JP2775321B2 - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、電子写真法、静電記録、静電印刷法等にお
いて形成される静電荷像を磁性トナーを用いて現像する
工程を有する画像形成方法に関する。
さらに詳しくは直接又は間接電子写真現像方法におい
て、感光体として負静電荷像を保持しうるアモルファス
シリコン感光体を使用し、トナーとして、均一に強く負
に帯電して負静電荷像を反転現像により可視化して、高
品質な画像を与える負帯電性磁性トナーを使用する画像
形成方法に関する。
〔従来技術及び従来技術における問題点等の説明〕
従来、電子写真法としては米国特許第2,297,691号明
細書、特公昭42-23910号公報(米国特許第3,666,363号
明細書)及び特公昭43-24748号公報(米国特許第4,071,
361号明細書)等に記載されている如く、多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該
潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の転写
材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力或いは溶剤蒸
気等により定着して複写物を得るものである。
また、従来、電子写真装置においては、非露光部に対
して現像を行う正現像方法が一般的である。これは、原
稿よりの反射光を光学処理した後に感光体上に投影され
るため、反射光のない(原稿の文字部)非露光部に対
し、現像を行うものである。
ところで最近、電子写真システムの用途が複写像を得
ること以外に、コンピューターの出力に用いられるプリ
ンター等に用いられるようになった。プリンター用途の
場合、発光体(半導体レーザー等)が、画像信号に従っ
てオン−オフ(ON−OFF)され、その光が感光体上に投
影される。この際、通常、印字率(1頁当たりの印字面
積の割合)は3割以下であり、文字部分に対して露光を
行う方式(反転現像)が発光体寿命の点で優位である。
また、反転現像は、同一原稿より、ポジ画像およびネ
ガ画像を出力するような装置(例えば、マイクロフィル
ム出力装置)にも用いられ、さらに同一装置内で、2色
以上の現像を行うために正規現像および反転現像を組み
合わせている装置等にも使用されるようになった。
また本出願人は、これらの静電潜像を現像する一成分
磁性トナーによる新規な現像方法を提案した(例えば特
開昭55-18656号公報及び特開昭55-18659号公報)。これ
は内部に磁石を有する円筒状のトナー担持体上に絶縁性
磁性トナーを均一に塗布し、これを潜像保持体に接触さ
せることなく対向せしめ、現像するものである。
これを現像時に、トナー担持体と潜像保持体の基板導
体との間に低周波交番電圧を印加し、トナーをトナー担
持体と潜像保持体の間で往復運動させることにより地カ
ブリのないかつ階調性の再現に優れ、画像端部の細りの
ない良好な現像を行うことができる。この現像方法でト
ナーは絶縁体であるため静電気的転写が容易である。
ところで、上記電子写真法において使用する電子写真
用感光体について現在公知のものとしては、Se,CdS,OPC
(有機系感光体)、アモルファスシリコン(以後a−Si
と呼ぶ。)等のものがある。
Se系の感光体は、電子写真技術の創成期から用いられ
た伝統的な感光体であり、その特性としての感光度、耐
久性が良好なため、実用における適用は数多くなされて
いる。現在では、純セレンに比べ感色性が伸び、感光度
が高いSeTeが主に使用されているが、これでも、Se感光
体が本質的に所有している、耐熱性、耐摩耗性、機械強
度、経時安定性に問題を有している。すなわち、手を触
れたり、息を吹きかけたり、温度の上昇、クリーニング
装置による摩擦接触により、結晶化しやすく、性能の劣
化を招きやすい。また毒性があるため廃棄等の処理に注
意が必要である。
OPC系は、優れた増感剤の発見や増感法の開発によ
り、かなり実用はなされているが、耐摩耗性、耐久性に
決定的な欠点を有しているため、それへの対策が急務と
されている。上述のように、現在、実用化され、電子写
真複写機に応用されている感光体は、感度、耐久性、画
質、無公害性等全てにわたって満足されるものはなく、
それぞれの感光体の持つ欠点を、トナーによるかあるい
はプロセス的に補うことにより、電子写真複写機は製品
として、市場化されているのが現状である。
近年、電子写真複写機はカラー化、パーソナル化、イ
ンテリジェント化と多様化し、メンテナンスフリーを指
向するにつれ、新たな特性を有し、高い安定性を有し、
そして低コストである感光体が望まれ、そうした感光体
の開発が進められている。そしてa−Siが現有の感光体
に変わるべきものとして注目されつつある。
a−Siは可視領域全域にわたって高い感光度をもつた
め、半導体レーザーやカラー用にも対応できる。そし
て、a−Si感光体は表面硬度が高く長寿命が期待でき、
ビッカース硬度で1500〜2000を有し、CdS感光体の数倍
である20〜50万枚の耐刷性能を持っている。耐熱性に対
しても、電子写真複写機の実用レベルの範囲において十
分使用できるものである。
しかし、a−Si感光体はこうした利点を有する反面、
特にコスト及び量産化の点で未解決の問題を有してい
る。
ところで、a−Si感光体の表面暗電位は、膜厚に対応
するといわれている。一方、現在実用化されている感光
体の表面暗電位は、CdS系では最低でも500V、Se系、OPC
系では、600〜800Vが必要である。この電位をa−Siで
達成するためには膜厚を厚くする必要がある。そしてま
たa−Si感光体については、種々の特性の変動、環境の
相違による感度の低下を考慮し、それに対応できる膜厚
をもたせるようにする必要もある。
こうしたことから、a−Si感光体については、所定の
膜厚のものにすることがいずれにしろ必要であるとこ
ろ、多量生産は一般には難しく、コスト高の問題は避け
られない問題としてある。また膜厚の増加は、製造工程
時、a−Si膜の異常成長を引き起こしやすくなり、部分
的に不均一なa−Si膜ができ、実用上使用不可能とな
る。これらの問題に対し、a−Si感光体の量産性とコス
トの面、性能面の両面を満足しうるものとして、薄膜化
が提案されている。けれどもこの方法においては、低電
位で現像できるトナーを選択しなければならない。とい
うのは、a−Si膜の薄膜化は、コスト及び生産能力、感
光特性を満足しうるものの決定的な欠点として、表面電
位がはなはだ低下してしまうことと、高湿下で不純物が
ドラム表面に付着し、感光特性を低下させて画質的に画
像流れが発生しやすくなることがある。すなわち、実用
的なa−Si膜では、表面暗電位は最高でもせいぜい400V
前後で、安定的に使用しうる電位は300V程度となる。こ
のような場合、明部電位から現像電位を差し引いた絶対
値である現像コントラストが300V以下(例えば280〜250
V)のような低電位で安定した十分なベタ黒を得ること
は通常の現像剤では極めて困難である。なお、ノーマル
現像における現像コントラストとは感光ドラムの平均的
暗部電位から現像電位を差し引いた絶対値をいう。
したがって、このような条件下で、薄膜化したa−Si
感光体を実用的に使用しうるためには低電位で現像する
ことのできる、均一で高い帯電能力を有したトナーを用
いなければならない。
特に、画像信号がデジタル信号の場合、潜像は一定電
位のドットが集まって形成され、ベタ部、ハーフトーン
部およびライト部は各々ドットの密度をかえることによ
って表現されている。従ってどの部分も2値の場合は基
本的にはほぼ同じ電位の静電潜像から形成されることに
なる。
以上のような従来の2値法にかえて、1ドットあたり
に深さ方向の情報を与えた多値の記録法も開発されてい
る。
その手法とは、デジタル画像信号を2値化して、レー
ザービームプリンター等で画像形成する際、中間調の階
調性を得るためにデジタル画像信号をアナログ信号に一
旦変換し、このアナログ信号を、例えば三角波のような
周期的なパターン信号と比較させることでパルス幅変調
をかけた2値化信号を発生させ、この2値化信号をレー
ザー光源の駆動信号として利用するものである。このよ
うにしてデジタル画像信号をパルス幅変調することで、
高解像と高い階調性を両立させることが可能になる。
しかしながら、従来の負帯電性現像剤を用いて上記の
ようなデジタルな画像信号で形成されたa−Siドラム上
の負帯電静電潜像を反転現像すると、トナー粒子表面に
発生する不均一な帯電のために数々の問題が発生するこ
とが明らかになった。すなわち、潜像電位の現像コント
ラストが低い場合、現像を繰り返すと均一な帯電を持っ
たトナー粒子から優先的に現像に消費されるという、い
わゆる選択現像を生じ、その結果連続複写を継続すると
不均一な帯電をしているトナー粒子の割合が増加するた
めに、画像濃度の低下、画質の低下という数々の問題を
生ずる。
一方、負静電荷像を保持するa−Si感光体は、帯電特
性、暗減衰、帯電メモリ等の電子写真特性が、正静電荷
像を保持するa−Si感光体に比べ優れている。そして、
その理由の1つとして、負静電荷像を保持するa−Si感
光体の特性は、発生したフォトキャリアの電子の移動度
に依存するが、a−Si感光体中では電子の方が正孔より
も大きいためと考えられている。
また、静電潜像を形成するための帯電工程においては
一般的にコロナ帯電を用いることが行われており、帯電
と同時にオゾン及びオゾン生成物(窒素酸化物等)を発
生する。その発生量は帯電器に供給される電流量に比例
し、正帯電に比べ負帯電の方が一般的に5〜10倍量のオ
ゾンを発生する。発生したオゾン生成物等により、高湿
下でドラムに不純物が付着し、画像流れの原因ともな
る。
従って電子写真特性の優れた負静電荷像を保持するa
−Si感光体を使用するにはオゾンの発生を抑えるため帯
電器に供給する電流値を小さくする必要がある。その結
果として、負静電荷像を保持するa−Si感光体は表面電
位をあまり高くすることはできないが、帯電能に優れて
いるため、正静電荷像を保持するa−Si感光体なみ以上
の表面電位をもたせることは実用上可能であるが、電流
値を小さくすることが好ましい。
以上の理由から負静電荷像を保持するa−Si感光体を
利用した反転現像を用いる画像形成方法においては、低
電位差で十分な現像を行い電位差に応じて忠実に現像で
きる負帯電性非磁性トナーの使用が必要である。
さらに、このような負静電荷像を保持するa−Si感光
ドラムにより高耐久化がなされ、非磁性トナーが高速機
に適用されるケースが出てきた。この場合、反転現像に
おけるデジタル潜像の現像のみならず、アナログ潜像の
現像においても従来以上の多数枚の複写プリントに耐え
得る高耐久性を持った負帯電性トナーが要求される。
さらにまた、地カブリ、反転カブリ、ガサツキ等がプ
ロセススピードの増大に正比例して悪化する傾向があ
り、特に反転カブリにおいて顕著である。この現象はプ
ロセススピードの増大にともないトナーとトナー担持体
との摺擦機会が少なく、また短くなることにより、トナ
ーが十分かつ均一な帯電を得ることができないことに起
因するものと推察される。
また、デジタルな画像信号を使用している電子写真プ
リンターの如き画像形成装置では、潜像は一定電位のド
ットが集まって形成されており、ベタ部、ハーフトーン
部およびライト部はドット密度をかえることによって表
現されている。ところが、ドットに忠実にトナー粒子が
のらず、ドットからトナー粒子がはみ出した状態では、
デジタル潜像の黒部と白部のドット密度の比に対応する
トナー画像の階調性が得られないという問題点がある。
さらに、画質を向上させるために、ドットサイズを小さ
くして解像度を向上させる場合には、微小なドットから
形成される潜像の再現性がさらに困難になり、解像度及
び階調性の悪い、シャープネスさに欠けた画像となる傾
向がある。
これらの問題を解決するため、磁性トナーを摩擦帯電
させ、スリーブ上にトナー層を均一に薄く塗布し、さら
に現像剤の耐環境性を向上させるために適したトナー粒
径の工夫が試みられている。しかしながら、細線再現
性、解像力等のさらに厳しい要求を考えると、十分なも
のは得られておらず、さらに、改良が求められているの
が現状である。
なお反転現像は、プリンター、マイクロフィルム出力
装置、2色現像を行う装置を開発するために重要な技術
であり、これらの装置の高速化、高画質化を達成する画
像形成方法が求められている。
また、これらの装置に用いられる画像形成方法には反
転現像での画像欠陥(かぶり、濃度うす)を防ぐため、
連続使用、長期使用、高速化によっても常に安定した表
面電位を保てる感光体が必要であり、a−Si感光体が必
要である。
一般に感光体上の静電荷像を現像する際には、正規に
帯電したトナーが現像してかぶりを生じさせないように
逆に電界を生じさせるため、表面電位から電位差をとる
よう直流現像バイアスを印加することが行われている。
従って、逆極性に帯電されたトナー粒子や帯電が不十分
なトナー粒子が現像され、かぶりを生じることがある。
しかし、正規現像の場合は画像白部の表面電位は低
く、しかも、これらのトナー粒子と同極性であったり、
トナー粒子の帯電が小さいので感光体表面付近で反発を
うけたり、感光体表面での鏡映力も小さいので感光体表
面に付着しにくい。従ってかぶりは少なめである。
逆に、反転現像の場合は、画像白部の表面電位は高
く、しかも、逆極性に帯電されたトナー粒子と逆極性で
あったり、また帯電量の小さな粒子も感光体表面付近で
吸引をうけたり、感光体表面での鏡映力も大きいので感
光体表面に付着しやすい。従って、正規現像よりもかぶ
りを生じやすくなる。ところで、トナーを構成する樹脂
は多くの場合、負に帯電するので荷電制御を負にするこ
とは均一に帯電させるために有利である。
一方、正荷電性トナーの場合には逆極に荷電制御剤な
どを用いて電荷を制御しなければならず、均一に帯電さ
せることは難しく、逆極性に帯電するトナー粒子が生ず
る場合が多い。従って、反転現像に用いるトナーとして
は、より均一な帯電性の得られる負帯電性トナーの方が
かぶりを生じさせないためにもよい。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、上述のごとき問題点を解決し、a−
Si感光体上に形成された負静電荷像を顕像化する負帯電
性一成分非磁性トナーによる反転現像を用いた画像形成
方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、低い表面暗電位を有するa−Si
感光体を用いた反転現像で、良好な画像濃度の得られる
画像形成方法を提供するものである。
さらに他の目的は潜像の電位コントラストが低い場
合、選択現像が生じず、常に安定した画像を再現し得る
画像形成方法を提供することにある。
本発明の更なる目的は、ドラムゴースト(帯電メモリ
による画像欠陥、前工程で形成された潜像が残留し、顕
像化されてしまう現像)等の電子写真特性に優れたa−
Si感光体を用い、高速現像が可能な画像形成方法を提供
することにある。
本発明の他の目的は、デジタル複写機、およびレーザ
ービームプリンター等に用いられるデジタル潜像の現像
に適した画像形成方法を提供することにある。
さらに本発明の目的は、高温高湿下において、画像流
れのない画質が得られる画像形成方法を提供することに
ある。
さらに、本発明の目的は、画像濃度が高く、かぶりも
なく、細線再現性ドット再現性及び階調性の優れた画像
の得られる画像形成方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、環境変動に対して性能の変
化のない画像形成方法を提供することにある。
さらに本発明の目的は、転写性の優れた画像形成方法
を提供することにある。
さらに本発明の目的は、少ない消費量で、高い画像濃
度を得ることの可能な画像形成方法を提供することにあ
る。
〔発明の構成・効果〕
本発明は、従来の電子写真法による画像形成方法にお
ける諸問題を解決し、前述の目的を達成すべく鋭意研究
を重ねた結果完成せしめたものであり、その骨子とする
ところは、下記の内容のものである。
即ち、負静電荷像を保持するためのアモルファスシリ
コン感光体と、負帯電性磁性トナーを表面に担持するた
めのトナー担持体とを現像部において一定の間隙を設け
て配置し、該負帯電性磁性トナーを該トナー担持体上に
前記間隙よりも薄い厚さに規制して該現像部に搬送し、
該現像部において直流電圧及び交流電圧を有する現像バ
イアスを該現像剤担持体に印加して、ベタ黒部の現像コ
ントラストが300V以下となるような現像条件で該アモル
ファスシリコン感光体に保持されている負静電荷像を該
負帯電性磁性トナーによって反転現像を行う画像形成方
法であって、該負帯電性非磁性トナーは、5μm以下の
粒径の磁性トナー粒子を25〜60個数%含有し、6.35〜1
2.7μmの粒径の磁性トナー粒子を5〜50個数%含有
し、16μm以上の粒径の磁性トナー粒子を2.0体積%以
下で含有し、体積平均粒径が4.5〜9μmである粒度分
布を有していることを特徴とする画像形成方法。
本発明の特徴の1つは、静電荷像保持体として、導電
体基体上に感光層としてa−Si層を有するa−Si感光体
を使用することにある。a−Si感光体は、耐熱性、耐摩
耗性に秀でており、耐久性に優れているため、a−Si感
光体を使用する本発明の画像形成方法は、複写機、プリ
ンター等の高速化に利点を有するものである。
本発明において使用されるa−Si感光体の構成として
は、感光層の下部に、下部電荷注入防止層を設け、基板
からの電荷の進入を防ぐことができる。また必要に応じ
て感光層の上部あるいは下部に電荷注入阻止層、干渉現
像防止のための光吸収層、表面保護層を設けることもで
きる。
この時、各層を必要に応じてその特性を実用に適合さ
せるため、水素原子やホウ素、アルミニウム、ガリウム
等の周期表第III族の原子、ゲルマニウム、スズ等の周
期表第IV族の原子、窒素、リン、ヒ素等の周期表第V族
の原子、酸素、イオウ、セレン等の周期表第VI族の原
子、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子を単独または
複合してa−Si形成時に導入して、各層の各特性をコン
トロールすることができる。
例えば、水素化a−Si(a−Si:H)をリン(P)でド
ープしたa−Si:H膜からなる下部電荷注入防止層、ノン
ドープのa−Si:H膜からなる感光層およびホウ素をドー
プしたa−Si:H膜からなる上部電荷注入防止層をこの順
序でドラム基体上に設けることにより、負電荷の静電荷
像を保持する所望のアモルファスシリコン感光体ドラム
が得られる。
また、長波長光の干渉を防止するために、下部電荷注
入防止層の上部あるいは下部に長波長光吸収層を設けれ
ば、レーザー用感光体として好ましいものになる。
本発明において使用するa−Si感光体は、負静電荷像
を保持しうるものであって、負静電荷像を保持するa−
Si感光ドラムは、同様の方法で作られる正静電荷像を保
持するa−Si感光ドラムに比べ、帯電能(少ない電流値
で高い表面電位を持たせることができる。)、暗減衰、
帯電メモリ(前述のドラムゴーストが非常に少ない)等
において優れている。
本発明のもう1つの特徴は、特定の粒度分布を有する
負帯電性磁性トナーを用いて反転現像を行うことにあ
る。即ち、本発明の画像形成方法は、5μm以下の粒径
の磁性トナー粒子を25〜60個数%含有し、6.35〜12.7μ
mの粒径の非磁性トナー粒子を5〜50個数%含有し、16
μm以上の粒径の磁性トナー粒子を2.0体積%以下で含
有し、磁性トナーの体積平均粒径が4.5〜9μmである
粒度分布を有することを特徴とする磁性トナーを使用
し、該非磁性トナーを表面に担持するトナー担持体を現
像部において一定の間隙を設けて配置し、磁性トナーを
トナー担持体上に前記間隙よりも薄い厚さに規制して現
像部に搬送し、現像を行うことにより、前述した負静電
荷像を忠実に顕像化し、かぶりのない高濃度な画像を与
えることができる。
本発明の特徴とする粒度分布を有する磁性トナーは、
感光体上に形成された潜像の細線に至るまで、忠実に再
現することが可能であり、網点およびデジタルのドット
潜像の再現にも優れ階調性及び解像性に優れた画像を与
える。さらに、コピーまたはプリントアウトを続けた場
合でも高画質を保持し、かつ、高濃度の画像の場合で
も、従来の磁性トナーより少ないトナー消費量で良好な
現像を行うことが可能であり、経済性および、複写機ま
たはプリンター本体の小型化にも利点を有するものであ
る。
本発明に係る磁性トナーにおいて、このような効果が
得られる理由は、必ずしも明確でないが、以下のように
推定される。
すなわち、本発明の磁性トナーにおいては、5μm以
下の粒径の磁性トナー粒子が25〜60個数%であることが
一つの特徴である。従来、磁性トナーにおいては5μm
以下の磁性トナー粒子は、帯電量コントロールが困難で
あったり、磁性トナーの流動性を損ない、また、トナー
飛散して機械を汚す成分として、さらに、画像のかぶり
を生ずる成分として、積極的に減少することが必要であ
ると考えられていた。
しかしながら、本発明者の検討によれば、5μm以下
の非磁性トナー粒子が高品質な画質を形成するための必
須の成分であることが判明した。
例えば、0.5μm〜30μmにわたる粒度分布を有する
磁性トナーを用いて、感光体上の表面電位を変化し、多
数のトナー粒子が現像され易い大きな現像電位コントラ
ストからハーフトーンへ、さらに、ごくわずかのトナー
粒子しか現像されない小さな現像電位コントラストま
で、感光体上の表面電位を変化させた潜像を現像し、感
光体上の現像されたトナー粒子を集め、トナー粒度分布
を測定したところ、8μm以下の磁性トナー粒子が多
く、特に5μm以下の非磁性トナー粒子が多いことが判
明した。すなわち、現像にもっとも適した5μm以下の
粒径の磁性トナー粒子が感光体の潜像の現像に円滑に供
給される場合に潜像に忠実であり、潜像からはみ出すこ
となく、真に再現性の優れた画像が得られるものであ
る。
また、本発明の磁性トナーにおいては、6.35〜12.7μ
mの範囲の粒子が5〜50個数%であることが一つの特徴
である。これは、前述のごとく、5μm以下の粒径の磁
性トナー粒子の存在の必要性と関係があり、5μm以下
の粒径の磁性トナー粒子は、潜像を厳密に覆い、忠実に
再現する能力を有するが、潜像自身において、その周囲
のエッジ部の電解強度が中央部よりも高く、そのため、
潜像内部がエッジ部より、トナー粒子ののりが薄くな
り、画像濃度が薄く見えることがある。特に5μm以下
の磁性トナー粒子は、その傾向が強い。しかしながら、
本発明者は、6.35〜12.7μmの範囲のトナー粒子を5〜
50個数%含有させることによって、この問題を解決し、
さらに鮮明にできることを知見した。すなわち、6.35〜
12.7μmの粒径の範囲のトナー粒子が5μm以下の粒径
の磁性トナー粒子に対して、適度にコントロールされた
帯電量をもつためと考えられるが、潜像のエッジ部より
電界強度の小さい内側に供給されて、エッジ部に対する
内側のトナー粒子ののりの少なさを補って、均一なる現
像画像が形成され、その結果、高い濃度で解像性および
階調性の優れたシャープな画像が提供されるものであ
る。
また、16μm以上の粒径の磁性トナー粒子について
は、2.0体積%以下にし、できるだけ少ないことが好ま
しい。
以上のごとく、本発明においては、従来の観点とは全
く異なった考え方によって、特定の粒度分布を有する磁
性トナーを用いることにより従来の問題点を解決し、最
近の厳しい高画質への要求にも耐えることを可能とした
ものである。
本発明の構成について、さらに詳しく説明をする。
本発明に用いる磁性トナーは、5μm以下の粒径の磁
性トナー粒子が全粒子数の25〜60個数%が良く、さらに
好ましくは30〜55個数%が良い。5μm以下の粒径の磁
性トナー粒子が25個数%未満であると、高画質に有効な
非磁性トナー粒子が少なく、特にコピーまたはプリント
アウトをつづけることによってトナーが使われるに従
い、有効な磁性トナー粒子成分が減少して、本発明で示
すところの磁性トナーの粒度分布のバランスが悪化し、
画質がしだいに低下してくる。また60個数%より多く存
在すると、磁性トナー粒子相互の凝集状態が生じやすく
60個数%以下である場合と同一のシリカ量では本来の粒
径以上のトナー塊となるため、荒れた画質となり、解像
性を低下させ、または潜像のエッジ部と内部との濃度差
が大きくなり、中ぬけ気味の画像となりやすく、シリカ
の増量が必要である。
また、6.35〜12.7μmの範囲の粒子が5〜50個数%で
あることが良く、好ましくは15〜45個数%が良い。50個
数%より多いと、画質が悪化すると共に、必要以上の現
像、すなわち、トナーののりすぎが起こり、トナー消費
量の増大をまねく、一方、5個数%未満であると、高画
像濃度が得られにくくなる。
また、16μm以上の粒径の磁性トナー粒子が2.0体積
%以下であることが良く、さらに好ましくは1.0体積%
以下であり、さらに好ましくは0.5体積%以下である。
2.0体積%より多いと、細線再現における妨げになるば
かりでなく、転写において、感光体上に現像されたトナ
ー粒子の薄層面に16μm以上の粗めのトナー粒子が突出
して存在することで、トナー層を介した感光体と転写紙
間の微妙な密着状態を不規則なものとして、転写条件の
変動をひきおこし、転写不良画像を発生する要因とな
る。
また、磁性トナーの体積平均粒径は、4.5〜9μm、
好ましくは5〜8.5μmであり、この値は先に述べた各
構成要素と切り離して考えることはできないものであ
る。体積平均粒径4.5μm未満では、グラフィック画像
などの画像面積比率の高い用途では、転写紙上のトナー
ののり量が少なく、画像濃度の低いという問題点が生じ
やすい。これは先に述べた潜像におけるエッジ部に対し
て、内部の濃度が下がる理由と同じ原因によると考えら
れる。体積平均粒径9μmより大きい場合は解像度が良
好でなく、また複写の初めは良くとも使用をつづけてい
ると画質低下を発生しやすい。
トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できる
が、本発明においてはコールターカウンターを用いて行
った。
すなわち、測定装置としてはコールターカウンターTA
-II型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布
を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パ
ーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、電解液
は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製す
る。測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散
剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスル
ホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mgを
加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜
3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA-I
I型により、アパチャーとして100μアパチャーを用い
て、個数を基準として2〜40μの粒子の粒度分布を測定
して、それから本発明に係るところの値を求めた。
本発明に係る磁性トナーに使用される結着樹脂として
は、オイル塗布する装置を有する加熱加圧ローラ定着装
置を使用する場合には、下記トナー用結着樹脂の使用が
可能である。
例えば、ポリスチレン、ポリーp−クロルスチレン、
ポリビニルトルエン等のスチレンおよびその置換体の単
重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチ
レン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフ
タリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合
体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレ
ン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン
−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチル
エーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共
重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチ
レン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重
合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体
等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール
樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン
酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニ
ール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシ
レン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマ
ロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。
オイルをほとんど塗布しない加熱加圧ローラ定着方式
においては、トナー像支持体部材上のトナー像の一部が
ローラに転移するいわゆるオフセット現像、およびトナ
ー像支持部材に対するトナーの密着性が重要な問題であ
る。より少ない熱エネルギーで定着するトナーは、通常
保存中もしくは現像器中でブロッキングもしくはケーキ
ングし易い性質があるので、同時にこれらの問題も考慮
しなければならない。これらの現像にはトナー中の結着
樹脂の物性が最も大きく関与しているが、本発明者の研
究によれば、トナー中の磁性体の含有量を減らすと、定
着時にトナー像支持部材に対するトナーの密着性は良く
なるが、オフセットが起こり易くなり、またブロッキン
グもしくはケーキングも生じ易くなる。それゆえ、本発
明においてオイルをほとんど塗布しない加熱加圧ローラ
定着方式を用いる時には、結着樹脂の選択がより重要で
ある。好ましい結着物質としては、架橋されたスチレン
系共重合体もしくは架橋されたポリエステルがある。
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモ
ノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタ
クリニトリル、アクリルアミド等のような二重結合を有
するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレ
イン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイ
ン酸ジメチル等のような二重結合を有するジカルボン酸
およびその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、安
息香酸ビニル等のようなビニルエステル類;例えばエチ
レン、プロピレン、ブチレン等のようなエチレン系オレ
フィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシル
ケトン等のようなビニルケトン類;例えばビニルメチル
エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエ
ーテル等のようなビニルエーテル類;等のビニル単量体
が単独もしくは2つ以上用いられる。
ここで架橋剤としては主として2個以上の重合可能な
二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニル
ベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニ
ル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、
エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジ
オールジメタクリレート等のような二重結合を2個有す
るカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエ
ーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジ
ビニル化合物;および3個以上のビニル基を有する化合
物;が単独もしくは混合物として用いられる。
また、加圧定着方式を用いる場合には、圧力定着トナ
ー用結着樹脂の使用が可能であり、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリメチレン、ポリウレタンエラ
ストマー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、スチ
レン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重
合体、線状飽和ポリエステル、パラフィン等がある。
また、本発明中の磁性トナーには荷電制御剤をトナー
粒子に配合(内添)、またはトナー粒子と混合(外添)
して用いることが好ましい。荷電制御剤によって、現像
システムに応じて最適の荷電電量コントロールが可能と
なり、特に本発明では粒度分布と荷電とのバランスをさ
らに安定したものとすることが可能であり、荷電制御剤
を用いることで先に述べたところの粒径範囲毎による高
画質化のための機能分離および相互補完性をより明確に
することができる。
本発明に用いることのできる負荷電性制御剤として
は、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効で、そ
の例としてはアルミニウムアセチルアセトナート、鉄
(II)アセチルアセトナート、3,5−ジターシャリーブ
チルサリチル酸クロム等があり、特にアセチルアセトン
金属錯体、モノアゾ金属錯体、ナフトエ酸あるいはサリ
チル酸系の金属錯体または塩が好ましく、特にサリチル
酸系金属錯体またはモノアゾ金属錯体またはサリチル酸
系金属塩が好ましい。
上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作用を有しな
いもの)は、微粒子状として用いることが好ましい。こ
の場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、具体的には
4μm以下(更には3μm以下)が好ましい。
トナーに内添する際、このような荷電制御剤は、結着
樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部(更には0.2〜10
重量部)を用いることが好ましい。
本発明に用いる磁性トナーは、必要に応じて種々の添
加剤を内添あるいは外添混合してもよい。着色剤として
は従来より知られている染料、顔料が使用可能であり、
通常、結着樹脂100重量部に対して0.5〜20重量部使用し
ても良い。他の添加剤としては、例えばステアリン酸亜
鉛の如き滑剤;酸化セリウム、炭化ケイ素の如き研磨
剤;例えばコロイダルシリカ、酸化アルミニウムの如き
流動性付与剤またはケーキング防止剤;例えばカーボン
ブラック、酸化スズ等の導電性付与剤がある。
また、熱ロール定着時の離型性を良くする目的で低分
子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロ
クリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワ
ックス、パラフィンワックス等のワックス状物質を0.5
〜5wt%程度磁性トナーに加えることも本発明の好まし
い形態の1つである。
さらに本発明に係る磁性トナーは、着色剤の役割を兼
ねても良いが、磁性材料を含有している。本発明の磁性
トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、
γ−酸化締付、フェエライト、鉄過剰型フェライト等の
酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこ
れらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネ
シウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマ
ス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタ
ン、タングステン、バナジウムのような金属との合金お
よびその混合物等が挙げられる。
これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜1μm、好まし
くは0.1〜0.5μm程度のものが望ましく、磁性トナー中
に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し60〜1
50重量部、好ましくは樹脂成分100重量部に対し65〜120
重量部である。
本発明に用いる静電荷像現像用磁性トナーを作製する
には磁性粉およびビニル系、非ビニル系の熱可塑性樹
脂、必要に応じて着色剤としての顔料または染料、荷電
制御剤、その他の添加剤等をボールミルの如き混合機に
より十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクスト
ルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉し
て樹脂類を互いに相溶せしめた中に顔料または染料を分
散または溶解せしめ、冷却固化後粉砕および厳密な分級
を行って本発明に係るところの磁性トナーを得ることが
できる。
他には、結着樹脂溶液中に構成材料を分散した後、噴
霧乾燥することによりトナーを得る方法;あるいは結着
樹脂を構成すべき単量体に所定の材料を混合して乳化懸
濁液とした後に、重合させてトナーを得る重合法トナー
製造法;あるいはコア材、シェル材から成るいわゆるマ
イクロカプセルトナーにおいて、コア材あるいはシェル
材、あるいはこれらの両方に所定の材料を含有させる方
法;等の方法が応用できる。
尚、本発明に係る磁性トナーの真密度は1.45〜1.80g/
cm3であることが好ましく、さらに好ましくは1.50〜1.7
0g/cm3である。この範囲において、本発明の特定の粒度
分布を有する磁性トナーは、高画質および耐久安定性と
いう点で最も効果を発揮しうる。磁性トナーの真密度が
1.45より小さいと、磁性トナー粒子そのものの重さが軽
すぎて反転かぶりおよびトナー粒子ののりすぎによる細
線のつぶれ、飛び散り、解像力の悪化が発生しやすくな
る。また、磁性トナーの真密度が発生しやすくなる。ま
た、磁性トナーの真密度1.80より大きいと画像濃度がう
すく、細線のとぎれなど鮮鋭さの欠けた画像となり、ま
た相対的に磁気力も大きくなるため、トナーの穂も長く
なったり分枝状になったりしやすく、この場合、潜像を
現像したとき画質を乱し粗れた画像となりやすい。
磁性トナー真密度の測定は、いくつかの方法で行うこ
とができるが、本願では、微粉体を測定する場合、正確
かつ簡便な方法として次の方法を採用した。
ステンレス製の内径10mm、長さ約5cmのシリンダー
と、その中に密着挿入できる外径約10mm、高さ5mmの円
盤(A)と、外径約10mm、長さ約8cmのピストン(B)
を用意する。シリンダーの底に円盤(A)を入れ、次い
で測定サンプル約1gを入れ、ピストン(B)を静かに押
し込む。これに油圧プレスによって400kg/cm2の力を加
え、5分間圧縮したものをとり出す。この圧縮サンプル
の重さを秤量(wg)しマイクロメーターで圧縮サンプル
の直径(Dcm)、高さ(Lcm)を測定し、次式によって真
密度を計算する。
さらに良好な現像特性を得るために、本発明の磁性ト
ナーは、残留磁化σrが1〜10emu/g、好ましくは2〜5
emu/gであり、飽和磁化σsが20〜80emu/g、好ましくは
20〜40emu/gであり、抗磁力Hcが40〜200エステッド(
e)、好ましくは40〜100emu/gの磁気特性を満足するこ
とが好ましい。(いずれも測定磁場は1Keである) また、本発明に係る磁性トナーにはシリカ微粉末を内
添あるいは外添混合しても良いが、外添混合することが
より好ましい。本発明の特徴とするような粒度分布を有
する非磁性トナーでは、比表面積が従来のトナーより大
きくなる。摩擦帯電のために磁性トナー粒子と、内部に
磁界発生手段を有した円筒状の導電性スリーブ表面と接
触せしめた場合、従来の磁性トナーよりトナー粒子表面
とスリーブとの接触回数は増大し、トナー粒子の摩耗が
発生しやすくなる。本発明に係る磁性トナーと、シリカ
微粉末を組み合わせるとトナー粒子とスリーブ表面の間
にシリカ微粉末が介在することで摩耗は著しく軽減され
る。これによって、磁性トナーの長寿命化がはかれると
共に、安定した帯電性も維持することができ、長期の使
用にもより優れた磁性トナーを有する現像剤とすること
が可能である。
シリカ微粉体としては、乾式法および湿式法で製造し
たシリカ微粉体をいずれも使用できるが、耐フィルミン
グ性、耐久性の点からは乾式法によるシリカ微粉体を用
いることが好ましい。
ここでいう乾式法とは、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気
相酸化により生成するシリカ微粉体の製造法である。例
えば四塩化ケイ素ガスの酸素水素中における熱分解酸化
反応を利用する方法で、基礎となる反応式は次のような
ものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl 又、この製造工程において例えば、塩化アルミニウム
又は、塩化チタンなど他の金属ハロゲン化合物をケイ素
ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の
金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それ
らも包含する。
本発明に用いられる、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相
酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例
えば、以下のような商品名で市販されているものがあ
る。
AEROSIL 130 (日本アエロジル社) 200 300 380 OX50 TT600 MOX80 MOX170 COK84 Ca−O−SiL M−5 (CABOTO Co.社) MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER-CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica (ダウコーニングCo.社) Fransol (Fransil社) 一方、本発明に用いられるシリカ微粉体を湿式法で製
造する方法は、従来公知である種々の方法が適用でき
る。たとえば、ケイ酸ナトリウムの酸による分解、一般
式反応式で下記に示す。
Na2O・XSiO2+HCl+H2O→SiO2・nH2O+NaCl その他、ケイ酸ナトリウムのアンモニア塩類またはア
ルカリ塩類による分解、ケイ酸ナトリウムよりアルカリ
土類金属ケイ酸塩を生成せしめた後、酸で分解しケイ酸
とする方法、ケイ酸ナトリウム溶液をイオン交換樹脂に
よりケイ酸とする方法、天然ケイ酸またはケイ酸塩を利
用する方法などがある。
ここでいうシリカ微粉体には、無水二酸化ケイ素(シ
リカ)、その他、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウ
ム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛
などのケイ酸塩をいずれも適用できる。
湿式法で合成された市販のケイ酸微粉体としては、た
とえば、以下のような商品名で市販されているものがあ
る。
カープレックス 塩野義製薬 ニープシール 日本シリカ トクシール,ファインシール 徳山曹達 ビタシール 多木製肥 シルトン,シルネックス 水沢化学 スターシル 神島化学 ヒメジール 愛媛薬品 サイロイド 富士デビソン化学 Hi-sil(ハイシール) Pittsburgh Plate Glass.Co (ピッツバーグ プレート グラス) Durosil(ドゥロシール) Ultorasil(ウルトラシール) Fiillstoff-Gesellschaft Marquart (フュールストッフ・ゲゼールシャフト マルクォル
ト) Manosil(マノシール) Hardman and Holden (ハードマン アンド ホールデン) Hoesch(ヘッシュ) Chemische Fabrik Hoesch K−G (ヒェミッシェ・ファブリーク・ヘッシュ) Sil−Stone(シル−ストーン) Stoner Rubber Co.(ストーナー ラバー) Nalco(ナルコ) Nalco Chem.Co.(ナルコ ケミカル) Quso(クソ) Philadelphia Quartz Co. (フィラデルフィア クォーツ) Imsil(イムシル) Illinois Minerals Co. (イリノイス ミネラル) Calcium Silikat(カルシウム ジリカート) (Chemische Fabrik Hoesch.K−G) (ヒェミッシェ ファブリーク ヘッシュ) Caisil(カルジル) Fiillstoff-Gesellschaft Marquart (フュールストッフ−ゲゼールシャフト マルクォル
ト) Fortafil(フォルタフィル) Imperial Chemical Industries.Ltd. (インペリアル ケミカル インダストリーズ) Microcal(ミクロカル) Joseh Crosfiels & Sons Ltd. (ジョセフ クロスフィールド アンド サンズ) Vulkasil(ブルカジール) Farbenfabriken Bryer,A.−G. (ファルベンファブリ−ケンバーヤー) Tufknit(タフニット) (Durham Chemicals.Ltd. (ドゥルハム ケミカルズ) シルモス 白石工業 スターレックス 神島化学 フリコシル 多木製肥 上記シリカ微粉体のうちで、BET法で測定した窒素吸
着による比表面積が30m2/g以上(特に50〜400m2/g)の
範囲内のものが良好な結果を与える。磁性トナー100重
量部に対してシリカ微粉体0.01〜8重量部、好ましくは
0.1〜5重量部使用するのが良い。
また、本発明に用いられるシリカ微粉体は、必要に応
じてシランカップリング剤、疎水化の目的でシリコンオ
イル、有機ケイ素化合物などの処理剤であるいは、種々
の処理剤で併用して処理されていても良く、シリカ微粉
体と反応あるいは物理吸着する上記処理剤で処理され
る。そのような処理剤としては、例えばヘキサメチルジ
シラザン、トリメチルシラン、トリチルクロルシラン、
トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、
メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラ
ン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチル
クロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α
−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルト
リクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、
トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメ
ルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニル
ジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジェトキシシラ
ン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラ
メチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジ
シロキサン、および1分子当たり2から12個のシロキサ
ン単位を有し、末端に位置する単位にそれぞれ1個宛の
Siに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン
等がある。
またシリコーンオイルとしては、一般に次の式により
示されるものである。
好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘
度がおよそ5〜5000センチストークスのものが用いら
れ、例えばメチルシリコーンオイル,ジメチルシリコー
ンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、クロルフ
ェニルメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコー
ンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリオキシア
ルキレン変性シリコーンオイルなどが好ましい。これら
は1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
また本発明に用いる磁性トナーにおいて、フッ素含有
重合体微粉末、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、
ポリビニリデンフルオライド等およびテトラフルオロエ
チレン−ビニリデンフルオライド共重合体の微粉末を添
加することは好ましい。特に、ポリビニリデンフルオラ
イド微粉末が流動性および研磨性の点で好ましい。トナ
ーに対する添加量は0.01〜2.0wt%、特に0.02〜1.0wt%
が好ましい。
特に、シリカ微粉末と上記微粉末と組み合わせた磁性
トナーにおいては、理由は明確ではないが、トナーに付
着したシリカの存在状態を安定化せしめ、例えば、付着
したシリカがトナーから遊離して、トナー摩耗やスリー
ブ汚損への効果が減少するようなことがなくなり、か
つ、帯電安定性をさらに増大することが可能である。
本発明の磁性トナーは、必要に応じて添加剤を混合し
てもよい。他の添加剤としては、例えばステアリン酸亜
鉛の如き滑剤、あるいは酸化セリウム、炭化ケイ素の如
き研磨剤あるいは例えば酸化素含有重合体の微粉末を内
添あるいは外添混合してもよい。フッ素含有重合体微粉
末としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リビニリデンフルオライド等およびテトラフルオロエチ
レン−ビニリデンフルオライド共重合体の微粉末等があ
るが、特に、ポリビニリデンフルオライド微粉末が流動
性および研磨性の点で好ましい。トナーに対する添加量
は0.01〜2.0wt%、特に0.02〜1.0wt%が好ましい。
特に、シリカ微粉末と上記微粉末と組み合わせた外添
混合した磁性トナーにおいては、理由は明確ではない
が、トナーに付着したシリカの存在状態を安定化せし
め、例えば、付着したシリカがトナーから遊離して、ト
ナー摩耗やスリーブ汚損への効果が減少するようなこと
がなくなり、かつ、帯電安定性をさらに増大することが
可能である。
本発明の画像形成方法を実施するために用いることが
できる具体的な装置の一例を第1図に示すが、これは本
発明をなんら限定するものではない。
本発明に係る磁性トナーは、円筒スリーブの如きトナ
ー担持体から感光体の如き潜像担持体へトナーを飛翔さ
せながら潜像を現像する方法に適用するのが好ましい。
すなわち、磁性トナーは主にスリーブ表面との接触によ
ってトリボ電荷が付与されスリーブ表面上に薄層状に塗
布される。磁性トナーの薄層の層厚は現像領域における
感光体とスリーブとの間隙よりも薄く形成される。感光
体上の潜像の現像に際しては、感光体とスリーブとの間
に交互電界を印加しながらトリボ電荷を有する磁性トナ
ーをスリーブから感光体へ飛翔させる。
交互電界では、パルス電界も交流バイアスとして例示
される。
第1図の現像装置において、例えば本発明に係るトナ
ー担持体たる非磁性スリーブ2−1として直径50m/mの
ステンレススリーブ(SUS304)を用い、スリーブ内のマ
グネット4の磁極N1=850ガウス、N2=500ガウス、S
1=650ガウス、S2=500ガウスとし、ブレード1aには磁
性体である鉄を用い、ブレード1aとスリーブ2−1の間
隙は250μ、トナー10は本発明に係る磁性トナー、バイ
アス電源11としてはACにDCを重畳させたものを用い、Vp
p=1200V、f=800(Hz)、DC=+100Wとした装置が挙
げられる。またスリーブ2と潜像保持体9との最短距離
を300μと設定したものを挙げることができる。
また本発明の画像形成方法で表面に磁性トナーを担持
するトナー担持体においてトナー担持体表面が不定型粒
子によるサンドブラスト処理により、特定の凹凸状態の
凹凸粗面となしたものを用いることにより、そのトナー
担持体表面に一様均一なムラのない、長期に渡って常
に、良好なトナーコート状態を維持することができる。
その目的とする表面は、トナー担持体の表面が全域にわ
たって、微細な無数の切り込みあるいは突起がランダム
な方向に構成されている態様のものである。
しかしながら、かかる特定の表面状態を有するトナー
担持体を用いる現像装置では、適用する磁性トナーによ
っては、トナーまたはトナー中の成分が、該表面に付着
し、トナー担持体表面への汚染が起こり、その結果、初
期画像の濃度低下が生じることがある。
これは、トナー中の成分が、トナー担持体表面の凸部
の斜面及び凹部に付着するため、磁性トナー粒子の帯電
不良が生じ、トナー層の電荷量が低下によって生ずるも
のである。
磁性トナー担持体への汚染を防止あるいは、低減させ
る方法として、トナー担持体の表面をより平滑にする方
法が良い。
本発明に係る現像方法の磁性トナー担持体において
は、その表面が複数の球状痕跡窪みによる特定の凹凸を
形成している場合には、該表面にトナー成分が付着しに
くくなり、長期にわたって汚染の防止または低減するこ
とができ、また、磁性トナーをトナー担持体に均一にト
ナーコートさせる性能としても優れていた。
トナー担持体を以下スリーブと称する。
複数の球状痕跡窪みによる凹凸を形成した表面を有す
るスリーブ表面状態を得る方法としては、定形粒子によ
るブラスト処理方法が使用できる。定形粒子としては、
例えば、特定の粒径を有するステンレス、アルミニウ
ム、鋼鉄、ニッケル、真鍮等の金属からなる各種剛体球
またはセラミック、プラスチック、グラスビーズ等の各
種抗体球を使用することができる。特定の粒径を有する
定形粒子を用いて、スリーブ表面をブラスト処理するこ
とにより、ほぼ同一の直径Rの複数の球状痕跡窪みを形
成することができる。
また、スリーブ表面の複数の球状痕跡窪みの直径Rは
20〜250μmが好ましく、直径Rが20μm以下である
と、磁性トナー中の成分による、汚染を増す傾向にあ
り、逆に直径Rが250μm以上であると、スリーブ上の
トナーコートが均一性が低下する傾向にある。従って、
スリーブ表面のブラスト処理時に使用する定形粒子も、
直径が20〜250μmのものが良い。さらに、スリーブ表
面の凹凸のピッチPおよび表面粗さdは、スリーブの表
面を微小表面粗さ計(発売元、テイラーホプソン社、小
坂研究所等)を使用して測定し、表面粗さdはJIS10点
平均あらさ(RZ)「JIS B 0601」によるものである。
即ち第2図に示すように、断面曲線から基準長さlだ
け抜き取った部分の平均線に平行な直線で高い方から3
番目の山頂を通るものと、深い方から3番目の谷底を通
るものの、2直線の間隔をマイクロメータ(μm)で表
したもので、基準長さl=0.25mmとする。またピッチP
は凸部が両側の凹部に対して0.1μ以上の高さのもの
を、一つの山として数え基準長さ0.25mmの中にある山の
数により、下記のように求めたものである。
〔250(μ)〕/〔250(μ)に含まれる山の数(μ)〕 スリーブ表面の凹凸のピッチPは、2〜100μが好ま
しくは、Pが2μ未満であると、磁性トナー中の成分に
よるスリーブ汚染が増す傾向にあり、逆にPが100μm
を超える場合であると、スリーブ上のトナーコートの均
一性が低下する傾向にある。またスリーブ表面の凹凸の
表面粗さdは0.1〜5μmが好ましく、dが5μmを超
える場合は、スリーブと潜像保持体との間に交番電圧を
印加してスリーブ側から潜像面へ磁性トナーを飛翔させ
て現像を行う方式にあっては、凹凸部分に電界が集中し
て画像に乱れを生ずる傾向となり、逆にdが0.1μ未満
であると、スリーブ上のトナーコートの均一性が低下す
る傾向にある。
〔実施例〕
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、これ
は、本発明をなんら限定するものではない。尚、以下の
配合における部数はすべて重量部である。
実施例1 まず使用した感光ドラムについて説明する。
a−Si感光ドラムは高周波プラズマCVD装置を使用
し、SiH4,H2,CH4,PH3,B26,GeH4等のガスを用いグロー
放電法で作製した。
80φ×360mmのアルミニウムシリンダーである基体上
にゲルマニウムをドープした水素化a−Siの長波長吸収
層を設け、この上にリンをドープした水素化a−Siの下
部電荷注入防止層を設けた。
次に極微量のホウ素をドープした水素化a−Siの感光
層を設け、次いでホウ素をドープした水素化a−Siの上
部電荷注入防止層を設けた。
次いで最上部にシリコンと炭素と水素から成るアモル
ファス膜(水素膜a−SiC)を表面保護層として設け
た。
このようにして得られたa−Si感光ドラムを市販のレ
ーザービームプリンターLBP-50(キヤノン社製)に装着
し、負帯電性トナーが使用できるように改造した。また
一次帯電器の電流値、レーザー出力を調節し、表面暗部
電位が−400V、表面明部電位が−40Vとなるように設定
した。
現像条件は、交流バイアス2000Hz/1300Vpp及び直流バ
イアス−340Vを相乗して印加した。
次に本発明に係る画像評価方法を述べる。
ライン表現、解像度は次に示す方法によって測定を行
った。
1ドット、1スペースのライン(100μm)が5本形
成されるようにレーザーで感光体に潜像をつくり得られ
る画像を測定サンプルとした。解像度はこの5本/mmの
ラインの解像力により評価した。また、ライン表現は1
ドット、2スペースのライン(100μm)を4本形成し
たものからアナログ画像の場合と同様にして値を下記式
によって算出する。
ドット表現は次に示す方法によって測定を行った。1
ドット、2ドット、3ドット、4ドットで構成される市
松模様の潜像を感光体上にレーザーで形成させ得られる
画像を測定サンプルとした。このサンプルを拡大鏡にて
観察し、市松模様の明確に確認できる画像のドット数を
もってドット表現とする。この数字が小さいほどドット
表現が優れていることを示す。
一方、負帯電性非磁性トナーは次のようにして作っ
た。
上記材料をブレンダーでよく混合した後、150℃に設
定した2軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を
冷却し、カッターミルにて粗粉砕した後、ジェット気流
を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、得られた微粉砕粉
を固定壁型風力分級機で分級して分級粉を生成した。さ
らに、得られた分級粉をコアンダ効果を利用した多分割
分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で超微
粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去して青色微粉体(磁
性トナー)を得た。この磁性トナーの粒度分布を第1表
に示す。
得られた青色微粉体の磁性トナー100部に疎水性乾式
シリカ(BET比表面積200m2/g)0.6部を加え、ヘンシェ
ルミキサーで混合した。
前述したLBP-50改造機にこのシリカを外添した磁性ト
ナーを投入しプリントアウト試験を実施した。この試験
を10000枚繰り返し行った結果を、第2表に示す。
この表からも明らかなようにライン表現、ドット表現
に優れ、かぶりがなく、ベタ部の濃度の高い青色のプリ
ントが得られ、ドットによる階調性にも優れていた。ま
たドラムゴーストもなかった。更に20000枚プリントア
ウトしたが画質に変化はなかった。また32.5℃,85%RH
下でプリントテストを行ったところ同様に良好な結果が
得られ、画像流れも発生しなかった。またドラムヒータ
の温度を下げても画像流れは発しなかった。更に15℃,1
0%RH下の低温低湿下でも同様に良好な結果が得られ
た。
実施例2 実施例1で使用した磁性トナーの代わりに磁性体とシ
リカの添加量の変更および微粉砕分級条件をコントロー
ルすることによって第1表に示すような粒度分布をもつ
トナーを用いる以外は実施例1と同様にして画出し試験
を行った。その結果を第2表に示すが鮮明な画像が得ら
れた。
実施例3 上記材料を用いる他は実施例1と同様な方法で第1表
に示す粒度分布をもつ磁性トナーを得た。この磁性トナ
ー100部に疎水性乾式シリカ(BET300m2/g)を0.8部加え
ヘンシェルミキサーで十分に混合した。
この磁性トナーを用い実施例1と同様のプリントアウ
ト試験の結果を第2表に示す。
この表からも明らかなようにかぶりもなく、濃度の高
い鮮明な画像が得られた。
また32.5℃,85%RH下で画像流れは発生しなかった。
更に15℃,10%RH下でも良好な結果が得られた。
実施例4 実施例3で使用した磁性トナーにの代わりに磁性体と
シリカの添加量の変更および微粉砕分級条件をコントロ
ールすることによって第1表に示すような粒度分布をも
つトナーを用いる以外は実施例1と同様にして画出し試
験を行った。その結果、第2表に示すごとき鮮明な画像
が得られた。
実施例5 108φ×360mmのアルミニウムシリンダーを用い、実施
例1と同様a−Si膜を持つ感光ドラムを作製し、市販の
電子写真複写機NP-6650(キヤノン社製)に装着し、負
静電荷像を形成できるように改造した。また一次帯電器
の電流値、ハロゲンランプの光量を調節し、表面暗部電
位が−400V、表面明部電位が−50Vとなるように設定し
た。
現像条件は、交流バイアス2000Hz/1300Vpp及び直流バ
イアス−350Vを相乗して印加した。
次に本実施例に係る画像形成方法を述べる。
ここでは、一般に使用している原稿を反転させたネガ
像を原稿として用いた。
細線再現性は次に示すような方法によって測定を行っ
た。すなわち、正確に幅100μmとした細線のオリジナ
ル原稿を、適正なる複写条件でコピーした画像を測定用
サンプルとし、測定装置として、ルーゼックス450粒子
アナライザーを用いて、拡大したモニター画像から、イ
ンジケーターによって線幅の測定を行う。このとき、線
幅の測定位置はトナーの細線画像の幅方向に凹凸がある
ため、凹凸の平均的線細幅をもって測定点とする。これ
より、細線再現性の値(%)は、下記式によって算出す
る。
解像力の測定は次の方法によって行った。すなわち、
線幅および間隔の等しい5本の細線よりなるパターン
で、1mmの間に2.8,3.2,3.6,4.0,4.5,5.0,5.6,6.3,7.1又
は8.0本あるように描かれているオリジナル画像をつく
る。この10種類の線画像を有するオリジナル原稿を適正
なる複写条件でコピーした画像を、拡大鏡にて観察し、
細線間が明確に分離している画像の本数(本/mm)をも
って解像力の値とする。
この数字が大きいほど、解像力が高いことを示す。
実施例1で用いた非磁性トナーをNP-6650の改造機に
投入し、画出し試験を実施した。
この試験を10000回繰り返し行った結果を第3表に示
す。
この表からも明らかなように、画像濃度が高く、かぶ
り、ドラムゴーストのない鮮明な青色の画像が得られ
た。更に10000回複写を繰り返したが、細線再現性、網
点再現性等の劣化はなく、画像に変化は見られなかっ
た。また、32.5℃,85%RH下での複写試験でも良好な結
果が得られ画像流れは発生しなかった。更に15℃,10%R
H下でも同様に良好な結果が得られた。
実施例6 実施例3で得られた非磁性トナーを用いて実施例5と
同様の画出し試験を行った。
その結果を第3表に示すが、この表からも明らかなよ
うに鮮明な画像が得られた。
比較例1 実施例1で用いた磁性トナーにおいて磁性酸化鉄を60
部とする他は同じ材料を用い、同様の方法で第1表に示
す粒度分布をもつ磁性トナーを得た。更にこの磁性トナ
ー100部に正荷電性疎水性乾式シリカ(BET200m2/g)を
0.4部加えヘンシェルミキサーで混合した。この磁性ト
ナーを実施例1と同様の画出し試験を行った結果を第2
表に示す。
ライン表現、ドット表現、解像度に劣り、10000枚目
にはかぶりが見られ、濃度がやや薄かった。
ここで一次帯電器の電流値を上げ、感光ドラム表面暗
電位を−550Vにして現像直流バイアスを−490Vにしたと
ころ充分な画像濃度は得られるようになった。
しかし、プリンターの前ドアを開けたところオゾン臭
が多くなった。
比較例2,3 実施例1〜4で得られた粗砕品を使用し、微粉砕分級
条件をコントロールすることによって第1表に示すよう
な粒度分布をもつトナーを用いる以外は実施例1と同様
な画出し試験を行った。その結果を第2表に示す。
比較例2ではのりすぎによるライン、ドットのつぶ
れ、比較例3ではかぶり等により良好な画像は得られな
かった。
比較例4 実施例1の試験で帯電器の電流値を上げ、感光ドラム
の表面暗部電位を−550V、現像直流バイアスを−490Vと
して同様の試験を行ったところ、画質的には変化は見ら
れなかった。しかし複写機の前ドアを開けたところ、オ
ゾン臭は実施例1よりも多かった。
また32.5℃,85%RH下での画出し試験でドラムヒータ
の温度を下げたところ画像流れが発生した。
〔発明の効果の概要〕 本発明は、特定の粒度分布をもつ負帯電性磁性トナ
ー、負静電荷像を保持するa−Si感光体を用いた反転現
像から成る画像形成方法であるため、次のような優れた
効果を発揮するものである。
(1) 低い表面暗電位を有するa−Si感光体を用いた
反転現像で良好な画像濃度が得られる画像形成方法であ
る。
(2) 潜像の電位コントラストが低い場合、選択現像
が生じず、常に安定した画像を再現し得る画像形成方法
である。
(3) ドラムゴースト等の電子写真特性に優れたa−
Si感光体を用いて高速複写のできる画像形成方法であ
る。
(4) 高温高湿下において、画像流れのない画質が得
られる画像形成方法である。
(5) オゾンの発生を低下させることのできる画像形
成方法である。
(6) デジタル複写機、およびレーザービームプリン
ター等に用いられるデジタル潜像の現像に適した画像形
成方法である。
(7) 画像濃度が高く、かぶりもなく細線再現性、ド
ット再現性、階調性の優れた画像の得られる画像形成方
法である。
(8) 環境変動に対して性能の変化のない画像形成方
法である。
(9) 転写性の優れた画像形成方法である。
(10) 少ない消費量で、高い画像濃度を得ることの可
能な画像形成方法である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の画像形成方法を実施するのに適した
現像装置の概略的説明図であり、第2図は、表面粗さと
ピッチの定義説明図である。 第1図において、1a……磁性ブレード、2……スリー
ブ、3……塗布磁性トナー、4……固定磁石ローラ、7
……現像容器、9……感光ドラム、10……磁性トナー、
11……交番電圧電源。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/08 G03G 5/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】負静電荷像を保持するためのアモルファス
    シリコン感光体と、負帯電性磁性トナーを表面に担持す
    るためのトナー担持体とを現像部において一定の間隙を
    設けて配置し、該負帯電性磁性トナーを該トナー担持体
    上に前記間隙よりも薄い厚さに規制して該現像部に搬送
    し、該現像部において直流電圧及び交流電圧を有する現
    像バイアスを該トナー担持体に印加して、ベタ黒部の現
    像コントラストが300V以下となるような現像条件で該ア
    モルファスシリコン感光体に保持されている負静電荷像
    を該負帯電性磁性トナーによって反転現像を行う画像形
    成方法であって、該負帯電性磁性トナーは、5μm以下
    の粒径の磁性トナー粒子を25〜60個数%含有し、6.35〜
    12.7μmの粒径の磁性トナー粒子を5〜50個数%含有
    し、16μm以上の粒径の磁性トナー粒子を2.0体積%以
    下で含有し、体積平均粒径が4.5〜9μmである粒度分
    布を有していることを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】前記アモルファスシリコン感光体の表面に
    は、少なくともシリコン及び炭素を含有するアモルファ
    ス膜からなる表面保護層が設けられていることを特徴と
    する請求項1に記載の画像形成方法。
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