JP2779704B2 - スペクトル変化系誤差の制御 - Google Patents

スペクトル変化系誤差の制御

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、回転検出用の光ファイバ・ジャイロスコー
プに関し、より詳しくは、干渉応用光ファイバ・ジャイ
ロスコープに関する。
光ファイバ・ジャイロスコープは、回転を検出するた
めの非常に魅力的な手段である。光ファイバ・ジャイロ
スコープは、非常に小さくすることができ、しかも相当
な機械的衝撃、温度変化及びその他の極端な環境条件に
耐えられる構造に作ることができる。また、可動部がな
いため、ほとんど保守が不要であり、コスト面で経済的
になる可能性がある。また、光ファイバ・ジャイロスコ
ープは、他の種類の光ジャイロスコープにおいて問題と
なるような低回転速度に対しても、十分な感度を確保す
ることができる。
周知のサニャック効果を利用して適切な軸の回りの回
転を検出する様々な形の光学慣性回転センサがある。こ
れらの回転センサには、リングレーザ・ジャイロスコー
プのような、光共振器内に利得媒体を有する能動型光ジ
ャイロスコープと、干渉応用光ファイバ・ジャイロスコ
ープやリング共振型光ファイバ・ジャイロスコープのよ
うな、主光路に利得媒体を全く持たない受動型光ジャイ
ロスコープとがある。ジャイロスコープの主光路沿いに
能動型媒体を設けることを避けることによって、低回転
ロックイン、バイアスドリフト及びスケールファクタ変
動の一部の原因等、能動型ジャイロスコープで見られる
いくつかの問題をなくすことができる。
干渉応用光ファイバ・ジャイロスコープは、通常、相
当な長さ、典型的には100〜2,000メートル長の単一空間
モード光ファイバを使用し、光ファイバは閉光路に形成
するようコアに巻装されたコイルの形をなす。そして、
電磁波または光波を導入し、これらを一対の波に分波し
て、互いに逆方向にコイル中を伝播させてから、最後に
光検出器に入射させる。コアまたはコイル状光ファイバ
の検出軸の回りの回転が起こると、この一対の電磁波の
一方の波に対して一方の回転方向においては実効光路長
が長くなり、逆の回転方向では実効光路長が短くなる。
この電磁波対のもう一方の波については、このような回
転で反対の結果が起こる。このような電磁波対間の実効
光路長の差は、どちらの回転方向においても、干渉応用
光ファイバ・ジャイロスコープ中のこれらの波の間に位
相変化を生じさせ、いわゆる当技術分野で周知のサニャ
ック効果が生じる。コイル状光ファイバの使用が望まし
いのは、回転による位相差の変化量、従って出力信号の
大きさは2つの反対向きの方向性電磁波がそれに沿って
進行する光路全体の長さよって決まるからである。従っ
て、長い光ファイバで比較的大きい位相変化の差が得ら
れるばかりでなく、コイル状に巻装することによって光
ファイバが占める容積が比較的小さくなる。
コイル状光ファイバを通過した後入射する互いに逆方
向に進行する電磁波に応答して光検出器システムのフォ
トダイオードから生じる出力電流は、余弦関数のべき乗
に従って変化する。すなわち、出力電流は、これらの2
つの電磁波の間の位相差の余弦に従って変化する。余弦
関数は偶関数であるから、このような出力関数では、位
相差の相対的な変化方向に関する指示、従って軸回りの
回転方向に関する指示は全く得られない。さらに、位相
値ゼロの近傍における余弦関数の変化率は非常に小さ
く、従って、このような出力関数は、低回転速度におけ
る感度が非常に低くなる。
このような不都合な特性があるために、2つの電磁波
間の位相差は、通常、コイル状光ファイバの一方側に設
けた光位相変調器によって変調される。その結果、互い
に逆方向に進む波の一方の波は、コイルに入った直後に
変調器を通過するが、これと反対の方向にコイル中を進
むもう一方の波は、コイルから出る直前に変調器を通過
することになる。さらに、光検出器の出力電流を受け取
るために位相検出復調器が用いられる。これらの光位相
変調器及び位相検出復調器は、どちらも、通常制限波信
号発生器によって駆動されるが、同様の基本周波数を有
する他の種類の波形の信号を使用することも可能であ
る。
その結果生じる位相検出復調器の信号出力は、正弦関
数に従って変化する。すなわち、出力信号は、フォトダ
イオードに入射する2つの電磁波の間の位相差の正弦
値、主としてコイルの軸回りの回転による位相変化の正
弦に従属する。正弦関数は、ゼロで変化率が最大になる
奇関数であり、ゼロの両側で代数符号が変わる。従っ
て、位相検出復調器の出力信号では、コイルの軸回りの
どちらの方向に回転が行われているかの指示と、信号値
の最大の変化率の両方を、回転速度ゼロの近傍における
回転速度の関数として得ることができる。すなわち、位
相検出復調器は、位相変化ゼロの近くで最大感度を有
し、その出力信号は低回転速度に対して非常に高い感度
を示す。もちろん、これが可能なのは、他の原因による
位相変化、すなわち誤差が十分小さい場合だけである。
さらに、これらの情況におけるこの出力信号は、比較的
低い回転速度で非常に線形に近い。位相検出復調器の出
力信号のこのような特性は、光検出器の出力電流の特性
よりも大幅に改良されている。
しかしながら、他の原因による誤差分の位相変化を小
さくすることは、光ファイバ・ジャイロスコープにおい
て難しい問題である。光検出器に達する電磁波の誤差の
位相変化を避けるためには、少なくとも同じ波長の各干
渉波は同じ光路を進行してから光検出器に達することが
必要である。すなわち、コイル中の進行方向が右回りの
ある波長の電磁波と、コイル中の進行方向が左回りの同
じ波長の電磁波が、コイルの回転が全くない場合、ソー
スから光検出器まで、ほとんど差のない光路をたどって
進行しなければならない。この特性を有する系は、「相
反性を有する」と言われることがしばしばある。最小
限、同じ波長の右回りの電磁波と左回りの電磁波に対応
する光路が、回転がないとき、光学的な光線追跡ベース
で同じでなければならない。この要求を満たす上におい
て、「最小限の相反性を有する構成」は、コイル状光フ
ァイバ10との関連で図1に示すような構成になるという
知見が得られている。図1に示すコイル状光ファイバ10
は、上に述べたように、コアまたはスプールの回りに巻
装され、光ファイバとしては、単一空間モード光ファイ
バを使用し、これを巻装して得られるコイルの軸の回り
の回転が検出されることになる。このような単一モード
の光ファイバを使用すると、電磁波の経路をほぼ一意に
定義することが可能になり、さらにこのように光ファイ
バで導かれる電磁波の波面の位相を一意に定義すること
が可能となる。このことは、相反性を維持する上におい
て非常に役に立つ。
さらに、光ファイバは、光ファイバ中で非常に重要な
複屈折が形成される、いわゆる偏波保持光ファイバであ
ってもよい。それによって、不可避的な機械的応力によ
って、また磁場中のファラデー効果によって、あるいは
その他の原因によって導入され、位相差の変化量がラン
ダムに変化する原因となり得る複屈折が比較的重要でな
くなる。その場合は、基本的に電磁波を伝播させるの
に、系内の他の光学コンポーネント(光学成分)によっ
て、高屈折率軸、すなわ低速伝播軸または“x"軸か、あ
るいは低屈折率軸、すなわち高速伝播軸または“y"軸の
どちらかの軸が選択される。
一方、このような偏波保持光ファイバは、比較的高価
であるため、普通の単一空間モード光ファイバだけ使用
することができるようにしたいという本質的な要求があ
る。この要求は、コイル状光ファイバ10に大部分が普通
の単一モード光ファイバを用いて満たすことができる。
しかしながら、この場合は、コイル10の光ファイバは、
一端部の比較的近くに減偏光子10′(これが他の実施形
態であることを示すため破線で描かれた接合部を有す
る)が挿入されているため、全面的に普通の単一空間モ
ード光ファイバとはならない。この減偏光子は、コイル
10中のどこにあってもよい。この減偏光子が必要なの
は、この形態のコイル10のほとんどの部分に使用される
普通の単一空間モード光ファイバは、温度によって変化
する機械的応力によって、また磁場中のファラデー効果
によって複屈折の変動を生じるためである。このように
変動する複屈折は、光ファイバの中を通るビームの偏光
回転をランダムに変化させ、この変化が大き過ぎて光検
出器でのこれらのビームの干渉が消滅してしまうことさ
えある。
減偏光子10′は、コイル10中において、コイルを巻装
し易いようコイル10の一端部の近くに配置されている。
このような減偏光子は、その中で可能な2つの直交する
偏光モードの電磁波強度を密に等化するとともに、これ
らの偏光モードの相関をなくし、コイル10の残りの部分
における普通の単一空間モード光ファイバでランダムに
変化する複屈折の効果を打ち消して、光学系サブシステ
ム部の出力フォトダイオードにおける逆方向ビームの干
渉が消滅するのを防ぐよう作用する。
このような減偏光子は、2つの長さの偏波保持光ファ
イバ10″及び10∃で形成することができ、この場合後者
の長さを前者のほぼ2倍にすることによって、前者で生
じる光遅延が後者での光遅延の約2倍となるようにして
ある。これらの各々の長さの光ファイバには、高屈折率
軸、すなわち低速伝播軸または“x"軸と、低屈折率軸、
すなわち高速伝播軸または“y"軸があり、これの軸は互
いに直交する。これら各々の長さの光ファイバは、一方
の長さの光ファイバの“x"軸がもう一方の長さの光ファ
イバの“x"及び“y"軸からおおよそ等距離となるよう
に、すなわち、前者の“x"軸が後者の“x"及び“y"軸か
らそれぞれ45゜となるように融着によって接続される。
次に、これらの減偏光子を形成する各長さの光ファイバ
の両端部は、コイル10の普通の単一空間モード光ファイ
バの対応部分に、減偏光子またはこれらの普通の単一空
間モード光ファイバのどちらかの部分を伝播する光ビー
ムがこれらのほぼ全部を通って伝播するようにして、融
着によって接続される。
偏波保持光ファイバまたは減偏光子10′を有する普通
の単一空間モード光ファイバよりなるコイル10は、通
常、中心に関してコイル中の同様の位置にある点が互い
に近傍に位置するように、「四極子」法を用いてスプー
ルに巻装される。これによって、熱勾配のような時間依
存性の現象の作用が互いに逆方向に伝わる電磁波に対し
て互いに異って及ぶ度合を小さくすることができる。
コイル10を通って逆方向に伝播する電磁波は、図1の
電磁波ソースまたは光源11から供給される。この光源
は、通常、超光発光ダイオード、あるいは誘導放出のス
レッショルド以下で動作するレーザダイオードで、どち
らも通常1.3μmの代表的な波長を持つスペクトルの近
赤外部の電磁波を発生する。光源11は、コイル10の散乱
箇所におけるレイリー散乱によるこれらの波の間の位相
変化の差の誤差を小さくするために、放出光に対するコ
ヒーレンス長(可干渉距離)が短くなければならない。
コイル10における非線形カー効果のために、2つの進行
波の強度が異なると、これら2つの波の間に位相差の変
化が生じ得る。この情況は、短いコヒーレンス長のソー
スを光源11に使用して、モード性位相変化を解消するこ
とによって助長され得る。レイリー散乱及び非線形カー
効果は、最小限の相反性を有する構成においても、コイ
ル10中を互いに逆方向に回転する電磁波の間に非相反性
の位相変化を生じさせる。超光発光ダイオードまたは誘
導放出のスレッショルド以下で動作するレーザダイオー
ドは、各々、誘導放出動作モードのスレッショルドを超
えて動作するレーザダイオードよりも広い発光スペクト
ルを有する。
図1のレーザダイオード11と光ファイバコイル10の間
には、コイル10を形成する光ファイバの端部の、光路全
体をいくつかの光路部分に分割するいくつかの光結合コ
ンポートネントに至る延長部によって形成された光路装
置が示されている。偏波保持または普通の単一空間モー
ド光ファイバの一部は、最適発光が確保される位置にあ
るレーザダイオード11のフェースに対向して配置され、
そこから第1の光方向性結合器(カプラ)12まで延びて
これに接続される。一方、方向性結合器12を、一対の光
ファイバでも一対の普通の単一空間モード光ファイバで
も、2本の光ファイバを結合領域で融着接続することに
より形成する場合は、上に述べたコイル10のどちらの構
成を選択するかによって、あるいはこれらのどちらかの
構成を含む変形態様のシステムの選択によって、一方の
光ファイバの余分の長さの部分の端部をダイオード11に
対向配置して、このダイオード11と方向性結合器12の波
結合領域との間の光路を得るか、あるいはその余分の長
さの部分をダイオード11から延びる他の偏波保持光ファ
イバまたは普通の単一空間モード光ファイバに接続する
ことができる。
光方向性結合器12は、内部に4つのポートの間に延び
る光透過媒体を有し、これら4つのポートは、図1の方
向性結合器12の両端部にあって、光透過媒体の両端部に
それぞれ2つずつ設けられている。これらのポートの1
つには、レーザダイオード11から延びる光ファイバの端
部が対向配置されている(あるいは融着カプラの場合は
この逆になる。すなわちカプラの結合領域から延びる光
ファイバの端部がダイオード11の放出フェースに対向配
置される)。光方向性結合器12のこれと同じ側の端部の
もう一つのポートには、図示のように、もう1本の光フ
ァイバの端部が対向配置され(融着カプラを使用する場
合はこれから光ファイバが延出する)、この光ファイバ
の他端部は、電気的に光検出システム14に接続されたフ
ォトダイオード13に接続されている。この光ファイバ
は、偏波保持光ファイバでも、普通の単一空間モード光
ファイバでもよい。実際、上に述べたように、方向性結
合器12は、その融着部または光結合領域より先の部分が
完全にレーザダイオード11及びフォトダイオード13まで
延びるか、または他の光ファイバにさらに接合されるよ
うにして、上記のような光ファイバを融着接続すること
により形成することも可能である。
フォトダイオード13は、これに対して対向配置された
(またはそこへ延びる)光ファイバの部分から入射する
電磁波または光波を検出し、これに応じた光電流を発生
する。フォトダイオードに2つのほぼコヒーレントな電
磁波が入射する状況においては、この光電流は、上に述
べたように、余弦関数のべき乗に従って変化し、このよ
うなある一対の電磁波の間の位相差の余弦に従属する光
電流出力を発生する。フォトダイオード13は、光起電モ
ードまたは光導電モードで動作して、必要に応じて、ほ
ぼ入射放射強度の線形関数である光電流を適切なインピ
ーダンスの増幅器回路に供給する。このダイオードは、
通常、pinフォトダイオードである 光方向性結合器12の反対側の端部のポートには、偏光
子15に接続された他の光ファイバの端部が対向配置され
ている。これは、コイル10の構成及びこれらのいずれか
の構成を有するシステムの変形態様の選択によって偏波
保持光ファイバでも、単一空間モード光ファイバでもよ
い。方向性結合器12のこれと同じ側のもう一方のポート
には、無反射終端装置16が設けられており、この終端装
置は、互いに融着されて方向性結合器12を形成する一方
の光ファイバの余分の長さの部分を含むか、あるいは、
前記の場合同様、この余分の長さの部分に他の光ファイ
バが接合される。終端装置16に至るこの光ファイバは、
やはり、偏波保持光ファイバでも、普通の単一空間モー
ド光ファイバでもよい。
光方向性結合器12は、いずれかのポート、あるいはそ
の中の結合領域を越えて延びる光ファイバの余分の長さ
の部分端部で電磁波または光を受けると、それらの電磁
波を、そのあらかじめ選択された一部分、通常は2分の
1が、その受波側のポートまたは受波側の余分の長さの
光ファイバと反対側の方向性結合器12の端部にある2つ
の各ポート、または結合領域を越える2本の光ファイバ
の余分の長さの部分の各端部に現れるように送出する。
一方、方向性結合器12の受波側のポートと同じ側の端部
にあるポートまたは余分の長さの光ファイバの部分には
電磁波は送られない。入って来る電磁波の入力ポートの
主屈折軸に関する偏光は、方向性結合器12が主軸を適切
に整合した偏波保持光ファイバの2つの部分で形成され
ている場合、2つの出力ポートの対応する主軸でかなり
十分に保存されるが、方向性結合器の結合領域の軸間で
は、ある程度波の結合が起こる。一対の普通の単一空間
モード光ファイバ部分を互いに融着して方向性結合器12
を形成する場合は、入って来る電磁波の偏波保持コンポ
ーネントの主複屈折軸に関する偏光は、もう一方のファ
イバへの結合領域を通してかなり十分に保存されるが、
結合領域以後においては、結合された電磁波が普通の単
一空間モード光ファイバの出力ポートに達する前におい
ても、相当大きな結合が起こり得る。
偏光子15を使用する理由は、単一空間モード光ファイ
バにおいても、2本の直交軸に沿ってこのような光ファ
イバを通過する電磁波には2つの偏光モードが可能なた
めである。従って、偏光子15は、これらの偏光モードの
1つにおいて、両端部のポートに接続された光ファイバ
の間で、これらの直交軸のどちらか一方の軸に沿って電
磁波成分を伝えるために設けられている。同時に、偏光
子15は、これらの直交軸のもう一方の軸に沿って電磁波
が伝播するのを実質的に阻止する。
しかしながら、偏光子15は、阻止しようとする1つの
偏光状態の電磁波を完全に阻止することはできない。消
衰係数の面におけるこの偏光子の欠点は、2つの逆方向
に進行する波の間にその光路上で非相反性を生じさせ、
従って、これらの波の間に、偏光子及び系の残りの部分
が置かれている環境の条件によって変化し得る非相反性
位相変化を生じさせることになる。
光方向性結合器12に接続された側と反対側の端部の偏
光子15のポートに対向させて、もう一つの光方向性結合
器17に接続されたもう1本の光ファイバが配置されてお
り、この後者の光ファイバと方向性結合器は、やはりコ
イル10の構成及びこれらの構成の1つを組み込んだシス
テム変形態様の選択に応じて、一対の偏波保持光ファイ
バまたは普通の単一空間モード光ファイバで形成され
る。また、方向性結合器17は、受波した電磁波を、その
あらかじめ選択された一部分、通常はやはり2分の1の
受波側のポートを有する端部と反対側の方向性結合器17
の2つのポートの各々に現れるように送出する。この場
合も、受波側のポートと同じ側の方向性結合器17の端部
にあるポートまたは光ファイバの余分の長さの部分に
は、電磁波は送られない。入力ポートに入って来る電磁
波の偏光は、方向性結合器12に関して上に説明した程度
と形態において、対応する一対の出力ポートにおいても
保存される。方向性結合器17が一対の偏波保持光ファイ
バの部分を用いて形成される場合、これは、図1の光学
系サブシステム部の光学的性能が、方向性結合器17が他
の態様において光集積回路チップとして形成される場合
におけるこのようなサブシステムの性能と同様と考えら
れるような性能になる結果をもたらす。
第1のポートが偏光子15に結合されているの同じ側の
方向性結合器17の端部にある第2のポートは、普通の単
一空間モード光ファイバの以遠部または延長部あるいは
偏波保持光ファイバを用いた無反射終端装置18が接続さ
れている。方向性結合器17の反対側の端部のポートの1
つは、コイル10の光ファイバの一端部に接続された光路
部分にあるもう1つの光学コンポーネントに接続されて
いる。方向性結合器17のこの端部のもう1つのポート
は、光ファイバコイル10の残りの端部と直接結合されて
おり、この結合は、通常、方向性結合器17の結合領域を
越える光ファイバの余分の長さの部分とコイル10の光フ
ァイバとを接合することにより行われる。
コイル10と方向性結合器17の間には、直接接続された
側と反対のコイル10の側に光位相変調器19が設けられて
いる。光位相変調器19は、その内部の中に含まれる透過
媒体の両端部、図1においては該位相変調器の両端部に
ポートを有する。コイル10からの偏波保持または普通の
単一空間モード光ファイバは、端部が変調器19のポート
に対向して配置される。また、方向性結合器17から延び
る偏波保持あるいは普通の単一空間モード光ファイバ
は、変調器19のもう一方の端部のポートに対向して配置
される。
光位相変調器19は、光ファイバの一部を圧電シリンダ
の回りに該シリンダに電圧を印加することにより光ファ
イバを伸長させることができるように巻装することによ
って形成される種類のものを用いることができ、あるい
はこの位相変調器は、例えば、ニオブ酸リチウムの基板
を用い、その上に電極として金属被着部を設けてウェー
ブガイドの近傍に配置することにより、光集積回路チッ
プとして形成することも可能である。このような金属被
着は、通常、基板上にプレート状電極構造を生じさせ、
これが変調器の電気接点になるとともに、ウェーブガイ
ド中に可変電場を生じさせて、該ウェーブガイドを通過
する電磁波の位相の所要変調を行うことを可能ならしめ
る手段を与える。
このように、光位相変調器19は、これらのプレート上
に電気信号を受け取り、その結果内部に生じる電場によ
って透過媒体の屈折率を変えることにより、光位相変調
器を通って伝わる電磁波に位相差を導入し、これによっ
てこれらの電磁波がたどる光路長の作用を変化させるこ
とができる。光集積回路の形で設けられた光位相変調器
は、大きい帯域幅を有する、すなわち、相当高い周波数
成分を有する波形に追随して、位相変化を生じさせるこ
とができる。また、偏光子15とソース側及びループ側の
光方向性結合器(ソースカプラ、ループカプラ)12及び
17も、同様の光集積回路チップとして形成することがで
き、あるいは共通の光集積回路チップとして形成するこ
とも可能である。
光方向性結合器17は、ビームスプリット装置として機
能し、光源11から放出され、方向性結合器12及び偏光子
15を通して伝達されて方向性結合器17によって受波され
た電磁波は、ここで約半分ずつに分割され、その結果生
じる各々の対応する部分が方向性結合器17の反対側の端
部にある2つのポートの各々から送出される。方向性結
合器17の上記反対側端部の1つポートから出た対応する
電磁波の部分は、減偏光子10′(使用されている場合)
を通過し、さらに光ファイバコイル10の残りの部分及び
光位相変調器19を経て再度方向性結合器17に戻る。この
電磁波の一部は、方向性結合器17のポートを通って、偏
光子15からされに方向性結合器12に至り、ここで電磁波
の残りの一部はフォトダイオード13へ送られる。
方向性結合器17で分割された後の電磁波のもう一方の
部分は、方向性結合器17のコイル10の端部のもう一方の
ポートを出た後、まず光位相変調器19を通過し、続いて
光ファイバコイル10の大半の部分を通り、その後減偏光
子10′(使用されている場合)を通って再び方向性結合
器17に入り、そこから上に述べた最初の部分と同じ経路
をたどって、最終的には一部がフォトダイオード13に入
射する。位相変調器19による変調があり、またコイル10
の軸回りの何らかの回転があると、あるいは方向性結合
器17の効果のために、これらの合成電磁波の一部のエネ
ルギーは、無反射終端装置18によって失われる。
減偏光子なしでコイル10に偏波保持光ファイバを使用
する干渉応用光ファイバ・ジャイロスコーにおいては、
コイル10を通過する電磁波は全て同じ光路をとるように
なっている。しかしながら、減偏光子を用い、コイル10
に普通の単一空間モード光ファイバを使用する干渉応用
光ファイバ・ジャイロスコープにおいては、コイル10に
使用される普通の単一空間モード光ファイバの性質によ
って温度変化による応力変化など様々な原因によりその
中に複屈折がランダムに発生し、その結果、光ファイバ
を伝播する電磁波はいくつかの異なる光路をとることが
可能になる。減偏光子10′を使用すると、電磁波は波長
に対して周期的に異なる偏光状態を強制的に取り、従っ
てそれらの偏光状態に対応して異なる光路を取る。この
ように、コイル10及び減偏光子10′を共に通過する電磁
波の偏光ヒストリは、波長従属性である。にもかかわら
ず、ある時点に偏光子15の透過軸に達する電磁波は、同
じ偏光ヒストリを有するはずである。減偏光子10′は光
波を様々な偏光状態に一様に分布させるものと仮定する
と、減偏光子10′は、各々の光路における波動エネルギ
ーを等化するよう作用する。
干渉応用ジャイロスコープ・システムでコイル10に上
記のどちらの構成を使用するかの選択は、一方または他
方のコイルの構成を有する様々なシステムの選択と同じ
ように、多くの要素によって決まる。各コイルの構成に
ついての様々なシステム構成(及びそれらの構成の変形
態様)については、いずれも参照によって本願に組み込
まれる本願より先に出願された同時係属の米国特許出願
であるJ.Blake及びJ.Fethによる「モード結合誤差の構
成制御(Configuration Control of Mode Coupling Err
ors)」という名称の出願番号第07/791,719号、及びJ.B
lake、J.Feth及びB.SzafraniecによるTモード結合誤差
の構成制御(Configuration Control of Mode Coupling
Errors)」という名称の出願番号第07/890/938号に記
載されている。
上に述べたように、フォトダイオード13は、その上に
入射する合成電磁波または光波の強度にこれらの電磁波
の位相差に従属して比例する出力電流を発生する。図1
の構成によれば、電磁波はコイル10を互いに逆方向に伝
播して、一部がフォトダイオード13に達し、このフォト
ダイオードでの強度は各々偏光が決っている光路を両方
向に進行する電磁波の平均である。すなわち含まれる波
長に関して平均されるが、大部分が偏光子15によって通
される戻りの電磁波が偏光子15で偏光される光路を伝播
する電磁波だけを主として含む。すなわち、平均化プロ
セスに含まれる戻りの電磁波は、主として、偏光子15の
透過軸を通って延びる光路をたどる波だけである。フォ
トダイオード13からの対応する光電流は、コイル10を互
いに逆方向に伝播し、波長の変化を帯びてフォトダイオ
ード13に入射する各々の電磁波の部分の間の平均位相差
の余弦に基づく余弦関数のべき乗に従って変化する。こ
の関係が成り立つのは、光電流は、互いに逆方向に伝播
してフォトダイオード13に入射する一対の電磁波の結果
的に生じる光強度によって決まり、この光強度は、フォ
トダイオードにおけるこれらの電磁波間にどれだけ加法
的(建設的)干渉または相殺的干渉が発生するかによっ
て変化するからである。電磁波のこの干渉は、コイル10
を形成するコイル状光ファイバのその軸回りの回転によ
って、サニャック効果のために電磁波の間に位相差の変
化が生じるため、この回転によって変化する。その上、
図1の残りの部分に示す電気系統に関連して説明するよ
うに、光位相変調器19によってさらに位相差の変化が付
加される。
図1の電気系統部分には、開ループ光ファイバ・ジャ
イロスコープ・システムが示されているが、閉ループ光
ファイバ・ジャイロスコープ・システムに転換する、す
なわち図示システムにフィードバックを講ずることも可
能である。これは、例えば、電気系統に図1に示すシス
テムの出力に基づくフィードバック信号を発生させて、
光路中の変調器19の隣の挿入された1つの光位相変調器
を制御するか、あるいはさらに変調器19をも制御するこ
とによって達成される。光位相変調器19は、上記の種類
のものであり、位相検出復調器または位相検波器と共
に、余弦関数に従って変化するフォトダイオード13及び
光検出器システム14の出力信号を正弦関数に従う信号に
変換するために使用される。このような正弦関数に従う
出力信号を用いると、コイル10の軸回りの回転速度とそ
の回転方向の両方に関する情報をその出力信号で得るこ
とができる。変調器19は、バイアス変調信号発生器20の
出力に発生する正弦電磁波信号によって動作し、バイア
ス変調信号発生器20は、この信号を上に述べたように位
相検出復調器である位相検波器を動作させるためにも供
給する。
このようにして、フォトダイオード13を含む光検出器
システム14からの出力信号は、増幅器21に供給されて増
幅された後、フィルタ22を介して位相検波器23に供給さ
れる。位相検波器23として用いられる位相検出復調器に
ついては周知である。このような位相検出復調器は、信
号発生器20の出力の第1高周波または基本周波数の変化
を検出して、光検出器13に入射する一対の電磁波間の相
対位相の指示情報を発生する。この情報は、位相検波器
23によって正弦関数、すなわちフォトダイオード13に入
射する2つの電磁波部分の間の位相差の正弦に従う出力
信号として供給される。
また、上に述べたように出力信号によって定まる周波
数で光路中の電磁波部分を変調するバイアス変調信号発
生器22は、光検出器システム14中に強い第2高調波成分
を発生する。フィルタ22は、この第2高調波成分を除去
するためのノッチフィルタである。
動作について説明すると、光路中のコイル10を通って
フォトダイオード13に達する2つの互いに逆方向に伝わ
る電磁波の位相差の変化は、光位相変調器19及びバイア
ス変調信号発生器20による位相差変化と比較して相対的
に小さく、かつ相対的にゆっくり変化する平均正味位相
差変化となる。サニャック効果による平均位相差変化
は、電磁波間の平均位相差を僅かに変化させるだけであ
り、フォトダイオード信号の復調した位相検出復調器23
からの出力信号は、この位相差に位相変調器19及び信号
発生器20による電磁波の変調によって設定される振幅倍
率を乗じた値の正弦に従って変化する。従って、この同
期復調は、実質的にフォトダイオード出力信号から信号
発生器20及び変調器19によって導入された変調周波数の
コイル10の軸回りの回転の結果を含む正弦変調周波数成
分の振幅を抽出し、その復調器出力信号を発生させる。
しかしながら、上に述べたように、最小限の相反性を
有する構成の光ファイバ・ジャイロスコープ・システム
でも、その中に発生する様々な作用によって互いに逆方
向に進む電磁波の間にさらに他の位相変化が導入され得
る。通常、サニャック効果以外のこのような非相反性位
相変化の重要な原因は、互いに逆方向に進む電磁波の2
つの異なる偏光成分が異なる光路をたどり、上に参照に
より本願に組み込まれた引例に説明されているように、
サニャック効果による位相変化と区別できないような位
相変化の誤差が出力に生じることにある。この種の他の
原因としては、光路に後方散乱性及び光路沿いの屈折率
の強度従属性がある。
ジャイロスコープの出力誤差につながる互いに逆方向
に進む電磁波間の位相変化のその他の原因として、光源
11のスペクトル出力の変動によるものがある。このスペ
クトル出力の変動は、通常、光源内とその周囲の温度変
化、及び光源に起こる経年劣化の影響に起因する。
ソーススペクトル(光源スペクトル)の変動によるこ
のような出力誤差Δφは、互いに逆方向に進む電磁波
が伝わるコイル10の平面に垂直なコイルの対称軸の回り
における角速度Ωでのこれらの電磁波間のサニャック効
果の位相変化量Φに関する下記の周知の式から得られ
るということが分かる。
式中、記号Lは、コイル10の有効長さを表し、記号D
はそのコイルの直径を表す。記号cは、自由空間におけ
る光速度を表し、記号λは検出器で検出される互いに逆
方向に進み、位相変化量Φによって決まる程度に干渉
する波の波長を表す。上記の式は、光学的振動数(光の
周波数)と波長との間の周知の関数λ=c/νを用いて、
次式のように波長よりむしろ光学的振動数に従うよう変
換すると、より扱い易くなる。ただし、νは光周波数で
ある。
Φの値は、このパラメータに比例する出力電圧信号
を発生するフォトダイオード13から始まる図1のシステ
ムの電子信号処理システム部によって検出される。明ら
かに、上記の最後の式は、電子信号処理システムによる
Φの測定値は角入力速度Ω及びνの値の変化に起因す
る両方の変化を反映するということを示している。角入
力速度Ωにおけるνの変化によるΦの変化は、誤差Δ
φを表す。従って、所与の角速度Ωに対して、フォト
ダイオード13に入射する電磁波のパワースペクトルP13
によって加重した周波数に関するΦの加重平均
〈Φ〉ν、すなわち を、図1のシステムの電子信号処理部の較正後、時間に
対して一定に保つことが望ましい。上記の最後の2つの
式を用いて次式が得られる。
あるいは 式中 このように、所与の入力角速度Ωにおいて平均
〈Φ〉νを光周波数に対して一定に保つには、フォト
ダイオード13の発光スペクトルの平均光周波数PD(従
って波長)を一定に保たなければならない。従って、図
1のシステムの電子信号処理部の較正後、図1のシステ
ムと共に用いてPD(従って波長)を一定に保たなけれ
ばならない。従って、図1のシステムの電子信号処理部
の較正後、図1のシステムと共に用いてPDを実質的に
一定に保つためのシステムが要望される。
N.Varnhamによる1989年10月11日公告の英国特許公報
第GB216 652 A号には、光波、例えば可視光の波長を
測定するための方法及び装置が開示されている。測定さ
れた放射は、最終効果が波長によって変化し、かつ所定
の波長で出力がゼロになる複数の波長従属型位相変調器
に供給される。放射の正味位相変調度を求めてソースの
波長と所定の波長との間の差を表す指示を得る。位相変
調器は、ニオブ酸リチウム基板上に作り込むことも可能
である。この発明は、温度による波長の変化を補償する
ために応用することができる。
R.Schumaによる1988年4月7日公告のPCT特許公報第W
O 88/02474号には、回折格子及びビームスプリッタを
使用した光波長モニタが開示されている。ダイオードか
らの光はビームスプリッタに供給され、回折格子に投射
される。回折格子は、スペクトル分布を再現して示すダ
イオード出力のスペクトルを形成する非常に安定した効
率的な分散素子である。一対の光センサで反射光の不均
衡を検出することによって所定波長からの波長偏差を表
す指示が得られる。
M.Papuchonによる1980年4月8日公告の米国特許第4,
196,964号には、少なくとも1つの入力と、該入力及び
マルチモード・ガイド部の出力に接続された2つの出力
モノモード・ウェーブガイド分路を有する光ウェーブガ
イド・システムが開示されている。入力分路は、マルチ
モード・ガイドの伝播モードの組合わせを励振させる。
この組合わせによって、マルチモードガイドの幅にまた
がるエネルギー分布が生じ、このエネルギー分布は電場
の強度によって可変である。
D.Malyonによる1979年5月2日公告の欧州特許公報第
0 001 714 A1号には、半導体レーザ装置の進入波長
及びパワーを制御するための制御装置が開示されてい
る。レーザ装置のドライバは、ビームスプライサ、フォ
トダイオード及び増幅器を有するフィードバック・ルー
プに接続されており、該フィードバック・ループは、レ
ーザドライバを制御してレーザ放射強度を一定に保つ。
レーザ放射は、もう一つのビームスプリッタと、レーザ
からのビームの経路に挿入されたフィルタによって周波
数従属としたもう一つのフォトダイオードによってサン
プリングする。フォトダイオードの出力は、増幅器を介
して減算増幅器の正の及び負の入力に供給される。増幅
器の出力は、放射波長に従属し、もう一つの増幅器に負
フィードバックとして供給されて、レーザ装置の温度の
ような動作パラメータを制御し、その波長を一定に保
つ。
トルコ国イスタンブールで1985年9月23〜27日に提出
された「軍事環境下における誘導光学機構(Guided Opt
ical Structures in Military Enviroment)」という名
称の北大西洋条約機構AGARD会議のプレプリントno.383
には、14−1〜16−14ページに、R.Keil等による「光学
的フィードバックが高データ速度シングルモード・ファ
イバシステムの性能に及ぼす影響(Effects of Optical
Feedback on the Performance of High Data Rate Sin
gle−Mode Fiber Systems)」という論文が掲載され、
様々なレーザダイオード構造及び種々異なる近端及び遠
端の光フィードバック条件を有する単一モード光ファイ
バ伝送システムについてのデータの比較性能測定の結果
が開示されている。この測定では、レージング・スペク
トル及びモード隔壁ノイズのフィードバック誘導による
変動とそのビット誤り率データに対する影響が、様々な
結合き機構を有する分散形単一モーのファイバ伝送リン
クについて実験的に測定された。
発明の概要 本発明は、1つまたは2つ以上のソース・パラメータ
を変えることによってソースの発光スペクトルを波長に
対して変化させることが可能な、選択された光学系への
挿入のためにソースによって放出される電磁波の発光ス
ペクトルを波長に対して安定させるためのスペクトル安
定装置にある。本発明によれば、光学系のある選択され
た点からの電磁波がダブルモード・ウェーブガイド手段
に結合され、該手段中で、少なくとも一部が、少なくと
もソース発光スペクトルの一部を含む波長範囲にわたっ
て各々異なる群速度の2つの異なる空間モードで伝播す
る。このような電磁波は、これらの2つのモードによる
伝播の後、光検出器に結合され、合成されてこれに入射
し、それに応じて少なくとも1つのソース・パラメータ
を変化させるようにソース・アクチュエータを動作させ
るための出力信号を発生する。電磁波は、ダブルモード
・ウェーブガイドで位相変調され、ソース・アクチュエ
ータで復調される。
ソース・アクチュエータは、発光スペクトルを波長に
対して移動させるための装置の組合わせを具備すること
ができ、これには、該アクチュエータを流れる電流、該
アクチュエータの温度、光学系の挿入点との角度関係
を、もう一つのソース・パラメータを変化させてもこの
制御目的に対して効果的であるように制御する装置が含
まれる。いずれかのソース・パラメータを変えると、放
出電磁波の強度も変化し、データ処理装置を用いて、所
望の光強度及び発光スペクトルの波長位置を得るための
各ソース・パラメータの最良値を決定するすることがで
きる。
図面の簡単な説明 図1は、従来技術で周知の信号処理装置、光伝達経路
及び装置構成を組み合わせたシステムの概要を示すブロ
ック図である。
図2は、本発明の一実施例の信号処理装置、光伝達経
路及び装置構成を組み合わせたシステムの概要を示すブ
ロック図である。
図3A及び3Bは、それぞれ光集積回路チップの一部分を
製造するための方法ステップの結果を示す横断面図であ
る。
図4A及び4Bは、光集積回路チップの一部分を示す横断
面図である。
図5は、光集積回路チップの一部分の出力特性を示す
グラフである。
好ましい実施の形態の詳細な説明 ソース11から、図1に示すシステムの光学系サブシス
テム部分の残りの部分を通って伝播した後光検出器13に
達する電磁波の平均光周波数の制御には、まず何らかの
方法でスペクトルの偏差を測定する必要があり、この偏
差はおそらく電子信号処理サブシステムの較正時の初期
値からの対応する平均光周波数によって表される。次
に、その情報を用いてこのような偏差を打ち消すようソ
ース11の平均光周波数を変化させなければならない。す
なわち、ある種のフィードバック制御システムが必要で
ある。
フォトダイオード13に達する平均光周波数の偏差の測
定は、そのフォトダイオードに達するそれらの電磁波の
スペクトルまたはその平均光周波数の測定によって決ま
る。しかしながら、図1のシステムは、システムをある
程度修正しないと、フォトダイオード13に達しようとす
る電磁波のサンプルを得るのに明確に好都合な位置がな
い。そのための最も自明な修正は、図示の光ファイバリ
ンク中のソースカプラ12とフォトダイオード13との間に
方向性結合器を追加し、これによってフォトダイオード
に達する電磁波のサンプリングを可能にすることであ
る。このような構成は、確かに最もフォトダイオード13
に近い最も適切な電磁波をサンプリングすると思われる
が、測定のためにこれによって得られる電磁波に、追加
した方向性結合器(カプラ)の結合特性を付加すること
にもなる。すなわち、付加したカプラが、多くの方向性
結合器のように、結合される電磁波の波長に大きく従属
する結合特性を有する場合、測定のために受け入れる結
合された電磁波は、必ずしも、付加したカプラをそのま
ま通り越してフォトダイオード13に入射する電磁波と同
じスペクトルを有するとはかぎらない。さらに、融合カ
プラの形成は、どちらかというとかなり困難な技術であ
り、従って、そのようなカプラを図1のシステムに付加
することは、システムを組み立てる費用を著しく増大さ
せることにもなりかねない。
しかしながら、フォトダイオード13に達する電磁波の
特性が図1のシステムの他の任意の位置で得られる電磁
波に対してほぼ一定のスペクトル関係を保っている場合
は、このような他の位置における電磁波の測定は、フォ
トダイオード13に入射しようとする電磁波と同様に適切
にソース11の発光スペクトルの効果を表す基礎を近似的
に与えることになる。従って、より都合よく行うことが
可能な他の位置におけるこのような測定は、ソース11の
光周波数スペクトルを安定させるための基礎として同様
の効果を有するはずである。
図1のシステム中で、ソース11により供給されこのシ
ステムを通過する電磁波の一部を得るために比較的好都
合なことが明らかな1つの位置は、ソースカプラ12を介
して電磁波が供給される無反射終端装置16の位置であ
る。この位置で得られる電磁波は、システム中の光学コ
ンポーネントを1つしか、すなわちソースカプラ12だけ
しか通っていないので、比較的強く、従って、このソー
スのスペクトル内容の比較的良好な測定ベースになるは
ずである。さらに、終端装置16に受け入れられる電磁波
には、ソースカプラ12の結合特性のみが付加されるの
で、これらの電磁波はソース11のスペクトル状況を十分
に反映する。
一方、終端装置16のこれらの電磁波は、フォトダイオ
ードう13に達する電磁波の特性をそれほど十分には表さ
ないことがある。フォトダイオード13に達する電磁波
は、ソースカプラ12の直接透過側を通り、さらに図1の
システムの残りのコンポーネントを通って伝達され、最
後に再びソースカプラ12を逆方向にフォトダイオード13
に達するように通る。図1のシステムの光学系サブシス
テムの光学コンポーネントがそこを通って伝播する電磁
波の波長に従属する特性を有する場合は、それらのコン
ポーネントから出でフォトダイオード13に入射する電磁
波のスペクトルは、ソース11の発光スペクトルと十分異
なることが考えられる。さらに、これらの光学コンポー
ネントの波長従属性がそれらのコンポーネントの温度変
化または経年劣化のために経時的に変化する場合は、終
端装置16の電磁波のスペクトルは、ソース11の発光スペ
クトル及びフォトダイオード13に達する電磁波のスペク
トルとの関係が変化することも考えられる。その結果、
終端装置16で測定される電磁波は、ソース11の発光スペ
クトルも、フォトダイオード13に入射する電磁波のスペ
クトルも、スペクトル変化系の誤差を低減するためのベ
ースとして非常に良いと言える程には表さない場合があ
る。
従って、上記の位置に代わって考えるべき他の比較的
好都合なシステム電磁波速度位置は、ループカプラ12の
無反射終端装置18の位置である。この位置で測定される
電磁波は、フォトダイオード13に達するまでに既に図1
のシステムの光学系サブシステム部分の大部分を通過し
ており、従って、フォトダイオード13に達する電磁波の
スペクトルをより良く表す可能性がある。それでもな
お、これらの電磁波は、サブシステムの全てを通過して
はおらず、従って、フォトダイオード13に入射する電磁
波を非常に良く表すことはできないと思われる。
このような代表性の欠如は、図1のシステムの光学系
サブシステム部分を、上記のように全て光ファイバによ
り実施するのではなく、光集積回路チップの形で実施す
る場合、極めて起こり易い状況である。このようなチッ
プにおいては、偏光子15、ループカプラ17及び位相変調
器19が全てその中に集積して形成されることになると考
えられる。このような光集積回路チップのウェーブガイ
ドは、通常、温度によって変化しかつ、チップのループ
カプラ17における電磁波のスペクトルからフォトダイオ
ード13における電磁波のスペクトルを著しく変化させる
可能性のある著しい波長従属性の損失を呈する。さら
に、このような光集積回路チップの形の実施例において
は、ウェーブガイドの“Y"接合のように、ループカプラ
17の終端装置と同様の終端装置が容易に得られないと思
われる。従って、集積光学型の実施例では、光ファイバ
リンク中のソースカプラとフォトダイオード13との間に
もう1つの方向性結合器を挿入して、フォトダイオード
に入射しようとする電磁波を測定することが好都合なこ
とがしばしばある。あるいは、チップのウェーブガイド
の1つの中に他の“Y"接合を、ソース11の発光スペクト
ルを制御するためのフィードバック・ループ用の測定対
象電磁波のソースとして設けると、その接合の分割係数
の波長従属性がより小さくなるという別の長所も得られ
る。
しながら、上記の全光ファイバ型実施例のように、光
学系サブシステムのコンポーネントにそれほど大きい可
変性の波長従属性の損失がない状況にあっては、光学系
サブシステムの他の位置での電磁波測定のためのサンプ
リングが、コスト及び利便性の観点から見て魅力的であ
る。図1の全光ファイバ型システムにおいては、損失
は、本質的に全て光ファイバでの損失であって、極めて
小さく、ソース11のスペクトル幅にわたってそれほど強
い波長従属性を示すことはない。通常、唯一の重要な波
長従属性の特性は、それぞれ波長従属性の結合係数につ
ながるソースカプラ及びループカプラの結合特性であろ
う。
このように、ソースカプラ12とフォトダイオード13の
間に方向性結合器を挿入する代わりに、測定のために終
端装置16で電磁波をサンプリングすることは、ソース11
の発光スペクトルを制御するためのフィードバック・ル
ープ用の誤差信号ソースを設けるための手段として許容
され、かつ好都合である。しかしながら、これが許容さ
れるためには、温度と共に変化するソースカプラのパワ
ー透過係数の波長従属性によって、フォトダイオード13
に入射する電磁波のスペクトルに生じる変化が、ソース
11の制御対象発光スペクトルの変化と過大に異なること
がないことが必要である。さらに、この電磁波サンプリ
ング位置が許容されるためには、やはり温度によって変
化するソースカプラ12のパワー結合係数の波長従属性
が、フィードバック制御のためのソース11の発光スペク
トルの見掛けの測定値変化が該スペクトルで起こってい
る実際の変化と余りに違い過ぎる結果をもたらさないこ
とが必要である。
ループカプラ17の透過係数及び結合係数の同様の波長
従属性は、その結果として、フォトダイオード13に入射
する電磁波へ何らかの影響を及ぼすことはない。コイル
10中を互いに逆方向に進む電磁波は、各々、光路中をル
ープカプラ17を通って直接、またこのカプラの結合領域
(入力側光ファイバから反対側の光ファイバに結合され
ている)を横断してフォトダイオード13に伝達されるか
ら、正透過係数と結合透過係数の波長従属性の変化は、
相互に相殺される。
ソース11の発光スペクトルがフォトダイオード13に入
射する電磁波のスペクトルの主要な決定要素であるかど
うかの判断は、スペクトルのソース11のソース発光スペ
クトルに関するフォトダイオード13に入射する電磁波の
適切な測定パラメータを見付けることにより行うことが
できる。上記の最後の式で与えられるフォトダイオード
13の平均スペクトル周波数13は、フォトダイオード13
に入射する電磁波のパワースペクトルを、図1のシステ
ムの残りの部分が及ぼす効果によって修正したソース発
光スペクトルで表すことにより、ソース11のパワー発光
スペクトルP(ν)11で数値が求められる。ソース11を
出た電磁波は、まず波長(または光周波数)従属パワー
結合係数T12(ν)のソースカプラ12を直接透過し、こ
のカプラを越える図1のシステムの光学系サブシステム
部の残りの部分を通ってカプラ12へ戻り、この光学系サ
ブシステム全体を通過する間にαOSS(ν)のパワー損
失(ソースカプラ12における損失を含む)を被るが、こ
れも一般には波長従属性である。その後、これらの電磁
波は、ソースカプラ12の結合領域を横断してパワー結合
係数C12(ν)で結合され、フォトダイオード13に達す
る。従って、フォトダイオード13に達する電磁波のパワ
ースペクトルは、次式で表すことができる。
P13=P11(ν)T12(ν)[1−αOSS(ν)]C
12(ν) その結果、フォトダイオード13に入射する電磁波の平
均光周波数は、次式のように書くことができる。
上に述べたように、上記の図1の光学系サブシステム
に関するパワー損失は、比較的小さく、それほど波長
(すなわち、光周波数)従属性ではないから、α
OSS(ν)は、関係するファクタが上式の対応積分の下
から取り除かれるのに十分なだけ小さく、かつある一定
値に十分近く、その結果、次式が得られる。
ソースカプラ12について考えると、上に述べたよう
に、ここでは光学的損失は比較的小さく、それほど波長
従属性ではない。これらの情況においては、次式が得ら
れる。
T12(ν)+C12(ν)=1 さらに、求める典型的な結合比率は1/2であり、従っ
て、パワー結合係数C12(ν)は、より都合のよいこと
には、次式のように書くことができる。
C12(ν)=1/2+δ(ν) 式中、δ(ν)は、1/2からのパワー結合係数の値の
増分または減分を光周波数の関数として示す比較的小さ
い関数である。上記の最後の2つの式の関係から、次式
が得られる。
T12(ν)=1/2−δ(ν) 上記の最後の2つの式で与えられる増分関数δ(ν)
によるT12(ν)及びC12(ν)の値をフォトダイオード
13の平均光周波数13に代入すると、次式が得られる。
δ(ν)は何らかの典型的な融合型の光ファイバ型方
向性結合器の小さい増分関数であるから、その2乗は無
視することができるほど小さくなり、次式が得られる。
この式は、図1のシステムの場合について上に説明し
た状況におけるフォトダイオード13の平均スペクトル周
波数はソース11の平均スペクトル周波数と同じであると
いうことを示している。従って、ソース発光スペクトル
の変化は、ソースカプラ12が、ソース11のスペクトル幅
にわたる透過係数及び結合係数の変化が比較的小さくな
るように選択され、光学系サブシステムの損失が十分に
小さいか、あるいは十分小さい波長従属性を有する限
り、フォトダイオード13に入射する電磁波のスペクトル
の変化と極めて密に一致する。
図2は、ソース11の発光スペクトルを制御するための
フィードバック・ループを設けることによって本発明の
一実施の形態を包むよう図1のシステムを修正したシス
テムを示す。図2で使用する数字記号で図1で使用した
のと同じ記号は、どちらの図においても同じあるいは同
様の構成部分を示す。
図2において、フィードバック・ループ用の誤差信号
は、ソースカプラ12とフォトダイオード13の間に方向性
結合器を付加するのではなく、図1に示すシステムのソ
ースカプラ12に接続された無反射終端装置16に供給され
る電磁波から得、そこから図2で付加したフィードバッ
ク・ループを別途に延ばしてソース11の発光スペクトル
を制御する。さらに、以下に説明するように、図2のシ
ステムに付加したフィードバック・ループには光集積回
路チップが示されており、このような光集積回路チップ
を使用する場合、偏光子15、ループカプラ17及び位相変
調器19のような他の光学系サブシステムのコンポーネン
トもそのチップ中に集積する方が有利であろう。このよ
うな実施例においては、電磁波は、ソース11のパワー発
光スペクトルを制御することによってその平均スペクト
ル周波数を制御するためのベースとして、フォトダイオ
ード13の近傍、またはこのチップに設けられたウェーブ
ガイドの“Y"接合から得る必要があるかもしれない。
前の段落で図2の付加フィードバック・ループに使用
すると説明した光集積回路チップは、少なくともチップ
中のダブルモード・ウェーブガイドに対して作用を及ぼ
すダブルモード位相変調器30のような位相変調器を含
み、この位相変調器は、ソースパワー発光スペクトルの
電磁波を放出するソース11からソースカプラ12を介して
結合される電磁波のスペクトルの変化を検出するために
用いられる。あるいは、1本のダブルモード光ファイバ
を例えば円筒状圧電コアまたは圧電ディスクの回りに巻
装したものをベースとする光ファイバ位相変調器を用い
る方法もある。圧電コアまたはディスク上の電極に印加
される電気信号が、その回りに巻装された光ファイバを
伸長させて該光ファイバの中を伝播する波に所望の位相
変調を起こさせることができる。この光ファイバは、通
常楕円形横断面を有することによりその内部を通す2つ
のモードを支持することが可能である。
ダブルモード位相変調器30用の光集積回路チップは、
通常、典型的な厚さが1mmのSAW級のX遮断−Y伝播型ニ
オブ酸リチウム(LiNbO3)結晶基板で形成される。ウェ
ーブガイドは、基板中にその主面からチタン(Ti)を拡
散させることにより形成される。このウェーブガイド
は、結晶基板の適切な面上に周知の方法によりフォトレ
ジスト・マスクを設け、このマスクのウェーブガイドを
形成したい場所に開口部を設けることによって形成され
る。このようなフォトマスクを設けた後、電子ビーム蒸
着を周知の方法で行って、フォトマスク及び開口部上に
チタン層を形成した後、周知のリフトオフ・プロセスを
用いて結晶表面に、基板中へのチタン拡散源として、所
望のチタン・メタライゼーション・パターンを残す。
2つのモードで電磁波の伝播を支えることが可能なウ
ェーブガイド、すなわちダブルモード・ウェーブガイド
は、例えば、チップの2つの対向エッジ間の距離全体に
わたって延びるよう形成することができる。このような
設計においては、ソースカプラ12から延びる入力光ファ
イバは、その端部がチップエッジのウェーブガイドの端
部の1つと突き合わされるが、対称位置から横方向にず
らすことによって電磁波を両方のウェーブガイド・モー
ドに注入するようにして使用される。反対側のチップエ
ッジのウェーブガイドのもう一方の端部と突き合わせ、
やはり対称位置から横方向にずれた出力光ファイバは、
チップから出る時に両方のモードからの電磁波を集め
て、波長従属性の出力強度を得るために使用される。
あるいは、図2に示すように、一対の単一モード・ウ
ェーブガイド31及び32を使用し、これをチップの対向エ
ッジから内部へ延ばして、チップ中でこれらの間に配置
されたダブルモード・ウェーブガイド33と結合すること
もできる(図を見易くするために、チップとウェーブガ
イドの寸法は互いに実寸に比例してはおらず、一部を大
きく拡大して描いてある)。単一モード・ウェーブガイ
ド31及び32は、チップの長辺と平行なダブルモード・ウ
ェーブガイド33の電磁波の伝播方向に対してある角をな
しており、この角度は約4度である(図2では大きく誇
張して示されている)。この角度を持たせた入力の構成
においては、入射側ウェーブガイド31を単一モードで伝
播する入射した電磁波がダブルモード・ウェーブガイド
33の両方のモードを励振することができ、従って、ダブ
ルモード・ウェーブガイド33の両方のモードからの光
は、ダブルモード・ウェーブガイド33を伝播して、この
ウェーブガイドとの角度関係によって単一モードの出力
ウェーブガイド32に集められる。
図2に示す入力単一モード・ウェーブガイド31は、こ
れを内部に設けた光集積回路チップのエッジにおいて、
図1では無反射形終端装置16に終端されているソースカ
プラ12から延びる光ファイバと突き合わせる。この状況
において、ソース11からの電磁波は、ソースカプラ12の
結合領域を介して結合されることによって、単一モード
入力ウェーブガイド31に結合される。あるいは、試験を
行い易いように、ウェーブガイド33の長辺の方向に対し
てウェーブガイド31と反対側に角をなす第2の単一モー
ド入力ウェーブガイドと、同様に、出力ウェーブガイド
32に関して同様の角度関係を有する第2の出力ウェーブ
ガイドをさらに設けることも可能である。図示のよう
に、一対の金電極34及び35がニオブ酸リチウム結晶の表
面に設けられ、部分的にダブルモード・ウェーブガイド
33の一部を覆っている。
上にダブルモード位相変調器30が作り込まれると説明
した該基板の一部の横断面図を図3Aに示す。基板36の上
面37には、横断面で示すように、前述のチタン・メタラ
イゼーション・パターンが形成されており、この図は、
チップ36中のダブルモード・ウェーブガイド33を形成す
る位置について描いてある。ニオブ酸リチウムへのチタ
ンの拡散の深さは、表面37上のチタン・メタライゼーシ
ョン・パターンにそれほど敏感な関数ではないが、横拡
散の範囲は該厚さに大きく従属する。このように、横断
面図におけるメタライゼーション・パターン38の幅及び
その厚さは、拡散時間及び温度と共に、ニオブ酸リチウ
ム基板36にチタンの最終拡散パターンを設ける際の決定
的要素である。拡散の範囲、及びその結果生じる基板の
拡散領域の屈折率変化量は、結果的に得られるウェーブ
ガイドによって支えられる電磁波伝播空間モードの数を
決定する。
メタライゼーション・パターンにチタンを内部拡散さ
せるための拡散プロセスを、温度1025℃で10時間にわた
り水蒸気中(基板36からの外部拡散を防ぐため)で行う
と、ダブルモード・ウェーブガイド33の750Åの厚さと
8μmの幅を有するチタン・メタライゼーション・パタ
ーンは、これより形成される該ウェーブガイドをして2
つの空間モード、すなわち基本または一次モードと、可
能な2次モードの1つで電磁波の伝播を支えることを可
能ならしめる。同じパターン厚さを維持してチタン・メ
タライゼーション・パターン38の幅をちょうど5.5μm
に短くすると、同じ拡散条件の下で、基本伝播モードだ
けを支えるウェーブガイドを得られ、これが単一モード
入力ウェーブガイド31及び32を設ける基板36の部分の上
側に用いられる幅である。一方、ダブルモード・ウェー
ブガイド33を設けようとする場所の上部のチタン・メタ
ライゼーション・パターン38の幅を12μmに厚くする
と、その結果得られるウェーブガイドは3つの伝播モー
ドを支えるものとなり、好ましくない状況を招く。
上に述べたようにしてチタン・メタライゼーション・
パターン38の拡散を行うと、図3Bに示すように、基板36
中に拡散パターン39が形成される。その結果、基板は、
その中に変化が生じたことを示すために、符号が36′に
改められている。さらに、それまでほぼチタン・メタラ
イゼーション・パターン38が占めていたスペースは、図
3Bの段階では、全体的におそらく850Åの厚さになる様
々な酸化チタンが占めている。図3Bでは、これらの酸化
チタンは、符号が38′に改められている。
チタン拡散によって生じる基板36′中の屈折率分布n
(x,y)は、次式で近似することができる。
n(x,y)=ns+Δnf(x)g(y) nsはニオブ酸リチウム基板のバルク材料の屈折率であ
り、Δnは屈折率の最大変化量である。関数f(x)及
びg(y)は、ニオブ酸リチウム基板へのチタン拡散の
結果におけるx及びy方向の屈折率の分布関数をそれぞ
れ記述する関数である。これらの分布関数が取る値は、
通常、ゼロと1の間にある。この場合、ニオブ酸リチウ
ム結晶36の表面37の中央ソースから外側に放射状に広が
る拡散結果についての適切なモデルは、次式のようにな
るという知見が得られている。
式中、xは図3Bにおける基板36′の横座標であり、そ
のゼロ基準点は、図3Aの場合同様、拡散前のチタン・メ
タライゼーション・パターン38の幅の中心にある。Ds
拡散定数であり、Wはメタライゼーション幅で、この場
合8μmである。記号erfは、周知の誤差関数を示す通
常の意味で用いられている。y方向の分布は、ガウス関
数であり、次式で表される。
式中、yは表面37にゼロ基準点を有する図3Bにおける
縦座標であり、Dbは拡散定数である。このように、屈折
率分布n(x,y)は、ウェーブガイドの空間モードサポ
ート能力の判断のために、該ウェーブガイドに関する概
略の説明を与える。
チタン・メタライゼーション・パターンの拡散終了
後、ニオブ酸リチウム基板36′の表面37には、周知のフ
ォトマスキング技術及び電子ビーム蒸着を用いて、電極
34及び35を形成するためのベースとして電極メタライゼ
ーション・パターンが形成される。電極34及び35は、ダ
ブルモード・ウェーブガイド33の長辺に平行な元のチタ
ン・メタライゼーション38の中心線に沿って対称状に該
ウェーブガイド33の上方で互に分離されている。電極34
及び35の互いに対向するエッジは、ダブルモード・ウェ
ーブガイド33の上方で互いに約4μmの間隔を有する。
その結果、基本モードは、ウェーブガイド33中において
主として電極34と35の間で支持され、2次モードは相当
程度電極34及び35の各々の下方で支持される。電極34及
び35は、表面37にあらかじめ被着され二酸化ケイ素層上
で酸化チタン38′の上方に設けられる。これらの電極
は、通常、基板36′上の二酸化ケイ素の表面上に形成さ
れた厚さ100Åのクロム層と、該クロムに被覆された厚
さ7,000Åの金層からなる。このように電極が形成され
た後、チップは、水蒸気雰囲気中で2時間350℃に加熱
することによってアニーリングされる。
これらのプロセスによって得られる光集積回路チップ
中のウェーブガイドは、ウェーブガイドの材料媒体へ電
磁場の影響を記述する要素方程式により補われる形のマ
クスウェルの方程式に基づいて可能な様々な空間モード
での電磁波の伝播を支持する。これらのウェーブガイド
は、基板36′中の拡散物質の分布の性質のためにグレー
デッドインデックス・ウェーブガイドであるが、このよ
うな状況に関する正確な方程式は、複雑な結果を伴うの
で、数値解法が必要である。ウェーブガイドがn(x,
y)によって表される屈折率の断面分布を有するものと
し、またウェーブガイド中の材料には、電流または自由
電荷が全くないことにより電磁場のソースがないものと
考えて、ウェーブガイド中の電磁波の挙動に関する近似
式を得ることができる。ウェーブガイド材料は、等方性
でありかつ均質であって、誘電率または透磁率の勾配は
値ゼロであると見なす。
ダブルモード・ウェーブガイド33はz軸沿いに取られ
る長さ方向に沿って均質であると仮定することによっ
て、マクスウェルの方程式は簡単化され、解は次式の形
になる。
これらの近似を用いると、マクスウェルの方程式は次
式のようになる。
式中、▽1 2は横ラプラス演算子であり、k0=ω/cは波
数、βはマクスウェルの方程式から決定されるウェーブ
ガイド伝播「定数」である。これらの方程式をn(x,
y)によって近似されるウェーブガイドに適用すると、
純粋な電波伝播(Ttransverse electric)モードでも純
粋な磁波伝播(transverse magnetic)モードでもな
く、むしろ2系統のハイブリッド・モードと見なされる
モードが得られる。このようなハイブリッド・モード
は、本質的にはx及びy方向に沿って偏光した電磁波伝
播(transverse electromagnetic)モードである。これ
らのモードを、それぞれTM様モード及びTE様モードと称
する。TM様モードの主成分に関する波動方程式は、次の
ようになる。
また、TE様モードの磁場の主成分に関する方程式は、
次式のようになる。
これら2つの主成分を各々変数Φによって表すと、上
記の最後の2つの方程式は次式で表すことができる。
これらの方程式において、n(x,y)は上に述べた屈
折率分布関数である。
この最後の方程式は、解が(x及びyに応じて)これ
らの変数において分離できると仮定することによって、
近似的に解くことができる。すなわち、 Φ=γ(x)ψ(y) 周知の解法に従って、第1のモードについての近似解Φ
が次式のように見付かる。
式中、d1は基板36′のモードの深さでありw1は基板3
6′のモードの幅である。この解に対応する基本モード
の電磁波の分布をプロットした図を、図4Aに示す。図示
モードは、金属電極34及び35は、ウェーブガイド偏光子
として作用して、TM様モードでTE様モードにおけるより
もはるかに大きい損失を生じさせるという別の効果を有
するため、TE様モードだけである。上に電極34及び35の
下方にあると説明した二酸化ケイ素層及びクロム層は、
図4Aでは別途には示されていない。
同様に、第2のモードについては、次式の解が得られ
る。
式中、d2はやはりこのモードのモード深さであり、w2
はモード幅である。2次TE様モードは図4Bに示されてお
り、この図においても、電極34及び35の下側の二酸化ケ
イ素層及びクロム層は別途には示されていない。
図4Aに示す基本モードは、ニオブ酸リチウム基板36′
中に互いに対称状にかつ基本的に電極34と35の間に配置
される。一方、図4Bに示すニオブ酸リチウム基板36′中
の2次モードの2つのローブは、左ローブの半分が電極
34の下に配置され、残りの半分のみがこれらの2つの電
極の間のウェーブガイド中に配置される。2次モードの
右ローブも、電極35に関して左ローブと同様に配置され
る。
電気的に励振されたとき電極34及び35によって形成さ
れる電場は、ニオブ酸リチウム基板36′の電極34と35の
間にある部分の方が、これらの電極の下方の基板の部分
におけるより著しく強い。その結果、これらの2つのモ
ードを支持するウェーブガイドの有効屈折率は、電磁波
が基本モードで伝播する領域における方が、電磁波が2
次モードで伝播する領域におけるよりもより著しく変化
する。このように、電極34及び35に所与の電気的励振を
行うと、基本モードで伝播する電磁波は、2次モードで
伝播する電磁波より比較的大きく位相変調される。
さらに、各モードの伝播「定数」に関する解は、次式
で与えられる。
β=neff1k0=(ns+Δneff1)k0 β=neff2k0=(ns+Δneff2)k0′ 式中、Δeff1及びΔeff2は、解で得られる屈折率の有
効変化であり、複雑な形でモード深さ、モード幅、拡散
定数及び波長に従属する。その結果、基板36′中の拡散
による有効屈折率変化を通して伝播する2つの空間伝播
モードの両方の出力強度の合成による入力強度I0におけ
るダブルモード位相変調器30中のダブルモード・ウェー
ブガイド33から該2つのモードへの全出力強度IDMは、
次式で表される。
近似解については、次式を用いる。
Δneff1r1+s1λ Δneff2r2+s2λ ただし、次式を定義する。
ここで、r1、r2s1及びs2は、Δeff1及びΔeff2の不完
全なテイラー級数近似式の定数であり、これらの定数は
モード深さ、モード幅及び拡散定数に従属し、またLは
ダブルモード・ウェーブガイド33の長さである。明らか
に、ダブルモード・ウェーブガイド33の出力電磁波強度
は、存在する2つのモードで該ウェーブガイドを伝播す
る電磁波の波長または光周波数に従属し、従って該ウェ
ーブガイドに入来する電磁波の波長または光周波数の尺
度になる。この電磁波強度の波長に対するこの従属性
は、2つのモードで伝播する電磁波の群速度の間の差に
よって、再合成される際に該電磁波の間の干渉が起こる
ことによるものである。
上の出力強度式の余弦関数の引数は、ダブルモード・
ウェーブガイド33を伝播する2つのモード間のダブルモ
ード・ウェーブガイドの長さにわたる全位相差、または
該2つのモードの差分伝播「定数」Δβ(ν)に該ウェ
ーブガイドの長さを乗じたものに等しく、λ=c/νを用
いて次式で与えられる。
ダブルモード・ウェーブガイド33は、Δβ(ν)Lが
ソース11の発光スペクトルの範囲にわたってあまり大き
く変化しないよう十分に短くする。この差分伝播「定
数」対光周波数出力の特性をプロットした曲線を図5に
示す。
図5は、差分伝播「定数」対光周波数出力特性のある
点を中心として、ダブルモード・ウェーブガイド33の差
分伝播「定数」及び、従って、出力電磁波強度が該ウェ
ーブガイドを通して伝播するそれらの電磁波の光周波数
または波長に対して非常に小さい従属性しか持たない小
さな範囲があることを示している。このような特性が見
られるのは、ウェーブガイドの表面の1つだけ中心拡散
ソースがある使用拡散プロセスから得られる基板36′の
屈折率分布のためである。図5のプロットの最小点は、
両方のモードの電磁波の群速度が等しくなる光周波数で
ある。ソース11の発光スペクトルの平均スペクトル周波
数の制御は、そのスペクトル分布の変化を測定すること
に基づき行われるから、該ソースの波長及びダブルモー
ド・ウェーブガイド33の構造は、図2のシステムの付加
フィードバック・ループのソース11との動作が、図5に
示すダブルモード位相変調器30の出力特性曲線の谷の光
周波数で起こり得るように選択してはならない。
位相変調発生器40は、出力が電極34に電気的に接続さ
れており、電極35は接地電位に電気的に接続されてい
る。位相変調発生器40の出力の電圧信号は、ソース11か
ら放出された後、ソースカプラ12を通って伝播し、ダブ
ルモード・ウェーブガイド33に達して該ウェーブガイド
を伝播する両方のモードの電磁波を位相変調するようダ
ブルモード位相変調器30を動作させる。ダブルモード・
ウェーブガイド33中の偏光された電磁波のこの位相変調
は、基板36′のLiNbO3材の電気光学効果によって周知の
方法により発生器40の出力電圧の周波数で行われる。位
相変調発生器40は、通常1kHz前後の周波数の正弦波出力
信号を発生し、この周波数の値は、バイアス変調発生器
20の周波数のような図2のシステムの他の部分で使用さ
れるいずれの動作周波数とも調波的全く関係しない周波
数であり、これによって該システムにノイズが導入され
たり、図2のこの付加フィードバック・ループにノイズ
が生じるのを防ぐ。
電磁波は、ダブルモード・ウェーブガイド33から出
て、基板36′出力ウェーブガイド32を通って伝播し、光
集積回路チップのエッジにある出力ウェーブガイド32に
面する接合領域を有するフォトダイオードのようなフィ
ードバック・ループの光検出器41に入射し、強度IDM
有するこれらの電磁波は該強度に応じた光電流に変換さ
れる。出力ウェーブガイド32は、上に述べたように、モ
ード伝播路とほぼ平行なダブルモード・ウェーブガイド
33の長対称軸に対して4゜の角をなし、これによって両
モードの電磁波が合成され、該出力ウェーブガイドを伝
播するようになっている。フォトダイオード41は、通
常、バイアス/増幅回路42に接続され、これによって動
作するpinフォトダイオードである。
フォトダイオード41は、このように、各モードの電磁
波が相互に干渉することができるように各々のモードを
合成して該フォトダイオードに入射する電磁波の強度に
比例する出力電流IPD41を発生し、従って、該フォトダ
イオードに入射するこれらの2つのモードの電磁波の間
の位相差の余弦に従って変化する電流、すなわち次式で
表される電流を発生するものと予測される。
式中、記号aは、いずれも波長に従属しないと考えら
れるカプラ及びチップの伝播損、及びチップ・インタフ
ェース損失を表し、Δβ(ν)は前出の式で与えられた
通りである。記号Δφは、ダブルモード・ウェーブガ
イド33を伝播する基本モードと2次モードの間の変調深
さの差を表し、これはわずかな波長従属性を有するが、
ここではこのパラメータを「定数」と見なし、該数属性
は無視する。回路42のこの光電流は、通常の如く増幅さ
れ、展開及び三角恒等式によって次式で与えられる同等
の電圧v42に変換される。
v42=∫a′C12(ν)P11(ν)dν +∫a′C12(ν)P11(ν)cos[Δβ(ν)L]cos(Δmcosωmt)dν −∫a′C12(ν)P11(ν)sin[Δβ(ν)L]sin(Δmcosωmt)dν 上式中、新しい記号a′は、定数aに回路42により導
入される変換係数及び増幅率を乗じた値を等しく、これ
らの変換係数及び増幅率は、光周波数または波長に関し
て一定であると見なす。
光検出器42からの電圧出力信号は、位相検出検波器ま
たはロックイン増幅器により形成される位相検波器43の
信号入力に供給される。また、位相検出検波器43の復調
入力には、復調のために位相変調発生器40の出力信号も
供給される。その結果、光検出器の出力電圧v42は、第
1高調波を抽出するために復調され、位相検波器43の出
力からローパス・フィルタ44に送られる。該ローパス・
フィルタの遮断周波数は、第1高調波の周波数の値fm
すなわちfm=ωm/2πより相当低い。従って、周波数fm
の光検出器出力電圧信号v42の振幅は、ローパス・フィ
ルタ44の出力にフィルタ出力電圧信号v44として現れ
る。
信号v44の式は、周知の方法で一連のベッセル関数を
用いて光検出器出力信号v42の式を展開することによっ
て見出すことができる。このように式を展開すると、ロ
ーパス・フィルタ44の出力の第1高調波信号は次式で与
えられる。
v44=−a′J1(Δ)∫C12(ν)P11(ν)sin[Δβ(ν)L]dν J1(Δφ)は、1次ベッセン関数である。次に、こ
の信号v44は、ソース11により放出され、ソースカプラ1
2に導入される電磁波に関するレーザの発光スペクトル
の位置を波長または光周波数に対して制御するために、
該ソース11に誤差信号として供給される。
このような誤差信号は、ソース11のレーザの発光スペ
クトルを、フィードバック・ループの最後の較正以後該
レーザが経る様々な変化に曝されて該レーザが持つに至
った可能性のある他の平均値から、該フィードバック・
ループの最後の較正時に有した平均波長を持つように変
化させるべく該レーザを動作させるために用いられる。
このような動作を達成するための1つ手段は、誤差信号
v44によって、ソース11のレーザの発光スペクトルに作
用を及ぼし、出力電磁波の強度に対してはさらに大きい
作用を及ぼす該レーザを流れる電流を制御することがで
きるようにすることである。さらに、レーザのこのよう
な動作には、通常、大電流が伴い、レーザ温度が高くな
る結果に至る。このような電流制御レーザにおいては、
ソース11は、v44の方向に応答して動作する適切な電流
コントローラを具備するのが普通であろう。
レーザの発光スペクトルは、レーザ温度に対してはる
かに敏感であり、レーザの発光スペクトル制御の代替手
段として、レーザの温度を制御信号v44によって直接制
御することも可能である。この制御は、ソース11のレー
ザの回りに抵抗加熱ストリップを置くか、またはレーザ
を高温で運転する一方で、レーザに対向状にペルティエ
または熱電冷却器を配置することによって行うことがで
きる。これらの加熱、冷却エレメントの動作を制御する
ための温度コントーラをソース11に設け、そのコントロ
ーラを信号v44に従って制御する。また、レーザの出力
電磁波の強度も、ある程度該レーザの温度に従って変化
する。さらに、加熱または冷却素子及びその直近の周辺
の信号v44の変化に対する応答遅延のため、図2のシス
テムの付加フィードバック・ループに安定化手段を講じ
なければならない場合もある。
最後に、ソース11のレーザの電磁波放出面とそこから
ソースカプラ12に至る光ファイバのアラインメントは、
システムへ伝達のために実際に該光ファイバに挿入され
る電磁波の波長を一部決定する。このアラインメントの
変化は、ソース11のレーザ放出面とそこから延びる光フ
ァイバとの間の角度関係を変える圧電モータをソース11
に設け、その動作を制御信号v44の指示下で制御するこ
とにより行うことができる。この場合、アラインメント
は、やはり該光ファイバに挿入される電磁波の強度にも
影響を及ぼす。
このように、ソース11は、誤差信号v44として与えら
れる制御信号の制御下で、ソース11のレーザによって放
出され、ソースカプラ12に至る光ファイバに挿入される
電磁波の発光スペクトルが生じる波長または光周波数を
該制御信号に応じて変化させることができる。その際、
このような制御は、通常、これらの電磁波の強度にも影
響を及ぼす。アラインメント制御の感度のために、アラ
インメント制御を温度制御か電流制御のいずれかと組み
合わせて使用すると、上記のように光ファイバへの挿入
のためにソース11のレーザによって放出される電磁波の
強度と発光スペクトルの両者を最良の組み合わせで制御
することができる。ソース11の計算手段、または図2の
システムを組み込んだシステムと共に他の場所で使用さ
れ、かつソース11に関連して使用される計算手段を用い
て、レーザと該レーザから延びる光ファイバとの間の角
度関係、及びレーザの温度値かレーザを流れる電流の値
のいずれかを計算し、電磁波強度及びスペクトルに関す
る何らかの目標値について最良の結果を得ることができ
る。
ソース11のレーザの発光スペクトルの波長または光周
波数上の位置をを制御する際、誤差信号v44の作用を生
じさせるためにどのような起動装置が選択されようと
も、該信号をソース11のコントローラ及びアクチュエー
タで適切に使用することによって、ソース11のレーザに
おける較正値からの変化を打ち消すことができる。この
ように、ソース11からソースカプラ12、ダブルモード位
相変調器30、フォトダイオード41、光検出器回路42、位
相検波器43及びローパス・フィルタ44を通って再びソー
ス11に戻る負フィードバック・ループの全体的効果は、
誤差信号をゼロ値に駆るために、必要に応じて、ソース
11の発光スペクトルの波長上の位置を上記のように変化
させることである。すなわち、安定状態においては、v
44はゼロに等しくなる。これは、v44に関する式の積分
を強制的にゼロする、すなわち次式を満たすことにな
る。
∫C12(ν)P11(ν)sin[Δβ(ν)L]dν=0 上に述べたように、Δβ(ν)は、ソース11の発光ス
ペクトル全体にわたって比較的少ししか変化せず、従っ
て、Δβ(ν)が引数の一部として現れるこの積分下の
正弦関数も、やはり、該関数がゼロとなる該引数の値か
ら比較的少ししか変化しない。この正弦関数は、C
12(ν)もP11(ν)もゼロにはなり得ないから、少な
くとも上記の積分方程式が成り立つためには、安定状態
においてはゼロでなければならない。従って、Δβ
(ν)Lの妥当な近似解は、次式で与えられる。
式中、平均光周波数におけるΔβ(ν)Lは、上記積
分方程式を安定状態において満足することができるよ
う、nπとなるように取る。この結果を上記積分下の正
弦関数で用いると、の三角恒等式及び小角近似法を用
いて、平均光周波数を中心とする該正弦関数を近似する
さらなる数列展開として、次式が得られる。
その結果、上記の積分方程式は、次式のように書くこ
とができる。
この最後の積分方程式は、 であること、すなわち、この最後の方程式を満足するの
に必要な光周波数偏差Δνに依存することはできなく、
従って、ソース11の発光スペクトルの位置を制御するた
めのこのような偏差に従属する制御信号はないというこ
とを明らかに示している。図5のダブルモード位相変調
器30の出力特性の説明に関連して上に述べたように、ダ
ブルモード・ウェーブガイド33は、確かに、上記の偏導
関数がゼロであるか非常にゼロに近く(図5のグラフの
谷底の近傍)なる(それは避ければならない状況であ
る)ようなソース11の所与の平均光周波数により設計さ
れ得る。
設計が、この偏導関数がゼロに等しくならないような
設計であると仮定すると、上記の最後の積分の条件は、 すなわち、平均光周波数の値を有効に規定する条件とな
る。大括弧の中の高次の項、3次の項は、上に予測され
ると説明したように、Δβ(ν)Lがソース11の発光ス
ペクトル上であまり変化しない場合、無視することがで
きる。さらに、ソース11の発光スペクトルが平均光周波
数に関して対称ならば、3次項は、有意な値であって
も、積分の値に何も付加しない。これらの状況は、どち
らも起こることが予測されるから、上記の最後の積分方
程式の積分下の3次項を無視することは十分許容され
る。これらの2つの条件が十分に満たされないことによ
り残留誤差があったとしても、ソーススペクトルは、経
時的に変化しても、光周波数軸上で同じ形を保持する傾
向があるため、このような残留誤差は、おそらく経時的
に安定した状態を維持すると思われる。従って、システ
ムの初期較正を行うと、このような誤差は相殺され、発
光スペクトルの形が保持されることから考えて、経時的
にもこの相殺で十分であると考えられる。
このような高次の項を無視すると、上記積分方程式は
次式のようになる。
∫C12(+Δν)P11(+Δν)ΔνdΔν=0 ν=+Δνを代入することによって変数を変え、積
分を2つの積分項に分解すると、 ∫C12(ν)P11(ν)(ν−)dν=0 =∫C12(ν)P11(ν)νdν−∫c12(ν)P11(ν)dν となる。その結果、次式が得られる。
上式で、は、を置換したものである。この置換
を行ったのは、この平均値が図2に付加されたフィード
バック・ループによって実際に維持される光周波数の平
均値、すなわち、ソース11のレーザによって放出される
電磁波の発光スペクトルの平均光周波数の制御値である
からである。
波長上のソース11の発光スペクトルの位置を制御する
ために図2のシステムに付加したフィードバック・ルー
プを効果的に実施するために維持しなければならないも
う1つの条件は、該ループに必要な電磁波の偏光コンシ
ステンシーを保つことである。上に述べたように、ダブ
ルモード位相変調器30は、実際には、入力ウェーブガイ
ド31に入来する電磁波の2つの可能な偏光状態の1つに
対してだけ出力信号を発生する。偏波保持光ファイバを
使用するジャイロスコープ・システムにおいては、対応
する偏光状態が伝播するのを許容するダブルモード位置
変調器30の軸と整合された入力ウェーブガイド31と突き
合す光ファイバの主複屈折軸は、基本的に放出電磁波に
該偏光状態を付与するソース11のレーザの無相関放出軸
の1つと整合された上記と同じ光ファイバの主複屈折軸
であるべきである。そうでないと、フィードバック・ル
ープは、1つ偏光状態の電磁波を測定して、その結果得
られる情報を用いて反対の偏光状態の電磁波を制御しよ
うとすることにもなり、しばしば大きな誤差の原因にも
なる不安定な状況につながる。ある状況においては、ダ
ブルモード位相変調器30によって阻止されると期待され
る偏光モードの十分な阻止を確実に行うために、誤差を
十分に小さい状態に保つための前記エレメントを含むフ
ィードバック・ループに偏光子を付加しなければならな
い場合もある。
コイル10と共に減偏光子10′を使用するジャイロスコ
ープ・システムにおいては、一部の実施態様で、普通の
単一モード光ファイバで形成されたソースカプラ12、ま
たはカプラ12の前に配置されたもう1つの減偏光子、あ
るいはこれらの双方を具備することも可能である。その
結果、ソース11のレーザの無相関放出軸に沿って放出さ
れる偏光状態は、ダブルモード位相変調器30に達すると
同時に混合され、このように混合された電磁波の一部が
その通過軸に沿って伝播する。このように、図2のシス
テムの付加フィードバック・ループは、事実上、ソース
11の平均光周波数の制御に使用される偏光状態の波長の
平均、すなわち条件の変化に伴って経時的に変化する平
均を制御することになる。その結果、変化する条件に従
って、この平均光周波数にある程度の変化が生じる。
フォトダイオード13に達する信号の波長平均に関して
も、減偏光子10′が偏光状態を混合するために、同じ状
況が生じると考えられる。この結果は、スケールファク
タの安定度を制限し、従って、条件が変化するに従っ
て、スケールファクタの変動を引き起こし、ジャイロス
コープの出力信号に誤差を生じさせる。この出力信号の
状況においては、ソースカプラ12とフォトダイオード13
の間に、該ダイオードに達する電磁波をソース11の光周
波数を制御するためのベースとしてサンプリングするこ
とができるように、もう一つの方向性結合器を追加する
必要がありそうに思われ、この追加のカプラはシステム
の残りの部分において平均波形が変化する効果が発生す
るのを防ぐことによって、満足な制御を可能ならしめ
る。
に関する方程式から明らかなように、平均光周波
を維持することは、C(ν)が一定に保たれる場
合、上に与えられている平均光周波数11を維持するの
と同じことである。既に明らかにしたように、平均スペ
クトル周波数11を選択された値に維持することは、フ
ォトダイオード13に入射する電磁波の平均光周波数13
を対応する値に保つことによって、一定のジャイロスコ
ー・スケールファクタを得る効果がある。しかしなが
ら、結合係数C12(ν)は、引数に明示されてはいない
が、波長、及び温度のような他の変数によって変化し得
るから、その値は、C12(ν)+Δ12(ν)で表すこと
ができる。この変動が発生することによって、図2のシ
ステムの付加フィードバック・ループの作用により、P
11(ν)は強制的にP11(ν)+ΔP11(ν)となり、さ
らにその結果、11を強制的に11+Δ11にすること
ができる。
ソースカプラ12の結合係数のこのような変化の状況に
おいては、図2のシステムの付加フィードバック・ルー
プによって維持される平均光周波数は、次式のよう
になる。
これから、代数操作、逆二項近似法、及び増分変数の
1次の項のみを残すことによって、次式が得られる。
∫C12(ν)ΔP11(ν)νdν+∫ΔC12(ν)P11(ν)νdν =[∫ΔC12(ν)P11(ν)dν+∫C12(ν)P11(ν)dν] 変化ΔC12(ν)が起こる基準となる結合係数の基準
状態C12(ν)が2分の1の値を有するとすると(上に
用いた式C12(ν)=1/2+δ(ν)による)、上記の最
後の式は次式のようになる。
前に与えられたソース11の発光スペクトルの平均光周
波数 は、上記のようなソースカプラ係数の変化のために、次
式のように変えることができる。
やはり、代数操作、近似法及び増分変数の1次の項の
みを残すことによって、次式が得られる。
右辺の最初の項の分子を制御周波数を含む上記の
最後の方程式で得られた値で置換すると、次式が得られ
る。
ここで、ソース11の平均光周波数は制御周波数によっ
て次のように書くことができることに注目する。
11+Δfd 式中、Δfdは、フィードバック・ループが制御して
いる平均光周波数とソース11の発光スペクトルの平均光
周波との間のソースカプラ・パラメータの変化のために
起こり得る比較的小さい周波数差であり、上の方程式の
にこの関係を代入すると、次式が得られる。
ここでも、増分変数中の1次以外の項は無視する。
右辺に2つの項を有するΔ11に関するこれらの最後
の2つの方程式の最初の方程式について考察すると、波
長に従属しないソースカプラ12の結合係数の変化ΔC12
によって、該結合係数を該方程式の積分下に取り出すこ
とができる。すなわち、 次に、についての上記定義を用いて、次の結果が得
られる。
Δ11=−2ΔC12 11+2ΔC12ν11=0 従って、光周波数従属性または波長従属性でないΔC
12によって表される結合係数の変化は、ソース11の平均
光周波数の変化にはつながらない。
結合係数のこのような波長に従属しない変化は、通
常、実際に結合係数を変化させる温度変化のために起こ
るが、この変化は、該カプラを通って結合される電磁波
のスペクトルを変化させないようにして行われる。通
常、融合カプラは、ちょうど上記のような挙動を示す。
すなわち、その結合係数は温度によって変化するが、波
長従属性の変化はない。従って、このような典型的な融
合カプラは、図2のシステムの付加フィードバック・ル
ープの動作に1次の項で作用を及ぼすことはない。さら
に、結合係数の周波数従属性は、因子(11−ν)も非
常に小さくて、ソーススペクトルの平均光周波数の変化
Δ11も非常に小さい状態に保たれるような場合、非常
に小さくなる傾向が極めて強い。
ソースカプラ12に加えて、図2のシステムの付加フィ
ードバック・ループには、周囲温度の変化が性能変化を
引き起こすもう1つのコンポーネントがある。そのコン
ポーネントは、ダブルモード位相変調器30である。周囲
温度の変化によっては、基板36′中のチタン拡散物質の
再分配は全く起こらず、従って、該基板中の温度による
屈折率の断面分布の変化も起こらないが、それでも、ダ
ブルモード・ウェーブガイド33で支持される2つのモー
ドの電磁波間の位相差には、温度依存性があると考えら
れる。ニオブ酸リチウム結晶36′は温度によって寸法変
化を起こすので、結果的にその中に形成されるウェーブ
ガイドも温度による寸法変化を起こす。さらに、結晶の
36′のウェーブガイド部分では、該結晶の残りの部分と
比較して、温度係数が僅かにしか異ならないから、拡散
プロセスに起因する残留ひずみも温度変化に応じて変化
すると考えられる。従って、各々のモードで伝播する電
磁波の間の総位相差は、やはり温度の関数としてより完
全に表わされる。すなわち、 図2のシステムの付加フィードバック・ループの挙動
に対するダブルモード位置変調器30における変化の影響
は、該フィードバック・ループの挙動を支配する上記の
方程式から求められる。すなわち、 ∫C12(ν)P11(ν)sin[Δβ(ν)L]dν=0 各モードで伝播する電磁波間の総位相差の変化Δβ
(ν,T)Lも、やはり級数展開により次式で近似するこ
とができる。
すると、 ν=+Δν を用いて、上記展開式は次のように書くことができる。
ここで、2次増分の項は無視されている。ウェーブガ
イド33の線熱線膨脹率ζ、すなわち を代入すると、次式が得られる。
温度に関して総位相差を展開する際には線形以法を用
いているため、ここでは導関数の数値を求めようとする
Tの値を示す必要性はなく、上記の最後の方程式ではそ
の記号は省略されている。
次に、図2のシステムの付加フィードバック・ループ
を支配する方程式中の積分下の正弦項を、変数ν及びT
に関して各々上の従属性に関する線形近似が得られる程
度に展開する。νについての総位相差に関する上記展開
で得られた結果、及び温度に関する展開から得たばかり
の結果を用いると、上記正弦関数は、三角恒等式及び微
小角近似法を用いて次式で近似することができる。
νに関する導関数は、やはりで数値を求めること
を意図したものであるが、線形近似法に鑑みて、これを
示す記号は省略されている。図2のシステムの付加フィ
ードバック・ループの動作を支配する方程式にこの結果
を代入すると、次式が得られる。
光周波数νに対する導関数Δβ(c,T)の従属性
は、ソース11及び基板36′に形成されたダブルモード位
相変調器30の性質のために、ソース発光スペクトルの従
属性P11(ν)よりはるかに弱い。この差があるため、
この最後の式の積分でこれらの導関数を外に出すことが
正当化される。
上記の最後の式をについて解くと、次式を得るこ
とができる。
式中、右辺の最初の項は、温度摂動前のの値であ
り、従って、この場合、実際には温度に関して一定の
「定数」である。この結果を微分して、温度による平均
波長の変化を1次の項まで求めると、次式が得られる。
この式は、出力信号をジャイロスコープの回転速度と
関係づけるスケールファクタの温度による変化を示して
いる。
この最後の式の分母はνに関して差分伝播「定数」の
導関数であるから、ダブルモード位相変調器30を図5に
示すその出力特性曲線の谷から十分離して動作させるこ
との重要性が再三ならず強調されることは明らかであろ
う。該導関数の値が小さいと、スケールファクタの温度
従属性が著しく増大する。
一方、分子は、 と設定することにより、すなわち、ウェーブガイド長さ
の外部膨張率を、温度による差分伝播「定数」の正規化
した負の変化率に等しく設定する。すなわち次式を設定
することによって、温度従属性を設計で排除する可能性
を与えるものである。
これは、基板36′の取付けベースを、マウント及び基
板の両方の実効熱膨張率を、上記の最後の方程式によっ
て設定される値に変えるような独自の熱膨張率を持つよ
うに選択することによって達成することができる。従っ
て、スケールファクタの温度従属性は、大幅に低減する
か、なくすことができる。一方、平均光周波数の温度従
属性に関する知見により、補償手段を用いて出力信号を
該知見に従い調節し、該温度従属性を除去することが可
能になる。もちろん、平均光周波数の温度依存性を低減
するための取付けベースの設計と、何らかの依存性が残
る場合にそれを除去するための補償装置の双方を用いる
ことも可能である。
以上、本発明を実施例に基づき詳細に説明したが、当
業者であれば、本発明の精神及び範囲を逸脱することな
く、本発明にその形態及び細部について改変を加えるこ
とが可能なことは理解できよう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スザフラニーク,ボグダン アメリカ合衆国 85331 アリゾナ州・ ケイヴ クリーク・ノース 46ティエイ チ プレイス・30639 (56)参考文献 特開 昭62−8012(JP,A) 特開 平4−38422(JP,A) 特開 平1−227932(JP,A) 実開 平4−102033(JP,U) 特公 平1−21481(JP,B2) 特表 平2−500046(JP,A) 欧州公開1714(EP,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01C 19/72 G01J 9/02 - 9/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ソースとシステムの光検出器との間のフィ
    ードバック・ループを介して、ソースのパラメータを変
    えることによって、発光スペクトルを波長に対して変化
    させることが可能であるスソース(11)から選択された
    光学系に挿入されて少なくとも一部が光学系を通って伝
    播してシステムの光検出器(13)に入射するソースの電
    磁波の発光スペクトルを波長に対して安定させるための
    スペクトル安定装置において、 前記光学系の選択された位置に結合されていて、その光
    学系を前記選択された位置まで伝播することによりその
    位置で得ることが可能になる前記ソース電磁波の一部を
    入力電磁波として受け取るダブルモード・ウェーブガイ
    ド手段(30)で、前記発光スペクトルを含む少なくとも
    ある波長範囲にわたって、各々異なる群速度を有する2
    つの異なる空間モードで前記入力電磁波を少なくとも一
    部通して伝播させることによって、出力に出力電磁波を
    発生するダブルモード・ウェーブガイド手段と、 2つの異なる空間モードで伝播するソース電磁波を位相
    変調するための位相変調発生器(40)と、 前記位相変調発生器(40)に接続され、かつ前記出力電
    磁波が合成されて入射するよう前記ダブルモード・ウェ
    ーブガイド手段の出力に結合されている安定化光検出器
    手段で、位相検波器(42)及びフィルタ(43)を有し、
    該安定化光検出器手段に入射する電磁波間の関係を表す
    振幅を有する出力信号を出力に発生する安定化光検出器
    手段(42)と、 前記安定化光検出器手段の出力に結合されていて、ソー
    ス・パラメータの発光スペクトルを示す前記安定化光検
    出器手段の出力信号をその入力信号として受け取り、そ
    の受け取った入力信号に従い前記ソース・パラメータを
    変化させて、前記ソースのソース電磁波の発光スペクト
    ルを変化させることが可能なソース・アクチュエータ手
    段と、 を有することを特徴とするスペクトル安定装置。
  2. 【請求項2】前記ダブルモード・ウェーブガイド手段
    (30)の前記2つの各空間モードの電磁波が伝播する位
    置の近傍に設けられた電極(34)に電気的に接続されて
    いる出力を有する位相変調発生器(40)で、該出力に周
    期性出力信号を発生する位相変調発生器(40)をさらに
    具備し、かつ前記ソース・アクチュエータ手段が、入力
    が前記安定化光検出器手段の出力に電気的に接続されて
    いて前記安定化光検出器手段の出力信号を受け取る信号
    成分選択手段をさらに具備し、該信号成分選択手段が前
    記安定化光検出器手段の出力信号から選択された信号成
    分を抽出し、該成分に基づいた出力信号を発生すること
    が可能である請求項1の装置。
  3. 【請求項3】ソースから(11)選択された光学系に導入
    され、少なくとも一部がその光学系を通って伝播する電
    磁波のソースの発光スペクトル及び強度を制御するソー
    スコントローラであって、前記ソース(11)が、そのソ
    ースと関連する第1及び第2のソース・パラメータのい
    ずれかを変えることによって、ソースから放出される電
    磁波の強度を変化させることができ、かつソースの発光
    スペクトルを波長に関して変化させることができ、前記
    第1のパラメータが、電磁波を放出面から前記光学系に
    導入する光ファイバに対するソース(11)の放出面の位
    置であるソース・コントローラであって、 前記ソース(11)によって放出される電磁波の所望の強
    度を表す出力信号を出力に発生するシステムの電磁波強
    度決定手段と、 前記ソース(11)によって放出される電磁波の前記発光
    スペクトルを生じさせたい波長範囲を表す出力信号を出
    力に発生するシステムの発光スペクトル決定手段と、 前記システムの電磁波強度決定手段及び前記システムの
    発光スペクトル決定手段の前記出力に接続されていて、
    前記出力信号を入力として受け取り、前記第1及び第2
    のソース・パラメータをその受け取った前記入力信号に
    応じて変えるソース・アクチュエータ手段と、 を具備し、 前記システムの決定手段が、電磁波を変調し、その結果
    得られる信号を検波し、ろ波して、前記ソース(11)か
    ら放出される電磁波の前記発光スペクトルを生じさせる
    所望の波長範囲を表す出力信号を得る、ダブルモード位
    相変調器(30)、同期位相検波器(43)及びローパス・
    フィルタ(44)を有することを特徴とするソース・コン
    トローラ。
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