JP2763203B2 - 化学気相成長装置 - Google Patents

化学気相成長装置

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JP2763203B2 JP2309291A JP2309291A JP2763203B2 JP 2763203 B2 JP2763203 B2 JP 2763203B2 JP 2309291 A JP2309291 A JP 2309291A JP 2309291 A JP2309291 A JP 2309291A JP 2763203 B2 JP2763203 B2 JP 2763203B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、化学気相成長装置に
関し、特に半導体装置の成膜プロセスで使用する化学気
相成長装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2はいわゆるポストミックスタイプの
従来の化学気相成長装置の断面側面図である。チャンバ
1内のウェーハステージ2上に設置された半導体ウェー
ハ3は、ウェーハステージ2内のヒーター4により加熱
される。そして、排気口5より排気を行いつつガスヘッ
ド6からは半導体ウェーハ3の表面に第1の反応ガスB
およびO3 ガスCが噴射される。半導体ウェーハ3の表
面には熱化学反応により反応生成膜Aが形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この種の化
学気相成長装置においては、反応ガスBおよびO3 ガス
Cによって半導体ウェーハ3の表面に形成される反応生
成膜A以外に、ウェーハステージ2周辺の成膜下限温度
以上の高温部に熱化学反応によって生じた反応生成膜E
が付着する(図2参照)。また、成膜下限温度以下の低
温部(チャンバ1の天井部やウェーハステージ2より離
れている部分)には、第1の反応ガスBとO3 ガスCの
気相反応によって生じた反応生成物Fが付着する(図2
参照)。これらの反応生成膜E,反応生成物Fは付着量
が多くなると、その付着場所から剥れ、それが半導体ウ
ェーハ3へ付着する。こうなると、製品の歩留り低下を
招くので、定期的に装置を止めて、付着している反応生
成膜E,反応生成物Fの除却を行わなければならず、装
置の稼動率の低下を招くという問題点があった。
【0004】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、チャンバ内に不要な反応生成
膜、反応生成物が生じない化学気相成長装置を得ること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、反応室内に
おいて、ウェーハステージ上に設置されたウェーハを加
熱しつつ、ウェーハ表面に第1の反応ガスと酸化ガスと
を供給することにより、ウェーハ表面に所望の膜を形成
する化学気相成長装置に適応される。
【0006】この発明に係る化学気相成長装置は、前記
反応室の壁面を加熱する加熱手段と、前記反応室の内壁
に沿って前記ウェーハステージから遠ざかる方向に前記
所望の膜の形成時に前記酸化ガスから生じるOラジカル
と反応する第2の反応ガスを噴射する反応ガス噴射手段
とを備えたことを特徴とする。
【0007】
【作用】この発明においては、反応室の壁面を加熱する
加熱手段により反応室の壁面を成膜下限温度以上に加熱
し、かつ反応室の内壁に沿ってウェーハステージから遠
ざかる方向に前記酸化ガスから生じるOラジカルと反応
する第2の反応ガスを噴射する反応ガス噴射手段からの
反応ガスの流量を多くすれば、不要な反応生成膜や反応
生成物が生じない。
【0008】
【実施例】図1はこの発明に係る化学気相成長装置の一
実施例を示す断面側面図である。この装置はいわゆるポ
ストミックスタイプのものを示している。チャンバ1内
のウェーハステージ2上に設置された半導体ウェーハ3
は、ウェーハステージ2内のヒーター4により成膜下限
温度以上に加熱される。また、ヒーター8によりチャン
バ1の壁面を200℃以上(成膜下限温度以上)に加熱
する。排気口5より排気を行いつつガスヘッド6から半
導体ウェーハ3の表面に第1の反応ガスB(TEOS
(テトラエトキシシラン))およびO3 ガスCを噴射す
る。この時、ウェーハステージ2やガスヘッド6の周辺
部のチャンバ1の壁面は前述のように200℃以上に加
熱されているので、第1の反応ガスBとO3 ガスCによ
り生じた反応生成物Fは熱泳動の効果によりチャンバ1
の内壁には付着しない。
【0009】しかし、このままだと熱化学反応により反
応生成膜Eが生じ、チャンバ1の内壁に付着する。そこ
で反応ガス吹出口7からチャンバ1の内壁に沿ってウェ
ーハステージ2から遠ざかる方向に第2の反応ガスD
(エチレンC24 )を吹き出し、チャンバ1の内壁面
付近での反応生成膜Eの生成を抑制する。
【0010】第2の反応ガスD(エチレンC2 4 )が
TEOSガスBとO3 ガスCによる成膜反応を抑制する
効果を以下に示す化1,化2,化3を用いて説明する。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】加熱によりO3 分子は化1示すようにO2
分子と活性なOラジカルに分解される。そして、化2に
示すようにOラジカルがTEOS(Si(OC2 5
4 )分子と反応して、SiO2 分子(反応生成膜E)と
なる。成膜反応を抑制するためには、化2に示す反応、
つまり、TEOS分子とOラジカルとの反応を抑制すれ
ばよい。このため、TEOS分子よりOラジカルとの反
応性の高いエチレンC2 4 を第2の反応ガスDとして
チャンバ1の内壁に沿って吹き出す。すると、化3に示
すようにエチレンC2 4 とOラジカルが反応しアセト
アルデヒトCH3 CHOが形成され、反応生成膜Eとな
るSiO2 は形成されなくなり、反応生成膜Eがチャン
バ1の内壁に付着することがなくなる。その結果、従来
のように装置を止めてチャンバ1の内壁面の掃除を行う
必要がなく、装置の稼働率が低下することがなくなる。
【0015】なお、上記実施例においては、ヒーター8
を用いてチャンバ1の壁面を加熱する場合について説明
したが、他の加熱手段であってもよい。また、チャンバ
1の内壁に沿ってウェーハステージ2から遠ざかる方向
に第2の反応ガスDを吹き出すことができれば反応ガス
吹出口7の位置や形状、個数は限定されない。さらにチ
ャンバ1内壁面に吹き付ける第2の反応ガスDはN2
ス等の不活性ガスをキャリアとして加えたものであって
もよい。
【0016】また、上記実施例では、ポストミックスタ
イプの装置について説明したが、第1の反応ガスBとO
3 ガスCをあらかじめ混合して半導体ウェーハ3の表面
に噴射するいわゆるプリミックスタイプのものであって
もこの発明は適用できる。
【0017】さらに、上記実施例では第1の反応ガスB
が有機シラン系のTEOSガス、第2の反応ガスDがエ
チレンC2 4 の場合について説明したが、第1の反応
ガスBは他の有機シラン系のガス(例えばTMOS(テ
トラメトキシシラン))や有機リン系のガス(例えばT
MOP(トリメトキシホスファート))や有機ボロン系
のガス(例えばTMB(トリメトキシボラン))であっ
てもよく、また、これらの混合ガスであってもよい。第
2の反応ガスDは反応ガスBよりもOラジカルとの反応
性が高いガスであれば他のガスでもよい。例えば、プロ
ピレンC3 6 、アセチレンC2 2 、メタンCH4
プロパンC3 8 、ブタンC4 10、亜酸化窒素N
2 O、水素H2 、エタノールC2 5 OH、メタノール
CH3 OHなどがある。
【0018】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、反応
室の壁面を加熱する加熱手段と、反応室の内壁に沿って
ウェーハステージから遠ざかる方向に所望の膜の形成時
酸化ガスから生じるOラジカルと反応する第2の反応
ガスを噴射する反応ガス噴射手段とを設けたので、反応
室の壁面を成膜下限温度以上に加熱し、第2の反応ガス
の流量を多くすれば、反応室の壁面に不要な反応生成膜
や反応生成物が付着することがない。その結果、定期的
に装置を止めて反応室の内壁面を掃除する必要がなくな
り、装置の稼動率の向上が図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る化学気相成長装置の一実施例を
示す断面側面図である。
【図2】従来の化学気相成長装置を示す断面側面図であ
る。
【符号の説明】
1 チャンバ 2 ウェーハステージ 4,8 ヒーター 6 ガスヘッド 7 反応ガス吹出口 B 第1の反応ガス C O3 ガス D 第2の反応ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/31 H01L 21/205

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応室内において、ウェーハステージ上
    に設置されたウェーハを加熱しつつ、ウェーハ表面に第
    1の反応ガスと酸化ガスとを供給することにより、ウェ
    ーハ表面に所望の膜を形成する化学気相成長装置におい
    て、 前記反応室の壁面を加熱する加熱手段と、 前記反応室の内壁に沿って前記ウェーハステージから遠
    ざかる方向に前記所望の膜の形成時に前記酸化ガスから
    生じるOラジカルと反応する第2の反応ガスを噴射する
    反応ガス噴射手段とを備えたことを特徴とする化学気相
    成長装置。
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