JP2768846B2 - 反芻家畜用完全飼料調製用の粗飼料及びその製造方法 - Google Patents

反芻家畜用完全飼料調製用の粗飼料及びその製造方法

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JP2768846B2
JP2768846B2 JP3077427A JP7742791A JP2768846B2 JP 2768846 B2 JP2768846 B2 JP 2768846B2 JP 3077427 A JP3077427 A JP 3077427A JP 7742791 A JP7742791 A JP 7742791A JP 2768846 B2 JP2768846 B2 JP 2768846B2
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浩司 田中
亨 河口
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中部飼料 株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は反芻類家畜用粗飼料及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、とうもろこし類及び/又はソルゴ
ー類は青刈り後、一両日中に反芻類家畜用粗飼料として
反芻類家畜に供給されていた。又は青刈りしたとうもろ
こし類又はソルゴー類を加工したサイレージも粗飼料と
して利用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】青刈りしたとうもろこ
し類やソルゴー類は、風味が良好であるが、糖分を多く
含有するために保存性が悪い粗飼料であった。また、と
うもろこしサイレージは、保存を目的として乳酸発酵さ
せた粗飼料であって、風味が良好であるが、その調製や
管理が困難で、保存中に変質する場合があった。また、
近年、反芻家畜用の飼料としては、濃厚飼料に粗飼料を
混合して栄養分と反芻性を確保する供給料(完全飼
料)が試みられている。完全飼料によれば、従来手間で
あった、反芻性を確保する粗飼料の供給作業を省略化で
きるというメリットがある。しかしながら、青刈りとう
もろこし類では、保存性が悪いので、安定して完全飼料
用として供給することができない。また、とうもろこし
サイレージでは、水分含量が高いため濃厚飼料を混合す
ると二次発酵により完全飼料を変質させ、完全飼料とし
ての嗜好性が確保されず、摂取量が低下するおそれがあ
った。そこで、本発明では、濃厚飼料と粗飼料とを混合
してなる反芻家畜用完全飼料を調製するのに適した粗飼
料を提供することをその目的とする。また、本発明で
は、嗜好性が確保され、摂取量が低下しない反芻家畜用
完全飼料を提供することをその目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を実現するため
に、請求項1の発明では、反芻家畜用完全飼料調製用の
粗飼料の製造方法であって、原料植物のとうもろこし類
及び/又はソルゴー類を乳熟期から糊熟期に青刈りする
工程、前記工程で青刈りされた原料植物の全体を、前記
青刈り工程後2時間以内に加圧し植物表面に植物内部の
液汁の一部を浸出させる工程、及び前記工程で液汁の一
部が表面に浸出した植物を、前記加圧工程後5時間以内
に乾燥を開始し、水分含量が7重量%〜15重量%とな
るまで乾燥する工程、とを備えることにより、平均糖分
含量が7.0重量%以上とすることを特徴とする方法を
創出した。また、請求項2の発明では、反芻家畜用完全
飼料調製用の粗飼料であって、原料植物のとうもろこし
類及び/又はソルゴー類が乳熟期から糊熟期に青刈りさ
れており、原料植物の内部に存在していた液汁の一部が
該植物表面において乾燥してその表面に付着しており、
その水分含量が7重量%〜15重量%であり、かつ、平
均糖分含量が7.0重量%以上であることを特徴とする
粗飼料を創出した。また、請求項3の発明では、請求項
2記載の粗飼料と濃厚飼料とが混合されていることを特
徴とする反芻家畜用完全飼料を創出した。
【0005】請求項1の製造方法によると、乳熟期から
糊熟期に青刈りしたとうもろこし類及び/又はソルゴー
類の全体を、前記青刈り工程後2時間以内に加圧して植
物表面に植物内部の液汁が浸出されるため、乳熟期から
糊熟期に青刈りしたとうもろこし類及び/又はソルゴー
類の液汁に含まれる糖分が、青刈り後に分解代謝により
減少するのが防止される。また、加圧した植物を加圧後
5時間以内に乾燥させるので、植物内部に残留した液汁
中の糖分が分解代謝により減少するのが防止されるとと
もに、植物表面に浸出させた青刈り時の糖分を含む液汁
が植物表面に付着した状態で乾燥され、風味が向上され
る。また、乾燥して水分含量を一定範囲とし、さらに平
均糖分含量を7.0重量%以上とすることにより、牛等
が食べるのに硬すぎることがなく保存性も良好であると
ともに、風味が良好で、栄養上好ましいものとなってい
る。得られた粗飼料によれば、完全飼料調製用の粗飼料
として安定して供給される。また、濃厚飼料と混同して
完全飼料を調製した場合において、完全飼料を変質させ
ることなく、完全飼料の嗜好性を確保してその摂取量を
維持することができる。請求項2の粗飼料によると、植
物表面に乳熟期から糊熟期に青刈りしたとうもろこし類
及び/又はソルゴー類の糖分を含む液汁が乾燥して付着
しているので風味が向上されている。また、液汁中の糖
分が分解代謝により減少するのが防止されるため、風味
が良好に保たれている。また、水分含量が7重量%〜1
5重量%、平均糖分含量が7.0重量%以上であるの
で、牛等が食べるのに硬すぎることがなく、保存性も良
好であるとともに、風味が良く、栄養上好ましいものと
なっている。この粗飼料によれば、安定して供給され
る。また濃厚飼料と混合して完全飼料を調製した場合に
おいて、完全飼料を変質させることなく完全飼料の嗜好
性を確保してその摂取量を維持することができる。請求
項3の完全飼料によると、混合される粗飼料によって完
全飼料が変質されず、完全飼料の嗜好性が維持され摂取
量が維持される。
【0006】
【実施例】次に本発明に係る粗飼料製造方法の一具体例
並びに同方法によって製造された本発明に係る粗飼料の
一具体例について詳細に説明する。最初に製造方法をそ
の経時的順に従って説明する。
【0007】工程1:原料植物の選定 本例では原料植物として糊熟期の成長段階における甘味
種のとうもろこしの全体、すなわち茎葉及び穂等(以下
茎葉等という)を用いた。
【0008】ここで甘味種のとうもろこしとしては学名
ジー・メイズ・エル(Zea Mays L.)のとう
もろこしが例示される。その他、糖分含有量が高く食用
に供し得るとうもろこしもその一例である。本例では甘
味種のとうもろこしを原料植物としているので糖分含量
の高い粗飼料を得ることができる。
【0009】また糊熟期とは受精後20日前後の時期で
ある。一般に糊熟期以前の時期にはとうもろこしの茎に
糖分が多く含まれており、黄熟期以降には茎から実へ徐
々に糖分が移行し、実において糖分は澱粉とされるので
とうもろこし全体の糖分含量は低下する。従って糊熟期
以前に青刈りしたとうもろこしの茎葉等を原料とする
と、糖分含量の高い粗飼料が得られる。
【0010】なお糊熟期と黄熟期の区別を厳密に行うこ
とは難しく、とうもろこしの茎に含有される糖分量を調
べ、糖分含量が高い時期に青刈りすると良い。ただし糖
分含量は茎の水分含量や茎の上部、中部、下部などその
部位によっても異なる点に留意する必要がある。
【0011】糖分含量の値としては本例では青刈りした
甘味種のとうもろこしを原料植物としているので、これ
を水分含量12%前後に乾燥した場合の平均糖分含量は
7.0%以上、好ましくは15%以上、より好ましくは
20%以上である。なお本明細書中、糖分含量とは果
糖、ブドウ糖及び庶糖含量の合計量を意味する。
【0012】また本例ではとうもろこしの茎葉等、すな
わち植物全体を原料として用い、収量を増やしているの
でコスト的に有利である。
【0013】なお原料植物としては甘味種のとうもろこ
以外にも他のとうもろこし類及び/又はソルゴー類を
使用でき、ここでソルゴー類とはソルガム中、牧草と比
較して茎が太く、糖含有量が多い品種である、例えば、
ソルゴー型品種、兼用ソルガム、グレインソルガム等の
品種を指す。
【0014】工程2:青刈り工程 本例の製造方法においては、まず最初に、原料植物を
熟期以前に早朝に青刈りする。青刈りした植物を原料と
することにより、硬すぎず、かつ風味の良い、従って牛
等の嗜好性の良い粗飼料を得ることができる。
【0015】また本例では早朝に青刈りするので、後記
の乾燥工程において天日を利用し易い。
【0016】
【0017】工程3:加圧工程 本例では青刈りしたとうもろこしの茎葉等を前記青刈り
工程後2時間以内に溝付きローラーにて平均圧力30kg
/cm2 で加圧した。前記青刈り工程後には植物に含まれ
る成分の変化、特に糖質含量の低下等が始まり、進行す
るので、青刈り工程後速やかに前記加圧工程を行うと風
味がより良い粗飼料が得られる。好ましくは青刈り後2
時間以内に加圧工程を行なうと風味をより良好となし得
る。
【0018】また前記加圧工程における圧力はその原料
植物の種類及び茎の太さ等に応じて、原料植物内部の液
汁の一部が植物表面に浸出する程度の大きさの圧力で行
なう。植物内部の液汁の多くを絞り落してしまう程大き
な圧力をかけても風味が損なわれるし、植物の液汁が表
面に浸出しない程小さな圧力をかけて加圧しても風味は
良くない。例えば本例のとうもろこしでは20kg/cm2
〜50kg/cm2 の圧力をかけると、とうもろこしの茎内
部の液汁の一部が茎の表面に浸出する。この加圧工程に
よって植物の茎の一部が縦に割れたり、及び/又は植物
の柔軟化(以下柔軟化等という)が同時に起るが、この
柔軟化等によっても牛等にとってより食べ易い風味の良
い粗飼料とすることができる。
【0019】工程4:乾燥工程 次に前記加圧工程後の茎葉等を速やかに直径15cm程度
の円形に結束し、はさ掛けして天日で約20〜25時間
乾燥し、茎葉等の水分含量を平均12.0重量%とし
た。
【0020】前記したように青刈り後には植物の成分変
化が進行するので、この乾燥工程は前記加圧工程終了後
遅くとも5時間以内、好ましくは4時間以内、より好ま
しくは1時間以内に開始すると風味のより良い粗飼料が
得られる。
【0021】また本例では天日を利用して乾燥している
のでコストが安く乾燥できる。
【0022】そしてとうもろこしを青刈りした後この乾
燥工程を行なうまでの時間が短い程糖分含量のより高い
粗飼料が得られる。従って青刈り工程後前記加圧工程及
び乾燥工程の両工程を速やかに実施するのが好ましい。
【0023】この乾燥工程により青刈りした植物表面上
に植物の液汁が乾燥して付着し、香り、味等の風味が良
くなり、かつこれらの風味が保存される。また柔軟化等
されたことによっても牛等の嗜好性が向上する。
【0024】なお乾燥後の粗飼料の平均水分含量は7〜
15重量%とされるのが良く、7%以下では牛等にとっ
て硬すぎるので風味が劣り、一方15%以上では保存性
が低下する。
【0025】前記加圧及び乾燥工程によって得られた粗
飼料はその表面に乾燥した液汁が付着し、青刈り時の香
りも一部残存させることができ、従って風味の良いもの
である。また適度に乾燥されているので硬すぎず従って
嗜好性が良くかつ保存性も良い。従って安定した供給が
可能な嗜好性の良い粗飼料である。
【0026】工程5:細断工程及び繊維化工程 次に前記加圧及び乾燥工程を経た青刈りとうもろこしを
カッチングマシンで切断し、その長さを平均8cmとし
た。その後ティアリングマシン(細断機)により、とう
もろこしの幹に沿って茎を縦方向に細断し、その厚さを
平均3mmとした。またティアリングマシンによって同時
にとうもろこしの茎葉等をもみほぐし、その大部分を繊
維状態とした。
【0027】加圧及び乾燥後にとうもろこしの茎葉等を
カッチングマシンで切断し、長さを平均8cmとするのは
粗飼料としての繊維の効果を保持しつつ、牛等にとって
食べ易く、嗜好性をより高めるためである。ここでとう
もろこしの茎葉等は平均1〜12cmの長さに切断するの
が良く、1cm以下では粗飼料としての物理性が低下し、
12cm以上では嗜好性が低下する。より好ましい長さは
平均5〜10cmである。
【0028】その後ティアリングマシンで厚さを平均3
mmとするのも同じ理由であり、平均0.1 〜5mmとするの
が良く、すなわち0.1mm 以下では粗飼料としての物理性
が低下し、5mm以上では嗜好性が低下する。以上の細断
工程によって牛等が食べ易くかつ粗飼料としての物理性
が損なわれない長さ及び厚さに原料植物が加工される。
【0029】さに本例の粗飼料は原料植物の大部分が繊
維状態にまでもみほぐされているので、さらに牛等の嗜
好性が高められている。ここで繊維状態とは植物の茎葉
等を形成している繊維が1本ずつないし数十本ずつに分
かれることを意味する。但し原料植物の全てが繊維状態
とされる必要はなく、細断のみされた茎葉等が残ってい
てもよく、細断された茎葉等が部分的に繊維化されてい
てもよい。しかし、原料植物全体中、繊維状態とされた
原料植物の占める割合が多い程、牛等の嗜好性のより良
い粗飼料とされ、原料植物の全てが繊維状態とされるの
が望ましい。
【0030】なお本例では細断する工程と繊維状態とす
る工程との両工程を行なっているが、いずれか一方の工
程を省略した場合にも次の圧縮工程を経て得られた粗飼
料は濃厚飼料と混合し得る。但し前記両工程を行なった
方が牛等がより食べ易い、従って嗜好性のより良い粗飼
料が得られる。
【0031】工程6:圧縮工程 最後に以上の細断及び繊維化状態とする工程を経た青刈
りとうもろこしを直径10cmの円筒形の筒より押し出す
構成のプレスマシーンにより、平均圧力200約kg/cm
2 をかけて押し出して固め、直径約10cm、長さ約5cm
の略円筒形とし、本発明の粗飼料を得た。このプレスマ
シーンにより固めたとうもろこし粗飼料の平均硬度は4
kg/cm2であり、平均比重は0.45g/cm3 であった。
【0032】前記細断工程及び繊維化状態とする工程を
経た原料植物をプレスマシンにより固める場合の圧力は
170〜250kg/cm2 とするのが良い。170kg/cm
2 以下の圧力では固形状態にするのが難しく250kg/
cm2 以上の圧力をかけると硬度が大きすぎるので嗜好性
が低下する。また後述するように濃厚飼料と混合時に本
例の粗飼料が適当な大きさに崩れ難い。
【0033】なお、プレスマシーンによる圧縮工程前の
とうもろこしの茎葉等はその全てが繊維状態とされてい
る必要はなく細断のみされた状態が存在していてもよ
く、細断された茎葉等の一部分が繊維状態とされている
ものも存在していてもよい。また細断、繊維化工程によ
って粉末状態とされたとうもろこしの茎葉等は除去した
後に圧縮工程を行なう方が粗飼料の物理性が向上し、よ
り良い粗飼料が得られる。
【0034】本例の粗飼料の平均比重は0.2 g/cm3
上であるので濃厚飼料と混合し得る。すなわち平均比重
が0.2 g/cm3 以下では濃厚飼料の比重との差違が大き
すぎるため濃厚飼料との混りが悪い。また本例の粗飼料
の平均比重は0.6 g/cm3 以下であるので粗飼料として
の物理性が良好である。すなわち平均比重を0.6 g/cm
3 以上とするととうもろこしの茎葉等の組織が崩れるた
め粗飼料としての効果が低下する。以上の理由から本例
の粗飼料のより好ましい平均比重は0.4 〜0.6 g/cm3
である。
【0035】さらには本例の粗飼料の平均硬度は1kg/
cm2 以上10kg/cm2 以下であるので、比重が適当な大
きさとなり、従って濃厚飼料と混合できる。また牛等が
食べ易い固さであるため嗜好性の良い粗飼料である。す
なわち平均硬度1kg/cm2 以下では濃厚飼料と混合でき
ず、10kg/cm2 以上では濃厚飼料と混合時に適当な大
きさに崩れず、また硬すぎるため牛等の嗜好性が低下す
る。より好ましい平均硬度は3〜4kg/cm2 である。
【0036】また本例の粗飼料は一定以上の長さを有し
た植物繊維が圧縮されているので粗飼料の物理性を保持
しながらスペースをあまりとらない、従って輸送及び保
管に便利な粗飼料である。
【0037】そして本例の粗飼料は濃厚飼料と通常の方
法で混合し得るが、その硬度及び比重が適度な大きさな
ので、この混合の際に牛等が食べ易い大きさの固まりに
崩れる。この固まりの中には多くの繊維が圧縮されて存
在しているので多くの量の繊維を一度に牛等に食べさせ
得る。また一定の長さ以上の繊維が押し縮められている
ので粗飼料としての物理性が良好であり、本粗飼料の他
に長物の粗飼料を人手をかけて与える必要もない。さら
に本例の粗飼料は濃厚飼料と混合して牛等に自動供給で
きるので、労力を軽減できる。また牛等が選り食いをす
ることを防止し得る。
【0038】次に本例の粗飼料の一般成分を表1に示
す。なお表1中の数値単位は重量%である。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示されるように本例の粗飼料は糖分
及び養分総量が高く、栄養上、及び嗜好性において優れ
ている。本例の粗飼料は糖分含量が7.0%以上であ
り、好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以
上である。
【0041】次に本例の粗飼料を従来の濃厚飼料等と混
合して得られた供給飼料を牛に供与した使用例について
説明する。なお本例の粗飼料と濃厚飼料との混合は通常
の方法で行い、混合前に本例の粗飼料から生じた粉末
は、粗飼料としての物理性及び嗜好性を向上させるため
に除去した。従って濃厚飼料への本粗飼料の混合率には
本例の粗飼料から生じた粉末を除去した場合の値であ
る。
【0042】本例の粗飼料の配合率は供給飼料全体に対
して1〜50重量%とするのが良い。乳牛では配合率が
25重量%以下になると乳成分中の乳脂率が低下し、一
方、配合率が50重量%以上になると配合上、取扱い
上、給与上の問題が生じる。また肉牛ではより好ましい
配合率は3〜30重量%でこれにより生産性が向上され
得る。
【0043】使用例1 平均体重600kg、平均乳脂率3.6 %の乳牛4頭を用い
て本発明の粗飼料を給与飼料全体に対して40重量%給
与した場合の乳量及び乳質への影響について以下の如く
に調べた。
【0044】1日に牛1頭当り、濃厚飼料14kg及び粗
飼料10Kgとから成る給与飼料24Kgを給与した。実験
中、濃厚飼料は同じものを給与した。この濃厚飼料の飼
料原料を表2に、及び濃厚飼料の一般成分を表3に示
す。表2及び表3の数値単位は重量%である。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】粗飼料としては表4に示すように最初の2
1日間の期間(給与前)は乾燥オーツヘイ、乾燥チモシ
ーヘイ及びビートパルプを1日に牛1頭当り、それぞれ
2Kg、4Kg及び4Kgの計10Kg給与し、その後連続して
次の21日間の期間(給与中)は本例の粗飼料のみを1
日に牛1頭当り10Kg給与し、さらに連続してその次の
21日間の期間(給与後)には給与前の期間と同様の組
成及び量から成る粗飼料を給与した。
【0048】表4に給与前、給与中及び給与後の各期間
において1日に牛1頭当りに給与した給与飼料の組成を
示す。なお表4中の数値単位はKgである。
【0049】
【表4】
【0050】本使用例における前記三期間(給与前、給
与中及び給与後)における平均乳量(Kg)、平均乳脂率
(%)及び無脂固形分(%)を表5に示す。
【0051】
【表5】
【0052】表5に示されるように粗飼料として本例の
粗飼料を給与した期間(給与中)においても、従来の粗
飼料を給与した期間(給与前及び給与後)と同等の乳
量、乳脂率及び無脂固形分が得られた。従って本例の粗
飼料を乳牛に給与した場合にも、従来の粗飼料を乳牛に
給与した場合と同等の質及び量の乳が得られることが確
認された。
【0053】使用例2 次に肉牛に本例の粗飼料を給与飼料全体に対して10重
量%給与した場合の肥育状態及び肉質への影響について
以下の如くに調べた。平均体重約350Kgの乳用種牛去
勢牛各10頭からなる対照群と試験群の2群に濃厚飼料
及び粗飼料から成る給与飼料を各々10.8Kg又は1
1.0Kg、1日1頭当りについて給与し、320日間肥
育した。濃厚飼料としては両群とも同じものを使用し
た。この濃厚飼料の飼料原料及び一般成分を各々表6、
表7に示す。なお表6、表7中の数値単位は重量%であ
る。
【0054】
【表6】
【0055】
【表7】
【0056】また本使用例において粗飼料としては対照
群には稲ワラを、試験群には本例の粗飼料を各々使用し
た。
【0057】肥育期間320日後の両群の牛の平均体重
(終了体重)(Kg)、肥育期間中の1日当りの平均体重
増加量(Kg)及び1日1頭当りについての給与飼料の平
均摂取量(Kg)を表8に示す。
【0058】
【表8】
【0059】表8に示されるように従来の粗飼料である
稲ワラを給与した対照群と比べて、本例の粗飼料を給与
した試験群において、同等の結果が終了体重、1日当り
の体重増加量及び1日当りの給与飼料摂取量について得
られた。
【0060】また対照群及び試験群の肉牛から得られた
肉の肉質については、枝肉重量(Kg)を測定すると共
に、枝肉取引規格に基づき、歩留等級及び肉質等級を決
定した。その結果を表9に示す。
【0061】
【表9】
【0062】表9に示されるように枝肉重量については
従来の粗飼料である稲ワラを給与した対照群と本例の粗
飼料を給与した試験群との間に差異はなく、枝肉評価に
ついては本例の粗飼料を給与した試験群の方が対照群よ
りもやや良好な結果が得られた。
【0063】
【発明の効果】請求項1に記載の製造方法によって得ら
れる反芻家畜用完全飼料調製用の粗飼料及び請求項2に
記載の反芻家畜用完全飼料調製用の粗飼料によると、保
存性と風味が良好であるので、安定して供給できて、濃
厚飼料と混合して完全飼料とした場合に完全飼料の嗜好
性を確保して摂取量を維持できる、反芻家畜用完全飼料
調製用に適した粗飼料を提供することができる。請求項
3記載の発明によれば、嗜好性が確保され摂取量が維持
される反芻家畜用完全飼料が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮村 成昭 愛知県岡崎市大門4丁目13−18 (56)参考文献 三井計夫監修、「飼料作物・草地ハン ドブック」P379〜380,384〜385,324 〜325,328〜330 株式会社養覧堂、昭 和53年3月20日発行 森本宏編、「飼料ハンドブック」P1 〜3,48,日本科学飼料協会,昭和52年 12月10日発行 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23K 1/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反芻家畜用完全飼料調製用の粗飼料の製造
    方法であって、 原料植物のとうもろこし類及び/又はソルゴー類を乳熟
    期から糊熟期に青刈りする工程、 前記工程で青刈りされた原料植物の全体を、前記青刈り
    工程後2時間以内に加圧し植物表面に植物内部の液汁の
    一部を浸出させる工程、 及び前記工程で液汁の一部が表面に浸出した植物を、前
    記加圧工程後5時間以内に乾燥を開始し、水分含量が7
    重量%〜15重量%となるまで乾燥する工程、とを備え
    ることにより、平均糖分含量が7.0重量%以上とする
    ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】反芻家畜用完全飼料調製用の粗飼料であっ
    て、 原料植物のとうもろこし類及び/又はソルゴー類が乳熟
    期から糊熟期に青刈りされており、 原料植物の内部に存在していた液汁の一部が該植物表面
    において乾燥してその表面に付着しており、 その水分含量が7重量%〜15重量%であり、 かつ、平均糖分含量が7.0重量%以上であることを特
    徴とする粗飼料。
  3. 【請求項3】請求項2記載の粗飼料と濃厚飼料とが混合
    されていることを特徴とする反芻家畜用完全飼料。
JP3077427A 1991-02-27 1991-02-27 反芻家畜用完全飼料調製用の粗飼料及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2768846B2 (ja)

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三井計夫監修、「飼料作物・草地ハンドブック」P379〜380,384〜385,324〜325,328〜330 株式会社養覧堂、昭和53年3月20日発行
森本宏編、「飼料ハンドブック」P1〜3,48,日本科学飼料協会,昭和52年12月10日発行

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