JP2768514B2 - 光磁気記録方法 - Google Patents

光磁気記録方法

Info

Publication number
JP2768514B2
JP2768514B2 JP30755389A JP30755389A JP2768514B2 JP 2768514 B2 JP2768514 B2 JP 2768514B2 JP 30755389 A JP30755389 A JP 30755389A JP 30755389 A JP30755389 A JP 30755389A JP 2768514 B2 JP2768514 B2 JP 2768514B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic layer
magnetic
magnetization
recording
magneto
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30755389A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02289947A (ja
Inventor
陽一 大里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP30755389A priority Critical patent/JP2768514B2/ja
Priority to US07/446,416 priority patent/US5163031A/en
Publication of JPH02289947A publication Critical patent/JPH02289947A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2768514B2 publication Critical patent/JP2768514B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光磁気記録媒体にレーザ光等の光ビームを
照射しながらバイアス磁界を印加することによって信号
の記録を行なう方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、高密度・大容量のメモリとして、光ビームを用
いて記録或いは再生を行なう光メモリの開発が盛んに行
なわれている。中でも、光磁気記録媒体は、書き換えが
可能な光メモリとして大いに注目されている。このよう
な光磁気記録媒体への記録は通常、該媒体の磁性層の磁
化方向を所定方向に揃えておき、媒体に所定方向と反対
方向のバイアス磁界を印加しながら、記録信号に応じて
強度変調された光ビームを照射することによって行なわ
れる。また、再生は上記の如く信号が記録された媒体に
偏光ビームを照射し、磁気光学効果によってその偏光方
向が変化するのを利用して行なわれる。
しかしながら、上記の記録方法においては、信号の書
き換えを行なう際に一旦磁性層の磁化方向を揃える、即
ち先に記録された信号を消去する必要があった。これに
対し、特開昭51−107121号等では、媒体に一定強度の光
ビームを照射しながら、信号に応じて極性が反転するバ
イアス磁界を印加すことによって、上記消去過程が不要
な、所謂オーバーライト可能な記録方法が提案されてい
る。また、特開昭63−153752号或いは特開昭62−175948
号等では、互いに交換結合した2つの磁性層を有する光
磁気記録媒体に、強度変調された光ビームを照射するこ
とによってオーバーライトを行なう方法が提案されてい
る。
一方、より高密度に、より高速に記録を行うために
は、1つの記録ビットの表わす情報が、光磁気記録膜の
磁化方向(上向き、下向き)に対応した2値だけでは限
界がある。これは、現在の光磁気記録媒体の記録密度
が、記録に用いる半導体レーザーの波長(現在約800n
m)でほぼ決まってしまうためである。例えば記録密度
を2倍に上げようとするなら、 の波長の半導体レーザーが必要であるが、これが使える
のは遠い将来である。
ところが、例えば、磁性層に記録された記録ビットが
4値を示すようにできれば、記録密度は2倍になる。そ
して、この4値記録の場合、従来の2値の記録と同じ速
度で記録再生が可能であるとすると、記録再生速度も2
倍になる。このような4値の記録を行なう方法が、米国
特許第4,612,587号に提案されている。この方法は、吸
収波長の異なる2つの磁性層を有する光磁気記録媒体
に、互いに波長が異なり、独立に強度変調された2本の
光ビームを照射することによって記録を行なうものであ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記米国特許の記録方法は、記録前に
2つの磁性層の磁化方向を揃えておかねばならず、オー
バーライトが出来ないといった問題点があった。また、
2本の光ビームを用いている為、光源が2つ必要で、記
録装置の構成が複雑で高価なものがあった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、簡
単で安価な構成の記録装置を用いて、4値の信号のオー
バーライトが可能な光磁気記録方法を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の上記目的は、垂直磁気異方性を示す第1の磁
性層と、該第1の磁性層よりも高いキュリー温度及び室
温における低い保磁力を有し、第1の磁性層と交換結合
された第2の磁性層とから成り、前記それぞれの磁性層
に働く交換力が第2の磁性層の保磁力よりも低い光磁気
記録媒体を用いて、信号を記録する光磁気記録方法にお
いて、 前記媒体に、この媒体を第1の磁性層のキュリー温度
付近まで加熱するパワーの光ビームを照射しながら、前
記信号に応じて極性及び大きさが以下の4つの状態に変
調されたバイアス磁界を印加し、4値の記録を行なうこ
とによって達成される。
(a)バイアス磁界が、第2の磁性層の磁化を所定方向
に配列し、第1の磁性層の磁化を第2の磁性層の磁化に
対して安定な方向に配列させる第1の状態、 (b)バイアス磁界が、第1及び第2の磁性層の磁化を
ともに所定方向に配列させる第2の状態、 (c)バイアス磁界が、第2の磁性層の磁化を前記所定
方向とは反対方向に配列し、第1の磁性層の磁化を第2
の磁性層の磁化に対して安定な方向に配列させる第3の
状態、 (d)バイアス磁界が、第1及び第2の磁性層の磁化を
ともに所定方向とは反対方向に配列させる第4の状態。
〔実施例〕
以下、図面と参照して本発明を詳細に説明する。
第1図Aは本発明の記録に用いる光磁気記録媒体の一
例を示す略断面図である。第1図において、プリグルー
プが設けられた透光性の基板1上に、第1の磁性層2と
第2の磁性層3が積層されている。第1磁性層2は低い
キュリー点(TL)と高い保磁力(HH)を有し、第2磁性
層3は、高いキュリー点(TH)と低い保磁力(HL)を有
する。ここで「高い」、「低い」とは両磁性層を比較し
た場合の相対的な関係を表わす(保磁力は室温における
比較)。ただし、通常は第1磁性層2のTLは70〜180
℃、HHは、3〜20KOe、第2磁性層3のTHは100〜400
℃、HLは0.1〜2KOe程度の範囲内にするとよい。
各磁性層の材料には、垂直磁気異方性を示し且つ磁気
光学効果を呈するものが利用できるが、GdCo,GdFe,TbF
e,DyFe,GdTbFe,TbDyFe,GdFeCo,TbFeCo,GdTbCo,GdDyFeC
o,TbDyFeCo,HoGdFeCo等の希土類元素と遷移金属元素と
の非晶質磁性合金が好ましい。
本発明に使用する光磁気記録媒体では、第1の磁性層
と第2の磁性層とが交換結合によって結合されている。
また、これらの磁性層は、HHを第1の磁性層の室温にお
ける保磁力、HLを第2の磁性層の室温における保磁力、
MS2を第2の磁性層の飽和磁化、h2を第2の磁性層の膜
厚、σを二層間の磁壁エネルギーとしたときに、以下
の関係式を満足する。
ここで は、第2磁性層3を第1磁性層2に対して安定な向きに
配列させようとする交換力を示す。この関係式は、記録
によって最終的に完成されるビットの磁化状態が安定に
存在できるようにするためのものである。つまり、上記
の関係を満たすことは、結局第1磁性層と第2磁性層そ
れぞれの磁性層に働く交換力が室温で、それぞれの磁性
層の保磁力よりも小さいことである。
両磁性層を上述のような特性とするためには、例え
ば、第1磁性層と第2磁性層の間にMSの大きな(即ち保
磁力の小さな)磁性層を設けることが有効である。
交換結合された2層の磁性層においては、交換力が2
層の磁化方向を同方向(平行)に向けようと働く場合
と、逆方向(反平行)に向けようと働く場合とがある。
どちらになるかは、夫々の磁性層の組成によって決まる
が、本発明の記録方法は、媒体がどちらの場合であって
も、同様に用いることが出来る。
第1図Bは、本発明の方法に用いる光磁気記録媒体の
他の構成例を示す略断面図である。第1図Bにおいて第
1図Aと同一の部材には同一の符号を付し詳細な説明は
省略する。本例においては、第1磁性層2と第2磁性層
3との間に、前述したようにこれらの間の交換力を調整
する為の第3の磁性層4が設けられている。また、第1
磁性層2に相接して、第1磁性層よりも大きな磁気光学
効果を示す(即ち、より高いキュリー温度を有する)第
4の磁性層5が設けられている。そして、第1及び第4
の磁性層は、これらの磁化方向が常に安定な方向を向く
ように、強い交換力で結合されている。このような第4
の磁性層5を設けることによって、信号の再生時により
大きなC/N比を得ることが出来る。
上記4つの磁性層の上下には、これらの磁性層の腐食
を防止する為、Si3N4等の誘電体から成る保護層6,7が設
けられている。また保護層7には、接着層8を介して、
基板1と同様の材料から成る貼り合せ用基板9が接着さ
れている。貼り合わせ用基板9にも、2から7までの層
を積層し、これを接着すれば表裏で記録・再生が可能と
なる。
上記のような磁性層を、希土類−遷移金属非晶質合金
で形成す場合、成膜方法としては、通常スパッタリン
グ、電子ビーム蒸着等が用いられる。磁性膜の飽和磁
化、保磁力などの調整は、膜中の希土類元素と遷移金属
元素の組成比を変えることで行なう。例えばスパッタ装
置を用いて、主として希土類元素を含むターゲット(蒸
発源)と主として遷移金属元素を含むターゲットを同時
にスパッタリングし、それぞれのスパッタ速度を調節す
ることで、形成する膜の組成を調整することが行なわれ
ている。また保護層の形成にもスパッタリング、電子ビ
ーム蒸着がよく用いられる。
以上説明した光磁気記録媒体に関しては、前述の特開
昭63−153752号等にも詳細に説明されている。即ち、本
発明は従来の2値信号のオーバーライトに用いられてい
るのと同様の媒体を用いることの出来るものである。
第2図は、本発明の記録方法を実施するための光磁気
記録再生装置の一例を示す概略図である。第2図におい
て、35は前述のような構成を有するディスク状の光磁気
記録媒体である。この媒体35は不図示のモータによって
回転され、記録再生ヘッド31によって情報の記録及び再
生が行なわれる。記録再生ヘッド31は、媒体35に照射さ
れる光ビームを発する半導体レーザ等の光源と、例えば
電磁石から成るバイアス磁界印加手段を有している。こ
の記録再生ヘッド31は、記録信号源32から入力される記
録信号によって駆動される。また、記録再生ヘッド31
は、検光子及び光検出器を内蔵している。そして、再生
時に一定光量で照射される光ビームの媒体35による反射
光を検光子を通してこの光検出器で受光し、その出力を
再生回路33に送ることによって記録信号を再生する。こ
の信号再生の原理は、前述の米国特許第4,612,587号と
同様である。
第3図は、本発明の記録方法の一実施例を説明する為
の模式図である。第3図において、4角の枠は上列が第
1磁性層、下列が第2磁性層を示す。また枠内の矢印は
各記録状態における磁性層の磁化の方向を示す。また枠
の下の矢印は、媒体に印加されるバイアス磁界の極性と
大きさを表わす。本実施例は、交換力が磁化を反平行に
向けるように働く媒体を用いた場合を示す。
本実施例においては、第2図の信号源32から入力され
る4値の信号に従って、記録再生ヘッド31内のバイアス
磁界印加手段から、媒体35に、+HBL,+HBH,−HBL,−H
BHの4つの状態に変調されたバイアス磁界が印加され
る。ここで、符号はバイアス磁界の極性を示し、プラス
が上向き、マイナスが下向きである。このとき、媒体35
に照射される光ビームは無変調で、そのパワーPは、媒
体を第1磁性層のキュリー温度まで加熱するパワーに設
定されている。
第3図において、記録前の磁化の状態は、I或いは
I′のいずれであっても構わない。aで示すように、媒
体にパワーPの光ビームを照射しながら+HBLのバイア
ス磁界を印加すると、第1磁性層2はそのキュリー温度
付近まで昇温するが、第2磁性層3は、この温度でビッ
トが安定に存在する保磁力を有している。このとき、第
1磁性層2の磁化は、第2磁性層3の磁化の向きに対し
て安定な向き(即ち、反平行)に配列させる力(交換
力)を受ける。この交換力は、通常、0.1〜2KOe程度で
ある。
ここで、バイアス磁界を第1磁性層2が第2磁性層3
の磁化に反平行に配列するのを妨げない大きさHBL、す
なわち上述の交換力よりも小さな値で、0.1〜0.5KOe程
度に設定すると、第3図示のI,I′のいづれからもaに
示すようなビットが形成される。
また、バイアス磁界を、第1磁性層2が第2磁性層3
の磁化に反平行に配列するのを妨げる(平行に配列させ
る)大きさHBH、すなわち上述の交換力よりも大きな値
で、0.3〜1KOe程度に設定すると、第3図示のI,I′のい
ずれからもbに示すようなビットが形成されている。第
4図に第1、第2磁性層の保磁力の温度依存性及びそれ
ぞれに働く交換力、バイアス磁界の大きさHBL,HBHの関
係を示す。
次に第3図において、バイアス磁界HBLを下向きに加
え、パワーPのレーザーを照射すると、状態I,I′のい
づれからもcに示すのようなビットが形成される。
次に第3図において、バイアス磁界HBHを下向きに加
え、パワーPのレーザーを照射すると、状態I,I′のい
づれからもdに示すようなビットが形成される。
このように記録ビットの状態a,b,c,dは、記録状態に
は依存しないので、重ね書き(オーバーライト)が可能
である。
上記実施例に用いる光磁気記録媒体においては、第1
及び第2の磁性層の磁化の向きが反平行であるとき安定
である。磁性層が希土類−遷移金属非晶質合金から成る
場合、上記要件を満たすには、二層の内、一方を希土類
副格子磁化優勢(所謂希土類リッチ)とし、他方が遷移
金属副格子磁化優勢(所謂遷移金属リッチ)となるよう
に、夫々の磁性層の組成を調整すれば良い。
実施例1 プリグレープ、プリフォーマット信号の刻まれたポリ
カーボネート製ディスク基板に、スパッタリングによ
り、保護層Si3N4、磁性層Tb18Fe78Co4、磁性層Gd18Dy6F
e60Co16、保護層Si3N4の各層をこの順に成膜した。各層
の成膜条件及び膜厚、磁気特性等を表−1及び表−2に
示す。
次に、作製したサンプルの一部をVSM(試料信号型磁
化測定器)測定により、各磁性層の反転磁界を調べた。
室温では、第2磁性層Gd18Dy6Fe60Co16の磁化反転が
小さな磁界印加から起こる。両方向の反転磁界から交換
力によるバイアス磁界が求められている。次に試料温度
を上昇させて同様の測定を行うと、第1磁性層Tb18Fe78
Co4のキュリー温度付近で、第1磁性層Tb18Fe78Co4の磁
化反転のほうが、より小さな磁界印加から起こり、かか
る交換力によるバイアス磁界が求められるようになる。
この結果を第4図に示す。
第4図において、実線が磁性層の保磁力を示し、点線
が各層に働く、交換力によるバイアス磁界を示す。
第1磁性層Tb18Fe78Co4において、記録可能な温度で
交換力によるバイアス磁界の値と、保磁力の値の差が記
録のマージンとなる。即ち、HBLの値を記録マージンよ
りも小さい値(例えば500Oe)とし、HBHの値を記録マー
ジンより大きな値(例えば800Oe)とすることが必要で
あることがわかる。
次に、膜形成を終えた上記の基板を、ホットメルト接
着剤を用いて、ポリカーボネートの貼り合わせ用基板と
貼り合わせ、光磁気ディスクを作製した。
この光磁気ディスクを記録再生装置にセットし、線速
度約8m/sec.で回転させながら約1μmに集光した830nm
の波長のレーザービームを、連続照射した。次に、下記
のようにバイアス磁界を記録信号に応じてそれぞれ順次
700KHzの周波数で極性、磁界強度を変えながら印加し、
表−3に示す4等りの記録を行った。
その後、1mWのレーザービームを照射して再生を行っ
たところ、それぞれの記録信号の再生ができた。
次に、上記の記録を行った領域にバイアス磁界を500K
Hzの周波数で変化させながら上記4通りで印加し、同時
に4mWのレーザービームを連続照射して記録を行った。
この結果、前に記録された700KHzの信号成分は検出さ
れず、オーバーライトが可能であることが確認された。
4通りの各記録の再生信号をオシロスコープで観察す
ると、第1と第3の記録再生信号はそれぞれ極性が反対
で信号振幅は約350mVであった。
また、第2と第4の記録再生信号はそれぞれ極性が反
対で振幅信号は約200mVであった。
これらの結果から4通りの記録はそれぞれ4通りの独
立の信号として再生可能(即ち4値記録が可能)である
ことがわかった。
次に、本実施例のディスクのカー回転角を第5図に示
す測定器により測定した。第5図において、半導体レー
ザー51からの光は検光子54を通過して、電磁石53に挟ま
れたディスク57にほぼ垂直に(約5度傾いて)入射、反
射される。反射光は検光子55を通過して光パワーメータ
ー52に達する。検光子54の回転位置と光パワーメーター
52の出力が、X−Yレコーダー56に記録される。
第1から第4の各記録状態に対応するカー回転角は次
のようにして測定する。第1の記録状態へは、電磁石53
によりディスクの記録膜の第1、第2磁性層を一方向に
磁化する。次に、第2磁性層だけが磁化反転する大きさ
(例えば2KOe)の磁界を反対方向に加える。
次に、検光子54を回転させながら、光パワーメーター
52の出力が極小になる位置を探す。
第2の記録状態へは、第1の記録と同方向に、両磁性
層を一方向に磁化すればよい。第3の記録状態へは第1
の記録と反対方向に、両磁性層を一方向に磁化した後、
第2磁性層の磁化だけを反転させる。
第4の記録状態へは、第2の記録と反対方向に両磁性
層を一方向に磁化すればよい。
それぞれの記録状態に対応する光パワーメーター出力
の極小位置(消光位置)を測定したところ、第1、第2
の記録状態は、第3、第4の記録状態と対称であって、
第1、第2、第3、第4それぞれの回転角は、+0.30
度、+0.20度、−0.30度、−0.2度となった(プラス、
マイナスの符号は便宜上付けた。アルミ反射膜での消光
位置を0度とする)。
上記実施例においては、第1及び第2磁性層の間に、
磁化を反平行にしようとする交換力が働く場合を示した
が、磁化を平行にしようとする交換力が働く場合に関し
ても同様に4値の記録が可能である。この場合、第1磁
性層は、第6図に保磁力の温度依性を示すように、室温
とそのキュリー温度TLとの間に補償温度を有するものと
する必要がある。また、第1及び第2の磁性層が希土類
−遷移金属合金で形成される場合、これらの磁性層は共
に希土類副格子磁化優勢(希土類リッチ)又は共に遷移
金属副格子磁化優勢(遷移金属リッチ)の材料から形成
される。
上記第6図々示の記録媒体を用いた場合の記録過程を
第7図の模式図に示す。記録前の磁化の状態は、eのよ
うに両磁性層とも上向きであっても、fのように両磁性
層とも下向きであっても良い。このような磁性層を有す
る記録媒体に、パワーPの光ビームを照射すると、磁性
層の温度が上昇する。そして、第1磁性層の補償温度T
COMPを越えたところで、第1磁性層の磁化が反転してg
或いはhに示す磁化状態になり、更に、第1磁性層のキ
ュリー温度TL付近の温度で第1磁性層の磁化がほとんど
消失する。この状態で外部からバイアス磁界HBLを上向
きに印加すると、第2の磁性層の磁化が上向きに配列さ
れる。そして、光ビームが通過して磁性膜のこの部分の
温度が下がると、第1磁性層に磁化が現われ、この方向
は第2磁性層からの交換力によりiに示すように下向き
に向けられる。更に温度が補償温度TCOMP以下に下がる
と、第1磁性層の磁化が反転して、mに示すような磁区
が形成される。
また、パワーPの光ビームを照射しながら、第2磁性
層からの交換力よりも大きいバイアス磁界HBHを上向き
に印加すると、jに示すように両磁性層ともに上向きに
配列される。そして、室温まで温度が下がると第1磁性
層の磁化が反転してnに示す状態となる。
バイアス磁界の方向が逆方向に印加されたときには、
磁化の方向は上記と反対になる。即ち、下向きに交換力
より小さいバイアス磁界HBLを印加した場合には、kに
示すように第2磁性層は下向きに配向され、第1磁性層
は交換力によって上向きとなる。そして、室温において
はoに示すように両磁性層共に下向きの磁化状態とな
る。一方、下向きに交換力よりも大きなバイアス磁界H
BHを印加した場合には、lのように両磁性層共に下向き
に配向され、更に室温においてpのような磁化状態とな
る。
上述のように、両磁性層の磁化が平行な状態で安定な
媒体を用いた場合でも、本発明の方法で4値の記録が可
能である。尚、第7図々示のプロセスにおいて、記録前
の状態がn又はpに示す状態であるときも、全く同様の
プロセスで4値の記録が行なわれることは明らかであ
る。即ち、本発明の方法は4値信号のオーバーライトを
可能とするものである。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、所定の特性を有する光磁
気記録媒体に対して、第2磁性層だけを一方向に磁化さ
せることが可能なバイアス磁界を加え、第1磁性層の低
いキュリー温度付近まで該媒体が昇温するだけのパワー
Pのレーザーを照射しながら、記録信号にしたがって、
バイアス磁界の極性及び大きさを次の4通りに制御し、
記録を行う方法によって、従来の2値記録と同じ記録再
生装置を用い、4値の記録を行うことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図A及び第1図Bは各々本発明の方法に用いられる
光磁気記録媒体の構成例を示す略断面図、第2図は本発
明の方法に用いられる光磁気記録再生装置の一例を示す
概略図、第3図は本発明の記録方法の一実施例を説明す
る為の模式図、第4図は第3図で説明した方法に用いら
れる磁性層の保磁力の温度特性を示す図、第5図はカー
回転角の測定器の構成を示す概略図、第6図は本発明に
用いることの出来る他の媒体における保磁力の温度特性
を示す図、第7図は第6図々示の媒体を用いた場合の記
録過程を示す模式図である。 1:プリグループ付の透光性基板、 2,3,4,5:磁性層、 6,7:保護層、 8:接着層、 9:貼り合わせ用基板、 31:記録再生ヘッド、 32:記録信号源、 33:再生回路、 35:光磁気記録媒体。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】垂直磁気異方性を示す第1の磁性層と、該
    第1の磁性層よりも高いキュリー温度及び室温における
    低い保磁力を有し、第1の磁性層と交換結合された第2
    の磁性層とから成り、前記それぞれの磁性層に働く交換
    力が第2の磁性層の保磁力よりも低い光磁気記録媒体を
    用いて、信号を記録する光磁気記録方法において、 前記媒体に、この媒体を第1の磁性層のキュリー温度付
    近まで加熱するパワーの光ビームを照射しながら、前記
    信号に応じて極性及び大きさが以下の4つの状態に変調
    されたバイアス磁界を印加することによって4値の記録
    を行なうことを特徴とする光磁気記録方法。 (a)バイアス磁界が、第2の磁性層の磁化を所定方向
    に配列し、第1の磁性層の磁化を第2の磁性層の磁化に
    対して安定な方向に配列させる第1の状態、 (b)バイアス磁界が、第1及び第2の磁性層の磁化を
    ともに所定方向に配列させる第2の状態、 (c)バイアス磁界が、第2の磁性層の磁化を前記所定
    方向とは反対方向に配列し、第1の磁性層の磁化を第2
    の磁性層の磁化に対して安定な方向に配列させる第3の
    状態、及び、 (d)バイアス磁界が、第1及び第2の磁性層の磁化を
    ともに所定方向とは反対方向に配列させる第4の状態。
  2. 【請求項2】前記第1及び第2の磁性層の間には、互い
    の磁化を逆方向に向けようとする交換力が働く請求項1
    に記載の光磁気記録方法。
  3. 【請求項3】前記第2の磁性層は、前記第1の磁性層の
    キュリー温度より高い補償温度を有する請求項1に記載
    の光磁気記録方法。
  4. 【請求項4】前記第1の磁性層は、室温とそのキュリー
    温度との間に補償温度を有し、且つ、第1及び第2の磁
    性層の間には、互いの磁化を同方向に向けようとする交
    換力が働く請求項1に記載の光磁気記録方法。
JP30755389A 1988-12-07 1989-11-29 光磁気記録方法 Expired - Fee Related JP2768514B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30755389A JP2768514B2 (ja) 1988-12-07 1989-11-29 光磁気記録方法
US07/446,416 US5163031A (en) 1988-12-07 1989-12-05 Method of recording tetra-value signal on magneto-optical recording medium with plural magnetic layers

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30786988 1988-12-07
JP63-307869 1988-12-07
JP30755389A JP2768514B2 (ja) 1988-12-07 1989-11-29 光磁気記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02289947A JPH02289947A (ja) 1990-11-29
JP2768514B2 true JP2768514B2 (ja) 1998-06-25

Family

ID=26565156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30755389A Expired - Fee Related JP2768514B2 (ja) 1988-12-07 1989-11-29 光磁気記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2768514B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995030986A1 (fr) * 1994-05-10 1995-11-16 Hitachi Maxell, Ltd. Support d'enregistrement magneto-optique, procede et appareil d'enregistrement et de reproduction

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02289947A (ja) 1990-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06119669A (ja) 光磁気記録媒体及びこれを用いた記録再生方法
US5163031A (en) Method of recording tetra-value signal on magneto-optical recording medium with plural magnetic layers
JP2986622B2 (ja) 光磁気メモリー素子およびその記録再生方法
JPS60236137A (ja) 同時消録型光磁気記録方式並びにそれに使用する記録装置及び記録媒体
JP2579631B2 (ja) 光磁気記録方法
JPH06180874A (ja) 光磁気記録媒体
US5265073A (en) Overwritable magneto-optical recording medium having two-layer magnetic films wherein one of the films contains one or more of Cu, Ag, Ti, Mn, B, Pt, Si, Ge, Cr and Al, and a method of recording on the same
JP3519293B2 (ja) 光磁気記録媒体、光磁気記録媒体の再生方法、光磁気記録再生装置
JPH0535499B2 (ja)
KR930008148B1 (ko) 광자기 기록장치
US5502692A (en) Method and apparatus for recording, reproducing and overwriting information on or from a magnetooptic disk having three magnetic layers
JP2703587B2 (ja) 光磁気記録媒体および記録方法
JP2768514B2 (ja) 光磁気記録方法
JP2790685B2 (ja) 光磁気記録方法
JPH09198731A (ja) 光磁気記録媒体
JPH02267754A (ja) 磁気光学記録媒体
JP2674815B2 (ja) 光磁気記録方法
JPH02156450A (ja) 光磁気記録装置
JP2555272B2 (ja) 光磁気記録再生方法
JP3126459B2 (ja) 光磁気記録方法および光磁気記録装置
JPH087885B2 (ja) 光磁気記録方法
JPH0522302B2 (ja)
KR100531274B1 (ko) 광자기 디스크
JPH0535493B2 (ja)
JPS63237242A (ja) 光磁気記録方式

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees