JP2768340B2 - 広帯域低周波送波器 - Google Patents

広帯域低周波送波器

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JP2768340B2 JP2577196A JP2577196A JP2768340B2 JP 2768340 B2 JP2768340 B2 JP 2768340B2 JP 2577196 A JP2577196 A JP 2577196A JP 2577196 A JP2577196 A JP 2577196A JP 2768340 B2 JP2768340 B2 JP 2768340B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広帯域低周波送波
器及びその駆動方法に関し、特に遠距離ソナー、海洋資
源探査等に用いて好適とされる、小型軽量で低周波、ハ
イパワー放射が可能な送波器の広帯域化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】低周波帯でハイパワー送波の可能な小型
軽量の送波器(水中超音波送波器)として、本発明者ら
は、特開平5-219588号公報(特願平4-22560)にて、図
5に示すような屈曲円板型送波器を提案している。
【0003】この屈曲円板型送波器は、主面に円形凹状
の窪みを形成した金属ディスク51の窪み内部に圧電磁器
を用いてなるアクティブ円板体50を嵌め込んだ2枚の円
板振動体の屈曲振動により音波の放射を行うものであ
る。この2枚の円板振動体は、同寸法、同型状で形成さ
れ、これら2枚の円板振動体を凸と凹で構成した金属デ
ィスクをつがいにして結合して構成されている。なお、
図5において、52はリング、53は保護板、54は外形廻り
をモールドするウレタン樹脂、55はボルトをそれぞれ示
している。この従来の屈曲円板型送波器の動作原理及び
構成の詳細は上記公報が参照される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の屈曲円板型
送波器では、アクティブ円板体と金属ディスクの複合体
である円板振動体の撓みモードにより、大変位および大
きな媒質排除力を得るもので、低周波送波器にも拘ら
ず、小型軽量化を達成でき、機動力に優れたものであ
る。
【0005】しかしながら、上記屈曲円板型送波器は、
その特徴でもある小型であるがため、放射面が小さく、
従って音響負荷が小さいために、帯域特性に限界があ
り、その帯域は、せいぜい10%〜20%にしかならなかっ
た。
【0006】従って、本発明の目的は、このような従来
の屈曲円板型送波器の問題点を解消し、小型軽量で低周
波帯において広帯域なハイパワー特性に優れた送波器を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、主面に円形凹状の窪み(「凹部」とい
う)が形成され同一径で厚さが互いに異なる第1及び第
2の金属ディスクの前記凹部に、圧電磁器からなる第1
及び第2のアクティブ円板体をそれぞれ嵌め込んで第1
及び第2の円板型振動体を構成し、前記アクティブ円板
体が嵌め込まれている側が、互いに外表面側となるよう
に前記第1及び第2の円板型振動体を凸及び凹型の金属
リングを介して接合して構成されたことを特徴とする屈
曲円板型の広帯域低周波送波器を提供する。
【0008】本発明に係る広帯域低周波送波器において
は、好ましくは、前記第1及び第2のアクティブ円板体
を構成する圧電磁器が、それぞれの分極方向が外表面に
対して互いに同方向を向くように配され、前記第1及び
第2のアクティブ円板体に印加する電圧の位相を逆相で
印加して駆動されることを特徴とする。
【0009】本発明に係る広帯域低周波送波器において
は、好ましくは、前記第1及び第2のアクティブ円板体
を構成する圧電磁器が、それぞれの分極方向が外表面に
対して互いに逆方向を向くように配され、前記第1及び
第2のアクティブ円板体に同位相の電圧を印加して駆動
されることを特徴とする。
【0010】さらに、本発明に係る広帯域低周波送波器
においては、前記第1及び第2の円板型振動体の厚み
を、それぞれの振動板による音響放射周波数特性が、そ
れぞれ最大値から約3dB〜6dB下がったところで交差す
るように、設定したことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明の送波器は、上記構造とすることによ
り、従来技術の問題点を改善し、上記目的を達成したも
のである。以下本発明の原理・作用を図面を参照して説
明する。
【0012】すなわち、圧電セラミックに電圧を印加す
ると円板型振動体は周辺支持の屈曲振動を起こす。この
時、2枚の円板型振動体の屈曲振動はそれぞれの厚さが
相違するので、異なった共振周波数となる。また、振動
の位相も、例えば圧電セラミック円板の分極方向が逆向
きの場合、同相電圧印加時には逆相で振動することにな
る。このような構成で2枚の円板型振動体の共振周波数
のずれが適当なずれになるように解析し、これらの厚さ
を設計すれば二重モードの振動体により広帯域化が図ら
れることになる。
【0013】図1(A)及び図1(B)は、本発明に係
る送波器の一例を示した平面図及び断面図である。図1
を参照して、本発明に係る送波器の構成及び動作原理に
ついて詳細に説明する。
【0014】図1において、符号30(30′)は圧電磁器
を用いてなるアクティブ円板体を示し、電圧あるいは電
流を入力することにより径ひろがり振動が励振されるも
のである。このアクティブ円板体30は、強力接着剤によ
り、Al(アルミニウム)合金など軽量で機械的強度の
大きい材料から形成されてなる金属ディスク31の外表面
部に設けられた円形凹状の窪み内部に嵌め込まれて接着
され、円板型振動体を形成している。
【0015】図1では、このようなアクティブ円板体3
0、30′が嵌め込まれた、厚さが互いに異なる円板型振
動体を2枚用意し、円板型振動体を構成する金属ディス
ク31、31′は、高強度な材料からなる凸リング32と凹リ
ング33を介して接着剤およびボルト締め34により接合さ
れている。
【0016】このとき、2枚のアクティブ円板体30、3
0′は、それぞれの共振周波数が異なるように、2枚の
円板型振動体の厚さを異なるようにすればよい。また、
2枚の円板型振動体の接合の際には、圧電磁器を用いて
なるアクティブ円板体(「圧電磁器アクティブ円板体」
ともいう)30、30′が互いに外表面側になるように配置
する。これは、静水圧下において、圧電磁器アクティブ
円板体30、30′に引張応力がかからないように配慮する
ものである。なお、図1には示していないが、実際に水
中で用いる際には、さらにその外形廻りを不図示のウレ
タン樹脂等でモールドを施している。
【0017】アクティブ円板体に電圧が印加され、アク
ティブ円板体がξ1だけ径方向に変位すると、2枚の金
属ディスク31、31′の接合部である凸リング部32と凹リ
ング部33が支持端となって、アクティブ円板体と金属デ
ィスクの複合体である円板型振動体はξ2だけ撓み変位
する。このとき、円板型振動体の撓み変位ξ2は、アク
ティブ円板体の径方向の変位ξ1に比べ拡大されてい
て、ξ2>ξ1となる。これが繰り返され、アクティブ円
板体と金属ディスク一体の複合円板型振動体は、屈曲振
動をすることになる。この屈曲振動により周辺の媒質排
除が行われ、音波が放射される。
【0018】次に、図1に示した本発明に係る送波器を
広帯域な特性とすべき駆動方法について説明する。図2
に、2枚の円板型振動体それぞれを個別に駆動した場合
の送波電圧感度Ssの周波数特性を示す。
【0019】2枚の円板型振動体は厚さが異なるため、
それぞれの共振周波数に差異が生じる。このとき、それ
ぞれの特性の交差する部分が、最大値より3dB〜6dB下
がったところになるように、個々の円板型振動体の厚さ
を設計する。
【0020】さらに、この2枚の円板型振動体を、互い
に逆相で駆動した場合の周波数特性を図3に示す。図3
からも明らかなように、2枚の円板型振動体を逆相駆動
することにより、帯域特性が約30%も改善されている。
【0021】円板型振動体を互いに逆相に駆動する方法
としては、図1(B)に示すように、アクティブ円板体
30の分極方向(矢印参照)を外表面に対して逆向きとし
て、同相電圧を印加する方法や、図4に示すように、ア
クティブ円板体30の分極方向を、外表面に対し同方向と
して、逆相電圧を印加する方法を用いることができる。
なお、2枚の円板型振動体を互いに同相で駆動した場合
には、個々の送波電圧感度特性Ssから、ほとんど帯域
に改善が見られず、帯域特性の中心部分にディップの入
った特性となってしまう。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して以下に詳細に説明する。
【0023】図1において、一方のアクティブ円板体30
の直径を150mmφ、厚さ5mm、金属ディスク31の直径を1
90mmφ、厚さ15mm、他方のアクティブ円板体30′の直径
を150mmφ、厚さ5mm、金属ディスク31′の直径を190mm
φ、厚さ18mm、挿入凸リング32及び凹リング33の内径を
180mm、外径190mm、2枚の円板型振動体の接合空間幅が
2mmとなるよう設計した。
【0024】アクティブ円板体30、30′にはジルコンチ
タン酸鉛系圧電磁器、金属ディスク31、31′にはアルミ
ニウム合金A7075−T6、挿入凹凸リング33、32に
はCr−Mo銅を用いて試作した。なお、この試作で
は、アクティブ円板体の分極方向は、外表面に対し、互
いに逆向きになるように配置した。
【0025】この送波器の水中における送波電圧感度周
波数特性を測定したところ、図3に示すように、最大送
波電圧感度が134[dB re lμPa at 1m/V]とされ、−
3dB帯域は約30%の広帯域特性が得られた。個々の円板
振動体の帯域は高々11%に過ぎず、従って本実施形態に
おいては、倍以上の帯域改善がなされたことになる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
数kHz以下の低周波帯において小型軽量で音響放射効率
に優れ、また帯域20%〜50%の広帯域でハイパワー送波
の可能な送波器を得ることができるという効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明に係る送波器の構成例を示す平面
図である。 (B)本発明に係る送波器の構成例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明に係る送波器の特性を示すグラフであ
る。
【図3】本発明に係る送波器の特性を示すグラフであ
る。
【図4】(A)本発明に係る送波器の他の構成例を示す
平面図である。 (B)本発明に係る送波器の他の構成例を示す断面図で
ある。
【図5】特開平5−219588号公報(特願平4−2
2560)に提案される屈曲円板型送波器の構成を示す
図である
【符号の説明】
30 アクティブ円板体 31 金属ディスク 32 凸リング 33 凹リング 34 ボルト

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主面に円形凹状の窪み(「凹部」という)
    が形成され同一径で厚さが互いに異なる第1及び第2の
    金属ディスクの前記凹部に、圧電磁器からなる第1及び
    第2のアクティブ円板体をそれぞれ嵌め込んで第1及び
    第2の円板型振動体を構成し、 前記アクティブ円板体が嵌め込まれている側が、互いに
    外表面側となるように前記第1及び第2の円板型振動体
    を凸及び凹型の金属リングを介して接合して構成された
    ことを特徴とする屈曲円板型の広帯域低周波送波器。
  2. 【請求項2】前記第1及び第2のアクティブ円板体を構
    成する圧電磁器が、それぞれの分極方向が外表面に対し
    て互いに同方向を向くように配され、前記第1及び第2
    のアクティブ円板体に印加する電圧の位相を逆相で印加
    して駆動されることを特徴とする請求項1記載の広帯域
    低周波送波器。
  3. 【請求項3】前記第1及び第2のアクティブ円板体を構
    成する圧電磁器が、それぞれの分極方向が外表面に対し
    て互いに逆方向を向くように配され、前記第1及び第2
    のアクティブ円板体に同位相の電圧を印加して駆動され
    ることを特徴とする請求項1記載の広帯域低周波送波
    器。
  4. 【請求項4】前記第1及び第2の円板型振動体の厚み
    を、それぞれの振動板による音響放射周波数特性が、そ
    れぞれ最大値から約3dB〜6dB下がったところで交差す
    るように、設定したことを特徴とする請求項1から3の
    いずれか一に記載の広帯域低周波送波器。
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