JP2764254B2 - 太陽熱利用の自動開閉式水蒸気発生装置 - Google Patents

太陽熱利用の自動開閉式水蒸気発生装置

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JP2764254B2
JP2764254B2 JP7345150A JP34515095A JP2764254B2 JP 2764254 B2 JP2764254 B2 JP 2764254B2 JP 7345150 A JP7345150 A JP 7345150A JP 34515095 A JP34515095 A JP 34515095A JP 2764254 B2 JP2764254 B2 JP 2764254B2
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、太陽熱利用の自
動開閉式水蒸気発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、太陽熱利用を利用して海水を蒸発
させる水蒸気発生装置においては、その海水供給方法と
して水槽にポンプを使って汲み上げたり、海上に水蒸気
発生装置を係留させ、その水槽内部と海中とを連通させ
て、水槽部分の海水と外部の海水とを常時繋がらせるよ
うにした方法がある。
【0003】また、発生した水蒸気を冷却する方法とし
て、海水を冷媒として水蒸気の冷却を行うものや、内部
に蛇管を備えたコンデンサに水蒸気を導き、前記蛇管内
を循環させるフレオンガスを冷媒として水蒸気を冷却す
るものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、海水の供給に
関しては、水槽に海水をポンプを使って汲み上げる方法
では、ポンプ及びポンプの動力源が必要なため、コスト
が高くなり、加えて、水槽内の海水が減少する度、海水
を供給する操作が必要である。また、水槽内部を海中と
連通させる方法では、水槽部分の海水と外部の海水とが
常時繋がっているため水槽外に熱が逃げ、水槽部分の海
水の温度上昇を効果的に行うことができないという欠点
がある。
【0005】また、水蒸気の冷却方法に関しては、何れ
の方法においても特別の動力源や装置が必要であり、そ
のためにコストが高くなるという欠点がある。
【0006】この発明は、上記のような、太陽熱利用の
水蒸気発生装置の欠点を解消するためになされたもので
あり、ポンプ等の動力を用いずに、海水を供給して、且
つ、水槽内の海水の外部への流出による熱の放出を防止
することができる太陽熱利用の自動開閉式水蒸気発生装
置を提供することを目的とする。請求項3の発明では、
それに加えて低コストで実施できる冷却設備を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明では、水槽の側壁に海中と連通した吸水
口を設け、更に、水槽内の海水または水槽内の水蒸気の
変化に応じて開閉する前記吸水口を塞ぐ蓋を設け、水槽
の水面の上方空間を覆う透明板よりこの空間内へ透過さ
せた太陽輻射熱で前記水面の水を加熱蒸発させるよう
するとともに、前記水槽水面の上方空間と地下低温槽と
を蒸気導出通路で結んで、この導出通路より導かれた蒸
気を前記地下低温層内で凝縮させるようにしたことを特
徴とする。
【0008】この出願の請求項2の発明は、水槽の側壁
に海中と連通した吸水口を設け、更に、その吸水口の両
側の水圧差に応じて開閉し、且つ、水槽内部の向きにの
み開くことができる弁構造の蓋で前記吸水口を塞ぐとと
もに、水槽の水面の上方空間を覆う透明板よりこの空間
内へ透過させた太陽輻射熱で前記水面の水を加熱蒸発さ
せるようにしたことを特徴とする。
【0009】同じくこの出願の請求項3の発明は、水槽
の側壁に海中と連通した吸水口を設け、水槽の水面の上
方空間を覆う透明板よりこの空間内へ透過させた太陽輻
射熱で前記水面の水を加熱蒸発させるようにするととも
に、その蒸発した蒸気室内の蒸気圧を検出する蒸気圧セ
ンサーと、前記吸水口を開閉する弁と、蒸気圧センサー
からの検出信号により蒸気圧が下がると前記弁を開く制
御装置とを設けたことを特徴とする。
【0010】更に、前記加熱蒸発によって発生した水蒸
気の圧力を利用して発電を行うことも考えられる。
【0011】
【作用】この発明は上記のような構成であるので、水蒸
気発生装置の水槽内への海水の供給を、ポンプ等の動力
を用いずに自動的に行い、且つ、水槽内の海水の流出を
防ぐ。また、それに加えて、地下の低温環境を利用して
水蒸気を冷却し、請求項4の発明では、発生した水蒸気
の圧力を利用して発電を行う。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、実施形態1の海水淡水化
装置の断面図である。海に近い陸地に吸水口(1)を備え
た水槽(2)が設けられている。また、吸水口(1)は、吸
水管(3)によって海(4)と連通している。水槽(2)内壁
には吸水口(1)を塞ぐ蓋(5)が取付けられている。この
蓋(5)はゴム板からなり、海水中の蓋(5)に働く重力を
蓋(5)に働く浮力よりも大きくするために、錘(6)が、
その先端に接着されている。蓋(5)の上部は水槽(2)内
壁の吸水口(1)の上側に接着されており、蓋(5)は、吸
水口(1)を塞ぐような形状であることから、水槽(2)内
部の向きにのみ開くことができる。そして、蓋(5)が水
槽(2)内壁との接着部を支点に、吸水口(1)両側の水圧
差によって水槽(2)内部側に屈曲することにより、吸水
口(1)を開く。
【0013】水槽(2)内の海水の蒸発により、または、
潮の満ちにより、海面が水槽(2)内の海水の水位よりも
高くなれば、吸水口(1)の、吸水管(3)側の水圧が水槽
(2)内部側の水圧よりも高いので、蓋(5)は開き、吸水
管(3)から水槽(2)内へ海水が流入する。そして、水槽
(2)内の海水(7)の水位が海面と等しくなり水槽(2)内
部側の水圧が吸水管(3)側の水圧と等しくなれば、蓋
(5)に働く重力が蓋(5)に働く浮力よりも大きいことか
ら、蓋(5)は閉まり、海水の流入が止まる。その後、潮
の引きにより海面が下がっても、蓋(5)は吸水管(3)の
向きには開くことができず、水槽(2)内の水圧により閉
じたままで、水槽(2)内の海水は流出しない。
【0014】また、水槽(2)の上部は、太陽輻射熱(8)
を透過させる透明板(9)によって密閉状に覆われてい
る。この透明板(9)と水槽(2)内の水面との間には蒸気
室(10)が設けられている。(11)は、前記水槽(2)内に発
生した水蒸気を低温槽(12)内に導くための蒸気導出通路
であり、その一方の端部は、前記蒸気室(10)に連通さ
れ、もう一方の端部は、低温槽(12)内の水面上の空間
に、噴出口(13)を通じて開放されている。この噴出口(1
3)は、水蒸気の液化を良好に行うために管の内径を絞っ
ている。
【0015】上記において、水槽(2)内に溜められた海
水は、その上面の透明板(9)を透過する太陽輻射熱(8)
により加熱されて蒸発し、水蒸気を蒸気室(10)に発生さ
せる。この水蒸気は、蒸気圧により、蒸気導出通路(11)
及びその先端に取り付けられた噴出口(13)を通って、水
槽(2)の真下の地中に水槽(2)と一体に形成された低温
槽(12)内に噴出される。この低温槽(12)は、地上に比べ
て太陽輻射の影響が少ない地中の低温環境を利用して水
蒸気を冷却するものである。このとき、前記のように、
噴出口(13)の口径が絞られているので、噴出する水滴が
細分化され、低温槽(12)内での液化が促進される。この
ため、コンデンサ等の特別の凝縮装置を用いることな
く、低温槽(12)の零囲気で充分に凝縮させることが可能
である。
【0016】図2は実施形態2の原理説明図である。蒸
気圧を検出するセンサー(14)を蒸気室(10)に設け、この
センサー(14)に制御装置(15)とモータ等のアクチュエー
タ(16)を接続する。水槽(2)内の海水が減少し蒸気室(1
0)内の蒸気圧が下がると、センサー(14)がそれを検出す
る。そして、センサー(14)からの検出信号に応じて、制
御装置(15)がアクチュエータ(16)を起動して、吸水口
(1)の弁(17)が開き、海水が水槽(2)内へ流入する。そ
して、これにより、蒸気室(10)内の蒸気圧が上がると、
センサー(14)からの検出信号に応じて、制御装置(15)が
アクチュエータ(16)を起動し、吸水口(1)の弁(17)が閉
じて水槽(2)内への海水の流入が止まる。
【0017】図3は実施形態3の原理説明図である。本
実施形態では、先端に錘(6)が接着されたゴム板からな
る蓋(5)を、水槽(2)内壁の吸水口(1)の上側に接着し
た実施形態1と同様の蓋を用いている。そして、水槽
(2)内に溜められた海水は、その上面の透明板(9)を透
過する太陽輻射熱(8)により加熱されて蒸発し、水蒸気
を蒸気室(10)に発生させる。本実施形態では、蒸気室(1
0)内に発生した水蒸気を、蒸気導管(21)によりタービン
発電機(22)に導いている。そして、その蒸気圧によりタ
ービンの羽根を回転させて発電する。
【0018】図4は実施形態4の原理説明図である。本
実施形態では、蒸気圧を検出するセンサー(14)を蒸気室
(10)に設け、このセンサー(14)に制御装置(15)とモータ
等の アクチュエータ(16)を接続して、そのアクチュエー
タ(16)により弁(17)を開閉する実施形態2と同様の弁構
造を用いている。太陽輻射熱(8)により、蒸気室(10)に
発生した水蒸気は、実施形態4と同様に、蒸気導管(21)
によりタービン発電機(22)に導かれ、その蒸気圧により
タービンの羽根を回転させて発電する。
【0019】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、太陽
熱を利用した水蒸気発生装置への海水の供給を、水槽内
の海水または水蒸気の変化に応じて吸水口を自動的に開
閉することにより行うので、従来のように、水槽内に海
水を供給するための操作や、海水を汲み上げるためのポ
ンプ及びその動力源が不要となる。また、海水供給後に
海面が下がっても、水槽の吸水口は閉じたままであり、
従って、水槽内の海水の流出による熱の放出がなく、水
槽内の水温の上昇を効果的に行うことができる。
【0020】更に、低温槽に噴出された水蒸気を、地下
の低温環境により冷却され凝縮するので、従来のような
特別の動力源や装置が必要なく、冷却設備のためのコス
トが低減される。特に、地下低温槽を水槽の真下に水槽
と一体に形成すれば、設備のためのコストが大幅に低減
される。
【0021】また、発生した水蒸気の圧力を利用してタ
ービンの羽根を回して発電を行えば、従来の水蒸気圧発
電機のような加熱及び給水のための動力が不要になり、
そのための設備及びランニングコストが大幅に低減され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態1を示す海水淡水化装置
の断面図である。
【図2】実施形態2を示す海水淡水化装置の断面図であ
る。
【図3】実施形態3を示す発電装置の断面図である。
【図4】実施形態4を示す発電装置の断面図である。
【符号の説明】
(1) 吸水口 (2) 水槽 (4) 海 (5) 蓋 (6) 錘 (8) 太陽輻射熱 (9) 透明板 (11) 蒸気導出通路 (12) 地下低温槽(14) 蒸気圧センサー (15) 制御装置 (17) 弁

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水槽の側壁に海中と連通した吸水口を設
    け、更に、水槽内の海水または水槽内の水蒸気の変化に
    応じて開閉する前記吸水口を塞ぐ蓋を設け、水槽の水面
    の上方空間を覆う透明板よりこの空間内へ透過させた太
    陽輻射熱で前記水面の水を加熱蒸発させるようにすると
    ともに、前記水槽水面の上方空間と地下低温槽とを蒸気
    導出通路で結んで、この導出通路より導かれた蒸気を前
    記地下低温層内で凝縮させるようにしたことを特徴とす
    る太陽熱利用の自動開閉式水蒸気発生装置。
  2. 【請求項2】 水槽の側壁に海中と連通した吸水口を設
    け、更に、その吸水口の両側の水圧差に応じて開閉し、
    且つ、水槽内部の向きにのみ開くことができる弁構造の
    蓋で前記吸水口を塞ぐとともに、水槽の水面の上方空間
    を覆う透明板よりこの空間内へ透過させた太陽輻射熱で
    前記水面の水を加熱蒸発させるようにしたことを特徴と
    する太陽熱利用の自動開閉式水蒸気発生装置。
  3. 【請求項3】 水槽の側壁に海中と連通した吸水口を設
    け、水槽の水面の上方空間を覆う透明板よりこの空間内
    へ透過させた太陽輻射熱で前記水面の水を加熱蒸発させ
    るようにするとともに、その蒸発した蒸気室内の蒸気圧
    を検出する蒸気圧センサーと、前記吸水口を開閉する弁
    と、蒸気圧センサーからの検出信号により蒸気圧が下が
    ると前記弁を開く制御装置とを設けたことを特徴とする
    太陽熱利用の自動開閉式水蒸気発生装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱蒸発によって発生した水蒸気の
    圧力を利用して発電を行うことを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の太陽熱利用の自動開閉式水蒸気発
    生装置。
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