JP2766035B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録方法

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JP2766035B2
JP2766035B2 JP2093235A JP9323590A JP2766035B2 JP 2766035 B2 JP2766035 B2 JP 2766035B2 JP 2093235 A JP2093235 A JP 2093235A JP 9323590 A JP9323590 A JP 9323590A JP 2766035 B2 JP2766035 B2 JP 2766035B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般にインクと呼ばれる記録液を微細口
(オリフィス)から小滴として吐出、飛翔させ、この小
滴を被記録面へ付着させて記録を行なうインクジェット
記録方法に関する。
〔従来の技術〕
インクジェット記録装置に適用される記録ヘッドは、
一般に、微細な液体吐出口(オリフィス)、液体流路、
該液体流路の一部に設けられるエネルギー作用部と、該
エネルギー作用部にある液体に作用させる液滴形成エネ
ルギーを発生するエネルギー発生手段を具えている。
このようなエネルギーを発生するエネルギー発生手段
としてはピエゾ素子等の電気機械変換体を用いた記録方
法、レーザー等の電磁波を照射してそこにある液体に吸
収させて発熱させ、該発熱による作用で液滴を吐出、飛
翔させる記録方法あるいは電気熱変換体を用いる記録方
法等がある。その中でも電気熱変換体をエネルギー発生
手段にもつインクジェット記録ヘッドは、記録用の液滴
を吐出して飛翔用液滴を形成するための液体吐出口を高
密度に配列することができることにより、高解像力の記
録をすることが可能であり、また記録ヘッドとして全体
的にコンパクト化することも容易である。また、最近の
半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上が著しい
IC技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に活用でき、
長尺化及び面状化(2次元化)が容易であること等から
マルチノズル化、高密度実装化が容易で、しかも大量に
生産性よく製造コストも安価なインクジェット記録用ヘ
ッドを提供することが可能である。
このように、エネルギー発生手段に電気熱変換体を用
い、半導体製造プロセスを経て製造されたインクジェッ
ト用記録ヘッドとしては、マルチノズル化されたものを
構成する場合は、各ノズルに対応した液体流路を設け、
該液体流路毎に該液体流路を満たす液体に熱エネルギー
を作用させて対応するノズルより液体を吐出して飛翔用
液滴を形成する手段としての電気熱変換体が設けられ、
各液体流路には、各液体流路に連通している共通液室よ
り液体が供給される構造となっている。
ところで上述したような記録ヘッドを用いて記録用イ
ンクを吐出、飛翔させ記録動作を続けていくと、第7図
に示すように、記録ヘッドホルダ718に記録ヘッド固定
部材717を介して固定される記録ヘッド701の各ノズル71
0の吐出口から記録インク滴714が吐出される際に無数に
発生するサテライト状の微小インクミスト715が記録ヘ
ッド701の吐出面711に付着してしまったり、各ノズル71
0の吐出口から吐出されたインク滴714が記録用紙713の
表面に到達し、記録用紙713に吸収される前のインク溜
り714′が形成されている状態のときに、後から飛んで
きたサテライト状の微小インクミスト715がこのインク
溜り714′に到達し、その際にインクがはね返ることに
より発生する微小インクミスト715′が、記録ヘッドの
吐出面に付着してしまい、記録ヘッドの各ノズル710の
吐出口からのインク滴の安定な吐出が防げられてしまう
という問題が発生していた。そこで、従来は、上述した
ような記録ヘッド701の吐出口からのインク滴714の吐出
の際に発生する微小インクミスト715による問題を解決
するために、記録ヘッド701の吐出面711の近傍に空気吸
引装置を設けて、この微小インクミスト715を吸引して
しまう方法や、記録ヘッドホルダ718の対向側にゴム性
ブレードを定期的に当接させ、この微小インクミスト71
5の付着によって生じた付着インク滴719をかき落として
しまう方法等が考えられている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来のインクジェット記録装置の
うち、空気吸引装置を用いて微小インクミストを吸引す
るものの場合には、装置構成が大きくなり、騒音も大き
い上に、このサテライト状の微小インクミスト715を吸
引するのみならず、インク滴714にも空気流による影響
を与えてしまい、記録用紙上での記録ドットの記録位置
が本来の記録位置からずれてしまうという問題が発生す
る。また、付着インク滴719除去のためにゴム性ブレー
ドを用いる場合には、このゴムブレードにより各記録ヘ
ッド701の吐出面711が損傷してしまい、各記録ヘッド70
1の各ノズル710の吐出口から吐出されるインク滴714の
吐出の方向が乱れてしまうという欠点があり、さらに、
記録ヘッド701が複数色分ある場合には、各記録ヘッド7
01の吐出面711に付着した付着インク滴719を別の色の各
記録ヘッド701のノズル710に詰め込んでしまい、各記録
ヘッド701のノズル710内での記録用インクの混色を引き
起こす原因となるという欠点があった。
本発明は上記従来技術が有する欠点に鑑みなされたも
のであって、記録ヘッドの吐出面にインクミストが付着
することによる記録ヘッドの記録インク滴吐出不良の発
生を防止することのできるインクジェット記録方法を提
供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によるインクジェット記録方法は、インク吐出
口より記録媒体にインク滴を吐出させることにより記録
を行うインクジェット記録方法において、 前記インク吐出口からのインク吐出方向を、前記記録
媒体の記録面の垂直方向に対して傾斜させるとともに、
吐出されたインク滴により前記記録面からはね返るイン
クミストのはね返り方向が前記インク吐出口を有するイ
ンク吐出面に向かう方向とは異なる方向となして記録を
行うことを特徴とする。
本発明の他の形態によるインクジェット記録方法は、
インク吐出口より記録媒体にインク滴を吐出させること
により記録を行うインクジェット記録方法において、 前記インク吐出口からのインク吐出方向を、前記記録
媒体の記録面の垂直方向に対して前記記録媒体と前記イ
ンク吐出口との相対移動方向下流側へ向かう方向に傾斜
させるとともに、吐出されたインク滴により前記記録面
からはね返るインクミストのはね返り方向が前記インク
吐出口を有するインク吐出面に向かう方向とは異なる方
向となして記録を行うことを特徴とする。
本発明のさらに他の形態によるインクジェット記録方
法は、異なるインクを吐出する記録ヘッドを記録媒体と
該記録ヘッドとの相対移動方向に沿って複数配して該記
録ヘッドより前記記録媒体にインク滴を吐出させること
により記録を行うインクジェット記録方法において、 前記複数の記録ヘッド夫々からのインク吐出方向を、
前記記録媒体の記録面の垂直方向に対して傾斜させると
ともに、前記複数の記録ヘッド夫々から吐出されたイン
ク滴により前記記録面からはね返るインクミストのはね
返り方向が前記複数の記録ヘッドの夫々のインク吐出面
とは異なる領域にはね返る方向となして記録を行うこと
を特徴とする。
本発明のさらに他の形態によるインクジェット記録方
法は、異なるインクを吐出する記録ヘッドを記録媒体と
該記録ヘッドとの相対移動方向に沿って複数配して該記
録ヘッドより前記記録媒体にインク滴を吐出させること
により記録を行うインクジェット記録方法において、 前記複数の記録ヘッドからのインク吐出方向を、前記
記録媒体の記録面の垂直方向に対して前記記録媒体と前
記記録ヘッドとの相対移動方向下流側へ向かう方向に傾
斜させるとともに、前記複数の記録ヘッド夫々から吐出
されたインク滴により前記記録面からはね返るインクミ
ストのはね返り方向が前記複数の記録ヘッドの夫々のイ
ンク吐出面とは異なる領域にはね返る方向となして記録
を行うことを特徴とする。
〔作用〕
記録ヘッドのノズルの吐出口より吐出されるインク液
滴の吐出方向が記録面の垂直方向に対して傾いているの
で、記録面にてはね返ったインクミストは該傾きに応じ
て反射され、インク滴を吐出した記録ヘッドと異なる方
向にはね返るので、該記録ヘッドの吐出面に付着するこ
とが少なくなる。
〔実施例〕
以下、図面を参照にして本発明を具体的に説明する。
第1図は本発明によるインクジェット記録装置の第1
の実施例の模式的構成図である。
ロール状に巻かれた連続した記録用紙113はガイドロ
ーラ121,122を経て、シート送りローラ123の回転摩擦力
により搬送され、矢印124方向へ排出される。
上下のガイドローラ121,122の間の記録用紙113の前面
は4個の記録ヘッド101Y,101M,101C,101BKを収容する記
録ヘッドホルダ118を搭載したキャリッジ127が配置さ
れ、この領域が記録部となる。
記録部にはガイドローラ121,122と平行に配置された
ガイド軸125が設けられ、該ガイド軸125に沿って、キャ
リッジ127が往復動を行なう。
記録ヘッドホルダ118に収容される各記録ヘッド101Y,
101M,101C,101BKには図示していないインクタンクから
それぞれイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラック
BKのインクが供給される。
各記録ヘッド101Y,101M,101C,101BKは、各記録ヘッド
の印字幅分ずつ間欠送りされ、記録用紙113が送り方向
に停止している間に矢印P方向に走査されつつ画像信号
に応じて記録インク滴を吐出する。キャリッジ127は、
キャリッジモータ(パルスモータ)128によりタイミン
グベルト126を介して往復駆動され、シート送りローラ1
23はシート送りモータ129により回転駆動され、各モー
タはそれぞれキャリッジモータドライバ133、シート送
りモータドライバ136を介して制御回路130により制御さ
れる。
画像データ出力部135より出力されるR,G,Bからなる画
像データは、画像処理回路131によりY,M,C,BKの各画像
情報へと変換され、この信号に応じて、上述の制御回路
130が各記録ヘッドにフレキシブルケーブル120Y,120M,1
20C,120BKを介して駆動信号を出力し、実際に各記録ヘ
ッドから記録インク滴が吐出されることになる。
第2図は上述した各記録ヘッド101Y,101M,101C,101BK
の概略構成図である。これらのものは同様の構成である
ため、以下、記録ヘッド101として説明する。
記録ヘッド101は、エッチング・蒸発・スパッタリン
グ等の半導体製造プロセス工程を経て、基板202上に製
膜された電気熱変換体203、電極204、ノズル壁205、天
板206から構成されている。インク212は図示してないイ
ンク貯蔵室からインク供給管207を通して記録ヘッド101
の共通インク室208内に供給される。図中209はインク供
給管用のコネクタである。共通インク室208内に供給さ
れたインク212は毛細管現象により各ノズル210内に供給
され、ノズル先端の吐出口でメニスカスを形成すること
により安定に保持される。この状態で電気熱変換体203
に通電することにより、電気熱変換体203面上のインク
が加熱され、発泡現象が発生し、その発泡のエネルギー
により各ノズル210の吐出口からインク滴が吐出する。
上述したような構成により、ノズル密度400ノズル/inch
といった高密度のノズル配置で128ノズルあるいは256ノ
ズルというマルチノズルのインクジェット記録ヘッドを
製造することが可能となる。
第3図は本発明の第1の実施例の要部構成を示した概
略断面図である。
本実施例のものにおいては、記録ヘッドホルダ118に
記録ヘッド固定部材317を介して固定される各記録ヘッ
ド101を、各記録ヘッド101の各ノズル210の吐出口から
吐出されるインク滴314の吐出方向が記録用紙113面の垂
直方向に対して記録ヘッド101を搭載したキャリッジ127
の進行方向(P方向)側に角度θ傾くように傾斜させて
配置している。すなわち、図示のθをθ>0と定義して
いる。つまり、本実施例においては、各記録ヘッド101
の各ノズル210の吐出口から吐出されるインク滴314の吐
出方向を記録用紙113に対して垂直としないことによ
り、各記録ヘッド101から吐出された各インク滴314が記
録用紙113の表面に到達して記録用紙113に吸収される以
前のインク溜り314′を形成している状態のときに、イ
ンク滴314の後から飛んできたサテライト状の微小イン
クミスト315がインク溜り314′に到達した際に発生する
はね返りの微小インクミスト315′が各記録ヘッド101の
吐出面211と違う方向にはね返るものとしている。これ
により、記録ヘッド101の吐出面211がはね返りのインク
により汚れないようにしている。
この記録用紙113の垂直方向に対する各記録ヘッド101
のノズル210の吐出口から吐出されるインク滴314の吐出
方向の傾きの角度θとしては、θ<0°と設定した場合
には、記録用紙113面上で発生したはね返り微小インク
ミスト315′が記録ヘッド101の吐出方向と反対側のθ>
0°の方向にはね返り、各記録ヘッド101を搭載したキ
ャリッジ127(第1図参照)が矢印P方向へと走査され
た際にこのはね返り微小インクミスト315′が各記録ヘ
ッド101の吐出面211に付着し易いことから、インク滴31
4が反矢印P方向に吐出されるように記録ヘッド101を傾
斜させている。すなわち、傾斜角度θを0°<θ<90°
となるように配置するようにし、微小インクミスト31
5′が記録ヘッド101の吐出面211に再付着しにくいもの
としている。
実際に、本発明者らが第2図に示したようなノズル密
度400dpiでノズル数256ノズルの記録ヘッドと水70%と
ジエチレングリコール30%の溶媒からなる水性インクを
用い、記録ヘッドの全ノズルを駆動周波数を2.5KHzで駆
動した場合に、従来は早い場合で、A4サイズ全ベタ分
(約6×104パルス/ノズル)で発生していたはね返り
微小インクミスト315′の蓄積によるインク滴の吐出不
良が、記録ヘッドの傾斜角度θをθ=30°とし、キャリ
ッジ−記録用紙間距離d=0.5mm L cos 30°=0.6mm,記
録ヘッド吐出面−記録用紙間距離L=0.7mmのように設
定して記録動作を行なったところ、A1サイズ全ベタ分
(約5×105パルス/ノズル)の印字を行なっても、記
録インク滴の吐出不良が発生しないことが確認された。
第4図は、本発明による第2の実施例の要部構成を示
した概略断面図である。
本実施例において、記録用紙113の記録面の垂直方向
に対して傾斜されて配置された各記録ヘッド101を固定
し、キャリッジ127(第1図参照)に搭載される記録ヘ
ッドホルダ118の各記録ヘッド101の吐出面側を、ノズル
210より吐出されるインク滴314が通過できる分だけのス
リット状の孔438が設けられたインク吸収部材437で覆う
構成をとっている。
本実施例のように、各記録ヘッド101の吐出面211の前
面側にインク吸収部材437を設けることにより、記録ヘ
ッド101が複数個以上ある場合に、それぞれの記録ヘッ
ド101の各吐出面211に、他の記録ヘッド101により発生
した微小インクミスト315′が付着することを防止する
ことができる。
なお、ここで用いられるインク吸収部材437としては
高分子多孔質体を採用しているが、特に高分子発泡体の
場合、インクミストを吸収してしまうとその体積が変化
してしまうものが多いため、インクを吸収しても体積の
変化しない種類のものを用いる必要があり、中でも発泡
ホルマール樹脂タイプのものが良好である。
また、ここで用いられるインク吸収部材437としては
上述のもののほかに熱燒結タイプの高分子多孔質体も有
効であり、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
高分子量ポリエチレン、複合ポエリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリスチレン、
アクリロニトリル系共重合体、エチレン酢酸ビニル共重
合体、フッ素樹脂、フェノール樹脂の熱燒結体を用いる
ことが可能である。その中でも、インクミストの吸収性
および、耐インク性等から、低密度ポリエチレン、高密
度ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレ
ンを用いたものが良好である。
さらに、これらの高分子多孔質体からなるインク吸収
部材437は、インクミストの吸収性を向上させるため
に、これらの高分子多孔質体を界面活性剤で処理し、イ
ンクとの接触角を低下させ、ヌレ性をよくすることによ
り本発明のインク吸収部材による効果はさらに向上す
る。
第5図は本発明による第3の実施例の要部構成を示す
概略断面図である。
本実施例においては記録用紙113の記録面に対して記
録走査方向に角度θだけ傾斜されて配置された各記録ヘ
ッド101を固定する記録ヘッドホルダ118の各記録ヘッド
101の吐出面側を、ノズル210からのインク滴314が通過
できる分だけのスリット状の孔538が設けられ、これ以
外の部分は各記録ヘッド101の全面を覆うインク吸収部
材539が設けられている。本実施例のように、記録ヘッ
ドホルダ118の記録用紙側のほぼ全面にインク吸収部材5
39を設けることにより、各記録ヘッド101の吐出口から
吐出されたインク滴314により発生させられた微小イン
クミスト315′が各記録ヘッドの吐出面211およびキャリ
ッジ127(第1図参照)の記録用紙面側に付着され、記
録ヘッドの吐出不良や記録用紙汚れが発生することを防
止することができるようになる。
第6図は、本発明による第4の実施例の要部構成を示
す概略断面図である。
本実施例においては記録用紙113の記録面の垂直方向
に対して記録走査方向に角度θだけ傾斜されて配置され
た各記録ヘッド101を固定する記録ヘッドホルダ118の記
録用紙113側に、細かいピッチの溝641を有する前面プレ
ート640を設けるようにしている。該前面プレート640に
も第5図に示したインク吸収部材539と同様に各記録ヘ
ッド101のノズル210からのインク滴314が通過できる分
だけのスリット状の孔638が設けられ、これ以外の部分
は各記録ヘッド101の全面を覆うものとされている。
つまり、本実施例において、各記録ヘッド101のノズ
ル210の吐出口から吐出されたインク滴314により発生し
た微小インクミスト315′が、キャリッジ127(第1図参
照)の記録用紙面側に付着・蓄積した場合でも、このイ
ンク溜りが前面プレート640に設けられた細かいピッチ
の溝641に沿って、鉛直方向下方に流れ落ちてしまうよ
うにしている。この、前面プレート640に設けられた溝6
41の部分に付着・蓄積したインク溜りを流れ落ち易くす
るために、前面プレート640の材質をインクに対するヌ
レ性の悪いものにすることにより、本実施例をより効果
のあるものにすることができる。
実際に、この前面プレート640に用いる材質として
は、ポリプロピレンや弗素樹脂等のプラスチック部材
や、記録用紙面側を弗素樹脂等で撥水処理コーティング
した金属部材を用いればよく、また、この前面プレート
640に設ける溝641としては、溝間ピッチおよび溝の深さ
を0.1mm〜1mm程度にすればよい。
上記のようにキャリッジ127の記録用紙面側に、微小
インクミスト315′が付着・蓄積してインク溜りができ
た場合でも、このインク溜りを鉛直方向下方(図中紙面
表から裏側方向)に流し落としてしまう方法をとること
により、キャリッジ127を構成する場合の材質の選択の
自由度を大きくすることができるようになる。
本発明は、特に、インクジェット記録方式の中でもバ
ブルジェット方式の記録ヘッド、記録装置において、優
れた効果をもたらすものである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特
許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行なうものが好ましい。こ
の方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のい
ずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場
合には、液体(インク)が保持されているシートや液路
に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に
対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少
なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気
熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱
作用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一
対応し液体(インク)内の気泡を形成できるので有効で
ある。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して
液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形
成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切
に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れ
た液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。こ
のパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359
号明細書、同第4345262号明細書に記載されているよう
なものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率
に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載され
ている条件を採用すると、さらに優れた記録を行なうこ
とができる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口、液路、電気熱変換体の組合わせ
構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部
が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特
許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書に記
載された構成のものでもよい。加えて、複数の電気熱変
換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出
部とする構成を開示する特開昭59年第123670号公報や熱
エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応せる
構成を開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた構
成としても本発明は有効である。
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対
応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとし
ては、上述した明細書に開示されているような複数記録
ヘッドの組合わせによって、その長さを満たす構成や一
体的に形成された一個の記録ヘッドとしての構成のいず
れでもよいが、本発明は、上述した効果を一層有効に発
揮することができる。この場合には各ノズルより吐出す
るインク液滴が記録用紙の下流側に吐出されるように傾
斜して設ければよい。
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との
電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能にな
る交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録
ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
また、本発明の記録装置の構成として設けられる、記
録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付
加することは本発明の効果を一層安定できるので好まし
いものである。これらを具体的に挙げれば、電気熱変換
体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組合
わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予
備吐出モードを行なうことも安定した記録を行なうため
に有効である。
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流
色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的
に構成するか複数個の組合わせによってでもよいが、異
なる色の複色カラーまたは、混色によるフルカラーの少
なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効であ
る。
以上説明した本発明実施例においては、インクは液体
として説明しているが、室温やそれ以下で固化するイン
クであって、室温で軟化もしくは液体あるいは、上述の
インクジェットではインク自体を30℃以上70℃以下の範
囲内で温度調整を行なってインクの粘性を安定吐出範囲
にあるように温度制御するものが一般的であるから、使
用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよ
い。加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインク
の固形状態から液体状態への態変化のエネルギーとして
使用せしめることで防止するかまたは、インクの蒸発防
止を目的として放置状態で固化するインクを用いるかし
て、いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付
与によってインクが液化してインク液状として吐出する
ものや記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始める
もの等のような、熱エネルギーによって初めて液化する
性質のインク使用も本発明には適用可能である。このよ
うな場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特
開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シー
ト凹部または貫通孔に液状または固型物として保持され
た状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態と
してもよい。本発明においては、上述した各インクに対
して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行する
ものである。
〔発明の効果〕
本発明は以上説明したように構成されているので、以
下に記載するような効果を奏する。
インク滴が記録用紙面に到達した際に発生する微小イ
ンクミストを記録ヘッドの吐出面と異なる方向へはね返
るため記録ヘッドの吐出面にこのインクミストが付着・
蓄積することによる記録ヘッドからの記録インク滴の吐
出不良の発生を防止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のインクジェット記録装置の第1の実施
例の模式構成図、第2図は第1図中の記録ヘッドの概略
構成図、第3図は第1の実施例の要部構成を示す概略断
面図、第4図乃至第6図は本発明の第2乃至第4の実施
例の要部構成を示した概略断面図、第7図は従来例の要
部構成を示す概略断面図である。 101,101Y,101M,101C,101BK……記録ヘッド、113……記
録用紙、118……記録ヘッドホルダ、120Y,120M,120C,12
0BK……フレキシブルケーブル、121,122……ガイドロー
ラ、123……シート送りローラ、125……ガイド軸、126
……タイミングベルト、127……キャリッジ、128……キ
ャリッジモータ、129……シート送りモータ、130……制
御回路、131……画像処理回路、202……基板、203……
電気熱変換体、204……電極、205……ノズル壁、206…
…天板、207……インク供給管、208……共通インク室、
209……コネクタ、210……ノズル、211……吐出面、212
……インク、314,315……インク滴、314′,315′……イ
ンクミスト、317……記録ヘッド固定部材、437,539……
インク吸収部材、438,538,638……孔、640……前面プレ
ート、641……溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B41J 2/18 2/185 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/01,2/045,2/055,2/165 B41J 2/18,2/185,2/21

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インク吐出口より記録媒体にインク滴を吐
    出させることにより記録を行うインクジェット記録方法
    において、 前記インク吐出口からのインク吐出方向を、前記記録媒
    体の記録面の垂直方向に対して傾斜させるとともに、吐
    出されたインク滴により前記記録面からはね返るインク
    ミストのはね返り方向が前記インク吐出口を有するイン
    ク吐出面に向かう方向とは異なる方向となして記録を行
    うことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】インク吐出口より記録媒体にインク滴を吐
    出させることにより記録を行うインクジェット記録方法
    において、 前記インク吐出口からのインク吐出方向を、前記記録媒
    体の記録面の垂直方向に対して前記記録媒体と前記イン
    ク吐出口との相対移動方向下流側へ向かう方向に傾斜さ
    せるとともに、吐出されたインク滴により前記記録面か
    らはね返るインクミストのはね返り方向が前記インク吐
    出口を有するインク吐出面に向かう方向とは異なる方向
    となして記録を行うことを特徴とするインクジェット記
    録方法。
  3. 【請求項3】異なるインクを吐出する記録ヘッドを記録
    媒体と該記録ヘッドとの相対移動方向に沿って複数配し
    て該記録ヘッドより前記記録媒体にインク滴を吐出させ
    ることにより記録を行うインクジェット記録方法におい
    て、 前記複数の記録ヘッド夫々からのインク吐出方向を、前
    記記録媒体の記録面の垂直方向に対して傾斜させるとと
    もに、前記複数の記録ヘッド夫々から吐出されたインク
    滴により前記記録面からはね返るインクミストのはね返
    り方向が前記複数の記録ヘッドの夫々のインク吐出面と
    は異なる領域にはね返る方向となして記録を行うことを
    特徴とするインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】異なるインクを吐出する記録ヘッドを記録
    媒体と該記録ヘッドとの相対移動方向に沿って複数配し
    て該記録ヘッドより前記記録媒体にインク滴を吐出させ
    ることにより記録を行うインクジェット記録方法におい
    て、 前記複数の記録ヘッドからのインク吐出方向を、前記記
    録媒体の記録面の垂直方向に対して前記記録媒体と前記
    記録ヘッドとの相対移動方向下流側へ向かう方向に傾斜
    させるとともに、前記複数の記録ヘッド夫々から吐出さ
    れたインク滴により前記記録面からはね返るインクミス
    トのはね返り方向が前記複数の記録ヘッドの夫々のイン
    ク吐出面とは異なる領域にはね返る方向となして記録を
    行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
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