JP2761720B2 - シミュレーションによる予測制御装置 - Google Patents
シミュレーションによる予測制御装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、遠隔地に設置したセンサーの信号により伝
播現象をシミュレーションして予測し、制御装置を動作
させるシミュレーションによる予測制御装置に関する。 〔従来の技術〕 第5図はフィードバック制御系の概要を説明するため
の図である。 一般にフィードバック制御系では、第5図に示すよう
に被制御部34における変化量をセンサ31により検出し、
演算部32で検出値と目標値との比較その他その制御系の
特性に応じた演算処理を行って制御信号を生成する。そ
して、この制御信号を使って制御部33を制御することに
よって被制御部34の変位や速度等を目標値になるように
制御している。このようなフィードバック制御系では、
例えば離れた位置における変化量に影響されて被制御部
34の状態が変化するような場合においても、制御系の応
答は、その変化があってからになる。従って、実際には
制御系の安定性を維持しつつセンサー31の信号に対する
被制御部34の応答速度を速くすることによって制御し応
答性を高めるようにしている。 〔発明の解決しようとする問題点〕 しかし、従来のフィードバック制御系では、上記のよ
うにセンサーによって変化量を検出し、その検出値に基
づいて検出した位置での被制御部を制御するため、被制
御部における状態変化があってからその変化に対応した
制御はできるが、事前に状態変化を予測して予め制御す
ることはできない。従って、被制御部の状態が例えば離
れた位置における変化に影響されるような場合におい
て、実際に被制御部の状態変化の前に制御しないと対応
が遅いような被制御部に対して上記のような制御系を利
用することはできない。このような場合には、むしろこ
こで提案するシミュレーションシステム等の利用による
予測制御が必要となる。次にシミュレーションシステム
の従来例を説明する。 最近、コンピュータによるシミュレーションへの関心
が航空宇宙、原子力、建設、機械、造船や化学工業等の
分野で高まってきている。シミュレーションとは、複雑
な挙動を示す現象をコンピュータを用いて解析すること
である。これらのシミュレーションによってより合理的
で且つ経済的な機械や海洋構造物の設計ができる。 例えば海洋分野でのシミュレーションには、津波シミ
ュレーションがある。 第6図はシミュレーションシステムの構成概要を示す
図、第7図はシミュレーションプログラムの構成例を示
す図、第8図は時々刻々の変化を求める解析プログラム
の処理の流れを説明するための図である。 シミュレーションシステムは、第6図に示すようにシ
ミュレーションプラグラム41に初期条件やパラメータそ
の他のシミュレーションデータがセットされると、コン
ピュータ42がそのシミュレーションプログラムを実行す
る。そしてその結果がグラフィックワークステーション
43で処理されてCRT44にグラフィック表示される。 一般にシミュレーションプログラムは、例えば津波シ
ミュレーションでは第7図に示すように構成される。は
じめに、水深等の形状データを有限要素法、差分法や境
界要素法等の離散化手法によってモデル化し、水位上昇
量等の物理量の時々刻々の変化を求め、その結果を図化
するものである。その処理の流れを示したのが第8図で
ある。 第8図に示す処理の流れで代表されるように、従来の
シミュレーションシステムは、時刻tを更新しながら最
終時刻tmaxに達するまでシミュレーション処理を繰り返
し行ってからその最終結果を出力するものであるため、
シミュレーションの実行状況を見ながらその中途におい
て条件設定の変更や新たな外的条件の付加等、シミュレ
ーション実行の変更を行うことはできない。仮にシミュ
レーションの中途から条件設定の変更や新たな外的条件
の付加等を行おうとすると、従来のシミュレーションシ
ステムでは、最終結果の出力を見て中途から行おうとす
る条件設定の変更や新たな外的条件の付加等に対応して
シミュレーションプログラムを組み直すことが必要であ
った。 すなわち、津波シミュレーションであれば、海底地形
や地震により発生する地殻の変化量等は初期条件として
一定値が与えられ、シミュレーションの開始で時刻更新
t0、t1、t2、……をしながら最終時刻tmaxに達するまで
各ステップの計算と境界条件の読込み(シミュレーショ
ン処理)を繰り返し行い、例えば1時間分の計算を繰り
返し行った最終時刻での津波の発生状態をシミュレーシ
ョン結果として出力する。この場合における、各ステッ
プの計算は、シミュレーションモデルにおける支配方程
式に基づく計算を行うものであり、例えば支配方程式を
離散化した成分(行列)を作成し、それに前ステップ
(時刻ti-1)での成分(列)を乗じた計算を行って新た
なステップ(時刻ti)での成分を求め、境界条件の読込
みは、各ステップの計算に基づき境界条件の更新を行う
ものであり、各ステップの計算で得られた成分(列)の
内容を境界条件の成分(列)と同じものに変更する。つ
まり、シミュレーション処理の繰り返しでは、境界条件
の読込みによりその時刻でのシミュレーション結果が得
られ、それに基づき次の時刻の各ステップの計算が行わ
れる。したがって、港湾でゲートがあるモデルにおい
て、津波の発生に伴い中途(時刻ti)でゲートを閉めた
場合にどうなるかをシミュレーションする場合には、初
期条件としてその閉めるゲートや時刻を含めて与えなけ
ればならない。そのため、変化量が大きい場合や小さい
場合、閉めるゲート、その閉める時刻等を変えた場合の
シミュレーション結果を得るためには、初期条件として
変化量や閉めるゲート、その閉める時刻等をそれぞれの
ケースに応じて逐一設定し、それぞれの初期条件のケー
ス毎にシミュレーションを最終時刻まで実行させること
が必要になるため、シミュレーションに膨大な手間と時
間がかかってしまう。 上記のように従来のシミュレーションシステムでは、
計算ルーチンとして境界条件や支配方程式が最終時刻に
達するまで変えることができるものではなく、その実行
途中においてセンサーの信号を割り込ませ、その信号の
変化に応じたシミュレーションを実行させることができ
るものではなかった。そのため、予測制御系に使用する
ことは困難であり、これまで、シミュレーションによる
予測制御装置は実現されていなかった。 本発明は、上記の問題点を解決するものであって、セ
ンサーからの検出信号を取り込みながらリアルタイムで
シミュレーションを実行して予測制御できるシミュレー
ションによる予測制御装置の提供を目的とするものであ
る。 〔問題点を解決するための手段〕 そのために本発明は、制御地点から離れた地点におけ
る物理量の変化に基づき物理量の変化が伝播する現象を
シミュレーションして制御地点における物理量の変化が
伝播した状態の変化を予測し該制御地点における状態に
応じて制御装置を動作させるシミュレーションによる予
測制御装置であって、制御地点から離れた地点に設置さ
れ物理量の変化を検出する検出手段と、支配方程式で記
述される離散化手法によりモデル化し単位処理ブロック
としてシミュレーションを開始するための必要な初期条
件の読み込み処理と物理量の変化が伝播する現象をシミ
ュレーションするため前記支配方程式を計算する各ステ
ップの計算処理と該各ステップの計算に基づき境界条件
を更新する境界条件の読み込み処理とシミュレーション
結果を出力する出力処理とに分けて構成したシミュレー
ションプログラムを実行するシミュレーション実行手段
と、シミュレーション実行結果を逐次格納するバッファ
と、割り込み信号の受け付け処理を行い、シミュレーシ
ョン実行手段の実行を制御して得られたシミュレーショ
ン実行結果をバッファ当に逐次格納しシミュレーション
実行結果から制御装置を動作させるシミュレーション制
御手段と、バッファに格納したシミュレーション結果を
出力する出力手段とを備え、シミュレーション実行手段
は、単位処理ブロックを構成する各処理のうち各ステッ
プの計算処理と境界条件の読み込みの処理の前にそれぞ
れ割り込み処理を設け、シミュレーション制御手段は、
検出手段の検出信号を割り込み信号として入力し、初期
条件の読み込み処理を実行した後、時刻更新しながら各
ステップの計算処理と境界条件の読み込み処理を繰り返
し実行すると共に、これらの処理の前に割り込み信号の
受け付け処理として入力した割り込み信号を解析して割
り込み処理の有無を判断し、割り込み処理がある場合に
はこれらの処理に代えて割り込み処理を行うようにシミ
ュレーション実行手段を制御し、割り込み処理では、割
り込み信号に基づき境界条件の更新を行うことを特徴と
する。 〔作用〕 本発明のシミュレーションによる予測制御装置では、
予め設定された系の条件に基づいてシミュレーションが
実行され、その実行結果がリアルタイムに出力手段から
出力される。他方、シミュレーション実行手段が単位処
理ブロック実行毎に割り込みを受け付けるので、センサ
ーの出力信号により割り込みがかけられてそのセンサー
位置の状況の変化に追随したシミュレーションが実行さ
れ、その結果に基づいた予測制御が可能になる。 〔実施例〕 以下、図面を参照しつつ実施例を説明する。 第1図は本発明に係るシミュレーションにより予測制
御装置の1実施例を説明するための図、第2図はバッフ
ァのシミュレーションデータ保持例を示す図、第3図は
シミュレーションシステムによる処理の流れを説明する
ための図、第4図は本発明に係るシミュレーションによ
る予測制御装置のシステム構成例を示す図である。 第1図において、1はシミュレーション処理部、2は
シミュレーション制御部、3は条件設定部、4はセンサ
ー、5はデータ入力部、6はバッファ、7は表示制御
部、8はCRT、9はVTR、10はライトペン、11は制御装置
を示す。シミュレーション処理部1は、境界条件や物性
の異なる、或いはモデルの異なる各種のシミュレーショ
ンI、II、III、……を行う例えばシミュレーションプ
ログラムで構成され、各シミュレーションI、II、II
I、……を単位処理ブロック実行毎に割り込み可能な構
成とするものである。条件設定部3は、シミュレーショ
ンを行うための初期条件を設定しておくものである。セ
ンサー4は、シミュレーションに関連する動的情報を入
力するものであり、データ入力部5は、条件設定部3に
設定する内容の入力やシミュレーションの中途における
割り込み指示及びその内容を入力するものであり、ライ
トペン10は、CRT8の画面上からデータを入力するもので
ある。シミュレーション制御部2は、シミュレーション
処理部1に対して条件設定部3の内容の読み込みや起動
を制御すると共に、センサー4、データ入力部5やライ
トペン10からのデータ等の入力処理及びそれに伴うシミ
ュレーション処理部1への割り込み処理を行い、さらに
はシミュレーション結果のバッファ6へ出力処理を行う
ものである。バッファ6は、シミュレーション制御部2
から単位処理ブロック実行毎のシミュレーション結果が
出力されてくると、第2図に示すように単位処理ブロッ
ク実行のシミュレーション結果i,i+1,i+2、……を一
時保持するものであり、その保持した内容が制御装置11
及び表示制御部7に出力される。ここで、シミュレーシ
ョン結果i,i+1,i+2、……は、例えばシミュレーショ
ンIのシミュレーション処理が繰り返し実行された場合
にはその結果の時系列からなり、その中途から割り込み
によりシミュレーションIIのシミュレーション処理が実
行された場合にはその結果を含むものである。そして、
そのシミュレーション結果が制御装置11で予測制御のた
めの制御信号に使用され、表示制御部7によりCRT8に表
示される。また、VTR7は、CRT8にグラフィック表示され
るシミュレーション結果の映像を記録しておくものであ
る。 次に各シミュレーションの構成を説明する。先に述べ
たようにシミュレーション処理部1の各シミュレーショ
ンI、II、III、……は、初期条件読み込み、各ステッ
プの計算、境界条件の読み込みの処理からなる単位処理
ブロックの実行毎に割り込み処理が可能な構成となって
おり、全体としては第3図(a)に示すように単位処理
ブロックのシミュレーション→割り込み処理→単位処理
ブロックのシミュレーション→……の繰り返しで実行さ
れる。この割り込み処理は、シミュレーション制御部2
が割り込みの内容を解析して行うものであり、実行中の
シミュレーションにおける条件設定の変更や新たな外的
条件の付加等を行い、或いは他のシミュレーションの実
行、例えばシミュレーションIからこれと境界条件や物
性、モデルが異なるケースのシミュレーションIIへの実
行移行等を行う。さらに、各シミュレーションI、II、
III、……では、単位処理ブロックの中で例えば第3図
(b)に示すように各ステップの計算や境界条件の読み
込みの前に割り込み処理のステップを挿入し、割り込み
があった場合には、シミュレーション制御部2でセンサ
ーの入力、条件設定の変更等に応じてその割り込みを解
析して割り込み処理の有無を判断し、割り込み処理によ
り境界条件や支配方程式を変更し所定の処理への移行や
処理の変更を行う。そして、単位処理ブロックのシミュ
レーション毎にシミュレーション結果を出力する。 すなわち、シミュレーション結果は、いってみれば時
刻更新された時々刻々において各ステップの計算を行
い、その計算結果に基づき境界条件の読み込みを行って
得られる境界条件の内容であり、割り込み処理は、この
境界条件の変更を随時行うことである。したがって、セ
ンサーの入力や条件設定の変更があると、時々刻々更新
されてきた境界条件の新たな変更になるので、そのセン
サーの入力や条件設定の変更を解析してその内容に応じ
て境界条件の変更を行うのが、割り込み処理である。そ
して、この変更された境界条件に基づき次の各ステップ
の計算が行われる。 上記のように構成されたシミュレーションによる予測
制御装置において、条件設定部3に所定の初期条件が設
定され、データ入力部5から実行命令が入力されると、
シミュレーション制御部2は、所定のシミュレーション
I(或いはII、III、……)に対して設定された初期条
件を詠み込んで起動指令を発行する。単位処理ブロック
のシミュレーション毎の割り込みステップでシミュレー
ション制御部2は、センサー4、データ入力部5やライ
トペン10から割り込み条件が入力されているか否かをチ
ェックし、他のシミュレーションの実行への割り込みが
なければ次の単位処理ブロックのシミュレーションの実
行を続行させる。他方、単位処理ブロックのシミュレー
ション結果がシミュレーション制御部2からバッファ6
に出力され、制御装置11の制御信号に使用されると共
に、表示制御部7を通してCRT8にグラフィック表示され
る。 例えばCRT8に表示された時々刻々変化するシミュレー
ション結果を見ながら条件設定の変更、新たな外的条件
の付加等を行う場合には、データ入力部5或いはライト
ペン10を使って割り込みをかけ、所望のデータを入力す
る。これらの入力は、シミュレーションの実行に先立っ
て設定された境界条件や支配方程式が完全であるとはか
ぎらず、シミュレーションの途中において、不具合が判
明し条件設定の変更、新たな外的条件の付加等を行う必
要が生じた場合に対応できるようにするものでもある。
このような操作が行われた場合、シミュレーション制御
部2は、割り込みステップでこれを処理する。また、セ
ンサー4により予め設定された所定の状況変化があった
場合にもシミュレーション制御部2がこれを監視しつつ
所定の処理を行う。また、シミュレーション制御部2
は、データ入力部5或いはライトペン10を使った割り込
みを処理する際、表示制御部7を通してその時点におけ
るCRT8の画面を調べ、CRT8の画面と割り込みの発生との
時間的一致を取って処理する。 例えば津波シミュレーションのように、津波が沖合に
近づいてくるまでは線形モデルであるのに対し、津波が
沖合から陸岸に近づいてくると非線形モデルに変わるケ
ースがある。このような場合、前者のモデルがシミュレ
ーションI、後者のモデルがシミュレーションIIにある
と、線形モデルに基づくシミュレーションIを実行し、
例えば沖合にブイを使用して設置したセンサーの入力と
して波高信号を入力することにより、シミュレーション
Iに割り込みが発生し、非線形モデルに基づくシミュレ
ーションIIへの実行移行を行うことになる。また、例え
ばシミュレーションIIIによる流体解析を行って流れの
場を求め、そのシミュレーション結果を見ながらシミュ
レーションIVによる移流熱拡散解析で熱の場を求めると
いうように、ある状況で熱解析も併せて行うようにする
こともできる。このように幾つかのシミュレーションプ
ログラムを移行制御して実行させるようにする場合に
は、例えば同一の離散化手法が採用される。従来は、こ
のような場合、予めシミュレーションプログラムに全て
を組み込むことが必要であったため、その作成に高度な
技術と経験を要した。 上記のように本発明に係るシミュレーションによる予
測装置は、センサー4からシミュレーションに関する動
的情報を入力し、時刻更新をしながらその情報を用いた
シミュレーションに基づいて予測制御のための制御信号
を生成し、制御装置11による制御を行うものである。し
たがって、本発明に係るシミュレーションによる予測制
御装置が適用されるシステムは、微分方程式で記述され
た内容、例えば拡散方程式や波動方程式等が記述された
ものであり、温度や熱、環境の減衰、拡散系、変位や速
度、水波(津波)、地震、音波の波動系になる。 シミュレーションのプログラムを作成する場合には、
一般に、電信電話方程式(例えば池原止文夫著「応用数
学講座」学術図書出版社 昭和49年4月20日発行 第2
版第1刷 第173〜180頁参照)から導出され、 で表される微分方程式について差分近似または有限要素
近似等により離散化を行う。この離散化された式は、 となる。そして、この離散化された式を解くアルゴリズ
ムは、第3図(b)に示すようにまず、初期条件の読
込(un=a)、各ステップの計算(反復解を求めるた
めの漸化式un+1=Aunの計算;ただしAは係数マトリク
ス)、境界条件の読込(un+1=uB)、解(un+1)の
出力のブロックに分けられる。このとき、時刻更新を行
って繰り返し実行すると、とのブロックでセンサー
等からの動的情報を割り込みにより入力している。 本発明に係るシミュレーションによる予測制御装置全
体のシステム概念図を示したのが第4図である。第4図
において、センサー21は例えば海底の地殻変動を検出す
るものとし、構造体24は海上に浮ぶ海洋構造物であっ
て、制御部23が構造体24の姿勢を制御するものとする
と、初期条件の読み込み処理で、海底地形等のデータを
読み込み、地殻変動をセンサー21で検出してその検出信
号について割り込み受け付け処理により割り込み処理を
行いながら各ステップの計算処理と境界条件の読み込み
の処理を時刻更新しながら繰り返し実行する。海上に浮
ぶ海洋構造物の構造体24としては、例えば空港や島、大
型船舶等があり、制御部23としてはバランサーのような
津波によって起こす揺れと逆向きの揺れを起こし姿勢を
制御する装置、吃水を変える装置等がある。この場合の
各ステップの計算処理は、センサー21の検出信号に基づ
き各ステップの計算で得られる初期条件との差の伝播す
る現象の解析であり、境界条件の読み込みの処理は、例
えば陸岸に対して海水は所定の位置で静止し(流速=
0)、限られた解析領域に対して外部とは反射ではなく
透過するものとするような境界条件を読み込むことであ
る。ここで、津波の浸水は、支配方程式の領域が広がる
ためであり、境界条件の変動ではないので、陸岸に対し
て海水は所定の位置で静止しているとするのである。こ
のようにしてセンサー21で地震規模の地殻変動を検出し
た場合に、それが伝播する現象を解析し、構造体24の位
置における津波の発生をシミュレーションすることがで
き、その結果から予め津波発生に備えた構造体24の姿勢
制御を行うことができる。つまり、シミュレーションに
よって常に津波発生の監視を行い、それに対応した構造
体24の姿勢制御を行うことができる。 また、地震発生を検知した時に、その地殻変動を初期
条件として読み込んでシミュレーションプログラムの実
行を開始して、その後のセンサーの検出信号を割り込み
信号としてもよい。つまり、余震の時にそのセンサーの
検出信号を初期条件として与えることによりシミュレー
ションプログラムの実行を開始し、その後の本震の時に
そのセンサーの検出信号を割り込み信号とする。例えば
沖合にブイを設けて波高を計測し、その波高値を割り込
み信号として入力し、波高値に基づき境界条件を変更す
ることもできる。沖合にフレキシブルマウンドやラバー
ゲート等を配置したり、港湾にゲートを配置している場
合には、それらのフレキシブルマウンドやラバーゲー
ト、ゲートを制御し、さらにその制御結果を割り込み処
理してフレキシブルマウンドやラバーゲート、ゲートの
制御に基づく境界条件の変更を行うようにすることもで
きる。 なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものでは
なく、種々の変形が可能である。例えば上記の実施例で
は、海洋構造物の姿勢制御に適用したが、他の制御系に
適用できることはいうまでもない。熱の拡散系のシミュ
レーションによる予測制御装置に適用する場合には、例
えば物理量は温度になり、物理量の変化を検出する検出
装置は温度センサー、制御対象は熱の場、初期条件は最
初の温度、境界条件は壁の温度、制御装置は冷却装置や
加熱装置になり、水質の汚染を対象とした拡散系のシミ
ュレーションによる予測制御装置に適用する場合には、
例えば物理量は汚れになり、物理量の変化を検出する検
出装置は濃度センサー、制御対象は濃度の場、初期条件
は最初の濃度、境界条件は壁の温度になり、制御装置は
汚染の拡大や影響を阻止するゲート、中和剤供給装置等
になる。また、CRT8の表示画面からデータ等を入力する
手段としてライトペンを使ったが、マウス、ジョイステ
ィック等のポインティングデバイスやキー入力部5のカ
ーソルキーその他のデータ入力手段を用いてもよいし、
シミュレーション結果の出力には、CRTでなくXYプロッ
タその他の出力手段を用いてもよい。 〔発明の効果〕 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、遠
隔地点の変化量より所望の位置への波及効果をシミュレ
ーションして制御信号とするので、的確な予測制御を行
うことができ、防災システム等に活用することにより災
害の事前措置を自動的に採用することができる。また、
シミュレーションによる時々刻々の状況変化を画面で見
ながら、その状況変化に応じたシミュレーションの実行
変更が可能になり、シミュレーションの効率的な活用を
図ることができる。特に、本発明は、スーパーコンピュ
ータのような高速処理コンピュータを使用するとシミュ
レーションの実行と割り込みの発行とをリアルタイムに
結合できるので、迅速な予測制御を行うことが可能とな
る。
播現象をシミュレーションして予測し、制御装置を動作
させるシミュレーションによる予測制御装置に関する。 〔従来の技術〕 第5図はフィードバック制御系の概要を説明するため
の図である。 一般にフィードバック制御系では、第5図に示すよう
に被制御部34における変化量をセンサ31により検出し、
演算部32で検出値と目標値との比較その他その制御系の
特性に応じた演算処理を行って制御信号を生成する。そ
して、この制御信号を使って制御部33を制御することに
よって被制御部34の変位や速度等を目標値になるように
制御している。このようなフィードバック制御系では、
例えば離れた位置における変化量に影響されて被制御部
34の状態が変化するような場合においても、制御系の応
答は、その変化があってからになる。従って、実際には
制御系の安定性を維持しつつセンサー31の信号に対する
被制御部34の応答速度を速くすることによって制御し応
答性を高めるようにしている。 〔発明の解決しようとする問題点〕 しかし、従来のフィードバック制御系では、上記のよ
うにセンサーによって変化量を検出し、その検出値に基
づいて検出した位置での被制御部を制御するため、被制
御部における状態変化があってからその変化に対応した
制御はできるが、事前に状態変化を予測して予め制御す
ることはできない。従って、被制御部の状態が例えば離
れた位置における変化に影響されるような場合におい
て、実際に被制御部の状態変化の前に制御しないと対応
が遅いような被制御部に対して上記のような制御系を利
用することはできない。このような場合には、むしろこ
こで提案するシミュレーションシステム等の利用による
予測制御が必要となる。次にシミュレーションシステム
の従来例を説明する。 最近、コンピュータによるシミュレーションへの関心
が航空宇宙、原子力、建設、機械、造船や化学工業等の
分野で高まってきている。シミュレーションとは、複雑
な挙動を示す現象をコンピュータを用いて解析すること
である。これらのシミュレーションによってより合理的
で且つ経済的な機械や海洋構造物の設計ができる。 例えば海洋分野でのシミュレーションには、津波シミ
ュレーションがある。 第6図はシミュレーションシステムの構成概要を示す
図、第7図はシミュレーションプログラムの構成例を示
す図、第8図は時々刻々の変化を求める解析プログラム
の処理の流れを説明するための図である。 シミュレーションシステムは、第6図に示すようにシ
ミュレーションプラグラム41に初期条件やパラメータそ
の他のシミュレーションデータがセットされると、コン
ピュータ42がそのシミュレーションプログラムを実行す
る。そしてその結果がグラフィックワークステーション
43で処理されてCRT44にグラフィック表示される。 一般にシミュレーションプログラムは、例えば津波シ
ミュレーションでは第7図に示すように構成される。は
じめに、水深等の形状データを有限要素法、差分法や境
界要素法等の離散化手法によってモデル化し、水位上昇
量等の物理量の時々刻々の変化を求め、その結果を図化
するものである。その処理の流れを示したのが第8図で
ある。 第8図に示す処理の流れで代表されるように、従来の
シミュレーションシステムは、時刻tを更新しながら最
終時刻tmaxに達するまでシミュレーション処理を繰り返
し行ってからその最終結果を出力するものであるため、
シミュレーションの実行状況を見ながらその中途におい
て条件設定の変更や新たな外的条件の付加等、シミュレ
ーション実行の変更を行うことはできない。仮にシミュ
レーションの中途から条件設定の変更や新たな外的条件
の付加等を行おうとすると、従来のシミュレーションシ
ステムでは、最終結果の出力を見て中途から行おうとす
る条件設定の変更や新たな外的条件の付加等に対応して
シミュレーションプログラムを組み直すことが必要であ
った。 すなわち、津波シミュレーションであれば、海底地形
や地震により発生する地殻の変化量等は初期条件として
一定値が与えられ、シミュレーションの開始で時刻更新
t0、t1、t2、……をしながら最終時刻tmaxに達するまで
各ステップの計算と境界条件の読込み(シミュレーショ
ン処理)を繰り返し行い、例えば1時間分の計算を繰り
返し行った最終時刻での津波の発生状態をシミュレーシ
ョン結果として出力する。この場合における、各ステッ
プの計算は、シミュレーションモデルにおける支配方程
式に基づく計算を行うものであり、例えば支配方程式を
離散化した成分(行列)を作成し、それに前ステップ
(時刻ti-1)での成分(列)を乗じた計算を行って新た
なステップ(時刻ti)での成分を求め、境界条件の読込
みは、各ステップの計算に基づき境界条件の更新を行う
ものであり、各ステップの計算で得られた成分(列)の
内容を境界条件の成分(列)と同じものに変更する。つ
まり、シミュレーション処理の繰り返しでは、境界条件
の読込みによりその時刻でのシミュレーション結果が得
られ、それに基づき次の時刻の各ステップの計算が行わ
れる。したがって、港湾でゲートがあるモデルにおい
て、津波の発生に伴い中途(時刻ti)でゲートを閉めた
場合にどうなるかをシミュレーションする場合には、初
期条件としてその閉めるゲートや時刻を含めて与えなけ
ればならない。そのため、変化量が大きい場合や小さい
場合、閉めるゲート、その閉める時刻等を変えた場合の
シミュレーション結果を得るためには、初期条件として
変化量や閉めるゲート、その閉める時刻等をそれぞれの
ケースに応じて逐一設定し、それぞれの初期条件のケー
ス毎にシミュレーションを最終時刻まで実行させること
が必要になるため、シミュレーションに膨大な手間と時
間がかかってしまう。 上記のように従来のシミュレーションシステムでは、
計算ルーチンとして境界条件や支配方程式が最終時刻に
達するまで変えることができるものではなく、その実行
途中においてセンサーの信号を割り込ませ、その信号の
変化に応じたシミュレーションを実行させることができ
るものではなかった。そのため、予測制御系に使用する
ことは困難であり、これまで、シミュレーションによる
予測制御装置は実現されていなかった。 本発明は、上記の問題点を解決するものであって、セ
ンサーからの検出信号を取り込みながらリアルタイムで
シミュレーションを実行して予測制御できるシミュレー
ションによる予測制御装置の提供を目的とするものであ
る。 〔問題点を解決するための手段〕 そのために本発明は、制御地点から離れた地点におけ
る物理量の変化に基づき物理量の変化が伝播する現象を
シミュレーションして制御地点における物理量の変化が
伝播した状態の変化を予測し該制御地点における状態に
応じて制御装置を動作させるシミュレーションによる予
測制御装置であって、制御地点から離れた地点に設置さ
れ物理量の変化を検出する検出手段と、支配方程式で記
述される離散化手法によりモデル化し単位処理ブロック
としてシミュレーションを開始するための必要な初期条
件の読み込み処理と物理量の変化が伝播する現象をシミ
ュレーションするため前記支配方程式を計算する各ステ
ップの計算処理と該各ステップの計算に基づき境界条件
を更新する境界条件の読み込み処理とシミュレーション
結果を出力する出力処理とに分けて構成したシミュレー
ションプログラムを実行するシミュレーション実行手段
と、シミュレーション実行結果を逐次格納するバッファ
と、割り込み信号の受け付け処理を行い、シミュレーシ
ョン実行手段の実行を制御して得られたシミュレーショ
ン実行結果をバッファ当に逐次格納しシミュレーション
実行結果から制御装置を動作させるシミュレーション制
御手段と、バッファに格納したシミュレーション結果を
出力する出力手段とを備え、シミュレーション実行手段
は、単位処理ブロックを構成する各処理のうち各ステッ
プの計算処理と境界条件の読み込みの処理の前にそれぞ
れ割り込み処理を設け、シミュレーション制御手段は、
検出手段の検出信号を割り込み信号として入力し、初期
条件の読み込み処理を実行した後、時刻更新しながら各
ステップの計算処理と境界条件の読み込み処理を繰り返
し実行すると共に、これらの処理の前に割り込み信号の
受け付け処理として入力した割り込み信号を解析して割
り込み処理の有無を判断し、割り込み処理がある場合に
はこれらの処理に代えて割り込み処理を行うようにシミ
ュレーション実行手段を制御し、割り込み処理では、割
り込み信号に基づき境界条件の更新を行うことを特徴と
する。 〔作用〕 本発明のシミュレーションによる予測制御装置では、
予め設定された系の条件に基づいてシミュレーションが
実行され、その実行結果がリアルタイムに出力手段から
出力される。他方、シミュレーション実行手段が単位処
理ブロック実行毎に割り込みを受け付けるので、センサ
ーの出力信号により割り込みがかけられてそのセンサー
位置の状況の変化に追随したシミュレーションが実行さ
れ、その結果に基づいた予測制御が可能になる。 〔実施例〕 以下、図面を参照しつつ実施例を説明する。 第1図は本発明に係るシミュレーションにより予測制
御装置の1実施例を説明するための図、第2図はバッフ
ァのシミュレーションデータ保持例を示す図、第3図は
シミュレーションシステムによる処理の流れを説明する
ための図、第4図は本発明に係るシミュレーションによ
る予測制御装置のシステム構成例を示す図である。 第1図において、1はシミュレーション処理部、2は
シミュレーション制御部、3は条件設定部、4はセンサ
ー、5はデータ入力部、6はバッファ、7は表示制御
部、8はCRT、9はVTR、10はライトペン、11は制御装置
を示す。シミュレーション処理部1は、境界条件や物性
の異なる、或いはモデルの異なる各種のシミュレーショ
ンI、II、III、……を行う例えばシミュレーションプ
ログラムで構成され、各シミュレーションI、II、II
I、……を単位処理ブロック実行毎に割り込み可能な構
成とするものである。条件設定部3は、シミュレーショ
ンを行うための初期条件を設定しておくものである。セ
ンサー4は、シミュレーションに関連する動的情報を入
力するものであり、データ入力部5は、条件設定部3に
設定する内容の入力やシミュレーションの中途における
割り込み指示及びその内容を入力するものであり、ライ
トペン10は、CRT8の画面上からデータを入力するもので
ある。シミュレーション制御部2は、シミュレーション
処理部1に対して条件設定部3の内容の読み込みや起動
を制御すると共に、センサー4、データ入力部5やライ
トペン10からのデータ等の入力処理及びそれに伴うシミ
ュレーション処理部1への割り込み処理を行い、さらに
はシミュレーション結果のバッファ6へ出力処理を行う
ものである。バッファ6は、シミュレーション制御部2
から単位処理ブロック実行毎のシミュレーション結果が
出力されてくると、第2図に示すように単位処理ブロッ
ク実行のシミュレーション結果i,i+1,i+2、……を一
時保持するものであり、その保持した内容が制御装置11
及び表示制御部7に出力される。ここで、シミュレーシ
ョン結果i,i+1,i+2、……は、例えばシミュレーショ
ンIのシミュレーション処理が繰り返し実行された場合
にはその結果の時系列からなり、その中途から割り込み
によりシミュレーションIIのシミュレーション処理が実
行された場合にはその結果を含むものである。そして、
そのシミュレーション結果が制御装置11で予測制御のた
めの制御信号に使用され、表示制御部7によりCRT8に表
示される。また、VTR7は、CRT8にグラフィック表示され
るシミュレーション結果の映像を記録しておくものであ
る。 次に各シミュレーションの構成を説明する。先に述べ
たようにシミュレーション処理部1の各シミュレーショ
ンI、II、III、……は、初期条件読み込み、各ステッ
プの計算、境界条件の読み込みの処理からなる単位処理
ブロックの実行毎に割り込み処理が可能な構成となって
おり、全体としては第3図(a)に示すように単位処理
ブロックのシミュレーション→割り込み処理→単位処理
ブロックのシミュレーション→……の繰り返しで実行さ
れる。この割り込み処理は、シミュレーション制御部2
が割り込みの内容を解析して行うものであり、実行中の
シミュレーションにおける条件設定の変更や新たな外的
条件の付加等を行い、或いは他のシミュレーションの実
行、例えばシミュレーションIからこれと境界条件や物
性、モデルが異なるケースのシミュレーションIIへの実
行移行等を行う。さらに、各シミュレーションI、II、
III、……では、単位処理ブロックの中で例えば第3図
(b)に示すように各ステップの計算や境界条件の読み
込みの前に割り込み処理のステップを挿入し、割り込み
があった場合には、シミュレーション制御部2でセンサ
ーの入力、条件設定の変更等に応じてその割り込みを解
析して割り込み処理の有無を判断し、割り込み処理によ
り境界条件や支配方程式を変更し所定の処理への移行や
処理の変更を行う。そして、単位処理ブロックのシミュ
レーション毎にシミュレーション結果を出力する。 すなわち、シミュレーション結果は、いってみれば時
刻更新された時々刻々において各ステップの計算を行
い、その計算結果に基づき境界条件の読み込みを行って
得られる境界条件の内容であり、割り込み処理は、この
境界条件の変更を随時行うことである。したがって、セ
ンサーの入力や条件設定の変更があると、時々刻々更新
されてきた境界条件の新たな変更になるので、そのセン
サーの入力や条件設定の変更を解析してその内容に応じ
て境界条件の変更を行うのが、割り込み処理である。そ
して、この変更された境界条件に基づき次の各ステップ
の計算が行われる。 上記のように構成されたシミュレーションによる予測
制御装置において、条件設定部3に所定の初期条件が設
定され、データ入力部5から実行命令が入力されると、
シミュレーション制御部2は、所定のシミュレーション
I(或いはII、III、……)に対して設定された初期条
件を詠み込んで起動指令を発行する。単位処理ブロック
のシミュレーション毎の割り込みステップでシミュレー
ション制御部2は、センサー4、データ入力部5やライ
トペン10から割り込み条件が入力されているか否かをチ
ェックし、他のシミュレーションの実行への割り込みが
なければ次の単位処理ブロックのシミュレーションの実
行を続行させる。他方、単位処理ブロックのシミュレー
ション結果がシミュレーション制御部2からバッファ6
に出力され、制御装置11の制御信号に使用されると共
に、表示制御部7を通してCRT8にグラフィック表示され
る。 例えばCRT8に表示された時々刻々変化するシミュレー
ション結果を見ながら条件設定の変更、新たな外的条件
の付加等を行う場合には、データ入力部5或いはライト
ペン10を使って割り込みをかけ、所望のデータを入力す
る。これらの入力は、シミュレーションの実行に先立っ
て設定された境界条件や支配方程式が完全であるとはか
ぎらず、シミュレーションの途中において、不具合が判
明し条件設定の変更、新たな外的条件の付加等を行う必
要が生じた場合に対応できるようにするものでもある。
このような操作が行われた場合、シミュレーション制御
部2は、割り込みステップでこれを処理する。また、セ
ンサー4により予め設定された所定の状況変化があった
場合にもシミュレーション制御部2がこれを監視しつつ
所定の処理を行う。また、シミュレーション制御部2
は、データ入力部5或いはライトペン10を使った割り込
みを処理する際、表示制御部7を通してその時点におけ
るCRT8の画面を調べ、CRT8の画面と割り込みの発生との
時間的一致を取って処理する。 例えば津波シミュレーションのように、津波が沖合に
近づいてくるまでは線形モデルであるのに対し、津波が
沖合から陸岸に近づいてくると非線形モデルに変わるケ
ースがある。このような場合、前者のモデルがシミュレ
ーションI、後者のモデルがシミュレーションIIにある
と、線形モデルに基づくシミュレーションIを実行し、
例えば沖合にブイを使用して設置したセンサーの入力と
して波高信号を入力することにより、シミュレーション
Iに割り込みが発生し、非線形モデルに基づくシミュレ
ーションIIへの実行移行を行うことになる。また、例え
ばシミュレーションIIIによる流体解析を行って流れの
場を求め、そのシミュレーション結果を見ながらシミュ
レーションIVによる移流熱拡散解析で熱の場を求めると
いうように、ある状況で熱解析も併せて行うようにする
こともできる。このように幾つかのシミュレーションプ
ログラムを移行制御して実行させるようにする場合に
は、例えば同一の離散化手法が採用される。従来は、こ
のような場合、予めシミュレーションプログラムに全て
を組み込むことが必要であったため、その作成に高度な
技術と経験を要した。 上記のように本発明に係るシミュレーションによる予
測装置は、センサー4からシミュレーションに関する動
的情報を入力し、時刻更新をしながらその情報を用いた
シミュレーションに基づいて予測制御のための制御信号
を生成し、制御装置11による制御を行うものである。し
たがって、本発明に係るシミュレーションによる予測制
御装置が適用されるシステムは、微分方程式で記述され
た内容、例えば拡散方程式や波動方程式等が記述された
ものであり、温度や熱、環境の減衰、拡散系、変位や速
度、水波(津波)、地震、音波の波動系になる。 シミュレーションのプログラムを作成する場合には、
一般に、電信電話方程式(例えば池原止文夫著「応用数
学講座」学術図書出版社 昭和49年4月20日発行 第2
版第1刷 第173〜180頁参照)から導出され、 で表される微分方程式について差分近似または有限要素
近似等により離散化を行う。この離散化された式は、 となる。そして、この離散化された式を解くアルゴリズ
ムは、第3図(b)に示すようにまず、初期条件の読
込(un=a)、各ステップの計算(反復解を求めるた
めの漸化式un+1=Aunの計算;ただしAは係数マトリク
ス)、境界条件の読込(un+1=uB)、解(un+1)の
出力のブロックに分けられる。このとき、時刻更新を行
って繰り返し実行すると、とのブロックでセンサー
等からの動的情報を割り込みにより入力している。 本発明に係るシミュレーションによる予測制御装置全
体のシステム概念図を示したのが第4図である。第4図
において、センサー21は例えば海底の地殻変動を検出す
るものとし、構造体24は海上に浮ぶ海洋構造物であっ
て、制御部23が構造体24の姿勢を制御するものとする
と、初期条件の読み込み処理で、海底地形等のデータを
読み込み、地殻変動をセンサー21で検出してその検出信
号について割り込み受け付け処理により割り込み処理を
行いながら各ステップの計算処理と境界条件の読み込み
の処理を時刻更新しながら繰り返し実行する。海上に浮
ぶ海洋構造物の構造体24としては、例えば空港や島、大
型船舶等があり、制御部23としてはバランサーのような
津波によって起こす揺れと逆向きの揺れを起こし姿勢を
制御する装置、吃水を変える装置等がある。この場合の
各ステップの計算処理は、センサー21の検出信号に基づ
き各ステップの計算で得られる初期条件との差の伝播す
る現象の解析であり、境界条件の読み込みの処理は、例
えば陸岸に対して海水は所定の位置で静止し(流速=
0)、限られた解析領域に対して外部とは反射ではなく
透過するものとするような境界条件を読み込むことであ
る。ここで、津波の浸水は、支配方程式の領域が広がる
ためであり、境界条件の変動ではないので、陸岸に対し
て海水は所定の位置で静止しているとするのである。こ
のようにしてセンサー21で地震規模の地殻変動を検出し
た場合に、それが伝播する現象を解析し、構造体24の位
置における津波の発生をシミュレーションすることがで
き、その結果から予め津波発生に備えた構造体24の姿勢
制御を行うことができる。つまり、シミュレーションに
よって常に津波発生の監視を行い、それに対応した構造
体24の姿勢制御を行うことができる。 また、地震発生を検知した時に、その地殻変動を初期
条件として読み込んでシミュレーションプログラムの実
行を開始して、その後のセンサーの検出信号を割り込み
信号としてもよい。つまり、余震の時にそのセンサーの
検出信号を初期条件として与えることによりシミュレー
ションプログラムの実行を開始し、その後の本震の時に
そのセンサーの検出信号を割り込み信号とする。例えば
沖合にブイを設けて波高を計測し、その波高値を割り込
み信号として入力し、波高値に基づき境界条件を変更す
ることもできる。沖合にフレキシブルマウンドやラバー
ゲート等を配置したり、港湾にゲートを配置している場
合には、それらのフレキシブルマウンドやラバーゲー
ト、ゲートを制御し、さらにその制御結果を割り込み処
理してフレキシブルマウンドやラバーゲート、ゲートの
制御に基づく境界条件の変更を行うようにすることもで
きる。 なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものでは
なく、種々の変形が可能である。例えば上記の実施例で
は、海洋構造物の姿勢制御に適用したが、他の制御系に
適用できることはいうまでもない。熱の拡散系のシミュ
レーションによる予測制御装置に適用する場合には、例
えば物理量は温度になり、物理量の変化を検出する検出
装置は温度センサー、制御対象は熱の場、初期条件は最
初の温度、境界条件は壁の温度、制御装置は冷却装置や
加熱装置になり、水質の汚染を対象とした拡散系のシミ
ュレーションによる予測制御装置に適用する場合には、
例えば物理量は汚れになり、物理量の変化を検出する検
出装置は濃度センサー、制御対象は濃度の場、初期条件
は最初の濃度、境界条件は壁の温度になり、制御装置は
汚染の拡大や影響を阻止するゲート、中和剤供給装置等
になる。また、CRT8の表示画面からデータ等を入力する
手段としてライトペンを使ったが、マウス、ジョイステ
ィック等のポインティングデバイスやキー入力部5のカ
ーソルキーその他のデータ入力手段を用いてもよいし、
シミュレーション結果の出力には、CRTでなくXYプロッ
タその他の出力手段を用いてもよい。 〔発明の効果〕 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、遠
隔地点の変化量より所望の位置への波及効果をシミュレ
ーションして制御信号とするので、的確な予測制御を行
うことができ、防災システム等に活用することにより災
害の事前措置を自動的に採用することができる。また、
シミュレーションによる時々刻々の状況変化を画面で見
ながら、その状況変化に応じたシミュレーションの実行
変更が可能になり、シミュレーションの効率的な活用を
図ることができる。特に、本発明は、スーパーコンピュ
ータのような高速処理コンピュータを使用するとシミュ
レーションの実行と割り込みの発行とをリアルタイムに
結合できるので、迅速な予測制御を行うことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るシミュレーションによる予測制御
装置の1実施例を説明するための図、第2図はバッファ
のシミュレーションデータ保持例を示す図、第3図はシ
ミュレーションシステムによる処理の流れを説明するた
めの図、第4図は本発明に係るシミュレーションによる
予測制御装置のシステム構成例を示す図、第5図はフィ
ードバック制御系の概要を説明するための図、第6図は
シミュレーションシステムの構成概要を示す図、第7図
はシミュレーションプログラムの構成例を示す図、第8
図は解析プログラムの処理の流れを説明するための図で
ある。 1……シミュレーション処理部、2……制御部、3……
条件設定部、4……センサー、5……データ入力部、6
……バッファ、7……表示制御部、8……CRT、9……V
TR、10……ライトペン。
装置の1実施例を説明するための図、第2図はバッファ
のシミュレーションデータ保持例を示す図、第3図はシ
ミュレーションシステムによる処理の流れを説明するた
めの図、第4図は本発明に係るシミュレーションによる
予測制御装置のシステム構成例を示す図、第5図はフィ
ードバック制御系の概要を説明するための図、第6図は
シミュレーションシステムの構成概要を示す図、第7図
はシミュレーションプログラムの構成例を示す図、第8
図は解析プログラムの処理の流れを説明するための図で
ある。 1……シミュレーション処理部、2……制御部、3……
条件設定部、4……センサー、5……データ入力部、6
……バッファ、7……表示制御部、8……CRT、9……V
TR、10……ライトペン。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.減衰、拡散、波動系の伝播する現象を表す物理量に
より当該物理量の変化が伝播する現象を時刻更新しなが
らシミュレーションして前記物理量の変化が伝播する制
御地点における状態の変化を予測し制御装置を動作させ
るシミュレーションによる予測制御装置であって、 前記シミュレーションの条件設定の変更や外的条件の付
加などの入力を行う入力手段と、 前記制御地点から離れた地点に設置され前記物理量の変
化を検出する検出手段と、 前記減衰、拡散、波動系において前記物理量の変化を伝
播する場を支配方程式で記述される離散化手法によりモ
デル化した複数のシミュレーションプログラムを有し前
記物理量の変化が伝播する現象をシミュレーションする
シミュレーション実行手段と、 前記シミュレーション実行手段によるシミュレーション
結果を逐次格納するバッファと、 割り込み信号の受け付け処理を行い、前記シミュレーシ
ョン実行手段を制御して、前記シミュレーション実行手
段によるシミュレーション結果を前記バッファに逐次格
納し、前記シミュレーション結果から前記制御装置を動
作させるシミュレーション制御手段と、 前記バッファに格納したシミュレーション結果を出力す
る出力手段と を備え、 前記シミュレーションプログラムは、単位処理ブロック
として、シミュレーションを開始するために必要な初期
条件の読み込み処理と、物理量の変化が伝播する現象を
シミュレーションするための前記支配方程式を計算する
各ステップの計算処理と、該各ステップの計算に基づき
境界条件を更新する境界条件の読み込み処理と、シミュ
レーション結果を出力する出力処理とに分けて構成する
と共に、各処理のうち各ステッの計算処理と境界条件の
読み込み処理の前にそれぞれ割り込み処理を設け、 前記シミュレーション制御手段は、初期条件の読み込み
処理を実行した後、時刻更新しながら各ステップの計算
処理と境界条件の読み込み処理を繰り返し実行すると共
に、割り込み信号として前記検出手段より検出された検
出信号、前記入力手段より入力された条件設定の変更や
外的条件の付加などを解析することにより割り込み処理
の有無を判断して、割り込み処理がある場合には割り込
み処理を行うようにシミュレーション実行手段を制御
し、 前記割り込み処理では、前記割り込み信号の解析結果に
応じて他のシミュレーションプログラムへの実行移行の
境界条件の更新を行う ことを特徴とするシミュレーションによる予測制御装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4243287A JP2761720B2 (ja) | 1987-02-25 | 1987-02-25 | シミュレーションによる予測制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4243287A JP2761720B2 (ja) | 1987-02-25 | 1987-02-25 | シミュレーションによる予測制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63208902A JPS63208902A (ja) | 1988-08-30 |
JP2761720B2 true JP2761720B2 (ja) | 1998-06-04 |
Family
ID=12635905
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4243287A Expired - Fee Related JP2761720B2 (ja) | 1987-02-25 | 1987-02-25 | シミュレーションによる予測制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2761720B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4834988B2 (ja) * | 2004-12-14 | 2011-12-14 | 横河電機株式会社 | 連続系プロセス制御方法および連続系プロセス制御システム |
Family Cites Families (3)
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---|---|---|---|---|
JPS5438483A (en) * | 1977-09-02 | 1979-03-23 | Hitachi Ltd | Dgam gate control system in water supply system |
JPS56168595A (en) * | 1980-05-30 | 1981-12-24 | Nippon Atomic Ind Group Co | Device for forecasting power distribution of nuclear reactor |
JPS61156306A (ja) * | 1984-12-28 | 1986-07-16 | Toshiba Corp | 模擬制御装置 |
-
1987
- 1987-02-25 JP JP4243287A patent/JP2761720B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPS63208902A (ja) | 1988-08-30 |
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