JP2772531B2 - 豚流行性肺炎マイコプラズマの表面抗原dna、表面抗原ポリペプチド、及びそれらを用いる診断法 - Google Patents

豚流行性肺炎マイコプラズマの表面抗原dna、表面抗原ポリペプチド、及びそれらを用いる診断法

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JP2772531B2 JP63322829A JP32282988A JP2772531B2 JP 2772531 B2 JP2772531 B2 JP 2772531B2 JP 63322829 A JP63322829 A JP 63322829A JP 32282988 A JP32282988 A JP 32282988A JP 2772531 B2 JP2772531 B2 JP 2772531B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、マイコプラズマ・ハイオニュウモニエ(以
下、M.hpと略す)による豚流行性肺炎の診断に好適な表
面抗原DNA、表面抗原ポリペプチド、及びそれらを用い
て豚流行性肺炎を診断する方法に関する。
〔従来の技術〕
豚マイコラズマ肺炎(Mycoplasmal pneumoniae of sw
ine:MPS)はMycoplasma hyopneumoniaeという微生物に
より惹起される。本病は、慢性経過を取るのが特徴で、
死亡率は低い。しかしながら、罹患率は極めて高く、飼
料効率の低下等、養豚産業に与えている経済的損失は莫
大なものとなっている。
農林水産省の調査によると、現在日本の屠場に出荷さ
れる豚の半数以上が本病による肺病変を有しており、ほ
ぼ全国的に蔓延していることが明らかにされている。
MPSの診断法に関しては、これまでに多くの血清学的
診断法が報告されているが、フィールドに広く応用され
るにはいたっていないのが現状である。これは従来の血
清学的方法では特異性に問題があるためである。すなわ
ち、豚からは本病の原因菌M.hp以外にも多くのマイコプ
ラズマが分離されており、これらの豚由来マイコプラズ
マ間には多くの共通抗原が存在し、血清学的診断の障害
になっている。
森らは、M.hpに対するモノクローナル抗体を利用し、
特異抗原を精製し、酵素免疫測定法(ELISA)により本
病を血清学的に診断する方法を開発している(森康行
ら、Isr.J.Med.Sci.23:657)。すなわち、M.hp細胞膜に
存在する多くの抗原成分中、分子量約76kdと46kdの膜蛋
白質が強い免疫原として作用し、感染豚は早くからこれ
らの抗原に対する抗体を産生すること、これらの抗原に
対する抗体は、感染後長期間にわたって産生され、これ
らの抗原は比較的特異性の高いM.hp抗原であることが明
らかとなり、MPS診断上の良い指標となり得ることが示
唆された。この方法は、ダブル・サンドイッチ法と呼ば
れる方法を応用したもので、M.hp培養菌体よりモノクロ
ーナル抗体を用いて特異抗原を精製し、これを用いて酵
素免疫測定法を行なうことを特徴としている。
特異抗原に対するモノクローナル抗体を利用した診断
法は現在のところ最も実用性の高い方法と思われるが、
次のように幾つかの問題点がある。
(a) 特異抗原は、M.hp培養菌体から抽出したものを
用いているが、マイコプラズマの培養は従来より非常に
困難で、その収量、生産性が低い。また、培養液として
血清等高価な試薬が必要であり、しかもマイコプラズマ
自体の安定性が低く、培養毎に抗原の力価、収量にかな
りのバラツキがでるおそれがある。
(b) モノクローナル抗体を用いたダブル・サンドイ
ッチ法はかなり複雑な系であるためフィールドで使用す
るキットとしては操作性、保存性等多くのファクターに
ついて検討する必要がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、M.hpDNAとのみ特異的にハイブリダ
イズし、豚流行性肺炎の診断に有用なDNA配列、M.hp感
染豚血清と特異的に抗原抗体反応する抗原ポリペプチ
ド、及びそれらを用いて豚流行性肺炎を診断する方法を
提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の目的は、以下の式(I)、(II)、(II
I)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)で示される
アミノ酸配列をコードするDNA、これらをその一部とし
て含む組換えDNA、あるいは式(I)〜(VII)で示され
るアミノ酸配列で表されるポリペプチド、これらをその
一部として含む組換えポリペプチドにより達成される。
上記式中、アミノ酸配列における略号はそれぞれ以下
のアミノ酸を示す。
A:Ala M:Met C:Cys N:Asn D:Asp P:Pro E:Glu Q:Gln F:Phe R:Arg G:Gly S:Ser H:His T:Thr I:Ile V:Val K:Lys W:Trp L:Leu Y:Tyr 本発明の表面抗原ポリペプチドは、本発明の式(I)
〜(VII)で表されるDNA、あるいはこれらを含むDNA配
列を発現ベクターに導入し、これにより適当な宿主を形
質転換し、この形質転換体により生産させることができ
る。こうして生産されたポリペプチドは、M.hpに無関係
のアミノ酸配列部分を含むこともあるが、これらのポリ
ペプチドも本発明の範囲に含まれる。
たとえば、本発明の組換ポリペプチドは、発現ベクタ
ーもしくはその他の源泉から誘発された蛋白部分と、M.
hpから誘導された蛋白部分とを含有する融合蛋白とする
こともできる。これら組織ポリペプチドおよびその融合
体に必要とされることは、最終ポリペプチドが上記のよ
うな天然のM.hp表面抗原の抗原性を有することである。
さらに本発明の表面抗原には、上記ポリペプチドのペ
プチド断片、合成体または組換体も含まれる。これらペ
プチドは、これら表面抗原を特性化する表現抗原部位の
1つもしくはそれ以上を特徴とする。
本発明の表面抗原は、さらに上記ペプチドもしくはポ
リペプチドの突然変異種をも包含する。DNAレベルまた
はアミノ酸レベルのいずれかにおけるこれら突然変異種
を使用して、抗原の収率、免疫性もしくは抗原性または
各種精製法との適合性、アジュバントおよび投与方式を
改善することもできる。
M.hp表面抗原をコードする上記DNA配列をクローン化
しかつ発現するに際し、広範な種類のベクターを使用す
ることができる。たとえば、これらは染色体、非染色体
および合成のDNA配列の断片よりなるベクター、たとえ
ば種々公知のSV40の誘導体、公知の細菌プラスミド、た
とえばColE1、pCR1、pBR322、pMB9およびその誘導体を
はじめとするE.coliからのプラスミド、より広い宿主範
囲のプラスミド、たとえばRP4、ファージDNA、たとえば
ファージλの多数の誘導体、たとえばNM989およびその
他のDNAファージ、たとえばM13および繊維状一本鎖DNA
ファージ、たとえば2μプラスミドもしくはその誘導体
のような酵母プラスミド、並びにプラスミドとファージ
DNAとの組合せから誘導されるベクター、たとえばファ
ージDNAもしくはその他の発現制御配列を使用するよう
改変したプラスミドなどが挙げられる。
それぞれ特異的なクローン化用または発現用ビークル
には、本発明のDNA配列を挿入するため種々の部位を選
択することができる。一般に、これらの部位は、これを
切断する制限エンドヌクレアーゼにより命名され、当業
者に周知である。またこれらの部位にDNA配列を挿入し
て組換DNA分子を生成させるための種々の方法も周知で
ある。これらの方法にはたとえばdG−dCもしくはdA−dT
末端処理、直接結合、合成リンカー、エンドヌクレアー
ゼおよびポリメラーゼ結合修復反応に続く結合、または
DNAポリメラーゼによるDNA鎖の延長および適当な一本鎖
DNAの作成に続く結合などが含まれる。勿論、本発明に
有用なクローン化もしくは発現ビークルは、選択DNA断
片を挿入するための制限エンドヌクレアーゼ部位を有す
る必要はない。
本発明のDNA配列を発現するため、これらのDNA配列を
発現ベクターにおける1個もしくはそれ以上の発現制御
配列に結合させる。選択DNA配列をクローン化ビークル
中に挿入する前または後に行いうるこの種の結合によ
り、これら発現制御配列は挿入されたDNA配列の発現を
制御しかつ促進することができる。
広範な種類の発現制御配列(DNA配列に結合された際
その発現を制御する配列)のいずれかをこれらベクター
中に使用して、本発明のDNA配列を発現させることがで
きる。この種の有用な発現制御配列としては、たとえば
SV40の早期および後期プロモータ、lac系、trp系、TAC
もしくはTRC系、ファージλの主オペレータおよびプロ
モータ領域、fdコート蛋白の制御領域、3−ホスフォグ
リセレートキナーゼもしくはその他の糖類分解酵素のプ
ロモータ、酸性ホスファターゼのプロモータ、たとえば
Pho5、酵母α−連携因子のプロモータ、並びに原核もし
くは真核細胞またはそのウイルスの遺伝子の発現を制御
することが知られているその他の配列、並びにこれらの
各種組合せなどが挙げられる。哺乳動物細胞において
は、さらにこの遺伝子をデヒドロホレートレダクターゼ
をコードしかつ支那ハムスター卵細胞宿主に対し選択性
を与える遺伝子に結合させることにより発現単位を増殖
させることもできる。
ベクターもしくは発現ビークル、特に本発明に使用す
る選択DNA断片および発現制御配列を挿入するようこれ
らに選択した部位は、各種の因子、たとえば特定の制限
酵素に感受性の部位の個数、発現すべき蛋白の寸法、た
とえばベクター配列に対する開始コマンドおよび停止コ
ドンの位置のような発現特性等によって決定される。
次いで、発現制御配列に結合された所望の遺伝子を含
む組換DNA分子を使用して、広範な種類の適当な宿主を
形質転換させ、この形質転換体に遺伝子またはその断片
を発現させると共に、ハイブリッドDNAがコードする本
発明の表面抗原ポリペプチドまたはその1部を産生させ
ることができる。
一般に、微生物の分離・同定は、その微生物が有する
特別な性質を利用して行なう。
マイコプラズマの場合、生育が遅く、集落(コロニ
ー)を肉眼で観察できない等多くの問題点があり、かな
りの技術的経験を要する。特にM.hpについては、増殖培
地が他のマイコプラズマと異なり組織培養液に類似した
特殊培地でなければ生育できないため、さらに困難であ
る。
遺伝子工学技術の発展に伴い任意のDNA断片を自由に
扱うことが可能となった。遺伝子工学の基本的技術の一
つとしてハイブリダイゼーションという手法がある。こ
れはあるDNA(またはRNA)断片が、無関係なDNA(RNA)
がたくさんあるDNAサンプルの中に含まれているか否か
を判定する方法である。この手法を病原菌(またはウイ
ルス)の検出に利用したものがDNAプローブ法である。
DNAは、通常相補するポリヌクレオチドの二本鎖とし
て存在するるが、これを加熱、アルカリ処理等で変性さ
せると解離し一本鎖となる。この反応は可逆的で、適当
な条件下におくと、水素結合により再結合し安定な二本
鎖複合体(ハイブリッド)を形成する。この再結合反応
は特異的で、二本のポリヌクレオチドが互いに相補的な
場合にのみ生じる。
この原理を利用し特定のDNA断片の有無を検出するこ
とができる。特定のDNA断片を変性させアイソトープ等
で標識してDNAプローブとする。
これをDNAサンプルと混合したのち再結合させると、D
NAサンプルが特定のDNA断片を有する場合、DNAプローブ
とハイブリッドを形成するので、それを含むDNAは標識
されることになる。この場合、もとのDNAサンプルが特
定のDNA断片と同じものを含んでいることがわかる。
本発明者がクローニングしたM.hp抗原遺伝子はM.hpの
みに存在する特異性の高い遺伝子である。したがって組
織から分離した微生物より抽出したDNA中に、この抗原
遺伝子が存在するかどうかを判定することにより、M.hp
の検出・同定ができる。
従来、前述のハイブリダイゼーション、DNAプローブ
法では特定のDNA断片(DNAプローブ)の標識にラジオア
イソトープ(32P,35S)を利用していた。
しかしながら、実際のフィールドでアイソトープを使
用することは、設備、安全性の面で問題が多い。そこ
で、本発明者は酵素免疫法を利用した標識を用いること
により、より実用的なシステムを開発した。
以下、本発明を詳細に説明する。
I.M.hp46kd抗原遺伝子のクローニング M.hp46kd抗原遺伝子のクローニングの方法の概略を以
下に示す。
(i)λgt11発現ライブラリーの作成 M.hpDNAを精製し、DNase Iで部分消化し、EcoRIリン
カーを介してλgt11β−ガラクトシダーゼ遺伝子中に挿
入し、λgt11発現ライブラリーを作成する。
(ii)1次スクリーニング λgt11発現ライブラリーを用いてIPTG(イソプロピル
チオガラクトシド)により融合蛋白質を誘導し、抗M.hp
豚高度免疫血清を用いたイムノスクリーニングを行う。
(iii)2次スクリーニング 1次スクリーニングで陽性のファージを用いてIPTGに
より融合蛋白質を誘導し、エピトープ・セレクション法
により、生産蛋白質の同定を行う。
以下、各項目について簡単に説明する。
(i)λgt11発現ライブラリーの作成 M.hp培養菌体をSDSで溶菌処理しDNAを抽出・精製す
る。このDNAをDNA分解酵素(DNase I)で軽く消化し、
ランダムに切断されたDNA断片を得る。次いで、末端を
ナタマメのヌクレアーゼ及びクレノウ酵素で平滑化した
後、EcoRIメチラーゼ処理を行う。これに、合成DNA Eco
RIリンカーを連結し、アガロース電気泳動法でサイズ分
画及び精製を行う。
得られたDNA断片をλgt11のEcoRI部位に挿入し、in v
itroパッケージングの後λgt11発現ライブラリーとす
る。
(ii)1次スクリーニング λgt11発現ライブラリーより、M.hp抗原−βガラクト
シダーゼ融合蛋白質を産生しているクローンをスクリー
ニングする方法として、抗M.hp豚高度免疫血清(高度免
血)を用いたスクリーニング法を使用することができ
る。
高度免血とは、この場合M.hp菌体をアジュバンドと共
に豚に接種して得た血清で、M.hp抗原に対する高濃度の
抗体を含んでいる。M.hp全菌体蛋白質に対するウェスタ
ンブロットの結果及び高度免血の代りに抗46kdモノクロ
ーナル抗体を用いた結果を第1図に示す。
このように、抗M.hp高度免血には充分量の46kd及び76
kd抗原に対する抗体が含まれていることがわかる。1次
スクリーニングでは、この高度免血に含まれる抗体と反
応するすべてのクローンが選び出される。
およそ2×107個のファージ・ライブラリーをスクリ
ーニングにかけると、500個ほどの高度免血に対する陽
性クローンを得ることができる。この陽性クローンを2
次スクリーニングに供する。
(iii)2次スクリーニング 2次スクリーニングはエピトープセレクション法と称
される方法により行うことができる。この方法により陽
性クローンが、数多く存在するM.hp抗原の中のどの抗原
の遺伝子を有しているかを知ることができる。
まず陽性クローンをプレート一面に生育させる(1ク
ローン/1プレート)。次にIPTG及び高温処理により融合
蛋白質を誘導する。この生産融合蛋白質をニトロセルロ
ースフィルターに吸着させる。これを抗M.hp高度免血と
反応させ、生産融合蛋白質に特異的な抗体だけを吸着さ
せる。吸着した抗体を酸性条件下で溶出する。M.hp全蛋
白質に対して溶出液を用いてウェスタン・ブロッティン
グを行なう。
このように手間がかかる方法ではあるが、従来陽性ク
ローンが生産する蛋白質を精製し、その抗体を調製しな
ければできなかった抗原の同定を2日間で行なうことが
できる。
500個の陽性クローンのうち約200クローンは76kd抗原
の遺伝子を有しているものと思われる。46kd抗原遺伝子
を有しているクローンは6−44、7−55と命名した2ク
ローンだけであった。その他主要なM.hp抗原遺伝子はす
べてこの500個の中にクローニングされている。
得られたクローンの一部の分析結果を、M.hp全蛋白に
対し高度免血を用いたウェスタンブロットと共に第1図
に示した。
(iv)得られたクローン6−44及び7−45の解析 46kd抗原遺伝子を含むと思われる6−44及び7−45に
ついて、1)溶原化菌を用いた融合蛋白質の確認と、
2)挿入されている遺伝子断片の大きさの確認を行っ
た。
1)溶原化菌を用いた融合蛋白質の確認 6−44及び7−45ファージ粒子をE.coliY1089に感染
させ温度感受性を指標に溶原化菌を分離した。得られた
溶原化菌を培養し、42℃、IPTGで融合蛋白質を誘導した
後、集菌した。菌体をSDS−サンプルバッファーで可溶
化しSDS−PAGEに供した。泳動後、CBB染色及び高度免
血、モノクローナル抗体を用いたウェスタンブロッティ
ングを行なった。CBB染色では、6−44、7−45共に約1
40kdの融合蛋白質を確認することができた。またこのバ
ンドは高度免血を用いたウェスタンブロッティングでも
強く反応した。しかしながらモノクローナル抗体とは反
応しなかった。6−44、7−45は共に完全長の46kd抗原
遺伝子を含んでいないことは明らかである。そのため、
融合蛋白質はモノクローナル抗体と反応しないものと思
われる。
2) 挿入されている遺伝子断片の大きさの確認 6−44及び7−45ファージを液体培養法で増殖させた
後、CsCl密度勾配超遠心分離により精製した。精製ファ
ージ粒子より、SDS−フェノール法でDNAを単離した。こ
のDNAを制限酵素EcoRIで切断し、0.8%アガロースゲル
電気泳動法及び4%ポリアクリルアミドゲル電気泳動法
で遺伝子断片の大きさを確認した。
その結果6−44は480bp、7−45は430bpの大きさのDN
Aが挿入されていた。
II.DNAプローブによるM.hpの簡易検出法 (i)M.hp特異抗原遺伝子 先に述べた46kd抗原遺伝子断片(6−44、480bp)を
用いて染色体ライブラリーより46kd抗原遺伝子の約80%
の部位を含むクローンpKUM3を得た。M.hp由来の部分の
長さは2250bpであった。
また76kd抗原遺伝子については2080bpの抗原遺伝子断
片を有したpNRK021を使用した。
M.hp46kd抗原、76kd抗原は共に本菌にのみ存在するこ
とから、pKUM3、pNRK021にクローニングされているDNA
断片はM.hpの検出に用いるDNAプローブとして適してい
る。
(ii)DNAプローブの標識 アイソトープを使用しないDNAプローブの標識法とし
ては、主に 1) 酵素免疫法 2) ビオチン−アビジン法 の二種類の方法が知られている。
本発明ではいずれの方法も使用し得るが、以下、酵素
免疫法を用いた場合について説明する。
酵素免疫法キットとしてベーリンガー社製“Non−rad
io−active DNA labeling and detection Kit"を用い
た。標識としてdigoxigenin(ステロイド系化合物)を
用い、これを抗digoxigenin抗体で検出する。
(iii)具体的な方法を以下に示す。
a)DNAプローブの作成 pKUM3 EcoRI断片またはpNRK021 EcoRI断片をアガロー
ス電気泳動法で精製し、100℃、10分急冷した後、ベー
リンガー社製キットを用いてdigoxigeninでDNAを標識す
る。
b)ハイブリダイゼーション 培養液をナイロンフィルター(アマシャム社Hybond−
NまたはNEN社Gene Screen Plus)でろ過し、フィルタ
ーを0.5N NaOH 1.5M NaCl溶液に浸す。さらにこのフィ
ルターを0.5M Tris−HCl−1.5M NaCl(pH7.5)に浸した
後、乾燥し、非特異的な再結合反応を抑えるためプレハ
イブリダイゼーション処理(65℃、1hr)を行い、a)
で作成したDNAプローブを加えハイブリダイゼーション
を65℃で一夜行う。以下ベーリンガー社キット記載の通
り標識の検出を行なう。
(iv)結 果 M.hp3日培養液を用いて試験を行なった。また、対照
としてM.hpに近縁M.hyorhinis及び大腸菌JM109株の培養
液を用いた。プローブとしてはpKUM3、pNRK021を混合し
て用いた。M.hp培養液を希釈し感度を調べたところ、50
0倍希釈液0.2H検出可能であった。菌数は、M.hpで菌数
測定できなかったため、同時に行なったM.hyorhinis
結果より推定したところ104〜105Cellsで検出可能と思
われる。(通常大腸菌の一夜培養液は109Cells/ml以上
である。) またM.hyorhinis及び大腸菌の培養液は希釈をしない
原液を用いてもまったくバックグラウンドはなかった。
さらに、3者を用いた混合培養系でもM.hpを検出する
ことができた。
これらの実験結果から、M.hp抗原遺伝子をDNAプロー
ブとして用いることにより組織サンプル中のM.hpを簡
便、迅速に検出することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
〔実施例〕
(1)M.hpの培養 M.hp ATCC 25934(J株)を動物用生物学的製剤協会
から入手した。
この微生物をBHL培地〔山本孝史(1982)Proc.7th In
t.Congr.Pig Vet.Soc Mexico,94〕中で増殖させた。
培地が橙黄色に変化(pH7.0)する対数増殖の中期に
てM.hpを集菌した。
この培養物を7,000rpmで4℃で20分間遠心分離し、0.
25M NaCl溶液で2回洗浄した。
この菌体を、後のDNAの分離等に利用した。
(2)抗血清の作成 M.hpに感染していない豚にフロインド完全アジュバン
ドに乳化させた1×108個のM.hpの菌体を筋肉内に注射
した。
その後3週間で血液を採取し、抗血清(高度免疫豚血
清)を得た。
これを後記の免疫的スクリーニングに使用した。
M.hpに近縁のM.hyorhinis(M.hr)、M.floculare(M.
f)に対する抗血清も同様に調製した。
(3)M.hp DNAの抽出 M.hp菌体(200ml×4より集菌したもの)を1.8mlの0.
2M Tris−HCl(pH9.0)−0.5M EDTAを懸濁し、0.2ml 10
% SDSを加えて45℃、20分保持し、等容のTEbuffer(10
mM Tris−HCl、1mM EDTA、pH8.0)飽和フェノールを加
えゆるやかに撹拌し(3000rpm、10分)室温で30分放置
後、上層に等容のクロロホルム:イソアミルアルコール
(24:1)を加えゆるやかに撹拌し(3000rpm、10分)、
室温で20分放置後、上層に3倍容の冷エタノール(−20
℃)を加えた。DNAをガラス棒にまきつけて回収した。
回収したDNAを70%EtOHで洗った後、風乾した。これを1
mlのTE bufferに溶解し、これに10μg/ml RNaseAを加え
て、37℃、1時間反応させ、フェノール抽出、及びクロ
ロホルム:イソアミルアルコール抽出後、エタノールを
加えて沈澱させ、これをエタノールで洗浄後、風乾し、
500μのTE bufferに溶解し、DNA標品とした。
(4)M.hp DNAライブラリーの作製 M.hp DNA15μgをEcoRI 20unitsで限定消化(37℃、3
0分)し、これを100mM Tris−HCl、pH8.0−10mM MnCl2
に溶解し、500ng/ml DNaseIを加え、経時的にサンプリ
ングしTE飽和フェノールで反応を停止させた。フェノー
ル抽出し、エタノール沈澱させたものを、ナタマメヌク
レアーゼ(mungbean nuclease)及びDNAポリメラーゼI
クレノウ断片で末端を平滑にした後、EcoRIメチラーゼ
を用いて内部のEcoRI切断部位をメチル化した。
DNAリガーゼを用い末端に下記の3種の合成EcoRIリン
カーの混合物(pGGAATTCC、pCCGAATTCGG、pCCGGAATTCCG
G)を連結した。
次いでEcoRIで完全に消化し、0.8%アガロースゲル電
気泳動により50bp〜2500bpのDNA断片を精製した。
ファージベクターλgt11をEcoRIで完全消化し、仔牛
小腸アルカリホスファターゼ(CIP)で末端のリン酸を
除いた(CIP不活化、フェノール抽出等)。
これに、先に得られた50bp〜2500bpのDNA断片を加えD
NAリガーゼで結合させた。
さらにin vitroパッケージング(STRATAGENE社、Giga
pack Gold等)の後、E.coliY1090に感染させ1次スクリ
ーニングに供した。
(5)1次スクリーニング (4)で得られたλgt11発現ライブラリーをLBアガー
(Tryptone1%、酵母エキス0.5%、NaCl0.5%、pH7.5)
に5000−10000p.f.u./プレートとなるように接種し、42
℃、3時間培養後、プレート上に10mM IPTGで飽和した
ニトロセルロースフィルターをのせた。37℃、3.5時間
保持後、PBS−0.1%Tween20でフィルターを20分洗浄し
た。さらにPBS−0.1%Tween20−1%スキムミルク溶液
中で一夜インキュベートした後、豚抗M.hp高度免疫血清
(1000倍希釈)(大腸菌菌体を加え処理したもの)を加
え1時間、室温で反応させた。PBS−0.1%Tween20−1
%スキムミルクで10分、3回洗浄後、抗豚IgG−西洋ワ
サビペルオキシダーゼ複合体(1000倍希釈)を加え1時
間、室温で反応させた。PBS−0.1%Tween20−1%スキ
ムミルクで10分、3回洗浄した。
これに下記基質反応液を加え発色させた。
基質反応液 1M酢酸ナトリウム、pH4.5 2ml 30%過酸化水素 17μ 20mg/mlアミノエチルカルバゾール・ ジメチルホルムアミド溶液 0.4ml 水で 20ml (6)エピトープセレクション法(2次スクリーニン
グ) (5)で得られた陽性クローンを10000p.f.u./プレー
トとなるようにLBアガーに接種し、42℃、3時間培養し
た。このプレート上に、IPTG飽和ニトロセルロースフィ
ルターをのせ、37℃、3時間保持後、フィルターをPBS
−0.5%スキムミルク中で室温、1時間インキュベート
した。
抗M.hp高度免疫血清(×500)を含むPBS−0.5%スキ
ムミルグ溶液中で室温、一夜インキュベートした。PBS
−0.1%Tween20で10分×3回洗浄し、溶出液(5mMグリ
シン−HCl、pH2.3、0.5M NaCl0.1mg/mlBSA)を2ml×2
回、1ml×1回の順に浸し、抗体を溶出した。溶出液に1
M Tris−HCl、pH7.5を少量加えpHを中性にもどした。
25mg/5mlスキムミルクを加え抗体溶液とし、M.hp Twe
en20抽出物に対するウェスタンブロッティングを行ない
抗原を同定した。
(7)サブクローニング 2次スクリーニングまで行った結果、46kd抗原遺伝子
の一部をもつファージクローンとして6−44、7−45の
2種類、53または76kd抗原遺伝子の一部をもつファージ
クローンとして1−2、1−5、5−20の3種類が、そ
れぞれ得られた。
このようにして得られたクローンはファージベクター
中に抗原遺伝子が入ったものであり、実験を行なう際に
扱いにくい。そこでこれらのクローンの抗原遺伝子部分
をpUC118(プラスミド・ベクター)のEcoRI切断部位に
サブクローニングした。
抗原遺伝子、その一部をもつファージクローン、これ
らのクローンの抗原遺伝子部分をpUC118に導入して得ら
れたプラスミド(サブクローン)を以下にまとめて示
す。
このようにして得たサブクローンの塩基配列を分析し
たところ、いずれも、各抗原遺伝子のわずかな一部分し
か有していなかった。
(8)コロニーハイブリダイゼーション そこで、より完全に近い長さの抗原遺伝子を取得する
ために新しくDNAプラスミドライブラリーを作成し、前
述のpKUM2(46kd抗原遺伝子の一部)、pNPK021(53また
は76kd抗原遺伝子の一部)をプローブとして、コロニー
ハイブリダイゼーション法によりスクリーニングした。
まず、M.hp DNAをEcoRI又はHind IIIで消化し、pUC11
8のEcoRI切断部位に挿入した後、E.coli JM109に導入し
て形質転換し、コロニー/プラークスクリーン(NEN
社)上に播いた。
0.5M NaOH−1.5M NaClで3分×2回処理し、次いで1M
Tris−Hcl(pH7.0)−1.5M NaClで3分×2回、5×SS
Cで3分×2回処理後、これを乾燥させた。
pKUM2、pNRK021の抗原遺伝子部分を精製し、このDNA
をランダムプライムラベリングキット(ベーリンガー
社)を用いて〔α−32P〕dCTPでラベルし、これをプロ
ーブとしてコロニーナイブリダイゼーション法でスクリ
ーニングした。
pKUM2抗原遺伝子をプローブした時に得られたクロー
ンをpKUM3と命名した。
pNRK021抗原遺伝子をプローブとした時に得られたク
ローンpNRK141は約6.5kbで大きすぎるため、これをエキ
ソヌクレアーゼIIIで処理して短かくし、pNRK151を得
た。
(9)塩基配列分析 キロシークエンス法(Henikoff,S.(1984)Gene,28、
351−359、Yanisch−Perron,C.,Vieira,J.and Messing,
J.(1985)Gene,28、103−119)及びサンガー法(Sange
r,F.(1981)Science,214、1205−1210)により、上記
各プラスミドに挿入された抗原遺伝子DNAの塩基配列分
析を行った。
抗原遺伝子、その一部をpUC118に導入して得られたプ
ラスミド、その塩基配列、及びそのプラスミドを含有す
る微生物(E.coli JM 109)の微工研寄託番号を次表に
まとめて示す。
46kd抗原由来遺伝子のうち、pKUM1とpKUM2がオリジナ
ルクローンであり、pKUM3は染色体ライブラリーよりコ
ロニーハイブリダイゼーションにより得られたものであ
る。
これらの配列の相互の関係を第2図に示す。
53kdまたは76kd抗原由来遺伝子のうち、pNRK021、pNR
K051及びpMT520がオリジナルクローンであり、pNRK141
は染色体ライブラリーより、pNRK151はpNRK141の欠失プ
ラスミドより得られたものである。
これらの配列の相互の関係を第3図に示す。
(10)組換えによる抗原蛋白生産 β−ガラクトシダーゼ−M.hp抗原融合蛋白質の発現及
び精製 (i)46kd抗原蛋白質(ファージを用いて大腸菌β−ガ
ラクトシダーゼの融合蛋白質として生産) λファージクローン6−44または7−45をE.coliY108
9株に溶原化し、32℃、2時間次いで1mM IPTG(イソプ
ロピルチオガラクシド)を添加し、LB培地で培養し、44
℃で15分、37℃3時間培養し、集菌し、リゾチーム処
理、超音波破砕を行って不溶性顆粒を精製した。これを
8M尿素で可溶化し、50mM Tris−HCl pH7.9、0.5M NaC
l、10%グリセロールで透析し、大腸菌抗原蛋白を含ま
ない部分精製標品を得た。
(ii)53kdまたは76kd抗原蛋白質(プラスミドを用いて
生産) pNRK051をEcoRIで消化し、次いでナタマメヌクレアー
ゼ(Mung bean Nuclease)消化し、E.coliDNAリガーゼ
を用いて合成リンカー(pGGAATTCC、pCCGGAATTCCGG)を
連結し、さらにEcoRI消化した後、アガロースゲル電気
泳動法で精製し、これを、E.coliDNAリガーゼを用いて
ベクタープラスミドpUC118のEcoRI部位に挿入して、プ
ラスミドpNRK051Eを得た。これをE.coliJM109に導入し
て形質転換し、LB培地(50μg/mlアンピシリンを含む)
で、37℃、4時間培養し、1mM IPTGを加えて37℃、4時
間培養後、集菌した。
これを超音波破砕し、硫安分画、Q−セファロース・
ファーストフロー(ファルマシア社)、SDS電気泳動を
行い、ゲルより切り出し抽出して、精製標品を得た。
(11)上記抗原蛋白を用いた豚血清のELISA法による判
定 (10)で生産した抗原蛋白質を0.05M炭酸塩緩衝液pH
9.6で適当に希釈し96穴のELISA用マクロタイタートレイ
に100μずつ分注し、40℃1晩放置した。
次に種々の豚血清(無感染豚血清、M.hp感染豚血清、
M.hr感染豚血清、M.f感染豚血清)を適当に希釈し、ト
レイに分注し、27℃2時間、放置した後、0.1%Tween20
の入ったPBSで洗浄した。
次にパーオキシダーゼ標識抗豚IgGヤギ血清を10% F
CS(牛胎児血清)入りPBSで500倍に希釈しトレイに入
れ、0.1%Tween20入りPBSで洗浄した。
クエン酸−リン酸緩衝液(pH5.0)に0.4mg/mlになる
ように、O−フェニレンジアミンを溶かし反応直前に30
%H2O2を全体積の54分の1加えた。
同反応液を100μずつトレイに入れ、反応後2M H2SO
4を100μ加え反応を停止後96穴マイクロタイタートレ
イ用吸光光度計で490nmで比色定量した。
結果を以下に示す。
46kd抗原融合蛋白、53または76kd抗原融合蛋白はいず
れも抗M.hp抗体に対する特異性が、M.hp抽出物と比較し
て顕著に優れており、本発明の抗原ポリペプチドが、豚
流行性肺炎の診断に有効に利用できることを示してい
る。
(12)DNAプローブの調製 pNRK021(76kd抗原遺伝子断片を含む)及びpKUM3(46
kd抗原遺伝子断片を含む)をEcoRI消化し、アガロース
ゲル電気泳動により2.1kb m.hp DNA断片部分を精製し、
ベーリンガー社のDNAラベリング・検出キット(DNA lab
eling and Detection Kit,non−radioactive)でジゴキ
シゲニン(Digoxigenin)標識した。
(13)DNAプローブによる検出 (i)M.hp培養液200μ(またはE.coli,M.hyorhini
s)をドットプレート(アドバンテック・トーヨー社DP
−48等)で濾過し、ナイロン・フィルター(アマシャム
社製Hybond N.NEN社製Gene Screen plus等)に菌体を吸
着させた。
0.5N NaOH−1.5M NaCl、3分×2回1M Tris−HCl、pH
7.0−1.5M NaCl、3分×2回及び5×SSC、3分×2回
浸したのち、乾燥し、前述のとおり、ベーリンガー社キ
ットを用いてプレハイブリダイゼーション、ハイブリダ
イゼーション及び発色による検出を行った。
検出は、島津クロマトスキャナCS−910を用い、600nm
(反射法)で行った。
(ii)下記のサンプルを使用し、(13)で作製したpKUM
3プローブにより検出を行った。結果を第4図に示す。
本発明のDNAプローブは、M.hpの染色体DNAと特異的に
反応することから、豚流行性肺炎の診断に有効に利用で
きることがわかる。
(iii)pKUMS3プローブの代りに、pNRK021プローブを用
いたほかは、(ii)と同様の操作を繰り返した。結果を
第5図に示す。
(iv)下記のサンプルについて、pKUM3プローブとpNRK0
21プローブの混合物(1:1)により(ii)と同様に検出
を行った。結果を第6図に示す。
本発明のDNAプローブは混合して用いても、M.hpを特
異的に検出できることがわかる。
(v)下記のサンプルについて、pKUM3プローブとpNRK0
51プローブの混合物(1:1)により、(ii)と同様に検
出を行った。結果を第7図に示す。
本発明のDNAプローブは、異種菌中のM.hpを特異的に
検出できることがわかる。
〔発明の効果〕
本発明のポリペプチドは、これを抗原として用いるこ
とにより、豚血清中の抗M.hp抗体を特異的に検出するこ
とができるので、これにより豚流行性肺炎の診断を従来
法と比較して、一層簡単かつ確実に行うことができる。
本発明のDNAは、これをプローブとして用いることに
より、M.hpに固有の染色体DNAを検出することができる
ので、M.hpの検出ならびにM.hp感染豚の検出を、容易か
つ確実に行うことができる。
本発明方法によれば、早期にM.hp感染を発見し、集中
治療を行うことにより豚流行性肺炎の発病を防ぎ、養豚
産業の経済的損失を極めて少なくすることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はM.hp菌体全蛋白質に対するウェスタンブロット
を示す。 第2図はM.hpの46kd抗原遺伝子断片のDNA配列の相互の
関係を示す図面である。 第3図はM.hp53または76kd抗原遺伝子断片のDNA配列の
相互の関係を示す図面である。 第4図〜第7図は本発明のDNAプローブを用いてM.hpを
検出した結果を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 瀬戸 泰裕 神奈川県相模原市松ケ枝町5―16 (相 模原独身寮) (72)発明者 神田 久美子 神奈川県川崎市麻生区上麻生1179 美山 台ハイツ1035 (72)発明者 関口 哲 東京都町田市本町田3549―10 藤の台団 地2―20―104 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/11 C12Q 1/68 C12P 21/02 C07K 14/30 BIOSIS

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の式(I)、(II)、(III)、(V
    I)及び(VII)からなる群から選ばれる1つの式で表さ
    れるアミノ酸配列をコードするDNA。
  2. 【請求項2】下記の式(I)、(II)、(III)、(V
    I)及び(VII)からなる群から選ばれる1つの式で表さ
    れるDNA配列を有する請求項(1)記載のDNA。
  3. 【請求項3】請求項(2)記載のDNA配列をその一部と
    して含む組換えDNA。
  4. 【請求項4】式(III)、(VI)及び(VII)からなる群
    から選ばれる1つの式で表されるDNA配列を有する請求
    項(2)又は(3)記載のDNA。
  5. 【請求項5】請求項(1)記載のの式(I)、(II)、
    (III)、(VI)及び(VII)からなる群から選ばれる1
    つの式で示されるアミノ酸配列で表されるポリペプチ
    ド。
  6. 【請求項6】請求項(5)記載のアミノ酸配列をその一
    部として含む組換えポリペプチド。
  7. 【請求項7】式(I)、(II)及び(VI)からなる群か
    ら選ばれる1つの式で示されるアミノ酸配列を有する請
    求項(5)又は(6)記載のポリペプチド。
  8. 【請求項8】請求項(1)、(2)、(3)及び(4)
    のいずれか1項記載のDNA配列を含むDNAプローブを用い
    て、DNAハイブリダイゼーション法によりマイコプラズ
    マ・ハイオニュウモニエを検出することを特徴とする豚
    流行性肺炎の診断法。
  9. 【請求項9】請求項(5)、(6)及び(7)のいずれ
    か1項記載のポリペプチドを抗原として用い、豚血清試
    料との抗原抗体反応により、マイコプラズマ・ハイオニ
    ュウモニエ感染豚を検出することを特徴とする豚流行性
    肺炎の診断法。
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