JP2772600B2 - モード同期レーザ装置 - Google Patents

モード同期レーザ装置

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JP2772600B2
JP2772600B2 JP4239761A JP23976192A JP2772600B2 JP 2772600 B2 JP2772600 B2 JP 2772600B2 JP 4239761 A JP4239761 A JP 4239761A JP 23976192 A JP23976192 A JP 23976192A JP 2772600 B2 JP2772600 B2 JP 2772600B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速光パルス列の発生に
利用する。特に、複数の波長で同時に光パルス列を発生
することのできる多波長のモード同期レーザ装置に関す
る。本発明は、複数の波長を多重して光ファイバに伝送
させる光波長多重伝送装置や波長差を利用して計測を行
う装置に使用される多波長の高速パルスレーザ装置とし
ての利用に適する。
【0002】
【従来の技術】従来の波長多重型のレーザ装置は、基本
的には独立した複数のレーザ共振器を集積化した構成で
あり、例えばアレイ型の分布帰還型半導体レーザが開発
されている。
【0003】しかし、分布帰還型半導体レーザの場合に
は、異なる波長で発振させるために回折格子のピッチ
(単位長あたりの溝数)を変える必要があり、製造が困
難なために製造歩留りも極めて悪かった。また、半導体
レーザ固有の問題として、発振波長の制御が難しく、波
長の変動が避けられない問題があった。また、半導体レ
ーザからの出力光を光ファイバに結合することも容易で
はない上に、アレイ型の複数の半導体レーザから1本の
光ファイバに効率良く結合することは極めて困難な状況
にあった。さらに、半導体レーザは注入電流によって直
接変調できる特徴があるものの、アレイ型の半導体レー
ザではチャネル間のクロストークが避けられなかった。
【0004】一方、従来のモード同期レーザ装置は、利
得スイッチ半導体レーザやQスイッチ固体レーザなどの
他のレーザ装置に比べ、極短光パルス(フェムト秒オー
ダ)の発生が可能、発振波長が広帯域で可変、長距離光
伝送に適したトランスフォームリミット光パルス、すな
わち時間バンド幅が最小となる光パルスを容易に発生で
きるなどの利点を有しており、これまで、大容量長距離
光通信や高速光計測などの分野への適用を目指して活発
に研究開発が進められている。しかしながら、従来、発
振波長が一つに限られており、複数の波長で同時に発振
するものはなかった。
【0005】ここで、図23ないし図29を参照して従
来のリング共振器型モード同期レーザ装置の動作原理に
ついて説明する。
【0006】図23は装置構成の一例を示す。
【0007】この装置は、光の損失あるいは位相をある
一定の周波数で変調する光変調器1、光パルスを発生し
て増幅する光増幅器2、光パルスの進行方向を規定し反
射戻り光を遮断する光アイソレータ4および増幅された
光パルスを外部に取り出す光分岐器5を備え、これらが
光ファイバその他の導波路または空間からなる光結合手
段を介して光学的にリング状に結合され、リング共振器
を構成する。光変調器1には駆動電源7が接続される。
【0008】光変調器1としては、LiNbO3 その他
の電気光学効果を利用した変調器が主として用いられ
る。光増幅器2としては、主に、光ファイバにエルビウ
ムEr、ネオディミウムNd、プラセオディウムPrそ
の他の希土類元素を添加した希土類ドープ光ファイバ増
幅器や、半導体レーザ増幅器が用いられる。
【0009】図24ないし図26は希土類ドープ光ファ
イバ増幅器の動作方法を示し、図27は半導体レーザ増
幅器の動作方法を示す。
【0010】希土類ドープ光ファイバ13は励起光源1
4からの励起光を入射することにより励起され、この希
土類ドープ光ファイバ13に伝搬する光パルスを増幅す
ることができる。励起方法としては後方励起、前方励起
および双方向励起があり、これらをそれぞれ図24、図
25、図26に示す。
【0011】後方励起の場合には、図24に示すよう
に、励起光源14からの励起光と増幅すべき光パルスと
を逆方向に希土類ドープ光ファイバ13に入射する。励
起光と増幅された光パルスとは、波長合波器15により
分離される。
【0012】前方励起の場合には、図25に示すよう
に、励起光源14からの励起光と増幅すべき光パルスと
を波長合波器15で合波して同方向に希土類ドープ光フ
ァイバ13に入射する。
【0013】双方向励起は後方励起と前方励起を組み合
わせたものであり、図26に示すように、希土類ドープ
光ファイバ13の両側から励起光を入射する。
【0014】半導体レーザ増幅器16の場合には、図2
7に示しように、励起電流源17からの電流により励起
され、入射光パルスを増幅して出力する。
【0015】図28はモード同期により得られる代表的
なスペクトル特性を示し、図29はその時間特性を示
す。
【0016】図23に示したリング共振器の光路長L
は、各構成要素の物理長をhi 、その屈折率をni とし
たとき、個々の物理長と屈折率との積、すなわち光路
長、の和により、 L=Σhi i …(1) と表される。
【0017】さて、リング共振器では、光速度cに対し
てfr =c/Lで与えられる周波数間隔をもつ多数の縦
モードが存在する。ここで、図23の構成における光変
調器1で繰り返し周波数fm =fr の光変調を加える
と、図28に示すように、周波数間隔fr のすべて縦モ
ードの位相が揃うモード同期発振状態となり、図29に
示すように、繰り返し周波数1/fr の光パルス列が得
られる。このときのパルス幅は、多数の縦モードスペク
トルの包絡線で定まる発振スペクトル幅δνの逆数に関
連した値となり、このスペクトル包絡線の中心が中心波
長(周波数ν0 )となる。
【0018】すなわち、モード同期における縦モード発
振は繰り返しパルス列のフーリエ変換で定義される側帯
波スペクトルであり、スペクトル全体でひとつの光パル
ス列が形成されるのであって、複数の波長の光パルス列
が同時に発生しているものではない。なお、変調周波数
を1以上の整数Kに対してfm =K×fr とし、fr
整数倍で動作させる倍数モード同期についても実現でき
るが、これは繰り返し周波数がK倍されるだけであっ
て、パルス幅、スペクトル幅は変わらない。
【0019】このように、従来のモード同期レーザ装置
では複数の波長の光パルス列を同時に発生することはで
きず、そのような光パルス列を発生できるレーザ装置
は、前述したように複雑であると共に、高速動作や短光
パルス発生、光ファイバとの高効率結合を行うことが難
しく、また、発振波長の制御も容易ではなかった。
【0020】本発明者等は、このような課題を解決する
ため、複数の波長の光パルス列を同時に発生することの
できる多波長モード同期レーザ装置を発明し、既に特許
出願した(特願平3−235143、本願出願時未公
開、以下「先の出願」という)。この先の出願では、共
振器内に偏光によって光路長の異なる部分を設け、それ
ぞれの光路長で異なる波長を共振させることにより、多
波長のモード同期を実現した。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、先の出願と
はまた別の新しい原理に基づき、高速かつ超短パルス幅
の光パルス列を複数の波長で同時に発生させることので
きるモード同期レーザ装置を提供することを目的とす
る。
【0022】さらに本発明は、構成および光ファイバと
の結合が極めて簡単であり、発振波長の制御も可能な多
波長のモード同期レーザ装置を提供することを目的とす
る。
【0023】
【課題を解決するため手段】本発明のモード同期レーザ
装置は、レーザ共振器(以下単に「共振器」という)
と、この共振器内の光の損失または位相をこの共振器で
発生する縦モードの周波数間隔fr の1以上の整数倍の
周波数で変調する光変調手段とを備えたモード同期レー
ザ装置において、共振器の内部に、互いに異なる複数の
スペクトル領域にそれぞれ利得を有する光増幅手段と、
この複数のスペクトル領域のそれぞれの波長で同時にモ
ード同期発振の条件が満たされるように、波長によって
異なる屈折率(光路長)を与える波長分散手段とを備え
たことを特徴とする。
【0024】共振器はリング共振器型でもよく、ファブ
リペロ型でもよい。リング共振器型の場合には、共振器
内にさらに、光の進行方向を規定し反射戻り光を防ぐ光
アイソレータと、共振器内で発生した光パルスを外部に
取り出す光分岐手段とを備え、各構成要素を光ファイバ
その他の光結合手段により互いに光学的に結合して所定
の長さのリング状光路を形成する。ファブリペロ型の場
合には、共振器内の光の大部分を反射させる二つの光反
射手段を両端に配置し、その間に各構成要素を配置して
光学的に結合し、所定の長さの往復光路を形成する。
【0025】光増幅手段は、複数の光増幅器を直列また
は並列に含むことがよい。すなわち、直列に接続された
互いに利得スペクトル領域の異なる複数の光増幅器を含
んでもよく、異なる波長の光を分離する波長分離手段
と、分離された光をそれぞれ増幅する複数の光増幅器
と、増幅された複数の光を合波する波長合波手段とを含
んでもよい。さらに、一個の光増幅器で複数のスペクト
ル領域をもつもの、例えば複数種類の希土類元素が添加
された光ファイバ増幅器を用いてもよい。
【0026】光増幅器を直列に接続する場合、および複
数の元素を添加した希土類ドープ光ファイバを使用する
場合は、他の光増幅器または他の元素による吸収を避け
るため、複数のスペクトル領域が互いに実質的に重なり
あうことのない領域であることが望ましい。光増幅器を
並列に接続する場合には、そのような制約は不要であ
る。
【0027】共振器内の光を複数に分岐しそれぞれに異
なる光路長を与える光路差付与手段をさらに備えること
もできる。この光路差付与手段は、光パルスを分離する
光分岐器と、分離された光パルスを再び合波する光合波
器と、この光分岐器と光合波器との間を光学的に結合す
る光路長の異なる複数の光路とを備えることができる。
また、1または複数の複屈折媒質、例えば複屈折光ファ
イバや複屈折結晶、を利用することもできる。複数の複
屈折媒質を使用する場合には、互いの光学軸のなす角度
が45度となるように配置する。
【0028】波長分散手段は、光路差付与手段を設ける
場合にはそれとの組み合わせにおいて、光増幅器を並列
に接続する場合にはそれとの組み合わせにおいて、複数
mの利得スペクトル領域に含まれる波長λj (j=1、
2…m)における光路長および高調波モード次数をそれ
ぞれLj 、Kj (Kj は1以上の整数)とし、高速をc
としたときに、異なる波長における共振器周波数(=高
速×モード同期次数/光路長)が等しくなる条件、すな
わち、 K1 /L1 =K2 /L2 = … =Km /Lm を満たすように設定する。
【0029】波長分散手段は、個別の素子として実現さ
れる必要はなく、場合によっては、共振器内に設けられ
る各素子およびそれらを結合する光結合手段の波長分散
特性を利用することにより実現できる。
【0030】
【作用】互いに異なる複数のスペクトル領域にそれぞれ
利得を有する光増幅手段を共振器内に設け、複数の波長
を同時に光増幅する。その一方で、それらの複数の波長
でそれぞれモード同期の共振周波数条件が満たされるよ
うに、波長により異なる屈折率(光路長)を与える。こ
れにより、見かけ上ひとつのモード同期レーザで、複数
の波長の光パルス列を同時発振させることができる。
【0031】また、共振器内の光を複数に分岐しそれぞ
れに異なる光路長を与えると、それぞれの光路に対応し
て別々の波長をモード同期発振させることができ、その
モード同期共振周波数条件の設定が容易になる。
【0032】上述した先の出願では、ひとつの共振器内
に光路長の異なる部分を設け、異なる共振周波数条件を
同時に実現することにより、多波長のモード同期を実現
していた。これは、本発明における光路差付与手段に相
当するものである。しかし、この先の出願は、一つの利
得スペクトル領域内で複数波長の同時モード同期発振を
達成するものであり、この点で本発明とは異なる。
【0033】
【実施例】図1は本発明第一実施例の多波長モード同期
レーザ装置を示すブロック構成図であり、図2はモード
同期で得られる代表的なスペクトル特性、図3はその時
間特性を示す。なお、ここでは2波長発振のモード同期
レーザを例に説明する。
【0034】この実施例装置は本発明をリング共振器型
モード同期レーザ装置に実施したものであり、光変調器
1、二つの光増幅器2−1、2−2、波長分散手段3、
光アイソレータ4および光分岐器5が光ファイバその他
の導波路または空間からなる光結合手段によりリング上
で光学的に結合される。リング共振器を構成する各部の
配置位置は任意である。光変調器1は駆動電源7により
駆動され、共振器内の光の損失または位相をこの共振器
で発生する縦モードの周波数間隔fr の1以上の整数倍
の周波数で変調することができる。
【0035】ここで本実施例の特徴とするところは、共
振器の内部に、互いに異なるスペクトル領域にそれぞれ
利得を有する光増幅手段として二つの光増幅器2−1、
2−2を直列に備え、この二つの光増幅器2−1、2−
2のそれぞれの利得スペクトルの波長で同時にモード同
期発振の条件が満たされるように波長によって異なる屈
折率を与える波長分散手段3を備えたことにある。
【0036】波長分散手段3は単独の素子として実現さ
れるものではないが、ここでは、説明を簡単にするた
め、光増幅器2−1、2−2、光アイソレータ4、光分
岐器5およびこれらを光学的に結合する光結合手段、場
合によってさらに付加される構成要素、にそれぞれ含ま
れる屈折率が「1」ではない成分、例えば光ァイバや誘
電体材料、を等価的に集中させたものとし、波長分散手
段3以外の各構成要素の屈折率を「1」として扱う。す
なわち、リング共振器全体の長さをhとしたとき、長さ
をrh(0<r≦1)の波長分散手段3の屈折率を波長
λの関数n(λ)とすることにより、波長分散手段3を
除く長さ(1−r)hの部分の屈折率を「1」として扱
うことができる。
【0037】このリング共振器型モード同期レーザ装置
の動作原理について説明する。
【0038】本実施例の構成では、物理的にひとつのリ
ング共振器であっても、二つの光増幅器2−1、2−2
の異なる利得スペクトル領域のため、二つの異なる波長
λ1、λ2 が共存し、しかも波長分散によりその二つの
波長λ1 、λ2 の光路長が異なる状態となる。ただし、
波長λ1 、λ2 はそれぞれ光増幅器2−1、2−2の利
得スペクトル領域内の波長とする。すなわち、波長
λ1 、λ2 に対する光路長L1 、L2 は、 L1 ={rn(λ1)+1−r}h …(2) L2 ={rn(λ2)+1−r}h …(3) となる。
【0039】ここで、各波長に対するモード同期の変調
周波数をfm1、fm2とすると、モード同期を起こすため
には、各波長に対する共振器の縦モード間隔(高調波も
含める)がそれぞれfm1、fm2と一致しなくてはならな
い。すなわち、 fm1={c/L1 }×K1 …(4) fm2={c/L2 }×K2 …(5) の条件を満たさなくてはならない。ここでcは真空中の
光速であり、K1 、K2は1以上の整数である。
【0040】さらに、これらの2波長で同期してモード
同期発振を起こすためには、fm1=fm2(=fm )とな
ることが必要である。したがって、(2)式ないし
(5)式より、 fm =〔c/{rn(λ1)+1−r}h〕×K1 =〔c/{rn(λ2)+1−r}h〕×K2 …(6) が得られる。したがって、波長分散手段3の波長分散の
値、K1 、K2 およびr、hを適当に設定することによ
り、繰り返し周波数fm において(6)式が成立し、異
なる二つの波長λ1 、λ2 において同期したモード同期
発振を達成することができる。
【0041】具体的にn(λ1)、n(λ2)とK1 、K2
との関係を求めると、(6)式より、 L1 /L2 ={rn(λ1)+1−r}/{rn(λ2)+1−r} =K1 /K2 …(7) となる。この式が2波長同時のモード同期発振の条件で
ある。
【0042】ここで、異なる2波長をλ1 =1.30μ
m、λ2 =1.55μmとし、r=1、すなわち波長分
散手段3が共振器全体に分布し、その屈折率nがすべて
石英光ファイバの値で近似できると仮定する。このと
き、 n(λ1)=1.449 n(λ2)=1.446 であるから、(7)式より、 K1 /K2 ≒1.002 が求まる。すなわち、K1 =501×i、K2 =500
×i(iは1以上の整数)とし、1.30μm、1.5
5μm近傍の適当な波長のペアを選べば、2波長モード
同期の条件である(7)式が成立する。この関係を
(6)式に代入すると、モード同期周波数fm の値とし
て、 fm =501i×c/{rn(λ1)・h} =500i×c/{rn(λ2)・h} が得られ、fm をGHz、hをmで表せば、 fm =150×i/{rn(λ2)・h} となる。したがって、リング共振器長hをh=50
〔m〕とすると、繰り返し周波数fm ≒3×i〔GH
z〕において、1.30μm、1.55μmのそれぞれ
近傍の波長のペアで、同期したモード同期発振が可能と
なる。
【0043】二つの光増幅器2−1、2−2の利得スペ
クトル領域は、図2に示すように、互いに重ならないこ
とが望ましい。これは、二つの利得スペクトル領域が重
なると、1つの波長として重なった領域の波長を用いた
場合に、二つの光増幅器2−1、2−2の利得を消費
し、他方の波長の発振に必要な利得が減少するからであ
る。また、二つの光増幅器2−1、2−2の光損失や光
吸収は、互いに他方の波長において小さい方が、リング
共振器としての利得G(>1)が高くなるため望まし
い。
【0044】なお、図2、図3では、波長λ1 、λ2
対応する光周波数ν1 、ν2 によりスペクトル特性およ
び時間特性を示している。
【0045】図4、図5および図6は、それぞれEr、
Nd、Prをドープした光ファイバのエネルギ準位とそ
の吸収、発光の遷移のようすとを示す。
【0046】Erは波長650nm、800nm、98
0nmまたは1.48μmの光源により励起すると、
1.54μmを中心とした波長帯域を増幅することが可
能である。Ndは、波長0.8μmまたは0.9μmの
光源により励起すると、1.06μm、1.32μm、
1.8μmを中心とした波長帯域を増幅することが可能
である。Prは、波長1.017μmまたは0.98μ
mの光源により励起すると、0.535μm、0.63
5μm、1.3μmを中心とした波長帯域を増幅するこ
とが可能である。また、希土類ドープ光ファイバは、吸
収、発光の起こるエネルギ準位に対する波長以外では、
吸収がないため損失は少ない。
【0047】例えば、光増幅器2−1としてErドープ
光ファイバおよび1.48μm励起光源を用い、光増幅
器2−2としてNdドープ光ファイバおよび0.9μm
励起光源を用いた場合には、1.5μm帯と1.3μm
帯とで、または1.5μm帯と1.1μm帯とで独立に
増幅が行われる。また、互いに他方の波長に対しては吸
収がないため低損失である。したがって、それぞれの利
得スペクトル領域で、(6)式および(7)式の条件を
満たす二つの波長において同時にモード同期発振が起こ
る。
【0048】光変調器1としては、電気光学効果を利用
したマッハツェンダ型LiNbO3光強度変調器、方向
性結合型LiNbO3 光強度変調器などを利用できる。
また、多重量子井戸構造のInGaAsP材料における
電気光学効果や吸収端の電圧依存性を利用した光変調器
を使用してもよい。また、半導体レーザ増幅器を光変調
器として用いてもよい。なお、これらの光変調器には偏
波依存性を有するタイプが多いが、その場合には入射偏
光を変調の加わる偏光方向に一致させれば問題はない。
【0049】光アイソレータ4は、共振器内に少なくと
も一個あればよく、次の条件を考慮すれば、共振器内の
任意の場所に配置してよい。すなわち、光アイソレータ
の順方向の向きを光分岐器5から光パルスが出力される
方向に設定すること、さらに、逆方向励起または双方向
励起の希土類ドープ光ファイバ増幅器内に配置する場合
には、励起光が希土類ドープ光ファイバに入射するのを
妨げない位置に配置することなどを考慮すればよい。
【0050】なお、光変調器1および光アイソレータ4
は波長依存性を有するが、扱う複数の波長において、で
きるだけ特性に差が少ないものが望ましい。
【0051】図7は本発明第二実施例の多波長モード同
期レーザ装置を示すブロック構成図である。
【0052】この実施例は、三つ以上の光増幅器2−
1、2−2、…、2−Nが直列に接続されたことが第一
実施例と異なる。この場合にも第一実施例と同様に、光
増幅器2−1、2−2、…、2−Nがそれぞれ異なる利
得スペクトル領域をもち、それぞれの領域内の波長が
(6)式または(7)式と同様のモード同期条件、すな
わち、 K1 /L1 =K2 /L2 = … =Km /Lm を満足すれば、三つ以上m個の波長でも同時にモード同
期発振を行わせることができる。
【0053】図8は本発明第三実施例の多波長モード同
期レーザ装置を示すブロック構成図である。
【0054】この実施例は、複数の利得スペクトルを有
する光増幅器20を用いたことが第一実施例および第二
実施例と異なる。このような光増幅器としては、例えば
複数の希土類をドープした光ファイバ増幅器を用いるこ
とができる。このような光ファイバ増幅器は、一本で複
数の利得スペクトル領域をもち、同時に多波長の増幅が
可能である。例えばNdイオンとErイオンとをドープ
すると、その光ファイバ増幅器は1.30μm帯と1.
5μm帯とで利得特性をもつ。また、互いに利得の奪い
合いや吸収は起きない。したがって、複数の希土類をド
ープした光ファイバ増幅器を一つ用いることで、第一実
施例または第二実施例と同様な原理で多波長の同時モー
ド同期発振を実現できる。
【0055】図9は本発明第四実施例の多波長モード同
期レーザ装置を示すブロック構成図であり、本発明をフ
ァブリペロ共振器型モード同期レーザ装置に実施した例
を示す。
【0056】この実施例装置は、反射鏡8−1、8−2
が配置されたファブリペロ共振器を備え、この共振器内
の光の損失または位相をこの共振器で発生する縦モード
の周波数間隔fr の1以上の整数倍の周波数で変調する
光変調手段としての光変調器1を備える。
【0057】ここで本実施例の特徴とするところは、共
振器の内部に、互いに異なるスペクトル領域でそれぞれ
利得を示す光増幅手段として二つの光増幅器2−1、2
−2を備え、この光増幅器2−1、2−2のそれぞれの
スペクトル領域の波長で同時にモード同期発振の条件が
満たされるように波長によって異なる屈折率を与える波
長分散手段3を備えたことにある。
【0058】反射鏡8−1、8−2に挟まれた各構成要
素は、空間または光ファイバその他の導波路からなる光
結合手段を介して光学的に結合される。共振器内の光パ
ルスは、その一部が反射鏡8−1、8−2の少なくとも
一方を透過し、外部に取り出される。反射鏡8−1、8
−2に挟まれた各構成要素の配置は任意である。
【0059】本実施例の動作は、上述したリング共振器
型モード同期レーザの説明における縦モードの周波数間
隔をfr =c/2Lと半分にすれば、同様に説明でき
る。すなわち、本実施例の場合にも、(6)式または
(7)式を満たす二つの波長で同時に同期発振させるこ
とができる。
【0060】図10は本発明第五実施例の多波長モード
同期レーザ装置を示すブロック構成図であり、本発明を
リング共振器型モード同期レーザ装置に実施した例を示
す。
【0061】この実施例装置は、共振器内に、光を複数
に分岐しそれぞれに異なる光路長を与える光路差付与手
段21をさらに備えたことが第一実施例と異なる。
【0062】ここで、波長λ1 、λ2 がそれぞれ光増幅
器2−1、2−2の利得スペクトル領域内の波長であ
り、光路差付与手段21以外の共振器の物理的な長さが
h、光路差付与手段21内の二つの光路A、Bの物理的
な長さがそれぞれhA 、hB とする。また、波長λ1
対しては光路A、波長λ2 に対しては光路Bについて考
える。すると、波長λ1 、λ2 に対する光路長L1 、L
2 は、 L1 ={rn(λ1)+1−r}(h+hA ) …(9) L2 ={rn(λ2)+1−r}(h+hB ) …(10) となる。したがって、異なる二つの波長λ1 、λ2 にお
いて、同期したモード同期発振が起きる条件は、 fm =〔c/{rn(λ1)+1−r}(h+hA)〕×K1 =〔c/{rn(λ2)+1−r}(h+hB)〕×K2 …(11) となる。(11)式を成立されるための変数として、第
一実施例で説明したK1、K2 、h、n(λ1)およびn
2)に、光路差付与手段21の光路A、Bの物理的な
長さhA 、hB が加わる。
【0063】n(λ1)、n(λ2)とK1 、K2 との関係
は、(11)式より、 L1 /L2 ={rn(λ1)+1−r}(h+hA) ÷{rn(λ2)+1−r}(h+hB) =K1 /K2 …(12) となる。
【0064】ここで、各条件を第一実施例の具体的な計
算例と同等であると仮定する。すなわち、λ1 =1.3
0μm、λ2 =1.55μm、r=1、波長分散手段3
がリング共振器全体に分布し、その屈折率nがすべて石
英光ファイバの値で近似可能であるとする。このとき、 n(λ1)=1.449 n(λ2)=1.446 であるから、(12)式は、 K1 ×(h+hB)/K2 ×(h+hA)=1.002 …(13) となる。K1 、K2 はともに1以上の整数であるが、h
+hA 、h+hB は「長さ」であるため、高精度に調整
可能であり、K1 とK2 との組み合わせを任意に設定で
きる。例えばhA とhB とを調整して (h+hB)/(h+hA)=1.002 とすると、K1 =K2 =1となる基本周波数でも2波長
のモード同期発振が可能となる。
【0065】このように、本実施例では、第一実施例に
比較して繰り返し周波数の設定が容易であり、多波長モ
ード同期発振が可能となる繰り返し周波数や波長の組み
合わせが広範囲に選択できる。
【0066】また、本実施例においても、第一実施例に
対する第二実施例と同様に、光増幅器を3以上設けるこ
とができる。
【0067】図11ないし図14は光路差付与手段の構
成例を示す。
【0068】図11に示す光路差付与手段は、光分離器
111および光合波器112の間に、それぞれ異なる光
路長の光路113、114を配置して光学的に結合した
ものである。光分離器111および光合波器112は、
波長に依存して合分波を行うものでもよく、光強度によ
る合分波を行うものでもよい。
【0069】図12に示す光路差付与手段は、複屈折媒
質である偏波保持光ファイバ121を用いたものであ
る。入射光の偏光方向を偏波保持光ファイバ121の主
軸に対して45度の角度に設定すると、直交する二つの
主軸方向に平行な二つの偏光成分に分離する。このと
き、偏波保持光ファイバ121の複屈折性、すなわち主
軸方向で屈折率が異なることにより、各偏光成分に対す
る光路長、すなわち物理的な長さ×屈折率が異なり、光
路差を付与することができる。また、偏波保持光ファイ
バの代わりに、複屈折結晶その他の複屈折媒質を用いる
こともできる。
【0070】図11、図12に示した光路差付与手段は
二つの光路差を付与するものであり、二つの光増幅器を
用いる場合に使用できる。3以上の光増幅器を用いる場
合には、図13または図14に示した光路差付与手段を
用いる。
【0071】図13に示す光路差付与手段は、実質的に
は図11に示したものと同等であるが、分岐の数が異な
る。すなわち、3以上の光への分波および合波ができる
光分離器131および光合波器133を用い、その間
に、それぞれ異なる光路長の光路132−1〜132−
Nを配置して光学的に結合する。
【0072】図14に示す光路差付与手段は、図12に
示したものと同様に複屈折媒質を使用しているが、長さ
の異なる複数の複屈折媒質、この場合には偏波保持光フ
ァイバ141−1〜141−Nを用いたことが異なる。
これらの偏波保持光ファイバ141−1〜141−N
は、隣接するどうしで光軸軸が45度傾くように配置す
る。このようにすると、入射光は、最初の偏波保持光フ
ァイバ141−1で二つの偏光成分に分離されて光路差
が付与され、第二の偏波保持光ファイバ141−2で
は、光路差が付与された光をさらに二つの偏光成分に分
離して光路差を付与する。これを繰り返すことにより、
複数の光路差を付与することができる。
【0073】図15は本発明第六実施例の多波長モード
同期レーザ装置を示すブロック構成図であり、本発明を
ファブリペロ共振器型モード同期レーザ装置に実施した
例を示す。
【0074】この実施例装置は、共振器内に、光を複数
に分岐しそれぞれに異なる光路長を与える光路差付与手
段21をさらに備えたことが第四実施例と異なる。ま
た、共振器がファブリペロ型であることが第五実施例と
異なる。
【0075】本実施例の動作原理は、第五実施例のリン
グ共振型モード同期レーザの説明における縦モード周波
数間隔をfr =c/2Lと半分にすれば、同様に説明で
きる。また、第二実施例と同様に光増幅器を3個以上設
け、3以上の波長で同時に同期発振させることも可能で
ある。
【0076】図16は本発明第七実施例の多波長モード
同期レーザ装置を示すブロック構成図であり、図17は
モード同期で得られる代表的なスペクトル特性を示す図
である。ここでは、本発明をリング共振器型モード同期
レーザ装置に実施した例を示す。
【0077】上述した実施例では、複数の光増幅器を直
列に接続していた。これに対して本実施例は、光増幅器
2−1、2−2を並列に接続する。すなわち、リング共
振器上に、異なる波長λ1 、λ2 の光を分離する波長分
離器9と、分離された光をそれぞれ増幅する二つの光増
幅器2−1、2−2と、増幅された二つの光を合波する
波長合波器10とを備える。
【0078】この実施例では、二つの光増幅器2−1、
2−2を並列接続したため、波長、光路長ともに異なる
二つの光路が共存する状態となる。ただし、二つの異な
る波長λ1 、λ2 はそれぞれ光増幅器2−1、2−2の
利得スペクトル領域内の波長である。ここで、波長
λ1 、λ2 における並列部の物理的な長さ、すなわち波
長分離器9から各光増幅器2−1、2−2を通過して波
長合波器10にいたる物理的な長さをそれぞれh1 、h
2 とし、二つの波長に共通な光路の物理的な長さをh0
とする。このとき、波長λ1 、λ2 に対する光路長
1 、L2 は、 L1 ={rn(λ1)+1−r}(h0 +h1 ) …(14) L2 ={rn(λ2)+1−r}(h0 +h2 ) …(15) となる。ただし、ここでは波長λ1 、λ2 に対する光路
でのrの値は同じであると仮定した。
【0079】これらの式とモード同期周波数fm の条件
から、第一実施例における議論と同様にして、2波長で
同時にモード同期発振を達成するための条件式、 fm =K1 ×c/〔{rn(λ1)+1−r}(h0 +h1 ) K2 ×c/〔{rn(λ2)+1−r}(h0 +h2 ) …(16) が導かれる。
【0080】本実施例においては、第一ないし第四のそ
れぞれの実施例と異なり、各波長の光路長を並列部の長
さh1 、h2 によってそれぞれ独立に設定することがで
きる。したがって、第五、第六実施例で説明した光路差
付与手段21を設けた例と等価になり、容易に(16)
式の2波長同時のモード同期発振条件を成立させること
ができる。この結果、適当な繰り返し周波数fm で、図
3に示したような二つの独立した波長で同期した光パル
ス列を発生させることができる。
【0081】本実施例では、並列に光増幅器2−1、2
−2を配置し、ひとつの波長にひとつの光増幅器を用い
る構成となっている。そのため、光増幅器2−1、2−
2間で利得の取り合いや他方の波長に対する損失を回避
できる。また、光増幅器2−1、2−2のそれぞれの利
得スペクトル領域は、波長分離器9で分離された各波長
を含んでいればよく、上述した実施例のように光増幅器
2−1、2−2間の利得スペクトル領域の制限はない。
したがって、光増幅器2−1、2−2の利得スペクトル
領域の重なりは問われず、増幅媒体の制約もない。
【0082】光増幅器2−1、2−2としては、エルビ
ウムEr、ネオディミウムNd、プラセオディウムPr
その他の希土類元素が添加された希土類ドープ光ファイ
バ増幅器だけでなく、他方の波長の光パルスに対する損
失を回避できるため、半導体レーザ増幅器、色素レーザ
媒質、固体レーザ媒質などを用いることができる。
【0083】例えば、光増幅器2−1、2−2として同
じErドープ光ファイバを用いても、1.535μmと
1.552μmとを波長分離器9で分離することによ
り、両波長で独立にモード同期発振させることができ
る。また、他方の波長に対して吸収がないため、1.5
5μm半導体レーザ増幅器と、1.30μm半導体増幅
器とを用いることができ、それぞれの利得スペクトル領
域内で(16)式の条件を満たす二つの波長において同
時発振させることができる。
【0084】図18は本発明第八実施例の多波長モード
同期レーザ装置を示すブロック構成図である。
【0085】この実施例は、3以上N個の光増幅器2−
1〜2−Nが並列に接続されたことが第七実施例と異な
る。すなわち、リング共振器上に、異なる波長λ1 、λ
2 …λN の光を分離する波長分離器11と、分離された
光をそれぞれ増幅するN個の光増幅器2−1〜2−N
と、増幅された二つの光を合波する波長合波器12とを
備える。
【0086】それぞれの光増幅器2−1〜2−Nは互い
に異なる利得スペクトル領域をもち、それぞれの利得内
の波長が、(16)式と同様のモード同期条件、 K1 /L1 =K2 /L2 = … =Km /Lm を満足すれば、三つ以上m個の波長でも同時にモード同
期発振を行わせることができる。
【0087】図19ないし図21はそれぞれ、第七実施
例または第八実施例で用いられる波長分離器9の構成例
を示す。
【0088】図19は誘電体多層膜フィルタを用いた例
を示す。誘電体多層膜フィルタ18は、透過率(反射
率)に波長依存性をもっているため、例えば波長λ1
λ2 を含む光をある角度で入射すると、波長λ1 は反射
し、波長λ2 は透過する。したがって、波長により光を
分離することができる。
【0089】図20は回折格子を用いた例を示す。回折
格子19は、回折角度の波長依存性を利用して、波長の
異なる光を別々の角度に分離することができる。
【0090】第七実施例または第八実施例における波長
分離器9としては、この他に、光学プリズムを用いるこ
ともできる。
【0091】回折格子や光学プリズムは3以上の波長を
分離する場合、すなわち第八実施例の波長分離器11と
しても利用できるが、誘電体多層膜フィルタの場合には
二分割しかできない。そのような2波長分離のもので3
以上の波長を分離するには、図21に示したように、多
段に接続して利用する。
【0092】波長合波器10、12としては、光の進行
方向が逆方向になるだけで、それぞれ波長分離器9、1
1と同等のものを用いることができる。
【0093】図22は本発明第九実施例の多波長モード
同期レーザ装置を示すブロック構成図であり、本発明を
ファブリペロ共振器型モード同期レーザ装置に実施した
例を示す。
【0094】この実施例装置は、光増幅器2−1、2−
2が並列に接続されたことが第四実施例と異なる。すな
わち、異なる波長λ1 、λ2 の光を分離合波する二つの
波長合分波器22を備え、この二つの波長合分波器22
の間に光増幅器2−1、2−2が並列に接続され分離さ
れる。波長合分波器22としては、第七実施例における
波長分離器9および波長合波器10と同等のものを利用
できる。
【0095】本実施例の動作は、上述した第七実施例の
説明における縦モードの周波数間隔をfr =c/2Lと
半分にすれば、同様に説明できる。すなわち、本実施例
の場合にも、(16)式を満たす二つの波長で同時に同
期発振させることができる。また、第八実施例と同様に
光増幅器を3個以上設け、3以上の波長で同時に同期発
振させることも可能である。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、物理的
にはほぼ一つの共振器で構成されるモード同期レーザ
に、複数の利得スペクトル領域をもつ光増幅手段、特に
複数の光増幅器を設け、所望の条件を満たす波長分散手
段を付加することにより、繰り返し周波数が完全に一致
した多波長の高速光パルス列を発生する新しいタイプの
レーザ装置を実現することができる。
【0097】本発明による多波長のモード同期レーザ装
置は、光周波数多重伝送方式に用いられる多波長光パル
ス光源や、波長多重型ソリトン光源として用いることが
できる。また、多波長同期発振性を利用した新しい光計
測技術として、例えば光ファイバの波長分散を測定する
ための光サンプリング測定など、新しい分野への応用が
期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示すブロック構成図。
【図2】モード同期で得られる代表的なスペクトル特性
を示す図。
【図3】モード同期で得られる光パルス列の時間特性を
示す図。
【図4】Erドープ光ファイバのエネルギ準位と励起、
吸収の関係を示す図。
【図5】Ndドープ光ファイバのエネルギ準位と励起、
吸収の関係を示す図。
【図6】Prドープ光ファイバのエネルギ準位と励起、
吸収の関係を示す図。
【図7】本発明の第二実施例を示すブロック構成図。
【図8】本発明の第三実施例を示すブロック構成図。
【図9】本発明の第四実施例を示すブロック構成図。
【図10】本発明の第五実施例を示すブロック構成図。
【図11】光路差付与手段の構成例を示す図。
【図12】光路差付与手段の構成例を示す図。
【図13】光路差付与手段の構成例を示す図。
【図14】光路差付与手段の構成例を示す図。
【図15】本発明の第六実施例を示すブロック構成図。
【図16】本発明の第七実施例を示すブロック構成図。
【図17】モード同期で得られるスペクトル特性例を示
す図。
【図18】本発明の第八実施例を示すブロック構成図。
【図19】波長分離器の構成例を示す図。
【図20】波長分離器の構成例を示す図。
【図21】波長分離器の構成例を示す図。
【図22】本発明の第九実施例を示すブロック構成図。
【図23】従来例モード同期レーザ装置を示すブロック
構成図。
【図24】希土類ドープ光ファイバ増幅器の動作方法を
示す図。
【図25】希土類ドープ光ファイバ増幅器の動作方法を
示す図。
【図26】希土類ドープ光ファイバ増幅器の動作方法を
示す図。
【図27】半導体レーザ増幅器の動作方法を示す図。
【図28】モード同期により得られるスペクトル特性例
を示す図。
【図29】モード同期により得られる光パルス列の時間
特性を示す図。
【符号の説明】
1 光変調器 2、2−1、2−2、2−N 光増幅器 3 波長分散手段 4 光アイソレータ 5 光分岐器 7 駆動電源 8−1、8−2 反射鏡 9、11 波長分離器 10、12、15 波長合波器 13 希土類ドープ光ファイバ 14 励起光源 16 半導体レーザ増幅器 17 励起電流源 18 誘電体多層膜フィルタ 19 回折格子 20 複数の利得スペクトルを有する光増幅器 21 光路差付与手段 22 波長合分波器 111、131 光分離器 112、133 光合波器 113、114、132−1〜132−N 光路 121、141−1〜141−N 偏波保持光ファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−75194(JP,A) 特開 平6−61561(JP,A) 特開 平2−310982(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/098 H01S 3/07 H01S 3/23

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ共振器と、 このレーザ共振器内の光の損失または位相をこのレーザ
    共振器で発生する縦モードの周波数間隔fr の1以上の
    整数倍の周波数で変調する光変調手段とを備えたモード
    同期レーザ装置において、 上記レーザ共振器の内部に、 互いに異なる複数のスペクトル領域にそれぞれ利得を有
    する光増幅手段と、 この複数のスペクトル領域のそれぞれの波長で同時にモ
    ード同期発振の条件が満たされるように、波長によって
    異なる屈折率を与える波長分散手段とを備えたことを特
    徴とするモード同期レーザ装置。
  2. 【請求項2】 上記光増幅手段は直列に接続された互い
    に利得スペクトル領域の異なる複数の光増幅器を含む請
    求項1記載のモード同期レーザ装置。
  3. 【請求項3】 上記光増幅手段は複数種類の希土類元素
    が添加された光ファイバ増幅器を含む請求項1記載のモ
    ード同期レーザ装置。
  4. 【請求項4】 上記光増幅手段は、異なる波長の光を分
    離する波長分離手段と、分離された光をそれぞれ増幅す
    る複数の光増幅器と、増幅された複数の光を合波する波
    長合波手段とを含む請求項1記載のモード同期レーザ装
    置。
  5. 【請求項5】 レーザ共振器内の光を複数に分岐しそれ
    ぞれに異なる光路長を与える光路差付与手段を備えた請
    求項1記載のモード同期レーザ装置。
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