、全ての一次側コイル4
4と二次側コイル45を連絡する内部連絡端子43bが設けら
れている。また、コイル積層体40の両側には端子42が設
けられているが、一方は上下各1層の一次側コイル44を
連絡する一次側端子42aであり、他方は二層の二次側コ
イル45を連絡する二次側端子42bとなっている。コイル
の巻数については、一次側コイル44の各一層については
3ターン、二次側コイル44の各一層については2ターン
となっている。コイルの各層間は絶縁性樹脂で充填され
ているので、各種の安全規格取得に必要とされる離隔距
離が0.6mmと薄いので、トランスの更なる小型化が可能
になる。
上部コア31と下部コア32を組み立てた状態の正面図、
(B)はコアの平面図、(C)はコアの断面積を説明す
る斜視図である。中足コア33の直径はDで表され、この
直径Dは脚部コア34の幅Cと同一値になっている(D=
C)。連結部コア35の長さはAであり、脚部コア34の内
側側面の間隔はEになっており、脚部コア34の厚さはb
としている。また、脚部コア34の内側側面と中足コア33
の対抗する周面との間隔はwとなっている。そこで、次
の関係が成立している。
連絡部コア35の高さはHであり、連絡部コア35の対向す
る間隔はhになっている。また、連絡部コア35の厚さは
tであるが、次の関係が成立している。
面積Ae34並びに中足コア33の磁束方向の断面積Ae33は、
連結部コア35→脚部コア34→中足コア33を通る磁束線1
本当たりの断面積に対してほぼ等しい値に定め、磁束密
度が局所的に高まって損失が増大するのを防止してい
る。ここで中足コア33については2本の磁束線が通過す
ることから断面積Ae33は、他のコアの断面積Ae35、Ae34
の2倍になっており、コア断面積Aeを中足コア33の断面
積Ae33と定義すると、次のようになっている。
34並びに中足コア33の磁束方向の体積Ve33を合計したも
のとして、コア体積Veが表されるから、次式が成立して
いる。
定義される無次元化した係数kであらわす。
4)}1/3 (6) 次に、コイルの鉄損PFeと銅損PCuの関係式を説明す
る。ここで、鉄損とは時変磁化力により磁気鉄心で消費
される電力をいい、ヒステリシス損と渦電流損がある。
鉄損PFeは次式により表される。
Bは磁束密度、fswはスイッチング周波数である。磁束
密度Bとスイッチング周波数fswが一定であれば、鉄損
PFeはコア体積Veに比例する。
荷によるI2R損失、漏れ電流による漂遊損失、並列巻線
における循環電流等によって生ずる損失が含まれる。銅
損PCuは次式により表される。
Bと巻数Nとの間には次の関係が成立している。
Nに代入すると、次式が得られる。
説明する概念図である。トランス損失Plossは、コイル
の鉄損PFeと銅損PCuの和で定義される。(7)式で表
したように、鉄損PFeはコア断面積Aeの増大と共に増加
する傾向がある。他方、銅損PCuはコアは断面積Aeの増
大と共に減少する傾向がある。そこで、両者の和で表現
されるトランス損失Plossでは、損失を最小化させる最
適のコア断面積Aeが存在することになる。
を、図3を参照して決定することが問題になる。いま、
銅損PCuに関係するコア形状whを一定とすると、鉄損P
Feは(5)式よりh=wのとき最小値をとる。コア窓幅
Eを与件とすると、コイル通過断面幅wは(1)式より
次のようになる。
であらわされる。
ればよい。(12)式の値を最小化するのは、次の条件が
成り立つときである。
は(1)式と(4)式より次のようになる。
であらわされる。
ればよい。(15)式の値を最小化するのは、次の条件が
成り立つときである。
トランス損失を最小にするコア形状は(13)式と(16)
式から次の範囲となる。
(A)はUU形コアをコイル積層体に装着した状態、
(B)はコイル積層体単体を示している。U形コアは連
結部コア37とこの両端に設けられた2本の脚部コア36を
有している。二穴形コイル積層体50は、2個のコア穴51
a,51bを有するもので、詳細な構造は、例えば本出願人
の提案にかかる特開平6−333759号公報に開示されてい
る。端子52は二穴形コイル積層体50のコアを装着する方
向に沿って、両側の縁に1列づつ設けられている。二穴
形コイル積層体50には、UU形コア若しくはUI形コアが装
着されて閉磁路を形成する。
UU形コアを組み立てた状態の正面図、(B)はU形コア
の平面図である。説明の便宜上図6では、図3と同一の
符号を用いているが、図6特有の値を持っている。脚部
コア36の直径はDで表される。連結部コア37の長さは
A、厚さはt、幅はCであり、脚部コア36の内側周面の
間隔は2wとしている。そこで、コア体積Veとコア断面積
Aeについて次式が成立している。
を、図6を参照して決定することが問題になる。いま、
銅損PCuに関係するコア形状whを一定とすると、鉄損P
Feは(19)式よりh=wのとき最小値をとる。コア窓幅
Eを与件とすると、コイル通過断面幅wは図6(B)よ
り次のようになる。
の(12)式と同一になるから、(12)式の値を最小化す
る値も、前出の(13)式の場合がトランス損失Plossを
最小にする。
は図6(B)より次のようになる。
であらわされる。
ればよい。(24)式の値を最小化するのは、次の条件が
成り立つときである。
トランス損失を最小にするコア形状は(13)式と(25)
式から次の範囲となる。
場合を考察する。図7は図8と図9の実施例に対して基
準となるもので、コア窓の寸法比(h/w)が1の場合の
構成図であり、(A)はEEコアをコイル積層体に装着し
た状態の平面図、(B)は(A)のB−B断面図で、実
質的に図1の装置を組立た後の状態を示している。(1
1)式のところで述べたように、鉄損PFeはh=wのと
き最小値をとる。
の寸法比(h/w)が1/2の場合の構成図であり、(A)は
EEコアをコイル積層体に装着した状態の平面図、(B)
は(A)のB−B断面図である。h/w=1/2の場合にトラ
ンス損失を最小にする係数kは、前出の(11)〜(18)
式と同様の手順で計算をすると、次の範囲になる。
る。しかし、トランスとしての実用上では差し支えない
程度と考えられている。
イル積層体40の断面を偏平にすることができ、導体を更
に偏平にできる。そこで、銅損に関係する交流抵抗は、
表皮効果から導体表面積が多いほど低減できるという性
質により、銅損が減少するから、実質的なトランス損失
の増大は5%より小さい物となる。
の寸法比(h/w)が2の場合の構成図であり、(A)はE
Eコアをコイル積層体に装着した状態の平面図、(B)
は(A)のB−B断面図である。h/w=2の場合にトラ
ンス損失を最小にする係数kは、前出の(11)〜(18)
式と同様の手順で計算をすると、次の範囲になる。
る。しかし、トランスとしての実用上では差し支えない
程度と考えられている。
イル積層体40の断面を縦長にすることができる。その結
果、コイル積層体40の平面寸法が小さくなり、トランス
実装面積が少なくて済む。例えば、図9と図7を比較す
ると、トランス実装面積は縦長にすると等倍の場合の1/
2で済む。そこで、高密度実装が要求される分野のよう
に、トランス実装面積が少なくて済むことが利点となる
用途に適している。
寸法比(h/w)が1/2〜2の範囲で、トランス損失を最小
とするトランス形状は、(18)、(27)、(28)並びに
(29)式で説明したように係数kが次の範囲にあればよ
い。
例1に相当する本発明品との比較を説明する。表1は従
来型トランスと本発明品(係数k=1.61)の特性比較図
で、上6項目はコア形状に関するものであり、下2項目
はトランス損失に関するものである。
高さHが低く、また長さAも10%程度短くなっている。
そこで、コア体積Veは20%程度小さくなっており、逆に
コア断面積Aeは30%程度大きくなっている。コア体積Ve
が小さくなれば、磁性材料の使用量が少なくてすむか
ら、軽量且つ安価に製造できることになる。コア窓の寸
法比は、従来型トランスがh/w≒1/2と偏平であるのに対
して、本発明品ではh/w≒1.5と縦長になっている。そし
て、トランス損失は銅損が40%小さくなり、鉄損も18%
小さくなっているから、トランスとしての性能は良好に
なっていることが判る。
(A)はEE形コアをコイル積層体に装着した状態、
(B)はコイル積層体単体を示している。図11はEE形コ
アの形状を説明する構成図で、(A)はEE形コアを組み
立てた状態の正面図、(B)はE形コアの平面図であ
る。この実施例5は図3の実施例の変形であって、図3
の実施例の場合は、中足コア33の直径Dと連結部コア35
の幅Cが等しかったが、ここではD<Cに選定されてい
る。このように構成すると、脚部コアの厚さbを薄くす
ることができ、コア窓の寸法h,wを大きくとれるからコ
ア窓面積hwを増加させることができる。その結果、更に
トランスの小型化と薄型化ができるという効果がある。
(A)はEI形コアをコイル積層体に装着した状態、
(B)はコイル積層体単体、(C)はEI形コアを組み立
てる状態の説明図である。この実施例6は図3の実施例
の変形であって、コア30をEE形コアに代えてEI形コアと
したものである。このようにしても実質的に同一のコア
窓形状h,wとすることで実施例1と同一の効果が得られ
る。
比(h/w)を0.5から2の範囲にすると共に、コアの形状
を表す係数k(=Ve1/3/Ae1/2)を1.4から1.7の範囲に
あるように選定しているので、銅損と鉄損から定まるト
ランス損失が最小化されるという効果がある。また、従
来のJISFEER25.5等に規定されたトランスに比較して、
トランス形状が小型化されるという効果もある。
あり、装着されるコアもそれぞれEE形とUU形が選定され
るので、このコア形状に応じてコア窓の寸法比と係数k
が30式で定義される。
Claims (2)
- 【請求項1】複数の同心渦巻き状のコイルを絶縁性樹脂
を用いて厚み方向に積層したコイル積層体(40)の当該
渦巻きの中心にEE形コア若しくはEI形コアの中足コア
(33)を配置して、当該複数コイル間の磁気的結合を得
る平面形トランスであって、 前記コアの断面積を脚部コア(34)と連結部コア(35)
で大略一致させ、前記中足コアの断面積(Ae)を当該脚
部コアの断面積の大略2倍にし、且つコア体積(Ve)と
の関係で次式を充足すると共に、 1.4≦Ve1/3/Ae1/2≦1.7 前記コアの中足コアと脚部コアとの間隔(w)と、前記
中足コアの高さ(h)との間には次式を充足すること、 0.5≦h/w≦2 を特徴とするプリントコイル形トランス。 - 【請求項2】複数の同心渦巻き状のコイルを絶縁性樹脂
を用いて厚み方向に積層し、当該渦巻きの中心を複数有
する2穴形コイル積層体(50)にUU形コア若しくはUI形
コアの脚部コア(36)を配置して、当該複数コイル間の
磁気的結合を得る平面形トランスであって、 前記脚部コアの断面積(Ae)を連結部コア(37)の断面
積と大略一致させ、且つコア体積(Ve)との関係で次式
を充足すると共に、 1.4≦Ve1/3/Ae1/2≦1.7 前記脚部コアの内周面相互の間隔(2w)と、前記脚部コ
アの高さ(h)との間には次式を充足すること、 0.5≦h/w≦2 を特徴とするプリントコイル形トランス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8502998A JP2779706B2 (ja) | 1994-06-29 | 1995-06-15 | プリントコイル形トランス |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14770294 | 1994-06-29 | ||
JP6-147702 | 1994-06-29 | ||
JP8502998A JP2779706B2 (ja) | 1994-06-29 | 1995-06-15 | プリントコイル形トランス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2779706B2 true JP2779706B2 (ja) | 1998-07-23 |
Family
ID=26478162
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8502998A Expired - Lifetime JP2779706B2 (ja) | 1994-06-29 | 1995-06-15 | プリントコイル形トランス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2779706B2 (ja) |
-
1995
- 1995-06-15 JP JP8502998A patent/JP2779706B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Legal Events
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