JP2766554B2 - シールド掘進機の余掘制御装置 - Google Patents

シールド掘進機の余掘制御装置

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JP2766554B2 JP32330090A JP32330090A JP2766554B2 JP 2766554 B2 JP2766554 B2 JP 2766554B2 JP 32330090 A JP32330090 A JP 32330090A JP 32330090 A JP32330090 A JP 32330090A JP 2766554 B2 JP2766554 B2 JP 2766554B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、回転するカッタヘッドに油圧ジャッキによ
り伸縮操作されるコピーカッタを装備したシールド掘進
機において、コピーカッタによる余掘範囲および余掘量
を設定パターンに合わせて制御する余掘制御装置に関す
る。
〔従来の技術〕
余掘範囲および余掘量を任意に設定できるように構成
された従来のシールド掘進機における余掘制御装置の代
表的な例としては、特開昭58−41195号に記載のよう
に、コピーカッタの回転位置(角度)を検出する第1検
出手段と、コピーカッタの伸縮開始位置(角度)を任意
に設定する第1設定手段と、前記第1検出手段により検
出されたコピーカッタの回転位置が前記第1設定手段に
より設定された伸縮開始位置に達したとき、コピーカッ
タを伸縮させる油圧ジャッキに伸長信号または縮小信号
を出力する第1出力手段と、コピーカッタの伸縮量を検
出する第2検出手段と、コピーカッタの伸縮量を任意に
設定する第2設定手段と、前記第2検出手段により検出
されたコピーカッタの伸縮量が前記第2設定手段により
設定された伸縮量に達したとき、前記油圧ジャッキに停
止信号を出力して油圧ジャッキの伸長状態または縮小状
態を保持する第2出力手段とを備えたものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、コピーカッタの伸長開始および縮小
開始をコピーカッタの実際の回転位置の検出により行
い、一方コピーカッタの伸縮停止をコピーカッタの実際
の伸縮量の検出により行うことで、設定された余掘範囲
と余掘量に合せて余掘制御することを意図したものであ
るが、本装置には次のような問題点がある。
(1) コピーカッタの設定された伸縮開始角度と実際
の余掘開始、終了角度との間にずれが生じ、しかもその
ずれ量が一定でない。
これの主な原因として次の3点が揚げられる。
a) リレー回路等の電気系統の応答の遅れ(100msec
程度) b) 電磁弁等の油圧系統の応答の遅れ(200msec程
度) c) 地山の抵抗、油圧配管の圧損などによりリリーフ
弁から作動油が逃げ、油圧ジャッキの伸縮速度が遅くな
る。
(2) ジャッキストロークが設定ストロークより伸
び、余掘量が大きくなる。
これの主な原因として次の3点が挙げられる。
a) リレー回路等の電気系統の応答の遅れ(100msec
程度) b) 電磁弁等の油圧系統の応答の遅れ(200msec程
度) c) 作動油中に気泡が混入している場合、電磁弁が停
止位置に切り換った後も、気泡の膨張により油圧ジャッ
キが伸長する。
第2図はこの余掘角度およびストロークのずれを模式
的に示したもので、設定されたジャッキ伸び開始点Sの
角度をθとすると、実際のジャッキ伸び開始点は前記
(1)項のa)+b)に相当する角度Δθs1だけ遅れ、
さらに前記(1)項のc)により角度Δθs2だけ遅れて
ジャッキストロークが目標ストロークLsに達し、設定さ
れたジャッキ伸び開始点Sとジャッキストロークが目標
ストロークLsに達する実際の余掘開始点S′とのずれ量
はΔθ=Δθs1+Δθs2となる。そして、ジャッキス
トロークが目標ストロークに達した後も前記(2)項の
a)+b)+c)に相当する遅れ分だけジャッキが伸長
し、目標ストロークとのずれ量はΔLsとなる。また、設
定されたジャッキ縮み開始点Eの角度をθとすると、
実際のジャッキ縮み開始点は前記(1)項のa)+b)
に相当する角度θe1だけ遅れ、さらに前記(1)項の
c)により角度θe2だけ遅れてジャッキストロークが0
となり、設定されたジャッキ縮み開始点Eとジャッキス
トロークが0となる実際のジャッキ縮み終了点E′との
ずれ量はΔθ=Δθe1+Δθe2となる。
前記(1),(2)項のa),b)による余掘角度およ
びストロークのずれ量を具体的に示すと、次のようであ
る。
シールド掘進機仕様シールド径;2,870mm、カッタ回転
数;1,8rpm、コピーカッタジャッキ推力;10.5t、同ジャ
ッキストローク;100mm(最大)、常用油圧;210kg/cm2
ジャッキ用ポンプ吐出量;15/min (1)項のa)+b)による角度ずれ量 約3゜ (2)項のa)+b)によるストロークずれ量約15mm 実際には、このような比較的定量的にとらえることが
できるずれ量に地山の抵抗、油圧配管の圧損あるいは作
動油中の気泡の影響などにより再現性がなく生じるずれ
量が加わり、余掘位置によって余掘角度およびストロー
クのずれ量と複雑に変化する。そのため、特にジャッキ
ストロークが目標ストロークに達する余掘開始角度、ジ
ャッキストロークが0となる余掘終了角度および余掘ス
トローク(余掘中の最大ストローク)について施行上厳
しい精度が要求される場合、上記従来技術では対応でき
なかった。
本発明は、余掘開始、終了角度および余掘ストローク
のずれ量に影響を及ぼす地山の抵抗、油圧配管の圧損、
作動油中の混入気泡などの外部環境が急激な変化を示さ
ない点に注目し、コピーカッタの1回転ごとに余掘開
始、終了角度および余掘ストロークの各目標値と実作動
値のずれ量を把握し、その各ずれ量に応じて次回転時、
油圧ジャッキを伸縮または停止させる電磁切換弁の切換
タイミングを変更することにより、余掘開始、終了角度
および余掘ストロークの実作動値を目標値に近付け、精
度の良い余掘制御が行えるようにすることを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、第
1図に示すように、コピーカッタの回転角度を検出する
カッタ回転角度検出手段と、油圧ジャッキ5のストロー
クを検出するジャッキストローク検出手段と、入力され
た余掘開始信号、余掘終了角度および余掘ストロークの
各目標値からこれら諸量の制御指令値を決め初期設定す
る制御指令値初期設定手段と、前記カッタ回転角度検出
手段により検出されたコピーカッタの回転角度が余掘開
始角度および余掘終了角度の各制御指令値に達したとき
にそれぞれジャッキ伸び動作信号およびジャッキ縮み動
作信号を出力する出力手段と、前記ジャッキストローク
検出手段により検出された油圧ジャッキ5のストローク
が余掘ストロークの制御指令値に達したときにジャッキ
伸び停止信号を出力する出力手段と、余掘動作中の前記
カッタ回転角度検出手段からの回転角度計測値および前
記ジャッキストローク検出手段からのストローク計測値
を対応させて記憶する計測値記憶手段と、余掘開始角
度、余掘終了角度および余掘ストロークの各目標値と実
作動でこれら諸量の計測値とのずれ量をコピーカッタの
1回転ごとに算出し、その各ずれ量に応じて前記各目標
値を補正したものを次回転での制御指令値として設定す
る第1の制御指令値補正手段と、前記各出力手段からの
出力信号により油圧回路を切り換え、油圧ジャッキ5を
伸縮または停止させる電磁切換弁15とを備えたことを特
徴とする。
請求項2記載の発明は、前記第1の制御指令値補正手
段に代えて、カッタ回転角度とジャッキストロークをパ
ラメータとする余掘軌跡上のジャッキ伸び動作信号出力
点をA、ジャッキ伸び開始計測点B、ジャッキ伸び停止
信号出力点をC、電磁切換弁が閉となる点をD,D点と同
一角度上でD点以降に計測された最大ストローク値と同
一のストローク値をもつ仮想のジャッキ伸び終了点を
D′とし、A,B,C,D′各点を結ぶベクトルを▲▼,
▲▼,▲▼′とするとき、 ▲▼=▲▼ ▲▼=CD′ ▲▼=β×▲▼ で表わされる固定ベクトル▲▼,▲▼と補正ベ
クトル▼を用いて、D′点を余掘開始制御目標点に
合せたときのa点およびc点の座標値をベクトル演算に
より求め、また、余掘軌跡上のジャッキ縮み動作信号出
力点をG、ジャッキ縮み開始計測点をH、ジャッキ縮み
終了計測点をIとし,G,H,I各点を結ぶベクトルを▲
▼,▲▼とするとき、 ▲▼=▲▼ ▲▼=β×▲▼ で表わされる固定ベクトル▲▼と補正ベクトル▲
▼を用いて、I点を余掘終了制御目標点に合わせたと
きのg点の座標値をベクトル演算により求め、上記a,c,
g各点の座標値より次回転での余掘開始、終了角度およ
び余掘ストロークの各制御指令値を決定する第2の制御
指令値補正手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項3記載の発明は、前記ベクトル▲
▼,▲▼,▲▼,▲▼の少々なくとも一つ
をしきい値と比較し、ベクトルの大きさがしきい値より
逸脱した場合、異常と判断する異常検出手段を備えたこ
とを特徴とする。
〔作用〕
以下の説明に用いる記号を次のように定義する。
θs;余掘開始角度目標値 θe;余掘終了角度目標 Ls;余掘ストローク目標値 γ(i);余掘開始角度計測値 γ(i);余掘終了角度計測値 Lr(i);余掘ストローク計測値 Δθ(i);余掘開始角度ずれ量 Δθ(i);余掘終了角度ずれ量 ΔLs(i);余掘ストロークずれ量 α(i);余掘開始角度制御指令値 α(i);余掘終了角度制御指令値 Js(i);余掘ストローク制御指令値 limΔθ;余掘開始、終了角度の補正限界値 limΔLs;余掘ストロークの補正限界値 まず、請求項1記載の発明について作用を説明する。
余掘開始角度、余掘終了角度および余掘ストロークの
各目標値θse,Lsが入力されると、制御指令値初期設
定手段cにより、これら目標値θse,Lsが制御指令値
α(i),α(i),Js(i)として初期設定され
る。
第1回転目の制御では、カッタ回転角度検出手段aに
より検出された回転角度が上記制御指令値α(i)に
達したとき、ジャッキ伸び動作信号が出力手段dから出
力され、ジャッキストローク検出手段bにより検出され
たストロークが上記制御指令値Js(i)に達したとき、
ジャッキ伸び停止信号が出力手段fから出力される。そ
して、カッタ回転角度検出手段aにより検出された回転
角度が上昇制御指令値α(i)に達したとき、ジャッ
キ縮み動作信号が出力手段から出力される。
これにより、第1回転目の余掘状態は第2図のように
なる(ただし、θは余掘開始角度目標値、θは余掘
終了角度目標値と読み替える)。
第1回転目の余掘終了後、制御指令値補正手段hは次
の補正演算を行う。
(1) 計測値記録手段gに蓄えられた余掘作動中のカ
ッタ回転角度およびジャッキストロークの計測値に基づ
き、余掘開始角度、余掘終了角度および余掘ストローク
の各目標値と実作動でのこれらの諸量の計測値とのずれ
量を算出する。
Δθ(i)=θ−γ(i) Δθ(i)=θ−γ(i) ΔLs(i)=Ls−Lr(i) (2) 算出したずれ量を次回転での補正値とする。
第2回転目以降の制御では、補正値として毎回のずれ
量の総和をとる。
(3) 目標値と補正値の和を求め、この補正された目
標値の次回転での制御指令値とする。
この補正された目標値を制御指令値として行われる第
2回転目以降の余掘状態を第3図に示す。
すなわち、ずれ量Δθ(i),Δθ(i),ΔLs
(i)の中で、再現性がなく生じるずれ量の要因として
考えられる地山の抵抗、油圧配管の圧損、作動油中の気
泡の影響などは急激に変化するものでないため、上記の
ような毎回のずれ量により目標値を補正したものを次回
転での制御指令値とすることで、余掘制御の精度を上げ
ることができる。
なお、以上は本装置の基本動作について述べたもので
あって、上記の補正演算では、(1)制御系の機械的誤
差などを考慮し、ずれ量が要求精度を満たす所定範囲内
にある場合は補正値を変更しない、 (2)地山の抵抗によりジャッキが伸びなかった場合な
どの異常事態に対処するために補正限界値limΔθ,lim
ΔLsを定め、限界値を超える補正は行わない等の特例を
設けることができる(詳細後述)。
次に、請求項2記載の発明について作用を説明する。
第14図にカッタ回転角度とジャッキストロークをパラ
メータとする余掘軌跡の実測例を示す。本図に示すよう
に、カッタ回転角度が余掘開始角度の制御指令値に達す
ると、ジャッキ伸び動作信号がコントローラから出力さ
れる。しかし、信号伝送の遅れや油圧回路の電磁切換弁
の動作遅れにより、ある遅れ時間後にジャッキ伸び開始
が計測される。次に、ジャッキストロークが余掘ストロ
ークの制御指令値に達すると、ジャッキ伸び停止信号が
コントローラから出力される。しかし、ここでも信号伝
送の遅れや電磁切換弁の動作遅れがあるため、電磁切換
弁が閉になるまでに遅れが生じる。また、電磁切換弁が
閉になった後も、油圧配管内の残留圧力等によりジャッ
キストロークが徐々に伸びる場合が多い。カッタ回転角
度が余掘終了角度の制御指令値に達したときも、ジャッ
キ縮み動作信号が出力された後、ある時間遅れてジャッ
キ縮み開始が計測される。
請求項2の記載の発明は、このような実情にかんが
み、余掘軌跡を角度成分とストローク成分をもつ複数の
ベクトルで表わし、これを地山の変化等に応じて補正す
るベクトルと補正しないベクトルに分けて、余掘開始、
終了角度と余掘ストロークをそれぞれの目標値と合せる
ように、次回転での制御指令値をベクトル演算により求
めようとするものである。
第15図は第14図の余掘軌跡をベクトルで表わしたもの
で、ジャッキ伸び動作では、伸び動作信号出力点をA、
伸び開始計測点をB、伸び停止信号出力点をC、電磁切
換弁が閉になる点をD,D点以降で最大ストローク値が計
測された点をFとし、A,B,C,D各点を結ぶベクトルを▲
▼,▲▼,▲▼とする。また、ジャッキ縮
み動作では、縮み動作信号出力点をG、縮み開始計測点
をH、縮み終了計測点(ストローク=0)はIとし、G,
H,I各点を結ぶベクトルを▲▼,▲▼とする。
ジャッキ伸び開始および伸び停止時に、信号伝送の遅
れや電磁切換弁の動作遅れにより生じる遅れ角αはほぼ
一定と考えられるる。したがって、D点の角度値は▲
▼で計測された角度成分から決定することができる。
標準的な余掘軌跡では、D点で最大ストローク値を計測
できるが、実際には、前述のようにD点よりかなり後
(F点)で最大ストローク値が計測される場合が多くあ
る。この場合、F点は最大ストローク値を求める点であ
るが、F点をジャッキ伸び終了点とすると、制御上問題
が生じる。すなわち、D点とF点のストローク差がたか
だか数mmである場合、F点を余掘開始の制御目標点Sに
合わせるように次回転での制御指令値(余掘開始角度お
よび余掘ストローク)が補正すると、余掘範囲が大きく
なりすぎてしまう。このため、請求項2記載の発明で
は、D点と同一角度上にストローク値をF点の最大スト
ローク計測値と同一にとった仮想のジャッキ伸び終了点
D′をつくり、このD′点を制御目標点Sに合せるよう
に次回転での制御指令値を補正することにした。
C,D′2点間を結ぶベクトルを▲▼′とし、カッ
タ回転速度および地山の急激な変化がないものとすれ
ば、次回転でも▲▼,▲▼′は不変と考えるこ
とができるので、第16図に示すように、 ▲▼=▲▼ ▲▼=▲▼′ ▲▼=β×▲▼ で表わされる固定ベクトル▲▼,▲▼と補正ベ
クトル▲▼を用い、D′点を制御目標値Sに合せた
ときの伸び動作信号出力点a座標および伸び停止信号出
力点c座標を次に託すベクトル演算により求める。
伸び動作信号出力点a座標=制御目標点S座標 +▲▼+▲▼+▲▼ 伸び停止信号出力点c座標=制御目標点S座標 +▲▼ 同様の考え方をジャッキ縮み動作にも適用し、第15図
において、 ▲▼=▲▼ ▲▼=β×▲▼ で表わされる固定ベクトル▲▼と補正ベクトル▲
▼を用い、I点を余掘終了の制御目標点Eに合わせた
ときの縮み動作信号出力点g座標を次に記すベトクル演
算により求める。
縮み動作信号出力点g座標=制御目標点E座標 +▲▼+▲▼ 以上により求めたa点座標、g点座標の角度成分およ
びc点座標のストローク成分をそれぞれ次回転での余掘
開始、終了角度および余掘ストロークの制御指令値とし
て設定する。
このように制御指令値補正演算において補正ベクトル
▲▼,▲▼を用いることにより、余掘軌跡上の
最大ストローク値と目標ストローク値との差に対応した
余掘ストローク指令値と余掘開始角度指令値の両方の補
正ができる。つまり、次回転時のジャッキストロークを
長くする場合には、それに応じて伸び動作信号出力点
a、縮み動作信号出力点gの角度を進め、ジャッキスト
ロークを短くする場合も、それに応じて伸び動作信号出
力点a縮み動作信号出力点gの角度を遅らせるといった
適応制御も可能となる。
請求項3記載の発明は、余掘軌跡を表わす前記ベクト
ル▲▼,▲▼,▲▼,▲▼の変化を監
視することで、制御の異常を検出する自己診断機能を付
加したものである。診断例としては、ベクトル▲
▼,▲▼の異常な変化からジャッキ油圧系の異常
(バルブ動作不良、作動油中のごみの影響等)を検出し
たり、ベクトル▲▼,▲▼の異常な変化から地
山の状態の急激な変化、コピーカッタの推力不足等を検
出したりすることができる。後述のように、カッタ回転
速度の変動等の他の条件と組み合せれば、さらに細かい
異常原因の分析ができる。
〔実施例〕
まず、請求項1に対応する本発明の第1実施例を第4
図〜第13図を用いて説明する。
第4図は本発明の余掘制御装置を備えたシールド掘進
機の要部断面図である。本図に示すように、カッタヘッ
ド1はシールド本体2の前部に設置され、シールド本体
2に旋回ベアリング3を介して回転自在に支持されてい
る。4はカッタヘッド1に装備されたコピーカッタで、
カッタヘッド1内に設置された油圧ジャッキ5により伸
縮操作されるようになっている。油圧ジャッキ5は回転
継手6を介してシールド本体2内に設置された図示しな
い油圧源に接続されている。カッタヘッド1はシールド
本体2側に設置した駆動装置7とカッタヘッド1側に設
けた減速ギヤ8によりシールド本体2に対して回転させ
られ、これに伴いコピーカッタ4はカッタヘッド1と一
体になって回転する。このコピーカッタ4の回転角度を
検出するために前記減速ギヤ8から回転を伝達される回
転角度検出計9がシールド本体2側に設置されており、
その出力値はカッタヘッド1と同一角速度で回転するよ
うになっている。この回転角度検出計9の出力軸には、
コピーカッタ4の回転位置(角度)を電気信号に変換す
るシンクロ発進機10が連結されている。この回転角度検
出計9とシンクロ発進機10は前記カッタ回転角度検出手
段を構成する。
第5図は本発明による余掘制御装置のシステム構成の
一例を示す。本図に示すように、前記油圧ジャッキ5の
油圧回路は油タンク12、油圧ポンプ13、リリーフ弁14、
電磁弁切換弁15、油圧配管16,17からなっている。電磁
切換弁15は油圧ジャッキ5の伸縮、停止を制御する3位
置切換弁であって、ソレノイドSOL1が励磁されたときは
a位置に切り換わり、リリーフ弁14で圧力調整された圧
力油を配管16により油圧ジャッキ5のヘッド側に供給し
て油圧ジャッキ5を伸び動作させ、ソレノイドSOL2が励
磁されたときはb位置に切り換わり、圧力油を配管17に
より油圧ジャッキ5のロッド側に供給して油圧ジャッキ
5を縮み動作させる。電磁切換弁15の図示の位置では、
油圧ジャッキ5は停止し、伸長状態または縮小状態に保
持される。コピーカッタ4は油圧ジャッキ5の伸長状態
ではカッタヘッド1から突き出され、縮小状態ではカッ
タヘッド1内に引き込まれるようになっている。
油圧ジャッキ5はジャッキストロークの絶対値を検出
するストロークセンサ11を内臓したアブソリュート型の
油圧ジャッキであって、ストロークセンサ11は前記ジャ
ッキストローク検出手段を構成する。ストロークセンサ
11からのアナログ信号は前記回転継手6に内蔵したスリ
ップリングを通りA/D変換器18によりディジタル信号に
変換して制御用計算機20に入力され、一方、前記シンク
ロ発進機10からのアナログ信号はA/D変換器19によりデ
ィジタル信号に変換して制御用計算器20に入力される。
制御用計算機20としては、例えばキーボード、ハード
ディスク、画像表示器(CRT)などを装備し、内臓した1
6ビットマイクロプロセッサにより制御演算を実行する
パーソナルコンピュータが使用される。ここでは、制御
用計算機20はシールド機内の運転室に設置されており、
地上の中央コントロール室に設置された図示しない外部
制御装置(シールド方向制御装置)から余掘開始、終了
角度および余掘ストロークの目標値をオンラインで入力
されるものとする。これらの外部制御装置からの入力信
号はRS−232C等の直列伝送方式により入出力ボード21を
介して制御用計算機20に受信し、また実作動での余掘開
始、終了角度および余掘ストロークなどの計算値は同じ
く入出力ボード21を介して制御用計算機20から外部制御
装置へ送信する。また、A/D変換器18,19からの計測信号
およびシーケンサ22への制御信号は制御用計算機20内の
入出力ユニットを介して入、出力される。シーケンサ22
は、制御用計算機20から出力されるジャッキ伸び動作信
号、ジャッキ伸び停止信号、ジャッキ縮み動作信号など
の制御信号に応じて電磁切換弁15のソレノイドSOL1,SOL
2の通電を制御する。
本例は外部制御装置から制御用計算機20に余掘制御の
目標値をオンラインで入力し、自動運転に対応できるよ
うにしたものであるが、目標値の入力はキーボードで行
ってもよい。また、本例ではストローク検出をジャッキ
内蔵センサ11で行っているが、それほど精度を必要とし
ない場合には、油圧配管の途中に設けた流量計によりス
トローク検出を行ってもよい。
第6図は予備として従来の手動操作による余掘カッタ
操作盤23を併設し、手動自動切換スイッチ24により坑内
での手動操作と中央コントロール室からのオンライン入
力による自動運転の選択が可能なようにした他の例を示
す。前記余掘カッタ操作盤23は本明細書に従来技術とし
て記載したもので、シンクロ発信機10からの回転角度信
号と油圧配管16に設置した流量計25からのストローク信
号を入力し、カッタ回転位置が設定された伸縮開始位置
に達したときジャッキ伸長信号または縮小信号を出力
し、ジャッキ伸縮量が設定された伸縮量に達したときに
ジャッキ停止信号を出力するように構成されている。
制御用計算機20で実行されるプログラムをフローチャ
ートで示すと第7図および第8図に示すようになる。以
下、このフローチャートに従って本実施例の作用を説明
する。
第7図において、プログラムがスタートすると、制御
用計算機20はまず目標値θse,Ls,を入力し、ステッ
プ101でθse,Ls,をそれぞれ第1回転目の制御指令値
α(i),α(i),Js(i)として初期設定す
る。なお、目標θse,Lsに対し事前に補正量を予測
し、その補正値を目標値に加味した値を制御指令値とし
初期設定しても良い。次にカッタ回転角度およびジャッ
キストロークの計測値を入力し、ステップ102でカッタ
回転角度が制御指令値α(i)に達したかどうかを判
断し、YESならばステップ103でジャッキ伸び動作信号シ
ーケンサ22へ出力し、油圧ジャッキ5の伸び動作を開始
させる。続いて、ステップ104でジャッキストロークが
制御指令値Js(i)に達したかどうかを判断し、YESな
らばステップ105でジャッキ伸び停止信号をシーケンサ2
2へ出力し、油圧ジャッキ5の伸びを停止させる。続い
て、ステップ106でカッタ回転角度が制御指令値α
(i)に達したかどうかを判断し、YESならばステッ
プ107でジャッキ縮み動作信号をシーケンス22へ出力
し、油圧ジャッキ5の縮み動作を開始させる。さらに、
ステップ108でジャッキストロークが0になったかどう
かを判断し、YESならばステップ109でジャッキ縮み停止
信号をシーケンサ22へ出力し、油圧ジャッキ5を縮小状
態に保持する。
第1回転目の制御では、目標値θse,Lsを制御指令
値α(i),α(i),Js(i)としてステップ102
〜109の判断処理が行われる。この間、実作動でのカッ
タでの回転角度およびジャッキストロークの計測値は制
御用計算機20内のハードディスク等に対応させて収録し
ておく。
次に、第1回転目の余掘終了後の制御指令値補正ルー
チンを第8図により説明する。
第1回転目の余掘終了後、ステップ110で目標値θs,
θe,Lsと計測値γ(i),γ(i),Lr(i)のず
れ量Δθ(i),Δθ(i),ΔLs(i)を算出す
る。ステップ111,113,115では算出されたずれ量Δθ
(i),Δθ(i),ΔLs(i)が要求精度を満たす
所定範囲内の値かどうかをチェックし、YESの場合はそ
れぞれのずれ量を0とし(ステップ112,44,116)、NOの
場合は算出されたずれ量をそのままとする。また、ステ
ップ117では余掘ストローク計測値Lr(i)が余掘スト
ローク指令値Js(i)に達しなかったかどうかをチェッ
クし、YESの場合はΔLs(i)=0とし(ステップ11
8)、NOの場合は算出されたずれ量ΔLs(i)をそのま
まとする。
このようなステップ110で算出され、ステップ111〜11
8でチェックの結果により修正されたずれ量Δθ
(i),Δθ(i),ΔLs(i)を用いて、ステッ
プ119で を求める。
続いて、ステップ120,122,124で上記各補正値が補正
限界値limΔθs,limΔθe,limΔLsを超えているかどう
かをチェックし、YESの場合は各補正値を限界値として
(ステップ121,123,125)、NOの場合は各補正値をその
ままとしてステップ126へ進み、目標値θse,Lsから次回転での制御指令値α(i),α(i),Js
(i)を算出する。
上記の補正ルーチンを経て再び第7図に戻り、ステッ
プ127で目標値変更の有無を判断し、ステップ128で余掘
作業終了か否かを判断する。目標値変更がなく、余掘続
行であればステップ102に戻り、それ以降のサイクルを
繰り返すことにより、前記補正された目標値を次回転で
の制御指令値として第2回転以降の制御が行われる。
目標値が変更された場合はステップ127からステップ1
01に戻り、新たに初期設定された制御指令値により再び
第1回転目から制御が行われる。また、余掘作業終了の
入力があった場合はステップ128で制御終了となる。
第7図,第8図において、ステップ101は前記制御指
令値初期設定手段に、ステップ102,103は前記ジャッキ
伸び動作信号出力手段に、ステップ104,105は前記ジャ
ッキ伸び停止信号出力手段にステップ106,107は前記ジ
ャッキ縮み動作信号出力手段に、またステップ110〜126
は前記第1の制御指令値補正手段にそれぞれ対応する。
第9図のこのフローチャートに従って油圧ジャッキ5
を動作させた場合の標準的な制御パターンにおけるジャ
ッキ動作軌跡と電磁切換弁15のソレノイド励磁状態を対
応させて示したもので、図中、Sは目標設定された余掘
開始点、S′は、実際の余掘開始点、Eは目標設定され
た余掘終了点、E′は実際の余掘終了点である。
本図に示すように1回転ごとに生じたずれ量Δθ
(i),Δθ(i),ΔLs(i)により目標値θs,
θe,Lsを補正したものを次回転での制御指令値α
(i),α(i),Js(i)とすることで、第2回
転目以降のずれ量を小さくするように制御が働くため、
この間に地山の抵抗の変化などが多少あっても、補正を
しない場合に比べ余掘パターンは設定パターンに近付
き、余掘精度が向上する。
本図の第3回転目はジャッキストロークが目標ストロ
ークに達しなかった場合であるが、この場合は余掘動作
中の計測データよりジャッキ伸び速度を演算し、その速
度で目標ストロークに達した場合の余掘開始角度のずれ
量(図中のΔθ(3))を求め、補正値に加える。
また、本図の第4回転目のように余掘開始角度、余掘
終了角度、余掘ストロークのずれ量が小さく、要求精度
を満たす所定範囲内の値と判断された場合は、前に述べ
たように補正値の変更は行わない。具体例を示せば、 −5mm<ΔLs(i)<+5mm→ΔLs(i)=0 −5゜<Δθ(i)<+5゜→Δθ(i)=0 −5゜<Δθ(i)<+5゜→Δθ(i)=0 とする。これは、制御誤差に制御系の機械的誤差が含ま
れていることを考慮し、制御の安定化を図ったものであ
る。
第10図に上記以外の特殊な制御パターンを示し、それ
ぞれ対応する処置について述べる。
本図の第m回転目のように余掘開始角度のずれ量Δθ
(m)が異常に大きくなり、その結果、次回転での開
始角度補正値が補正限界値limΔθを超える場合は、
前に述べたようにその限界値を補正値とする。具体例を
示せば、 とする。余掘終了角度についても同様である。これは、
地山の抵抗によりジャッキ伸び(または縮み)動作に異
常に時間を要した場合を想定し、制御対象外としたもの
である。
余掘ストロークについては、図示例のように目標スト
ロークに達しなくてもジャッキ伸び動作停止の制御指令
値に達した場合には、目標値とのずれ量(図中のΔL
s(m)を補正値に加えるが、制御指示値までストロー
クが伸びない場合はΔLs(m)=0とし、新たな補正は
行わない。これは、地山が異常に硬く、ジャッキが伸び
なかったものと認識し、制御対象外としたものである。
また、第n回転目のように余掘ストロークが目標スト
ロークに対して異常に大きくなり、その結果、次回転で
のストローク補正値が補正限界値limΔLsを超える場合
も、前述のようにその限界値を補正値とする。具体例を
示せば、 とする。
なお、これらの補正条件については必要に応じて改変
することができる。
上記実施例ではカッタ1回転で1パターンの余掘の行
う場合について説明したが、第11図に示すようにカッタ
1回転で左右二つのパターンの余掘を行う場合にも、そ
れぞれのパターンごとに目標値を設定し、処理すること
で対応できる。
また、上記実施例は、ジャッキストロークが目標スト
ロークに達する点を余掘開始点、ジャッキストロークが
0になる点を余掘終了点とした場合であるが、必ずしも
これに限定するものではなく、施工上の要求により、ジ
ャッキ伸び開始点を余掘開始点、ジャッキ縮み開始点を
余掘終了点とする場合、あるいはジャッキストロークが
目標ストロークに達する点を余掘開始点、ジャッキ縮み
開始点を余掘終了点とする場合などでも、本発明の効果
には変わりがない。
さらに本発明の余掘制御装置では、制御用計算機20の
画像表示機能を利用して余掘管理上必要なデータを種々
な形態で表示することができる。
第12図は余掘軌跡26と目標値、計測値、ずれ量の数値
データ27および状態表示メッセージ28を画像表示した
例、第13図は設定パターン29と動作パターン30を画像表
示した例である。
次に、請求項2に対応する本発明の第2実施例につい
て説明する。
本実施例のハード構成については、第4図〜第6図お
よび前述した各図の説明を引用し、第1実施例とは異な
る余掘制御のソフトウェアについて、第17図および第18
図により説明する。
第17図は、第4図およひ第5図の制御用計算機(コン
トローラ)20で実行される余掘制御プログラムの基本フ
ローチャートである。第17図において、プログラムがス
タートすると、ステップ201で外部制御装置から入力さ
れた余掘開始、終了角度および余掘ストロークの目標値
を読み込む。ステップ202では、入力された目標値から
制御の要否を判断する。ここで、目標値が0であれば、
マニュアル操作と判断してステップ209〜211を実行し、
目標値が0でなければ、制御要と判断してステップ203
〜208を実行する。ステップ203では入力された目標値を
前回の目標値と比較し、新しい目標値てあれば、ステッ
プ204であらかじめ設定された補正値により初期補正を
行い、新しい目標値でなければ、ステップ205で前回の
余掘軌跡より算出された制御ポイント(第15図のA〜
I)の座標値と入力された目標値から、前記〔作用〕の
項に示した演算式により伸び動作信号出力点a、伸び停
止信号出力点c、縮み動作信号出力点gの各座標値を求
める制御指令値補正演算を行う。ステップ206では、ス
テップ204または205で算出した値を次回転時(本図では
今回の制御に相当する)の制御指令値として設定する。
ステップ207でカッタ回転位置がa〜i間でないことが
確認されると、ステップ208で今回設定された制御指令
値を基にして余掘制御が行われる(第18図参照)。ステ
ップ202でマニュアル操作と判断された場合は、ステッ
プ209でマニュアル操作による余掘軌跡の計測を行い、
ステップ210で1回転の計測終了を確認した後、ステッ
プ211で計測結果を外部制御装置へ出力する。
第18図はステップ208において実行される余掘制御の
詳細フローを示す。第18図において、プログラムがスタ
ートすると、ステップ212で今回設定された制御指令値
(第16図のa,b,c,g各座標値)を読み込む。ステップ21
3,214では、カッタ回転角度計測値をa点の回転角度
(余掘開始角度指令値)と比較し、カッタ回転位置がa
点を過ぎた時点でジャッキ伸び動作信号を出力する(ス
テップ215)。カッタ回転位置がa点で過ぎると、ステ
ップ216,217でストローク計測値をc点のストローク値
(余掘ストローク指令値)と比較し、ストローク計測値
がc点のストローク値に到達した時点でジャッキ伸び停
止信号を出力する(ステップ218)。ストローク計測値
がc点のストローク値以上になると、ステップ219,220
でカッタ回転角度計測値をg点の回転角度(余掘終了角
度指令値)と比較し、カッタ回転位置がg点を過ぎた時
点でジャッキ縮み動作信号を出力する(ステップ22
1)。そして、カッタ回転位置がg点を過ぎると、ステ
ップ222,223でストローク計測値をi点のストローク値
(=0)と比較し、ストローク計測値が0になった時点
でジャッキ縮み停止信号を出力する(ステップ224)。
その後、ステップ225で今回の余掘軌跡計測データから
制御ポイント(第15図のA〜I)の座標値を算出する。
ステップ226でジャッキ縮み停止信号が出力されたこと
から制御終了を判断する。
ステップ225で算出されたA〜I点の座標値は、次回
転時の制御指令値補正演算および後述する余掘制御自己
診断に用いられる。
第17図、第18図において、ステップ204,206は前記制
御指令値初期設定手段に、ステップ205,225は前記第2
の制御指令値補正手段に、ステップ213〜215は前記ジャ
キ伸び動作信号出力手段に、ステップ216〜218は前記ジ
ャッキ伸び停止信号出力手段に、ステップ219〜221は前
記ジャッキ縮み動作信号出力手段にそれぞれ対応してい
る。
請求項3に対応する本発明の第3実施例として、余掘
制御自己診断フローの一例を第19図に示す。
プログラムがスタートすると、ステップ301で余掘開
始、終了角度および余掘ストロークの各計測値が所要の
制御精度を満たしているか否かを判断し、満たしていな
い場合は、ステップ302,306,310で余掘軌跡上のベクト
ル▲▼,▲▼,▲▼をしきい値と比較し、
これらベクトルの異常変化の有無を判断する。例えば、
▲▼の角度成分のバラツキが4゜以上あったとき
は、カッタ回転速度の変動が±10%以上か否かにより、
「カッタ負荷過大」または「バルブ動作が不安定」のワ
ーニング表示を指令する(ステップ303〜305)。同様
に、▲▼の角度成分のバラツキが4゜以上あったと
きも、カッタ回転速度の変動が±10%以上か否かによ
り、「カッタ負荷過大」または「バルブ動作が不安定」
のワーニングが表示を指令する(ステップ307〜309)。
または、▲▼のストローク成分のバラツキが±20%
以上あったときは、カッタ回転速度の変動が±10%以上
か否かにより、「地山が硬く、変化が激しい」または
「コピーカッタの推力不足」のワーニング表示を指令す
る(ステップ311〜313)。そして、ステップ314で指令
されたワーニング表示を行う。
第19図において、ステップ302,306,310は前記異常検
出手段に対応している。
〔発明の効果〕
請求項1記載の発明によれば、前回転時の余掘開始角
度、余掘終了角度および余掘ストロークの目標値と実作
動値のずれ量により目標値を補正したものを次回転時の
制御指令値として油圧ジャッキを伸縮または停止させる
電磁切換弁の切換タイミングを変更するように構成され
ているため、比較的定量的に把握できるずれ量および再
現性がなく生じるずれ量のいずれにも対応でき、従来技
術では期待できなかった精度の良い余掘を行うことがで
きる。これにより、過剰な余掘から生じる地盤沈下を防
止できるとともに、カーブ施工の精度向上が図れる。
また、本発明によれば、油圧サーボ機構などを使わ
ず、従来の油圧装置を大きく変えることなく、簡単で安
価な装置により余掘精度を向上させることができる。
請求項2記載の発明によれば、余掘軌跡上の電磁切換
弁が閉となる点と同一角度上でその点以降に計測された
最大ストローク値と同一のストローク値をもつ点を仮想
のジャッキ伸び終了点とし、このジャッキ伸び終了点を
制御目標点に合せるように次回転での余掘開始角度およ
び余掘ストロークの制御指令値の補正が行われるため、
電磁切換弁が閉になった後、配管内残留圧力の影響等に
よりジャッキストロークが伸び、かなり遅れて最大スト
ローク値が計測される場合でも、次回転時の余掘範囲が
大きくなりすぎることを防止でき、また、制御指令値補
正演算において補正ベクトル▲▼,▲▼を用い
ることにより、余掘軌跡上の最大ストローク値と目標ス
トローク値との差に対応した余掘ストローク指令値と余
掘開始、終了角度指令値の両方の補正ができるので、制
御指令値の正確な補正ができるようになり、その結果、
より応答性が良く、精度の高い余掘制御を行うことが可
能になる。
また、請求項3記載の発明によれば、余掘軌跡を表わ
すベクトル▲▼,▲▼,▲▼,▲▼の
異常変化からジャッキ油圧系の動作不良や地山の急激な
状態変化等の異常を検出できるので、異常発生時に適切
な対応処置を講じることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のクレーム対応図、第2図および第3図
の余掘制御の説明図、第4図は本発明の余掘制御装置を
備えたシールド掘進機の要部断面図、第5図および第6
図は本発明による余掘制御装置のシステム構成図、第7
図および第8図は本発明の第1実施例における余掘制御
プログラムのフローチャート、第9図および第10図は第
1実施例におけるジャッキ動作軌跡と電磁切換弁のソレ
ノイド励磁状態を対応させて示した制御パターン図、第
11図はカッタ1回転で二つのパターンの余掘を行う場合
の余掘軌跡図、第12図および第13図は余掘状態表示画面
のレイアウト図、第14図は余掘軌跡の実施例を示す図、
第15図および第16図はベクトル演算による制御指令補正
の説明図、第17図および第18図は本発明の第2実施例に
おける余掘制御プログラムのフローチャート、第19図は
本発明の第3実施例における余掘制御自己診断プログラ
ムのフローチャートである。 1……カッタヘッド、4……コピーカッタ、5……油圧
ジャッキ、9……回転角度検出計、10……シンクロ発信
機、11……ストロークセンサ、15……電磁切換弁、20…
…制御用計算機、101……制御指令値初期設定手段に対
応するステップ、102,103……ジャッキ伸び動作信号出
力手段に対応するステップ、104,105……ジャッキ伸び
停止信号出力手段に対応するステップ、106,107……ジ
ャッキ縮み動作信号出力手段に対応するステップ、106
〜126……第1の制御指令値補正手段に対応するステッ
プ、204,206……制御指令値初期設定手段に対応するス
テップ、205,225……第2の制御指令値補正手段に対応
するステップ、213〜215……ジャッキ伸び動作信号出力
手段に対応するステップ、216〜218……ジャッキ伸び停
止信号出力手段に対応するステップ、219〜221……ジャ
ッキ縮み動作信号出力手段に対応するステップ、302,30
6,310……異常検出手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 利博 東京都千代田区三番町2番地 飛島建設 株式会社内 (72)発明者 西 明良 東京都千代田区三番町2番地 飛島建設 株式会社内 (72)発明者 西内 克至 東京都千代田区三番町2番地 飛島建設 株式会社内 (72)発明者 高橋 均 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 高野 文哉 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 茂呂 隆 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (56)参考文献 特開 昭58−41195(JP,A) 特開 昭59−158897(JP,A) 特開 平1−111994(JP,A) 実開 昭60−135398(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21D 9/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転するカッタヘッドに油圧ジャッキによ
    り伸縮操作されるコピーカッタを装備し、このコピーカ
    ッタにより余掘を行うようにしたシールド掘進機におい
    て、コピーカッタの回転角度を検出するカッタ回転角度
    検出手段と、前記油圧ジャッキのストロークを検出する
    ジャッキストローク検出手段と、入力された余掘開始角
    度、余掘終了角度および余掘ストロークの各目標値から
    これら諸量の制御指令値を決め初期設定する制御指令値
    初期設定手段と、前記カッタ回転角度検出手段により検
    出されたコピーカッタの回転角度が余掘開始角度および
    余掘終了角度の各制御指令値に達したときにそれぞれジ
    ャッキ伸び動作信号およびジャッキ縮み動作信号を出力
    する出力手段と、前記ジャッキストローク検出手段によ
    り検出された油圧ジャッキのストロークが余掘ストロー
    クの制御指令値に達したときにジャッキ伸び停止信号を
    出力する出力手段と、余掘動作中の前記カッタ回転角度
    検出手段からの回転角度計測値および前記ジャッキスト
    ローク検出手段からのストローク計測値を対応させて記
    憶する計測値記憶手段と、余掘開始角度、余掘終了角度
    および余掘ストロークの各目標値と実作動でのこれら諸
    量の計測値とのずれ量をコピーカッタの1回転ごとに算
    出し、その各ずれ量に応じて前記各目標値を補正したも
    のを次回転での制御指令値として設定する第1の制御指
    令値補正手段と、前記各出力手段からの出力信号により
    油圧回路を切り換え、前記油圧ジャッキを伸縮または停
    止させる電磁切換弁とを備えたことを特徴とするシール
    ド掘進機の余掘制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のシールド掘進機の余掘制御
    装置において、前記第1の制御指令値補正手段に代え
    て、カッタ回転角度とジャッキストロークをパラメータ
    とする余掘軌跡上のジャッキ伸び動作信号出力点をA、
    ジャッキ伸び開始計測点をB、ジャッキ伸び停止信号出
    力点をC、電磁切換弁が閉になる点をD,D点と同一角度
    上でD点以降に計測された最大ストローク値と同一のス
    トローク値をもつ仮想のジャッキ伸び終了点をD′と
    し、A,B,C,D′各点を結ぶベクトルを▲▼,▲
    ▼,▲▼′とするとき、 ▲▼=▲▼ ▲▼=▲▼′ ▲▼=β×▲▼ で表わされる固定ベクトル▲▼,▲▼と補正ベ
    クトル▲▼を用いて、D′点を余掘開始制御目標点
    に合わせたときのa点およびc点の座標値をベクトル演
    算により求め、また余掘軌跡上のジャッキ縮み動作信号
    出力点をG,ジャッキ縮み開始計測点をH、ジャッキ縮み
    終了計測点をIとし、G,H,I各点を結ぶベクトルを▲
    ▼▲▼とするとき、 ▲▼=▲▼ ▲▼=β×▲▼ で表わされる固定ベクトル▲▼と補正ベクトル▲
    ▼を用いて、I点を余掘終了制御目標点に合せたとき
    のg点の座標値をベクトル演算により求め、上記a,c,g
    各点の座標値より次回転での余掘開始、終了角度および
    余掘ストロークの各制御指令値を決定する第2の制御指
    令値補正手段を備えたことを特徴とするシールド掘進機
    の余掘制御装置。
  3. 【請求項3】前記ベクトル▲▼,▲▼,▲
    ▼,▲▼の少なくとも一つをしきい値と比較し、ベ
    クトルの大きさがしきい値より逸脱した場合、異常と判
    断する異常検出手段を備えたことを特徴とする請求項2
    記載のシールド掘進機の余掘制御装置。
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