JP2776222B2 - 湿式製砂設備の砂製品粒度制御装置およびその制御方法 - Google Patents

湿式製砂設備の砂製品粒度制御装置およびその制御方法

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JP2776222B2 JP5291284A JP29128493A JP2776222B2 JP 2776222 B2 JP2776222 B2 JP 2776222B2 JP 5291284 A JP5291284 A JP 5291284A JP 29128493 A JP29128493 A JP 29128493A JP 2776222 B2 JP2776222 B2 JP 2776222B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンクリート用骨材など
の供給の主体となっている製砂設備に係る。
【0002】
【従来の技術】高層建築物や道路、橋梁その他大半の構
築物は、セメント、水、骨材と必要な添加材料を配合混
和して一体化したコンクリートによって形成される。こ
の場合、骨材となる大小粒度の砂材は、近年天然のもの
は供給が困難であり、国土の保全上からもその採取は厳
しい制限下に置かれるから、膨大な土木建築用のコンク
リート用骨材としては、山野から切り出した岩石を破砕
して所望の粒度に製砂する人工砂が主体を占めるのが現
況である。
【0003】セメントと混和してコンクリートとなるた
めには骨材である砂材の粒度がきわめて重要な要素であ
り、その配合比とともに凝固後のコンクリート躯体の強
度に大きな影響を及ぼすことは言うまでもない。そのた
めコンクリート構造物の構築基準として骨材の粒度を厳
しく規定しているが、通常は粗粒率、すなわち80, 40,
20, 10, 5, 2.5, 1.2, 0.6, 0.3, 0.15mmの各サイズ
のふるい1組を使用してふるい分け試験を行ない、各ふ
るいを通らなかった全部の量の全試料に対する重量百分
率の和を100で除した数値で現わし、 FM値(Finess M
odulus)と呼んで品質管理の重要ポイントとしている。
【0004】人工砂の製造設備は破砕機による破砕と分
級機による分級が主体となるが、製砂時の粉塵や騒音防
止の観点から湿式の破砕機、とくに湿式ロッドミルが汎
用化されている。この場合に製品である砂材の粒度が注
文主からの仕様を満足しているかという点が常にチェッ
クされ、砂製品粒度管理が欠かせない作業時の重要項目
であることは言うまでもない。各事業所において、従
来、砂製品粒度の管理として実施している方法を挙げる
とほぼ以下の通りである。すなわち 原料ビンの引き出し口に振動フィーダを設けて原料の
供給割合を手動で粗調整し、給水配管に設けた流量指示
計と手動弁とで給水割合を手動調整して砂製品粒度を制
御する方法 原料の供給割合と給水割合をそれぞれ個別に制御し、
砂製品粒度の実測値をチェックして人的判断で適宜制御
の設定値を変更して砂製品粒度を管理する方法 湿式ロッドミルの負荷動力を電力、電流、音圧、胴体
軸受の面圧などの値を検出することによって求め、湿式
ロッドミルの負荷が一定となるように制御して砂製品粒
度を制御する方法である。さらに近年、あらゆる技術分野において作業員個人の過
去の経験や勘に頼る品質管理を切り替えて、コンピュー
タを主体とする自動制御に置き換えることが時代の趨勢
であり、製砂設備における砂製品の粒度制御についても
例外ではない。その従来技術の一例として特開平7−2
4354号公報に係る砂の粒度分布の調整方法は、図5
に示す通り原砂ストック101から供給する原砂を破砕
機102で破砕し、分級機103を通じて細砂とする製
砂装置において、破砕機102に投入する原砂の粒度と
破砕機で生産された細砂の粒度をそれぞれ接続した砂の
粒度測定装置104、105、106によって測定し、
これらのデータに基づいて制御装置の働きで破砕機10
2へ投入する原砂の最適供給量と、破砕機と分級機への
最適給水量とを自動的に設定し、これら設定値で運転さ
れるように原砂の供給量と給水量とを自動制御する方法
を主旨とする。この方法によって、自動的に投入原砂量
や給水量を調整して粒度を均一にでき省力化を図ること
ができると謳っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】湿式ロッドミルに供給
される原料は山野から切り出された岩石を一次、二次、
三次と異なる形式の破砕機によって処理され、その間に
貯溜場で一時的に待機する経歴を経て湿式ロッドミルへ
現実に供給されてきたものであるから、同じ条件に見え
ても微妙な変動のあることは避けられない。たとえば同
じ砕石場からの切り出しであっても岩質には異同があ
り、前工程における粒度分布自体がすでに同一である保
証もない。また貯溜時の条件によっては原料表面の付着
水の割合や内部に含まれる含水率も変動が生じる。この
ように供給される原料自体の状態が厳密には日々変動す
る可能性が高いのに、の方法のように湿式ロッドミル
に対する原料供給量を手動で調整し、また湿式ロッドミ
ル内や分級機内のパルプ濃度も手動で調整するのでは、
砂製品粒度の制御は作業者の経験や勘に全面的に依存す
るに留まり、個人差が大きくて到底前記の微妙な原料の
変動に追随することができない。結局、砂製品粒度にか
なりのバラツキが現われる危険性が高く、作業者が交代
すればさらにその懸念が助長されると言わざるを得な
い。
【0006】従来技術のの方法についても人為的な要
素から免れないという弱点があり、前記のと同様に変
動する原料の条件に追随するにはかなりの懸念が残され
る。
【0007】従来技術のについて見れば、湿式ロッド
ミル負荷検出装置における検知対象が電力、電流、音
圧、胴体軸受面圧の何れであっても、原料の性状変化、
湿式ロッドミル内のロッドの運動状態の変化、破砕用ロ
ッド自体の摩耗の進行、電圧低下、隣接機器の騒音や稼
働状況の変動、などの諸要因が重なり、正確な湿式ロッ
ドミルの負荷変動を把握することが困難である。また、
制御追随時間に多少の遅れがあるために誤った方向に設
定値を誘導する危険性も否定できない。また、図5に示
した自動制御による砂製品の粒度調整は、制御のベース
となる情報の基本的な出発点が原砂の粒度と細砂の粒度
であることを明記しているに留まり、これらの粒度を検
知してどのような原理原則に基づいて装置の実作動箇所
へ伝達する指令が出力するかについては何の開示も認め
られない。要するに原砂の最適供給量と最適給水量とあ
ってもその内容は具体的に一切示されていない。すでに
述べた通りに、原料の被破砕度、粒度分布、ミルのロッ
ド量、供給量、パルプ濃度などが複雑に絡み合って結果
的に製品の粒度として表われるのであるから、如何にコ
ンピュータを駆使して理論的に演算のプログラムを記憶
させたところで、これらの不特定要因をすべて網羅して
砂製品の粒度をコントロールすることが不可能なこと
は、実際に経験した過去の操業データからも教えられる
点である。加えて骨材という製品は決して単一な粒度分
布を常に求めるものではなく、コンクリート配合の目標
強度や他の骨材の配合量や粒度によって日々仕様が変更
される頻度も高いのが実情であるから、さらに制御の図
式が複雑となり、引用例の言うところの最適供給量(給
水量)を特定することは至難の業であることは当業者が
強く指摘してきた点である。
【0008】このように従来、製砂設備で実施されてき
た砂製品粒度の制御にはすべて課題が残っており、品質
管理上、座視できない重要な課題であると指摘せざるを
得ない。本発明はこの課題を解決するために、簡便にし
て完全な砂製品粒度の自動制御機能を具えた製砂設備お
よびその制御方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る製砂設備
砂製品粒度制御装置は、原料供給量制御装置1および給
水量制御装置を具えた湿式ロッドミル5と、給水量制御
装置を具えた分級機6と、原料供給装置7および給水装
置8、および装置全体の制御を司どる情報処理装置4よ
りなる湿式製砂設備を対象とし、情報処理装置4は分級
機8によって分級された砂製品の粒度をFM値測定装置
65から入力し、該FM値に基づいてあらかじめ記憶し
た制御基準曲線Aをスライド演算した補正曲線Bから原
料供給量を自動的に補正するFM値演算手段と、補正し
た原料供給量に対し常に破砕、分級系内のパルプ濃度を
一定に維持するよう給水量を補正する比率演算手段を組
込んだパーソナルコンピューター41とその周辺機器で
形成することによって前記の課題を解決した。
【0010】前記の製砂設備を使用して砂製品粒度の制
御を実施する方法としては、湿式ロッドミル5、湿式分
級機6、原料供給装置7、給水装置8、および装置全体
の制御を司どる情報処理装置からなる湿式製砂設備にお
いて、日々変更もあり得る不特定の目標砂製品粒度を
報処理装置へ初期入力し、実操業中の砂製品粒度の実測
値とを比較して、その偏差分に相当する原料供給量を過
去のデータを基準にあらかじめ記憶させた制御基準曲線
から読み取り、演算して補正曲線Bにスライドさせ、
前記目標砂製品粒度に対応する該当値を制御基準曲線A
へフィードバックして正しい原料供給量を出力し、さら
に該原料供給量に対応して所定のパルプ濃度を維持すべ
き給水量を演算して補正することによって前記の課題を
解決した。また、より具体的には、この方法において記
憶された制御基準曲線は、縦軸に原料供給量Y(t/
h)、横軸に砂製品粒度X(FM値)を目盛り、それぞ
れ特定の砂製品粒度ごとに過去のデータによって特定し
た曲線よりなり、演算は選択した特定の砂製品粒度に関
わる制御基準曲線を実測の砂製品粒度の乖離分だけ水
平に横滑りさせて補正曲線Bを作成する機能を具える
とが最適の実施例である。
【0011】
【作用】当日の目標とする砂製品粒度を情報処理装置の
設定部へ入力するとともに、現在流れつつある湿式ロッ
ドミルへの原料供給量および給水量、分級機給水量を実
測して実測値から湿式ロッドミルと分級機内のパルプ濃
度も演算する。目標砂製品粒度と実測砂製品粒度の偏差
から、この偏差に相当する原料供給量の増減を演算し補
正指令を出力する。同時に湿式ロッドミル内および分級
機内を所定のパルプ濃度に維持するため、補正した原料
供給量に比例配分した給水量を演算して補正指令を出力
し給水量を増減する。
【0012】一般に製砂設備の砂製品粒度は、供給原料
の被破砕度、粒度分布、湿式ロッドミル内のロッドの
量、原料供給量割合、湿式ロッドミルと分級機のパルプ
濃度の諸要素によって決定されるが、本発明ではこの点
に着目して、ロッド量、湿式ロッドミル内と分級機内の
パルプ濃度を一定に保持して運転すると決め、目標とす
る砂製品粒度を得るための原料供給量を求めて制御基準
値と定め、その他の要素についてはそれぞれ砂製品粒度
に及ぼす影響を指数化して原料供給量割合の補正に対応
して補正する手順を、情報処理装置によって自動的に作
動させることが本発明の作用の要諦であると言える。
なわち本発明では複雑に変動する要因の全てをコンピュ
ータで入力して演算する発想は理論的に成立したとして
も実際の操業における実態とは必ずズレがあって不正確
の謗りを免れず、粒度の制御が結局のところ作業員の経
験や技能に帰納せざるを得ない実情を知り尽くした上
で、制御を自動化するには現実に変動する要素のうち、
ロッド量と破砕、分級系内のパルプ濃度を一定に維持す
ることをまず前提として固定し、その上で過去の全ての
原料供給量の変動が現実の砂製品粒度とどう関わり合う
か、実験と設置現場固有の実績を綿密に追跡調査した結
果、各目標粒度毎の制御基準曲線を得たものである。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を図1によって説明する。図
において、原料供給装置7は砂原料ビン71、砂原料を
切り出す原料引き出しフィーダ72、原料搬送コンベア
73とからなる。湿式ロッドミル5は原料供給口51と
製品排出口52を具え、製品排出口からのパルプを受け
て不要のダスト(微粒子)を分離する分級機6は湿式ロ
ッドミル5からのパルプ供給口61とダスト排出口6
2、製品排出口63を具えている。湿式ロッドミル5お
よび分級機6へはそれぞれ所望の給水を実施する配管が
接続され、後記の制御装置を伴う給水装置8として配設
される。分級機6から排出した砂製品は製品搬送コンベ
ア91と製品貯蔵ビン92よりなる製品回収装置9へ搬
送貯溜される。
【0014】湿式ロッドミル5の原料供給量制御装置1
としては、コンベアスケール11と原料供給量指示調節
計12よりなり、ロッドミル給水量制御装置2としては
電磁式流量計21、電動式調整弁22、ロッドミル給水
量指示調節計23よりなり、分級機給水量制御装置3と
しては電磁式流量計31、電動式調節弁32、分級機給
水量指示調節計33より形成されている。
【0015】これらの制御装置からの実測値を入力し演
算し補正指示を出力する情報処理装置4としてパーソナ
ルコンピューター41とその周辺機器が配置されてい
る。パーソナルコンピューター41のCPUはI/Oポ
ートを経由して各部より送り出される実測値を信号に変
えて受入れ、解読してFM値演算手段42、比率演算手
段43をそれぞれ作動し、通信コントローラ44、45
を中継して各部へ制御信号を発信するとともに、CRT
ディスプレー46へ表示出力、ハードペーパのプリンタ
47へプリント出力を行なう。キーボード48は目標値
の初期設定のために入力を行なう部分であり、ROMは
制御に必要な基本的プログラムを記憶し、RAMはFM
値ごとの幾種類かの制御基準曲線が記憶されている。該
パーソナルコンピューターのI/Oポートへ実測値を入
力するための付帯設備として、分級機製品排出口の下に
自動サンプラー64とFM値測定装置65が具えられて
いる。
【0016】図2に例示した制御基準曲線Aは製砂設備
において湿式ロッドミル5内のロッド量、湿式ロッドミ
ル5と分級機6内のパルプ濃度を一定に保持して運転し
た場合の、原料供給量Yt/h)とFM値(X)で表
示した砂製品粒度の関係を示したものである。この曲線
を得るためには従来試験または実操業のデータから前記
のXとYの相関関係を調べ、実測した(X,Y)、
(X,Y)……(X,Y)をプロットして結ん
でパラメータ化し、制御基準値としてパーソナルコンピ
ューターのRAMに記憶させておく。この制御基準曲線
Aは当該製砂現地における原砂、ロッドミル、分級機の
すべての条件を組み込んで決定した固有の曲線であり、
しかもこの制御基準曲線自体が補正の対象であって、砂
製品粒度の測定値とその日の製品目標粒度との乖離によ
って粒度軸方向(横軸)に横滑りして平行移動した補正
曲線Bを作成し、この補正曲線B上で求めた該当値を再
び元の基準曲線Aにフィードバックしで正しい供給量を
算出し作動命令を出力するのであるから、複雑な変動要
因はすべて吸収し尽くされ、また、入力される情報が単
一化されるからタイムラグが生れる余地もなく、直ちに
正しい粒度を得るように収斂していくという信頼性抜群
の情報処理が実現するものであり、他の類似のシステム
の追随を許さないことを特徴とする。
【0017】目標砂製品粒度の設定の手順情報処理装
置をFM値設定モードにすると、図3に示す画面がCR
Tディスプレー46に表示される。画面の項目はパー
ソナルコンピューターのRAMに記憶されている制御基
準曲線のうち、現在適用されている砂製品粒度を呼び出
してFM値で示したもので、この図の例では現在FM値
が2.60を目標として諸条件、すなわちロッド量、パ
ルプ濃度が一定に設定されているときの制御標準曲線が
表示されていることを意味する。
【0018】画面の項目は当日の目標砂製品粒度の入
力値であり、キーボード48へ目標のFM値を初期条件
としてキー入力する。たとえば図のように2.50と入力す
れば、図2の曲線AにおいてX=2.50に対応する原料供
給量Y=70t/hが演算されて通信コントローラ44を
経由して原料供給量指示調節計12に設定される。入力
しない場合は項目はブランク表示のままであり、デフ
ォルト値として項目の表示値が適用される。
【0019】項目は実測したFM値の表示であり、F
M値測定装置65で実測したFM値を、通信コントロー
ラ45を中継してI/OポートからCUPのFM値演算
手段42へ入力し、ディスプレー画面に表示される。実
測したFM値が項目の表示と異なった値の場合、たと
えばFM値が2.60と出たときには、図2のA曲線におけ
るX,Yの点をX0,Yにスライド演算して得られる曲線
Bから、FM値が2.50となる原料供給量Y=67t/hを
求めて原料供給量を自動的に補正する。増減すべき原料
供給量の割合は、FM値の領域によって変るから演算式
は数1によって算出する。
【0020】
【数1】
【0021】このように情報処理装置のキーボード48
を介して当日目標の砂製品粒度がFM値として初期入力
され、分級機から排出される製品のFM値をFM値測定
装置65で実測して伝達し、FM値演算手段が作動して
制御基準曲線に基いて演算し、補正された原料供給量が
原料供給量指示調節計12へ送信され、原料供給量の設
定値として入力されることにより、設定値に従った原料
供給量の定量制御が行なわれるが、同時に湿式ロッドミ
ル5内および分級機6内のパルプ濃度を所定の数値に維
持するための給水量制御が行なわれる。給水量は補正さ
れた原料供給量設定値に対応するため、比率演算手段4
3が作動して次の数2から数5によって演算し、それぞ
れロッドミル給水量指示調節計23、分級機給水量指示
調節計33へ設定信号を送信する。
【0022】
【数2】
【数3】
【数4】
【数5】
【0023】ロッドミル給水量指示調節計23で湿式ロ
ッドミル5への給水量設定値と電磁式流量計21で計測
した実測値との偏差量信号を電動式調節弁22へ送り、
弁開度を調節して定量制御を行なう。同時に分級機給水
量指示調節計33で分級機6への給水量設定値と電磁式
流量計31で実測した実測値との偏差量信号を電動式調
整弁32へ送り、弁開度を調節して定量制御を行なう。
配置された各機器と情報処理装置との間の情報の授受に
よって砂製品粒度の制御が自動的に進行するが、この情
報処理の手順を示したのが図4のフローチャートであ
る。
【0024】以上のような制御機構は設備の運転中は常
に作動し、製品排出口63の下部に設けたFM値測定装
置65では決められた間隔ごとに定常的にFM値を実測
し、その都度、情報処理装置へフィードバックされて目
標値と乖離するときは必ず補正され、この補正に追随し
てパルプ濃度も一定値を維持するように給水量の補正が
伴うから、製砂設備で得られる砂製品の粒度は常に目標
とするFM値を維持し、高度に粒度管理された製品の提
供を担保する。
【0025】製砂設備に関する運転、計測、制御の状況
は、リアルタイムのトレンドデータ、設定値、日報、お
よび月報などの諸データとしてCRTディスプレー46
の画面に表示されるから、監視員によって運転状態を監
視できるとともに、外部プリンタ47と接続してハード
コピーを出力することもできる。
【0026】
【発明の効果】従来は作業員の勘や経験に依存したり、
設備における湿式ロッドミルの運転データの測定から間
接的に砂製品粒度の変動を推定したり、不確定要素の入
った砂製品粒度の管理を続けていたのに対し、設備の要
所に制御用の機器を配置して制御用の電子回路と連結
し、実測値のフィードバックと目標値へ収斂するための
補正指令とを系統的に組合せたので、高いレベルの品質
管理が常に保証され目標通りの砂製品粒度が担保され
る。設備全体の作業性の向上、作業員の節減などと相俟
って有形無形の便益を実施によってもたらす。また、情
報処理装置を組合わせて自動的に砂製品の粒度を制御す
る従来技術と比較したとき、砂製品という共通した対象
であるからハードである個々の装置自体やそのレイアウ
トがほぼ共通することは当然のことながら、本発期はソ
フトである情報系路と処理の展開を遙かに具体的、かつ
全くユニークな手法で行なったため、品質管理の信頼性
が高く、優れた製品を定常的に保証する具体的な効果も
看過できない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の全体のブロック図である。
【図2】湿式ロッドミル5の原料供給量とFM値の関係
図である。
【図3】CRTディスプレーにおけるFM値設定時の画
像である。
【図4】情報処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】従来技術の実施例を示す工程説明図である。
【符号の説明】
1 原料供給量制御装置 2 ロッドミル給水量制御装置 3 分級機給水量制御装置 4 情報処理装置 5 湿式ロッドミル 6 分級機 7 原料供給装置 8 給水装置 9 製品回収装置 11 コンベアスケール 12 原料供給量指示調節計 21 電磁式流量計 22 電動式調節弁 23 ロッドミル給水量指示調節計 31 電磁式流量計 32 電動式調節弁 33 分級機給水量指示調節計 41 パーソナルコンピューター 42 FM値演算手段 43 比率演算手段 44 通信コントローラ 45 通信コントローラ 46 CRTディスプレー 47 プリンタ 48 キーボード 64 自動サンプラー 65 FM値測定装置

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料供給量制御装置1および給水量制御
    装置を具えた湿式ロッドミル5と、給水量制御装置を具
    えた分級機6と、原料供給装置7給水装置8、および
    装置全体の制御を司どる情報処理装置4よりなる湿式製
    砂設備の砂製品粒度制御装置において、情報処理装置4
    は分級機6によって分級された砂製品の粒度をFM値測
    定装置65から入力し、該FM値に基づいてあらかじめ
    記憶した制御基準曲線Aをスライド演算した補正曲線B
    から原料供給量を自動的に補正するFM値演算手段と、
    補正した原料供給量に対し常に破砕、分級系内のパルプ
    濃度を一定に維持するよう給水量を補正する比率演算手
    段を組込んだパーソナルコンピューター41とその周辺
    機器で形成することを特徴とする湿式製砂設備の砂製品
    粒度制御装置。
  2. 【請求項2】 湿式ロッドミル、湿式分級機、原料供給
    装置、給水装置および装置全体の制御を司どる情報処理
    設備からなる湿式製砂設備の砂製品粒度の制御方法にお
    いて、日々変更もあり得る不特定の目標砂製品粒度を
    報処理装置へ初期入力し、現に実操業中の砂製品粒度の
    実測値と比較して、その偏差分に相当する原料供給量を
    過去のデータを基準にあらかじめ記憶させた制御基準曲
    から読み取り、演算して補正曲線Bにスライドさ
    せ、前記目標砂製品粒度に対応する該当値を制御基準曲
    線Aへフィードバックして正しい原料供給量を出力し、
    さらに該原料供給量に対応して所定のパルプ濃度を維持
    すべき給水量を演算して補正することを特徴とする湿式
    製砂設備の砂製品粒度制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において記憶された制御基準曲
    は、縦軸に原料供給量Y(t/h)、横軸に砂製品
    粒度X(FM値)を目盛り、それぞれ特定の砂製品粒度
    ごとに過去のデータを結んで特定した曲線よりなり、演
    算は選択した特定の砂製品粒度に関わる制御基準曲線
    を実測の砂製品粒度の乖離分だけ水平に横滑りさせて補
    正曲線Bを作成する機能を具えたことを特徴とする湿式
    製砂設備の砂製品粒度制御方法。
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