JP2776459B2 - 光ディスク - Google Patents

光ディスク

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JP2776459B2
JP2776459B2 JP6107551A JP10755194A JP2776459B2 JP 2776459 B2 JP2776459 B2 JP 2776459B2 JP 6107551 A JP6107551 A JP 6107551A JP 10755194 A JP10755194 A JP 10755194A JP 2776459 B2 JP2776459 B2 JP 2776459B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報の書き込みまたは
書換可能な光ディスクに係り、特に、安定したトラッキ
ング制御と高密度記録再生とを可能にする光ディスクに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、現在市販されている記録可能な
光ディスクでは、スパイラル状または同心円状に形成さ
れた凹部(案内溝、一般にグルーブと呼ぶ)または凸部
(一般にランドと呼ぶ)のいずれか一方に、約1.2〜
1.6μmのトラックピッチで情報記録トラックが形成
され、このトラックに設けられたデータ領域に情報を記
録している。図11に一般的な記録可能な光ディスクの
平面図を示す。この光ディスク1のトラック2はスパイ
ラル状(渦巻状)に形成され、アドレス領域3とデータ
領域4とが一対となって周期的に分断されたセクタ構造
となっている。そして、アドレス領域3には、予め凹凸
プリピット7a,7bで形成されたアドレス情報3aと
チドリマーク3bとがあり、後に続くデータ領域4のア
ドレスとトラック直流オフセットの検出のための情報を
示している。
【0003】ここで、データ領域4をグルーブ5に形成
する場合とランド6に形成する場合のそれぞれの場合に
おけるアドレス領域3の状態を図12及び図13に示
す。図12はデータ領域4をグルーブ5に形成した場合
のアドレス情報3aとチドリマーク3bの形成状態を示
す図であり、前のデータ領域(グルーブ)4に続いて同
じトラック2の中心軸上にグルーブ5と同じ幅のプリピ
ット7aでアドレス情報3aが形成され、続いてトラッ
ク2の中心軸の左右にグルーブ5と同じ幅のプリピット
7bでトラック直流オフセットを検出してトラッキング
を制御するためのチドリマーク3bが形成されている。
【0004】また、図13はデータ領域4をランド6に
形成した場合のアドレス情報3aとチドリマーク3bの
形成状態を示す図であり、ランド6上に形成された前の
データ領域4に続いて同じトラック2の中心軸上にラン
ド6の幅よりも狭い幅のプリピット8aでアドレス情報
3aが形成され、続いてトラック2の中心軸の左右にラ
ンド6の幅よりも狭い幅のプリピット8bでトラック直
流オフセットを検出してトラッキングを制御するための
チドリマーク3bが形成されている。
【0005】ところで最近では、映像情報の高画質化に
伴う情報量の増加や記録媒体の小型化の要求が高まって
いることから、光ディスクの記録密度を向上させる必要
がある。そして、このために、例えば特公平4−276
10号公報等に開示されているような、グルーブ5およ
びランド6の両方に記録マーク9を形成して情報を記録
する方法が提案されている。図14にこの方法で記録さ
れた光ディスク媒体の一部切り欠き拡大斜視図を示す。
この方法は、一般にランド/グルーブ記録と呼ばれてお
り、物理トラックピッチは従来のものと同じであるので
安定なトラッキングを保つことができ、情報トラックピ
ッチは半分の約0.6〜0.8μmになるので従来より
も2倍の高密度化が可能となる。そして、情報トラック
ピッチが従来のものの半分になることから生じる隣接情
報トラックからのクロストークを低減させる方法とし
て、溝深さの最適化や信号処理による方法等が活発に研
究開発されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このランド/グルーブ
記録において、従来のようにランドトラックまたはグル
ーブトラックのどちらか一方にだけアドレス情報等を形
成した場合は、他方のトラックに記録再生する際にアド
レスの読み出しやトラック直流オフセットが検出できな
いという問題点が生じる。即ち、アドレスの読み出しが
できないと、所望のトラック、セクタに記録することが
不可能となる。また、トラック直流オフセットは、プッ
シュプル法トラッキングサーボを採用した場合に現れる
ものであり、レンズのシフトやディスクの傾きなどで発
生する。そして、このトラック直流オフセットがある
と、トラッキングエラー信号が0を表示しても、ビーム
がトラックの中心にはないので、情報信号の記録再生に
支障を来たすという課題が生じていた。
【0007】また、ランドトラックとグルーブトラック
の両方にアドレス情報とチドリマークをそれぞれ設ける
ことを考えた場合、図12に示したのと同様に、グルー
ブトラックのチドリマーク3bをグルーブ5と同じ幅の
ビームを用いて形成すると、ランド6側にもはみ出して
しまうので、グルーブ5よりも幅の狭い別のビームを使
用して形成する必要がある。しかしながら、別のビーム
を使用するとトラック直流オフセットを検出するための
チドリマーク3bの中心軸と情報データを記録するグル
ーブ5の中心軸とを完全に一致させることが困難であ
り、微妙なずれがグルーブ5へのデータの記録再生に支
障を来たすことになるので、ランドトラックとグルーブ
トラックの両方にアドレス情報とチドリマークをそれぞ
れ設けることはできなかった。
【0008】このように、近年、ランド/グルーブ記録
が提案されてはいるものの、実際に両方のトラックに記
録再生するのに良好なアドレス情報とトラッキング制御
のための情報を形成した光ディスクはなかった。そこで
本発明は、ランド/グルーブ記録を行う光ディスクにお
いて、ランドとグルーブそれぞれのアドレス情報の読み
出し及びトラックオフセットの検出を確実に行うことが
できるようにすることにより、安定で高精度なトラッキ
ング制御と高密度記録再生とを実現する光ディスクを提
供し、上記課題を解決することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、スパイラル状または同心円状に形成され
た凹部(グルーブ)とこの凹部間の凸部(ランド)の両
方に、アドレス領域とデータ領域とを交互に有するトラ
ックを形成して情報を記録する光ディスクであって、前
記凹部に形成されたトラックの前記アドレス領域と前記
凸部に形成されたトラックの前記アドレス領域のそれぞ
れの略トラック中心軸上にアドレス情報を示す凹凸のプ
リピット列が形成され、この凹凸のプリピット列に続い
て前記凹部のトラック中心軸とこの凹部に隣接する前記
凸部のトラック中心軸との間にトラッキング制御用のプ
リピットが形成されていることを特徴とする光ディスク
を提供しようとするものである。
【0010】
【実施例】本発明は、ランドトラックの中心軸上及びグ
ルーブトラックの中心軸上の両方にそれぞれ凹凸プリピ
ットでアドレス情報を形成し、このアドレス情報に続い
て、トラック直流オフセットを検出する凹プリピットで
表されるチドリマークをランドトラックとグルーブトラ
ックとの境界に形成することにより、ランド及びグルー
ブの両方でアドレス及びトラック直流オフセットの検出
が可能となるようにしたものである。
【0011】ここで、本発明の光ディスクの一実施例を
図面と共に説明する。図1及び図2は、本発明の光ディ
スクの一実施例である書換専用光ディスクを示す部分平
面図であり、図1はグルーブトラックとランドトラック
とで異なる値のアドレス情報13aを形成した場合を示
し、図2は隣接する2つのグルーブトラックとランドト
ラックとで同じ値のアドレス情報13aを形成した場合
を示している。そして、このように、隣接する2つのグ
ルーブトラックとランドトラックとで同じ値のアドレス
情報13aを形成した場合は、アドレス情報13aの読
み出し時に、片一方の隣りのトラックのアドレス情報1
3aのデータ(ピット17a)が同じであるので、クロ
ストークが少なくなるという効果がある。
【0012】各図において、グルーブ15の幅及びラン
ド16の幅は各々0.7〜0.8μmで、グルーブ15
の幅とランド16の幅の比は略1:1とする。ランド1
5及びグルーブ16のアドレス情報13aを示すピット
17aは、ピット幅を各々0.3〜0.4μm、ピット
長を0.6μm前後とし、それぞれランド15及びグル
ーブ16の中心軸上に形成する。そして、ランド15と
グルーブ16の境界に形成するトラックオフセット検出
用のチドリマーク13bのピット17bは、ピット幅を
グルーブ15の幅と同様の0.7〜0.8μm、ピット
長を0.6μm前後とし、それぞれ隣り合うランド16
とグルーブ15の両中心軸に接するようにして形成す
る。この様に、アドレス情報13aを示すピット17a
をランドトラック及びグルーブトラックの両方に形成す
るので、ランドトラックあるいはグルーブトラックのど
ちらに記録再生する場合でも、確実にアドレスの読み出
しができることになる。また、チドリマーク13bは、
ランドトラックの中心軸及びグルーブトラックの中心軸
から左右に振り分けた一対のピット17bとして形成さ
れているので、ランドトラックあるいはグルーブトラッ
クのどちらに記録再生する場合でも、隣り合うトラック
同志でピット17bを共用しながら、従来通りに反射光
の大きさを比較して、トラック中心からのずれ量、即ち
トラック直流オフセットを検出することができる。
【0013】また、予めデータ領域の一部分に情報をプ
リピットで形成した書換型光ディスクを一般にパーシャ
ルROMと呼んでいる。このパーシャルROMの部分平
面図を図3に示す。同図において、レーザ光によって情
報の書換えを行うことのできる書換領域をRAM部1
8、データ領域のうちプリピットが形成されて再生のみ
を行うピット再生情報領域をROM部19と呼ぶことに
すると、ROM部19はデータ領域内のランド16に形
成され、データ領域内のグルーブ15とプリピットの形
成されていないランド16がRAM部18となる。そし
て、この様にRAM部18とROM部19とを配置した
場合には、ROM部19の形成されたセクタの前後のセ
クタが必ずRAM部18となるので、情報の再生途中で
時系列的に瞬時にROM部19からRAM部18、ある
いはRAM部18からROM部19に切り換えることが
可能となる。
【0014】このような光ディスクを形成するための原
盤は、図5に示したような原盤カッティング装置により
形成される。同図に示す原盤カッティング装置におい
て、アルゴンレーザ等のレーザ光を発するレーザ源21
から射出したレーザビームは、ビームスプリッタ22
a,22bによって3つのビームに分割される。分割さ
れた3つのビームは、それぞれ光変調器23a〜23c
を通過して変調される。そして、第1のビームは偏向器
24を介してビームエキスパンダ25aに供給され、第
2及び第3のビームはそのままビームエキスパンダ25
b,25cに供給されて所望のビーム径に変更される。
その後、第1のビームはスリット26により、トラック
の垂直方向に長い楕円形のビームスポットに変形されて
ミラー27aにて反射され、ビームスプリッタ27b,
27cによって他の2つのビームと略同一の光軸に合成
される。そして、記録レンズ28によってこれらのビー
ムが回転されている記録用ガラス円盤(原盤)29に集
光されて原盤29のカッティングが行われる。
【0015】ここで、原盤カッティングビームと形成さ
れる溝及びピットの関係図を図4に示す。第1のビーム
はスリット26によりトラックの垂直方向に長い楕円形
のビームスポットに変形されおり、幅0.7〜0.8μ
mのグルーブ(溝)15及びチドリマーク13bを形成
する。このチドリマーク13bを示すピット17bは、
第1のビームを偏向器24によって記録用ガラス円盤3
0の回転方向に対して直交する方向に偏向することによ
り形成される。第2のビームはグルーブトラックのアド
レス情報13aを示すピット17aをピット幅0.3〜
0.4μmで形成する。さらに、第3のビームはランド
トラックのアドレス情報13aを示すピット17aをピ
ット幅0.3〜0.4μmで形成する。また、図3に示
したように、ランド16の一部にROM部19をプリピ
ットで形成する場合には、この第3のビームによって形
成する。
【0016】このとき、第1のビームの中心軸と第2の
ビームの中心軸とが完全に一致せず、微妙にずれる場合
がある。しかしながら、チドリマーク13bとグルーブ
15は同じ第1のビームで形成されるので、その中心軸
は完全に一致し、グルーブ15に記録される情報の再生
は、チドリマーク13bによるトラッキングオフセット
補正によってこの場合でも確実に行われる。そして、第
2のビームで形成されるアドレス情報13aはプリピッ
ト17aで形成されており、中心軸に約0.05μm程
度のずれが生じていても、アドレス信号の振幅が1dB
程度下がるだけで読取りに支障が出ることはない。
【0017】そして、図2のようにランドトラックのア
ドレス情報13aとこれに隣接するグルーブトラックの
アドレス情報13aとを同一内容としても良く、この場
合は、上述したように、アドレス情報13aの読みだし
時のクロストークが少なくなるので、アドレスの読み出
しがより確実になるという利点がある。また、このアド
レス情報13aを同一内容とした場合において、ROM
部19(図3参照)を形成しない場合は、第2のビーム
で形成するピット17aと第3のビームで形成するピッ
ト17aとが全く同じになるので、原盤カッティング装
置を図6に示すように、第2のビームから第3のビーム
を分割して使用することにより、第3のビーム用の光変
調器23cとビームエキスパンダ25cとを省略するこ
とができ、原盤カッティング装置のコストダウンが可能
となる。
【0018】次に、本実施例の光ディスクを記録再生す
る光ディスク記録再生装置のトラッキング制御について
図7に示す構成図と共に簡単に説明する。なお、同図に
は、光ディスク記録再生装置のトラッキング制御に関連
する部分だけを示しており、他の部分は省略している。
半導体レーザ31から出力されるレーザ光は、カップリ
ングレンズ32によって平行光に変換された後、ビーム
スプリッタ33を介して対物レンズ34に供給され、光
ディスク11に集光される。そして、光ディスク11に
よって反射された光は、対物レンズ34によって平行光
に変換され、ビームスプリッタ33にて方向を変えられ
て、集光レンズ(検出レンズ)35に供給される。この
集光レンズ35では、供給される平行光をトラッキング
サーボ用フォトディテクタ36に集光する。
【0019】トラッキングサーボ用フォトディテクタ3
6は、ビームスポットが走査すべきグルーブあるいはラ
ンドに正確に位置付けられているときには、各ディテク
タから大きさの等しい信号を出力し、ビームスポットが
走査すべきグルーブあるいはランドからトラッキング方
向にずれているときには、ずれ方向に応じて一方のディ
テクタから出力される信号が他方に比べて大きな信号と
なって出力される。この出力信号は、差動増幅器37に
供給され、入力される各信号の差を示すトラッキングエ
ラー信号として出力される。このトラッキングエラー信
号は、サーボ回路38に供給されて、位相補償などの処
理をされた後、アクチュエータ駆動アンプ39に供給さ
れ、トラッキングエラー信号に対応して対物レンズ34
駆動用のトラッキングアクチュエータ40を駆動し、こ
れによりビームスポットのトラッキング制御を行って、
情報の記録再生をしている。
【0020】ここで、本実施例の光ディスクの部分平面
図と部分断面図との関係及びこの光ディスクを図7に示
すような記録再生装置で再生したときのトラッキングエ
ラー信号波形との関係を図8(A)〜(I)に示し、以
下に説明する。なお、同図(A)は光ディスクの部分平
面図、同図(B)は同図(A)におけるA−A断面図、
同図(C)は同B−B断面図、同図(D)は同C−C断
面図、同図(E)は同D−D断面図、同図(F)は同E
−E断面図、同図(G)は第1のデータ領域のトラッキ
ングエラー信号波形を示すグラフ、同図(H)はアドレ
ス領域のトラッキングエラー信号波形を示すグラフ、同
図(I)は第2のデータ領域のトラッキングエラー信号
波形を示すグラフである。
【0021】同図(A)において、レーザスポットは図
中矢印の方向に移動して情報の読取りを行っており、図
では複数のトラック部分が示されている。そして、この
光ディスクの第1のデータ領域の断面図が同図(B)に
示されており、同様に、同図(C)はアドレス情報13
aを示すピット17a部分の断面図、同図(D),
(E)はチドリマーク13bを示すピット17b部分の
断面図、同図(F)は第2のデータ領域の断面図となっ
ている。また、第2のデータ領域のランド16に形成さ
れているピットはROM部19である。
【0022】そして、同図(B),(C)からは、アド
レス情報13aを示すピット17aが、グルーブ15及
びランド16のトラック中心軸上にそれぞれ形成されて
いることが判り、同図(B),(D),(E)からは、
チドリマーク13bを示すピット17bが、グルーブ1
5及びランド16のトラック中心軸間にそれぞれ形成さ
れており、このピット17bは、同図(D)と(E)と
で相反する位置に形成されていることが判る。
【0023】また、同図(G),(H),(I)に示す
トラッキングエラー信号のゼロクロス点が、トラッキン
グの合っている状態であり、図中、aで示したゼロクロ
ス点はグルーブ15にオントラックしているときを示
し、bで示したゼロクロス点はランド16にオントラッ
クしているときを示している。そして、各図から判るよ
うに、データ領域のグルーブ15にオントラックしてい
るときとアドレス領域においてグルーブ15及びランド
16にオントラックしているときは、右上がりの波形の
ゼロクロス点がトラック中心となるが、データ領域のラ
ンド16にオントラックしているときは、右下がりの波
形のゼロクロス点がトラック中心となる。したがって、
データ領域のランド16にオントラックしているときの
トラッキングエラー信号の極性が、他のときとは反対と
なっている。
【0024】そこで、ランド16トラックのデータ領域
のみでトラッキングサーボの極性を反転させるには、図
9に示すような極性反転回路を差動増幅器37とサーボ
回路38との間に追加すれば良い(図7参照)。
【0025】ここで、図9に示す極性反転回路について
簡単に説明する。同図に示す極性反転回路は、入力され
るトラッキングエラー信号が2つに分岐され、一方はア
ナログスイッチ41を介してそのまま出力され、他方は
反転増幅器42によって極性反転された後、アナログス
イッチ43を介して出力されるように構成されている。
アナログスイッチ41,43のオン/オフの制御は、ラ
ンド/グルーブ信号とデータ/アドレス信号とが供給さ
れるAND回路44の出力信号によって行われ、アナロ
グスイッチ43に出力する制御信号をインバータ45を
介してから出力することにより、アナログスイッチ41
及びアナログスイッチ43は、常に、一方のみがオン状
態となる。
【0026】そして、AND回路44に供給されるラン
ド/グルーブ信号は、トレースしているトラックがラン
ド16であるかグルーブ15であるかを示す信号であ
り、ランド16にオントラックしている時はハイレベル
(H)の信号が供給され、グルーブ15にオントラック
している時はローレベル(L)の信号が供給される。ま
た、データ/アドレス信号は、図10に示すように、現
在トレースしている領域がデータ領域であるかアドレス
領域であるかを示すタイミング信号であり、データ領域
をトレースしている時はハイレベル(H)の信号が供給
され、アドレス領域をトレースしている時はローレベル
(L)の信号が供給される。
【0027】したがって、AND回路44の出力信号
は、ランド16のデータ領域をトレースしている時のみ
ハイレベル(H)となり、他の場合はローレベル(L)
の信号となる。そして、アナログスイッチ41,43
は、ローレベル(L)の制御信号が供給されたときにオ
ンとなるので、ランド16のデータ領域をトレースして
いる時は、インバータ45によってローレベル(L)と
なった制御信号が供給されるアナログスイッチ43がオ
ンとなり、入力されるトラッキングエラー信号が極性反
転されて出力される。そして、他の場合はアナログスイ
ッチ41がオン(アナログスイッチ43がオフ)とな
り、入力されるトラッキングエラー信号がそのまま出力
される。
【0028】このように、トラッキングエラー信号がラ
ンド16のデータ領域をトレースしている時のみ極性反
転を行うので、図7に示した回路において、他の部分を
変更することなく、グルーブ15とランド16の両方に
対して安定したトラッキング制御を可能にすることがで
きる。
【0029】
【発明の効果】本発明の光ディスクは、凹部(グルー
ブ)に形成されたトラックのアドレス領域と凸部(ラン
ド)に形成されたトラックのアドレス領域のそれぞれの
略トラック中心軸上にアドレス情報を示す凹凸のプリピ
ット列が形成され、この凹凸のプリピット列に続いてグ
ルーブとランドの境界にトラッキングオフセット検出用
のプリピットが形成されているので、グルーブとランド
のいずれのトラック上での記録再生においても安定かつ
高精度なトラッキング制御が可能となる。また、本発明
により、ランド/グルーブ記録が可能となるので、高密
度記録再生による情報量の増加や記録媒体の小型化が可
能となる。
【0030】そして、グルーブに形成されたアドレス情
報を示す凹凸のプリピット列に隣接するランドに形成さ
れた凹凸のプリピット列のうち一方の凹凸のプリピット
列にはグルーブに形成された凹凸のプリピット列と同一
のアドレス情報が記録されている場合には、アドレス情
報の読みだし時のクロストークが少なくなるので、アド
レスの読み出しがより確実になる。また、原盤カッティ
ング装置のコストダウンも可能となる。
【0031】さらに、ランドに形成されたトラックのデ
ータ領域のうちの一部データ領域に凹凸のプリピット列
を予め形成することにより、情報を記録してROM部と
した場合には、他のデータ領域のRAMとの間で時系列
的に瞬時にROM/RAMの切り換えを行うことのでき
るパーシャルROMにすることができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスクの一実施例である書換専用
光ディスクを示す部分平面図である。
【図2】本発明の光ディスクの一実施例である書換専用
光ディスクを示す部分平面図である。
【図3】本発明の光ディスクの一実施例であるパーシャ
ルROMを示す部分平面図である。
【図4】原盤カッティングビームと形成される溝及びピ
ットの関係を示す図である。
【図5】原盤カッティング装置の光学系を説明するため
の構成図である。
【図6】原盤カッティング装置の他の光学系例を説明す
るための構成図である。
【図7】光ディスク記録再生装置のトラッキング制御を
説明するための構成図である。
【図8】本発明の光ディスクの一実施例である光ディス
クの平面図と断面図との関係及びトラッキングエラー信
号波形との関係を説明するための図である。
【図9】トラッキングサーボの極性反転回路を示す回路
図である。
【図10】データ領域及びアドレス領域におけるタイミ
ング信号(データ/アドレス信号)を説明するための図
である。
【図11】一般的な記録可能な光ディスクを示す平面図
である。
【図12】グルーブ記録方式におけるアドレス領域の状
態を示す平面図である。
【図13】ランド記録方式におけるアドレス領域の状態
を示す平面図である。
【図14】従来の光ディスク媒体を示す一部切り欠き拡
大斜視図である。
【符号の説明】 1 光ディスク 2 トラック 3 アドレス領域 3a,13a アドレス情報 3b,13b チドリマーク 4,14 データ領域 5,15 グルーブ(凹部) 6,16 ランド(凸部) 7a,7b,8a,8b プリピット 9 記録マーク 17a,17b ピット(プリピット)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スパイラル状または同心円状に形成された
    凹部とこの凹部間の凸部の両方に、アドレス領域とデー
    タ領域とを交互に有するトラックを形成して情報を記録
    する光ディスクであって、 前記凹部に形成されたトラックの前記アドレス領域と前
    記凸部に形成されたトラックの前記アドレス領域のそれ
    ぞれの略トラック中心軸上にアドレス情報を示す凹凸の
    プリピット列が形成され、この凹凸のプリピット列に続
    いて前記凹部のトラック中心軸とこの凹部に隣接する前
    記凸部のトラック中心軸との間にトラッキング制御用の
    プリピットが形成されていることを特徴とする光ディス
    ク。
  2. 【請求項2】凹部に形成されたアドレス情報を示す凹凸
    のプリピット列に隣接する凸部に形成された凹凸のプリ
    ピット列のうち一方の凹凸のプリピット列には前記凹部
    に形成された前記凹凸のプリピット列と同一のアドレス
    情報が記録されていることを特徴とする請求項1記載の
    光ディスク。
  3. 【請求項3】凸部に形成されたトラックのデータ領域の
    うちの一部データ領域に凹凸のプリピット列を予め形成
    して情報を記録したことを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の光ディスク。
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