JP2766392B2 - 燃焼状態検出装置 - Google Patents

燃焼状態検出装置

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JP2766392B2 JP30115290A JP30115290A JP2766392B2 JP 2766392 B2 JP2766392 B2 JP 2766392B2 JP 30115290 A JP30115290 A JP 30115290A JP 30115290 A JP30115290 A JP 30115290A JP 2766392 B2 JP2766392 B2 JP 2766392B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は内燃機関の燃焼状態検出装置、特にノッキン
グと関連する異常燃焼を正確に検出できる燃焼状態検出
装置に関するものである。
(従来の技術) 自動車に搭載される内燃機関においては、点火時期を
最大トルクを発生し得る点火時期(M.B.T.)まで進角制
御して燃費や出力性能が最良のものとなるように制御す
る必要がある。しかしながら、自動車の走行条件や内燃
機関の運転状態に応じて最適点火時期が相異しており、
例えば比較的低速回転域においてはノッキングが発生す
る限界の点火時期がM.B.T.よりも遅れ側にあるため、点
火時期をM.B.T.に設定するとノッキングが発生してしま
い、燃費や出力性能が著しく低下してしまう。従って、
内燃機関の異常動作、特にノッキングの発生を正確に検
出できる内燃機関の動作状態検出装置の開発が強く要請
されている。
点火式内燃機関においては、点火プラグの作動により
火炎が発生し、この火炎燃焼室内を伝播することにより
燃焼が生じている。一方、ノッキングのような異常動作
の原因となる異常燃焼は、火炎伝播による燃焼と共にシ
リンダ壁面付近における自己着火による燃焼が原因とな
る。従って、ノッキングのような異常動作は、ノッキン
グ音などの圧力振動を検出することにより従来検知され
ている。
ノッキングを検出するセンサとして特公昭41−5154号
公報に開示されている圧電素子を用いたセンサが既知で
ある。このセンサは、座金状の圧電素子が点火プラグ内
に装着され、燃焼室内に生ずる圧力変化が電気信号に変
換され、検出した電気信号から燃焼室内で発生した圧力
変化が検出されている。
さらに、別のノッキング検出装置として、圧電素子で
構成される振動センサを用いるノッキング検出装置が既
知であり、振動センサからの電気信号を種々のフィルタ
回路を経てノッキングに相当する周波数成分の信号が検
出され、ノッキング判定回路を経てノッキングの発生が
検出されている。
(発明が解決しようとする課題) 上述した圧力センサや振動センサを用いるノッキング
検出装置は、センサをシリンダヘッドに固定し燃焼室内
で発生する圧力変化を検出しているため、シリンダヘッ
ドに発生する燃料の燃焼以外の振動も同時に検出してし
まい、S/N比が極めて悪くなる欠点があった。しかも、
振動センサや圧力センサは検出出力が電気信号として発
生し、この電気信号はシリンダヘッドの位置で発生する
ため、出力信号である電気信号を信号処理回路まで送出
する間においてもノイズが発生し易く、著しくS/N比が
低下する不都合が生じていた。このため、ノッキングに
相当する圧力や振動成分を取り出すために複雑な信号処
理が必要であり、処理回路が複雑化及び高価になる欠点
があった。さらに、複雑な信号処理が必要なため、信号
処理に長時間がかかってしまい、応答性も悪くなる不都
合も生じていた。
従って、本発明の目的は上述した欠点を解消し、内燃
機関の燃焼状態特にノッキングと関連する異常燃焼を、
複雑な信号処理を必要とせず簡単な構成で、しかも高精
度に検出できる内燃機関の燃焼状態検出装置を提供する
ものである。
(課題を解決するための手段) 本発明による燃焼状態検出装置は、内燃機関の燃焼室
内における燃焼状態を検出する燃焼状態検出装置であっ
て、 前記燃焼室内の点火手段近傍に配置され、燃焼状態に
応じて光を放射する光放射体と、 前記光放射体を先端に支持し、前記光放射体から放出
された光を伝送する光伝送体と、 前記光伝送体の後端に光学的に結合した光検出器と、 前記光検出器からの出力信号を時間微分し、該時間微
分された信号に基いて内燃機関の燃焼状態を検出する信
号処理手段とを備えることを特徴とする。
光放射体は、燃焼による化学発光の光を透過せず、そ
れ自身の温度に応じた光を放出する作用を果たし、サフ
ァイヤロッドのような耐熱性光伝送体の先端に、プラチ
ナ、ロジウムのような高融点材料をスパッタリングする
ことにより形成できる。この光放射体は点火手段の近傍
に配置する必要があり、例えば点火後火炎伝播による燃
焼終了までの時間の約1/2以内の時間で火炎が到達する
位置に配置することが望ましい。
また、光伝送体は、後段に配置した光検出器で検出さ
れる波長光(通常は、0.5〜5μmの赤外光)に対して
透明な材料で構成され、場合によって、複数の伝送体を
光学的に結合して用いることができる。
さらに、信号処理手段は、アナログ回路で構成でき、
又は光検出器からの出力信号を増幅した後A/D変換を行
ない、デジタル化処理した後、デジタル演算処理を行な
う回路によっても構成できる。
さらに、本発明の信号処理手段は、異常燃焼が発生し
た場合時間微分信号中に時間間隔を以て2個のピークの
発生するから、1の燃焼サイクル中に2個のピークが発
生するか否かを検知する手段を設けることにより異常燃
焼の発生を検出する。さらに、第1ピークが発生した後
に発生する第2ピークの振幅はノッキング強度の平行根
に対応することが確かめられたので、第2ピーク値を保
持する手段を設けることによりノッキング強度や異常燃
焼の程度を検出できる。
(作 用) 前述したように、点火式内燃機関においては、正常燃
焼時には火炎伝播による燃焼だけが発生し、異常燃焼時
には火炎伝播による燃焼と共に局所的で急速な燃焼が発
生する。この局所的な燃焼は火炎伝播燃焼が発生した
後、相当な時間経過後に発生することが判明している。
そして、本発明者が種々の実験及び解析を行なった結
果、光放射体の配置位置を適切に設定することにより火
炎伝播燃焼と局所的な燃焼とを明確的に分離して検出で
きることを見い出した。すなわち、光放射体を点火手段
から遠く離れた位置例えばシリンダ壁面近傍に配置する
と、光放射体は、火炎伝播による燃焼熱と局所燃焼によ
る燃焼熱とが極めて短時間のうちに流入し或は局所燃焼
熱だけが流入してしまい、火炎伝播燃焼と局所燃焼とを
区別することができない。一方、光放射体を点火手段近
傍に配置すると、火炎が光放射体を通過した後、相当な
時間が経過して後局所燃焼による熱が光放射体に流入す
る。従って、火炎伝播燃焼と局所燃焼とを別々に検出で
き、局所燃焼の発生を検出することにより異常燃焼の発
生を検出することができる。
光放射体に燃焼熱が流入すると、光放射体からはそれ
自体の温度に対応した光が放出されるから、光放射体か
ら放射される光を受光する光検出器からの光電出力信号
も光放射体に流入する熱量に対応する。従って、光検出
器からの光電出力信号を時間微分すると、時間微分信号
中には光放射体への急速な熱流入、すなわち火炎伝播及
び局所燃焼に対応したピークが発生する。この結果、1
の燃焼サイクル中で時間微分信号中に2個のピークが発
生するか否かを検出することにより、局所的な燃焼すな
わち異常燃焼を検出することができる。このようにし
て、本願発明では、燃焼状態を光学的に検出し、光検出
器からの光電出力信号を信号処理することにより燃焼状
態を判定しているので、圧力センサでは検出できない微
弱な異常燃焼を高精度に検出できる。特に、燃焼情報を
光学的に検出しているので、機械振動や電場及び磁場の
影響を受けず、極めてS/N比の高い燃焼状態検出を行な
うことができる。
(実施例) 第1図は本発明による内燃機関の燃焼状態検出装置の
全体構成を示す線図である。シリンダヘッドの壁部1を
貫通するようにセンサを装着し、センサの先端を燃焼室
2内に突出させる。このセンサは、点火プラグの作動に
より発生した火炎ができるだけ短時間のうちに到達する
ように点火プラグの近傍に配置する。このセンサはサフ
ァイヤロッドで構成される耐熱性ロッド状光伝送体3を
有し、その先端部に光放射体4を形成する。この光放射
体4は、プラチナ、ロジウムのような光学的に不透明な
高融点材料を数μmの厚さでスパッタリングすることに
より形成される。尚、光放射体4がシリンダ壁面に形成
される燃焼ガスの境界層を突出するように配置するのが
好ましい。この理由は、突出させることにより、壁面付
近に存在する境界層の影響を受けずに検出することがで
きるからである。光伝送体3をステンレスのような金属
材料で構成される支持部材5によて支持する。支持部材
5の外周にネジ山を形成すると共にシリンダヘッドの壁
部1にネジ溝を形成し、ワッシャ6を介して支持部材5
を壁部1に螺合する。また、光コネクタ7を支持部材5
に螺着して光伝送体3を光ファイバ8に光学的に結合す
る。シリンダヘッドに装着した点火プラが作動すると、
点火プラグ付近で火炎が発生し、火炎が対向壁に向けて
伝播する。火炎伝播に伴ない、火炎が光放射体4の表面
に到達し、光放射体は発生した燃焼ガスの温度及び圧力
に応じて昇温する。光放射体4は極めて熱容量の小さい
貴金属薄膜で形成されているため、極めて高速に応答す
る。光放射体4が昇温すると、光放射体から燃焼ガスの
温度及び圧力等に応じた強度の光が発生し、発生した光
はロッド状光伝送体3及び光ファイバ8を伝播する。光
ファイバ8の出射側にレンズ9、フィルタ10およびレン
ズ11を配置し、伝播してくる光のうち特定の波長光を光
検出器31に入射させる。光放射体4は燃焼ガスの温度及
び圧力等に対応した強度の光を放射するから、光検出器
12は燃焼室内における燃焼状態を表わす電気信号を発生
する。この電気信号を増幅器13によって増幅してから信
号処理回路に供給する。
第2図はエンジン燃焼室におけるセンサの配置位置を
示すものであり、第2図aは配置位置を模式的に示す線
図、第2図bは他の配置位置を示す線図である。点火式
エンジンには、点火プラグ20、吸気弁21及び排気弁22が
取り付けられている。点火プラグ20の近傍に第1のセン
サ23Aを取り付け、点火プラグ20よりも遠く離れた位置
に第2のセンサ23Bを取り付ける。尚、第2のセンサ23B
は本発明の必須構成部材ではなく、本発明を説明するた
めに設けた参考部材である。
点火プラグ20が作動し燃焼ガスが着火すると、1020゜
K程度の比較的低温の火炎が発生し、波面んのようにし
てシリンダ内を伝播する。この火炎の伝播を符号24a及
び24bで図示する。火炎は点火プラグ20の近傍で発生
し、徐々に点火プラグから遠い側に向けて伝播するか
ら、発生した火炎は第1のセンサ23Aを通過し所定時間
経過後に第2のセンサを通過する。一方、ノッキング状
態においては、点火プラグが作動した後火炎が対向する
シリンダ壁部に到達する前にシリンダ壁部付近で自己着
火が発生し短時間の急速燃焼が爆発的に発生する。すな
わち、点火プラグの周囲の比較的小さい領域における燃
焼により対向するシリンダ壁部付近の未燃ガスの酸化反
応が急速に促進され、未燃ガスが短時間で爆発的に燃焼
するものと考えられる。この自己着火による燃焼ガス
は、正常燃焼による火炎伝播に比べて極めて高速にシリ
ンダ内部を伝播する。従って、点火プラグの近傍に配置
した第1センサ23Aは、正常燃焼時には正常な火炎伝播
による燃焼だけを検出する。また異常燃焼時には正常な
火炎伝播による燃焼と共にその後発生する自己着火によ
る局所燃焼も検出する。一方、点火プラグ20より遠く離
れて位置する第2のセンサ23Bは、正常燃焼時には火炎
伝播による燃焼を検出し、異常燃焼時には火炎伝播によ
る燃焼と異常燃焼とをほぼ同時に又は極めて短時間の時
間間隔を以て検出することになる。従って、点火プラグ
よりも遠く離れた位置にセンサを配置した場合、正常燃
焼と異常燃焼とを明瞭に識別することは困難である。こ
れに対して、点火プラグ近傍にセンサを配置すれば、火
炎伝播による正常燃焼とを明瞭に区別して検出できる。
次に、上述した燃焼状態検出装置を用いて内燃機関の
動作状態を測定した実験結果について説明する。
条件は以下の通りである。
1)使用した内燃機関:排気量612ccの単気筒エンジン 2)回転数:750r.p.m. 3)圧縮比:7.0 4)空燃費:12.7 5)エンジンの動作状態は、ガソリンのオクタン価及び
点火角を変えて正常動作状態、及びノッキング発生状態
(トレースノック)の2種類の動作状態とした。
(i)正常動作状態 オクタン価:100 点 火 角:−12゜ (ii)ノッキング発生状態 オクタン価:80 点 火 角:−15゜ 6)増幅された光検出器からの出力信号を検出すると共
に、その検出値を時間微分して微分出力信号を発生し、
並行してシリンダヘッドに圧力センサを装着して燃焼室
で発生した圧力変動も測定した。また、クランク角検出
センサからのデータも併せて測定した。
第3図a〜dはノッキングが生じているときの実験結
果を示す。第3図a及びbは1サイクル全体の検出信号
を示し、第3図c及びdは燃焼サイクル前後の状態を拡
大して示す。図面上、横軸はクランク角を示し、縦軸は
各検出値の相対値を示す。符号pで示す曲線は圧力セン
サによって測定した圧力変化を示し、符号TAは点火プラ
グに近い位置に配置した第1のセンサの光検出器からの
検出値を示し、符号TBは遠い位置に配置した第2センサ
の光検出器からの検出値を示し、符号dTA/dt、dTB/dtは
光検出器からの検出値TA.TBを時間微分した信号を示
し、PHは圧力センサからの検出値の高周波成分信号(ハ
イパスフィルタを通過させた後の信号であり、通常ノッ
キング強度を代表する値として用いられる。)を示す。
圧力曲線Pは、クランク角−10゜付近でピークが発生
し、そのピークにノッキング特有の微小振動が重畳され
ている。従って、ノッキングが発生していることが理解
できる。また、第1センサの検出値TAは、第3図cに示
すようにクランク角0゜付近で上昇点aが生ずると共
に、圧力曲線Pのピークに対応して第2の上昇点bも発
生している。また、時間微分曲線dTA/dtも、これら上昇
点に対応して2個のピークが明瞭に観測された。一方、
第2のセンサの時間微分曲線dTB/dtは第2ピーク位置と
ほぼ同一位置にだけピークが観測された。尚、第2ピー
クの発生タイミングが高周波成分PHの発生よりも若干遅
れているが、これは微分回路の処理による遅れが生じた
ものと考えられる。
第4図に正常燃焼時の実測結果を拡大して示す。圧力
曲線Pはなだらかに上昇し、クランク角32゜付近でピー
クに達している。また、高周波成分PHには、極めて微小
な振幅が観測されただけであり、ノッキングは観測され
ていない。時間微分曲線dTA/dtはクランク角0゜付近で
ピークが生じただけであり、その後ほぼ平坦な特性を示
している。また、dTB/dt曲線も点火後ほぼフラットな特
性を示し、クランク角44゜でピークを発生している。こ
れら時間微分曲線dTA/dt及びdTB/dtのピークは正常な火
炎伝播によるものである。従って、第3図及び第4図の
実験結果により、以下の技術事項が明らかになる、 光放射体を点火プラグよりも遠い位置に配置した場
合、正常燃焼である火炎伝播によるピークと異常燃焼に
よるピークとが識別できないため、正常燃焼と異常燃焼
とを区別できない。
点火プラグに近い位置に光放射体を配置すれば、火炎
伝播によるとピークと異常燃焼によるピークとを相当な
時間間隔を以て検出でき、従って異常燃焼の発生を明瞭
に検出できる。
異常燃焼が生じているか否かは、1燃焼サイクル中に
おいて光検出器からの検出値を時間微分した信号に2個
のピークが発生するか否かを以て測定できる。
次に、ノッキングの強度判定について説明する。第5
図は、光検出器からの検出値の時間微分の第2ピーク値
とノッキング強度として通常用いられる圧力センサによ
る検出値の高周波成分のピーク−ピーク値との関係を示
すグラフである。第5図aは点火プラグに近い位置に配
置した第1センサの時間微分ピーク値と圧力センサの高
周波成分との関係を示し、第5図bは遠い位置に配置し
た第2センサの時間微分ピーク値と圧力センサの高周波
成分との関係を示す。第5図a及びbにおいて、横軸は
圧力センサの高周波成分の振幅を対数で示し、縦軸は時
間微分の第2ピークのピーク値を対数で示す。第5図a
及びbから明らかなように、時間微分のピーク値は高周
波成分の振幅のほぼ1/2乗に比例している。したがっ
て、光検出器からの検出値の時間微分のピーク値を測定
することによりノッキング強度を決定できる。
第6図及び第7図は本発明による燃焼状態検出装置の
信号処理回路の一例の構成を示すものであり、第6図は
検出原理を示す波形図、第7図は回路図である。本例で
は、光検出器からの検出値を2回微分し、二次微分信号
dT2/d2tを求める。第6図に示すように、一次微分信号
のピーク付近は、その傾きが大きいため、二次微分信号
が予め設定した限界値と比較することにより一次微分信
号中にピークが発生したことを検出できる。そして、限
界値と比較し、その比較結果に基きパルスを立ち上げ、
二次微分信号の零クロス点で立ち下げる。このようにし
て形成されたパルスの立ち下げタイミングは一次微分信
号のピーク値のタイミングと一致する。このように構成
したパルス信号をサンプリングとして用いることによ
り、一次微分信号幅に種々のノイズが生じても、一次微
分信号中に含まれる第1ピーク及び第2ピークを正確に
検出できる。
次に、第7図に基き回路構成を説明する。点火プラグ
に近い位置に配置した光放射体から放射された光を受光
する光検出器からの出力信号を増幅した後、第1の微分
回路30により一次微分信号を形成し、この一次微分dT/d
t信号をサンプルホールド回路31に供給する。さらに、
一次微分信号を第2の微分回路32にも供給して二次微分
信号dT2/d2tも形成する。この二次微分信号をヒステリ
スコンパレータ33に供給して設定した限界と比較すると
共に零クロス点で復帰させ、一次微分信号中に含まれる
ピークに対応して立ち下るパルス信号を発生させる。発
生したパルス信号をパルス幅識別・設定回路34に供給
し、発生したパルスが雑音であるか否かをその幅に基い
て判定する。このパルス幅識別・設定回路からの出力パ
ルスをカウンタ回路35に供給する。このカウンタ回路
は、2個のパルス信号が入力したとき出力信号を発生
し、また燃焼サイクルの開始に対応する信号例えばイグ
ニッションパルス信号によりリセットする構成とする。
従って、一次微分信号中の第1のピークによるパルス信
号が入力し、その後第2のピークによるパルス信号が入
力した時点で、カウンタ回路35から出力信号が発生し、
その出力信号をANDゲート36の一方の入力端子に供給す
る。また、パルス幅識別・選定回路34の出力信号をAND
ゲート36の他方の入力端子に供給する。このANDゲート
の出力の立ち下りタイミングは、第2ピークのタイミン
グと一致する。このANDゲートの出力信号をサンプルホ
ールド回路31に供給すれば、サンプルホールド回路31か
ら第2ピークの時点の一次微分信号のピーク値を出力さ
せることができる。従って、サンプルホールド回路の出
力信号に基いて一次微分信号中の第2ピークのピーク値
を求めることができる。尚、ANDゲートの出力信号を異
常燃焼検知信号として用いることもできる。本例では、
第2ピークの立ち上り縁を利用してサンプリングパルス
を発生させ、そのパルス幅を識別・選定して第2ピーク
の発生を検出しているが、第2ピークの立下縁を利用し
てサンプリングパルスを発生させ零クロス点からのパル
ス幅を識別・選定することで第2ピークの発生を検出す
ることもできる。
第8図は信号処理回路の変形例を示す回路図である。
本例では、第1微分回路30の後に低域フィルタ40を接続
して5KHz以上の高周波信号をカットする。すなわち、点
火プラグの近傍に光放射体を配置すると、点火による閃
光が発生しノイズになってしまう。この閃光は極めてパ
ルス幅が短いものであるから、低域フィルタ40を接続す
ることにより点火による閃光に起因するノイズをカット
することができる。さらに、本例では、カウンタ回路の
代りに単安定マルチバイブレータ41を用いる。この単安
定マルチバイブレータは、第1ピークによるパルス信号
の立ち下り縁によりトリガされ、一定時間幅のパルスを
発生する。このように構成すればリセット信号が不要に
なる。
本発明は上述した実施例だけに限定されず種々の変形
や変更が可能である。例えば上述した実施例では点火後
相当な時間が経過した後の自己着火による燃焼を検出す
る例を以て説明したが、点火プラグが作動する前に発生
する早期自己着火による異常燃焼を検出することも可能
である。この場合、時間微分信号に生ずる第1ピークと
点火プラグの動作タイミングとを時間的に比較すること
により早期燃焼を検出することができる。
(発明の効果) 以上説明した本発明の効果を要約すると次の通りであ
る。
(1) 燃焼室内に光放射体を配置し、光放射体から放
射される光を光伝送体を介して外部から観測して燃焼状
態を検出しているので、外部要因による影響をほとんど
受けず内燃機関の動作状態を正確に検出することができ
る。特に、光検出器の出力信号を時間微分した信号中に
2個のピークが発生するか否かを以て検知できるので、
圧力センサが検出できない程度の微弱なノッキングに関
連する異常燃焼も正確に検出できる。
(2) 光検出器からの光電出力信号を時間微分し、こ
の一次微分信号中に2個のピークが発生するか否かをも
って異常燃焼の発生を検出でき、しかもそのピーク値は
ノッキングに関連する異常燃焼の程度に対応するから、
正確に異常燃焼の発生及びその度合いを検出できる。
(3) 検出センサ、圧力センサや振動センサと異なり
可動部分を有していないから、ノイズの影響を受けにく
く信頼性耐久性に優れた動作状態検出を実現することが
できる。
(4) 光放射体は光学的に不透明な高融点材料被膜で
構成できるので、燃焼によって発生するスス等の付着や
化学発光による影響をほとんど受けず、耐久性に優れた
動作状態検出装置を実現することができる。
(5) 光放射体から放射された光エネルギーを検出信
号としているので、光ファイバを用いて検出信号を任意
の位置まで伝送することができ、しかも伝送中に外部か
らの要因によって影響を受けないので、一層S/N比の高
いノッキング検出を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による燃焼状態検出装置の全体構成を示
す線図、 第2図a及びbはセンサの配置位置を示す線図、 第3図a〜dはノッキング時における検出信号を示すグ
ラフ、 第4図は正常動作時における検出信号を示すグラフ、 第5図a及びbは高周波成分の振幅と時間微分信号のピ
ーク値との関係を示すグラフ、 第6図は検出信号をサンプルする原理を示す波形図、 第7図は信号処理回路の構成を示す回路図、 第8図は信号処理回路の変形例を示す回路図である。 1……シリンダ壁部、2……燃焼室 3……光伝送体、4……光放射体 5……支持部材、7……光コネクタ 8……光ファイバ、12……光検出器 30,32……微分回路、31……サンプルホルト回路 32……ヒステリスコンパレータ 35……カウンタ回路、36……ANDゲート
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−93485(JP,A) 特開 昭62−232531(JP,A) 特開 昭63−45535(JP,A) 特開 昭64−54318(JP,A) 特開 平1−158325(JP,A) 特開 平2−241950(JP,A) 特開 平2−138850(JP,A) 特開 平2−293639(JP,A) 特開 平3−188344(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 45/00 G01J 1/42 G01M 15/00 F23M 11/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の燃焼室内における燃焼状態を検
    出する燃焼状態検出装置であって、 前記燃焼室内の点火手段近傍に配置され、燃焼状態に応
    じて光を放射する光放射体と、 前記光放射体を先端に支持し、前記光放射体から放出さ
    れた光を伝送する光伝送体と、 前記光伝送体の後端に光学的に結合した光検出器と、 前記光検出器からの出力信号を時間微分し、該時間微分
    された信号に基いて内燃機関の燃焼状態を検出する信号
    処理手段とを備えることを特徴とする燃焼状態検出装
    置。
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