JP2761341B2 - 流体式制振装置 - Google Patents

流体式制振装置

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JP2761341B2
JP2761341B2 JP5434593A JP5434593A JP2761341B2 JP 2761341 B2 JP2761341 B2 JP 2761341B2 JP 5434593 A JP5434593 A JP 5434593A JP 5434593 A JP5434593 A JP 5434593A JP 2761341 B2 JP2761341 B2 JP 2761341B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、パッシブまたはアク
ティブ流体方式の制振装置において、小さなマス比(流
体重量/構造物重量)で大きな制振効果を得るようにし
た構造物の制振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パッシブ流体方式の制振装置は、高層建
築物などの屋上など構造物の所定の位置に貯留タンクを
設け、このタンクの内部に前記構造物の固有の振動周期
と一致する振動周期で構造物の振動と所要の位相差をも
って振動する水などの液体が貯留されたものであって、
構造物が静止状態にあるときは、図4の想像線で示すよ
うに構造物の床3上に固定されたタンク1内の液体2は
静止している。
【0003】構造物が振動すると、タンク1内の液体1
は建物の振動位相から90°遅れで揺動し、液体がその
方向に移動し、その揺動偏位±X1 はタンク1の壁面に
慣性力F1 として作用して建物に伝わり、その結果、そ
の揺動エネルギーが構造物の減水力として働き、構造物
が風や地震などによって何時までも揺れ続けるのを防止
する。
【0004】これに対し、アクティブ流体方式の制振装
置はこの揺れを駆動機構などを用いて強制的に生じさせ
ることにより、更に制振効果を高めたものである。
【0005】いずれにしろこれら流体式制振装置は、次
の各方式が採用されている。 図4のごとく単に構造物上に静止状態に置かれてい
る。 タンクを上方の固定点から吊っている。 あるいは水平移動可能に設置される。 しかしながら、以上の各方式とも次に述べる技術上の問
題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】まずの固定方式で
は、流体の重心移動が緩慢で流体の慣性力が小さく、し
たがって制振力が小さい。逆に言えば制振力を大きく取
る場合にはタンク容量を大きくとらなければならない。
【0007】またの方式では、構造物の揺れによって
水槽も揺れるため、慣性力が大きい反面、タンクを振り
子状に支持するため、占有空間を大きく取る上に、振り
子の固有周期とスロッシングによる固有周期が同調する
場合があり、スロッシングが大きく減殺される場合があ
る。
【0008】更にの方式ではアクティブ方式に限ら
れ、またの方式と同じくタンク内の流体の重心移動が
緩慢で、慣性力が小さく、したがって制振効果が小さ
い。
【0009】この発明は、以上の問題を解決するもので
あって、その目的は液体の揺動に伴いタンクを若干傾け
る構成とすることで、小型のタンクであっても液体の重
心移動を迅速に行わせて大きな慣性力を生じさせること
ができるようにした流体式制振装置を提供するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、この発明は、構造物の所定の位置に貯留タンクを設
け、該タンクの内部に液体を貯留した制振装置におい
て、前記液体を満たした前記タンクの重心位置より高
く、かつ該重心位置とのレベル差が前記タンクの幅の1
/2より小さい範囲を支点として前記タンクの中央を前
記構造物上に揺動可能に支持したことを特徴とする。
【0011】またこの発明では、前記タンクの一側部に
連結されてこれを強制的に揺動操作するための駆動機構
と、前記構造物の振動を検出するセンサーと、該センサ
ーの検出力に応じて前記駆動機構の駆動タイミングを指
令する制御手段とを設けることもできる。
【0012】
【作用】以上の構成によれば、構造物が静止状態である
と、貯留タンクの揺動支点と液体の重心位置は上下で一
致し、静止状態に保持されている。
【0013】この状態から構造物が振動するとその振動
の強さに応じて液体が揺動変位し、同時に重心位置を変
えて貯留タンクをその支点を中心として変位方向側が低
くなるようタンクを傾かせることによって、更に液体の
流れは加速され、タンク壁面を通じてより大きな慣性力
を構造物に伝える。
【0014】タンクの傾きの周期は水の揺動周期と常時
一致するのでその解析は単純となり、しかもタンク自体
はほとんど水平移動しないのでスロッシングを減殺する
惧れはない。
【0015】強制的揺動操作のための駆動機構を設けた
場合には、その振動の強さ,方向をセンサーが検出し、
制御部ではこのデータを元に最適駆動タイミングを演算
し、そのタイミングを駆動機構に指令してタンクを傾か
せるので、更に効果的に液体の流れを加速し、タンク壁
面を通じてより大きな慣性力を構造物に伝える。
【0016】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を用いて詳細
に説明する。
【0017】図1はこの発明をパッシブ方式の流体式制
振装置に適用した第一実施例を示すものである。図にお
いて、高層建築物の屋上の床10上にはU字管形をした
貯留タンク14が配置され、内部に制御用の水16を蓄
えている。
【0018】タンク14の両側の起立部14aの間には
支持バー18が掛け渡され、この支持バー18の中心部
は支点ピン20を介して床10上に立設固定された支持
ブラケット22の上端に連結し、前記タンク14をやじ
ろべえ式にバランス保持している。この支点ピン20の
高さは、水16を満たしたタンク14の重心Gよりも高
く、かつ重心G0 とのレベル差が容器の幅Dの1/2以
下に設定されたものである。
【0019】以上の構成において、建物が静止状態にあ
る時は水16の重心G0 と支点ピン20の支点中心Oは
一致し、しかも支点中心Oは重心G0 より上部にあるた
め、タンク14はやじろべえ式に水平保持されている。
【0020】この状態から強風や地震などにより建物に
振動が伝わると、揺動変位±X1 がタンク14の壁面に
慣性力F1 として作用して建物に伝わる(図4参照)
が、この発明の実施例ではこれと同時にその重心G0 が
G1 ,G2 …へと移動する。この結果、タンク14は支
点Oを中心に重心移動方向に傾き、またこの傾きにより
水16の流れが加速X2 (>X1 図3参照)され、より
大きな慣性力F2 (>F1 図4参照)が生ずることにな
り、建物に対する制振力として有効に寄与する。なお、
図においては、タンク14の最大傾斜は前記床10上に
タンク14の両側下角部が直接または間接的に当接する
ことで規制され、水6の零れ落ちを防止できるが、別の
規制手段を設けるようにしても良い。
【0021】また、タンク14は左右方向の傾きだけで
なく、紙面と直交する前後方向など水16の動きに応じ
て全方向に傾斜させることができるが、この場合には、
支点ピン20に替えて球座などの全方向軸支手段を設け
れば良い。
【0022】図2は、この発明をアクティブ方式の流体
式制振装置に適用した場合の第二実施例を示すものであ
る。なお、前記第一実施例と同一箇所には同一符号を用
いて説明する。
【0023】図においてこの装置は前記と同様に、水1
6を内部に蓄えたU字管形のタンク14の両側の起立部
14aの間に支持バー18が掛け渡され、この支持バー
18の中心部は支点ピン20を介して床面10上に立設
された支持ブラケット22の上端に連結し、前記タンク
14をやじろべえ式にバランス保持している。
【0024】支点ピン20は、駆動モータ24の出力軸
24aにクランク等を介して連結され、駆動モータ24
の駆動によってタンク14は支点ピン20を中心に左右
に強制的に揺動操作される。
【0025】更に床10上の適宣の位置には建物の振動
の強さ及びその方向を検出する振動検出センサー26が
配置されている。このセンサー26はタンク14の近傍
の適宣位置に配置された制御部28に接続されている。
【0026】制御部28は、前記タンク14の容積,水
16の総重量,全体の質量,回転モーメントなどのデー
タが予め記憶されているとともに、センサー26の検出
出力を受け、現在の振動の強さ及び方向から前記データ
を元にタンク14の最適な傾きの方向及びタイミングを
即時演算し、駆動モータ24にその駆動方向,タイミン
グを指令する。
【0027】以上の構成において、建物が静止状態にあ
るときは、駆動モータ24はタンク14を中立位置に保
持したままの状態で静止し、タンク14は支点ピン18
を支点として水平位置に保持されている。
【0028】この状態から振動が建物に伝わると、セン
サー26がこれ検出し、その振動の強さ及び方向を制御
部28に出力する。
【0029】制御部28では得られたデータを元に駆動
モータ24に対する駆動方向及び駆動タイミングを即時
演算し、この演算結果により駆動モータ24はそのタイ
ミングに応じて駆動され、タンク14を左右いずれかに
傾ける。この結果、水16が傾き方向に加速されつつ移
動し、その揺動変位±xがタンク14の壁面により大き
な慣性力Fとして作用して建物に伝わることになる。
【0030】図3は、ある構造物モデルに振動を与えた
ときの振幅の時刻歴の実験例を示すものであって、
(a)に示すようにある特定の振幅の入力波を構造物モ
デルに与えた場合、制振のための制御が行われていない
場合には、(b)に示すように構造物モデルは順次減衰
しつつも振動が持続する。
【0031】これに対し、水の重心移動のみによってタ
ンクが傾く方式を採用した場合、すなわち駆動モータに
よる傾き制御を行っていない第一実施例の場合は、
(c)に示すように振幅は急激に減衰する(但し、長い
間小さな振動が持続するが、これが問題でない場合には
十分な効果があると判定される)。
【0032】更に、これに加え第二実施例のごとく駆動
モータを最適タイミングで駆動した場合には同一のモデ
ルであっても、(d)に示すように振幅は急激に減衰
し、しかも小さな振動も短時間の間に消滅することにな
る。
【0033】なお、各実施例ではタンクとしてU字管形
のものを用いたが、矩形状のタンク、その他有利な形状
とすることができる。
【0034】
【発明の効果】以上各実施例によって詳細に説明したよ
うに、この発明による流体式制振装置にあっては、貯留
タンクの揺動支点と液体の重心位置は上下に一致し、通
常では静止状態に保持され、構造物が振動するとその振
動の強さに応じて液体が揺動変異し、同時に重心位置を
変えてタンクをその支点を中心として偏位方向側が低く
なるようタンクを傾かせて更に液体の流れを加速し、タ
ンク壁面を通じてより大きな慣性力を構造物に伝える構
造であり、タンクの傾きの周期は水の揺動周期と常時一
致するのでその解析は単純となり、しかもタンク自体は
ほとんど水平移動しないのでスロッシングを減殺する惧
れがなく、従来のいずれの方式の流体式制振装置よりも
小さなマス比で大きな制振効果を得ることができる。
【0035】またこの発明をアクティブ方式の制振装置
に適用した場合には、振動の強さ,方向をセンサーが検
出し、制御部ではこのデータを元に最適駆動タイミング
を演算し、そのタイミングを駆動機構に指令してタンク
を傾かせるので、更に効果的に液体の流れを加速し、タ
ンク壁面を通じてより大きな慣性力を構造物に伝えるた
め、更に大きな制振力を得られ、早期に構造物の振動を
減衰できる。
【0036】また本発明は、装置そのものを小型にでき
るため安価で、占有空間も小さくて済む利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施例によるパッシブ方式の流
体式制振装置の原理説明図である。
【図2】この発明の第二実施例によるアクティブ方式の
流体式制振装置の原理説明図である。
【図3】(a)〜(d)はある構造物モデルに振動を与
えたときの振幅の時刻歴の実験例を示すグラフである。
【図4】従来のパッシブ方式の流体式制振装置の原理説
明図である。
【符号の説明】
10 床 14 貯留タンク 16 水(液体) 18 支点ピン 24 駆動モータ(駆動機構) 26 振動検出センサー 28 制御部(制御手段)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の所定の位置に貯留タンクを設
    け、該タンクの内部に液体を貯留した制振装置におい
    て:前記液体を満たした前記タンクの重心位置より高
    く、かつ該重心位置とのレベル差が前記タンクの幅の1
    /2より小さい範囲を支点として前記タンクの中央を前
    記構造物上に揺動可能に支持したことを特徴とする流体
    式制振装置。
  2. 【請求項2】 前記タンクの一側部に連結されてこれを
    強制的に揺動操作するための駆動機構と、前記構造物の
    振動を検出するセンサーと、該センサーの検出力に応じ
    て前記駆動機構の駆動タイミングを指令する制御手段と
    を設けたことを特徴とする請求項1記載の流体式制振装
    置。
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