JP2776619B2 - 鍛造用被膜潤滑処理方法及び被膜潤滑処理手段を有する鍛造装置 - Google Patents

鍛造用被膜潤滑処理方法及び被膜潤滑処理手段を有する鍛造装置

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    • F16N15/00Lubrication with substances other than oil or grease; Lubrication characterised by the use of particular lubricants in particular apparatus or conditions
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、鍛造加工を施される鋼材の被加工面へ潤滑
被膜を形成する鍛造用被膜潤滑処理方法及びそのための
潤滑処理手段を有する鍛造装置に関する。
[従来の技術] 近年、自動車,電子,電機,建設などの広い分野にお
ける各種パーツのコストダウンニーズから冷間または温
間での鍛造加工に対する期待が高まつてきている。
従来より、炭素鋼や低合金鋼についてはかなりのパー
ツが冷間鍛造にて加工されている。こうした加工のため
の装置としては、横型パーツフォーマー,竪型パーツフ
ォーマー,竪型プレスなどがある。これらの中で竪型プ
レスにおいては、鍛造時の金型の焼き付き等を防止する
ために、供給される材料の表面へ鉱物油あるいはエマル
ジョンタイプの潤滑剤を滴下する構成が採用されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] しかし、ステンレス鋼や軸受け鋼あるいは耐熱鋼等の
いわゆる難加工材については、従来の方法及び装置で
は、金型の焼き付き等の問題があり、冷間または温間で
の鍛造加工はごく一部に限られていた。これは、潤滑油
の滴下程度は、ステンレス鋼などの難加工材に対しての
潤滑作用が十分ではないためである。一方、部品強度や
耐腐食性等の要求から、ステンレス鋼等による大量生産
に対する要望は高い。
そこで、潤滑性能の良好なる潤滑剤の開発も盛んに行
われているが、これを具体的に被膜潤滑処理として適用
するのに次の様な問題の解決が必要であった。
即ち、単に潤滑性能がよいだけではなく、材料の被加
工面には、最適な膜厚で、かつ、均一な厚さの潤滑被膜
が形成されている必要がある。被膜が不均一であると、
その潤滑性能が部分的に良かったり不足したりするた
め、複雑形状への加工や強度の加工では、なお問題があ
るためである。
また、装置内で線材を切断してトランスファーで移送
しつつ複数段の金型で鍛造加工をするインラインタイプ
といわれる鍛造装置では、被加工面たる切断端面へ潤滑
剤を塗布するための具体的手段の開発が必要である。
そこで、かかる課題を解決し、従来の技術では加工が
困難であったステンレス鋼などの難加工材についても冷
間または温間での鍛造を可能にし、かかる加工の際の金
型等の寿命を向上させ、鍛造製品のコストダウンを図る
ことを目的として本発明がなされた。特に、良好な膜厚
で均一に被膜潤滑処理を施すに適する被膜潤滑処理方法
の提供と、こうした被膜潤滑処理方法を実現する被膜潤
滑処理手段を有する鍛造装置の提供を目的としている。
[課題を解決するための手段] この目的を達成するためになされた本発明の鍛造用被
膜潤滑処理方法は、 鍛造加工を施される鋼材の被加工面へ潤滑被膜を形成
する鍛造用被膜潤滑処理方法であって、 前記鋼材の被加工面を略密閉された所定の空間内で露
出させ、該鋼材をアースした状態で、直流高電圧にて帯
電させた粒子状の潤滑剤を該所定の空間内へ送り込むこ
とを特徴とする。
ここで、略密閉状の空間としては、鋼材の近傍を四方
から完全に囲むボックス状のものは当然に含まれる。ま
た、鋼材の近傍に明確な仕切りがあるわけではないが、
これを全体として収納するかなり大きな空間であっても
構わない。いずれにしても、帯電状態の潤滑剤が、アー
スされた鋼材と関係において、クーロン力の作用の結果
として鋼材の少なくとも被加工面に吸着され得る様に、
帯電した潤滑剤粒子が所定時間滞留できる空間であれば
よい。
また、本発明の被膜潤滑処理手段を有する鍛造装置
は、 所定寸法に切断された鋼材の切断端面を鍛造加工する
鍛造加工手段と、 粒子状の潤滑剤を直流高電圧にて帯電させる潤滑剤帯
電付与手段と、 前記鍛造加工手段の前に配設され、前記鋼材の少なく
とも前記切断端面を露出させる略密閉状態の空間と、該
空間内へ前記帯電された潤滑剤を吹き出す吹き出し口と
を有する被膜潤滑処理手段と、 前記空間内に持ち込まれた鋼材をアースするアース手
段と を備えることを特徴とする。
また、かかる構成からなる被膜潤滑処理手段を有する
鍛造装置においては、 前記鍛造加工手段を複数備え、 前記被膜潤滑処理手段は、筒体の両端を塞ぐことによ
って前記空間を形成する組立体にて構成し、 該組立体を、少なくとも強度の加工を施す鍛造加工手
段の前の並設位置に組み付けることとしてもよい。
なお、ここでいう潤滑被膜処理手段としての組立体
は、複数段の鍛造金型の一つを交換する形で着脱自在と
するとなおよい。即ち、金型と類似した組立構造からな
る被膜潤滑処理用の組立体を用意し、鍛造加工の形状に
応じ、その強度の加工となる金型の前の位置に取り付け
る構成とすればよいのである。
しかし、鍛造装置として本発明を実現するに当たって
これに拘る必要はなく、鍛造装置が略密閉状態の本体内
に鍛造用の金型を収容したものであれば、本体の空間を
利用してこれを本発明請求項2にいう略密閉状態の空間
とし、ここに帯電された潤滑剤粒子を吹き出す構成とし
てもよい。こうした構成では、例えば装置内に備えられ
ているトランスファーをアースし、このトランスファー
で支持した鋼材に被膜潤滑処理を行なう構成とすればア
ースの条件を満足することができる。
なお、粒子状の潤滑剤とは、粉末状の潤滑剤ばかりで
なく、懸濁液状の潤滑剤を霧状に噴霧したものも含む。
[作用] 本発明請求項1記載の鍛造用潤滑被膜処理方法によれ
ば、前記所定の空間内で露出した鋼材の被加工面には、
高電圧にて帯電された潤滑剤の粒子が付着する。この付
着は、粒子状の潤滑剤と鋼材との間に作用するクーロン
力に基づいた吸着作用による。鋼材側はアースにより等
電位とされているから、被加工面上には、その面に沿っ
て均一な厚さで潤滑被膜が形成されることになる。な
お、膜厚は、潤滑剤の供給量やこうした処理を行なう時
間あるいは略密閉状の空間の容積等によって調整するこ
とができる。この結果、鍛造加工時に良好な潤滑作用が
得られ、難加工材の加工も可能となる。特に、被膜が均
一に形成されることから、部分的に潤滑性能が劣るとい
ったことがなく、複雑形状への鍛造加工や強度の加工に
適している。
また、本発明請求項2及び請求項3に記載の被膜潤滑
処理手段を有する鍛造装置によれば、かかる良好な潤滑
被膜を簡単に形成できる。特に、コイル材を装置内で切
断してそのままパンチへ送るインラインタイプの鍛造装
置に適用すると、従来は油潤滑しかできなかった切断端
面への潤滑被膜処理を簡単に行なうことができる。横型
パーツフォーマーでは、従来はこうした油潤滑さえもう
まくできなかったが、本発明の装置における構成を採用
すれば、油潤滑よりもさらに良好な潤滑性能の潤滑被膜
を形成した状態で鍛造をすることができる。
さらに、請求項3記載の装置においては、被膜潤滑処
理手段を筒体の両端を塞いで空間を形成する組立体にて
構成しているので、分解して取り付け・取り外しするこ
とができ、必要に応じた箇所へ配設することができる。
従って、上述の如き良好な被膜を、そうした被膜がある
ことを特に必要とする強度の加工の前に施す構成とする
に当り、大幅な装置の設計変更等を必要としない。
そして、例えば据え込み等をした後に鍛造する場合な
どにおいても、据え込みでいびつになった被加工面に
も、上述のクローン力の作用を利用して均一な潤滑被膜
を形成することができる。従って、潤滑性能にむらのな
い状態で強度の加工を行うことができる。
ここで、潤滑被膜処理手段としての組立体は、強度の
加工が複数段あるならばそれらの鍛造加工手段へ鋼材を
送り込む前にそれぞれ備える構成としてもよいし、さら
に、最初の軽度の加工のためのパンチ等の前にも備える
構成としてもよい。
[実施例] 次に、本発明を一層明らかにするために、本発明を適
用した好適な実施例について説明する。
実施例では、第1図及び第2図に示すような装置を用
いて種々の難加工材を鍛造加工し、第3図〜第6図に示
す様な加工手順にてベアリング等のパーツに鍛造加工し
た。
まず、第1図及び第2図に基づいて、装置の構成を説
明する。
図示の鍛造装置1は、インラインにて鋼材を切断する
タイプのものであって、供給材3としてはコイル状のも
のを用いている。この供給材3は、ピンチローラ(図示
略)により矯正されつつ誘導加熱装置(図示略)によっ
て予備加熱されて本体1a内へ送り込まれる。送り込まれ
た供給材3は、本体1a内のカッター5にて所定寸法のス
ラグ7に切断され、このスラグ7がプッシャー9にて押
し出されてトランスファー10に保持される。鍛造装置1
は、こうしてトランスファー10に保持されたスラグ7
を、鍛造用の第1金型11,第2金型12,…と順次送りつつ
鍛造加工する構成となっている。ここで、本実施例の鍛
造装置では、第1金型と第2金型12の間に、スラグ7の
両端面7a,7bに被膜潤滑処理を施す静電スプレー装置20
を備えている。
静電スプレー装置20は、各金型11,12,…と同様の組立
式の構造となっている。その構成を第2図にて説明す
る。
組立式の静電スプレー装置20は、絶縁材料にて製造さ
れた筒体21と、この筒体21の中心孔21aを一方から塞ぐ
ノックアウトピン23と、他方から塞ぐ押し込みパンチ25
とから略密閉状態の被膜潤滑処理空間27を形成する様に
なされている。なお、ノックアウトピン23と押し込みパ
ンチ25は、各金型11,12,…におけるノックアウトピン11
a,12a,…や鍛造パンチ11b,12b,…と構造,駆動方法等に
おいて同様のものである。異なる点でいえば、押し込み
パンチ25は二重構造となっており、中心を挿通して独自
に出没する押し込みピン29を備えている点である。
筒体21の中心孔21aは、第1金型11での加工後のスラ
グ7の外径と略同一径とされ、入口部分はブッシュで補
強されている。また、中心孔21aには、その各端部側壁
に開口する潤滑剤吹き込み通路31,32と、この吹き込み
通路31,32と対面して開口する潤滑剤吹い出し通路33,34
とが形成されている。各通路31〜34は絶縁材料で形成さ
れている。
また、筒体21は、中心孔21aの中央部側壁から出没す
る導電材料製のスラグ押え部材35,36をも備えている。
各スラグ押え部材35,36は対向する位置関係とされてお
り、それぞれの背後に配設されたコイルバネ37,38にて
中心孔へ向かって付勢されている。また、スラグ押え部
材35,36はそれぞれアースされている。
一方、前述の吹き込み通路31,32は、内部に粉末状の
潤滑剤Aを収納した潤滑剤収納ボックス40から導出され
た絶縁材料製の吹き出し通路41が途中で分岐したものと
して形成されている。また、吸い出し通路33,34は、途
中で合流して潤滑剤収納ボックス40への送り込み通路42
を形成している。これらによって、潤滑剤Aを給送・回
収する一つの閉ループが形成されている。
また、送り通路41の分岐位置から先にはそれぞれ、高
電圧電源43からの直流高電圧によるコロナ放電が行われ
る帯電付与部45,46が備えられている。なお、この帯電
付与部45,46に高電圧電源43から与えられる電圧は、80k
Vである。
次に、この鍛造装置1における被膜潤滑処理の手順に
ついて説明する。
第1金型11での軽度の加工が完了したスラグ7は、ト
ランスファー10にて筒体21の入口部分に移送され、押し
込みパンチ25にて筒体21の中心孔21aの入口部分まで送
り込まれる。このとき、中心孔21aの入口が押し込みパ
ンチ25にて塞がれ、略密閉状の被膜潤滑処理空間27が形
成される。続いて押し込みピン29が駆動されて、このス
ラグ7がさらに押し込まれる。押し込みピン29は、スラ
グ7がスラグ押え部材35,36にて挟まれる位置まで突出
した後に後退して押し込みパンチ25内に没入する。
この結果、スラグ7は、略密閉状の被膜潤滑処理空間
27内でスラグ押え部材35,36を介してアースされた状態
にて保持されることになる。
ここへ、潤滑剤収納ボックス40から送りポンプ51にて
送り出され、帯電付与部45を通って高電圧に帯電された
粉末状潤滑剤Aが潤滑剤吹き込み通路31,32を介して被
膜潤滑処理空間27内へ吹き出される。この空間27内に吹
き出された粉末状潤滑剤Aは、フラグ7との電位差に基
づくクーロン力によって、スラグ7の各端面7a,7bに吸
着される。このとき、端面7a,7bは、全面に渡って電位
「零」の状態であるから、均一な厚さの層として潤滑被
膜が形成される。
一方、余剰の粉末状潤滑剤Aは、吸い出し戻しポンプ
52にて潤滑剤吸い出し通路33,34を介して被膜潤滑処理
空間27から吸い出され、途中サイクロン集塵機54にて粗
い粒子を除去され、続いて排気フィルター55にて微細な
粒子を除去されて潤滑剤収納ボックス40へと戻される。
被膜潤滑処理が終了した後のスラグ7は、前進駆動さ
れるノックアウトピン23にて筒体21から押し出され、再
びトランスファー10に保持されて第2金型12へ送られ
る。
なお、この被膜潤滑処理の中で、被膜厚さは50μを目
標とし、これに合致する様に潤滑剤供給量と処理時間を
設定してある。
以上の様な構成の鍛造装置1において、各種の難加工
材をベアリング等に加工した。なお、その加工形状や段
数等に応じて、組立式の各金型11,12,…を取り替えて鍛
造加工を実行した。
これらに用いたパンチ11b,12b,…の材質は第1表の通
りである。
また、粉末状潤滑剤Aとして、市販リン酸を主成分と
する酸化物パウダーを使用した。
また、加工には、難加工材として知られているSUJ2
鋼,SUS304鋼,SUS430鋼,SUS410鋼のコイル材を用いた。
これら各鋼材の成分、硬さ及びコイル表面(切断端面で
はない)の被膜処理の条件を第2表に示す。
各鋼材No.A〜Dは、それぞれ鋼種に応じて加工形状を
変えており、その最終製品の形状を第3図〜第6図に示
す。なお、各図においては、正面図の左半分を断面で示
した。
鋼材No.Aについては、実施例として、上述の鍛造装置
1にて粉末状潤滑剤Aを使用した被膜潤滑処理を実施し
つつ鍛造加工を行なった。その際の条件としては、予備
加熱条件を200℃及び400℃とし、第3図に示す様に、
(A)〜(E)と5つの鍛造工程を経て、スラグ60から
ベアリングレース62を製造した。また、比較例として、
予備加熱条件200℃において、切断端面へは潤滑剤を塗
布せずに、単に油潤滑をしただけで同様の形状への加工
を行なった。
同様に、鋼材No.Bについては、実施例及び比較例とし
て予備加熱条件300℃にて、第4図に示す様に、(A)
〜(E)と5つの鍛造工程を経てスラグ70から継手72を
製造した。
また、鋼材No.C及びDについては、実施例として予備
加熱条件200℃及び400℃について、第5図及び第6図に
示す様な手順にて、それぞれ(A)〜(E)の5つの鍛
造工程及び(A)〜(F)の6つの鍛造工程を経て、ス
ラグ80からアンカーボルト82を、スラグ90から電子制御
燃料噴射装置のハウジング92を製造した。比較例は、い
ずれの鋼種についても予備加熱条件200℃である。
なお、実施例における補助潤滑及び比較例での油潤滑
としては、松村石油製の商品名「ネオクレールSPH−3
B」を使用した。
これらの鍛造による製品製造数の結果を第3表に示
す。
ここで、第3表における製品製造数とは、一つのパン
チで製造することができた製品の個数である。
第3表から明らかなように、鋼材No.A,B,Dについて
は、切断端面への粉末状潤滑剤Aによる被膜・潤滑処理
の有無により、製品製造数において、1オーダーから2
オーダーの差があった。即ち、端面潤滑の効果は極めて
顕著である。また、鋼材No.Cについても、試験No.6に比
して試験No.7では4倍近い個数の製品を製造することが
できた。
なお、被膜潤滑処理が完了した段階で、次の工程へ送
らずにスラグ60等を取り出して確認したところ、各端面
60a,60b等には、膜厚約50μの均一な潤滑被膜が形成さ
れていた。
以上の様に、本実施例の装置及びそこに採用された方
法によって潤滑被膜処理をしたことにより、切断端面に
は簡単に良好な均一膜厚の潤滑被膜を形成することがで
き、鍛造による製品製造数が大幅に増加した。また、SU
S304鋼に見られる様に、従来では製品の製造はほとんど
不可能であった様な難加工材においても、鍛造加工で相
当複雑な形状のものまで加工することが可能になった。
加えて、静電スプレー装置20として、筒体21を中心と
した組立体で構成し、金型と交換自在としたことによ
り、種々の形状への鍛造加工において、必要に応じた位
置に被膜潤滑処理手段を配置することができる。
以上本発明の実施例を説明したが、本発明はこれらに
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲の
種々なる態様で実施することができることはいうまでも
ない。
例えば、インラインでの切断に代えて鍛造装置外で切
断したスラグを供給して鍛造加工を実施する装置におい
ても、上述の静電スプレー装置20と同様の処理装置を、
鍛造装置の本体外に設けて予め被膜潤滑処理を施せば、
切断端面に均一な膜厚の潤滑被膜を簡単に形成すること
ができる。
また、インラインタイプのものあるいはそれ以外のも
ののどちらについても、本体1aと第1金型11との間に存
在する略密閉状の空間を利用して被膜潤滑処理を行なう
構成としてもよい。この場合は、トランスファー10をア
ースしておけば、被膜潤滑処理の際のスラグ7のアース
を兼ねることができる。
さらに、例えば、継手72を製造する場合に、工程
(C),(D),(E)の前にも、静電スプレー装置20
と同様の装置を配設する構成とすれば、さらに金型寿命
の向上に資することは明らかである。こうした場合に
は、複雑形状の中間加工体に対する均一膜圧の潤滑被膜
を形成するインラインでの被膜潤滑処理方法として、本
発明の作用・効果が一段と顕著に表れる。
さらに、いわゆる冷鍛において本発明を適用してもよ
く、潤滑剤の種類も何ら限定するものではない。例え
ば、潤滑剤として懸濁液状のものを用いてこれを霧状に
して給送する途中に上述の帯電付与部45と同様の構成を
採用しておけば、帯電した霧状の潤滑剤を用いることも
できる。
加えて、端面だけでなく、全面へ被膜潤滑処理を施す
構成としても構わないことも勿論である。
なお、本実施例では、帯電付与部45での直流高電圧と
して80kVを採用したが、負の直流高電圧でもよい。
発明の効果 本発明の被膜潤滑処理方法によれば、ステンレス鋼な
どの難加工材の鍛造をも可能にし、高強度部品等を簡便
に製造することができる。また、金型寿命を向上させる
ことができる。この結果、各種パーツ等の製造において
大幅なコストダウンを図ることができる。なお、本発明
方法は、均一な厚さの潤滑被膜を簡便に形成する方法と
して採用するに適しており、難加工材以外においても、
被膜潤滑処理方法として優れた作用・効果を奏する。特
に、中間加工体の様に、既に端面が変形されている場合
に、むらなく均一な潤滑被膜を形成できる点で優れてい
る。
また、本発明の被膜潤滑処理手段を有する鍛造装置に
よれば、従来は油潤滑程度で、全く端面潤滑の行われて
いないインライン切断型の装置であっても、端面への潤
滑被膜を形成することができる。この結果、連続工程・
連続操業で鍛造製品を製造するに当り、金型交換等のイ
ンターバルを長くすることができ、一層のコストダウン
を図ることができる。
加えて、請求項3に示した如く組立体にて構成するな
らば、従来装置の大幅な設計変更等をする必要がなく、
鍛造装置製造上も有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例としての鍛造装置の構成を表す断面図、
第2図はその被膜潤滑処理装置の構成を表す断面図、第
3図はSUJ2鋼からの鍛造品の形状及びその加工工程を表
す説明図、第4図はSUS304鋼から鍛造品の形状及びその
加工工程を表す説明図、第5図はSUS430鋼からの鍛造品
の形状及びその加工工程を表す説明図、第6図はSUS410
鋼からの鍛造品の形状及びその加工工程を表す説明図で
ある。 1……鍛造装置、1a……本体 3……供給材、5……カッター 7……スラグ、7a,7b……端面 9……プッシャー、10……トランスファー 11〜14……金型 11a〜14a……ノックアウトピン 11b〜14b……鍛造パンチ 21……筒体、21a……中心孔 23……ノックアウトピン 25……押し込みパンチ 27……被膜潤滑処理空間 29……押し込みピン 31,32……潤滑剤吹き込み通路 33,34……潤滑剤吸い出し通路 35,36……スラグ押え部材 40……潤滑剤収納ボックス 43……高電圧電源 45,46……帯電付与部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−169899(JP,A) 特開 平1−321031(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21J 3/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鍛造加工を施される鋼材の被加工面へ潤滑
    被膜を形成する鍛造用被膜潤滑処理方法であって、 前記鋼材の被加工面を略密閉された所定の空間内で露出
    させ、該鋼材をアースした状態で、直流高電圧にて帯電
    させた粒子状の潤滑剤を該所定の空間内へ送り込むこと
    を特徴とする鍛造用被膜潤滑処理方法。
  2. 【請求項2】所定寸法に切断された鋼材の切断端面を鍛
    造加工する鍛造加工手段と、 粒子状の潤滑剤を直流高電圧にて帯電させる潤滑剤帯電
    手段と、 前記鍛造加工手段の前に配設され、前記鋼材の少なくと
    も前記切断端面を露出させる略密閉状態の空間と、該空
    間内へ前記帯電された潤滑剤を吹き出す吹き出し口とを
    有する被膜潤滑処理手段と、 前記空間内に持ち込まれた鋼材をアースするアース手段
    と を備えることを特徴とする被膜潤滑処理手段を有する鍛
    造装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の被膜潤滑処理手段を有する
    鍛造装置において、前記鍛造加工手段を複数備え、 前記被膜潤滑処理手段は、筒体の両端を塞ぐことによっ
    て前記空間を形成する組立体にて構成し、 該組立体を、少なくとも強度の加工を施す鍛造加工手段
    の前の並設位置に組み付けることを特徴とする被膜潤滑
    処理手段を有する鍛造装置。
JP2167497A 1990-06-26 1990-06-26 鍛造用被膜潤滑処理方法及び被膜潤滑処理手段を有する鍛造装置 Expired - Lifetime JP2776619B2 (ja)

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