JP2765994B2 - 二次電池 - Google Patents

二次電池

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    • H01M10/056Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は導電性ポリマーを少くとも一方の電極に用い
る二次電池に関するものである。
(ロ) 従来の技術 近年、例えば特開昭56-136469号公報にみられるよう
に、導電性ポリマーを電極に用いた二次電池が提案され
ている。
この種の二次電池の電極に使用される導電性ポリマー
は、通常、導電性は僅かであるが、各種のドーバンドを
ドーピング、アンドーピングすることが可能であり、ド
ーピングにより導電性が飛躍的に上昇する。そして、Cl
O4 -やBF4 -などのアニオンをドーピングした導電性ポリ
マーは正極材料として、またLi+やNa+などのカチオンを
ドーピングした導電性ポリマーは負極材料として各々使
用され、ドーピング及びアンドーピングを電気化学的に
可逆的に行なうことによって充放電可能な電池が構成さ
れる。
この様な導電性ポリマーは、一般に、酸化剤による化
学的重合、あるいは電解重合などによって作られ、例え
ばポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポ
リアニリン、ポリパラフェニレン等が従来から知られて
いる。そしてこのポリマーが粉状で得られる場合は電極
形状に応じた形状に加圧成形して、またフイルム状の場
合はそのまま電極寸法に打抜いたり、あるいは粉砕して
粉状とする等して使用されている。これらの導電性ポリ
マーを使用した電池は、軽量で高エネルギー密度である
ばかりか無公害であるといった特長のある電池として期
待されている。とりわけ、上記のポリピロールやポリア
ニリンは特性が良好で、これらを用いた二次電池は実用
化電池として有望視されている。
この種の二次電池の電解液としては、通常、リチウム
電池などの既存の非水電池に使用されているのと同様
な、プロピレンカーボネートなどの非プロトン系の有機
溶媒に、過塩素酸リチウムやホウフッ化リチウムのよう
なリチウム塩などのアルカリ金属昇温を溶質として溶解
したものが用いられている。
(ハ) 発明が解決しようとする課題 しかしながら、これら導電性ポリマーを電極に使用し
た二次電池は、一般に既存の非水電池などに較べてその
電極電位がかなり高い。したがって、上記従来の電解液
を用いて電池を構成し、これを充放電した場合には、充
電進行と共に電池電圧が高くなりすぎてしまう結果、電
解液やドーパント、更には導電性ポリマーが分解する等
の副反応が起こり、充放電効率の低下や保存特性の劣化
を招くという課題がある。この傾向は特に充放電容量が
大きい場合には顕著となり、サイクル経過に伴う充放電
効率の低下の度合いが大きく、それ故サイクル寿命が短
くなるという課題もある。
本発明は従来のこのような課題を解決して、充放電効
率が低下したり、保存特性が劣化することを防止して、
二次電池のサイクル特性を飛躍的に向上させ、これによ
って、高信頼性且つ高性能の二次電池の提供を目的とす
るものである。
(ニ) 課題を解決するための手段 本発明は、正極と、負極と、電解液とを備え、導電性
ポリマーを上記正極のみ、或るいは正、負両極に用いた
二次電池において、前記電解液の溶質が、LiBF4からな
り、前記電解液の溶媒が一般式Cm2m+1O(CH2lOCn
2n+1(但し式中、lは1または2、m、nは1以上4
以下の整数。但し、m=n≠3、m=n≠4。)で表さ
れる直鎖ジエーテル系化合物と、エチレンカーボネート
との混合溶媒からなることを特徴とする二次電池であ
る。
ここで、前記直鎖ジエーテル系化合物とエチレンカー
ボネートとの混合体積比率が、90:10〜10:90とするのが
好ましい。
(ホ) 作用 本発明の如く有機溶媒を電解液として電池を構成した
場合、従来のようにプロピレンカーボネートのみを電解
液溶媒として用いた場合に較べて、充電時における電圧
の上昇を低く抑えることができ、この結果、電池缶や集
電体の腐食が防げ、また電解液やドーパントあるいは導
電性ポリマーの分解などが制御されて、電池の充放電特
性並びにサイクル特性が向上する。
このように混合溶媒を電解液溶媒として用いた場合の
特性が良好になる理由は、次のように考えられる。即
ち、この種の電池においてドーパントとして用いられる
アニオンは、アンドーピング状態ではこれらが溶解して
いる溶媒と溶媒和して存在する一方、ドーピング反応が
起こる時にはこの溶媒和が外れてアニオン自体が導電性
ポリマー中へドーピングされる。この時、溶媒和の外れ
易さ並びにドーピングのし易さは、アニオンが溶媒和し
ている溶媒とアニオンがドーピングされる導電性ポリマ
ーとの相互作用によって大きく影響される。
そして、前述せる直鎖ジエーテル系化合物とエチレン
カーボネートの混合溶媒を使用した場合、アニオン(BF
4 -)と直鎖ジエーテルとの溶媒和が、直鎖ジエーテルと
導電性ポリマーとの相互作用により外れ易くなるものと
考えられる。
また、本発明の混合溶媒を用いた電解液が、従来のプ
ロピレンカーボネートを用いた電解液に較べ、電導度が
高く、粘度が低いことも特性向上の要因と考えられる。
尚、前記式(a)で示される直鎖ジエーテル系化合物
としては、ジメトキシメタン、ジエトキシエタン、ブト
キシプロポキシメタン、エトキシメトキシエタン、ジエ
トキシメタン等を使用しうる。
そして、電解質である溶質は、ホウフッ化リチウム
(LiBF4)を使用する。
(ヘ) 実施例 以下の実施例では、用いた直鎖ジエーテル系化合物と
エチレンカーボネートとの組合わせ及びその添加量を、
変化させて検討を行った。
第1実施例 [実施例I] 本発明の実施例を、第1図に示す偏平型非水系二次電
池に基づいて、以下に説明する。
リチウム金属から成る負極2は負極集電体7の内面に
圧着されており、この負極集電体7はステンレスから成
る断面略コ字状の負極缶5の内底面に固着されている。
上記負極缶5の周端はポリプロピレン製の絶縁パッキン
グ8の内部に固定されてれおり、絶縁パッキング8の外
周にはステンレスから成り上記負極缶5とは反対方向に
断面略コ字状を成す正極缶4が固定されている。この正
極缶4の内底面には正極集電体6が固定されており、こ
の正極集電体6の内面には正極1が固定されている。こ
の正極1と前記負極2との間には、セパレータ3が介装
されている。
ところで、前記正極1は電解重合によって合成したポ
リアニリン粉末を円板状に加圧成形することにより作成
し、前記負極2はリチウム圧延板を所定寸法に打抜くこ
とにより作成した。また、電解液としては有機溶媒にホ
ウフッ化リチウム(LiBF4)を1M溶解させた溶液を用
い、上記有機溶媒としてはジメトキシメタン(C25OC
H2OC25)とエチレンカーボネートとを50:50の体積比
率で混合したものを用いた。
このようにして作製した電池を、以下(A4)電池と
称する。
[実施例II〜実施例VI] 下記第1表に示すように、有機溶媒としてジエトキシ
メタンとエチレンカーボネートを、それぞれ95:5、90:1
0、70:30、10:90、5:95の体積比率で混合する他は前記
実施例Iと同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を以下順に(A1)電
池、(A2)電池、(A3)電池、(A5)電池、(A6
電池と称する。
[比較例I] 有機溶媒としてγ−ブチロラクトンとプロピレンカー
ボネートの50:50混合溶媒を用いた以外は、前記実施例
Iと同様にして電池を作製した。
以下、このようにして作製された電池を(Y)電池と
称する。
[比較例II] 有機溶媒としてプロピレンカーボネートを用いた以外
は、前記実施例Iと同様にして電池を作製した。
以下、このようにして作製された電池を(Z)電池と
称する。
各電池について、1mAの電流で10時間充電を行ない、
また、1mAの電流で電池電圧が2.5Vになるまで放電する
という充放電サイクルを繰り返し行なった。そして、各
電池の100サイクル目における充電終止電圧と充放電効
率を第1表に示す。
第1表より、比較例の(Y)電池、(Z)電池はそれ
ぞれ充電終止電圧4.55V、4.60V、充放電効率75%、65%
と劣化してきている。更に(A1)電池、(A6)電池
は、それぞれ充電終止電圧4.40V、4.41V、充放電効率80
%、81%であるのに対し、本発明の(A2)〜(A5)電
池は、それぞれ、充電終止電圧3.78V、3.78V、3.79V、
3.80V、充放電効率100%と特性が著しく良好である。
これらのことから有機溶媒であるジエトキシメタンと
エチレンカーボネートとの混合体積比率は、90:10〜10:
90の範囲であることが望ましい。
第2実施例 [実施例I〜実施例VI] 下記の第2表に示すように、有機溶媒としてジエトキ
シエタン(C25O(CH22OC25)とエチレンカーボ
ネートとを、それぞれ95:5、90:10、70:30、50:50、10:
90、5:95の体積比率で混合する他は前記同様にして電池
を作製した。
このようにして作製された電池を、以下順に(B1
電池、(B2)電池、(B3)電池、(B4)電池、
(B5)電池、(B6)電池と称する。
また、比較例としては第2表に示す(Y)電池、
(Z)電池を用いた。
各電池を用い1mAの電流で10時間充電を行ない、また1
mAの電流で電池電圧が2.5Vになるまで放電するという充
放電サイクルを繰り返し行なった。そして、各電池の10
0サイクル目における充電終止電圧と充放電効率を第2
表に示す。
第2表より、比較例の(Y)電池、(Z)電池はそれ
ぞれ充電終止電圧4.55V、4.60V、充放電効率75%、65%
と劣化している。(B1)電池、(B6)電池は、それぞ
れ充電終止電圧4.39V、4.40V、充放電効率83%、82%で
あるのに対し、特に本発明の(B2)〜(B5)電池は、
それぞれ充電終止電圧3.77V、3.77V、3.76V、3.78V、充
放電効率100%と特性が著しく良好である。
これらのことから有機溶媒であるジエトキシエタンと
エチレンカーボネートとの混合体積比率は、90:10〜10:
90の範囲であることが望ましい。
第3実施例 [実施例I〜実施例VI] 下記の第3表に示すように、有機溶媒としてブトキシ
プロポキシメタン(C49OCH2OC37)エタレンカーボ
ネートとを、それぞれ95:5、90:10、70:30、50:50、10:
90、5:95の体積比率で混合する他は前記同様にして電池
を作製した。
このようにして作製された電池を以下順に、(C1
電池、(C2)電池、(C3)電池、(C4)電池、
(C5)電池、(C6)電池と称する。
また、比較例としては第3表に示す(Y)電池、
(Z)電池を用いた。
各電池を用い、1mAの電流で10時間充電を行ない、ま
た1mAの電流で電池電圧が2.5Vになるまで放電するとい
う充放電サイクルを繰り返し行なった。そして、各電池
の100サイクル目における充電終止電圧と充放電効率を
第3表に示す。
第3表より、比較例の(Y)電池、(Z)電池は、そ
れぞれ充電終止電圧4.55V、4.60V、充放電効率75%、65
%と劣化している。更に(C1)電池、(C6)電池は、
それぞれ充電終止電圧4.42V、4.43V、充放電効率80%、
79%であるのに対し、本発明の(C2)〜(C5)は、そ
れぞれ充電終止電圧3.79V、3.78V、3.79V、3.80V、充放
電効率100%と特性が著しく良好である。
これらのことから、有機溶媒であるジエトキシエタン
とエチレンカーボネートとの混合体積比率は、90:10〜1
0:90の範囲であることが望ましい。
第4実施例 [実施例I〜実施例VI] 下記の第4表に示すように、有機溶媒としてエトキシ
メトキシエタン(C25O(CH22OCH3)とエチレンカ
ーボネートとをそれぞれ95:5、90:10、70:30、50:50、1
0:90、5:95の体積比率で混合する他は前記同様にして電
池を作製した。
このようにして作製された電池を、以下順に(D1
電池、(D2)電池、(D3)電池、(D4)電池、
(D5)電池、(D6)電池と称する。
また、比較例としては第4表に示す(Y)電池、
(Z)電池を用いた。
各電池を用い、1mAの電流で10時間充電を行ない、ま
た1mAの電流で電池電圧が2.5Vになるまで放電するとい
う充放電サイクルを繰り返し行なった。そして各電池の
100サイクル目における充電終止電圧と充放電効率を第
4表に示す。
第4表より、比較例の(Y)電池、(Z)電池は、そ
れぞれ充電終止電圧4.55V、4.60V、充放電効率75%、65
%と劣化している。更に(D1)電池、(D6)電池は、
それぞれ充電終止電圧4.38V、4.39V、充放電効率84%、
82%であるのに対し、特に本発明の(D2)〜(D5
は、それぞれ充電終止電圧3.77V、3.77V、3.76V、3.78
V、充放電効率100%と特性が著しく良好である。
これらのことから、有機溶媒であるエトキシメトキシ
エタンとエチレンカーボネートとの混合体積比率は、9
0:10〜10:90の範囲であることが望ましい。
このように、特に本発明の電池において、充電時の電
圧が低下し性能が向上したのは、以下の理由によるもの
と考えられる。
即ち、前式(a)で示される直鎖ジエーテルと、エチ
レンカーボネートの混合溶媒を使用した場合、アニオン
と直鎖ジエーテルとの溶媒和が、直鎖ジエーテルと導電
性ポリマーとの相互作用により外れ易くなって導電性ポ
リマー中へアニオンがドーピングし易くなるものと考え
られる。また、この混合溶媒を用いた電解液が、従来の
プロピレンカーボネートのみを用いた電解液に較べ、電
導液が高く、粘度が低いことも特性向上の要因となった
ことに起因すると考えられる。
尚、上記実験においては、導電性ポリマーから成る電
極を正極のみに用いているが、正極、負極の両極に用い
た場合であっても、上記と同様の効果が得られる。
また、前記実験においては、負極にリチウム金属を用
いたが、アルミニウム、ビスマス、鉛、錫、カドミウ
ム、インジウム、亜鉛より成る群から選ばれる少なくと
も1つとリチウムとの合金、マンガン、クロム、鉄、珪
素、銅、ジルコニウム、タングステン、モリブデンより
成る群より選ばれる少なくとも1種の金属を含むリチウ
ム−アルミニウム合金或いは導電性ポリマーを用いた場
合も同様の効果を奏することは勿論である。
(ト) 発明の効果 以上説明したように本発明によれば、充電時における
電圧の上昇を低く押さえることができるので、電池缶や
集電体の腐食を防止することができると共に、電解液や
ドーパント或いは導電性ポリマーの分解等が抑制され
る。加えて、上記の混合溶媒を電解液の溶媒として用い
れば、従来のプロピレンカーボネートのみを溶媒とする
電解液と比べて、電導度が高くなると共に、粘度が低く
なる。これらのことから、電池の充放電特性やサイクル
特性を向上させることができ、高信頼性且つ高性能の二
次電池を作製しうるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例の電池の構造を示す断面図である。 1……正極、2……負極、3……セパレータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−105478(JP,A) 特開 昭62−31962(JP,A) 特開 平1−248471(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 10/40 H01M 4/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極と、負極と、電解液とを備え、導電性
    ポリマーを上記正極のみ、或るいは正、負両極に用いた
    二次電池において、 前記電解液の溶質が、LiBF4からなり、 前記電解液の溶媒が、一般式Cm2m+1O(CH2lOCn
    2n+1(式中、lは1または2、m、nは1以上4以下の
    整数。但し、m=n≠3、m=n≠4。)で表される直
    鎖ジエーテル系化合物と、エチレンカーボネートとの混
    合溶媒からなることを特徴とする二次電池。
  2. 【請求項2】前記直鎖ジエーテル系化合物とエチレンカ
    ーボネートとの混合体積比率が、90:10〜10:90であるこ
    とを特徴とする請求項(1)記載の二次電池。
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