JP2769327B2 - 直流アーク炉の電極昇降制御方法 - Google Patents
直流アーク炉の電極昇降制御方法Info
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- JP2769327B2 JP2769327B2 JP63205808A JP20580888A JP2769327B2 JP 2769327 B2 JP2769327 B2 JP 2769327B2 JP 63205808 A JP63205808 A JP 63205808A JP 20580888 A JP20580888 A JP 20580888A JP 2769327 B2 JP2769327 B2 JP 2769327B2
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- electrode
- arc
- movable electrode
- arc furnace
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P10/25—Process efficiency
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- Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)
- Furnace Details (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は直流アーク炉の可動電極(アーク電極とも言
う)の位置を制御する直流アーク炉の電極昇降制御方法
に係り、特に被溶解物の溶解速度を考慮してボーリング
期でもアーク切れがない電極位置制御を行ない得るよう
にした直流アーク炉の電極昇降制御方法に関するもので
ある。
う)の位置を制御する直流アーク炉の電極昇降制御方法
に係り、特に被溶解物の溶解速度を考慮してボーリング
期でもアーク切れがない電極位置制御を行ない得るよう
にした直流アーク炉の電極昇降制御方法に関するもので
ある。
(従来の技術) 一般に、例えば製鉄用の直流アーク炉においては、可
動電極からアークを発生させながら、溶解原料であるス
クラップ等の被溶解物(以下、スクラップと指称する)
を溶解して炉底に溶鋼を得るものであるが、そのスクラ
ップの溶解時にスクラップの形状が時々刻々と変化し、
それに伴ってアーク電圧が変化することから、所望のア
ーク電圧を確実に得る,すなわちアークを確実に接続さ
せるには、可動電極を繁雑に昇降制御する必要がある。
動電極からアークを発生させながら、溶解原料であるス
クラップ等の被溶解物(以下、スクラップと指称する)
を溶解して炉底に溶鋼を得るものであるが、そのスクラ
ップの溶解時にスクラップの形状が時々刻々と変化し、
それに伴ってアーク電圧が変化することから、所望のア
ーク電圧を確実に得る,すなわちアークを確実に接続さ
せるには、可動電極を繁雑に昇降制御する必要がある。
このため、従来では第2図に示すように、直流アーク
炉1の内部にスクラップ2を充填して炉上部に炉蓋3を
閉止した後、その炉蓋3上部からカーボン電極等の可動
電極4を挿入し、炉用変圧器5,サイリスタ変圧器6,平滑
リアクトル7を介して、可動電極4と炉底電極8との間
に、常に所望とするアーク電流を流し、所定の電圧がア
ークに印加されるように可動電極4を位置制御しなが
ら、可動電極4の先端からアークを発生させてスクラッ
プ2を順次溶解している。(このように、可動電極4を
降下させながらスクラップ2を溶解して孔を作っていく
操業段階をボーリング期と呼んでいる。)すなわち、こ
のアーク発生時に、可動電極4と炉底電極8との間の電
圧Vrを電圧検出器10で検出し、この検出電圧Vrと電圧設
定器11で予め定められた設定電圧Vdとの電圧偏差が零と
なるように調節部12で比例積分演算を行ない、これによ
って得られた操作出力(制御信号)を電極昇降用電動機
13に与える。そして、この電極昇降用電動機13は操作出
力に基づいて正転または逆転し、それに伴ってウインチ
14が一端を固定端とするワイヤ15の他端を巻取りまたは
巻戻すことにより、このワイヤ15を介してマスト16を昇
降制御する。この時、マスト16上部に水平に固定された
ホルダアーム17が一緒に昇降することにより、このホル
ダアーム17を介して可動電極4が昇降され、可動電極4
と炉底電極8との間に所定の電圧が印加されて、可動電
極4の先端から所望のアークが発生する。
炉1の内部にスクラップ2を充填して炉上部に炉蓋3を
閉止した後、その炉蓋3上部からカーボン電極等の可動
電極4を挿入し、炉用変圧器5,サイリスタ変圧器6,平滑
リアクトル7を介して、可動電極4と炉底電極8との間
に、常に所望とするアーク電流を流し、所定の電圧がア
ークに印加されるように可動電極4を位置制御しなが
ら、可動電極4の先端からアークを発生させてスクラッ
プ2を順次溶解している。(このように、可動電極4を
降下させながらスクラップ2を溶解して孔を作っていく
操業段階をボーリング期と呼んでいる。)すなわち、こ
のアーク発生時に、可動電極4と炉底電極8との間の電
圧Vrを電圧検出器10で検出し、この検出電圧Vrと電圧設
定器11で予め定められた設定電圧Vdとの電圧偏差が零と
なるように調節部12で比例積分演算を行ない、これによ
って得られた操作出力(制御信号)を電極昇降用電動機
13に与える。そして、この電極昇降用電動機13は操作出
力に基づいて正転または逆転し、それに伴ってウインチ
14が一端を固定端とするワイヤ15の他端を巻取りまたは
巻戻すことにより、このワイヤ15を介してマスト16を昇
降制御する。この時、マスト16上部に水平に固定された
ホルダアーム17が一緒に昇降することにより、このホル
ダアーム17を介して可動電極4が昇降され、可動電極4
と炉底電極8との間に所定の電圧が印加されて、可動電
極4の先端から所望のアークが発生する。
従って、この種の電極昇降制御方法は、設定電圧が検
出電圧よりも小(Vd−Vr<0)なる関係にある時は可動
電極4を下降させ、設定電圧が検出電圧よりも大(Vd−
Vr>0)なる関係にある時は可動電極4を上昇させるよ
うに制御を行っている。なお、アーク電流の制御におい
ては、サイリスタ変換器6の直流出力側または炉底電極
8の出力側よりアーク電流を検出し、この検出電流Irと
設定電流Idとの電流偏差が零となるように自動電流調整
器でゲート制御角αを求め、このゲート制御角αに応じ
てサイリスタ変換器6のゲートを制御するようにしてい
る。
出電圧よりも小(Vd−Vr<0)なる関係にある時は可動
電極4を下降させ、設定電圧が検出電圧よりも大(Vd−
Vr>0)なる関係にある時は可動電極4を上昇させるよ
うに制御を行っている。なお、アーク電流の制御におい
ては、サイリスタ変換器6の直流出力側または炉底電極
8の出力側よりアーク電流を検出し、この検出電流Irと
設定電流Idとの電流偏差が零となるように自動電流調整
器でゲート制御角αを求め、このゲート制御角αに応じ
てサイリスタ変換器6のゲートを制御するようにしてい
る。
(発明が解決しようとする課題) ところで、上述したような電極昇降制御方法では、基
本的には可動電極4と炉底電極8との間の電圧、すなわ
ちアーク電圧とアーク長が比例することから、アーク電
圧と電極位置も比例関係にあるものとし、可動電極4を
昇降制御することによってアーク電圧の制御を行ってい
る。すなわち、可動電極を上昇させるとアーク電圧も比
例して上昇し、逆に可動電極を下降させるとアーク電圧
は比例して低下するものとして、可動電極4の昇降制御
を行なっている。しかしながら、特にボーリング期にお
いては、アーク電圧と可動電極の昇降位置は必ずしも比
例関係にはないため、良好な制御を行なうことができ
ず、アーク切れが発生してしまうという問題がある。す
なわちこれは、ボーリング期には可動電極の対極である
スクラップの位置が、それ自身が溶解することにより変
化していくことに起因するものである。従って、可動電
極位置のみではアーク長を正確に把握することができな
いことから、アーク電圧と可動電極位置との関係を良好
に把握して制御を行なうことが必要となる。
本的には可動電極4と炉底電極8との間の電圧、すなわ
ちアーク電圧とアーク長が比例することから、アーク電
圧と電極位置も比例関係にあるものとし、可動電極4を
昇降制御することによってアーク電圧の制御を行ってい
る。すなわち、可動電極を上昇させるとアーク電圧も比
例して上昇し、逆に可動電極を下降させるとアーク電圧
は比例して低下するものとして、可動電極4の昇降制御
を行なっている。しかしながら、特にボーリング期にお
いては、アーク電圧と可動電極の昇降位置は必ずしも比
例関係にはないため、良好な制御を行なうことができ
ず、アーク切れが発生してしまうという問題がある。す
なわちこれは、ボーリング期には可動電極の対極である
スクラップの位置が、それ自身が溶解することにより変
化していくことに起因するものである。従って、可動電
極位置のみではアーク長を正確に把握することができな
いことから、アーク電圧と可動電極位置との関係を良好
に把握して制御を行なうことが必要となる。
本発明は上記のような問題を解決するために成された
もので、その目的は被溶解物の溶解速度を考慮すること
により、ボーリング期においてもアーク切れが発生する
ことがなく極めて良好な制御を行なうことが可能な直流
アーク炉の電極昇降制御方法を提供することを目的とす
る。
もので、その目的は被溶解物の溶解速度を考慮すること
により、ボーリング期においてもアーク切れが発生する
ことがなく極めて良好な制御を行なうことが可能な直流
アーク炉の電極昇降制御方法を提供することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段および作用) 上記の目的を達成するために本発明では、直流アーク
炉内の被溶解物を溶解する可動電極に印加される電圧を
検出し、この検出電圧と予め定められた設定電圧との電
圧偏差に応じて,可動電極の移動速度および昇降制御を
行なう直流アーク炉の電極昇降制御方法において、直流
アーク炉の操業パターンの一つであるボーリング期に、
可動電極の移動速度の指令値に対して,被溶解物の溶解
速度を補正量として加えるようにすることにより、可動
電極の昇降速度の制御に被溶解物の溶解速度を加味し
て、ボーリング期においてもアーク切れが発生しないよ
うにして、良好な電極昇降制御を行なうことが可能とな
る。
炉内の被溶解物を溶解する可動電極に印加される電圧を
検出し、この検出電圧と予め定められた設定電圧との電
圧偏差に応じて,可動電極の移動速度および昇降制御を
行なう直流アーク炉の電極昇降制御方法において、直流
アーク炉の操業パターンの一つであるボーリング期に、
可動電極の移動速度の指令値に対して,被溶解物の溶解
速度を補正量として加えるようにすることにより、可動
電極の昇降速度の制御に被溶解物の溶解速度を加味し
て、ボーリング期においてもアーク切れが発生しないよ
うにして、良好な電極昇降制御を行なうことが可能とな
る。
(実施例) 以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明
する。
する。
第1図は、本発明の方法を適用した直流アーク炉の電
極昇降制御システムの全体構成例を示す図であり、第2
図と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、
ここでは異なる部分についてのみ述べる。
極昇降制御システムの全体構成例を示す図であり、第2
図と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、
ここでは異なる部分についてのみ述べる。
本システムは第1図に示すように、電圧検出器10と、
電圧設定器11と、減算器18と、速度設定制御器19と、上
昇/下降切換回路20と、スクラップ溶解速度設定器21
と、スイッチ22と、加算器23と、速度検出器24と、速度
制御器25とから構成している。
電圧設定器11と、減算器18と、速度設定制御器19と、上
昇/下降切換回路20と、スクラップ溶解速度設定器21
と、スイッチ22と、加算器23と、速度検出器24と、速度
制御器25とから構成している。
ここで、電圧検出器10は可動電極4と炉底電極8との
間の電圧Vrを検出するものであり、電圧設定器11は予め
設定電圧Vdを設定するものである。また、減算器18は電
圧検出器10で検出された電圧Vrと,電圧設定器11で設定
された設定電圧Vdとの電圧偏差(Vd−Vr)を算出するの
もである。さらに、速度設定制御器19は減算器18からの
電圧偏差を入力とし、当該電圧偏差が零となるように比
例積分演算を行なって速度設定値(絶対値)を出力する
ものである。
間の電圧Vrを検出するものであり、電圧設定器11は予め
設定電圧Vdを設定するものである。また、減算器18は電
圧検出器10で検出された電圧Vrと,電圧設定器11で設定
された設定電圧Vdとの電圧偏差(Vd−Vr)を算出するの
もである。さらに、速度設定制御器19は減算器18からの
電圧偏差を入力とし、当該電圧偏差が零となるように比
例積分演算を行なって速度設定値(絶対値)を出力する
ものである。
一方、上昇/下降切換回路20は減算器18からの電圧偏
差,および速度設定制御器19からの速度設定値を入力と
し、当該電圧偏差の正負の極性に応じて速度設定値に正
または負の極性を付加して上昇または下降方向の移動速
度指令値として出力するものである。すなわち、電圧偏
差が正の時には上昇方向の移動速度指令値(+U0)を、
また電圧偏差が負の時には下降方向の移動速度指令値
(−U0)を出力するものである。また、スクラップ溶解
速度設定器21は、スクラップ溶解速度設定値Usを出力す
るものである。さらに、スイッチ22は直流アーク炉1が
ボーリング期においてのみ、操業員により手動にて閉操
作されるものである。さらにまた、減算器23は上昇/下
降切換回路20からの上昇または下降方向の移動速度指令
値(+U0)または(−U0)と、その補正量であるスクラ
ップ溶解速度設定器21からのスクラップ溶解速度設定値
Usとを減算して出力するものである。一方、速度検出器
24は電極昇降用電動機13の回転速度、すなわち可動電極
4の昇降速度を検出するものである。また、速度制御器
25は減算器23からの補正された移動速度指令値、および
速度検出器24からの検出速度を入力とし、両者の偏差が
零をなるように比例積分演算を行なって操作出力(制御
信号)を電極昇降用電動機13に与えるものである。
差,および速度設定制御器19からの速度設定値を入力と
し、当該電圧偏差の正負の極性に応じて速度設定値に正
または負の極性を付加して上昇または下降方向の移動速
度指令値として出力するものである。すなわち、電圧偏
差が正の時には上昇方向の移動速度指令値(+U0)を、
また電圧偏差が負の時には下降方向の移動速度指令値
(−U0)を出力するものである。また、スクラップ溶解
速度設定器21は、スクラップ溶解速度設定値Usを出力す
るものである。さらに、スイッチ22は直流アーク炉1が
ボーリング期においてのみ、操業員により手動にて閉操
作されるものである。さらにまた、減算器23は上昇/下
降切換回路20からの上昇または下降方向の移動速度指令
値(+U0)または(−U0)と、その補正量であるスクラ
ップ溶解速度設定器21からのスクラップ溶解速度設定値
Usとを減算して出力するものである。一方、速度検出器
24は電極昇降用電動機13の回転速度、すなわち可動電極
4の昇降速度を検出するものである。また、速度制御器
25は減算器23からの補正された移動速度指令値、および
速度検出器24からの検出速度を入力とし、両者の偏差が
零をなるように比例積分演算を行なって操作出力(制御
信号)を電極昇降用電動機13に与えるものである。
次に、本実施例における直流アーク炉の電極昇降制御
方法について説明する。
方法について説明する。
いま、サイリスタ変換器6を点孤することによって、
直流アーク炉1の可動電極4と炉底電極8との間に直流
電圧が印加され、可動電極4とスクラップ2を接触着火
し、可動電極4の先端からアークが発生して直流アーク
炉1の操業が開始され、最初の段階であるボーリング期
に移行する。そしてこの時点で、操業員は手動にてスイ
ッチ22を閉じる。
直流アーク炉1の可動電極4と炉底電極8との間に直流
電圧が印加され、可動電極4とスクラップ2を接触着火
し、可動電極4の先端からアークが発生して直流アーク
炉1の操業が開始され、最初の段階であるボーリング期
に移行する。そしてこの時点で、操業員は手動にてスイ
ッチ22を閉じる。
一方、可動電極4と炉底電極8との間の電圧Vrが電圧
検出器10で検出され、この検出電圧Vrは減算器18で設定
電圧Vdとの電圧偏差(Vd−Vr)が求められる。次に、速
度設定制御器19ではこの電圧偏差が零となるように比例
積分演算が行なわれ、速度設定値が上昇/下降切換回路
20およびスクラップ溶解速度設定器21に対してそれぞれ
出力される。そして、上昇/下降切換回路20では減算器
18からの電圧偏差の正負の極性に応じて、上昇または下
降方向の移動速度指令値が得られる。すなわち、電圧偏
差が正の時には上昇方向の移動速度指令値(+U0)が、
また電圧偏差が負の時には下降方向の移動速度指令値
(−U0)が得られ、これが減算器23に対して出力され
る。また、スクラップ溶解速度設定器21からはスクラッ
プ溶解速度設定値Usが出力され、これがスイッチ22を通
して減算器23に出力される。そして、減算器23では上昇
/下降切換回路20からの移動速度指令値(+U0)または
(−U0)に、スクラップ溶解速度設定器21からのスクラ
ップ溶解速度設定値Usがその補正量として減算される。
すなわち、上昇方向の時にはU0−Usなる補正された移動
速度指令値が、また下降方向の時には−(U0+Us)なる
補正された移動速度指令値が得られる。さらに、速度制
御器25では減算器23からの移動速度指令値と,速度検出
器24からの検出速度との偏差が求められ、この偏差が零
となるように比例積分演算を行なって操作出力(制御信
号)が電極昇降用電動機13に対して与えられる。そし
て、この速度制御器25からの移動速度指令値に応じて、
電極昇降用電動機13が指令速度で正転または逆転するこ
とにより、可動電極4が上昇制御または下降制御される
ことになる。なお、ボーリング期以後の段階(安定期)
に移行した時には、その時点でスイッチ22を開放するこ
とにより、可動電極4と炉底電極8間の電圧Vrと設定電
圧Vdとの電圧偏差に基づく、通常の電極昇降制御が行わ
れることになる。
検出器10で検出され、この検出電圧Vrは減算器18で設定
電圧Vdとの電圧偏差(Vd−Vr)が求められる。次に、速
度設定制御器19ではこの電圧偏差が零となるように比例
積分演算が行なわれ、速度設定値が上昇/下降切換回路
20およびスクラップ溶解速度設定器21に対してそれぞれ
出力される。そして、上昇/下降切換回路20では減算器
18からの電圧偏差の正負の極性に応じて、上昇または下
降方向の移動速度指令値が得られる。すなわち、電圧偏
差が正の時には上昇方向の移動速度指令値(+U0)が、
また電圧偏差が負の時には下降方向の移動速度指令値
(−U0)が得られ、これが減算器23に対して出力され
る。また、スクラップ溶解速度設定器21からはスクラッ
プ溶解速度設定値Usが出力され、これがスイッチ22を通
して減算器23に出力される。そして、減算器23では上昇
/下降切換回路20からの移動速度指令値(+U0)または
(−U0)に、スクラップ溶解速度設定器21からのスクラ
ップ溶解速度設定値Usがその補正量として減算される。
すなわち、上昇方向の時にはU0−Usなる補正された移動
速度指令値が、また下降方向の時には−(U0+Us)なる
補正された移動速度指令値が得られる。さらに、速度制
御器25では減算器23からの移動速度指令値と,速度検出
器24からの検出速度との偏差が求められ、この偏差が零
となるように比例積分演算を行なって操作出力(制御信
号)が電極昇降用電動機13に対して与えられる。そし
て、この速度制御器25からの移動速度指令値に応じて、
電極昇降用電動機13が指令速度で正転または逆転するこ
とにより、可動電極4が上昇制御または下降制御される
ことになる。なお、ボーリング期以後の段階(安定期)
に移行した時には、その時点でスイッチ22を開放するこ
とにより、可動電極4と炉底電極8間の電圧Vrと設定電
圧Vdとの電圧偏差に基づく、通常の電極昇降制御が行わ
れることになる。
上述したように本実施例では、直流アーク炉1内のス
クラップ2を溶解する可動電極4に印加される電圧Vrを
電圧検出器10で検出し、この検出電圧Vrと電圧設定器11
で設定された設定電圧Vdとの電圧偏差に応じて、可動電
極4の移動速度および昇降制御を行なうに際して、直流
アーク炉1の操業パターンの一つであるボーリング期
に、可動電極4の移動速度の指令値に対して,スクラッ
プ2の溶解速度を補正量として加えるようにしたもので
ある。
クラップ2を溶解する可動電極4に印加される電圧Vrを
電圧検出器10で検出し、この検出電圧Vrと電圧設定器11
で設定された設定電圧Vdとの電圧偏差に応じて、可動電
極4の移動速度および昇降制御を行なうに際して、直流
アーク炉1の操業パターンの一つであるボーリング期
に、可動電極4の移動速度の指令値に対して,スクラッ
プ2の溶解速度を補正量として加えるようにしたもので
ある。
従って、直流アーク炉1のボーリング期には、スクラ
ップ2の溶解速度を加味してアーク電圧Vrと可動電極4
の位置との関係を良好に把握して制御を行なうことがで
きることにより、ボーリング期においても投入電力が安
定してアーク切れが発生することがなく、極めて良好な
制御を行なうことが可能となる。
ップ2の溶解速度を加味してアーク電圧Vrと可動電極4
の位置との関係を良好に把握して制御を行なうことがで
きることにより、ボーリング期においても投入電力が安
定してアーク切れが発生することがなく、極めて良好な
制御を行なうことが可能となる。
尚、上記実施例では、スクラップ溶解速度設定器21か
らのスクラップ溶解速度設定値Usを減算器23に与えるた
めのスイッチ22の開閉操作を、操業員が手動で行なう場
合について述べたが、これに限らず例えば可動電極4の
位置,あるいは直流アーク炉1への投入電力量に応じて
ボーリング期間を判定し、スイッチ22の開閉操作を自動
的に行なうようにしてもよい。
らのスクラップ溶解速度設定値Usを減算器23に与えるた
めのスイッチ22の開閉操作を、操業員が手動で行なう場
合について述べたが、これに限らず例えば可動電極4の
位置,あるいは直流アーク炉1への投入電力量に応じて
ボーリング期間を判定し、スイッチ22の開閉操作を自動
的に行なうようにしてもよい。
また、昇降装置は電動式に限らず、液圧式でもよい。
(発明の効果) 以上説明したように本発明によれば、直流アーク炉の
操業パターンの一つであるボーリング期に、可動電極の
移動速度の指令値に対して,被溶解物の溶解速度を補正
量として加えるようにしたので、ボーリング期において
もアーク切れが発生することがなく極めて良好な制御を
行なうことが可能な直流アーク炉の電極昇降制御方法が
提供できる。
操業パターンの一つであるボーリング期に、可動電極の
移動速度の指令値に対して,被溶解物の溶解速度を補正
量として加えるようにしたので、ボーリング期において
もアーク切れが発生することがなく極めて良好な制御を
行なうことが可能な直流アーク炉の電極昇降制御方法が
提供できる。
第1図は本発明を適用した直流アーク炉の電極昇降制御
システムの一実施例を示す全体構成図、第2図は従来の
直流アーク炉の電極昇降制御システムを示す構成図であ
る。 1……直流アーク炉、2……スクラップ、4……可動電
極、5……炉用変圧器、6……サイリスタ変換器、7…
…平滑リアクトル、8……炉底電極、10……電圧検出
器、11……電圧設定器、18……減算器、19……速度設定
制御器、20……上昇/下降切換回路、21……スクラップ
溶解速度設定器、22……スイッチ、23……減算器、24…
…速度検出器、25……速度制御器。
システムの一実施例を示す全体構成図、第2図は従来の
直流アーク炉の電極昇降制御システムを示す構成図であ
る。 1……直流アーク炉、2……スクラップ、4……可動電
極、5……炉用変圧器、6……サイリスタ変換器、7…
…平滑リアクトル、8……炉底電極、10……電圧検出
器、11……電圧設定器、18……減算器、19……速度設定
制御器、20……上昇/下降切換回路、21……スクラップ
溶解速度設定器、22……スイッチ、23……減算器、24…
…速度検出器、25……速度制御器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 昭一 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 牧 敏道 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 岡崎 金造 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (56)参考文献 特公 昭63−5671(JP,B2) 特公 昭33−5590(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F27B 3/08,3/28 F27D 11/08 H05B 7/148
Claims (1)
- 【請求項1】直流アーク炉内の被溶解物を溶解する可動
電極に印加される電圧を検出し、この検出電圧と予め定
められた設定電圧との電圧偏差に応じて,前記可動電極
の移動速度および昇降制御を行なう直流アーク炉の電極
昇降制御方法において、 前記直流アーク炉の操業パターンの一つであるボーリン
グ期に、前記可動電極の移動速度の指令値に対して,前
記被溶解物の溶解速度を補正量として加えるようにした ことを特徴とする直流アーク炉の電極昇降制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63205808A JP2769327B2 (ja) | 1988-08-19 | 1988-08-19 | 直流アーク炉の電極昇降制御方法 |
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JP63205808A JP2769327B2 (ja) | 1988-08-19 | 1988-08-19 | 直流アーク炉の電極昇降制御方法 |
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JPH0257889A JPH0257889A (ja) | 1990-02-27 |
JP2769327B2 true JP2769327B2 (ja) | 1998-06-25 |
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ID=16513034
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP63205808A Expired - Lifetime JP2769327B2 (ja) | 1988-08-19 | 1988-08-19 | 直流アーク炉の電極昇降制御方法 |
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JP (1) | JP2769327B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101009697B1 (ko) * | 2008-08-26 | 2011-01-19 | 현대제철 주식회사 | 전기로의 전극 제어 장치 및 방법 |
JP2010139203A (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | Daido Steel Co Ltd | アーク炉の炉内状態判定装置 |
-
1988
- 1988-08-19 JP JP63205808A patent/JP2769327B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH0257889A (ja) | 1990-02-27 |
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