JP2777784B2 - 靴 類 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、事務所内等の屋内
で履いたり、通常歩行用・スポーツ用・ハイキング用等
に着用したり、或は、屋内外工事や屋内外作業のときに
着用する靴類に関するものである。なお、本発明におけ
る靴類とは、通常の靴の外、スニーカー、スリッパ、な
らびに、鳶職や農作業者等が作業用に着用する作業足
袋、を含めたものをいう。

【０００２】

【従来の技術】従来の靴類は、着用者の足の輪郭に沿っ
た形状を有して、足を載せる靴底部と、この靴底部の周
縁から立ち上って、足の挿着空間を有して靴底部の上部
を覆う袋状の足カバー部によって構成され、その靴底部
は、皮革または合成樹脂、或はゴムまたは木質によって
形成され、それ等の材料からなる単層形状、または、そ
れ等の材料を重ね合せた構造になっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】以上の従来の靴類は、
靴底部が皮革・合成樹脂・ゴム・木質からなるため、靴
底部の通気性が無いと共に、靴全体がかなりの重量にな
り、その上、靴底部の屈曲性とクッション性に劣るの
で、「足むれ」と歩行疲れを生じ易い共通した不具合が
ある。そして、従来の靴類は相当の長期間使用する前提
で製造されているので、コスト高にして気軽に使い捨て
ができない使用性上の不具合がある。

【０００４】本発明は、以上の従来の靴類の難点を解消
し、足むれがなく、歩行疲れが少くして安価に提供さ
れ、使い捨て容易な靴類を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】以上の技術課題を解決す
る本発明の靴類は「着用者の足の輪郭形状を有して足を
載せる靴底部と、前記靴底部の周縁に連結されて前記靴
底部の上方部分に覆蓋し、着用者の足を挿着する袋状の
足カバー部からなる靴類において、前記靴底部を、少く
とも三層以上の布製の靴底板のみの集合積層になした構
造」になっている。

【０００６】即ち、本発明の靴類は、靴底部を薄い布製
の靴底板のみの積層になし、それ等の積層された靴底板
を一体にミシン縫着等で単一の靴底板に構成した構造が
特徴であり、その靴底板は概ね以下のように形成され
る。即ち、着用者の足裏に接する上部靴底板は着用者の
不快感が生じないように滑らかな布地が用いられ、接地
面となる最下層の下部靴底板は応分の接地耐性を有する
耐摩耗性布等が用いられ、さらに、その上部靴底板と最
下層下部靴底板の中間に介装される下部靴底板は、低コ
スト・資源活用の見地から「ぼろ布」が主として使用さ
れる。なお、本発明の靴類は、靴底部が布材の積層から
なり、水分が靴底部を通して浸水し易いので、主として
屋内や降雨時以外の水の影響がない屋外歩行等に着用す
るのが主たる用途となる。

【０００７】

【作用】以上の構成の本発明の靴類は、靴底部が布製の
靴底板の積層からなるので靴底部を通す通気性が良く、
長時間着用しても「足むれ」が生じない。そして、靴底
部が柔軟にして屈曲性に富み、歩行する毎に靴底部が着
用者の足裏に追従して柔軟に屈曲するので歩き易く、そ
の上軽量にしてクッション性に富むので、歩行疲れが極
めて少くなる。そして、ぼろ布等を活用することによっ
て極めて安価に提供できるので、気軽に「使い捨て」使
用ができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の靴類は、以下のようにし
て実施される。

【０００９】

【実施例】以下、実施例に基づいて詳しく説明する。ま
ず、事務所内において使用する事務用靴１に応用した本
発明第一実施例を示す図１を参照して、図１の（Ｃ）の
ように、使用者の足形状に沿った輪郭を有して足を載せ
る靴底部２と、靴底部２の周縁に接続して靴底部２の上
方に覆蓋し、使用者の足を挿着する袋状の足カバー部３
からなる事務用靴１において、靴底部２は、足カバー部
３を周縁に接続した布製薄板体の上部靴底板４と、この
上部靴底板４と同一の輪郭を有して、上部靴底板４の下
側に積層して一体化した布製薄板体の４枚の下部靴底板
５Ａ・５Ｂ・５Ｃ・５Ｄの積層になっている。

【００１０】即ち、上部靴底板４と下部靴底板５Ａ・５
Ｂ・５Ｃ・５Ｄは、それぞれ同一輪郭別体に形成され、
上部靴底板４は靴底表面としての外観を備え、かつ、使
用者の足を載せたとき不快感が生じないように、滑らか
にして応分の美麗性を有する布地によって形成され、そ
の周縁に足カバー部３が接続される。そして、積層した
とき最下層となる下部靴底板５Ｄは、接地する靴底下面
として応分の外観美と耐摩耗性を有する布地で形成さ
れ、その上部靴底板４と最下層下部靴底板５Ｄの中間に
介装される下部靴底板５Ａ・５Ｂ・５Ｃは「ぼろ布」を
使用して形成され、それ等の周縁には形崩れ防止用の縁
取り６が施されている。

【００１１】そして、以上の下部靴底板５Ａ・５Ｂ・５
Ｃ・５Ｄを重ねて四層積層になし、その接合面の概ね全
面にミシン縫合７を施して一体化した底板主体８に形成
し、その底板主体８を上部靴底板４に重合して、その重
合体の周縁をミシン縫合して連結し、布製靴底板４・５
Ａ・５Ｂ・５Ｃ・５Ｄが五層積層した靴底部２が形成さ
れ、足カバー部３に足を挿着する事務用靴１に形成され
る。

【００１２】以上の図１実施例の事務用靴１は前記の作
用があり、軽量にして通気性と柔軟性に富むので、足む
れがなくして歩行疲れが極めて少くなると共に、低コス
トに提供されるので、「ぽい捨て」使用がし易く快適に
して気軽に使用できる。

【００１３】続いて、図２を参照して、主として登山・
ハイキングに使用する本発明の他の実施例の運動靴１０
を説明する。即ち、この運動靴１０の靴底部２も、図１
実施例と同様な布製の上部靴底板４と下部靴底板５Ａ・
５Ｂ・５Ｃの四層積層構造になっている。そして、三枚
の下部靴底板５Ａ・５Ｂ・５Ｃを重合一体化して底板主
体８を形成したミシン縫合のミシン糸９が、靴底部２の
下面全面に断続して密にあらわれる形状を有している。
この図２実施例のものも前記の作用があり、悪路や坂路
を歩行しても、足むれと疲れが少く、快適に使用でき
る。そして、靴底の接地面にミシン糸９が断続して密に
あらわれて「ザラザラ面」を呈するので、歩行時の滑り
止めとして機能する利点がある。

【００１４】なお、本発明の靴類は、前記の実施例に限
定されず、足カバー部３の形状・材質は任意のもので良
く、例えば、短靴形状にして「鳶職用作業足袋」とした
り、足先のみをカバーするスリッパ形状にしたりするこ
とがあり、さらに、靴底板４・５は少くとも三層以上で
あれば良い。

【００１５】

【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明の靴類は、
布板のみを積層した靴底からなるので、足むれがなく、
かつ、歩行性に優れて快適な使用性能を有し、その上、
安価に提供されて、気軽な使用済ぽい捨てが可能にし
て、靴類の実用性を向上して一般利用者の便宜向上を図
り、併せて、ぼろ布の再生活用によって資源の有効利用
を促進する。以上の諸効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明一実施例の事務用靴を示し、（Ａ）はそ
の構成部材と構造を示す斜視図、（Ｂ）は（Ａ）のＥＥ
断面図、（Ｃ）はその全体斜視図、（Ｄ）は（Ｃ）のＦ
Ｆ断面図

【図２】本発明の他の実施例の運動靴を示し、（Ａ）は
その構成部材を示す斜視図、（Ｂ）はその全体斜視図

【符号の説明】

１ 事務用靴 ２ 靴底部 ３ 足カバー部 ４ 上部靴底板 ５Ａ・５Ｂ・５Ｃ・５Ｄ 下部靴底板 ６ 縁取り ７ 縫合ミシン ８ 底板主体 ９ ミシン糸 １０ 運動靴

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 着用者の足の輪郭形状を有して足を載せ
   る靴底部と、前記靴底部の周縁に連結されて前記靴底部
   の上方部分に覆蓋し、着用者の足を挿着する袋状の足カ
   バー部からなる靴類において、前記靴底部を、少くとも
   三層以上の布製の靴底板のみの集合積層になした構造を
   特徴とする靴類。
2. 【請求項２】 靴底板の積層からなる靴底部の裏面に、
   ミシン縫合によるミシン糸を断続的に密にあらわし、滑
   り止め面とした請求項１の靴類。