JP2757117B2 - バイアル容器 - Google Patents

バイアル容器

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JP2757117B2
JP2757117B2 JP6103414A JP10341494A JP2757117B2 JP 2757117 B2 JP2757117 B2 JP 2757117B2 JP 6103414 A JP6103414 A JP 6103414A JP 10341494 A JP10341494 A JP 10341494A JP 2757117 B2 JP2757117 B2 JP 2757117B2
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郁雄 荒木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、バイアル容器の改善
に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】 従来一般に知られているバイア
ル容器は、図19に示すように、アルミ材料よりなるプ
ロテクター1の上面に、スコアーなどの破断容易線2で
囲まれた破断部3を形成し、この破断部3に合成樹脂製
蓋体(以下フリップオフキャップと称する)4の内面に
形成した係合突部5を鳩目構造で止着せしめ、一方、前
記プロテクター1内に栓部6aに通気切欠き7を形成し
たゴム栓6を嵌着し、該ゴム栓6をバイアルびん8のび
ん口8aに浮き上り状に嵌合させた姿勢でバイアルびん
8内の薬剤を凍結乾燥させ、凍結乾燥後はゴム栓6を完
全に密栓するとともに、プロテクター1の裾部を巻締機
により巻締めしたものである。その使用に当っては図に
示すように、フリップオフキャップ4を介して破断部3
を破断させ、露出したゴム栓6上部を滅菌するととも
に、この部分に注射器の針を刺通して蒸溜水などの液体
をバイアルびん8中に注入して凍結乾燥せる薬剤を溶解
し、この薬剤液をシリンジなどに注取し投与するように
したものである。従来のバイアル容器には次のような課
題がある。 (a)バイアル容器が、ガラス,アルミ,合成樹脂,ゴ
ム材の4種類から構成されており、廃棄焼却処理時に夫
々の材質に分別する必要があり、その分別に多くの時間
と労力を要する。 (b)アルミ製プロテクターをホッパー中に滞留させ、
このプロテクターをフィーダーを介してバイアルびんに
冠冒させる過程において、ホッパーの中で滞留転動中に
アルミ屑が発生し、このアルミ屑がフリップオフキャッ
プを汚染する可能性がある。 (c)凍結乾燥装置への運搬途中でゴム栓が浮き上り脱
落するおそれがある。 (d)アルミ製プロテクターの巻締部に対応するバイア
ルびん口部が不透明なため、びん口部の検査が困難であ
る。 (e)蓋体を除去し破断部を露出した際に、破断部の周
囲にアルミの剪断部が生じ、これに滅菌用の脱脂綿が引
っかかって残り、ゴム栓上面露出部の滅菌に支障を来
す。
【0003】本発明の目的は、廃棄焼却処理時に材料に
よる分別がきわめて容易で、一方、搬送途中での栓の浮
き上りや脱落のおそれのないバイアル容器を安価に提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】 上記目的は、天壁に開
口又は通針容易性のシール手段で閉塞した通針窓部を形
成せる合成樹脂製プロテクターと、このプロテクターが
被嵌されるびん容器との間にびん容器の内部と外部とを
連通せしめる通気手段を設け、一方、前記プロテクター
の天壁内面に、これとびん口との間を密封する栓を装嵌
し、前記プロテクターを構成する筒部の内面に、びん口
鍔部の下辺周縁に係合して凍結乾燥後に対応するプロテ
クターの全打栓密封姿勢を保持する係止手段を設けたバ
イアル容器において、前記栓をシート状パッキンにて構
成するとともに、プロテクターを構成する筒部の内面
に、びん口鍔部の下辺に係合してプロテクターの半打栓
乾燥姿勢を保持する係止手段を設けたことにより達成さ
れる。
【0005】
【作用】 突条構造の係止手段の段設により、凍結乾燥
手段への搬送途中に対応するプロテクターの浮き上り脱
落防止、および、凍結乾燥後の密封が確保しうる。
【0006】
【実施例】 次に、図面について本発明実施例の詳細を
説明する。図1,図2及び図3は第1実施例を示し、図
4〜図7はプロテクターの別実施例を、図8〜図10は
第2実施例を、図11〜図13は第3実施例を、図14
〜図16は第4実施例を、図17,図18は第5実施例
を示している。
【0007】図1,図2に示す第1実施例についてその
詳細を説明する。11は合成樹脂製のプロテクターで、
該プロテクター11の天壁中央部には通針窓部12を形
成するとともに、前記プロテクター11の天壁上面には
通針窓部12を閉塞するシール13が貼着してある。こ
のシール13の表面には薬品名,含量などの識別のため
の表示(図示略)が印刷されている。前記プロテクター
11の内部には、これの天壁内面に当接するようにゴム
又は合成樹脂材料よりなるシート状パッキン22を嵌着
せしめ、このシート状パッキン22の下部周辺は、前記
プロテクター11の内面に一体形成した小さな突条16
に係止されており、前記シート状パッキン22の厚みを
aとする。図中17は前記プロテクター11の内面上下
方向に形成した通気溝である。また、前記プロテクター
11の内面には、前記突条16の下方に平行2条の突条
18,19が適当間隔毎に一体形成してあり、この突条
18,19間にバイアルびん20のびん口20a部に形
成した鍔部20bを介在挟持することにより、図1で示
すようにプロテクター11が凍結乾燥時の姿勢が保持さ
れるようにしてある。つまり、最下段の突条19によっ
て半打栓乾燥時におけるプロテクター11の脱落が阻止
されるとともに、又次段の突条18により不用意なプロ
テクター11の下降が阻止せしめられ、凍結乾燥姿勢が
確実に保持されるようにしてある。前記突条16と突条
18の間隔bは前記びん口20aの鍔部20bの外周厚
と略同一である。前記シート状パッキン22の厚みa
と、突条16と突条18の間隔bとの和は、プロテクタ
ー11の天壁内面と次段の突条18の上縁との距離Lよ
り若干大きく形成する。この寸法条件により図2に示す
ように、薬剤の凍結乾燥後プロテクター11の上面を凍
結乾燥庫内に設けた天板(図示略)で押圧し、シート状
パッキン22を密封姿勢、即ち、シート状パッキン22
を圧縮しびん口20aの上面に密着させ、両者をプロテ
クター11の天壁と次段の突条18間に挟着支持したと
きの密封性の向上が図れるようにしたものである。前記
突条16は図2,図3で示すように、びん口20aの鍔
部20b上面外周に形成した段部21に介入するように
することも可能である。
【0008】次に、図1〜図3に示すように、シール性
をより良好にすることを目的として、シート状パッキン
22がびん口20aの周辺上面に当接する周縁下面に、
複数条のリング状のシール突条23を一体形成したもの
を使用することもできる。また、このシール突条23に
代え、図1の仮想線で示すように、びん口20aの上面
に複数条のリング状のシール突条24を一体に形成する
こともできる。
【0009】図4〜図7について前記プロテクター11
の別実施例の詳細を説明する。この実施例は、前述した
図1に示したシール13に代え、通針窓部12に肉薄の
シリンジ針の刺通容易なシール膜25を一体に形成した
もので、図5に示すように、シール膜25を通針窓部1
2の最上部に形成してプロテクター11の上面をフラッ
トにするか、図6に示すように、シール膜25を通針窓
部12の最下部に設けるか、あるいは、図7で示すよう
に、シール膜25を通針窓部12の中間部に一体形成し
たものである。尚、前記シール膜25の破断を容易とす
るために、通針窓部12の周縁と接するシール膜25部
にスコアー(図示略)のような易開口手段を施し、シー
ル膜25を指先で押圧することによりこのスコアー部分
から綺麗に而も容易に破断できるようにすることも可能
である。
【0010】図8〜図10について第2実施例の詳細を
説明する。この実施例は、前述した第1実施例がプロテ
クターの内面上下方向に通気手段を設けたのに対し、バ
イアルびんのびん口鍔部外周に通気手段を形成したもの
である。図8に示すように、びん口20aの鍔部20b
外周に少くとも3個の突起28を一体に形成し、図9の
ように、この突起28の外側端にプロテクター11の筒
部11aの内面が接するように、びん口20aにプロテ
クター11を嵌合させ、前記突条18,19間にびん口
20aの鍔部20bを介在せしめる。前記プロテクター
11の筒部11a面と鍔部20bの外周面との間には、
前記突起28の厚み相当分の通気間隙29が複数個形成
され、バイアルびん20の内部が外部に連通せしめられ
た凍結乾燥時の姿勢が保持される。凍結乾燥後は図10
に示すように、プロテクター11を全打栓することによ
り前記通気間隙29はシート状パッキン22によってシ
ールされ、鍔部20bの下面に突条18が係合しシート
状パッキン22及びプロテクター11は密封姿勢に保持
せしめられる。
【0011】図11〜図13に示す第3実施例は、図1
1に示すように、びん口20aの鍔部20b外周に上下
方向に貫通した通気溝30を設けたものである。そし
て、図12に示すように、プロテクター11をバイアル
びん20のびん口20aに対して半打栓せしめ、プロテ
クター11の筒部11aに設けた下段の突条19をびん
口20aの鍔部20bの下面に係合した凍結乾燥姿勢を
保持せしめ、バイアルびん20の内部を前記通気溝30
を介して外部と連通させたものである。凍結乾燥後は図
13に示すように、プロテクター11を全打栓すること
により前記通気溝30はシート状パッキン22によって
シールされ、鍔部20bの下面に突条18が係合し、シ
ート状パッキン22及びプロテクター11を密封姿勢に
保持せしめる。
【0012】図14〜図16は第4実施例を示してい
る。この実施例は図14に示すように、びん口20aの
鍔部20bの対称個所に、鍔部20bの外周を上下方向
にカットした切落し面31を設けたもので、図15に示
す如く、プロテクター11をバイアルびん20のびん口
20aに対して半打栓し、プロテクター11の筒部11
aの内面に設けた下段の突条19を前記鍔部20bの下
面に係合した凍結乾燥姿勢を保持せしめ、バイアルびん
20の内部を、前記切落し面31と筒部11aの内面と
の間に形成される通気間隙32を介して外部と連通させ
たものである。凍結乾燥後は図16に示すように、プロ
テクター11を全打栓することにより前記通気間隙32
はシート状パッキン22によってシールされ、鍔部20
bの下面に突条18が係合しシート状パッキン22及び
プロテクター11を密封姿勢に保持せしめる。
【0013】図17,図18に示す第5実施例は、バイ
アルびん20のびん口20aの外径、つまり、鍔部20
bの外径を、プロテクター11の筒部11a内径より小
径に形成し、鍔部20bの外周と筒部11aの内面との
間に両者の径差に相当する通気間隙33を形成したもの
である。この実施例は図17に示すように、シート状パ
ッキン22をバイアルびん20のびん口20aに半打栓
し、プロテクター11の筒部11aの内面に設けた下段
の突条19を前記鍔部20bの下面に係合した凍結乾燥
姿勢を保持させる。このとき、前記通気間隙33が突条
19によって閉塞されるおそれがあるため、この突条1
9は通気部34を設けた断続構造とするものである。突
条18も同様構造とする。そして、凍結乾燥後は図18
に示すように、プロテクター11を全打栓することによ
り前記通気間隙33はシート状パッキン22によってシ
ールされ、鍔部20bの下面に突条18が係合しシート
状パッキン22及びプロテクター11が密封姿勢に保持
せしめられる。
【0014】
【発明の効果】 上述のように本発明の構成によれば、
次のような効果が得られる。 (a)従来技術のように、係止手段をプロテクターと栓
体に分離して形成したものに比べ、プロテクターの筒部
内面に段設した2個の係止手段により、プロテクターの
半打栓凍結乾燥姿勢と全打栓密封姿勢の確保がなし得ら
れ、凍結乾燥庫への運搬途中における振動やショックに
よるプロテクターの脱落が完全に防止でき、作業処理効
率の向上が図れるとともに、構造が簡単で而も安価であ
る。 (b)バイアル容器が、ガラス,合成樹脂,ゴムの3素
材によって構成されていることから、従来と比較して廃
棄焼却処理がきわめて容易になる。 (c)従来技術のようにアルミ製プロテクターを使用す
るものに比べ、プロテクターが合成樹脂材料であるた
め、ホッパーなどに滞留中に屑の発生がなく、プロテク
ターの管理が容易である。 (d)シート状パッキンの使用により、凍結乾燥時にお
けるバイアルびん内と外気との通気が容易に而も完全に
確保でき、適確で均一した凍結乾燥が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例における凍結乾燥姿勢の断面図で
ある。
【図2】 図1に示す実施例の密封姿勢の断面図であ
る。
【図3】 要部の拡大断面図である。
【図4】 通針窓部をプロテクターと一体の開口容易性
のシール手段で閉塞し、通気手段を溝構造とした実施例
の一部切欠斜視図である。
【図5】 図4で示すシール手段を通針窓部の上部に設
けたプロテクターの別例を示す断面図である。
【図6】 図4で示すシール手段を通針窓部の下部に設
けたプロテクターの別例を示す断面図である。
【図7】 図4で示すシール手段を通針窓部の中間部に
設けたプロテクターの別例を示す断面図である。
【図8】 びん口に通気手段を形成した第2実施例を示
す平面図である。
【図9】 第2実施例の凍結乾燥姿勢を示す断面図であ
る。
【図10】 図9の密封姿勢を示す断面図である。
【図11】 びん口に通気手段を形成した第3実施例の
平面図である。
【図12】 第3実施例の凍結乾燥姿勢を示す断面図で
ある。
【図13】 図12の密封姿勢を示す断面図である。
【図14】 びん口に通気手段を形成した第4実施例の
平面図である。
【図15】 第4実施例の凍結乾燥姿勢を示す断面図で
ある。
【図16】 図15の密封姿勢を示す断面図である。
【図17】 第5実施例の凍結乾燥姿勢を示す断面図で
ある。
【図18】 図17の密封姿勢を示す断面図である。
【図19】 従来のバイアル容器の分解縦断正面図であ
る。
【符号の説明】
11 プロテクター 11a 筒部 12 通針窓部 13 シール 14 通気切欠き 16 突条 17 通気溝 18 突条 19 突条 20 バイアルびん 20a びん口 20b 鍔部 21 段部 22 シート状パッキン 23 シール突条 24 シール突条 25 シール膜 28 突起 29 通気間隙 30 通気溝 31 切り落し面 32 通気間隙 33 通気間隙 34 通気部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒木 郁雄 横浜市中区山下町166番地 荒木工業株 式会社内 (56)参考文献 実開 昭63−135641(JP,U) 実開 昭62−108258(JP,U) 特公 昭47−2683(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天壁に開口又は通針容易性のシール手段
    で閉塞した通針窓部を形成せる合成樹脂製プロテクター
    と、このプロテクターが被嵌されるびん容器との間にび
    ん容器の内部と外部とを連通せしめる通気手段を設け、
    一方、前記プロテクターの天壁内面に、これとびん口と
    の間を密封する栓を装嵌し、前記プロテクターを構成す
    る筒部の内面に、びん口鍔部の下辺周縁に係合して凍結
    乾燥後に対応するプロテクターの全打栓密封姿勢を保持
    する係止手段を設けたバイアル容器において、前記栓を
    シート状パッキンにて構成するとともに、プロテクター
    を構成する筒部の内面に、びん口鍔部の下辺に係合して
    プロテクターの半打栓乾燥姿勢を保持する係止手段を設
    けたことを特徴とするバイアル容器。
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