JP2775569B2 - 分散装置 - Google Patents

分散装置

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JP2775569B2
JP2775569B2 JP11992093A JP11992093A JP2775569B2 JP 2775569 B2 JP2775569 B2 JP 2775569B2 JP 11992093 A JP11992093 A JP 11992093A JP 11992093 A JP11992093 A JP 11992093A JP 2775569 B2 JP2775569 B2 JP 2775569B2
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千明 東條
康弘 草野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は微粉末の凝集体を単一
の粉体に分散する分散装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、炉内に石灰石等からなる脱硫
剤を投入して脱硫を行なう乾式炉内脱硫法が知られてい
る。ところで、このような脱硫方法において、脱硫効率
を向上させるには、炉内に投入される脱硫剤の表面積を
大きくして反応率を高める必要があり、そのためには脱
硫剤の大きさを微細(数μmのオーダー)とすることが
効果的であることがわかっている。ところが、数μmオ
ーダの微粉末は凝集性が非常に高く、通常では単一体と
しては存在せず、凝集体として存在しており、このよう
な凝集体では見掛上の表面積が小さくなるので、反応率
は低下するという問題があった。
【0003】そこで、従来は、図11に示すように、炉
壁(35)に炉内を向いたノズル(36)を形成しておき、微粉
末の凝集体を高圧空気を用いて炉内に噴射する方法が適
用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、次のような問題がある。すなわち、ノズル(3
6)から炉内に吹出される高圧空気の速度分布は図11に
示すようになり、この速度分布の勾配により凝集体が分
散させられるようになっている。したがって、ノズル(3
6)の噴射口(37)の周縁寄りの部分では凝集体の分散効果
が優れているが、中心付近では凝集体は分散されないと
いう問題がある。特に、実機のように高圧空気中の脱硫
剤の量が多くなると分散されずに凝集体のままで噴射さ
れる脱硫剤が多くなり、反応率が低下して脱硫効率も低
下するという問題がある。
【0005】この発明の目的は、上記問題を解決した分
散装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明による分散装置
は、上部に開口が形成された高速気体ダクトと、高速気
体ダクトの上方に該ダクトに対して気密状に設けられる
とともに開口を介してダクト内部と連通し、かつ微粉末
供給口を有するケーシングと、ケーシング内の微粉末供
給口よりも下方の部分に配置された回転円板とを備えて
おり、回転円板の周縁部に周方向に間隔をおいて回転円
板を上下に貫通した多数の微粉末通路が形成され、回転
円板の周縁部の一部分が開口を介して高速気体ダクト内
に上方から臨むようになされているものである。
【0007】
【作用】微粉末供給口からケーシング内に送り込まれた
微粉末の凝集体は、回転円板の微粉末通路を通って高速
気体流路内に入る。このとき、回転円板の回転方向を、
回転円板が高速気体流路に臨んでいる部分における微粉
末通路の移動方向が高速気体の流れ方向と逆向きになる
ように設定すると、微粉末通路を通過した微粉末凝集体
の有する速度と、高速気体の速度との相対速度が非常に
大きくなり、これにより凝集体が分散させられる。しか
も、微粉末通路内に存在する凝集体の一部分が高速気体
流路内に臨んだ状態では、凝集体に大きな剪断力が作用
し、これによっても凝集体が分散させられる。
【0008】また、回転円板の回転方向を、回転円板が
高速気体流路に臨んでいる部分における微粉末通路の移
動方向が高速気体の流れ方向と同じ向きになるように設
定すると、高速気体の速度が大きく、微粉末通路を通過
した微粉末凝集体の有する速度が小さい場合、両者の相
対速度により凝集体が分散させられる。
【0009】
【実施例】以下、この発明の実施例を、図面を参照して
説明する。
【0010】図1〜図3はこの発明による分散装置の全
体構成を示し、図4および図5はその一部分を示す。
【0011】図1〜図3において、分散装置は、上部に
開口(1a)が形成された直管状の高速空気ダクト(1) (高
速気体ダクト)と、高速空気ダクト(1) の上方に該ダク
ト(1) に対して気密状に設けられるとともに開口(1a)を
介してダクト(1) 内部と連通するケーシング(2) と、ケ
ーシング(2) 内に配置された回転円板(3) とを備えてい
る。
【0012】ケーシング(2) の上壁には微粉末供給口(2
a)が形成されており、この供給口(2a)に微粉末輸送管
(4) が接続されている。微粉末輸送管(4) の先端は大気
中に開口している。微粉末輸送管(4) の途中に、ケーシ
ング(2) 側からポンプ(5) および微粉末が入れられたフ
ィーダ(6) が設けられており、ポンプ(5) により吸入さ
れた空気によりフィーダ(6) 中から微粉末が吸引され、
この空気によりケーシング(2) に輸送される。
【0013】回転円板(3) の周縁部に周方向に間隔をお
いて多数の切欠き(7) が形成されており、この切欠き
(7) が、回転円板(3) を上下に貫通した微粉末通路とな
っている。回転円板(3) の周縁部の一部分が開口(1a)を
介して高速気体ダクト(1) 内に上方から臨むようになさ
れている。また、回転円板(3) の上面は、頂部が円板
(3) の中心軸上に位置するとともに底部周縁が切欠き
(7) の径方向内端部に位置する円錐面(3a)となされてい
る。回転円板(3) の回転軸(8) は垂直上方にのびてケー
シング(2) の外方に至っており、その上端がモータ(9)
の駆動軸に連結されている。そして、回転円板(3) はモ
ータ(9) により回転させられるようになっている。
【0014】このような構成において、回転円板(3)
が、モータにより図1に矢印Aで示す方向に回転させら
れるとともに、高速空気ダクト(1) 内を、高速空気が図
1に矢印Bで示す方向に流される。したがって、回転円
板(3) の周縁部の一部分が高速空気ダクト(1) 内に臨ん
でいる部分では、回転円板(3) の切欠き(7) の移動方向
と高速空気の流れ方向とは逆向きになる。微粉末の凝集
体は、ポンプ(5) により微粉末供給口(2a)を通ってケー
シング(2) 内に送り込まれて回転円板(3) の円錐面(3a)
上に落下し、その周縁部に向かって案内される。そし
て、切欠き(7) を通って高速空気ダクト(1) 内に落下す
る。このとき、図3および図4に示すように、微粉末の
凝集体の有する速度VR と、高速空気の有する速度Vj
の相対速度VはVR +Vj となり、非常に大きくなるた
めに微粉末の凝集体が分散させられる。すなわち、凝集
体には上記相対速度V=VR +Vj により大きな剪断力
が作用し、これによって凝集体が分散させられる。
【0015】また、回転円板(3) が、モータにより図1
に矢印Aで示す方向と逆方向(図5に矢印Cで示す方
向)に回転させられるとともに、高速空気ダクト(1) 内
を、高速空気が図1に矢印Bで示す方向に流されると、
回転円板(3) の周縁部の一部分が高速空気ダクト(1) 内
に臨んでいる部分では、回転円板(3) の切欠き(7) の移
動方向と高速空気の流れ方向とは同じ向きになる。微粉
末の凝集体は、ポンプ(5) により微粉末供給口(2a)を通
ってケーシング(2) 内に送り込まれて回転円板(3) の円
錐面(3a)上に落下し、その周縁部に向かって案内され
る。そして、切欠き(7) を通って高速空気ダクト(1) 内
に落下する。このとき、図5に示すように、微粉末の凝
集体の有する速度VR が比較的小さく、高速空気の有す
る速度Vj が十分大きい場合には、これらの相対速度V
=Vj −VR により十分な分散能力が発揮され、微粉末
の凝集体が分散させられる。
【0016】なお、上記において、微粉末の凝集体の有
する速度VR =0、すなわち円板(3) が回転していない
場合には、切欠き(7) の大きさが10mm程度で合って
も、目づまりが起きるので、円板(3) の回転は必要であ
る。
【0017】上記実施例において、図1および図2に示
すように、微粉末供給口(2a)をケーシング(2) の周壁に
形成するとともに微粉末輸送管(4) をケーシング(2) の
接線方向と平行な方向に設けておき、ケーシング(2) 内
に旋回流を発生させるようにしてもよい。
【0018】また、上記実施例において、単一の微粉末
の粒径が大きい場合(10μm程度)、高速空気ダクト
は回転円板(3) との分散機構部の下流側で複数に分岐し
ていてもよい。上記のような微粉末では、再凝集力が小
さいので、複数に分岐されて配管長が長くなっても分散
された単一の微粉末の再凝集はあまり発生しない。
【0019】図6は回転円板(3) の駆動源の変形例を示
す。図6において、回転円板(3) の回転軸(8) の上端部
にタービンディスク(11)が固定状に設けられ、タービン
ディスク(11)にタービン翼(12)が固定状に設けられてい
る。そして、高圧空気がタービン翼(12)に当てられるこ
とによりタービンディスク(11)および回転軸(8) が回転
させられ、これにより回転円板(3) が回転させられるよ
うになっている。この場合、複数の分散装置を用意して
おき、1つのコンプレッサにより発生させられた高圧空
気により全ての分散装置のタービンディスク(11)を回転
させることができる。
【0020】図7および図8は回転円板(3) の変形例を
示す。図7および図8において、回転円板(3) の上面は
平坦面となされ、ここに径方向にのびる複数のブレード
(15)が周方向に等間隔をおいて放射状に設けられてい
る。供給口(2a)から円板(3) 上に落下した微粉末は、回
転円板(3) の回転により生じる遠心力によってブレード
(15)に沿って径方向外方に移動するようになっている。
これにより、ケーシング(2) 内に微粉末が堆積しないよ
うになっている。
【0021】図9はこの発明の回転円板(3) の他の変形
例を示す。図9において、回転円板(3) の周縁部に形成
された切欠き(20)は、側面から見て下方に向かって回転
方向前方に傾斜している。これにより微粉末のジェット
が有する回転円板(3) の回転方向前方への速度VX が、
回転円板(3) の回転速度、すなわち微粉末の凝集体の有
する速度VR に加味される。その結果、微粉末の凝集体
の分散に寄与する相対速度VはVX +VR +Vj とな
り、微粉末の凝集体の分散効果が向上する。
【0022】図10はこの発明の他の実施例を示す。図
10において、高速空気ダクト(30)は、回転円板(3) の
半径と同一曲率半径を有する円弧状部分(31)を備えてい
る。この円弧状部分(31)の全体にわたって、高速空気ダ
クト(30)の上部に開口が形成され、この開口を通して回
転円板(3) の周縁部が高速空気ダクト(30)内に上方から
臨むようになっている。これにより、円板(3) 上に供給
された微粉末と高速空気との接触部が大きくなり、微粉
末の供給量を増加させても凝集体の分散効果はあまり変
化せず、処理量を増加させることができる。
【0023】
【発明の効果】この発明の分散装置によれば、上述のよ
うに、微粉末の凝集体を効率良く分散させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す一部切欠き平面図であ
る。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII −III 線拡大断面図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】回転円板の切欠きの移動方向と高速空気の流れ
方向とが同じ向きになった場合の図4相当の図である。
【図6】回転円板の駆動源の変形例を示す図2相当の断
面図である。
【図7】回転円板の変形例を示す水平断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】回転円板の他の変形例を示す部分拡大垂直断面
図である。
【図10】この発明の他の実施例を示す一部切欠き平面
図である。
【図11】従来例を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 高速空気ダクト(高速気体ダクト) 1a 開口 2 ケーシング 2a 微粉末供給口 3 回転円板 7 切欠き(微粉末通路) 20 切欠き(微粉末通路)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05B 7/14 B01J 4/00 B05B 3/00 - 3/18 B02C 19/00 - 19/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に開口が形成された高速気体ダクト
    と、高速気体ダクトの上方に該ダクトに対して気密状に
    設けられるとともに開口を介してダクト内部と連通し、
    かつ微粉末供給口を有するケーシングと、ケーシング内
    の微粉末供給口よりも下方の部分に配置された回転円板
    とを備えており、回転円板の周縁部に周方向に間隔をお
    いて回転円板を上下に貫通した多数の微粉末通路が形成
    され、回転円板の周縁部の一部分が開口を介して高速気
    体ダクト内に上方から臨むようになされている分散装
    置。
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