JP2766247B2 - 耐水性且つ耐湿性デンプン製品 - Google Patents

耐水性且つ耐湿性デンプン製品

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JP2766247B2
JP2766247B2 JP8076494A JP7649496A JP2766247B2 JP 2766247 B2 JP2766247 B2 JP 2766247B2 JP 8076494 A JP8076494 A JP 8076494A JP 7649496 A JP7649496 A JP 7649496A JP 2766247 B2 JP2766247 B2 JP 2766247B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、アルキレンオキシドで変性され
たデンプンまたは穀粉、および、約1.0 〜1.8 の中程度
のDS( 置換度) を有するデンプンエステルまたは約0.3
〜1.1 のDSを有する小麦粉エステルもしくは約0.7〜
0.8のDSを有するコーン粉エステルの選択的な組み
合わせを含む、改良された耐水性および/または耐湿性
を有する発泡されたデンプン製品に関する。
【0002】デンプン材料を用いた発泡製品の能力は、
最近、このような材料の生分解性のために注目されてき
た。デンプンが有するこの生分解性の属性は、環境に安
全且つ優しい製品を形成させる。明細書中で用いるもの
として、用語「生分解性」とは、物質が生体( 生物/ 微
生物) および/または環境要因による分解を受けやすい
こと、例えば、化合物がバクテリア、菌、カビおよびイ
ーストにより化学的に分解される能力を意味する。包装
または他の構造用途に用いられるプラスティックは生分
解性でない。
【0003】デンプンの生分解性は知られているが、デ
ンプンは、特に高湿度条件下で要求される特定の物性を
欠くので、デンプンをベースとする材料を成形された構
造製品に加工することは容易でなかった。
【0004】様々な成形品を成形するためにデンプンお
よびその誘導体を使用することは多くの最近の特許公報
に見られる。1991年7 月30日および1991年8 月27日にそ
れぞれ付与された米国特許第5,035,930 号および米国特
許第5,043,196 号は高アミロースデンプンで、特にアル
キレンオキシドで変性されたデンプンから形成された発
泡成形製品を開示している。1992年3 月10日に付与され
た米国特許第5,095,054 号は分解デンプンおよび1 個以
上の官能基を有する疎水性水不溶性ポリマーまたは化合
物を含む熱可塑性ポリマー組成物から製造された、寸法
安定性および向上した物性を有する成形品を開示してい
る。オキシアルキレン基含有ビニルアルコールコポリマ
ーとの組み合わせでデンプンまたはデンプン誘導マクロ
モノマー物質から成形された溶融成形製品は1992年10月
27日に付与された米国特許第5,158,810 号に記載されて
いる。1992年10月 6日に付与された米国特許第5,153,03
7号において、発泡された変性穀粉の生分解性発泡成形
品が示されており、1993年10月14日に公開されたWO/93/
20110 号において、1.5 より大きい高DSデンプンエステ
ルおよび特に1.8 〜2.9 のDSのデンプンエステルを含む
溶融体から成形された成形品が開示されている。
【0005】デンプンから形成された製品を示している
多くの最近の開示にも係わらず、生分解性であるだけで
なく、優れた耐水性および/または耐湿性を有する発泡
デンプン製品が要求されている。
【0006】本発明は改良された耐水性および/または
耐湿性を有する生分解性発泡製品に関し、前記デンプン
製品はアルキレンオキシドで変性されたデンプンまたは
穀粉と、約1.0 〜1.8 のDSを有するデンプンエステルま
たは約0.3 〜1.1 のDSを有する小麦粉エステルもしくは
約0.7〜0.8のDSを有するコーン粉エステルとの
組み合わせを含む。より詳細には、本発明の発泡デンプ
ン製品は、a)2 〜6 個の炭素原子を有するアルキレンオ
キシド15重量% 以下で変性されたデンプンまたは穀粉、
約25〜90重量% 、および、b)約1.0 〜1.8 の置換度を有
するデンプンエステルまたは約0.3 〜1.1 の置換度を有
する小麦粉エステルもしくはコーン粉エステル、約10〜
75重量% の組み合わせを含む。
【0007】改良された耐水性および/または耐湿性を
有する発泡デンプン製品を提供する能力は、デンプンエ
−テルまたは穀粉エーテルと、デンプンエステルまたは
小麦粉もしくはコーン粉エステルとの選択的組み合わせ
を提供することにより改善された。
【0008】デンプンエーテルまたはデンプンエステル
を提供するための本発明において有用な出発材料または
基礎材料は、天然または転化された幾つかのデンプンの
いずれかであることができる。このようなデンプンは、
コーン、小麦、蝋質メイズ、サトウモロコシおよび高ア
ミロースコーン等の穀物を含めたあらゆる穀粉源および
ジャガイモ、サゴ、タピオカを含めたあらゆる植物源か
ら誘導されたデンプンを含む。上記基材のいずれかから
誘導された転化製品も含まれ、例えば、酸および/また
は熱の加水分解作用により調製されたデキストリン; 次
亜塩素酸ナトリウムのような酸化剤での処理により調製
された酸化されたデンプン; 酵素転化または弱酸加水分
解により調製された、流動性または弱沸騰性(thin boil
ing)デンプン; 並びに誘導化および架橋デンプンが含ま
れる。
【0009】出発材料または基礎材料として穀粉自体を
用いる場合には、例えば、小麦粉もしくはコーン粉も本
発明のエーテルおよびエステルを生成するときの基礎材
料として用いられてよい。このような小麦粉は、通常、
タンパク質( 約8 〜15重量%)、脂質( 約2 〜4%) および
デンプン( 約80〜90%)を含む。このような小麦粉は上記
のデンプン材料のように変性され、または誘導化されて
もよい。
【0010】デンプンエーテルおよびデンプンエステル
の両方を提供するために用いられる基礎デンプン材料
は、好ましくは、高アミロースデンプンであり、即ち、
少なくとも40重量% のアミロースを含有するデンプンで
ある。デンプンは、1 つの分子配列が直鎖状部分および
もう一つの分子配列が枝分かれ部分である2 つの部分を
含むことがよく知られている。デンプンの直鎖状部分が
アミロースそして枝分かれ部分がアミロペクチンとして
知られている。異なる供給源のデンプン、例えば、ジャ
ガイモ、コーン、タピオカおよび米等のデンプンは、異
なる相対比率のアミロースおよびアミロペクチン成分を
含むことを特徴とする。片方の部分がもう一方の部分に
対して比率が大きいことを特徴とする幾つかの植物種が
遺伝子的に開発されてきている。例えば、通常には約22
〜28重量% のアミロースを含むコーンの特定の変種は、
40% より多量のアミロースを含むデンプンを生じるよう
に開発されている。これらの複合変種は高アミロースま
たはアミロメイズとして参照される。
【0011】高アミロースコーン複合種は、高アミロー
ス含有分のデンプンを自然に提供するために開発され、
1963年あたりから市販されてきた。ここで有用な適切な
高アミロースデンプンは少なくとも40重量% のアミロー
ス含有分、より好ましくは少なくとも65重量% のアミロ
ース含有分を有するあらゆるデンプンである。高アミロ
ースのコーンデンプンは特に適切であるが、有用な他の
デンプンは高アミロースデンプンを生じるまたは生じさ
せることができるあらゆる植物種、例えば、コーン、ピ
ーズ、大麦および米から誘導されたデンプンを含む。更
に、高アミロースデンプンは、天然デンプン材料の精留
のような分離または単離により、または、酵素的に脱枝
分かれデンプン化させることにより得られることがで
き、それは少なくとも40% のアミロースを含むデンプン
を生じさせる。
【0012】本発明において有用な基礎材料は、高アミ
ロースデンプンとしても穀粉自体を使用することがで
き、好ましくは、小麦粉のデンプン成分が少なくとも40
重量%のアミロースを含む高アミロース小麦粉をも含
む。小麦粉の高アミロース含有分が明細書全体および請
求項中で参照されるときに、小麦粉のデンプン成分のア
ミロース含有分( 例えば、小麦粉のデンプンの量を基礎
として40重量% のアミロース) を参照すると理解される
べきである。このような小麦粉は、通常、タンパク質(
約8 〜13重量%)、脂質( 約2 〜3 重量%)およびデンプン
(約85〜90%)を含み、それは特定の高アミロース含有分
を含む。
【0013】他の有用な高アミロースデンプンは、アミ
ロース延長遺伝子型を有する植物源から抽出されたデン
プンまたは実質的に純粋なデンプンであり、このデンプ
ンは10% 未満のアミロペクチンを含む。デンプン基礎材
料として有用なデンプンは植物増殖集団、特にコーンか
ら誘導されたデンプンは有用であり、それは性物質の遺
伝子複合体であり、そしてブタノールフラクショネーシ
ョン/ エクスクルージョンクロマトグラフィー技術によ
り測定して、少なくとも75% アミロースを含み、所望に
より、少なくとも85% のアミロース( 即ち、標準アミロ
ース) を含む。デンプンは、更に、10% 未満の、所望に
より5%未満のアミロペクチンおよび更に約8 〜25% の低
分子量アミロースを含む。デンプンは、好ましくは、多
種のアミロース延長変性遺伝子と複合化した劣性アミロ
ース延長遺伝子型を有するデンプン含有植物である穀物
から実質的に純粋な形態で抽出される。このデンプンお
よび調製法はV.Fergasonらに1994年4 月5 日に付与され
た米国特許第5,300,145 号に記載されており、それを参
照により明細書中に取り入れる。
【0014】本発明の発泡デンプン製品を調製するとき
に用いられるデンプンまたは穀粉成分の組み合わせは、
デンプンまたは穀粉エーテルおよびデンプンまたは小麦
粉もしくはコーン粉エステルを含む。このエーテルは、
アルキレンオキシド、特に2〜6 個の炭素原子、好まし
くは2 〜4 個の炭素原子を含むアルキレンオキシドで変
性されまたはエーテル化されたデンプンまたは穀粉であ
る。エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチ
レンオキシドは例示の成分であり、それは出発デンプン
または穀粉材料をエーテル化するのに有用であり、プロ
ピレンオキシドは特に好ましい。様々な量のアルキレン
オキシドは所望の特性および経済性により用いられてよ
い。一般に、デンプンまたは穀粉の重量を基準として約
15重量%以下、好ましくは約10重量% 以下の量が用いら
れ、より好ましくは約2 〜15重量% 、好ましくは2 〜10
重量% の量が用いられる。
【0015】本発明の発泡デンプン製品に含まれる第二
のデンプン成分は、エステル成分中で2 〜8 個の炭素原
子を有し、そして基礎材料がデンプンまたは小麦粉もし
くはコーン粉のどちらかにより決まる中程度の置換度(D
S)を有するデンプンまたは小麦粉もしくはコーン粉エス
テル化合物である。より詳細には、基礎材料がデンプン
であるときに、エステル誘導体は約1.0 〜1.8 のDSを有
し、そして好ましくは約1.2 〜1.6 のDSを有するであろ
う。基礎材料が小麦粉であるときには、エステル誘導体
は約0.3 〜1.1 、好ましくは0.7 〜1.0 のDSを有し、コ
ーン粉であるときは約0.7〜0.8を有するであろ
う。明細書中で用いるものとして、用語「置換度」と
は、置換基が存在するデンプン分子上の無水グルコース
単位当たりの平均サイト数を示す。より特には、デンプ
ンまたは小麦粉もしくはコーン粉エステルは下記式を有
するエステル化合物を含む。
【化2】 (式中、Aはデンプンまたは小麦粉もしくはコーン粉基
礎材料であり、そしてRはアルキル、アリール、アルカ
リールまたはアラルキルであり、1 〜7 個の炭素原子を
有し、好ましくは1 〜4 個の炭素原子を有する。) 。よ
り好ましくは、エステル化合物は、1 〜2 個の炭素原子
を有するアルキルであるR を有し且つエステルは約1.2
〜1.6 のDSを有するであろう。このタイプのデンプンエ
ステルはデンプンアセテート、デンプンプロピオネー
ト、デンプンブチレート、デンプンヘキサノエート、デ
ンプンベンゾエートおよび混合デンプンエステル、例え
ば、デンプンアセテート/ プロピオネート、即ち、エス
テルが下記式
【化3】 (式中、RおよびR1 は上記に規定された異なる置換基
である。)により示されるエステルを含む。本明細書全
体を通して用いられるものとして、上記式および説明に
おけるAの使用はデンプンおよび小麦粉もしくはコーン
粉の両方を含むと理解される。
【0016】エーテルおよびエステルを調製するための
デンプンおよび穀粉の変性は、当業界においてよく知ら
れており、このような調製法の良好な要約はR.L.Whisle
r,J.N.BeMillerおよびE.F.Paschall, "Starch :Chemist
ry and Technology";Academic Press, 1984, Chapter X
に見ることができる。デンプンエステルは、通常、有機
酸無水物、例えば、無水酢酸とデンプンを反応させるこ
とにより調製される。本発明で要求されるような高いレ
ベルのDSのためには、ピリジンのような溶剤系が用いら
れた。しかし、本発明により要求されるような中程度の
DSレベルを有するデンプンを調製するための改良された
方法は、最近、1994年6 月14日にR.Billmersらに付与さ
れた米国特許第5,321,132 号において開示されており、
それを参照により明細書中に取り入れる。この方法は、
高い処理レベルの有機酸無水物および高濃度のアルカリ
試薬とデンプンを反応させる、水性の一工程方法を用い
る。
【0017】2 種のデンプンまたは穀粉成分、即ち、デ
ンプンエーテルまたは穀粉エーテルおよびデンプンエス
テルまたは小麦粉エステルもしくはコーン粉エステルは
約25〜90重量% のデンプンエーテルまたは穀粉エーテル
および約10〜75重量% のデンプンエステルまたは小麦粉
もしくはコーン粉エステルの比率で用いられるであろ
う。好ましくは、これらの成分は約25〜75重量% のデン
プンエーテルまたは穀粉エーテルおよび約25〜75重量%
のデンプンエステルまたは小麦粉もしくはコーン粉エス
テルの量、より好ましくは、約40〜60重量% のデンプン
エーテルまたは穀粉エーテルおよび約40〜60重量% のデ
ンプンエステルまたは小麦粉もしくはコーン粉エステル
の量で用いられるであろう。上記のエーテルおよびエス
テルに加えて、それらから製造された組成物および製品
は約0 〜30重量% の未誘導化デンプンまたは小麦粉を含
んでもよい。
【0018】強度、可撓性、色、難燃性、密度、弾力性
等を改良するために、デンプン組成物中に添加剤または
合成化合物を加えてもよい。ポリビニルアルコール、エ
チレンビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリ
( エチレンビニルアセテート) 、モノグリセリド、スチ
レンアクリレート樹脂のような化合物は典型的な添加剤
であり、それらは加えられてよい。これらの添加剤は、
デンプンの押出および発泡製品の全体の特性は適切であ
るかぎり、所望の特性を有効に満足できるあらゆる量で
用いられてよい。一般には、約50重量% 以下、好ましく
は0.1 〜約10重量% のこのような添加剤は用いられてよ
い。
【0019】更に、成核剤または塩は、押出加工性およ
び得られる発泡製品の特性を補助するためにデンプンま
たは穀粉成分に加えられることができる。あらゆる無機
の水溶性塩またはその混合物、特にアルカリ金属塩また
はアルカリ土類金属塩、例えば、硫酸ナトリウムおよび
塩化ナトリウムを含めた様々な成核剤または塩はこの能
力のために用いられてよい。ミクロタルクのような他の
成核剤も用いられることができる。用いる成核剤の量は
特定の加工条件および所望の製品により、そして約1 〜
8%、より特には2 〜5 重量% が適切であることが判っ
た。
【0020】本発明の発泡製品は押出法を用いて調製さ
れることができる。本発明の発泡製品は比較的に低密度
の発泡された独立気泡材料であり、良好な可撓性および
/または剛性を有し、更に、弾力性および圧縮性を有す
る。発泡製品の均質な独立気泡構造は所望の特性を発泡
製品に付与することができる。独立気泡は、主として非
連結気泡を有するものと定義され、主として相互連結さ
れた連続気泡に対するものであり、連続気泡は破壊し、
つぶされまたはなくなった気泡壁により2 個以上の気泡
が連結されたものと定義される。通常、小さい泡形成に
より、約50〜1000ミクロンの小さな気泡径となる。
【0021】一般に、発泡製品の特性は広く変化するこ
とができ、製品のバルク密度は約2lb/ft3 であり、レジ
リエンスは少なくとも20% であり、圧縮率は約100 〜80
0g/cm3である。これらの特性を決定する方法は1991年8
月27日に付与された米国特許第5,043,196 号に記載され
ており、それを参照により明細書中に取り入れる。
【0022】本発明の発泡成形品は押出法を用いて調製
される。押出法を実施するときに用いる装置はあらゆる
スクリュー型押出機であってよい。一軸および二軸押出
機は用いられてよいが、二軸押出機を用いることが好ま
しい。このような押出機は、通常、片側末端に入口ポー
トが取り付けられ、そして吐出末端に成形ダイが取り付
けられている、水平円筒バレルにおいて回転できるスク
リューを有する。二軸スクリューを用いるときには、そ
れらはかみ合いまたは非かみ合いの同時回転性のもので
ある。各スクリューは螺旋ネジ山またはネジ込み部を含
み、そして通常には、比較的に深いフィード部、次に転
移部および比較的に浅い一定深さの計量部を有する。モ
ーター駆動のスクリューは、一般に、シリンダーまたは
バレルにぴったりと適合し、それにより、押出機を通っ
て材料が通過したときに材料を混合し、加熱し、そして
剪断することができる。
【0023】押出機のバレルの長さ方向に沿っての温度
制御は重要であり、そしてスクリューの長さに沿ったゾ
ーンで行われる。熱交換手段、通常には、油のような加
熱媒体を循環させるためのバレル壁内に位置するチャン
ネル、チャンバーまたはボアのような通過路、または、
カロッドまたはコイルタイプのヒーターのような電気ヒ
ーターはしばしば用いられる。更に、熱交換手段はスク
リュー装置のシャフト内にまたはそれに沿って配置され
てもよい。
【0024】異なるダイおよびダイ形状は押出機におい
て用いられてよく、押出は、所望の発泡デンプン製品の
特定の形状による。管状またはチューブ状ダイは用いら
れてよい適切なタイプの1 つである。
【0025】押出機において用いられる要素の変更は、
従来の設計実務により所望によりなされてよい。押出成
形および典型的な設計変更の更なる説明は"Encyclopedi
a ofPolymer Science and Engineering", Vol.6, 1986,
pp.571〜631 に見ることが出来る。
【0026】押出法を実施するときに、押出機の温度は
特定の材料、所望の特性および用途によって変えられる
であろう。それは、一般に、約100 〜250 ℃であり、好
ましくは約150 〜210 ℃である。押出機内のデンプンの
総湿分量、即ち、入口フィードデンプン内に存在する水
と、加工の間に加えられる水の合計はデンプンの合計の
重量を基準に約25% 以下であり、好ましくは約15〜21%
である。
【0027】本発明は次の実施例で更に例示される。特
に指示がないかぎり、全ての部および百分率は重量基準
であり、そして全ての温度は摂氏である。
【0028】例1 下記のように、様々な量の高アミロースデンプンエーテ
ルおよびデンプンエステルを含むデンプンブレンドの幾
つかの試料をフォーム構造体に押出し、試験した。デン
プンエーテルは、7 重量%のプロピレンオキシド(P.O.)
でヒドロキシプロピル化されたHylon (登録商標)VII
デンプン(National Starch and Chemical Company 、約
70重量% のアミロースを含む。) であった。デンプンエ
ステルは1.5 のDSを有する流動性Hylon VII デンプン酢
酸エステルであった。
【0029】17% の合計湿分を含むデンプン試料を、ス
クリュー速度が250rpmで、1x3mm ダイ開口部を有する30
mm Werner and Pfleiderer同時回転二軸押出機にフィー
ドした。押出機の温度はバレルまたはダイ直前の部分で
約180 ℃のレベルに上昇した。発泡したデンプンフォー
ム試料は次の表1 で示すように収縮試験された。
【0030】 表1 デンプン組成物ブレンド 量 % 収縮(90 °F/90% 相対湿度) HYLON VII デンプン HYLON VIIデンプン エーテル 酢酸エステル 1 日 14 日 (7 重量% (DS 1.5) プロピレンオキシド) 100 0 20.5 >30.0 75 25 9.2 26.5 50 50 0.2 0.0 25 75 0.0 0.0
【0031】上記の試料はデンプン酢酸エステルのレベ
ルが50% に増加するとともに、収縮に対する耐性が大き
く増加した。これらの製品は水との接触時に低い崩壊性
を示し、そして改良された表面滑らかさ並びに気泡構造
の望ましい品質、圧縮率およびレジリエンスを示した。
【0032】例2 高アミロースコーン粉(10 〜13% のタンパク質および2
〜3%の脂質を含む) を無水プロピオン酸で処理し、0.7
のDSを有するコーン粉プロピオン酸エステルを製造し
た。この材料を乾燥混合し、高アミロースデンプンエー
テル( 7%のプロピレンオキシドで処理することにより得
られた) および約4.5%の成核剤( 硫酸ナトリウムおよび
ミクロタルク) とブレンドした。ブレンドを例1 のよう
に押出加工し、望ましい独立気泡構造を有し且つ圧縮性
および弾力性のようなクッション性を有する成形フォー
ムを製造した。更に、フォームは水との直接接触および
高温/ 高湿条件への暴露で次の性能を示した。
【0033】更に、水で満たしたビーカーに小さなサイ
ズの押出物を入れることによりフォームの直接水接触に
対する耐性を評価し、そして製品が崩壊するまでの時間
を測定した。結果を表2 に示す。
【0034】 表2 デンプン/コーン粉組成物ブレンド 量 %収縮 HYLON VII デンプン HYLON VII粉 (90°F/90% 相対湿度) 水中での エーテル プロピオン酸 1日 14 日 崩壊 (7 重量% エステルプロピレンオキシド) (DS 0.7) 100 0 20.5 >30.0 0.2 75 25 9.2 19.2 1.5 50 50 0.2 0.0 8 25 75 0.0 0.0 17
【0035】例3 Hylon VII 粉(10 〜13% のタンパク質および2 〜3%の脂
質を含む) を無水酢酸で処理し、0.8 のDSを有するコー
ン粉酢酸エステルを製造した。このコーン粉をヒドロキ
シプロピル化した高アミロースエーテルおよび2.5%のミ
クロタルク( 成核剤を提供するために) とブレンドし、
そして例1 のように押出加工した。得られたフォームは
望ましい気泡構造を有し、表3 に示すように、高温/ 高
湿貯蔵に暴露したときに良好な耐性を示した。
【0036】 表3 粉組成物ブレンド % 収縮(90 °F/90% 相対湿度) HYLON VII 粉 HYLON VII粉 酢酸エステル 酢酸エーテル 1 日 3日 (DS=0.8) (7% プロピレン オキシド) 0 100 6 14 50 50 0 0 75 25 0 0
【0037】更に、コーン粉酢酸エステルを含むフォー
ム押出物は水中に入れたときに幾分かの一時的な耐性を
示し、そして20〜30分間の暴露時間の後に無傷であっ
た。
【0038】例4 プロピレンオキシド(7%)でヒドロプロピル化した高アミ
ロース(70%) デンプン、高アミロース(70%) デンプン酢
酸エステルDS=1.5(20 部) および高アミロース(70%) 小
麦粉(10 部) からなるブレンドを、更に成核パッケージ
を加えて上記の例のように押出加工した。得られた押出
物は優れたフォーム特性を有し、そして例外的な水崩壊
に対する耐性を示した。フォームを12時間以上にわたっ
て崩壊に対して耐性であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーティン エム.テスラー アメリカ合衆国,ニュージャージー 08820,エディソン,ダーウィン ブー ルバード 507 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 3/08 C08L 3/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性の耐水および耐湿性の発泡した
    デンプン製品であって、 a)2〜6個の炭素原子を含むアルキレンオキシド15
    重量%以下で変性されたデンプンまたは穀粉約25〜9
    0重量%、および、 b)約1.0〜1.8の置換度を有するデンプンエステ
    ル、または、約0.3〜1.1の置換度を有する小麦粉
    エステルもしくは約0.7〜0.8の置換度を有するコ
    ーン粉エステル約10〜75重量%を含むデンプン製
    品。
  2. 【請求項2】 アルキレンオキシドで変性された成分中
    で用いられるデンプンまたは穀粉が、少なくとも40重
    量%のアミロース含有分を有する高アミロースデンプン
    または高アミロース穀粉である請求項1記載のデンプン
    製品。
  3. 【請求項3】 少なくとも40重量%のアミロース含有
    分を有する高アミロースデンプンまたは高アミロース小
    麦粉もしくはコーン粉がデンプンエステルまたは小麦粉
    もしくはコーン粉エステル成分中で用いられており、さ
    らに0〜30重量%の未誘導化デンプンまたは小麦粉を
    含有する請求項1記載のデンプン製品。
  4. 【請求項4】 デンプンエステルまたは小麦粉エステル
    もしくはコーン粉エステルが下記式 【化1】 (式中、Aはデンプンまたは小麦粉もしくはコーン粉を
    ベースとする材料であり、そしてRは1〜7個の炭素原
    子を有するアルキル基である。)を有する化合物を含む
    請求項1記載のデンプン製品。
  5. 【請求項5】 アルキレンオキシドで変性された成分が
    アルキレン基中に2〜4個の炭素原子を有し且つ2〜1
    0重量%のアルキレンオキシドを有し、Aがデンプンで
    あり、そしてデンプンエステルが1.2〜1.6の置換
    度を有する請求項4記載のデンプン製品。
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