JP2766395B2 - 制御装置 - Google Patents
制御装置Info
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Description
ド制御系とを組み合せた制御装置に係わり、特に外乱信
号に追従するフィードフォワード制御モデル(以下、FF
制御モデルと呼ぶ)を改良した制御装置に関する。
うに目標値SVと制御量PVとを偏差演算手段1に導き、こ
こで(SV−PV)なる演算を行って偏差Eを求めた後、こ
の偏差EをPID調節手段2に供給する。PID調節手段2で
は偏差Eが零となるようにPIまたはPID調節演算を実行
し、得られた調節演算出力、つまり調節信号を加算手段
3に導入する。
K(1+TP・S)/(1+TD・S)で表される伝達関数
をもつFF制御モデル4によって外乱補償信号を求めた
後、この外乱補償信号を前記加算手段3に導入する。
算して操作信号MVを得た後、この操作信号MVを制御対象
5に印加して制御することにより制御量PVを得る構成で
ある。
フィードフォワード制御系の外乱補償信号をフィードフ
ォワードすることにより、外乱による影響を抑制でき
る。
達関数GF(S)は、操作量→制御量間の伝達関数をG
P(S)、外乱→制御量間の伝達関数をGD(S)とし、
かつ、分母系列をもって表すと、 GP(S)=KP/(1+TP・S+TP2・S2 +……+TPn・Sn) …(1) GD(S)=KD/(1+TD・S+TD2・S2 +……+TPn・Sn) …(2) のような式で表せる。但し、KPは制御対象ゲイン、TPは
制御対象時定数、Sはラプラス演算子、KDは外乱ゲイ
ン、TDは外乱時定数、KP/KDはFF制御モデルゲインであ
る。
であるが、実際に制御装置に適用する段階では高次まで
特性を同定することは非常に難しいことであり、結局、
FF制御モデル4の実現の容易性、調整の容易性等を考慮
して1次式で近似するのが一般的である。ゆえに、実際
の制御装置では、 なる1次式の伝達関数をもつFF制御モデル4が使用され
ている。
デル4が進み/遅れ伝達関数で表されているので、第5
図に示すように外乱信号Dを前記(4)式に基づく進み
/遅れ伝達関数のFF制御モデル4を通して外乱補償信号
を得、この外乱補償信号をPIまたはPID調節信号に加算
合成して操作信号MVを得ている。
特性が1次式で完全に近似できないこと、また制御対象
ゲインKP、制御対象時定数TP、外乱ゲインKD、外乱時定
数TD等が正確に測定できないなどの問題がある。
FF制御の効果を最大限に発揮させるためにFF制御モデル
4のFF制御モデルゲインK、制御対象時定数TP、外乱時
定数TDを調整することになるが、この調整が非常に難し
く、試行錯誤を繰り返さなければならない。これはフィ
ードフォワード制御の適用にあたって大きな欠陥でもあ
る。
調整が非常に困難な理由について第5図を用いて説明す
る。今、前記(4)式に示す伝達関数を有し、かつ、K
=1とするFF制御モデル4を用い、ユニットステップ状
の外乱(図示点線)が入力されたとき、前記(4)式か
ら次のような変形式、つまり が得られるが、この式からも明らかなようにFF制御モデ
ル4からは図示実線で示す応答特性波形(イ)が出力さ
れる。
させると、第5図と前記(5)式から分かるように、TP
/TDの大きさ、つまりA点の大きさが変化すると同時に
曲線(イ)の時定数、つまり曲線(イ)の傾きも変化す
る。このことは、FF制御が最適となるように調整したに
も拘らず、これらTP、TDの調整によって応答特性が複雑
に変化し、最適点を捜すのに非常に困難となる。
可避的欠陥を解消する観点から、FF制御が有効な手法と
して多用されているが、以上のような理由から調整が非
常に難しく手間がかかり、しかも調整に手間をかけた割
りには最適な結果が得られないというのが現状である。
しプラント運転制御システムのフレキシブル化、高速
化、制御性を改善するために大きな期待をもっているに
も拘らず、以上述べた如く1次近似のFF制御モデル4で
は正確に近似できないこと、また制御対象時定数TPおよ
び外乱時定数TDを正確に測定できないために制御対象5
の特性に合わせて最適になるよにプラントを見ながら制
御対象時定数TPおよび外乱時定数TDを調整しているが、
前述したように外乱時定数TDを変更したとき、外乱補償
の初期値と外乱補償の遅れ時間{1/(1+TD・S)}の
双方が変化するので非常に調整が複雑となり、かつ、試
行錯誤的に調整するので時間がかかっている。
るが、その際、FF制御を多く適用すればする程大変であ
り、また実際のプラントの場合には時間をかけて調整す
ることや何どもプラントを変動させることは許されない
ので、不完全な調整のままで稼働させることも多い。
が非常に簡単に行え、かつ、最適制御を迅速に実現しう
る制御装置を提供することを目的とする。
象からの制御量との偏差に基づいてPIまたはPID調節演
算を行って調節信号を得るフィードバック制御系に対
し、外乱信号の影響を抑制するフィードフォワード制御
系の出力を加算して操作信号を得、この操作信号を印加
して前記制御対象を制御する制御装置において、 前記フィードフォワード制御系に、 の何れか1つの伝達関数をもつFF制御モデルを設け、前
記外乱信号に対する追従動作を行う構成である。
り、FF制御モデルにステップ状の外乱を与えたとき、応
答特性のAに相当する「外乱補償の初期値」と同じく応
答特性の(イ)に相当する「外乱補償の初期値から最終
値に達するまでの補償遅れ時間」とが相互干渉なくそれ
ぞれ独立して設定でき、非常に簡単で短時間に最適な調
整を行うことができる。
明する。なお、同図において第4図と同一部分には同一
符号を付してその詳しい説明は省略する。本装置におい
て特に異なるところは、フィードフォワード制御系のFF
制御モデル10の伝達関数を改良したことにあり、以下、
第5図に示す従来の応答特性と対比しつつ本発明装置の
FF制御モデル10の伝達関数について説明する。
答特性であるが、このFF制御モデル10の伝達関数G
F(S)としては、 で表わされる。但し、α:α0=TP/TD(TP:制御対象時
定数の測定値、TD:外乱時定数の測定値)を初期値とし
て調整する0〜10程度まで設定可能な定数、βはβ=1
を除く0<β<10の関係をもつ設定可能な定数、K(FF
制御モデルゲイン)=KD/KP(KD:外乱ゲイン、KP:制御
対象ゲイン)であり、第2図ではK=1としている。
は制御対象時定数の測定値TP、外乱時定数の測定値TDか
ら初期値α0=TP/TDを設定できる一方、βについては
β0=1を初期値として設定する。従って、この状態で
はβを変化させても、αの値,つまり第2図に示す外乱
補償の初期値であるB点は不変であり、外乱補償の初期
値B点から最終値に達するまでの遅れ時間が(ロ)式の
1/(1+βTD・S)によって変化するだけとなる。
され、βによって「外乱補償の初期値から最終値に達す
るまでの遅れ時間」が決定され、さらにβを変化させた
場合でもαの値は不変である。一般に、プロセスの制御
上、第2図のαは初期段階で定めればその後可変するこ
とが少なく、専ら(ロ)の傾きを必要に応じて変えるこ
とが多いが、このときでもαの値は何ら変わらない。
が可能となり、かつ、βを変えても従来技術のように初
期値αには全く影響を与えないので、調整が非常に簡単
になる。
要素は第3図に示すような構成となる。すなわち、外乱
信号Dに係数αを乗算する係数手段11と、外乱信号Dか
ら係数手段11の出力を減算する減算手段12と、この減算
手段12の出力に遅れを持たせる1次遅れ要素13と、前記
係数手段11の出力に1次遅れ要素13の出力を加算する加
算手段14とによって構成される。
数を等価交換すれば、 を得ることができる。
(7)式の伝達関数をもって構成したものであるが、前
記(6)式または前記(8)式を用いた場合でも、第1
図と全く同様な機能を達成できる。
して実施できる。
して、「外乱補償の初期値」と「外乱補償の初期値から
最終値に達するまでの遅れ時間」を相互干渉なしに独立
に設定でき、調整が非常に簡単に行うことができ、ひい
ては最適制御を迅速に実現できる。
ード制御の適用を拡大でき、フィードフォワード制御を
最適状態に調整して使用することにより、プラント運転
のフレキシブル化、高速化、制御性の向上に大きく貢献
させることができる。
例を説明するために示したもので、第1図は本発明装置
の構成図、第2図は本発明によるFF制御モデルとその応
答特性を説明する図、第3図は本発明装置の要旨ともな
るFF制御モデルの伝達関数要素の一例を示す図、第4図
は従来装置の構成図、第5図は従来装置によるFF制御モ
デルとその応答特性を説明する図である。 SV……目標値、PV……制御量、MV……操作量、1……偏
差演算手段、2……調節演算手段、3……加算手段、5
……制御対象、10……FF制御モデル。
Claims (1)
- 【請求項1】目標値と制御対象からの制御量との偏差に
基づいてPI(P:比例、I:積分)またはPID(D:微分)調
節演算を行って調節信号を得るフィードバック制御系に
対し、外乱信号の影響を抑制するフィードフォワード制
御系の出力を加算して操作信号を得、この操作信号を印
加して前記制御対象を制御する制御装置において、 前記フィードフォワード制御系に前記外乱信号に追従動
作するための下記(イ)式ないし(ハ)式の何れか1つ
の伝達関数をもつフィードフォワード制御モデルを設け
たことを特徴とする制御装置。 K(1+αβTD・S)/(1+βTD・S) ……(イ) K{α+(1−α)・1/(1+βTD・S)}……(ロ) K[1+{(α−1)βTD・S}/(1+βTD・S)]
……(ハ) 但し、上式においてK(フィードフォワード制御モデル
ゲイン)=KD/KP (KD:外乱ゲイン、KP:制御対象ゲイン)、α=TP/TD(T
P:制御対象時定数、TD:外乱時定数)を初期値とする0
〜10程度まで設定可能な定数、βはβ=1を除く0<β
<10の関係をもつ設定可能な定数、S:ラプラス演算子で
ある。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2340314A JP2766395B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2340314A JP2766395B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04205603A JPH04205603A (ja) | 1992-07-27 |
JP2766395B2 true JP2766395B2 (ja) | 1998-06-18 |
Family
ID=18335762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2340314A Expired - Lifetime JP2766395B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2766395B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58154002A (ja) * | 1982-03-06 | 1983-09-13 | Toshiba Corp | フイ−ドフオワ−ド制御装置 |
-
1990
- 1990-11-30 JP JP2340314A patent/JP2766395B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04205603A (ja) | 1992-07-27 |
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