JP2761361B2 - 石炭パイルの温度監視方法および装置 - Google Patents

石炭パイルの温度監視方法および装置

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JP2761361B2
JP2761361B2 JP7090943A JP9094395A JP2761361B2 JP 2761361 B2 JP2761361 B2 JP 2761361B2 JP 7090943 A JP7090943 A JP 7090943A JP 9094395 A JP9094395 A JP 9094395A JP 2761361 B2 JP2761361 B2 JP 2761361B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石炭火力発電所等の貯
炭場に堆積される石炭パイルの温度を監視するための石
炭パイルの温度監視方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】大量の石炭を野積石炭ヤードに長期間保
管していると、空気との接触によって低温酸化が始ま
り、次第に石炭の温度が上昇して、そのまま放置すると
自然発火が発生する。自然発火を未然に防止するため
に、石炭火力発電所など数十万トンに及ぶ貯炭を行って
いる所では、従来から作業員が多数の熱電対または測温
抵抗体などの接触形検知器を一定間隔で石炭パイルに挿
入して、内部温度を直接計測することによって温度管理
を行っている。
【0003】しかし、石炭ヤードの貯炭場には一般に石
炭パイルが複数形成されており、その石炭パイルの専有
面積も膨大であるため、使用する熱電対の数も年間で千
本以上必要で、しかも多大な労力と危険な作業が伴う。
したがって、人手による温度計測には自ずと限界があ
る。
【0004】このような問題に対して、野積石炭パイル
の高さ方向を一軸往復走査する放射温度計を当該パイル
の長手方向に複数台用いて、石炭の平均温度との差を求
めて、所定温度差以上になると警報信号を発し、消火動
作を行う野積石炭の自然発火監視装置が提案されている
(特公平2−52817号公報)。
【0005】また、他の先行技術として、堆積石炭の表
面温度をリモートセンシングして、表面の最高温度と大
気温度との温度差を求め、この温度差または該温度差か
ら予測される内部温度の経時変化を監視して自然発火時
期を予測するようにした堆積石炭の自然発火時期予測方
法が提案されている(特開平1−113628号公報、
特開平1−113629号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
2−52817号は、石炭パイルの長手方向を全てカバ
ーするだけの数の放射温度計を必要とし、実際の石炭火
力発電所の運用から、必ずしも長手方向の全ての所に石
炭パイルが存在することはなく、石炭パイルの存在しな
い所にまで放射温度計を設置する点で不合理である。
【0007】また、放射温度計の往走査によって各測定
点の平均温度を計測し、復走査によって得られる各測定
点の温度と平均温度との差を判定パラメータとして採用
している。しかし、自然発火が発生する条件は他の様々
な要因が複雑に絡んでいるため、単純に平均温度との差
に着目するだけでは信頼性ある監視動作が期待できな
い。仮に高さ方向に全ての部分で自然発火に至る温度に
達したときには無効である(平均温度そのものが既に自
然発火温度に達している)。
【0008】さらに、放射温度計は野積石炭を覆う鉄骨
に設けられているため、広大な石炭ヤードでは放射温度
計から測定対象物までの距離が必然的に遠くなり、感度
や空間分解能の低下を招くという問題がある。また、そ
の対策として多数の放射温度計を設置するには多大なコ
ストを要する。
【0009】一方、特開平1−113628〜9号は、
可視カメラおよび赤外カメラを収納した温度監視ロボッ
トを石炭ヤードの周囲に複数設置してリモートセンシン
グを行っているため、該ロボットに近い石炭パイルはあ
る程度の精度で計測できるが、石炭ヤードの中央付近に
ある石炭パイルは該ロボットからの距離が遠くなり、前
述と同様に、感度や空間分解能など計測精度の低下を招
くという問題がある。こうして石炭ヤードの測定点によ
って計測精度が変化するため、測定値のばらつきが多く
なり信頼性ある評価が難しくなる。また、その対策とし
て多数の温度監視ロボットを設置するのはコスト面で不
利となる。
【0010】本発明の目的は、貯炭場に堆積された石炭
パイルの温度分布を簡易な構成で精度良く計測し、判り
易く表示することができる石炭パイルの温度監視方法お
よび装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、石炭パイルの
積付けまたは払出しを行うレール走行式のヤード機械を
該石炭パイルの両側に配置し、ヤード機械の頂部付近で
あって該石炭パイルの片側斜面および上面を見通せる位
置に、平面撮像型の赤外線カメラを搭載し、ヤード機械
を走行させながら、石炭パイルから放射される赤外線を
撮像し、赤外線カメラからの撮像信号を、ヤード機械の
一定距離走行毎に順次サンプリングして石炭パイルの温
度分布データを得て、一方のヤード機械に搭載された赤
外線カメラで得られた温度分布データおよび他方のヤー
ド機械に搭載された赤外線カメラで得られた温度分布デ
ータに基づいて石炭パイル全体の温度分布データを合成
し、合成した温度分布データを石炭パイルの平面図に展
開して表示することを特徴とする石炭パイルの温度監視
方法である。また本発明は、赤外線カメラからの撮像信
号を順次サンプリングした後、予め記憶された石炭パイ
ルの形状データに基づいて有効画像を抽出することを特
徴とする。また本発明は、外気温を計測し、石炭パイル
の温度分布データと外気温との偏差を表示することを特
徴とする。また本発明は、石炭パイルの温度分布データ
と外気温との偏差を1つまたは複数の閾値レベルでラン
ク分けして、各ランク毎に色分け表示することを特徴と
する。また本発明は、予め記憶された石炭パイルの形状
データに基づいて石炭パイルの輪郭線を算出して、温度
分布データまたは外気温偏差を輪郭線と合成して表示す
ることを特徴とする。また本発明は、石炭パイルの両側
に配置されて積付けまたは払出しを行うヤード機械の頂
部付近であって、該石炭パイルの片側斜面および上面を
見通せる位置に搭載され、石炭パイルから放射される赤
外線を撮像するための平面撮像型の赤外線カメラと、赤
外線カメラからの撮像信号をヤード機械の一定距離走行
毎に順次サンプリングして、石炭パイルの温度分布デー
タを格納するためのカメラ制御手段と、一方のヤード機
械に搭載された赤外線カメラで得られた温度分布データ
および他方のヤード機械に搭載された赤外線カメラで得
られた温度分布データに基づいて石炭パイル全体の温度
分布データを合成し、石炭パイルの平面図に展開して表
示する画像処理手段とを備えることを特徴とする石炭パ
イルの温度監視装置である。また本発明では、ヤード機
械の駆動電力を伝送する電力ケーブルおよびヤード機械
制御信号を伝送する信号ケーブルを一体化した複合ケー
ブルに、赤外線カメラからの撮像信号を伝送する撮像信
号ケーブルを組込んでおり、撮像信号を伝送するための
特別な装置を必要とせず、より実現性の高いものとなっ
ている。
【0012】
【作用】本発明の温度監視方法に従えば、スタッカやリ
クレーマ等のヤード機械に赤外線カメラを搭載し、たと
えばヤード機械が石炭運搬を行わない空き時間を活用し
て、ヤード機械を走行させながら石炭パイルから放射さ
れる赤外線を撮像することによって、貯炭場全体の石炭
パイルを近距離から漏れなく計測できる。したがって、
従来のように赤外線カメラの設置設備を別途設ける必要
がない。また、ヤード機械の頂部付近は1つの石炭パイ
ルを斜め上方から見通せる位置となることが多く、ここ
に赤外線カメラを設置すれば、石炭パイルの片側斜面お
よび上面を見渡すことが可能になる。さらに、広大な石
炭ヤードでは一般にヤード機械を遠隔操作しているた
め、遠隔的な撮像動作を容易に実現できる。また、ヤー
ド機械はレール上を走行するため、赤外線カメラと石炭
パイル表面との距離を一定に保つことができ、温度計測
の精度や再現性が良好となる。
【0013】また、石炭パイルの両側にヤード機械をそ
れぞれ配置し、たとえば石炭パイルから見て左側の赤外
線カメラは石炭パイルの上面および左側斜面を撮像し、
石炭パイルから見て右側の赤外線カメラは石炭パイルの
上面および右側斜面を撮像することによって、石炭パイ
ル全体を網羅することができる。
【0014】こうしてヤード機械の走行に合わせて赤外
線カメラからの撮像信号をヤード機械の一定距離走行毎
に順次サンプリングすることによって、石炭パイルの温
度分布データが高精度で得られ、これをコンピュータ等
の画像メモリに格納する。次に、一方のヤード機械に搭
載された赤外線カメラで得られた温度分布データおよび
他方のヤード機械に搭載された赤外線カメラで得られた
温度分布データに基づいて石炭パイル全体の温度分布デ
ータを合成し、合成した温度分布データを石炭パイルの
平面図に展開して表示することによって、温度分布状況
を一目瞭然で把握することができる。
【0015】また、一般の石炭ヤードには、貯炭量、貯
炭期間、石炭パイルの積付け・払出し状態などの貯炭状
況を管理する貯炭場管理装置が設置されており、時々刻
々と変化する石炭パイルの形状を台形近似した数値で表
す形状データが予め記憶されている。そこで、赤外線カ
メラからの撮像信号を順次サンプリングした後、石炭パ
イルの形状データに基づいて有効領域を抽出することに
よって、撮像信号の中から石炭パイル以外の余計な撮像
信号を適切に除去できる。したがって、格納すべきデー
タ量が少なくなり、メモリ容量の節約や演算処理の高速
化が可能となる。
【0016】また、外気温を計測し、石炭パイルの温度
分布データと外気温との偏差を表示することによって、
外気温変動による計測誤差を解消でき、石炭パイル自身
の発熱による温度分布を正確に計測できる。
【0017】また、石炭パイルの温度分布データと外気
温との偏差を1つまたは複数の閾値レベルでランク分け
することによって温度分布状況が明瞭になり、さらに各
ランク毎に色分け表示することによって、より明瞭にな
って誤認が少なくなる。
【0018】また、貯炭場管理装置などに予め記憶され
た石炭パイルの形状データに基づいて石炭パイルの輪郭
線を算出して、温度分布データまたは外気温偏差を輪郭
線と合成して表示することによって、位置と温度とが直
接対応するため、たとえば自然発火温度域にある場所を
即座に特定できる。
【0019】また、本発明の温度監視装置に従えば、前
述と同様に、赤外線カメラを石炭パイルに近接して設置
することができ、しかもヤード機械を走行させれば石炭
ヤード全体の石炭パイルを全て網羅することができる。
また、遠隔操作の自動化も容易になり、赤外線カメラ位
置の精度や再現性にも優れている。さらに、ヤード機械
の走行に合わせて赤外線カメラからの撮像信号を順次サ
ンプリングして、一方のヤード機械に搭載された赤外線
カメラで得られた温度分布データおよび他方のヤード機
械に搭載された赤外線カメラで得られた温度分布データ
に基づいて石炭パイル全体の温度分布データを合成し、
合成した温度分布データを石炭パイルの平面図に展開し
て表示することによって、温度分布状況を一目瞭然で把
握できるため、自然発火などの状態を即座に認識でき
る。
【0020】また、ヤード機械用の複合ケーブルに、赤
外線カメラからの撮像信号を伝送する光ファイバ等の撮
像信号ケーブルが組込まれていることによって、ヤード
機械が自在に走行しても撮像信号を確実に伝送すること
ができる。
【0021】
【実施例】図1は、本発明の一実施例を示す全体斜視図
である。1辺が800m程度の野積石炭ヤード1には、
たとえば4つの貯炭場A〜Dが幅50m程度の細長い長
方形で区画されており、各貯炭場A〜Dには40度程度
の安息角で高さ10m程度の断面台形状に石炭パイル2
が堆積されている。各貯炭場A〜Dの両側には、5台の
ヤード機械10がレール3上を自在に走行するように配
置されている。各ヤード機械10の頂部付近には、石炭
パイル2から放射される赤外線を撮像する赤外線カメラ
30が設置されている。赤外線カメラ30は旋回自在に
搭載され、視野角に対応した範囲で細長く延びたサンプ
リング領域31が石炭パイル2に対して直交するように
設定される。したがって、たとえば貯炭場Aと貯炭場B
の間に位置する赤外線カメラ30は、ヤード機械10が
往方向に走行する際には、貯炭場Aの石炭パイル2に向
いて、その上面および片側斜面をサンプリングし、一
方、ヤード機械10が復方向に走行する際には、貯炭場
Bの石炭パイル2に向いて、その上面および片側斜面を
サンプリングする。
【0022】図2(a)は図1のヤード機械10の一例
を示す部分平面図であり、図2(b)はその部分正面図
である。なお、理解容易のため図示を一部省略してい
る。図2において、ヤード機械10が石炭パイル2の払
出しを行うリクレーマである例を示している。ヤード機
械10は脚部に車輪12を有するプラットホーム11を
備え、その上にトラス状の塔13が設置されている。塔
13の頂部付近には、左右一方の石炭パイル2に向く赤
外線カメラ30が搭載されている。赤外線カメラ30は
たとえば垂直方向に60度の視野角を有し、水平方向に
40度の視野角を有するが、撮像可能な視野全体のうち
視野角4度の細長いサンプリング領域31が温度分布デ
ータとして取込まれる。なお、掻出し装置14など撮像
障害物を避けるために、赤外線カメラ30の平面位置は
ヤード機械10の中心から偏位させている。
【0023】レーキチェーンコンベヤ等の掻出し装置1
4が角変位自在にプラットホーム11に取付けられ、牽
引ワイヤ15によって任意の角度に持上げられる。掻出
し装置14が上から下へ移動するにつれて、石炭パイル
2を上部から削るように石炭が掻出されてプラットホー
ム11側に搬送され、案内板16に沿って僅かに上昇し
た後、レール3の間に設置されたベルトコンベヤ4に乗
載され、石炭ヤード1外へ払出しされる。また、ベルト
コンベヤ4とレール3との隙間には、ヤード機械10の
駆動電力を伝送する電力ケーブルおよびヤード機械の制
御信号を伝送する光ファイバ等の信号ケーブルを一体化
した複合ケーブル5が配置されており、赤外線カメラ3
0からの撮像信号を伝送する光ファイバ等の撮像信号ケ
ーブルが組込まれている。複合ケーブル5は、ヤード機
械10の走行に妨げとならないように、巻取リール(図
示せず)に巻取られる。
【0024】図3(a)は図1のヤード機械10の他の
例を示す部分側面図であり、図3(b)はその部分正面
図である。なお、理解容易のため図示を一部省略してい
る。図3において、ヤード機械10が石炭パイル2の積
付けを行うスタッカである例を示している。ヤード機械
10は脚部に車輪12を有するプラットホーム11およ
びフレーム構造物20を備え、その上に塔13が設置さ
れている。塔13の頂部付近には、左右一方の石炭パイ
ル2に向く赤外線カメラ30が搭載されている。赤外線
カメラ30は垂直方向に60度の視野角を有し、一方、
水平方向の視野角4度の細長いサンプリング領域31が
温度分布データとして取込まれる。なお、積付け装置1
8などの撮像障害物を避けるために、赤外線カメラ30
の平面位置はヤード機械10の中心から偏位させてい
る。
【0025】ベルトコンベヤ等の積付け装置18を支え
るブーム17が、旋回自在で、上下に角変位自在となる
ようにプラットホーム11に取付けられる。一方、レー
ル3の間に設置されたベルトコンベヤ4は積付け用の石
炭を搬送するとともに、ベルトコンベヤ4はフレーム構
造物20にも延長されており、ヤード機械10がどの位
置に走行しても常にプラットホーム11上の積付け装置
18に石炭を供給されるように構成されている。したが
って、石炭ヤード1の外部から積付け用石炭がベルトコ
ンベヤ4に載って搬送されると、まずプラットホーム1
1上の積付け装置18に乗載され、さらに積付け装置1
8は石炭を搬送してブーム17の先端から落下させる。
こうしてヤード機械10を走行させながら、ブーム17
の方向を制御することによって、所望の位置に石炭パイ
ル2を築くことができる。
【0026】また、ベルトコンベヤ4に沿って、前述と
同様な複合ケーブル5が配置されており、ヤード機械1
0の走行に妨げとならないように、巻取リール19によ
って巻取られる。複合ケーブル5は、図3(c)の断面
図で示すように、駆動電力を伝送する電力ケーブル5a
と、制御信号および赤外線カメラ30の撮像信号を伝送
する光ファイバ等の信号ケーブル5bとをゴム等の可撓
性で電気絶縁性の材料5cに埋め込んだものである。
【0027】図4は、本発明の一実施例の電気的構成を
示すブロック図である。各ヤード機械10には、石炭パ
イルから放射される赤外線を撮像する赤外線カメラ30
が搭載され、さらに赤外線カメラ30の姿勢や動作を制
御したり、赤外線カメラ30からの撮像信号を処理する
ためのカメラ制御盤33が設置されている。また、ヤー
ド機械10の走行位置を検出するための走行位置検出器
21が車輪12に取付けられている。
【0028】赤外線カメラ30は、屋外用の保護ケース
に収納されて雲台に搭載され、内部にはカメラ制御盤3
3によって制御可能なシャッタが内蔵されており、シャ
ッタ動作によって所定期間だけ露出が行われる。シャッ
タタイミングは、走行位置検出器21からの位置データ
に基づいて、サンプリング間隔が走行方向で一定間隔と
なるように制御される。シャッタが動作すると、石炭パ
イル2から輻射される赤外線がレンズで集光されて、内
部の熱撮像アレイ素子の受光面に結像され撮像信号に変
換され、カメラ制御盤33に入力される。
【0029】カメラ制御盤33は、赤外線カメラ30か
らの撮像信号を温度分布データに変換して、画像メモリ
32に一時格納する。こうして得られた石炭パイル2の
温度分布データは、走行位置検出器21で検出される現
在の位置データと一緒に、複合ケーブル5を介して画像
処理装置40に伝送される。
【0030】画像処理装置40には、温度分布データを
画面表示するためのCRT(陰極線管)42と、温度分
布データを記録用紙上に表示するハードコピー装置43
と、各種データを入力するためのキーボード44と、時
々刻々変化する石炭パイルの形状を記憶する貯炭場管理
装置などが接続されている。カメラ制御盤33から伝送
された温度分布データは、画像メモリ41に格納され、
石炭パイル2の全てのデータが取り込まれた時点で、演
算処理を実行して、演算結果をCRT42やハードコピ
ー装置43に出力する。
【0031】図5は温度分布データの有効領域を抽出方
法を示す説明図であり、赤外線カメラ30が図5(a)
に示す位置関係で石炭パイル2を撮像すると、1回のシ
ャッタ動作で、たとえば図5(b)に示すように、横2
56画素×縦100画素×深さ8ビットの温度分布デー
タを出力する。本実施例では、このうち50番目の1ラ
インのみのデータを使用し、他のラインのデータは無視
するようにしている。なお、50番目のラインを中心と
して前後数ラインのデータを平均化して1ライン分のデ
ータとすることも可能である。
【0032】こうして得られた1ライン分の温度分布デ
ータは、図5(c)に示すように、先頭の画素T1から
斜面2bの下端位置に相当する画素TSの手前までが意
味の無い無効データであり、画素TSから上面2aの右
端位置に相当する画素TMの手前までが斜面データとな
り、画素TMから上面2aの左端位置に相当する画素T
Eまでが上面データとなり、以後最終画素TNまでが無
効データとなる。したがって、画素TSから画素TEま
での画素が石炭パイル2の温度分布データを示し、これ
を有効領域として抽出し、その他の画素のデータは使用
しない。こうしてメモリ容量の節約や演算処理の高速化
が可能となる。なお、有効領域の範囲は石炭パイル2の
貯炭状況によって日々変化するため、貯炭場管理装置に
別途記憶されている石炭パイルの形状データに基づいて
決定することが好ましい。そのため、貯炭場管理装置と
図4の画像処理装置とはデータ転送可能なように伝送ラ
インで接続されている。貯炭場管理装置とデータ伝送す
ることにより、石炭パイルが存在しない場所では、ヤー
ド機械を高速走行させて、赤外線カメラによる撮像を省
略し、温度分布データを収集する時間を短縮することも
可能となる。
【0033】図6は、石炭パイル2の形状データを示す
斜視図である。石炭パイル2の実際の形状は様々である
ため、図6に示すような台形近似の基準となる形状パラ
メータを用いて貯炭場管理装置での管理を容易にしてい
る。貯炭場の端部からの距離をx、石炭パイルの底辺の
長さをL、高さをh、安息角をαと定義すると、石炭パ
イルNo.1および石炭パイルNo.2の形状データ
は、下記の(表1)で表される。
【0034】
【表1】
【0035】このような形状データに基づいて上面およ
び斜面の位置を算出して、有効領域の範囲を決定するこ
とができる。
【0036】図7は、図1の石炭ヤード1の平面図であ
る。各貯炭場A〜Dの両側には、赤外線カメラ30が配
置され、各貯炭場A〜Dの上面中心線を境界として上下
に二分され、たとえば北面温度データと南面温度データ
が得られる。なお、上面データは2つの赤外線カメラか
ら重複して出力されるが、同じ場所でのデータ同志を互
いに大小比較して、温度高となるデータを当該場所の温
度データとして採用するとともに、中心線より上側のデ
ータを北側斜面のデータと合体させて北面温度データと
し、同様に中心線より下側のデータを南側斜面のデータ
と合体させて南面温度データとして処理する。
【0037】図8は、データ処理の流れを示すフローチ
ャートである。ヤード機械10の走行に合わせて、全部
で5つの赤外線カメラ30から出力される撮像信号がデ
ータ収集され、各貯炭場A〜Dに対応する北面温度デー
タと南面温度データが画像処理装置40の画像メモリ4
1に別個に格納される。次に、貯炭場Aの北面温度デー
タと南面温度データを合成して、さらに貯炭場Aのパイ
ル形状データを参照しながらバッチ処理を行って、貯炭
場Aの全体温度データを算出する。同様に、各貯炭場B
〜Dの北面温度データと南面温度データを合成して、さ
らに各貯炭場B〜Dのパイル形状データを参照しながら
バッチ処理を行って、各貯炭場B〜Dの全体温度データ
を算出する。こうして各貯炭場A〜Dにある石炭パイル
2の温度分布データを得ることができる。
【0038】図9は、石炭パイル2の温度分布の表示例
である。温度分布は図4のCRT42やハードコピー装
置43によって表示され、図9は1つの貯炭場に2つの
石炭パイルが堆積されている状態を平面図に展開して表
示する例を示している。石炭パイルの輪郭線50が、た
とえば(表1)に示す石炭パイルの形状データに基づい
て計算され、滑らかな曲線となるように重畳して表示さ
れている。
【0039】表示方法として、石炭パイルの温度分布デ
ータをそのまま計測値として採用し、データ値に対応す
る輝度階調や濃度変調を行って表示する構成でもよい
が、外気温を計測し、石炭パイルの温度分布データと外
気温との偏差を表示することによって、外気温変動によ
る計測誤差を解消でき、石炭パイル自身の発熱による温
度分布を正確に表示することができる。
【0040】図9では、石炭パイルの温度分布データと
外気温との偏差を、たとえば1℃間隔に設定された4つ
の温度閾値Q1〜Q4を用いて5段階にランク分けして
表示している。ここで、温度閾値Q4は外気温と同じに
設定されている。さらに、各ランクに対応する輝度や濃
度を予め設定しておいて、各ランクに該当する温度領域
毎に輝度や濃度を変化させて表示することによって、等
温度曲線が描かれるため、明瞭な温度分布画像が得られ
る。また、添付図面では表現されていないが、各ランク
毎に対応する表示色を予め設定しておいて、各ランクに
該当する温度領域毎に色分け表示することによって、よ
り判り易い画像が得られる。
【0041】このように石炭パイルの温度分布を輪郭線
と合成してランク別に表示することによって、たとえば
自然発火温度域にある場所を即座に特定できるため、注
水作業などの自然発火防止策を迅速に行うことができ
る。
【0042】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、ヤ
ード機械を走行させながら石炭パイルから放射される赤
外線を撮像することによって、貯炭場全体の石炭パイル
を近距離から精度良く計測できる。また、得られた温度
分布データを石炭パイルの平面図に展開して表示するこ
とによって、温度分布状況を一目瞭然で把握することが
できる。
【0043】また、石炭パイルの両側にヤード機械をそ
れぞれ配置し、両側の赤外線カメラを用いて石炭パイル
の上面および両側斜面を撮像することによって、石炭パ
イル全体を網羅できる。
【0044】また、撮像信号の中から、予め記憶された
石炭パイルの形状データに基づいて有効領域を抽出する
ことによって、撮像信号の中から石炭パイル以外の余計
な撮像信号を適切に除去できる。
【0045】また、石炭パイルの温度分布データと外気
温との偏差を表示することによって、石炭パイル自身の
発熱による温度分布を正確に計測できる。
【0046】また、外気温との偏差をランク分けして色
分け表示することによって、明瞭で判り易い温度分布画
像が得られる。
【0047】また、温度分布データまたは外気温偏差を
輪郭線と合成して表示することによって、位置と温度と
が対応関係が取り易くなる。
【0048】また、ヤード機械用の複合ケーブルに撮像
信号ケーブルが組込まれているため、ヤード機械が走行
しても撮像信号を確実に伝送することができる。
【0049】こうして貯炭場に堆積された石炭パイルの
温度分布を、簡易な構成で精度良く計測し、かつ判り易
く表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体斜視図である。
【図2】図2(a)は図1のヤード機械10の一例を示
す部分平面図であり、図2(b)はその部分正面図であ
る。
【図3】図3(a)は図1のヤード機械10の他の例を
示す部分側面図であり、図3(b)はその部分正面図で
ある。
【図4】本発明の一実施例の電気的構成を示すブロック
図である。
【図5】温度分布データの有効領域を抽出方法を示す説
明図である。
【図6】石炭パイル2の形状データを示す斜視図であ
る。
【図7】図1の石炭ヤード1の平面図である。
【図8】データ処理の流れを示すフローチャートであ
る。
【図9】石炭パイル2の温度分布の表示例である。
【符号の説明】
1 石炭ヤード 2 石炭パイル 3 レール 4 ベルトコンベヤ 5 複合ケーブル 10 ヤード機械 11 プラットホーム 12 車輪 13 塔 14 掻出し装置 15 牽引ワイヤ 16 案内板 17 ブーム 18 積付装置 19 巻取リール 20 フレーム構造物 21 走行位置検出器 30 赤外線カメラ 31 サンプリング領域 32 画像メモリ 33 カメラ制御盤 40 画像処理装置 42 CRT 43 ハードコピー装置 44 キーボード 50 輪郭線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 貞彦 宮城県仙台市青葉区一番町三丁目7番1 号 東北電力株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−113629(JP,A) 実開 昭58−99636(JP,U) 特公 平5−3533(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01J 5/10 G01N 25/50

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭パイルの積付けまたは払出しを行う
    レール走行式のヤード機械を該石炭パイルの両側に配置
    し、 ヤード機械の頂部付近であって該石炭パイルの片側斜面
    および上面を見通せる位置に、平面撮像型の赤外線カメ
    ラを搭載し、 ヤード機械を走行させながら、石炭パイルから放射され
    る赤外線を撮像し、 赤外線カメラからの撮像信号を、ヤード機械の一定距離
    走行毎に順次サンプリングして石炭パイルの温度分布デ
    ータを得て、 一方のヤード機械に搭載された赤外線カメラで得られた
    温度分布データおよび他方のヤード機械に搭載された赤
    外線カメラで得られた温度分布データに基づいて石炭パ
    イル全体の温度分布データを合成し、 合成した温度分布データを石炭パイルの平面図に展開し
    て表示することを特徴とする石炭パイルの温度監視方
    法。
  2. 【請求項2】 赤外線カメラからの撮像信号を順次サン
    プリングした後、予め記憶された石炭パイルの形状デー
    タに基づいて有効画像を抽出することを特徴とする請求
    項1記載の石炭パイルの温度監視方法。
  3. 【請求項3】 外気温を計測し、石炭パイルの温度分布
    データと外気温との偏差を表示することを特徴とする請
    求項1記載の石炭パイルの温度監視方法。
  4. 【請求項4】 石炭パイルの温度分布データと外気温と
    の偏差を1つまたは複数の閾値レベルでランク分けし
    て、各ランク毎に色分け表示することを特徴とする請求
    項1記載の石炭パイルの温度監視方法。
  5. 【請求項5】 予め記憶された石炭パイルの形状データ
    に基づいて石炭パイルの輪郭線を算出して、温度分布デ
    ータまたは外気温偏差を輪郭線と合成して表示すること
    を特徴とする請求項1、3または4記載の石炭パイルの
    温度監視方法。
  6. 【請求項6】 石炭パイルの両側に配置されて積付けま
    たは払出しを行うヤード機械の頂部付近であって、該石
    炭パイルの片側斜面および上面を見通せる位置に搭載さ
    れ、石炭パイルから放射される赤外線を撮像するための
    平面撮像型の赤外線カメラと、 赤外線カメラからの撮像信号をヤード機械の一定距離走
    行毎に順次サンプリングして、石炭パイルの温度分布デ
    ータを格納するためのカメラ制御手段と、 一方のヤード機械に搭載された赤外線カメラで得られた
    温度分布データおよび他方のヤード機械に搭載された赤
    外線カメラで得られた温度分布データに基づいて石炭パ
    イル全体の温度分布データを合成し、石炭パイルの平面
    図に展開して表示する画像処理手段とを備えることを特
    徴とする石炭パイルの温度監視装置。
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